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妹のほのかが行方不明になってから一週間がたった。 あの台風のが近づいてきた日、妹はいつも一緒にいる悟君と由美ちゃんと一緒にお泊りするといって悟君の家に泊まりに行ったはずだった。 でも、本当は悟君の家には行っていなかった。 悟君はほのかと由美ちゃんに頼まれて家に泊まっているように口裏合わせをしていた。 しかし悟君もなんでそんなことを頼まれたのか分からなかったみたいだが、とりあえず二人の勢いに押されて協力したようだ。 結局、悟君が二人の言葉を聞いたのはそれが最後だった。 そして台風が過ぎ去った後、二人がいなくなったことに島中は大騒ぎになった。 見つけ出そうと大人たちが総出で捜索をしたが、いまだ二人の姿どころか形跡すら見つかっていない。 本当にどこに行ってしまったのか・・・。 私が最後に見たほのかは、ちょうど家から出かける後ろ姿。 今にして思えば、その時のほのかは何か普段とは纏っている雰囲気が違っているように感じられた。 年不相応な、なんというか大人の雰囲気・・・、いや、それはさすがにない・・・かな。 はるか「はぁ・・・」 思わずため息が漏れた。 こうして休日の昼間に出歩いているのも、家に流れる重苦しい空気が嫌なのと、 もしかしたらほのかたちを見つける手がかりか何かがあるかもしれないと、居ても立ってもいられないからだ。 捜索にはもちろん私も参加したが、私が思い当たるところはすべて探し尽くした。 しかし結局、二人を見つける手がかりなど何もなかった。 さして広くない島だ。 これだけ探しても見つからないということは・・・。 最悪の展開を考えそうになって思わず頭を振る。 諦めたらそこまでだ。 何とかして手がかりだけでも探し出さなくては。 そうしてほのかたちがよく遊びに来る砂浜に足を向けた。 ザザーン、ザザーンといつものように波の音がする砂浜に、ポツンと一つ人影があった。 近づいてみると、悟君が一人で砂浜に座り込んでいた。 後ろ姿からもかなり落ち込んでいることが見て取れた。 ゆっくりと悟君に近づいていった私は、そっと悟君に声をかけた。 はるか「悟君。」 悟「はるか姉ちゃん・・・」 悟君は私に気が付くとぽつりと私の名前を呼んだが、すぐに顔をうつむけてしまった。 私は悟君の傍に座り込むと、そっと悟君の頭を撫でた。 はるか「悟君も、ほのかたちのこと探しに来てくれたの?」 悟「・・・うん。」 元気のない声で悟君はうなずいた。 私は何度も頭をなでながら、悟君にやさしく声をかけていった。 はるか「大丈夫よ、きっと見つかるわ。     ほのかも由美ちゃんも悟君とは仲良しだったから、会えなくてさみしがってると思うわ。     また以前みたく一緒に遊んであげてね。」 悟「・・・・・・」 悟君は黙ったままじっと下を向いている。 どうにもうまく元気づけられなかったようだ。 私はそのまま悟君の頭をなでながら、静かに海を眺めていた。 少しの間波の音だけが耳に聞こえていたが、後ろから誰かが歩いてくる足音がした。 私が振り返ると、そこには由美ちゃんの姉である由香がこちらに歩いてくるところだった。 はるか「由香・・・」 由香「二人とも、こんなところで何をしているの。」 相変わらず、どこか上から目線を感じる口調だ。 私と由香は同い年で、小さい頃はよく一緒にいることが多かったが、正直言って私は由香のことが嫌いだった。 どうにもお互いに反りが合わず、何度も小競り合いを繰り返している。 ほのかと由美ちゃんは仲が良かったみたいだが、私はあまり由香と一緒にいたくはなかった。 でも由香の妹である由美ちゃんも行方不明になっている今、無関係とはいられなかった。 はるか「悟君が落ち込んでいるから慰めてあげているのよ。見ればわかるでしょ。」 由香「そう・・・」 由香はそういうと私とは反対側に腰かけて、悟君の背中をやさしくなで始めた。 まるで私への当てつけかのような行為に苛立ちを感じて由香を睨みつけると、由香も私の方に鋭い視線を向けてきた。 じっと睨み合う私たちだったが、悟君がすすり泣くような声を出し始めたので、はっとなって悟君に視線を向けた。 はるか「大丈夫よ、悟君。二人が行方不明なのはあなたのせいじゃないわ。」 