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永田カビさんのマンガのこと

 永田カビさんという漫画家さんがいて,ちょくちょく話題にしてるからご存じかもしれないんですが,先日最新刊の「迷走戦士永田カビ」が発売されたのに続いて「グルメでGO」という狂ったエッセイ漫画が始まりました。

https://comic-action.com/episode/3269632237258365320

 摂食障害の観点からの食レポマンガという,史上稀にみる(もしかしたらすでにあるかもしれないので,類を見ないとは言えない)アプローチからの作品で度肝を抜かれてしまいました。自分も一回精神的疾患から過食を患っていたことがあるのですが,マジで吐くまで食うんですよね。なんなんでしょうね。とりあえずそれは置いといて。


 精神的な傷病は表面化しにくいから,表面化しにくいやるせなさを自傷に変換することで実体化して心を落ち着ける,という形で自傷を選ぶ人が多いのは知識としては知っています。手首に大量のリスカ跡を持つ友達もいます。同じようなことを言っていました。その延長線上に拒食や過食といった摂食障害があることも頭ではわかります。彼ら/彼女らはその心の満たされなさ,不安定さ,自分自身でわかっていながらどうしようもないその救われて欲しい,わかって欲しいという感情を拾い上げてもらえず(あるいは自分自身で理解できず),物理的な結果に落とし込むことで何とかしようとするのだと思っています。

 だからこそ,自分自身を作品にする,という自傷行為を選択的に行い続けている永田カビ先生のマンガが僕は怖くてたまらないのです。でも読んでしまう。先生はきっと人生の多くの瞬間をフィクションに救われているのだと思います。無数の知見と確かな教養,そして先生の持つ独自の世界観によって裏打ちされている数多の作品は強い引力を持っています。僕は消費者でありながら先生の作品についての評価をすることができないというジレンマの中にあり,それはつまり,永田カビ先生の苦しみに点数をつけるような行為だからに他ならないからです。


 ある日,この世界から永田カビ先生がふっと消えてしまったとき,人はどう思うのでしょうか。僕はあの人の作品に触れている間,いつどの瞬間でも,ふわっと空気に溶けて消えてなくなってしまいそうな脆さ,繊細さ,優しさ,そして少なからずの愛が(皮肉にも)伝わってくるのです。


 今「迷走戦士」という肩書で先生が活動しているのは,なるほど納得感があります。答えが出ない問いを永久に自問自答し,濃霧の中をさまよい歩く姿はまさしく迷走ですし,自分自身の外面と内面のギャップ,世間との自分とのギャップ,周囲と自分とのギャップに揉まれ抗う姿は闘争心によって突き動かされている戦士といって何ら差し支えないでしょう。

 きっと多くの人は,動物園で変な生き物をみるような感覚で先生の作品を読んでいるのだと思います。ですが,そういう強いストレス下に晒されていて平気な人はそんなにいないですし,この危うさがどこまで続くのか僕はわからない,それがずっと怖くてたまらないのです。治療もカウンセリングも受けてないっていうのをつまびらかにしているのも恐ろしい。まあ本人の意思だから……意思なのかな。わかりません。本人の意思が本当にどこまで自分の意思かなんて,本人にも含めてだれにもわからないのですから……

Stress Explosionのこと

 アンディーメンテが去年出したゲーム,Stress Explosionというゲームがあります。見たまんまのゲームに見えて実際はめっちゃアクション要素強かったり稼ぎ要素があったりで大変なゲームなのですが,それらは置いといて,僕が一番びっくりしたのはプレイヤーの少なさです。

 90年代から00年代初頭にかけて,アンディーメンテといえば僕らのヒーローといっても過言ではありませんでした。インターネットがダイヤルアップ全盛の時代,ネット環境すらまともに整っていない家が多い中,フリーウェアのゲームといえばインターネットで落としてくるものではなく雑誌のCDについてくる頃,アンディーメンテのゲームはそのいずれもに必ずといっていいほど含まれていました。

