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13:闇を深める希望の言葉  あれからどれだけの時間苦しみ抜いただろう?  この十字架に磔にされて……一体どれだけの時間が経ったのだろう?  目隠しをされた状態では……その時間の感覚すら曖昧でならない。  そもそもこの責め苦を味わい続けている限り、そのような時間の感覚を図るという余裕すらも生まれない。  だから、ふと我に返る瞬間が強制的に与えられる休憩の中に訪れる度に答え得られない疑問を浮かべてしまう。  そうでもしないと……とても自身の正気を保つことなど……出来やしないのだから。  今、何時間が経っていて……何時間ぐらいで休憩が挟まれて……その休憩がどれくらいで終わって……そしてまたどれくらい責め苦を味わうのか……。  それを測って何になるわけでもない。しかし……何かを考えるという行為をやめると……そこで正気を失ってしまいそうで怖い。何も考えられなくなってしまうのは本当に怖い……。  だからアイネは休憩の度に必死に自分の思考を働かせようとする。  無駄だとは分かっていても……。 「はひ、はぁ、はぁ、はぁはぁ、はぁ……ゲホゲホっっ!」  毎度のように過呼吸になり、飲み込めなかった唾が気管に入り咳き込んで……そしてその数秒後に……。 ――ズルズルッ! ズズズズズズ……    そう、また動き出すのである。あの悪魔の蔦達が……。 「ゲホッッ、ゲっ――ひっっ!? うひっっっ!!? くひひひひひひひひひひひっっ!!?」  順番は決まっている。  まずは絶対に足の裏から触ってくる。  その触り方もとてもいやらしく……蔦の先端の硬い部分で土踏まずに文字を書くように愛撫して笑いを誘いに来る。 「あひひひひひひひひひひ、こ、こそばいぃぃですっっふふふふふふふふふ!! やだっ! んはっっっはははははははははははははははははは!!」  土踏まずを何往復かすると今度は別の蔦が援護に現れて、拇指球付近の膨らみをチロチロと優しく撫で始める。これも異常にこそばゆくて……笑いを堪えることなんて到底できない。 ――ズズズズズ……ズズズズズズ……  そうこうしていると、脇腹付近に待機していた蔦が腰のくびれ付近の柔肌を揉むようにくすぐり始める。  こちらの蔦は1本の触手という状態ではなく、先が5本に分かれた人間の手のような形をしている。  樹液で表面が濡れているのかヒンヤリした触られ心地の指にモニョモニョと脇腹を揉まれ、足裏のくすぐったさと相乗的に笑いの欲求が高まり一気に吹き出してしまう。ここからはエンジンが掛かったかのように笑いが爆発的に吐き出されてしまう。 「ばぁぁぁ~~っはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、だひゃあぁぁははははははははははははははははははははは、やめでぐだざいぃぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!! くひゅぐったいぃぃ、くひゅぐったいれすぅぅぅふふふふふふふふふふふふふっふふふふふふふふ!! はひゃああぁぁははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!」  足は足首のところで一纏めに拘束され足底も床にはつかないよう浮かされた状態……そしてどこかの聖人が磔の刑に処された時のように手は大きく斜め上に左右に広げさせられ十字架の両端に手首の部分を固定され拘束された格好。  そんな格好を強いられているものだから群がってくる蔦にアイネは抵抗することができない。裸にされた肌をくすぐりという非情な責め苦から守ることができない。 ――ズルズル……ズズズズズズズズズ……  腕が下ろせない。  せめて腕を下げて横腹を抑えてこのくすぐりから逃れたいと思うが、幼い彼女の力ではしっかりと両手首に食い込んだ革製の枷を引き千切ることは出来ない。 何度も力で抜けようと試してみたがその度に思い知らされる……自分は無力であると。 ――ズズズズズズ……サワ♥ ……サワ、サワ♥  腕が下ろせず蔦の攻撃に対して抵抗できないアイネに、その蔦は勿体つけるように“あの”部分を責める予行練習をはじめる。 「がひっっっ!!? ま、ま、まっへ!! まだ待っへくださいぃぃぃぃ!! そこはまだ責めちゃ……らめっっ!!」  手の形に分かれた幹を上手に握ったり開いたりさせながら優しくソコを愛撫する蔦……。  敏感な肌の神経がその焦らすようなこそばしに反応しアイネの身体をビクリと跳ねさせる。 ――サワサワ♥ サワサワ……サワサワ♥  これからくすぐってやるぞと意思表明するように、丁寧にその場所を指先で引っ掻いた蔦は……  一瞬だけその動きを止めアイネに僅かな間を与える。  しかし次の瞬間! ――コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!!  胸の横に配置されたその蔦製の手は幼い窪みをほじくるかのようにその箇所を引っ掻き責め立てた。 