由香「そうよ、悟君。大丈夫、きっと二人は見つかるわ。」 悟「うっ・・・うっ、で、でも、二人とも、この間遊んだ時もっ、なんだか様子が変だったし・・・   もっとっ・・・ううっ・・・気にかければよかった・・・」 はるか「様子が変?」 悟君の言うことに戸惑う私に、由香も怪訝そうな視線を向けてくる。 正直三人の仲の良さは島の人間ならたいてい知っている。 そんな仲良しのはずの二人であるほのかと由美ちゃんの様子が変とは、一体どういうことなのだろうか。 由香「悟君、もしよかったら聞かせてくれないかしら。     二人のどんなところが変だったの?」 由香がやさしい口調で悟君に声をかけた。 普段からそういった口調で話せばいいものをと思わなくもないが、今はそれどころではないので悟君の話に耳を傾けることに集中する。 悟「この間ここで相撲をしたんだけどっ、最後に二人の勝負になってっ・・・二人ともすごい勢いでぶつかり合ってたし、   スクール水着も思いっきり引っ張って、お尻が見えちゃってたしっ・・・・・・なんか二人とも怖かった・・・。   その後もっ、時々お昼休みとかに二人ともいなくなる時があっったりしてっ・・・戻ってきたときもっ・・・顔を赤くして疲れているときもあって・・・   どんどん二人の仲が悪くなっていくみたいな気がしてっ・・・でも、それがいやで気づかないふりをしてたんだっ・・・」 はるか「それって・・・」 思わず由香の方に顔を向ければ、由香も少し顔を赤くしながら驚いた表情を浮かべて私を見た。 まさか仲良しの三人が、いや正確にはほのかと由美ちゃんの間にこんな修羅場な状況になっていたとは正直思いもしなかった。 はるか「そのことを誰かに話した?」 悟「ううん。なんだか言いたくなくて、話したのはお姉ちゃんたちが初めてっ・・・」 由香「そう・・・」 おそらく、悟君は薄々感じているのだろう。 自分が原因で二人の仲が悪くなっったことに。 だが、それで悟君を責めるのはお門違いもいいところだろう。 はるか「ありがとう悟君、お姉ちゃんたちに話してくれて。     悟君は気にしなくて大丈夫よ。二人はきっとお姉ちゃんたちが見つけ出すから。」 由香「そうよ。悟君も心配だとは思うけど、お姉ちゃんたちに任せない。」 悟「・・・・・・うん。」 小さな声でうなずく悟君に、ほっと息を吐いた。 これで悟君まで潰れてしまっては、さすがにかわいそうすぎる。 はるか「悟君、あと他の人に言っていないことはない?」 悟「ええっと・・・そうだ。秘密基地のことを言っていないかも。」 由香「秘密基地?」 悟「うん。僕たちだけの秘密基地。二人が行方不明になってから僕も行っていない。   あそこは三人だけの秘密にしていたけど、お姉ちゃんたちには教えてあげる。」 そういって悟君は秘密基地の場所を私たちに教えてくれた。 どう考えてもそこが一番怪しい。 絶対にそこには何かがある。 でもそのことは悟君もわかっているはずだ。 どうして悟君は秘密基地に行かないのだろう。 はるか「ありがとう、悟君。     でも、悟君はどうして今まで秘密基地に行かなかったの?」 そのことを悟君に聞くと、悟君の表情は一気に暗くなった。 そこには何か怯えのような感情が伺える。 悟「なんだか・・・怖くって・・・近づけないんだ・・・」 そういって悟君は家に帰ると去っていった。 後ろ姿を見送った私と由香はその様子に尋常じゃないものを感じていたが、ここまで来て秘密基地に行かないという選択肢はない。 由香「行きましょうか・・・」 はるか「そうね・・・」 私たちは悟君に教えてもらった秘密基地に向けて歩き始めるのだった。 私たちが向かった先は、島の端にある洞窟だった。 そこは砂浜が広がり、天井にはぽっかりと穴が開いていて青空が窺えた。 そこそこの広さがあり、ここで私たちが思っていることをやっていたのならまさに最適な場所だったのだろう。 由香「二人は悟君のことで揉めていたと思う?」 唐突に由香が声をかけてきた。 そしてそれはまさに私が思っていたことと同じことだった。 はるか「たぶんね。女の友情なんて恋が絡めば儚いものでしょ。     ここで悟君をかけて決闘みたいなことをしたんでしょうね。」 