 フリーウェアを収録する雑誌の文化は廃れてしまいましたが,当時「フリーウェア雑誌に収録される」というのは,われわれ草の根クリエイターにとってひとつの憧れでした。そしてその常連であるアンディーメンテは,あまりにも多角的な方面でゲームを作り,時にはゲームかどうか曖昧な作品をもゲームであると貫き通し,魔術的な魅力をもって僕らの時間を無限に奪っていってくれる勇者だったのです。今でいうと「インターネットに無料で落ちてる作品をかき集めて本にして売るなんて」とか思われちゃいそうな話ですけど,ごくごく当たり前のように昔はそういう本がたくさん存在していました。インターネットの隙間を書店流通が担ってくれていた時代です。


 雑誌掲載でいうと,僕も一度だけ載ったことがあり,確かそのときアンディーメンテの作品だったかステッパーズストップの作品だったか忘れたのですが,一緒に掲載されていたそれより紙面の枠が大きくてめちゃくちゃびっくりしたのは覚えています(何年の何月号だかは忘れた)。


 ある時からアンディーメンテのゲームの複雑さ,長大さが僕の理解を超えるようになり,徐々に離れてしまったのですが,それでもぼくのゲームの原体験の多くはアンディーメンテにあり,ぼくが作るゲームのほとんどはその影響から切り離されていません。今でも多くのファンを抱えていて,彼の言う「ジスカルドの魔法」は生きているものだと思っていました。ゲームから離れてもSISMICとかのサントラは買ったりしてますしね……

 でもいつの間にかそうじゃなくなっていて。ストレスエクスプロージョンはみんなサムズアップしていますが,実際に最後の方までプレイしているのは僕を含めてほんのごくごく僅かな人数で,それがとてつもなく悲しくなってしまいました。もしかしたらフリーゲームを作るアンディーメンテにしかみんな興味がなかったのかもしれませんし,アクションゲームだから人が少ない可能性も全然ありますけど……(ぼくもアンディーメンテで一番好きなのはRPG作品の「ライジングスター・ミレニアム」です)。


 ゲーム自体はアンディーメンテ独特のケレン味を持ちつつもなんだかあんまりうまくいかない所が多く微妙にやきもきするつくりなのですが(ゲームを進めた後でないと星3を取ることが不可能なステージがあるとか),それでもアンディーメンテらしい面白さは根底に健在で,それでもダメなのかな~とムニャムニャ過去に思いを馳せたりしていました,という話でした。

カプコンアーケードスタジアムのこと

 こういう記事をね,前回書かせてもらったんですけども。実際のところ細かいところにブツブツ文句を言うとやっぱよくないな~っていうのはあるんですがブツブツ言わせてほしい・・・

fanbox post: creator/9495/post/1931045

 ふつうに知らない人がリワインドとか使いながら遊ぶ分にはあんまり大きな問題もないと思うのですが,やっぱり「プロギアの嵐」というゲームが大好きな人間としては看過できない部分も少なくなくて,そこらへんのくそったれ~というところをこっちの記事でぶつくさ言わせてもらえればと・・・まあオタクの戯言ですけど・・・?


●Cボタンがない!

 プロギアの嵐は3ボタンで遊ぶゲームで,基板設定を変更することでCボタン(フルオート連射ボタン)が出てくるのですが,それがないのがキツイ! これは本当にめちゃくちゃキツい……ぶっちゃけ論外といってもいいくらいです……

 一応ゲーム側(カプコンアーケードスタジアム側)の設定でAボタン連射があるんですが,Aボタン連射とCフルオートは挙動が全然違うんですよね。

 知らない人からしたら「そんなもんなのかな?」って違いかもしれませんが,アーケードを熱心にやりこんでた人からするとゲーム性が根底からひっくり返るくらいの違いがあります。

 ざっくり言うと↓みたいな感じです,そこそこRTされてビビったな

twitter post: 1362931020639600641

 ほかにも困惑している人は多々……これがどんだけプロギアにとって大事なことなのか本当に理解して欲しい……

twitter post: 1362462955325911042

twitter post: 1362943468654317571



●コマ落ちキツイ!

