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7:地獄の深淵 「んはっっっはははははははははははははははは、はひっ! はひぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひ!! もうダメッっ!! もうダメですってぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」    薄暗く、陰鬱で……寒々しい程無機質な地下の一室。 そこに木霊する甲高い笑い声は、それを発生している者の幼さを表現するのに一役買っている。  しかし、彼女は人間の成人女性よりも長生きしている。幼げに見えてもアイネはれっきとしたエルフの血を受け継いでいるのだ。半分だけではあるが……。 「こ~~ちょ、こちょこちょこちょこちょぉ~~♥♥ ほらほらぁ~~もっと笑いなさい! もっと苦しそうに笑って私を楽しませるのよ! こちょこちょこちょこちょこちょ~~♥♥」  人間で言うところの10代中頃といった容姿を持つアイネだが、彼女の身体の所々は姉のエリシア譲りに発達をしている。  特に、脚の部位はスラっと長く、華奢ではあるが太腿やふくらはぎにも程よく筋力がついていて大人のエリシアと比べても遜色ない美しさを持っている。  そんな彼女の脚……その最下部であるつま先の足爪にはエルフ特有の真っ赤な付け色がなされてある。親指から小指まで……果実から搾り取った染料を熟成させ作り上げたその付け色は、本来なら大人になった事を示す儀式のような位置づけになるのだが……アイネはこっそり姉の真似をしてその染料を度々塗ってみては「自分もこれで大人の仲間入りだ」と自己満足する日々を送っていた。  実際はまだまだその染料を扱ってはいけない年ではあるのだけど、アイネの早く大人になりたいという想いは強く……度々そのような自己満足をしては欲求を満たしていたのだった。 「うひゃあぁぁぁぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!! えぎぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!! やめでくだしゃいぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!! ぐるじいれすぅぅぅぅぅぅぅふふふふふふふふふふふふふふふふふ!! あひゃぁぁっっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」  そんな、成長を願掛けした真似事の足爪は……今、ラフェリアの持つ筆によって無慈悲に嬲られてしまっている。  爪の横溝……爪の隙間……足指の側面……足指の頭頂部……。様々な角度から筆の毛が差し込まれ、様々な方向へなぞられていく細い毛の感触はアイネを狂わさんばかりに笑わせ、彼女の目から涙を流させる。 「可愛い足の指を順番に綺麗にしてあげているのに“やめて”なんて言わないでよぉ♥ 本当はもっと綺麗になりたいんでしょ? 貴女のお姉さんみたいに……」  ゾワゾワっと我慢ならない痒みが足指を覆い、その後その痒みが足指全体に広がっていく。先程までの足裏責めとは違う意地の悪いもどかしさが与えられ、アイネは足や手をばたつかせて暴れたいという欲求に強く駆られる。しかし勿論その欲求は満たされることはない。  強いく想えば想う程、満たされない欲求が募っていき更に強い欲求が生まれてしまう。でもその欲求は叶えられないと自分でも気づいているのだから欲求不満の度合いは強くなっていくばかりだ。 「も、も、もうダメですっっふふふふふふふふふ!! 死んじゃいますっっ!! これ以上笑い続けたらしんじゃいますぅぅぅぅ!!」  欲求が満たされない彼女に与えられた自由は“ただ笑う事”だけである。  笑わされているという性質上それが“自由”であるかどうかは疑問の余地が残るが、とにかく彼女に許された唯一の感情表現は……笑いという条件反射的な二次感情だけなのである。 「大丈夫♥ 死なないように調節してるから♥ 息ができなくなったら少し止めてあげてるでしょ? 私ってば優しいからちゃんとアイネちゃんの体のこと心配してあげてるのよぉ? ンフフ♥」  ラフェリアの言葉通り、笑いの度が過ぎ……アイネが度々息を詰まらせると、その度に彼女はワザとくすぐりを弱めアイネに呼吸が最低限出来る時間を与えていった。それを“優しさ”と表現した彼女の言葉は勿論詭弁である事は間違いない。