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3:ミゼル司祭 「ドクターメリッサ……貴女には期待していたのですよ? こうなってしまって……とても残念でなりません……」  冷気すらも感じさせる薄赤い口紅を塗った唇が僅かに開き、低く抑えられた声が拘束されたメリッサの耳に届けられる。  存在しているかどうかも分からないくらいに今にも消えそうな青白い肌……不気味さを増すだけの材料となっている目隠しの布……白いローブに白い靴……。彼女の声を聞くたびにメリッサには不安が込み上げてくる……この得体の知れない司祭にこれから自分の体が嬲られると分かっているのだから……不安にならない要素がひとつ見つけられない。 「貴女は……何者なの? 人間じゃ……ないんでしょ?」  それを聞いたとして何かが変わるというものではないが、緊張と不安から間を持たせるための言葉がついその唇から溢れてしまう。 「フフ……。さぁ、どうでしょうね? それよりも……ドクターメリッサ? 貴女は……こういう刺激には……耐えられる方なのでしょうか?」  足先の暗闇から声だけが届けられる事が不安で堪らないメリッサだが、履物という履物すべてを脱がされ動けないよう拘束された足先にソっと何かが触れたのが分かると、強気な態度を見せていた彼女らしからぬ悲鳴が思わずその口から零れてしまう。 「ひぃっっ!? な、な、なに? 足の先に……何かが触った?」  素足の指先に柔らかそうではあるが芯の硬い細い何かが触れ……メリッサはそのおぞましい触感にゾワッと寒気を背筋に走らせ反射的に手足を動かそうとする動作を取る。  しかし、当然ながら手首に巻かれた枷、足首に巻かれた枷がX字の拘束台に固定されており手のみならず動かしてしまいたいであろう足さえも一切動けなくされてしまっている。メリッサはその得体の知れない刺激に奥歯を噛みながら声を出さないよう勤めることしかできない。 「私が手に持っているコレは……魔界の霊鳥……ホネクジャクの鳥羽根です……」  霊鳥ホネクジャク……その名を聞いた瞬間メリッサの喉がゴクリと鳴る。  書物で見たことがあるし聞いたこともある。ホネクジャクは鳴き声と羽根に特徴のある霊鳥で、その耳を劈く甲高い鳴き声を人間が聞くと3週3晩その声が脳内で反響し続け……やがて発狂死してしまうという恐ろしい逸話が残されている。骨のように白くて硬そうな羽根を大きく広げて敵を威嚇する姿から死神霊鳥という2つ名を持つこの鳥は、魔界にしか生息せずこの世界には存在が確認されていない幻の鳥である。 「ホネクジャクの羽根は見た目こそ骨のように固く見えますが……毛先は程よく柔らかく弾力性も反発性も必要十分に備わっております」  足の指先に触れた羽根の毛先は芯が細いくせにしっかりしている事もあり、一瞬針が突き刺さるようにチカっと痛痒い刺激を送り込む。しかし、羽毛の部分は繊細で柔かい素材で出来ているためその毛先が若干上下に動くと我慢ならない痒みを強調させ始める。 ムズっ! ムズっ! と、足が拒否したくなる痒みの強い刺激がその毛先から発せられ、その羽根がいかにこれからの行為に効果的であるのかをメリッサに教え込んでいく。 「この羽根で触られて……最終的に発狂まで追い込まれなかった人間は誰ひとりとしていなかったわ……。エルフでさえ4日も責められれば琥珀化して逃げ出すほどのモノよ♥ 貴女はどれだけ我慢できるかしら? どれだけ自我を保っていられるのかしら? ウフフ……♥」  ラフェリアの脅し言葉が嘘でないことはメリッサがよく理解している。そばで見ていたのだから……人間のみならずエルフの女たちがその羽根で狂わされていく過程を何度となく見てきたのだから……。 「そ、そ、そんなもの……耐えてみせる。たかが羽根の1本くらい……我慢してみせるわ!」  今の彼女にはこのような強がりを口から出す以外この押し潰されそうな不安を紛らわす方法が見つからない。半ば自己暗示をかけるように自分を鼓舞して負けない姿勢を見せることだけが唯一彼女に許された抵抗でもあるのだから。 「誰が1本で責めると申しましたでしょう?」  しかしその強がりもミゼル司祭の言葉と行動によって語尾が悲鳴に変えられてしまう。  触られた足の反対側……もう片方の足裏に、同じようなムズムズっとした毛先の触感が加えられる。 「ひっっっ!? んぎっっ!!!」  