「ぶひゃっっっっ!!? ブヒャアアァァハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッハハハハハハハハハハハハハ!! いやあぁぁぁははははははははははははははははははははは、そこはだめぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!! だめぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」  両方のそこに優しく突き刺さった蔦の先端は、まるで痒い場所を必死に掻き毟るかのように一気に指を蠢かせる。  その刺激にアイネは口を大きく開け蔦の目隠しの横から涙を流して笑い狂う。 ――コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!!  胸の横に左右挟むように配置された2本の蔦は、一切の容赦なくアイネの幼く可愛いワキの窪みを激しく責め立てている。  およそ人間の手では再現できないであろうその指捌きの速さは、流石ラフェリアの魔法だと言える。ローションのように濡れた指先にワキを濡らされながらこそばされるこの感覚は刺激に敏感な幼いアイネでなくても笑い狂ってしまうことだろう。  成人した女性がこの責め苦を受ければすぐに音を上げ許しを請う事だろう……ましてや多感な年頃のアイネにとって裸にさせられることすらも耐えられないのに、このような責められ方を続けられれば1時間と待たずに壊れてしまう。しかしそこはエルフの血を引く彼女……簡単には壊されることはない。  彼女の血が疲れや精神的な苦痛を和らげてしまうのだ……。だから人間であれば壊れて然るべき責め苦にも耐えられてしまう……休憩などを与えられればなおのことである。 「はぎゃああぁぁぁははははははははははははははははははははははは、えぎぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃははははははははははははははははははははははははははは!! だじゅげでぇぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへ!! だれがぁぁははははははははははははははははははははははははだじゅげでぇぇぇぇぇぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」  意識を失えればどんなに楽だろう? もはや死んでしまったほうがどれほど楽だろう?  そのように思う反面、正気をなくしバカになってしまう事を極端に恐れているアイネ……。そのようになってこれからの長い人生を生きていくなんて……考えたくもない。  だから正気だけは保っていないと、っと自分に言い聞かせている。この地下部屋に入れられてずっと……。 「おでがいぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひ、たしゅげでぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!! もう嫌ァァはははははははははははははははは、ぐるじいぃの嫌ぁぁはははははははははははははははははははははははははははは!!」  そんな彼女の正気を保たせているのは何も自分の意志の力だけではない……。  彼女以外にもその周りの柱には何人もの女性たちが同じ責め苦を受けているのだ……。 「はひっ! あひっっ! はひぃぃ!! ゲホゲホ! あ、アイネちゃん? だ、大丈夫?? まだ……死んでない??」  アイネの向かいで同じく責め立てられている女性は、自分に休憩が与えられるたびに彼女に声を掛けてくれる。  彼女はこの村から“餌”の為に捕らわれたと言い、名前をリアと名乗りアイネと向かい合わせで拘束され先程から責められ続けている。 「はひゃあぁぁぁ~~はははははははははははははははははは、リアひゃんっっっふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ、リアひゃんっっっぐるじぃぃぃひひひひひひひひひひひひひっひひひひひひひひひひひ! も、もうだみぇぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」 「が、頑張って!! もう少しで多分休ませて貰えるわ!! それまで頑張って!! 私も頑張るから私もっっ――ひっっ!!?」  彼女に与えられる休憩はアイネよりも短いが、しかしアイネの休憩よりも回数が多い。これは人間の女性だからということで調整されている結果なのだが、その短い時間の休憩でもリアはアイネに励ましの声を送り続ける。同じ境遇に置かれた哀れな幼子をどうにか元気づけたいという一心で。 「えひっっひひひひひひひひひひひひひ、ひゃだっっ!? 私っっ足の裏だめだって言ってるでしょっっっくくくくくくくくくく!! んひゃあぁぁぁぁあぁぁあっぁぁぁあぁぁぁ!!」 「リアひゃん!? 大丈夫れすかぁぁ? リアひゃんんっっふふふふふふふふふふふふふふふ、ひぎゃあぁぁははははははははははははははははははははははははは!!」  アイネはこの励ましに何度救われたかわからない。