 これもカプコンアーケードスタジアム側の挙動ですね。特に3ボス戦とかの早い弾が多いところでは結構顕著なんじゃないかと思います。本来CPSは処理落ちしてるときは一律スローになるのですが(2ボス発狂とかは意図的に処理落ちをかけてあるからわかりやすい),そうじゃなくてフレームが時々スッ飛びます。

 これにより速い弾の挙動が読めずに被弾することが多々,下手くそと言われたらそれまでですが,画面の見た目の再現度とかを延々いじってる暇があったらまずは常時60FPS出ることを意識して欲しい。



●スコアタモードでクリアした時にエンディング見せろ!!!!

 これはもう文字通りの意味ですね。アーケードゲームの達成感って,クリアしてドヤドヤ状態! 脳内でタバコスパーってしつつエンディング見るところにあるんで,そこをカットする神経は正気を疑います。これマジで初めてやったときぶっ殺したろうかと思いました。これにGOサイン出したヤツ誰? 出てこいよ・・・

bandicam 2021-02-18 13-34-49-315

 究極的には「そんなに文句あるなら実機でやればよくね?」って思われるかもしれません,そして僕はプロギアの嵐の基板を所持しているのでその問いにOKって返すことが出来るんですが,違うんですよ!!!!!

 プロギアの嵐は本当にめちゃくちゃ面白いゲームで,ぼくがこうやって面白いゲームなんです!! って言ってるところに「ヘェ~じゃあちょっと興味あるしやってみちゃおっかな~」ってなった人が,こういう瑕疵や欠損によって「思ったのより難しい~」とかなったら「違うんだ! 待ってくれ!!!!」って言いたくなるでしょうっていう話なんです!!! もちろん僕もめちゃくちゃ期待してたからプロギアやるためにswitch用のアケコン買いましたけど!!!!!

 頼むカプコン!!! プロギアの嵐のためにもう1500円払ってもいいからほんまに修正してくれ!!!!! 1500円じゃなくて1万円払ってもいい!! 2万円でも払う!! だから頼む!!!!!!! マジで!!! お願いします!!!!!!!! アアアアアアアアア!!!! ウワアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!

環境型ハラスメントについて

 この画像が話題になって,オタクのオモチャにされてましたけど,僕はどうなんかな~と思うんですよ。まずオタクがこんな番組見ない前提で作られてるってのもありますし。

 たぶん,この画像が必要な人は本当に存在して,それは凝り固まった既成観念を自分の思考だけによって打破することが出来ない人で(これは悪口とかではなく,僕自身もそういう言われて気づくことが沢山あります),そういう人のために「こういう事は場合によっては嫌がられるよ」って意図で書かれてるんじゃないかなと。

 ご多分に漏れず,画像しか流れてきてなくて全容を知らないので文脈については何とも言えませんけども。「若者のxx離れ」みたいなのも,「なんか今どきの若い人ってな……車とか買ったりして贅沢しないらしいよ!!」「マジ!? じゃあ何に消費活動してるんだ!?」「わかんねぇ……」みたいな人たちのために必要な言葉なんですよ。

 だって僕とかも「なんか普通の人ってゲーセン以外の時間潰しを知ってるらしいよ」「マジ!? ゲーセン行かずに何して過ごすの……?」「わかんねぇ……」ってしょっちゅうなってますし。


 要するに,自分らの世代では許容されていた価値観が,いつかの段階で許容されなくなった(あるいは,もともと嫌がられていたものが,明確に社会的な制裁を受けるようになった)ことについての警鐘だと思うんですよ。スメハラとか容姿をイジるハラスメントとかなんちゃらハラスメントも色々あったと思いますけど,そうやって言葉にされると「わかりやすい」じゃないですか。