今度は指先などではなくその逆……硬い皮膚に覆われたカカトの皮膚に、毛先がソワッと当たるか当たらないかの距離で触れ……その毛先が僅かな風に遊ばれるようにユラリと動きメリッサに我慢ならない刺激を送り込み始める。 「我らを裏切った罪は死にも値する大罪……とても赦し難い罪を貴女は抱えてしまったのです……。そんな重罪人である貴女に生温い償いを求める事など誰も望みません……」  片方の羽根はそれぞれの足指の頭を撫でるように順番に触っていき、もう片方の羽根は刺激に強いはずのカカトを引っ掻くように触っていく。  どちらも普通の羽根であれば準備運動程度の微弱な刺激にしかならない動きではあるのだが、彼女の操る羽根は普通の羽ではない。人間に死をももたらす霊鳥のソレであり……その羽根自体にも神経を敏感に指せる魔力が含まれているらしく、素肌に触られるだけで全身の神経が波立つような寒気とむず痒さを巡らせてしまう。  まだ準備運動にも満たない挨拶程度の刺激であるはずなのに……メリッサは苦悶の表情を見せ必要以上に奥歯を噛み締め声が出るのを我慢し足指だけをジタバタと動かしてその刺激を嫌がる姿勢を見せていく。 「存分にこの“贖罪の羽根”を肌に感じ……悶え苦しむのです。それが貴女の罪に対する罰……罪人に唯一許された赦しなのです……」  司祭の操る羽根は徐々に際どい箇所へと刺激する箇所を広げていく。足指の爪先から指の側面第一関節……そして第二関節へと降りていき……。 「はひっっ!!? や、めっっ!! んぐぅぅぅぅっっっ!!」  ……足指の股の間に毛先が触れるとメリッサは体をビクリと跳ねさせ額に脂汗を浮かべ始める。 「足裏は不浄の象徴です……。常に聖なる地を踏みしめ……大罪者である貴女の体を支え、そして貴女を受けるべき贖罪から逃がそうと精力を使います……」  もう片方の羽根はカカトを優しく撫でつつ自然な流れで上へと登り、カカトと土踏まずの境である緩やかな下り坂へと到達する。カカトのような神経のほとんど通っていない箇所でさえ悲鳴を上げるほどのむず痒さを味わったのに……坂を降りきったところにある土踏まずの領域にあの羽根が触れたら……。メリッサの額の脂汗はタラリと横に垂れ髪の付け根に吸収されるように消えていく。そしてまた新たな汗が浮かび上がり、彼女の焦りと共にその汗もゆっくりと額の側面へと垂れ流れていく。 「足裏は大罪者を支える最も醜悪な共犯者といっても過言ではないでしょう。ですから……私が、そんな共犯者に罰を授けます。二度と……彼女の諸悪を支えられなくなるよう……神経を犯し尽くす……徹底的な罰を……」  その言葉を皮切りに2本の羽根はそれぞれが定めていた目的地に滑り込むように移動していく。  足指を触っていた羽根は指と指の間へ……カカトを触っていた羽根は坂を一気に駆け下りこういう刺激に絶望的に弱い土踏まずの中央へ……。  移動の際も羽先を触らせながらなぞっていくものだから、その引っ掻く様な刺激自体もメリッサに悲鳴を上げさてやまない。まるで四肢を切断されたかのような甲高い悲鳴が地下室に鳴り響くが、その悲鳴が収まると地の底を這うようなくぐもった笑いが彼女の口から少しずつ吐き出されていく。 「くっっふっっ! うくっっっふ!! ぶっっふっっっ!! ぶくっっっ、くひっっひひ!! んぐぅぅぅぅっっふふふ……くく……くっっ!!」  目を力強く閉じ、口元を踏ん張るように閉じきって必死にせり上がってくる笑いの衝動に抵抗を見せるメリッサだが、そういう刺激の急所である2箇所を突然責められへの字に曲げていたはずの口もすぐに小さなVの字を描くように崩され、閉じきっていた目尻からは我慢の涙が溜まっていった。  震える唇からは出したくもない我慢の笑いが漏れ、みっともないからバタつかせたくいのに足指はジタバタと子供のように暴れ刺激に対する拒絶の反応を露わにしている。 「さぁ……罪を認め……この贖罪の羽根に押し付けられる感情に素直になるのです。素直に受け入れることこそが赦しへと繋がります……。感情を我慢してはなりません。我慢するのは……ただ苦しさが増すばかりですよ?」  メリッサはこの下半身から押し迫ってくる強烈な笑いの衝動から必死に耐え忍ぼうと力み体中を強ばらせる。しかし我慢するというその行為は確かに彼女が言うように決して楽なものではない。本来なら自由に感情を発することこそが自然の流れであるはずなのに、今のメリッサはその自然に逆らって感情を押し殺そうとしている。それはとても苦しいことであり辛いことでもある。  