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シリーズ 花は折りたし、パンツは見たし〜結城美柑の受難〜 https://www.pixiv.net/novel/series/7623645 の4話目の早読となります。 文字数伸びたので、pixiv投稿時には前後編に分けることになりそうです。勢いで書いたので、要改行校正となりますね。御了承ください。 ───以下、本文─── 「課外活動、ボランティアかぁ……」 わたしはため息をついた。正直、気が進まない。別にそのような活動が嫌なわけでは無い。養護施設で子供の面倒をみるという内容も、日頃セリーヌの面倒をみている性分、むしろお手のものと言える。なのに気乗りしないのは、呪いとも呼べそうな今のラッキースケベられ状態のせいだ。今日だってガウチョパンツなのに、朝釣りのおじさんの釣り針が裾に引っかかって大きく捲られてしまった。 (そんなのってある!???)  そう思うけど、実際起こってしまったものは仕方がない。慌てて手で押さえたが、まわりの反応から伺うに、に数人に下着を見られてしまったのだろう。  今日履いていたのはピンクに白いレースの付いた、スタンダードな可愛い系で──いや、そんなことはどうでもいい! とにかく今のパンチラ体質で外に出るなんて危険すぎる。  というわけで、いつもなら積極的に参加するような課外活動にも消極的になってしまうのだ。  ──ぽんっ。  肩にかかる、手のひらの感触。 「どうしたの美柑ちゃん? うかない顔して」  放課後、教室。帰り支度をしていたわたしに、サチが声をかけてきた。どうやら、どんよりした感情が表情に出てたらしい。わたしは作り笑いをサチに向ける。 「ねぇ、今度の課外活動、なんでもテレビ局が取材にくるって噂だよ。知ってる?」 「え、ほんと!? うわぁ……それ、は……、うん、楽しみ、だね」  わたしはぎこちなく答えてしまうが、サチは気にしていないようだ。 「何着てこうかなぁ。美柑ちゃんはオシャレだからうらやましいよ」 「あ、はは……ありがとね……」  苦笑混じりに答えてしまう。ほうほう、なるほどそうきたか。わたしの運命の神が女性とは到底思えないが、こういう形で試練を与えるつもりなのか。 わたしは拳を握りしめた。 (いいじゃない。やってやるわよ!!)  鉄壁と形容されたあの頃の自分を取り戻してやる。────── わたしは学校が終わると、すぐに帰宅した。ランドセルを部屋に放り投げ、スカート姿に着替え姿見鏡の前に立つ。仁王立ち姿で、左右対称の自分と睨めっこをした。そうすると自分の後ろの棚で何かが転がっていることに気づく。あれは── (スーパーボール……) わたしにはこれから何が起こるか、なんとなく予想がついた。そのカラフルなボールはやがて棚から落下し、勢いよく跳ね返って、わたしのスカートの前面を派手にめくっていくに違いない。そう思った瞬間だった。  ガチャンッ!!!!!   突如としてドアが開く音がする。もしかしたら無遠慮にリトが入ってくるのかもしれない。それすらわたしの予想の範疇だったが、果たして現れたのはリトと同じ制服を着た知らない男子校生だった。 「えぇっ?! あっ、や……やぁん!」  そしてその瞬間、スーパーボールの予言は的中した。 スカートを盛大に捲られ、パンツが丸見えになった。鏡越しにその姿をはっきりと見せつけられる。ピンク色で、ふちにレースがあしらわれた女の子らしいもの。リボンはハート形がふたつ連なっていて、クロッチ部分は白とのストライプ模様になっている。そんな可愛らしいと自負できるパンツ…… その、後ろでは目を丸くしたリトの級友と思われる人物が固まっている。 見られたっ。完ッッッ全に見られたっ。段々と伸びていく鼻の下がそれを物語る。と言うか── (年下のパンツ見て興奮するんだ……) そんなことが頭をよぎり、顔が真っ赤になる。