なにせ彼女は長く楽しみたいのだから……幼いエルフが自分のくすぐりで笑いの沼へ沈んでいく様を。 「も、もう嫌ですっっふふふふふふふ!! 笑うのもう嫌っっ!! くすぐったいのもう嫌なんですっっふふふふふふふふふふふふふふ!! もうやめでぇぇぇへへへへへへへへへへへ!! もうゆるじでぇぇへへへへへへへへへへへへ!!」 「あぁ~~! そんなこと言っちゃう? せっかく手加減して指だけを責めてあげてたのに……それも拒否しちゃう? だったら……もう遠慮せずにヤっちゃおっかなぁ~?」 「はひっっ!? ま、ま、待っで!! 何するつもりでずがぁぁ!?」 「フフフ♥ 片足に1本ずつじゃ満足できないでしょ? だからぁ~~♥」  両方の足指をそれぞれ撫でていた筆を右の足に集中させるためにラフェリアは左の筆をソっと足指から離していく。そしてその筆をアイネの親指の横にピタリと触れさせ、コソコソと意地悪く側面をなぞり始める。 「あひゃっっ!!? や、やだっっっ!! くすぐったいぃぃぃぃっっひひひひひひ!!!」  足の側面を触り始めた筆におぞましいほどの嫌悪感を与えられたアイネは、その刺激にも顔を振り回して悶えてしまう。  ラフェリアはその悶えっぷりを満足気な顔で眺めつつ更なる刺激を送るためもう一本の筆の方の責め方も変え始めた。  片方が親指の側面を撫でているのだから、もう1本は逆の“小指”の側面を……などと考えてのことか、もう片方の筆はアイネの小指の側面に配置され、ゆっくりと上下に毛を撫でさせ新たな刺激を加えていった。 「だひゃぁあぁぁぁぁぁぁっっっ!!? いぎぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひ!! こそばいですぅぅぅふふふふふふふふふ!! それ……凄くじれったくてこそばいぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひ!!」  筆の毛先で足指の両側面を挟むような形をとって上下……上下といやらしく嬲っていくラフェリア。その筆自体も自律的に蠢いているためなぞられる箇所が予測しづらく、アイネに必要以上のこそばゆさを与えていく。 「ほ~~ら。指の側面から……少~しずつ下にさがっていくわよぉ~~?」  足指の横を十分に撫で上げたあと、今度は言葉通り筆を下へ下へと降ろしていき……やがて土踏まずの横端まで辿り着く。その場所で意味有りげに筆が止まると、ラフェリアはペロリと舌で唇を舐め……筆の毛先を少しずつ足裏側へとなぞらせていく。そして…… 「それぇ♥ こ~~ちょ、こちょ、こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ~~っっ♥♥♥」  突然2本の筆先が左右から足裏の中心へと集まるように滑り込むと、そのまま土踏まずの中央の窪みを激しく上下左右に筆先でなぞりアイネに耐え難い刺激を送り込み始めた。 「ぶひゃっっっ!!? ひぎゃあぁぁぁぁぁぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!! だぁぁはははははははははははははははは、えひぃぃひっひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!! はひへひぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、イギャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」  ある意味焦らすようなくすぐり方をしていた足の側面責めからの突然の激しい路線変更。先程までとは違う2本同時の筆くすぐりにアイネは涙と唾を同時に吐きながら絶叫するような笑いを搾り取られる。  カカトの少し上の部分をコショコショ。拇指球の手前の窪みをコショコショ。中心から少し左右にずれた土踏まずの両サイドをコショコショ。窪みの中心を交互に円を描くようにコショコショ……。あらゆる刺激が数秒置きに入れ替わりながら足裏を襲い、アイネは必死に叫ぶような笑いを吐き出し続ける。 「えびゃぁぁひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! それはダメでずぅぅぅふふふふふふふふふふふふふ、耐えらんないぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、耐えらんないぃぃぃぃぃっっ!! ふぎゃぁはははははははははははははははははははははははははははははは、えひぃ、へひぃぃぃっっ!!」 