お互い目隠しをされ姿は見えないが、姿が見えないからこそ分かり合える。生々しい苦悶の声を聞かせ合っているのだから……。 「いひゃあぁぁあぁぁははははははははははははははははははははは、狂っぢゃうぅぅふふふふふふふふふふふふふふふふ!! 足の裏を集中的にくすぐらないでぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへ!! 頭がおかじぐなっぢゃうぅぅぅぅぅぅぅふふふふふふふふふふふふふふ!! だぁ~~っはははははははははははははははははははははははははは!!」   今までの声を聞いて、彼女は足裏が弱いという事は分かっている。自分でもそう叫んでいるのだから間違いないのだろう……。しかし、アイネへの責めとは違いリアへの責めは陰湿そのもので……彼女の弱点が足裏だとわかるとそこばかりをしつこく責めつづけている。当然彼女は靴や靴下など履かされていない。アイネと同じ素足であり、くすぐられる事から逃げられないようしっかり蔦が足首に巻きついて柱に固定している。  責めに興じている蔦は1本や2本ではない。足を埋め尽くさんとするほど小さな細枝が集まり、その無防備な大人の足裏を容赦なくこそばして回っている。  まるで触手の生えた靴を履かされているかのよう……。そのような靴を履かされ足裏を好き勝手くすぐられているかのような光景だが、アイネにはそれが見えていない。そのような悲惨な光景を幸か不幸か見えてはいない……。 「がひっっっひぃ、ひぃぃ、ひぃぃぃぃっっひひひひひひひひひひひひひひひ!! はひゃぁぁぁははははははははははははははははははははははははは!! だ、大丈夫れすかぁ? リアひゃん? 大丈――ぶふっっ!? ひぎゃああぁぁははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!」 「だ、だ、ダイジョぶふぅぅふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ、アイネぢゃんっっわたじだいじょぶだからぁぁははははははははははははははははははははははは!! 耐えでぇぇぇへへへへへへへへへへへへへ、絶対耐えてぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへへ!! イギャアァァハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、そこだめ! そこだめぇぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」  人の心配ばかりしてないで笑えっ! と言わんばかりにリアへのくすぐりを激しくさせる蔦達……。その責め苦の強さに対応できずリアは後頭部を柱にぶつけて笑い狂う。 「わ、わだじは大丈夫だがらァァはははははははははははははははははははは、リアさんも頑張っでぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!! ぜっだい負げないでぇぇぇくだしゃい! わだじも頑張るがらぁぁははははははははははははははは!! 頑張るがらぁぁはははははははははははははははははははははは!!」  アイネの正気は彼女によって支えられていると言っても過言ではない。逆にリアも彼女に声をかけることで気を紛らわせることができている。お互いを意識し合い、お互いに声をかけ合う……苦しい場面でもこうした同じ境遇にいる者同士が意識し合うことで正気を保つことが出来る。 しかし、その支え合いは……一方が力尽きると……たちまちに絶望へと塗り替えられてしまう。苦しみを共有し分かち合えていた同士が先に居なくなればどれほどの絶望になるか……それを当人たちは理解している。理解しているからこそ一種の使命感のようなものが生まれ“相手のためにも意識を途切らせてはならない”と自分を鼓舞し続ける。とっくに意識など失っていてもおかしくない責め苦であっても……その鼓舞が意識を保つ力となる。希望にもなる。 「けひっっはひっっひっっっひひひひひひ……はぁ、はぁ、はぁ……アイネざん? 負けちゃ……ダメです! 絶対に負けては……はぁはぁ……」 「んはっっはははははははははははは、はひぃ……ひぃ……はぁ、はぁ、はぁ……ゲホゲホっっ!! 大丈夫……です……私の方も……休憩に入った……みたいで……ゲホゲホゲホ!!」 「……私の方も……触手が止まって……くれました……はぁ、はぁ、はぁ……。でも、またすぐに動き出すはずです……はぁ、はぁ……」 「はひ、はひぃ……リアさん、大丈夫です! きっと助けが……来てくれます! 必ず……エリシアお姉様が……」 「助けが? ここに……助けが……来てくれるんですか? こんな地下深くまで?」 「はい、きっと来てくれます! うちの姉は……そういう人です。だから……一緒に……頑張りましょう! もう少しだけ……」 「私達……助かるんですね? あなたのお姉さんが……助けに来てくれるんですね?」 「はぁ、はぁ……大丈夫です。必ず……必ず来てくれます!」 「だったら……もう少し……頑張れます! 