リトに見られても何とも思えないのに、何で他の異性にパンツを見られるとこんなにも羞恥心が湧き上がってくるのか。わたしは急いでその場にしゃがみこみ、手で前を隠した。 「ご、ご、ご、ごめんなさい! 部屋間違えて!」 そんな台詞を残し、背後の彼は消えていった。 「あ~~~んっ、なんでこうなるのぉ!!」 わたしはぺたんと座り込んだまま悶える。恥ずかしいやら、情けないやらで涙が出てきそうになる。早くも挫けそうになってきたが、気力を振り絞って眉尻を吊り上げた。 この程度のことでへこたれていたんじゃ、いつまで経ってもこの理不尽な呪いからは逃れられない。 というわけで、わたしは決意を新たにし、来たるボランティア活動の日に向けての準備(?)を進めていったのであった。 それは、決戦の日が数日後に迫ったある日の夕飯後の団欒の時間。ふと、リトが切り出した。 「こんどの課外活動、テレビ放送入るんだって? すごいじゃないか。オシャレしていかないとな」  なぜか若干誇らしげに語るリト。それは暗にわたしのセンスを褒められているような気がして、満更でもなく思ってしまう自分が居る。しかしながら、オシャレと言われても既にわたしは極力露出を控えた地味目な服装を選ぶつもりだった。 「そうだ、前いっしょに買ったワンピース。夏に合いそうな、爽やかな感じだし、きっとテレビ映えするんじゃないか?」 そう言って嬉々とするリト。 それは、以前、ショッピングモールでいろいろまわった際、通りかかったお店で見かけたのだ。ウィンドウに飾られたそれに、わたしは一瞬視線を奪われて、その様子を察知したリトが、わたしの誕生日が近いから、と理由付けして買ってくれたものだ。その日は珍しく二人きりの外出でまるで── (まるでデートみたいだったな……) なんてことを心の中で呟いてみると、体が火照っていくのを自覚してしまう。 そういえば、その服をまだ数回しか着ていない。せっかく買ってくれたものなのに。できればまた二人で出かけるとき──なんて思っていたが、そんな機会実際いつ訪れるかわからない。リトは屈託のない笑顔のまま、 わたしを見ている。その瞳を見つめ返していると、自然と口元が緩んでしまいそうになる。わたしはそのまま少しだけ考えて──結論を出した。 課外活動当日──果たして、わたしは例のワンピースに身を包んでいた。夏らしくノースリーブで、フリルが控えめについていて、白を基調に黄色や薄緑のフルーツの柄が散りばめられたデザインだ。狙ったように風が吹いてくるが、わたしは意に返さない。上品な丈のスカートは、それでも翻されるが、そこで待ち構えているのは鉄壁の── 所謂、短パン。これが最適解と無理やりこじつけたのだ。事実、ちょっとやそっとのハプニングでは、ここまで突破してパンツを晒すことなどありえないだろう。そういう意味では、スカート丈が長めなこのワンピースとの相性も抜群といえる。 そして、いよいもわたし達はボランティア活動の舞台である養護施設へとやってきた。今日の活動は、ここの子供たちの遊び相手になることだ。 施設内は思ったよりも広く、設備が整っていた。子供達はわんぱく盛りといった感じで、中庭で元気いっぱい走り回っている。 (そう言えば、あんな風にはしゃぐリトの後ろを必死に着いていこうとしていた時期もあったっけ…… ) などと、懐かしさに浸っていると── ドンッ! 突然、衝撃を受けて、わたしの視界が揺れた。 「うひゃぁっ!」 油断していたわたしは、派手に尻餅をつく。どうやらよそ見をしていたせいで、目の前に迫っていた誰かに気づくことが出来ず、ぶつかってそのまま倒れてしまったようだ。 「いたた……」 顔を上げると、そこには低学年くらいの男の子が居た。衝突の勢いのまま、その子も前傾に倒れてしまっていた。 「き、君もだいじょうぶ? ちゃんと前見てないと危ないよ?」 自分も呆けてしまっていたことの負い目があったので、なるべく優しく諭すように話しかける。しかし、彼はその言葉を気にも留めないような雰囲気で、じっと前を見据えている。 (ん……?) その視線にわずかな不快感を感じ取ったわたしは、彼の視線の先を辿ってみる。すると、そこにあるのはわたしの──股間だ。そして、その少年は不満そうな顔になっていく。 「なんでおねーちゃん、スカートなのに短パンなんて履いてるのっ?」 (なっ……?!) 思わぬ指摘に、わたしの頭は真っ白になる。慌てて脚を閉じて、スカートを正す。もちろん前述のような対策をしているのだし、少年の発言が示す通り、そこには下着を見られるという羞恥は存在しなかった。しかしこんな年頃の少年まで、スカートの中身に興味津々なものだとは。 「そ、それはっ……別にいいでしょ。ほら、だいじょうぶなら、これからは気をつけて遊ぶのよ」 動揺しつつも、どうにかその場を取り繕おうとするわたし。だが、そんなわたしの様子を見て、少年はニヤリと笑みを浮かべた。その口角の上がりかたが、どうにも気味が悪く見えてしまう。わたしはキョロキョロと周囲を見渡すと、女の子と折り紙をしているサチを見つけて、逃げるように駆け寄っていった。 しばらくサチといっしょに遊んでいるうち、段々と気持ちが落ち着いていった。情報どおりテレビ局のカメラがまわっているが、地域の活動紹介に使うだけらしくそんなに大袈裟なものではないらしい。 (それに、これだけひとが居るんだから、わたしが映るなんてことも無いかも……) そんな矢先── 「インタビューいいですか?」 不意に声をかけられる。声の主は、最近よくテレビで見る女性レポーターだ。彼女はわたし達の前でマイクを片手に立っている。 「やっぱり美柑ちゃん、可愛いからこういうのにも選ばれるんだねぇ~」 サチは目を輝かせながら、感嘆の声をわたしに向ける。そういう評は素直に 嬉しいけど、今は目立ちたくない。 (とりあえず適当に受け答えして、早く終わらせよう……) そう思ってわたしは、無難な返答を繰り返す。そうしていると── ぶわさっ。 ふいに、後ろから布地のはためきを感じた。 「えっ?」 わたしは思わず振り返る。そこには、下卑た笑いを湛えた少年が走り去っていく姿が見えた。わたしはすぐに状況を理解した。あの子にスカートを捲り上げられたのだ。 「こっ、この~~っ!」 恥ずかしさと怒りで顔を赤くしながら、スカートを押さえつけた。眼前ではレポーターのお姉さんが苦笑いでこちらを見ている。 「ま、まぁ、もちろん今のシーンは使いませんし……」 そんな風にフォローの言葉をかけてくれるが、それはそれ、これはこれだ。 「べぇ~~っだ、短パンねえちゃ~~んっ。パンツ忘れたの~~?? うひゃひゃひゃひゃひゃ!!」 そんな煽るようなセリフを残して、悪戯小僧は逃げていく。さすがにこれには、わたしもムカつきを隠せない。わちしはその背中をキッと睨みつけながら、地面を蹴った。 「こらっ、待ちなさいっ!」 怒鳴り声をあげながら、全力疾走で追いかける。大人気ないかもしれないが、これまで溜まったうっぷんが一気に爆発してしまったのだ。 いくら異性とはいえ、やはり相手は子供。体力はこちらに分があるようで、徐々に距離が縮まっていく。このまま追いついてやる……! と思い中庭の曲がり角を抜けたそのときだった。 (あ、れ……?) 眼前に迫っていたはずの少年の姿が消えていた。 (どこかに隠れた……?) 辺りを見回す。洗濯物を干すためのものだろう、ロープが頭上を通っていたり──は別にいいとして、物置があったり、隠れられそうな場所はいくつかある。 やはり物置周辺が怪しいと思い、わたしはゆっくりと、忍び足で近づいていく。すると観音開きの隙間から、少年着ていたTシャツと同じ色の布が覗いてるのに気がついた。 (ビンゴ……) 頭に血が上りきっていたわたしは、勢い良く扉を開こうとする。その瞬間── ぶわさっ。 先程スカートを捲られときと同じ感覚が後方から襲ってきた。。またかと思ったのも束の間──すぐに違和感に気づく。だって目の前にはあの悪ガキが確かに居るのだから、今わたしにスカートめくりを敢行しているのは誰だということになる。