由香「はぁ・・・初恋だったとは思うけど、何もそこまで拗らせなくても・・・」 はるか「気づかなかった私たちにも責任はあるわ。     とにかく何か二人の痕跡を探しましょう。」 由香「わかってるわよ。」 私が左側から調べ始めると、由香は右側から調べ始めた。 ぱっとみて綺麗な砂浜だけど、きっと何かあるはずだ。 とりあえず壁をざっと見てみたが、壁には特に異変は見られない。 私は膝をついて砂浜を漁り始めるが、そんなすぐに見つかるはずもなく、 私たちは数十分間、黙々と砂浜を弄り回していた。 だんだんと太陽の光が強くなり、額に汗が浮き出てくる。 頬を伝って顎先から汗が砂浜に流れ落ちるころ、私たちは一度休憩を挟むことにした。 はるか「なにも見つからないわね。」 由香「そうね。もしかして私たちの考えって見当違いってことだったのかしら?」 はるか「わからないわ。     ここは満潮になれば波が来るから、そのまま海に流されてしまう可能性が高いわ。     もう少し探して何もなかったら一度やめましょう。」 由香「そうね、そうしましょう。」 私がそういえば少し離れたところに座っていた由香もうなずいた。 探す前に顎に伝ってきた汗を拭こうと右手を顔の前に持ってきたとき、私はそれに気づいた。 はるか「これって・・・」 私の手首には細長い髪の毛が絡みついていた。 どう考えても私のではない髪の毛、そして由香の髪の色とは若干違う色の髪の毛。 私がそれをとって由香に見せると、彼女の顔も強張っていく。 由香「どうやら・・・なにかありそうね。」 由香の声に黙ったままうなずいた。 私はすぐに砂浜を漁ろうと砂に手を入れた瞬間、指先に明らかに砂ではない感触を感じた。 おそるおそる砂をどけていくと、現れたのは少女が履いているショーツとブラの下着が出てきた。 さらにその奥にはワンピースが一着。 一目見てわかった。これはほのかが来ていた服だ。 由香「どうしてこれだけがここに・・・??」 由香の声を聴いて振り向けば、由香の手にも下着とワンピースの洋服が握られていた。 おそらく由美ちゃんのものだろう。 私も砂の中からほのかの下着と服をとりだした。 はるか「いったい・・・なにがあったの・・・ッッ!!!!!!」 呟いた直後、私の頭の中に激痛が走った。 『ひぅッ・・・ッ・・・んッ・・・や・・・ッ!!!!!!』 『アッ・・・ッ・・・アッ・・・んんん・・・んんんんッ!!!!』 はるか「がはぁッ・・・はぁッ、はぁッ、なッなにッ・・・今のッ!!!!!!!」 由香「げほッ、げほッ・・・なんなのッ!!!!」 頭の中に駆け巡った映像。 薄暗くってよく見えなかったけど、あれは間違いなくほのかと由美ちゃんだった。 私の中に何が起こったのかわからない。 でもこのままここにいてはいけないと本能が警鐘を鳴らしている。 由香「とにかくッ、一度ここを離れましょうッ!!!!!」 はるか「そう・・・ねッ、そうしましょうッ!!!」 おそらく由香にも同じようなことが起こっていたのだろ。 そのことが気になったが、今は聞いている場合ではない。 私たちは急いで秘密基地の洞窟から外に出ていった。 手には見つけた妹たちのワンピースと下着を持ったまま、帰路を急ぐ私たち。 もともと家が近所のため同じ道をたどって家に帰った私たち。 私は早速親にほのかの服を見つけたと報告するつもりだった。 するつもりだったのだが・・・気がづけば自分の部屋にいて、見つけたほのかのワンピースと下着を見つからないように隠していた。 何でこんなことをしているのかがわからない。 でもこれを誰かに見せようとは思わなかった・・・・・・。 部屋から出て居間にくると、母親と父親が静かにテレビを見ていた。 積極的に捜索に取り組んでいた二人だが、一歩も進展しない現状にさすがに疲れが出てきたのだろう。 二人の顔にはちっとも覇気がなく、ただ静かにテレビを見ているだけだった。 私もテレビに視線を向けるとちょうど天気予報をやっていた。 どうやら今夜遅くに再び台風が来るらしい。 ほのかたちが行方不明になってから初めての台風。 私はそのことにどうしようもなく胸がざわめくのであった。 夜の10時ごろ、懐中電灯を持った二人の男性が夜道を歩いていた。 台風が近づいていることもあって吹いてくる風の勢いも少しづつ強さを増しており、小雨が二人の体に叩き付けられる。 