助けが来てくれるのであれば……もう少しくらい……」  実際、エリシアはこの教会まで入り込んでおり、レファが扉の少し手前まで辿り着いてさえもいる。しかしその事実を知る由もないアイネは、元気づけるためにと口にしてはみたが根拠のない気休めであることに変わりはない。今すぐに助かるわけではないし、もしかしたら数日は来てくれないかもしれない……ヘタをすれば教会の場所もわからず永遠に来てもらえないのかもしれない……。そのような絶望が彼女の腹部を気持ち悪く掻き回すかのように嫌な予感として悪寒を撒き散らしているが、今の彼女にはそれに縋るより方法がない。リアを元気づけるのもそうだが、自分の希望の火を絶やすわけにもいかない。だから、単なるか細い希望であってもそれに手放し縋ってしまう。そうであってくれと必死に懇願する。 「んはっっ!? あぁっっっま、また!! また動き出したぁぁっっっ!! また足の裏をぉぉぉおおおほほほほほほほほほほほほほ、いひゃああぁぁぁははははははははははははははははははははははは!!」 「リアさん!? 頑張ってっっ!! 絶対に助かりますから……頑張って!!」 「だひゃああぁぁぁひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! あぎゃあぁぁははははははははははははははははははははははははははははははははははは、くしゅぐったいぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、あじの裏っっぐじゅぐっだいぃぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!! 「もう少しのはずです! もう少しで助けがきますからっっ!! だから……頑張って!! 負けないでっっ!!」 「ぎひゃあぁぁぁぁぁははははははははははははははは、もうずごじでたしゅかるっっふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ!! もう少し頑張れば助けがぐるぅぅぅふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ!!」 「そうです! もう少しで来てくれますから!! 大丈夫っ希望を持って――はひっっ!!?」 「で、で、でもアイネひゃん? いつ来てくれるのぉぉほほほほほほほほほほほ? あとどれくらい頑張ればぁぁはははははははははははは、来でぐれるのぉ? ねぇっっへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ?」 「ひぎゃっっっ!? わ、私のも……始まって……うひゃっっ!? へひっっひひひひひひひひひひひ、わ、私の方も足の裏っっっはははははははははははははははははは!! 足の裏に沢山集まってきてるぅぅぅぅふふふふふふふふふふふふふふふふふふ!! えぎひゃあぁぁぁぁあぁぁっぁぁぁはははははははははははははははははははは!!!」  リアの“いつ来てくれるのか”という問いにアイネは答えを用意することができない。幸か不幸か……アイネの触手は休憩の時間ある程度与えると、再びアイネの無防備な足裏に触手を伸ばし彼女を笑わせる刺激を送り込み始めた。  すべてが儚い希望であるためリアの言葉に答えを返すことなど出来ない。適当な言い逃れでその場を誤魔化すことも出来るだろうが、それをやればその後どうなるか……想像しなくても答えは出ている。  あと5分頑張って! と言ったなら……5分間は死に物狂いで頑張るだろう。しかしもし、5分後に救出されなければ……待っているのはアイネが適当なことを言ったという事実が露見することと……それに伴う深い深い絶望……。  その絶望はもはや致死に値する。  強い希望が……そのまま強い絶望へと引っ繰り返り……呆然自失のまま精神の死を招いてしまうことだろう。  だから答えるわけには行かない。か細い希望を与えて延命はすれども……具体的な希望を与えてイチかバチかの賭けに出るというような暴挙に出るわけにはいかないのだ。 「だはぁぁぁはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、ぐっるじぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひ!! くすぐるのやめでぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへ、笑いだぐないぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひ! ふぎゃああぁぁはははははははははははははははははははははははははははははは!!」  だから、アイネは必要以上に笑い悶える様を強くしていく。  自分には言葉を返す余裕がないのだと言わんばかりに……激しく身悶えし耳を劈くような笑い声を部屋中に響き渡らせる。 「はぁはぁ、はひぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひ!! だ、だ、大丈夫? アイネちゃんっっ!! ねぇ! 