そんな戸惑いをよそに、物置の中で身を潜めていた彼は、にんまりと口角を上げてみせた。そのまま彼はわたしのスカートの前側を掴んで、一気に引っ張りあげてくる。 「ちょっ、ちょっと!やめなさっ……!」 慌ててスカートの裾を押さえつけようとするが、どうにもその上がっていく力が理外に思えて仕方がない。そのままスカートは、視界すら塞ぐほどに捲られて── (うっ、うそでしょ……っ!?) なんと、上方で結ばれたか、固定されてしまったようで、下半身が完全に露出されてしまったようだ。外気が剥き出しのふとももを撫でて、鳥肌が立ってしまう。茶巾縛りという子供の悪戯行為のことは後に知ったのだが、こんな恥ずかしい格好で、さらに視界を奪われて……本当にもう最悪である。 「へっへ~~っん、俺たちの罠にまんまとはまってくれたねぇ」 「こらっ、は、早く、解きなさいっ……!」 しかし、いくら声を荒げても虚しくスカー怒鳴り声の中で響くだけだ。こんな間抜けな格好ですごまれても、怖くはないのだろう。彼らはゲラゲラと笑っている。 (うぅ……どうしよう) わたしは羞恥に悶えるしか出来なかったが、事態が深刻化するのに時間はかからなかった。 「じゃあまずその短パン没収だなっ。よっぽど見せたくないパンツ穿いてるのかなぁ?」 わたしはゾッと背筋に寒気が走るのを感じた。直後、わたしの短パンに手がかかる感触が伝わってきた。抵抗らしい抵抗など出来ない状態のまま、バサッと乾いた音がして、短パンが足元に落ちたのを感じ取ることが出来た。 「あれぇ? おねぇちゃんなのに、いちごパンツなんて穿いてるんだぁ。そりゃあ、見られたくなかったね ~」 小馬鹿にしたような声で、笑われる。悔しくて、歯痒かったが、わたしは何も言い返せなかった。見られる想定をしていなかったからこんな柄を穿いてた──わけではないが、油断していたのは事実だったからだ。 「よく見たらこの服もフルーツ柄なんだねぇ。スイカに、さくらんぼに、ぶどうに……パンツと合わせてまるでフルーツポンチだね」 そう、このワンピースはリバーシブルで、裏は彼らの言う濃いめの色のラインナップに変わっているのだ。もちろん、こんな恥ずかしい状態でお披露目するものでは到底ないが、否応なしに多数の視線を感じてしまう。一体どんな顔をして見ているのか、想像しただけで、顔が熱くなる。そんな風に恥じらことしか出来ないわたしを見て、少年達は一層調子に乗ってしまったのか── ぺちん。 おもむろにお尻に衝撃が走った。 「ふあっ?!」 子供の力だから、さほど痛くはなかったけど、不意打ちだったせいで変な声が出てしまった。 「ねぇ~~この果物まだ足りないと思わない?? みんなは、なに欲しい~~~??」 突然の大声で、またビクっとしてしまう。 少年の声──最初に悪戯をしかけてきたあの子だ。おそらくリーダー格なのだろう。彼の呼びかけに呼応するように、他の男の子達の歓声と、フルーツの固有名詞が飛び交った。 わたしは、不安でいっぱいになってしまう。とりわけ、連呼されるそれが嫌な予感しか感じさせなくて── (まさか、だよね……?) いくらなんでも子供がそんなことはないだろうとは思いたかっが、所詮それは希望的観測でしか無かったようで…… 「やっぱり、桃、だよな~~っ!!」 その一言を皮切りに、わたしの下着に指がかかった。 「ちょっと、それはっ……!」 流石に子供とはいえ、そこだけは許したくはない。が、状況は相も変わらずなので、何も抵抗できない。指は、ふともも側の下着のヘリ、所謂ゴムが通っているところに引っかけるようにかかっており、そのまま、すすすっと滑るようになぞっていく。そうされると── (これ、食い込んでっ……!) 今まで経験したことの無い感覚が、肌を通り過ぎる。ヤバい、ヤバい、これは、ヤバい……っ! わたしの焦燥をよそに、指先は這う。激しく動いた体育の時の、下着の食い込みを直す動きの逆再生のような指遣い。 「おまえら、Tバックって知ってるかぁ? こんな風でさぁ~~」 ペチンッとゴムが弾かれる感触。