雨具を着ている二人だが夜の暗闇ということもあって視界が悪く、慎重に道を進んでいた。 「いや~、だいぶ雨風が強くなってきたね。一通り見回ったらすぐに戻るか。」 「そだね。このままじゃあ俺たちも危ないな。」 二人が何をしているかといえば、いわゆる見回りだ。 先日台風の夜に女子児童2人が行方不明となってから、こうして夜はいくつかのグループに分かれて見回りを続けていた。 特に今日は行方不明になったときと同じように台風が近づいてきている。 十分に警戒しながらも見回りを続けていた男性たちだったが、特に異常は見られなかった。 ちょうど折り返し地点である海が一望できる展望台までたどり着くと、二人は荒々しい波になっている海を一目見てから帰ろうと踵を返そうとした。 『……、………、……』 「ん、おい、今何か聞こえなかったか?」 「あ、いや俺は何も・・・」 『…んッ、……ぁ、……おぉ』 「やっぱり何か聞こえるぞッ!!!」 「確かに聞こえたなッ、なんだか喘ぐような声だったぞッ!!!」 「年若い少女の声だったような気がするが、どこから聞こえた?」 「さすがに今のではわからんッ!!!しかし、なんでこんな時間に人の声が??」 『……ぉ、……んッ、………ぁああッ!!!!!!』 「あ、あそこの方から聞こえてくるぞッ!!!!!」 「馬鹿なッ、確かにあそこには洞窟があって砂浜があるがッ、今の時間ではもう満潮で完全に海になっているッ!!!!!  人がいるはずがないッ!!!!!」 「で、でも確かにあそこから少女の声がしたッ!!!さすがに確かめんわけにはいくまいッ!!!」 「それはそうだが、あそこまで行く手段がないッ!!!!!徒歩ではとても無理だッ、せめて船をださんと・・・」 『『んぎぃいいいいいぃいいいいッ!!!!!!!!!!!死ねぇええええええええええぇええええええええええええッ!!!!!!!!!!!』』 「「ひッひぃいいいいいいいいいいいいいいいッ!!!!!!!!!」」 これ以上ないほど怨嗟のこもった少女たちの絶叫がはっきりと二人の耳に届いた。 あまりの恐ろしさに悲鳴を上げた二人は、もはやわき目もふらずに逃げ帰っていった。 二人の男性がいなくなった直後、台風が接近したのか一気に雨風が強くなり、 謎の少女たちの声はその音にかき消されるようにして聞こえなくなっていった。 はるかはこれが夢であることをなんとなく実感していた。 薄暗い闇の中で一人彷徨い歩いていた。 どこへ行くのかもわからずに歩き続けていると、ふと何かがぶつかる音が聞こえてきた。 そこに向かって歩いていくとだんだんと視界が広がってくる。 じゃりっと足元で音が鳴ったので視線を向ければ、いつしか砂浜を踏みつけていた。 そして周りを見渡せば、そこは由香と訪れたほのかたちの秘密基地の入り口だった。 何かがぶつかる音は中から聞こえてくる。 私は何が起こっているのかおおよそ理解しながらも、その秘密基地の中に足を運んだ。 ゆっくりと進み続けるに連れてぶつかる音だけでなく声もはっきり聞こえだした。 ほのか『んぎぃいいいいいいいいいいいッ!!!!!!!!はなせぇえええええええええぇええええええええッ!!!!!!!!!!』 由美『あぐぅううううううぅううううううッ!!!!!!!!そっちがッ、はなしなさいよぉおおおおおおおおおおおッ!!!!!!!!!!!!』 そして目にしたのは、全裸で激しく取っ組み合う行方不明になった二人の姿だった。 互いに相手の髪を引っ張りながら、乳首をつねり合っている。 何度も体を入れ替えるようにして砂浜の上を転がりながらぶつかり合う二人の姿に、私は唖然として声一つ上げられなかった。 ほのか『ぜったいにぃいいいいッ!!!!!!!!由美なんかに悟は渡さないんだからぁあああああぁああああああッ!!!!!!!!!!!!』 由美『ほのかのくせにぃいいいいいいいいッ!!!!!!!悟は私のものよぉおおおおおおおおおおおおおおッ!!!!!!!!』 男を巡る女の闘いとはここまで熾烈なものなのか。 上になったほのかが由美ちゃんの股間めがけて自分の股間を叩き付けていく。 下になった由美ちゃんも自分からほのかに向かって股間を突き出して迎え撃つ。 ほのか・由美『『あッ、ぁあああッ、ぁあひぃいいいいいぃいいいいッ!!!!!!!