大丈夫?? っぷ!? んくっっふふふふふふふふふふふふふ、んぐぅぅぅぅぅぅっっっっっ!!」  その発狂するような笑い声にリアが心配の声を返してくれることは重々承知している。しかし今……アイネには笑い狂っている方が精神的には安堵してしまう。自分の放った気休めの言葉の責任を放棄することが一瞬でも出来るのだから……。 「ウワァァアアハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、ワギだめぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、ワギはほんと駄目ぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、うひぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!!!」  自分では大袈裟なほどに笑い声を上げていると理解してはいたが、そうは言っても次々に責め手を変え新鮮なこそばゆさを容赦なく与えてくる触手の攻撃に、演技で上げた笑いと素で上げさせられた笑いの区別がつかなくなっていく。  むしろ、大袈裟に演技した分……体力はごっそりとそれに持って行かれ、素で笑わされる苦しさについていけない。  結果後悔する事となる。 無理やり上げた笑い声によって喉の奥は焼けるように熱く痛み、胸横や腹横の筋も突っ張るような痛みを発する。笑う度に腹部の筋肉が攣るように痛い! 無駄に暴れさせた手足は枷の食い込みのよって切れているかのような痛みを発しアイネを苦しめる。  まるでペースを乱されたマラソンランナーのよう……。観客の声援に大声で答えまくって自爆してしまったランナーのよう……。  しかし、ランナーと違いアイネは休むことも棄権することも許されない。  あとどれくらいでゴールが来るのか分からないこの道のりをただひたすらに走らされている……笑わせ責めという全力持久走を……。   「はぁ、はぁ……アイネちゃんっっ!! 声がさっきよりもやばいよ? 大丈夫? ねぇ? 本当に大丈夫?」 「えぎひゃああぁぁははははははははははははははははははははははは、ギヒャアァアァハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、えひえひっっへひぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!! ダァハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! きちゅいぃぃぃひひひひひひひひひひひひひ、がらだが痛いぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!!」 「頑張って!! もう少しで助けが来るんでしょ? だから頑張って!! アイネちゃんっっ!!」 「はぎぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、いやらぁあぁぁははははははははははははははははははははははは!! もう嫌っっ! もう嫌ァぁぁっっ!! たしゅけてっっへへへへへへへへへへへへへへへへへ、お姉さまぁぁははははははははははははははははははははは、レファさんっっっふふふふふふふふふふふふふふふふ、だひゃあぁひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」  姉の正義感の強さは頑固の域に達するほどに強いということを彼女は知っている。  そしてレファの心強さも短い時間ではあったが共闘して分かっている。  彼女達はきっと来てくれる……いや、絶対に来てくれる! 絶対に……。  でも、その助けがいつになるのか……それは分からない。 数秒後? 数分後?? もしかして……数時間後?? まさか……数日後?   先の見えない暗闇がアイネの思考を奪っていく。  希望の光が一向に差さないその暗闇に……彼女は徐々に飲み込まれていく。  様々な生理現象を我慢させていた抑制回路が徐々に緩んでいく……。  正気を保つために我慢していた色々なものが、その緩みによって少しずつ解放されていく。  そういうタイミングを見ていたかのように一本の触手が、アイネの股間に向けて移動を開始する。  幼いアイネの我慢に止めを刺さんと……その触手は指をワキワキさせながら彼女の秘部へと静かに忍び込んでいく。  そして、アイネの笑いが最高潮に達した瞬間……その触手は彼女の幼いながらも盛り上がった恥丘を挟むようにモミモミとほぐし始める。  我慢していた……とある欲を完全に解放するために……。 「はぎっっっっ!!? だ、だめ! 今ソコはだめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっ!!?」  彼女がひたすら意識によって我慢していた欲……それは…… 『放尿欲』……だった。

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