わたしは、羞恥に身体中が火照っていくのを感じながら、確信する。お尻の片側が、完全に露出されてしまった。 「お願いっ、もうやめてっ!これ以上はダメっ! お願……いっ!」 必死の懇願も虚しく、少年の指は止まらない。無視するようにまわりへの語りかけを続けながら、無遠慮に下着を食い込ませていく。 「前看護師のお姉さんが穿いてるの見ちゃって、すっごくえっちだなぁって 思ったんだよなぁ」 まるで丁寧に果物の皮を剥くように、ゆっくりと焦れったく、わたしの苺のパンツがお尻の割れ目にそって食い込まされていく。 わたしは、恥ずかしさと悔しさに涙ぐんでしまう。こんなのラッキースケベでもなんでもなく、屈辱以外の何物でもない。やがて、クイクイっと絞り込んだ布地を引っ張り上げるようにされ、お尻の割れ目と、それ以上にデリケートなゾーンに刺激が走り、完全にお尻を丸出しにされたことがわかってしまう。 羞恥に震えるしかないわたしの耳に、少年たちの囁きが届く。 「はーいTバックの完成で、美味しそうな桃の登場~~っ、これで桃とパンツの苺と、まぁあといろいろ果物のフルーツポンチのできあがり~~っ!」 それに呼応して、クスクスと笑う声が聞こえてきて、わたしは耳まで真っ赤になる。 「どうだ、みんな? やっぱり可愛いおねぇちゃんのこんなえっちな格好見てると、ドキドキしてくるだろ?」 (えっちな格好とか言わないでっ!!) 自分の晒している姿を想像して、恥ずかしさが限界を超える。 「こ、これ……写真撮ったらスタッフのお兄ちゃんとかに売れないかなぁ……」 誰かがそんなことを言った途端、わたしは血の気が引くのを感じた。 「顔は映らないし、い、いいよね……俺、この前古いカメラもらったんだ ……」 わたしは、さらにパニックに陥る。 まさか、そんなもの持ち出してくるなんて、思ってもみなかったからだ。 「まっ、まって! そ、それは……!」 わたしは、慌てて声を上げる。が、彼らは聞く耳を持つ気は無いようだった。レンズ越しの視線を感じてしまう。 (と、撮られちゃう……っ?!?) まるで覚悟を決めたように内股気味になってしまい、思わず倒れそうによろめく。その瞬間── 「こらっ! また、あなた達は!!」 突然、凛とした女性の声が響き渡った。わたしは、驚いてまるで小さく跳ねるような反応をしてしまう。 その声には、怒りの中に、わたしを助けようとする意思が感じられ、安心感を覚えた。 男の子達にも覿面だったのだろう。わたしからは見えないけれど、蜘蛛の子を散らすように逃げていったような様子が伝わってきた。 わたしは、ホッとして、全身の力が抜けていった。その場にへたりこんでしまったのだけど、すぐに茶巾縛りは解かれ、ようやっと息苦しい世界から解放される。 目の前に現れたのは、施設の院長先生だった。悪ガキどものやり過ぎた行為に辟易しながらも、優しく頭を撫でてくれるその手つきに、どこかリトのそれを思い出して、わたしの心は安らいでいく……。 こうして、わたしはすんでのところでエロガキ達からの魔の手から逃れることが──いやいや、全然間に合ってないよね等のツッコミは、諸説あるだろうがひとまずは却下させていただく。 とにかく──わたしは、どうにかそんなスケベハプニングの危機を脱することができたのだ。 しかし、ことが起きたのはまた後日の話。ボランティア活動紹介のテレビ放送が無事に終わった後、にわかにササヤイターなどのSNSでわたしのインタビューが話題になってしまっていた。 『あのインタビュー受けてたJS、めちゃくちゃ美少女じゃね?』 『タレントとか、子役じゃないの』 『いや、それにしたってレベル高すぎだって!』 などと、賞賛のコメントがたくさん寄せられていて、むずがゆい気持ちになってしまう。まぁ、そこから個人特定やスートカーなどに発展していった訳では無い(一応予防も講じた )ので、特に困った事態では無かった。リトも、鼻を高くしていたくらいだったので、あのとき悪ガキ共にされた恥ずかしこととプラマイゼロというくらいに考えたものである。