イケッ、イケッ、イケぇええええええええええええええええッ!!!!!!!!!!!』』 プシャァァァァァァアアァァァァァァァアアアアアァァアアアアアッ!!!!!!!!! 二人の股間から私でもしたことがないほど激しい潮が噴き出した。 その様子に私は一瞬たりとも目が離せなかった。 まさかとは思っていたが、二人の関係がこれほどまでに拗れていたとは思いもしなかった。 これはたしかに夢であるのは間違いない。 しかしこれほど生々しい夢を見せられて、それが全くの無関係であるとは私はどうしても思えなかった。 ほのかと由美ちゃんは何度かこうした犯し合いをして、その末に・・・ その時、私の隣に誰かがいるのを感じた。 そちらに視線を向ければ、そこには驚きに顔を染めた由香が立っていた。 私のことに気が付いた由香も、こちらに視線を向けてくる。 私たちの視線がまっすぐにぶつかり・・・・・・ はるか「はぁッ・・・・・・」 私は自分のベッドから飛び起きた。 心臓がとんでもない勢いで脈動しているのが感じ取れる。 落ち着こうと胸に手を当てようとすると、その手に何かを握りしめていることに気が付いた。 はるか「なんでッ!!」 私は思わず叫んでしまった。 隠してから取り出していないほのかのショーツが、自分の手にしっかりと握りしめられていた。 驚きと恐怖が全身を駆け巡るが、どうしてもほのかのショーツを投げ捨てるような考えが浮かばなかった。 それどころかそっと机の上に置いて、大事に扱おうとする気持ちの方がどんどん湧き上がり、驚きと恐怖の感情を洗い流していく。 行方不明の妹の遺品だから、大事に扱おうというのは決して間違ってはいないはず。 けれど、今でもはっきり覚えている夢の内容に加えて、持っていないはずのショーツを握りしめていたという異常事態が起こっていても、 私はその原因といっても過言ではない妹のショーツをなぜこうも大事に扱おうとするのか。 自分でも訳が分からない事態に混乱しそうになるも、顔を洗おうとベッドから起き上がろうとするが、 クチュッ 股に感じる違和感をどうにかする方が先のようだ。 学校に登校する間、由香は体の倦怠感に悩まされていた。 昨夜に近づいていた台風は通り過ぎたようで、綺麗な青空が広がっているが、 由香の頭の中は昨日見た夢のことでいっぱいいっぱいだった。 はるかと訪れた秘密基地の中で由美とほのかちゃんが全裸で激しい喧嘩をしていた。 いや、あれは喧嘩などという生易しいものではない。 女と女が男を巡ってすべてをかけて犯し合っていたのだ。 まさか二人がそんな関係になっていたとは考えもしなかった。 夢の内容を信じるとか他の人から見れば常識を疑う行為かもしれないが、私はあれが間違いなく実際にあったことだと確信している。 飛び起きた時に隠したままにしたはずの由美のショーツを持っていたことと、股がとんでもなく濡れていたことも、 その確信を持つことに拍車をかけていた。 そして今、私がしなければならないことは、夢の中で一緒にいたはるかにもこのことを確かめなければならないこと。 どう考えてもこのままにしておくわけにはいかない。 そう心に決めて教室に入ると、すでに来ていた何人かの生徒がうわさ話をしているのが耳に入った。 「でね~、見回りをしていたその人たちが聞いたんだって。  満潮で完全に海になっている洞窟の中から少女たちの絶叫をッ!!!!」 「うそ、マジでッ!!!」 「でも今までは何ともなかったんでしょ?」 「そうなんだよね。昨日の見回りが最初みたい。あんまりにも怖くって見回りの人はそこから逃げちゃったんだって。」 「それって、もしかして・・・・・・」 「しっ、さすがにこれ以上はまずいよッ!!!」 「そ、そうだね。やめとこうか。」 私が来たことに気づいた生徒たちがうわさ話を慌ててやめたが、私はそれどころではなかった。 昨日夢に見たことと何か関係があるのか・・・、いや間違いなく関係があるッ!! 何人かの生徒が私に視線を向けてくるがそんなことを気にする暇もなく、私は思考に没頭していくのだった。 放課後になり、私は由香と会うために彼女のクラスに向かった。 すると由香の方も私に会うためかこちらに向かってくるところだった。 私たちはほかの生徒に見られたくないため、人気のない4階の女子トイレに移動した。 一番奥の個室に入った私たちは、和式便器をまたいで向かい合った。 