今すぐに逆らわず押し付けられた感情を垂れ流してしまったほうが楽ではないだろうか? そう思いたいが、彼女は嫌というほど知っている。我慢できずに押し付けられた感情を爆発させた被験者がその後どのような末路をたどるのか……。  それはもう……肉棒を突き刺される女の悲鳴と呼称するよりも、無理やり皮骨を剥かれているメスの獣の叫びが近い。そのような聞くに耐えない叫び笑いが延々と絞り出される。寝る間も惜しむように何時間も……何十時間も……。  そうやって発狂させられ……心蔵の鼓動さえも自分で管理できなくなり……やがて死へと誘われていく。  それが分かっているから……いま自分に行われている責め苦はそういう類のものだから、彼女は必死に吐き出したくなる感情を無理やり内に閉じ込めている。少しでもこの責め苦に負ければ……後は取り返しがつかなくなると理解しているから……。 「さっすがドクターよね♥ 普通以上の責め苦にもちゃんと耐えようとしてくれちゃってる♥」  首を振って刺激の気を僅かでも反らそうと試みるメリッサに、怪しい笑みを浮かべたラフェリアがゆっくりと近づいていく。 「でも……そんなにイヤイヤ~ってされるのは心外だわぁ~♥ 貴女には笑って反省して貰いたいの……心の底から……ね?」  左右に振っていたメリッサな顔をラフェリアの手がソっと受け止めその動きに制限をかける。そしてその手で彼女の顎を摘むと、正面を向かせた彼女の耳元に細くした唇を近づけていく。 「ひゃひっっっ!! な、何を……んくっっ!! んぐぅぅぅぅっっ!!」  顔を振れなくなったメリッサは耳元に近づいてくるラフェリアの顔に一抹の不安をよぎらせる。そして体を更に強ばらせて警戒を強めようとするが…… 「ほら……口を開けて? 楽しい世界が待っているわよぉ~♥ ほらぁ……」  ラフェリアはメリッサの耳たぶにしゃぶりつくと口内でクチュクチュと音を立てて甘噛みを始める。その突然の耳攻めにメリッサは閉じていた目を見開いて一際大きな悲鳴を上げてしまう。 「ほりゃ……ほりゃ……耳の奥をにゃめられるのはどう? 耐えられりゅ? ンフフ♥」  熱い吐息を吐きながら耳全体を覆うように口内に入れ込んだラフェリアは、そのまま耳穴に蛇のように細い舌先を侵入させ耳壁を舐め擦るように這わせながら奥へ奥へと舌を入れ込んでいった。  そのおぞましさたるや足裏への刺激を一瞬忘れてしまうほど……。  しかし最初の衝撃こそ強かったものの、その数秒後はおぞましさだけは変わらずではあるが別の刺激にその感情は塗り替えられていった。 「ぶはっっっ!! はひゃっっっ! いひゃっっっっ!!! はひっっひっひっひっひっひっひっひ……」  不意を突かれ、思わずではあったものの不覚にも口を開いてしまったメリッサの隙をミゼル司祭が見逃すことはなかった。彼女の操る2本の羽根は、焦らすような緩慢な動きから待っていましたとばかりに突然本格的な責め手の動きへと変化を遂げ、メリッサに強制的な笑いを強いる刺激を送り込む。  足指の間に入り込んだ羽根はノコギリを引くように素早く抜き挿しを繰り返し指の股を跳ねっ返りの強い毛先で存分に引っ掻いていく。  土踏まずを優しく撫でていた羽根もその優しさが嘘であったかのようにシャカシャカと素早く上下左右に動き始め、芯の硬い毛先で溝に溜まったゴミを掃くようにくすぐる責めを強めていく。  まるでメリッサの心を読み取っているかのように、今この瞬間……最も触れられたくないと想像した箇所に羽根先が移動し、そこを重点的にこそばしていく。 「いひゃぁぁぁああああっっははははははははははははははははははは、だ、だ、だめっっへへへへへへへへへへへ!! 笑っちゃダメなのにィィィひひひひひひひひひひひひひひ我慢できないっっっひひひひひひひひひひひひひひ!!」  笑ってはいけないということはメリッサ自身が嫌というほど自覚している。一度笑ってしまえば“笑い癖”のようなものがついてしまい、我慢できるはず刺激でも笑いに流されていってしまうようになる。 足の裏の刺激など上半身をまさぐられるよりは随分とマシ……そう思っていた。 この無防備なワキをあの細い指でいじられるよりは遥かに耐えられる……と、タカをくくっていた。 しかしあの羽根…… ミゼル司祭が操るあの2本の羽根……。  アレに土踏まずの神経をなぞられると……射笑欲が異常なほど高まりすぎてしまう。 あの痛痒い羽根の毛先にゾワゾワと足指の股を掠られると腹回りの筋肉が勝手に痙攣してしまう。  