だが── わたしは自分の認識の甘さを痛感することになる。気づけたのは、やはりSNSで見かけたつぶやきからだった。 『話題の美少女JK、悪戯でパンツ丸見え動画?!』 それを見た瞬間、血の気が引いていくのを実感した。 わたしは、あの時の自分の姿を思い描いてしまう。もし、それが拡散されてしまったらどうなるだろうか。わたしは、恥ずかしさで悶絶してしまうに違いない。今でさえ、その想像だけで顔が熱を帯びて真っ赤に染まっているのだから。まるで台風の時の風チラ動画が拡散したときのデジャブのような感覚だった。 わたしは慌ててそこからのリンクをクリックして、詳細を確認しようとする。果たして、それは以前のように動画への直リンクでは無かった。わたしの眼前にあらわれたのは── (こ、これって……) 未知の世界に顔全体がカーッと赤く染なっていくのがわかる。耳年増って、訳ではないと思っているが、まったく知らない、興味がないと初心ぶるのも無理がある話だ。 (こ、これ……えっちな……) わたしは、ゴクリっと唾を飲み込んだ。アダルトサイト──そこには、明らかに男性側のいやらしい視線をもって作られたであろうという動画が数多く紹介されていた。階段を歩く女性のスカートの中を、下からのアングルで撮影しているもの。路上でただ歩いてる女性に、男が近づいてスカートを捲りあげているもの。偶然を装ってぶつかり、尻餅をついた女性の股間をドアップで捉えるもの。そんなものが溢れかえっていた。全てが女性の下着を晒すという悪意に満ちている。サンプルを覗くと、自分のパンツが見られていることに気づいた女性は、恥ずかしそうに顔を紅潮させ、怒ったり、弱々しく抵抗したりしている。際どいほどの下着のアップから、それらの女性の反応までがセットになっていて、非常にいやらしくわたしの目には映った。 (こ、こんなの……こんなの……っ!) わたしは、ドキドキしながらもサイトを探る指は止められない。目を見開きながら、その一つ一つを確かめながらページをスクロールしていく。 そして、ついにその先にあったのは── 【美少女茶巾羞恥! 悪ガキの悪戯強襲で強制Tバックお尻丸出し】 というタイトルが付けられた動画だった。わたしの心臓がドクンドクンと激しく鼓動しだす。当たり前だ。サムネイルの画像を見るまでもなく、そこに映っているのは、わたし自身なのだから…… わたしは、恐る恐るその動画の再生ボタンを探す。しかし、わたしの動画にサンプルのようなものは無かった。ホッとしていいのか、確認できないことの不安を抱いて良いかわからない複雑な気持ちだった。しかし、不意にサムネイル画像──物置の前ですでにわたしが悪ガキ達にワンピースを茶巾縛りにされて、苺のパンツを丸見えにしているものだ──に指がかかった瞬間、その静止画像は次のものに変わる。 (これって、GIFアニメ?) それは、ひとつひとつのシーンを切り取っており、荒いパラパラ漫画のように展開されていくものだった。お尻を出しながらパニック状態で狼狽える、わたし。子供に露出している尻たぶをペチンっ、と張られる、わたし。見せつけるように苺パンツに指をかけられ、Tバックのように食い込まされてしまう、わたし。 そんな一連がスライドショーのように次々と切り替わっていく。 (うぅ……やめてよぉ……) 4枚だけ──だけど永遠に思えるループGIFを見ながら、わたしは全身から汗を吹き出していた。顔は火を吹き出しそうなほどに熱い。きっと、今のわたしの顔はトマトみたいに真っ赤になっているだろう……。しかしその羞恥心が怒りに変化するのにさほど時間は要さなかった。 【動画:1000円】 その具体的な金額を見て、一気に頭に血が昇っていくのを感じた。 (ひとの恥ずかしい盗撮動画でお金儲けするなんて……許せない……!) しかも取ってつけたように、 【本動画に出演しているモデルは成人しています】 という注意書きがあり、それが更にわたしの怒りを煽った。