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  • bandicam 2021-01-16 21-23-20-933.mp4

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ニコ君が一体何をしたんや……

 というわけでOneShotをもらったので遊んだんですけども。あとデトロイトももらいました,デトロイトセールでもない時期にありがとうございます,これガッツリ目にネタバレアリで話してもいいやつですか? 今の時点で遊んでないってことはそう言うことだとして全部話させてもらっていいですか? 一応インターネットのお作法に従っていっぱい改行入れておきますか













OneShotあれこれ

 よくこの手合いのゲームの話をする時に,メタとかトリックがあるということをオープンにした時点でトリックがあるということ(メタ的な手法を使っているということ)が同時に明らかになってしまう脆弱性がある,って皆言うんですけども,それってゲームの本質的な部分なんかなーって思うことは多くて。

 確かにトリックとかそういうメタ的な手法に掛かった瞬間はすごい「ガーン!」ってなるんで印象には残るし,そこがすごく大事に見えるのはあるんですが,でもまあ本当にそういうフラットな状態で体験を得たいのであればさっさとやっておくべきだし,ネタバレを聞いてしまって憤慨するような環境にいるのであればそういう環境にいる自分を呪うべきではないかと僕は思うのですが,これはマッチョな思想なんかな~……じっさい,様々な理由でタイミングを逃したりとか,不運なタイミングが重なることはありえますからね……(僕の場合,これは「いつでも気が向いた時に遊べばいい枠」のゲームだったので今回もらってようやく遊んだ)


 で,話は戻ってOneShotなんですけど,これってゲーム側から最初にある程度どういうゲームかを明かしてるんですよね,手の内を明かした状態でさあ来てくださいってなってる,今記事書こうと思ってゲームのサイト見に行ったらこんな事あって腰が抜けちゃったけどね・・・

 「インタラクティブなやりとりが特徴的」って,「コントローラを使って遊ぶのが特徴的」ぐらい当たり前のことじゃないですか? 「呼吸をするのが人間の特徴」とか「子供を産むにはセックスをするのが哺乳類の特徴」ぐらい当然のことを言ってますよこれ,みんなインタラクティブという言葉に騙されるな……

 もう1個新感覚も,別に新感覚な所なかったし,パズルアドベンチャー……パズル……パズル要素あったっけ……一本道じゃなかったほとんど……? まあいや,そういう所はいいんですよ,作者がどう思って作ったかと我々の齟齬はそんなに大きな問題ではないから


 よく「第四の壁を超える」とかも表現されますけど,現実的に考えてゲームが第四の壁を超えるのは不可能なんですよね。よく勘違いされてるけど,自分のコンピュータにゲームが侵食された所で,それは第四の壁を越えきれてないし,現実の我々の"心に"呪いや祝福の形で遺恨を残した所でそれは単なる記録の連なりでしかない。

 第四の壁は僕らの目の前に,目に見えない形で存在していて,少なくともゲームが「プログラムとインターフェースを介してしか」ゲームの世界に介在できない以上,ゲームが第四の壁を超えるのはほぼ無理と言っていいでしょう,漫画のキャラクターが紙から飛び出してくることがありますか? たとえば「紙と紙の端っこをくっつけないと解けない迷路」があった時に,それを解いた瞬間あくまで我々の次元に低次元なものをすくい上げただけでしかなく,それを以って「我々の次元に到達している」と言えますか? っていう。

 ぼくはそこのところが誤謬だと思っているので,現実に漸近していても所詮漸近しているだけでしかなく,超えることは原理的に不可能なものについて,原理的に不可能であるさまに足掻くのは隙を作る行為であり,全体の構造にガバが生まれてしまう・・・・・っていうのが僕の思想なんですけども,どうですかね。どうですかねって言ってもしょうがないか。


 さて,こういうしょうもない意味論は置いといて,OneShotの話に戻るんですけど,まずこれニコ君がなんも悪いこと,本当にまじでニコ君悪いこと1個もしてないのにいきなり狂った世界にぶち込まれて勝手に救世主とか祭り上げられて,ニコ君本人の優しさ,善性に従うままに物語が進んでいくんですよね。本当にかわいそう

