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3:絶望の地下部屋  足首にはめられた革製の枷はラックによって上半身を引き伸ばされるように引っ張り上げられている少女の脚をしっかりと動けないように拘束台に固定している。  少女は軋むような痛みを体のあらゆる箇所に感じているが、一番負担がかかっていると言っても過言ではない両足首には体中の痛みを集めたかのような鋭い痛みが襲っている。  ラックという拷問器具は手首にはめた枷を上方へ巻き取ることで体の自由を奪い、同時に関節という関節を外さんとするように巻き上げていく恐ろしい器具である。しかし、それを設置したラフェリアはその拷問器具を被者の体を壊していく目的では使わない。痛みが走る程度には巻き上げはするが、どちらかというと“しっかりとした拘束”を行いたいがためにこの器具を使っているに過ぎない。  被者をただベッドに拘束するだけでは物足りない。どうせなら限界まで“弱点”を晒した格好を強いておきたい。そのような考えからこのラックという拷問台を選んだわけだが……今その台に寝かされているエルフの巫女の妹アイネはまさにその“弱点”を一切逃せない格好で拘束されている。  限界まで頭上高くに上げさせられた両手はラックの巻き上げとともに限界まで万歳を強要され肩や脇のラインが痛むくらいに引っ張られている。そのせいで本来は服や下着によって隠されている“胸の膨らみ”や“丘陵の頭頂部にある蕾”なども無防備に晒されている。  思春期盛りのアイネにとって服を剥ぎ取られ晒されてしまっている胸部や陰部を他人に見られるということはこの上なく羞恥心が煽られ、その視線すらもなんともむず痒い耐え難い刺激として感知してしまう。  恥ずかしいけどその恥ずかしい部位を隠すことは許されない。その酷く恥ずかしく想う気持ちは少女の顔を羞恥の熱で真っ赤に火照らせそれ自体を体の痛みよりも“辛い”と誤認させる。  体を引き裂かんばかりに引っ張られる痛みより隠したい箇所を隠させてくれない不自由の方が遥かに辛い……物理的な痛みよりも精神を直接責められる羞恥責めの方が免疫のない彼女にとって遥かに辛さを感じてしまっている。  しかし、その羞恥心を責められる辛さよりも更に辛いのが“彼女による責め”の方だ。  一度始められれば自分が恥ずかしがっている事すらも忘れてしまうくらいに思考や感情が吹き飛ばされてしまう。  彼女の責めが一旦終わりをみせ、僅かな無刺激状態を与えられ再び羞恥の感情が湧き上がってきていたアイネだったが……怪しい笑みを浮かべながら拘束された足の方へ向かう彼女の動きに羞恥の感情はすぐに奥へと引っ込むこととなった。  無防備に晒された幼い素足を愛おしげな細い目で見つめる彼女は両手にそれぞれ1本ずつ“筆”を持っており、それを空中で円を描くようにクルクルと回しながらアイネに見せつけていた。  その筆は遠目に一見すると何の変哲もない字や絵を描くための筆に見えるが、近寄ってよく見てみるとその筆が普通の筆ではないことが一目で分かってしまう。  まずその材質……。その筆の毛先の材質は動物の体毛や人が加工した毛の材質とは違い、毛の1本1本が針金のように固く毛先も刺されれば痛いだろうことが分かるくらいに細い。しかしこの針金のように見える毛先はよく見るとそれぞれが微妙にウネウネと気色悪く蠢いており、まるで意思でも持っているかのようにその姿を自ら揺らすその姿はまるで獲物を誘うイソギンチャクのようでもある。硬そうな外見とは裏腹に軟体動物のような柔軟な動きを見せるその筆にアイネは精神的嫌悪感を強く植え付けられる。 「そ、そ、それは……何ですか?」  気色の悪い動きを見せる筆に嫌な予感しか過ぎらなくなったアイネは、黙ってそれが使われるのを待つことも我慢ならず思わず口が先に開いてしまう。  その怯える彼女の表情を見てラフェリアはクスリと声にならない笑みを口に含み、空中で小さく円を描いていた筆をピタリと止めて筆先をアイネに突きつけるように見せつけた。 「アイネちゃんはハリガネムシっていう魔虫を知っているかしら? 脚は針金のように細くて鋭いんだけど、その脚は本体が死んでもこんな風に動くことが知られているの♥ まるで脚の1本1本に意志が宿っているかのようにね……」  筆の先端は針金が集合したかのような鋭い毛先に見えるが、毛先の動きは確かに虫の脚であるかのようにそれぞれが蠢いている。 「この筆はそんなハリガネムシの脚を毟り取って作った特別性の筆なの♥ 脚はこの通り生きているかのように蠢いているいから……絵画や書道には向かないけど、とある行為にだけは向いているの♥ まぁ、それが何なのかは……もう分かるわよね?」  筆の先端を徐々に下げ、その“行為”を行う場所に狙いを定めるかのようにその箇所を見つめるラフェリア……。アイネは勿論その筆が何処に使われるのか分かっている。今一番触れられたくない箇所が狙われていることなど重々承知していた。 