「あら、耐えなくていいのよ? 本能のままに笑い狂いなさい♥ 反対の足もヤってあげるから……ほらっ! ほらぁっ!!」  刺激に慣れさせないためかラフェリアは筆を右足から左足……左足から右足へと何度も入替えアイネに新鮮な刺激を送り続ける。そもそも毛先自体が動いているため刺激に慣れることはほぼほぼ無いのだが、そういう責め方をされれば尚更刺激に対する耐性は付きにくくなってしまう。それ故アイネは狂ったように笑わされる……涙を流しても汗を振りまいても涎をだらしなく垂れさせてもラフェリアの責め手は止まらない。まるでアイネからすべての笑いを吐き出させようとしているかのごとく足裏への責めは熾烈を極めた。 「……お楽しみのところ申し訳ありませんが……用意が……整いましてございます」  顔を真っ赤に火照らせて幼き足裏を筆先で犯し尽くしていたラフェリアの耳元に、小声だが確かな存在感を示すような低い声が入れられる。 「あ……ら? もう準備が出来たの? 早かったわね……」  その声を聞いたラフェリアは惚けていた顔をスッと真顔に変え、筆をゆっくりと幼き足裏から離していく。 「眠らせておきましたので……抵抗はありませんでした……」  ラフェリアのすぐ真横には白いフードを被ったミゼル司祭が蝋燭台を片手に立っていた。彼女はラフェリアに言葉を零すと少し顔を上げてニヤリと口元だけを緩ませる。 「そう。まぁ準備が出来たんだったら……そっちの方を優先しないとダメよね?」  筆を完全に離したラフェリアは、今にも過呼吸になりそうなくらいに荒い肺呼吸を繰り返しているアイネをゆっくり眺め、そして一言……しばしその場を離れる事を告げた。 「ごめんねぇ? もう少し遊んであげたいんだけど……裏切っちゃいけない人が裏切ったみたいなの♥ これから説得やらなんやらをしなくちゃいけないから……少~し、ここで待っててね♥」  そう言うとラフェリアは手を軽く振ってミゼル司祭とともにその部屋をあとにした。 「ちゃんと逃げられないように拘束した?」 「はい……仰せの通りに……」 「服は脱がせてある?」 「全て……剥ぎ取っております」 「フフ♥ まさかここに来て裏切るなんて……ね……」 「………………」 「誘惑(チャーム)の効果はとっくに切れていたのかもしれないわね……」 「いえ、もしかすると……最初から……」 「あぁ……そっか……彼女、そういう薬とか作りそうだものね? 襲撃されたあの日から既にそういうのに耐性のある薬を飲んでいたのかもしれない……か……」 「彼女は……狡猾です……。また何か薬を飲んだ後かもしれません……」 「そうね……そうなると……誘惑(チャーム)もしばらくは効かないかも……」 「どうなさるおつもりで?」 「クフフ……そんなの知れたことよ♥ 薬の効果が飛ぶまで地獄を見せてあげるだ~け♥」 「…………」 「安心なさい、今度はちゃんと殺さないように責め抜いてあげるから♥」 「…………はい……」 「必ず私達の悲願である不老不死の霊薬を作らせてみせるわ♥ 必ず……ね」 「…………はい……」  2人は地下の更に地下へと降りていく……。  そこは更に暗く……冷たく……深い……  まるで地獄の深淵へと続いているかのような……闇が覆い尽くしていた。  メリッサはその最奥の部屋に身動きひとつ取れない格好で拘束されている。  目を覚ました彼女が見た光景は、全てを黒く塗りつぶす……完全な闇だった。  自分が拘束されていなければ方向感覚さえ狂ってしまいそうな……暗くて深い闇……。  出来れば意識など醒めない方がどれだけ楽であったか……  今まで見続けていたから分かる。 今まで散々犠牲になってきた女性の成れの果てを傍らで見てきたから分かる。 これから自分がどんな目に合わされる事になるのか……  しかし……彼女は後悔などしていない。  今まで見て見ぬふりをしてきて苦しい思いをしてきたのだから…… その償いを受ける番が回ってきただけだ……彼女は暗闇の中でそのように覚悟を決めていた。  その覚悟を揺らがせてはいけない。覚悟が揺らげば……すぐに墜とされてしまうだろう。  メリッサは奥歯を強く噛み、襲い来る不安と恐怖に妹の顔を浮かべて耐え忍んだ。  あの小生意気な妹が……助けに来てくれるという希望を信じて……潰されそうになっている心をどうにか支えた。  そして……扉が開かれる。  差し込んできた外の光が2つの影を映し出す。  メリッサは必死に睨んだ。  決して服従などしないと……決意の目を見せるように……。

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