 ほんで基本的にはニコ君の意思ありきで,神様は「詰まった時に助けてくれる存在」なのが序盤で。そういうわけで,神様の指示が,自分に与えられた役目を全うするためであると信じられる限り,プレス機に鉄の棒突っ込んだり怖い道がんばって歩いたりするけど,目的に反する神様の支持は基本的に拒否する(例えばプレス機に電球を入れようとすると怒られるとか)。ニコ君の意思を導く物語になってます。ただプレイヤーしか知りえない情報を同時に開示されることで,ニコ君を導くことに幾ばくかの疑問を覚えつつ,でもまあニコ君がそうしたがってるし,そうするしかないから……そして神様も神様で,古くからのギャルゲーで禁じ手とされていた「気持ち悪いセリフを吐く俺」が「俺」なのか……? みたいな葛藤と戦わされるじゃないですか。

 この「へえ……これがOneShotでの『俺』ね……」っていう距離感が存在する限り,第四の壁は絶対に超えようがない……この話,何度かしててまた言うんですが,ゲームは「プレイヤーが遊ばない」という選択肢に対しての反応を持てない以上,第四の壁に立ち向かうことは出来ないんですよ。絶対に無理。でもプレーしてなかったら急に電話かかってきて「最近遊んでくれないけどどうしたの?」って言ってくるゲームがあったらちょっと怖いな……いやアイマスだわこれ,てかスマホゲーでもちょいちょいありますね「最近遊んでないけどどうしたの?」って,でもまあそこら辺はちょっと違うか,プレイヤーが遊ぶのを放棄する,という選択に対しての答えを持ち合わせていないって事で一つ(ここらへんのニュアンス難しいんだけど伝わるかな~)


 で,一周目のエンディングまでは,ニコ君の戸惑いと葛藤の中,自分も同じくらい「え~,どうしようかなあ~」って思いながら進んでいくじゃないですか。そんな中,詰まった時だけ自分に助言を求めてきて,目的にない行動は結構拒否ってくるニコ君が,最後の最後で全部の真実を知った時に「この世界と自分を天秤にかけられない,正しさがわからない」って言って,プレイヤーに決定権を握らせてくる象徴的なシーンがあると思うんですけど,あそこはなんか結構重みがある割にそこだけ自分で決められないんズルいな~と思いつつ,まあ別にニコ君かわいいし世界とかなんかもう半分終わってるからどうでもいいかって即断で電球破壊したんですけど(邪悪),それだったらもう別に開幕から電球割っても良くね? わざわざ塔のてっぺんまで行って破壊する必要もなくね? ニコ君帰宅RTAはーじまーるよー(プレイ直後,マジでそういうことを一生言っていた)

 こいつマジでひどいな,本当にひどい,性格がねじ曲がっていると思う


 そんで真ルートの話なんですけど,これは今度急にSFになるのでプレイヤーの皆さんの中には「はえ?????? 物語の速度が速すぎませんか????」ってなった人もいると思う,あとはTrueは蛇足だなーって意見も僕は一定の理解を示せるんですが,でもそうするとたぶん多数派として「世界いらんくねw」って思想(それほど思い入れもない,狂った土地しかない,勝手に滅んでいく世界に自分の命を捧げられるほどの善性をニコ君に求めてほしくないって思想)が支配的になるんじゃないかな~って気持ちもある,皆さんが実際どうしたのかはわかりませんけど,話の流れとしてはニコ君は少なくとも本編のプレー中は戸惑いの中にしかなくて,決定的な選択以外はすべてその場その場のやり過ごしでしかないので,その重みをニコ君に握らせるのはちょっと違うくね? ってなったらゲーム側としては(ワールドマシンとしては)ニコ君に電球を破壊して欲しいんだろうなーって僕は思ったんですよね。


 ここらへん自体の解釈は人によると思うんですが,でもニコ君があんだけ実家の光景とか夢に見てるのにその命をささげられる奴の方が怖いよ俺は,あっでもカフェのお兄さんとかは死んだらちょっと悲しいな……でもおうちに帰る方がニコ君にとっての「正しさ」であって欲しい,僕としては,そういう気持ちで電球を割りました,何度繰り返しても僕はそういう結論に達すると思う,まあ本編の話は置いといて

 そんな中にあって,本当に文字通りのデウスエクスマキナ(神が機械仕掛けから出てくる-[機械仕掛けの神様と誤解されている])によって物語の終焉の鉄槌――しかも可能な限り好ましい形で――が行われるのがちょい付け足し感ありますよねっていう人の気持ちは,めっちゃわかります。しらん奴が急にいっぱい出てくるし,いきなりめちゃくちゃSFになるし。でもそうじゃなかったときに「世界に対する思い入れ」が「ニコ君に対する思い入れ」と両天秤できるほどにバランス取れてないので,ちょい体験の強度としては分が悪くなるかな,という意見ですよってことで。