きっかけは淫魔の耳舐めではあったが、今のように激しく羽根を動かされていれば遅かれ早かれ口は開いてしまっていたことだろう。しかし、自分でもあんなにあっけなく……あんなにも短い時間で無様にも口を開いてしまうとは思ってもいなかった。  妹の助けが来るまでに少しでも時間を稼がなくてはならなかったのに……。だらしなく笑うことが淫魔や司祭を喜ばせるだけで苦しむのは自分だけなのだと分かっていたのに……。可笑しさが抑えきれなかった。無理やり笑わせようとする刺激に抗うことなど出来なかった。  メリッサは笑い顔になりながらも笑ってしまったことを後悔した。自分の不甲斐なさと自分の我慢弱さに絶望した。 我慢してみせると啖呵を切って挑んだのに……我慢できたのはほんの数分だけだったという事実が彼女を絶望の淵まで追い込んでいく。そして徐々にその絶望は彼女に抱いてはならない疑問を抱かせていく…… こんなにも簡単に笑ってしまった自分は……妹が来るまで本当に正気をたもっていられるのか? そもそも妹は本当にこの場所へ辿り着けるのか? 足裏だけでも笑ってしまった自分はこの後控えているラフェリアの責めに本当に耐えられるのか? 答えの出せない疑問はメリッサの不安を過剰なまでに煽り、だらしない笑い顔はみるみる血の気の引いた青い強ばった表情へと変えられていく。 笑っている自分が怖い……笑わされている自分が怖くてたまらない……。 「フフフ♥ いいわぁ~その表情♥ 怖くて怖くてたまらない~ってなってるのに……顔は笑ってしまってる……その矛盾した顔こそ責め手の加虐心を煽ってやまないの♥ とてもいい顔になっているわよぉ~メリッサちゃん♥」 「あがぁぁはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、いっひぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひっひヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒ、はひゃあぁぁははははははははははははははははははははははははは!! わ、わ、笑ひがぁぁっははははははははははははは、笑ひが止めらんないぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、うはーーっっはははははははははははははははははははははははははは!!」  足裏をくすぐる羽根の動きは別段特殊な動きをしているわけではない。むしろ刺激の予測がし易いくらいに単純な上下運動を繰り返している程だが……この予測できる刺激こそがメリッサにとって厄介以外のなにものでもない。耐えられる刺激が予測できるのであれば構えて耐えるという方法も取れるのだが、与えられる刺激が我慢の壁を平気で乗り越えてくる刺激であるが故、予測すればするほど刺激への恐ろしさが増し逆に触られていない方が神経が鋭敏に研ぎ澄まされ刺激に敏感になってしまう。  そんな勝手に敏感になってしまった箇所を想像通りの刺激……いや、敏感になっている分想像以上の刺激が与えられ彼女は余計に強い笑いを吐き出してしまう。  予測さえしなければ敏感にならずに済むものを……しかし彼女は想像を掻き立てられてやまない。ミゼル司祭の羽根の操り方が絶妙すぎてメリッサは予測せざるを得ない。予測すればするほど自分が苦しくなると分かっているのに……。 「……ドクターメリッサ? 貴女は、私が責め手であることに少しでも安堵されましたね? 私であればラフェリア様程キツくはないだろうと……」  司祭の操る羽根は時折いやらしく動きをピタリと止める。その静止した羽根というのが厄介で、メリッサは止まった羽根が次にどこを触るのか想像してしまう。大体は次に動き出せば予想通りの箇所を触られるのであるが、時々その予想が裏切られる時がある。予測した刺激でも笑わされるのは当然なのだが、この予想を裏切られた箇所を触られると笑意と驚きが同時に襲い思わず悲鳴のような情けない笑いを上げてしまう。そして想像の斜め上だった箇所を責められると、新鮮すぎる刺激に新たな笑苦を背負ってしまう。唾や涎が飛び散るのもお構いなしに笑い叫んでしまう……。 「ですが……私も見ておりました。ラフェリア様がどのように獲物を責め立てて苦しめていたのかを……。間近で……じっくりと……食い入るように拝見しておりました……。ですから私の責め立ては決して生温くはありませんよ? 