由香「うわさ話、はるかも聞いた?」 はるか「聞いた。もしほんとうならあの秘密基地よね。」 由香「たぶんね。私たちがあれを見つけたことと何か関係があるのは間違いないわ。」 はるか「そのことで一つ聞きたいことがあるんだけど・・・昨日、何か夢を見なかった?」 由香「それを聞くということは、・・・見たのね?」 はるか「ええ、・・・由香も?」 由香「見たわ・・・正直なんて言えばいいかわからないわ。」 はるか「本当に・・・まさかほのかが由美ちゃんを犯していたなんて・・・」 私が無意識に漏らした言葉。 それが一気に私たちの空気を重くした。 由香「は?何言っているの。由美がほのかちゃんを犯していたでしょ?」 はるか「そっちこそ何言ってるの?ほのかが上になって思いっきり由美ちゃんのあそこを犯していたじゃない。」 由香「それこそ由美が下からほのかちゃんのあそこを返り討ちにしてたじゃない。    あれだけ盛大に噴いておいて、まさかほのかちゃんが勝ったとか言わないでよね。」 はるか「盛大に噴いていたのは由美ちゃんもでしょ。それに『一度負けてるくせに』・・・えっ?」 由香「なにいって・・・『負けてないわよ、たまたまそっちが少し耐えただけでしょ。絶対に私の方が強い。』・・・は?」 何が起こっているのか理解が追い付かない。 追い付かないけど・・・どうしようもなく目の前の由香を犯したくってたまらない。 はるか「『なら、かかってきなさいよッ!!!』」 私の意志ではなく、でもやっぱり私の意志でもあるのか・・・手が勝手に制服のスカートを持ち上げて由香にショーツに覆われた股間を見せつけた。 由香「『いわれなくても、犯してやるわよッ!!!』」 そういった由香もスカートを捲し上げて、ショーツに覆われた股間を私に見せ付けてきた。 その姿を見た瞬間、私は腰を振って自分の股間を由香の股間にぶつけていった。 パァンッ!!! はるか・由香「「『『はぁあああん・・・・・・こっのぉおおおおッ!!!!!!』』」」 パァンッ、パァンッ、パァンッ、パァンッ!!!!!! 私たちは無我夢中になって股間と股間をぶつけ合わせた。 自分たち以外誰もいない女子トイレの中に『4人』の嬌声と股間をぶつけ合わせる音が響き渡る。 私は目の前の由香の顔を睨みつけながら、ただただ心の奥から湧き上がってくる情欲のまま腰を振るった。 だんだん股間が熱くなり、淫液があふれだしてショーツに染み込んでいく感触を感じているが、 それがより一層私の興奮を掻き立てて、もっと由香と股間をぶつけ合いたい気持ちを湧き上がらせた。 自分が自分でない感覚を味わいつつも、それでも股間に感じる衝撃と快感は紛れもない本物だ。 私は自身の快感が限界まで近づいてくるのを察すると、思いっきり腰を振って勢いよく股間を由香の股間に叩き付けた。 パァァアアアンッ!!!!!!! はるか・由香「「『『んッ、ひぃぃいいいいぃいいいいいいいッ!!!!!!!!ィイックぅううううううううううううううぅッ!!!!!!!!!!』』」」 プシュッ、プシュッ、プシャァァァァァァアアアアアッ!!!!!!!!! どうやら思いっきり叩き付けてきたのは由香も同じだったようだ。 相討ちになった私たちは、お互いに股間を重ね合わせたまま相手の股間に噴きつけるようにして潮を噴いた。 正直潮を噴いたのは生まれて初めての経験だった。 こんな快感を感じてしまったら、もう後戻りはできそうもない。 はるか・由香「「はぁ、はぁ、はぁ、・・・・・・なッ、なんで?」」 ふと意識がはっきりとしてくると、今までやっていたことに唖然とした。 お互いに慌てて距離をとるが、狭い女子トイレの個室ではそんなに離れられない。 そもそもなんで女子トイレを選んだのかさえ、今では疑問に感じている。 由香は私を鋭い視線で睨みつけると、黙ったままトイレから出ていった。 私は由香の後姿を黙って見送ったが、それでもどうしようもないほどの苛立ちを感じていた。 ああ、私はいったいどうしてしまったのだろうか? 答えの出ない疑問を胸に抱きつつ、私はおそらくもう一度あの秘密基地に訪れなければならないことを確信したのだった。

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