 たしかにこの世界,めちゃくちゃニコ君の意思に対してやさしく出来てるんですよ。ニコ君自身の優しさを鏡写しにしてるみたいに,可能な限り,恐怖や憎悪を取り除くように作られている。絶望の淵にあってなお,ニコ君への信頼やら何やらは前向きで,それならミーもそうであろう,という態度がニコ君からは感じられる,そういやニコ君ってミーとは言うけど男とも女とも書かれてないな,ミーもなんか鳴き声みたいでかわいいですよね,MII MII ニコカー,とはいえその優しさはニコ君が救世主であるからじゃねーのってところもあって,ニコ君って主語が100回くらい出てきてうざいなこの文章,そのニコ君の命をもってしか世界が救われないことに関して(あるいは,その救われる度合いが期待よりも低いことに関して)世界の関心がどうなってんのかなって部分もあんまわからんのですよね。

 ニコ君はたぶん世界や自分に課せられた重圧の重みをあんまりわかってなくて,だから……まあ,繰り返しになるんですけど,その重みに対しての結果が,Trueがなかったときにかわいそうすぎるかなと。どっちを選んだにしても,彼(あるいは彼女)の使命感……もしくはやってきたことに対して,不釣り合いすぎる選択の結果だなと。だって,選び取ることが同時に失うことであって……しかもそれが自分か,世界かなんて,1990年代のアニメじゃないんだから……


 そういうわけで,僕としては,パンケーキを食べて笑顔のニコくんが好き! セックスよりもね……みたいな話になるんですが……

bandicam 2021-01-16 21-23-20-933

 この動画切り出すためにU-NEXTに330ポイント払った


 本編がニコ君の葛藤と戸惑いの中にあるのをプレイヤー自身も明確な答えを出せない中一緒に歩んでいく物語として中々よく出来てるな~って感じる反面,Trueでいきなり全部うまいこと解決しちゃう(しかもめちゃくちゃハイスピードなSFによって)のは実際物語慣れしてる人であればあるほどビビる可能性はありますよね,僕は少なくともビビった,物語のテンションに全然ついていけなくて「えっ,ああ,そうなんすか,ふーん……」ぐらいのノリで付き合ってました,これは良いとか悪いとかいう話をしているわけじゃなくて,まじで感情をシンクロさせることに失敗しただけです。でも結果的にニコ君がおうちに帰れたからいいかな。ニコくん元気してる? たまにはハガキを送ってね

 あとまあこれもしょっちゅう言ってるけどメタゲーの話とか・・・・Discordのまとめみたいになりがちだな最近のFANBOX,これでもDiscordに書いてないこととかめちゃくちゃいっぱい書いてるつもりなので許して♡


 あと何かいうことあったかな,OneShotの持っているエヴォレットの多世界解釈,あるいはコペンハーゲン解釈的な部分について,ジョージという存在を使ってアプローチしてくる形はあんまりなかったので面白かったかもしれないですね。僕は4でした。たとえばパズルがプレーごとにちょっと変わるとかはあるけど1人のキャラの性格が多世界解釈をもって観測の瞬間までゆらぎを持っているのは面白いなっていう。ただそれは自分が見たジョージしか見れないっていう観点ではちょい体験の脆弱さを感じたりもするのですが。


 なんやかんやこまごま言ってますが総じて良く考えられたゲームだと思います。パズル部分がほんまにクソで殺すか? と思った瞬間もありましたし,「俺,ニコくんにこんなキモい口調で語りかけてるんだな」ってショックを受ける瞬間もありましたけど。

 プレイヤーに重い選択をゆだねる意味を,強引な力業によって最終的に解決に運ぶことでうやむやにしているふうに取れる可能性もありますが,このゲームの目標がニコくんの最大公約数的な幸福を追求することであると考えたときに,あらゆる形でそれは現実的に達成されて,そしてクリア後の世界にも嘘がない(≒ワールドマシンのエミュレートである)ということは……僕はそこは凄くいいなって思いましたよ,みとりんらぶかな?

それじゃ今日はそんな感じで! デトロイトをもらったんでそれも書こうと思ったんですけど永久にこの日記が書き終わらなくなりそうなので,デトロイトの感想はまた今度~

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Anonymous

Discord、ちょっと目を離すと数百進んでいることがザラなので、まとめられてるとこんな話してたのか〜ってなるなど、悪いことばかりでもないですね

モスー

 たしかに記事書くたびに毎回めちゃくちゃ上までスクロールして僕なりに自分で自分の発言まとめみたいな事をしているし,会話なのでめちゃくちゃ内容が飛散することも考えるとまとまりはいいかもしれないですね!