特にこの足裏への責めというのは……実に私好みで……手を緩めるという事は出来かねます……」  土踏まずの窪みを上下に細かく動かしながら左へ端から右端へと羽根先でくすぐっていったかと思えば、今度は拇指球の膨らみを愛でるように円を描くようになぞったりカカトを芯のある羽根元まで寝かせてガリガリと擦ったり……。  足指の方を責めている羽根は、指の股をノコギリを引くかの動きで抜き差しを繰り返し強烈に刺激したり指の爪に至るまでを丁寧に毛先で掃いて優しく刺激していったり、指の関節の溝に沿って細かく毛先を動かしながら刺激したり……実に多彩な責め方で足裏を蹂躙し尽くそうとしている。 「可笑しくないのに必死に可笑しそうに笑っている貴女のその苦し気なお顔……とても淫靡でお美しい……。出来れば近くで眺めていたいものですが……足を責めていてはそれも叶いません……。それだけが残念ではありますが、私はこの声が聞ければ十分でございます。この発狂してしまうのではないかと言わんばかりの貴女の笑い声が聞ければ……」  足裏への責めは左右で不定期的に入れ替わる。足指を責めていた羽根はしばらくすれば土踏まずの方へ……土踏まずを責めていた羽根はしばらくすると足指の方へ……。2つの責めが被ることは決してない。必ず土踏まずか足指のどちらかをそれぞれ責められていた。  その互い違いの責めは刺激の質が大きく異なりメリッサに刺激への慣れを行わせない事に一役買っていた。  特に左足と右足では同じ土踏まずでも刺激される箇所によって効き易い箇所とそうじゃない箇所が違う。効き易い箇所を集中的に責められればより効果的なのではないかと思いたくなるが、人間は同じ刺激が続くとその刺激に慣れてしまい適応してしまう。それを分かっての事なのか、ミゼル司祭の責め方は決して同じ箇所を長いあいだ責めたりはしない。むしろ反応の薄かった箇所こそ積極的に責め、メリッサに偽りの休息を与えていく。  例えばカカトなど皮膚の硬い箇所……そういう箇所を羽根先で触られても、むず痒い程度の刺激しか沸き起こらない。当然メリッサはそういう箇所に羽根が移動すると無意識に安堵してしまう。僅かな間でも笑いが収まれば楽ができると……一瞬の隙を見せてしまう。  しかしその休息は長くは与えられない。安堵した瞬間を見逃さないように隙をついて弱点の箇所をすぐさまくすぐり始める。安堵しかけたメリッサにはこの落差の激しい刺激のされ方を続けられると普通以上に笑いが搾り取られてしまう。油断した瞬間を狙い撃ちしてくるくすぐり程笑意を生んでやまない責めはない。ミゼル司祭はそれをよく理解していて彼女に仕掛け続けている。目隠しの下の口をニヤリと大きく歪ませながら……。 「あぎゃあぁぁぁはははははははははははははははははははははは、や、やめなざいぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ!! そんなぐずぐり方は反則よ!! だぁぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!! やめっ! やめてっっ!!」 「ドクターメリッサ? 貴女もラフェリア様の責めを見ていたのでしょう? だったら分かるはずです……『やめて』と懇願してラフェリア様はやめていましたか?」 「や、や、やめでぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!! その羽根やばいっっひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!! その羽根はやめでぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへ!! わ、わ、笑いが! 笑いが止めらんないっっひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!! 苦ひぃぃぃっひっひっひっひっひっひっひっっひっひっひっひ!!」 「貴女はこうなることを理解して裏切ったのでしょう? こういう罰を受けると分かっていて……」 「はひっっひひひひひひひひひひひひひひひ、だあぁぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!! 