茶巾状態にされて顔が見えないことをいいことに、勝手にわたしを成人モデル扱いして、小学生女子の、こんな── (パ、パ、パ……パンツばっかりいいように映した動画を、売ったりして……っ!!) あの時の屈辱を、客観的に切り取ったような動画が、金儲けのために使われている。そんなの、絶対許せるわけがない。それにしても── (男のひとって、なんでそんなにパンツに興奮するんだろう……) しかも、10代も前半の自分のような小娘のものに、だ。確かに、それをただの布地と割り切るには、デリケートなゾーンを秘匿するデルタは、異性にとって未知なる部分であり、神秘的な魅力を放つのかもしれない。だからこそ女の子は、見せてはいけないそんな部分も可愛く着飾るのだろう── (って、なに考えてるの!) わたしはブンブンと首を振った。頭が混乱させられたせいで、思考が変な方向に流れていってしまう。気を取り直して──とにかく、これはわたしの尊厳にかかわる問題なのだ。と同時に、わたしはあの時の悔しさと恥ずかしさを思い出すことになる。 「ほらぁ、ちゃんとお尻上げてぇ?」 悪ガキの男の子達が、ニヤつきながらこちらに向かって囃し立てる。絞り込まれた布地を引っ張られ、わたしは操られるようにお尻を突き出してしまう。 「こ、こんな格好……やだ……!」 顔を背けながら抗議の声を上げるが、その声は弱々しく震えていた。そのままぷるぷる小さく揺れる尻たぶを、いやらしい手つきでむんずと 掴まれてしまう。まるで創作物で見かけた痴漢シーンのような光景に、わたしはゾクッと背中を震わせ── (いやいやいやいやいや) あまりの屈辱に、結局また思考がトリップしていた。とにかく気を取り直して、この怒りを原動力に対応策を…… (って、あれ?) わたしはふと、指がタッチしたところに【秘密のリンク】と浮かんだことに気づく。わたしはその文字に吸い込まれるように、導かれるままにふれた。もちろん嫌な予感しかしない。そこには── 一枚の画像。わたしが課外活動中にインタビューに答えているシーンだ。黒く目線が入っているが、いやに細くて、知り合いならわたしだとすぐに特定できそうなもの。そして、その下にはひとつの動画が…… (こ、これ……なんで、まだ……っ!?) 台風の時に拡散された、わたしのスカートが風で翻弄され続け、敢えなくオレンジのパンツを晒しているもの。徹夜で必死に削除作業をしたはずのそれが、不気味にもそこには存在していた。 画像と動画以外には何も無いサイト。し。説明文や装飾は無く、ひどいシンプルさが薄ら寒いものを醸し出している。 (な、なんでまた……それに、インタビューのときの画像とセットになって……) わたしは立ち尽くしながら、唖然とただスマホを見つめて固まってしまう。そんなことも他所に、淡々と繰り返される風チラ動画。まさに、風のいたずらの翻弄といった、わたしのラッキースケベパンツ動画だ。直前に駆けていたせいで、少し食い込みを起こしているのが、なお恥ずかしさを増す。 (ま、まって! これって……) わたしはここで、この画像と動画の羅列の悪意に気づく。あまり、まじまじと見るのも気が乗らないが、この風チラで晒されるわたしのお尻と、茶巾で丸出しにされたわたしのお尻は── (どちらも、わたしなのだから当たり前だけど) とても似ている。小ぶりではあるのかもしれないが、張りがあって、瑞々しく、形の良い、桃のような── (て、なんで自分のお尻の分析しなきゃいけないのよ! ていうか小学生なんだから、ピチピチなのは当然だし!) 思わず自分のお尻を触りそうになっていたこと気づき、慌てて手を離す。ともかく──この、秘密のリンクの意図は、茶巾動画で成人モデルとうそぶきながら、暗にこの画像、動画の女の子──まぁ、わたしのことなんだけど──と同一人物とアピールすることにあるのだ。調べればワンピースがリバーシブルで、同じものいうものも簡単にわかるだろう。要は、小学生がセクハラされて、恥ずかしい姿を晒してしまっている動画で、堂々と商売をしているということだ。 (こいつら……!) わたしは怒りに震えた。こんな卑劣なことをするなんて! わたしはイメージすることしか出来ない、その悪意の主を思いっきり睨みつけた。 さて、その悪趣味な秘密のページから戻ると、わたしの茶巾動画紹介の横に星のマークがあることに気づく。さらに横には数字が並んでいて…… (これって、SNSみたいな、イイねとかお気に入り機能!? ) そういえば先程は二桁だったような記憶が片隅にあるが、今はもう三桁になっている。 (も、もう~~~~っ!!) わたしは恥ずかしさのあまり、ベッドに飛び込んでバタバタ悶絶する。動画としてお尻出し恥辱を晒されているということもそうだが、何より多数の未知なる存在がこれをいやらしい目線で評価しているという事実に、わたしは激しく動揺してしまう。 「なんでみんな、パンツばっかり……! ほんと男のひとってみんな、えっちでいやらしいんだから!」 声に出して怒りを露わにすると、不思議と闘争心みたいなのが、わたしの中に湧き上がってくる。怒りに任せ、枕をぼすぼくと叩く。いままでのことが、とたん理不尽に思えて仕方がない。 台風で容赦なく風チラでオレンジパンツを晒して、SNS投稿さえされたわたし。 (そもそも何でショーパンがスカートに変わってたのよ! ていうか誰がそんな卑劣な盗撮行為をしたのよ?! 絶対許さない!!) コピー機に跨らさるを得なくなり、そのまま水玉パンツをコピーされ、グランドにバラまかれたわたし。 (あんな偶然が起こるもんですか! 誰かの悪意を感じるわ……!) マジックショーでステージに上がり、鳩の羽ばたきによりスカートを捲られ、穿いた覚えのない黒のアダルトなパンツを観客達に見られるわたし。そして── 悪ガキ共に茶巾縛り悪戯をされて、苺パンツを晒されて、擬似Tバックのように食い込まされて、それを動画販売されてしまうわたし。 (やっぱり、ぜんぶ、ぜーんぶ、許せないっ!!) わたしは表情を険しくして、強く拳を握る。よくよく考えこめば、三番目のマジックショーでの記憶が朧げなのだが、まぁ、片隅にでも屈辱のメモリーがある以上怒りの理由には十分だ。 「よろしい、ならば戦争だっ!!」 わたしは決意を新たに、力強く立ち上がった。 (目には目を歯には歯を、パンツにはパンツを……って) いやいや、ちょっと待って。それは何かが違う気がすると、自分で自分に突っ込みを入れる。 とにかく──わたしは、女子小学生のパンチラを食い物にするような輩に復讐することを誓う。幸いにも、わたしを手助けしてくれるような力強い味方が居る。まぁ──リトにはこんなわたしの動画見れらたくないけど…… なぜだか頬が火照ってしまうのは無視して── わたしの尊厳と、乙女の布地を守る戦いは──はじまったばかりだ。 ※後書き的な 打ち切りエンドテンプレからわかるように、このシリーズはこれで終了考えてます。 もし、皆さんが見たいパンチラ羞恥シチュがあれば書き込んでくくれば、そのインスピレーションから続編が出来るかもしれませんっ! そしてこのシリーズはオリジナルものてしてリライトを考えているものになります。血の繋がらない兄妹モノで、シリーズ後半からは変身ヒロインにしてパンチラ羞恥してもらう構成を考えております。オリジナルのアイドルユニットも出して、 アイドルマル秘ドッキリビデオ https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16425805 に準じる話もリライトで出演させる予定です。 ただリライトなので掲載をどうしようか、取らぬ狸の皮算用で考えている次第であります。 テスト的にアルファポリスとかでもR-15的内容なので規約範囲なのですかねぇ……? ともかくパンチラは素晴らしい。 パンツ万歳。 ステキなパンチラ漫画とかアニメあれば教えて欲しいです。 よしなに。

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