 常に自分より下の世代は「新人類」である状況下において,そういう正体不明の存在を分類してタブーを作り出し世代間格差を埋めてくれるメディアに対してオモロくすることで返すのは不誠実だなと僕はわりかし真剣に思ってるんですよ。

 

 あらゆるハラスメントに共通しているのは,加害側が居直ることで被害者を追い詰めることが出来る点,また環境レベルに発展して知らず知らずのうちに加害/被害の当事者になってしまっているという点だと思います。

 たとえばコクハラなんかはわかりやすくて,「イヤなら断ればいいじゃんw」「それなら気があるようなそぶりをするなよw」みたいなことを平気で言える人たちは幸せな人生を送ってきたんだろうなと思います。告白は関係性に変化を生む行いであり,それによって居場所を奪われてしまう人がいるという事実に想像力が至らないのは気の毒でしょうがないと思います。これ好き↓

 大体そういうのって,「そこまで邪険に扱わなくてもいいじゃんw」とか「話くらい聞いてあげなよw」とか「一回試しに付き合ってみたら?w」みたいなれんぢゅうが周りにいるせいで,環境単位でハラスメント形成してる場合がほとんどなんだよな。そういうことをしてくるやつが居られる環境って,つまりそういうことをしてくるやつを許容している環境でもあるので,必然的に問題が表面化しにくい(被害者が失意のまま去ることでしか状況が改善しない)のかなーとか。


 ただ,一方で,自分の優しさを言い訳にして,他人にハラスメントを受けている負荷を横流しするヤツも僕は同じくらいしんどいです。ここからは僕のかなり個人的,かつ過激な思想を含めているので話半分に聞いてください。

 まず,そんなにイヤなら愚痴ってる気力で火炎瓶の一本でも投げ込めばいいじゃんと思いますけど,こういう状況を受け続けている人に共通しているのは「自分が我慢してればいい」という理由で現状維持することがとりあえず一番の解答であり,時間が解決すると思っているのか,逃げたら負けと思っているのか,闘争は悪であると思っているのか知りませんけど,まず耐えることを選択してるんですよね。

 そんで耐えきれなくなったストレスを愚痴という形で誰かに流し込んだりしてる場合が多い。そうするとどうなるか,被害を受けている人のダメージを誰かが肩代わりし続けなければその人,あるいはその人のダメージを肩代わりしている人が関係性を持続できなくなるという恐ろしい呪縛が発生して,死の沼に一緒に沈んでいく相互依存カップリングの出来上がりです。

 人は24時間365日を,誰か特定の個人のために無償の奉仕で割けるように出来ていません。これはどんなに深い関係性でも共通している万物の理論であり,あるいは一般常識と言い換えられることもあります。


 コロナ禍でDVのニュースが顕著に表れるようになり,「DVをするような人間は元々その程度の人間だった」なんてめちゃくちゃな自己責任論が横行する時期が一瞬ありましたが,過剰な卑屈さが他者の強烈な反感を買ったりストレスを与え,それが自分に鏡のように反射している可能性もあるんですよね(当然ですが暴力を肯定しているわけではありません)。

 バイオレンス(暴力)とはいったい何をもってしてのバイオレンスなのか? 物理的なのか? 精神的なのか? 追い詰めることなのか? 多大に増長させることなのか? 強力な相互依存に陥ることなのか? これもめちゃくちゃ難しい問題で一意に定義できるものではありませんが……。

 じゃあ死ねよ,とは山岡さんの言ですが,もうそんなに面倒くさいなら死ぬか殺せばいいのになあ,と思うことは少なくありません。自分が優しい人間であるために,他人を傷つけ続けることが優しく善いことであるとは,ぼくは思えないので。

 じゃ,辛気臭くなっちゃいましたけど2021年はそんな感じでやっていこ~かなと思いま~す。3月中にはエイプリルの時期バァ~ジョンを出したいので今ストーリーシーンのラフとか追加のジョブとかをね,一生懸命描いてますんで・・・

 ではまた! みんなも鬱病とハラスメントと若者の肉離れには気を付けてくださいね~!

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