土踏まずだめぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへ!! そこはホントにだめぇっっっへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」 「この羽根が何人の純潔な乙女を悶笑死させてきたか……この羽根がどれだけ特殊な羽根なのか……隣で眺めていた貴女なら良く分かっているでしょう?」 「はひ、はひぃぃっっ!! い、一旦……休ませて……っはぁ、はぁ! 少しでいいから……休ませ――ぇぎっっっ!!?」 「今は足裏だけで“遊んで”差し上げておりますが……これが足裏以外にも這うようになったら……貴女は耐えられるのでしょうか? 遊び程度でこんなにも笑い狂っている貴女に……ラフェリア様の本気の責めを受ける覚悟はお有りなのでしょうか?」 「いぎぃぃっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ、はひへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ! あ、あじ以外って……まさか!? や、ひゃっっ!! だめっっっ!! これ以上はだめっっっ!! 絶対にダメよっっ!!」 「“嫌だ”“ダメ”“もうやめて”などという弱い言葉を吐くことがなんの役に立つのでしょう? どうせでしたら先程のような高圧的で自信に満ちた逞しい言葉を漏らしてみてはいかがです? その方が……ラフェリア様も高まるというものでしょう……」 「やっ! はっっひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、えひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! き、き、来ちゃダメっっ! く、来るなっっ! そんなものを持って私に近づくなァァ!! んあぁぁぁぁぁぁっっっ!!」 「クフフ♥ 確かに跳ねっ返りの強い娘を弱々しくなるまで調教するのも好きだけど……私はどちらかと言うと、今のメリッサちゃんみたいに“くすぐりの怖さ”を存分に理解している娘を怖がらせながら責めるのも好きなのよ♥」 「はひっっひひひ、こ、怖くないっっ! そんなもの……怖くないっっ!! 無駄だからっ! そんな事やっても時間の無駄だからっっ!! だ、だから……だから……だから、やめっっっ――」 「あら……怖くないの? だったら改めて教えてあげなくちゃいけないわね♥ 貴女の綺麗に伸びきった“ソコ”にこの羽根が触れたらどれだけこそばいか……“ソコ”を羽根先がコチョコチョ動いて刺激し始めたら……どれだけ耐え難いのか……」 「ひっっ!? や、や、やめっ!! 羽根を……近づけないでっっ!! い、いやっっ!!」 「貴女……“ココ”……弱いでしょ?」 「はひっ!? な、何を言って……」 「もしかして……自覚してなかったのかしら? 貴女は足の裏よりも“コッチ”の方が弱いって……」 「し、知らないっっ!! 知らない!! 私は……何も知らないっっ!!」 「私は見抜いていたわよぉ~♥ だって……そういう弱い箇所を責めるのが大好きな淫魔なのだから♥ フフフ……♥」 「や、やめて!! “ソコ”は嫌っっ! さっきから勝手にムズムズして……敏感になっちゃてるっっ!! 今触られたら……自分でもどうなるか分からない! ダメッっ!! 絶対ダメっっ!!!」 「“ダメ”と言われれば責めたくなる……私の天邪鬼な性格……貴女なら良く分かっているでしょ? 一番近くに居て見ていたのだから……」 「や……め……。だめっ! その羽根……耐えられない……。きっと……我慢できない……」 「我慢してなんて言うわけないじゃない♥ たっぷり笑って頂戴? この万歳の格好で逃げられないように拘束された……綺麗で可愛い“ココ”をくすぐられて……」 「ひっっ!! 触ら……ないでっ! 近づけないでっっ!! だめっっ!! 嫌っっ!!」 「あはぁ♥ クネクネしても無駄よぉ~? そんなダンスを踊ったって……この羽根からは逃げられない♥」 「あっっ! ひっっっ!? や……だ……嫌っっ!!」 「ほら……羽根の先がもう少しで触れそうよ? 貴女の……きつ~く限界まで伸びきったこの……」 「ひっっ!? やっっっ!! い、い、いやっっ!! いやっっ!!」 「“ワキ”の筋に……」 「ひっっっ!! ひぃぃぃぃぃっっっ――」

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