「や、やめて……ください! そんな気色の悪いもので……触らないで……」  蠢く毛先が段々と高度を下げていき、逃げることの許されていない無防備な素足の方へ近づいていくのを目の当たりしているアイネは、どうしてもその毛先に触られる刺激を想像してしまい足全体にムズムズとした擬似的な痒みをもよおし始める。その痒みは触られてもいないのにカカトから足先までをむず痒くさせジッとしていられないようなもどかしさを彼女に与える。ジッとしてはいられないが拘束により足指をモジモジすることさえ封じられているアイネはその衝動を我慢する事しか許されてはいない。 「この生き物のように蠢くハリガネムシの脚の筆は最高よぉ? 不規則に動くから何処を触られるか予測もできないし、脚自体もしっかりした硬さがあるから刺激も強い♥ そんな筆に足の裏のヨワヨワな神経をなぞられたら……のたうち回る程によがり狂うことでしょうね……楽しみだわぁ♥ ウフフフ……」  毛先が上下左右のあらゆる方向に動き回っている気色の悪い筆先……それがアイネの足指の付け根部分にソっと着地する。その瞬間、アイネの足指の付け根は今まで味わった事のない凶悪なむず痒さに包まれた。 「はひぃぃぃぃぃっっっ!!? いひっっっひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっっ!!!」  存在を強調するかのようにググッと限界まで反らされているアイネの足指と足裏……その中でももっとも負荷がかけられている言っても過言ではない足指の付け根にハリガネムシの脚先が触り、次の瞬間にはその突き刺さった脚先がコソコソと動き回って周りの皮膚までもなぞり上げていく。その刺激は気色が悪いという言葉では全く足りない。足先から足の付け根までの全神経が波立ち痺れそうな刺激……アイネの頭にはそのような言葉が瞬時に横切っていった。 「あぎっっ!? ひっっ! はくぅぅっっふ!! んぐぅぅぅっっっっ!!!」 「ね? いいでしょ? とってもこそばくて堪らないでしょ? ウフフ♥ いいわ……その顔♥ その苦悶に満ちた我慢顔がそそるのよ♥」  足指の付け根に着地した筆はそのまま決められたルートを辿るように拇指球の大きな膨らみへとゆっくり移動する。移動していく際も毛先はあらゆる方向へ踊り本来触れられるはずのなかった箇所もついでになぞり上げていく。その予測ができない動きにアイネは翻弄され悲鳴に近い苦悶の声を零してしまう。 「ほ~ら……どんどんキビシイ所を触っていくわよぉ~♥ どこまで耐えられる? いつまで耐えられるかしらぁ~?」  丘陵の頂上まで登りきった毛先はそのまま数秒だけその場に留まり、反らされた拇指球の皮膚を無造作に触り回していく。糸のように細くてしっかりした芯を感じさせる1本1本の毛先が拇指球の丘陵の頂きをコソコソ…コソコソ…とくすぐっていく感触は刺激に敏感な年頃のアイネにとって悲鳴を上げたくなるほどの耐え難い刺激となって脳に送り込まれる。 「あっっはっっっっくっっ!! ぅくぅぅぅぅぅっっふ、くふっっっふふふ……んぐぐぐぅぅぅっっっ!!」  口元は緩み、目尻は垂れ、胸の下側からゾクゾクした笑いの欲求が喉下まで迫ってくるが、アイネは寸前のところでその欲求を押し留めている。我慢していなければだらしなく大笑いをしてしまっていた所だろう……しかしこの刺激に負けてはいけない。この刺激に1度でも負けてしまえば、その後……強くなり続けるハズの笑いの欲求を我慢することはできなくなる。それを身をもって覚えたからこそ我慢の意思を強く持ち刺激を必死に耐えようとしている。幼い彼女に耐えられる刺激では到底ないはずなのに……。 「頑張るじゃない♥ いいわ……それじゃあ本命の場所に筆を移動させちゃおっかなぁ~~」  必死に顔を横に振って刺激に耐えようとするアイネに淫魔の女王は容赦などしない。拇指球の頂上に留めていた毛先を少しずつ下へとずらしていき、急勾配な丘陵の坂をゆっくり焦らすように下り始める。  その筆が次に狙っている箇所は、足裏の急所とも言うべき箇所。“そういう刺激”に圧倒的に弱い足の窪み部分。  俗に“土踏まず”と呼ばれている箇所……。そこを目指しているのは火を見るより明らかだった。  徐々に際どい箇所へと近づいていく蠢く筆……出来ることなら拇指球の坂を降りきる前に足をバタつかせて筆を払い除けてしまいたい。しかし勿論そのような動きは彼女には許されていない。アイネの足裏はラフェリアのくすぐりを最大限受けられるようにと極端に頑丈な拘束がなされており、バタつかせる事はおろか左右に足を捻ることすら叶わない。  徐々に際どい箇所に降り立とうとしている筆に対してアイネは何の抵抗も行えない。出来ることは我慢することだけ……笑わそうとする刺激に反抗できる唯一の手段はその笑いを我慢することだけなのである。 「ふっっぐっっふっっっ!! んくっっっふっ!! ん゛ん゛んんんっっっ!!」  筆先がいよいよ土踏まずの領域に差し掛かり、我慢ならないこそばゆい刺激は更に鋭く更に顕著な刺激としてアイネの笑いたい欲を揺さぶらせる。目を瞑り必死に顔を左右に振ってその刺激を耐えようとするが、我慢できる限界が近いことは口の緩み加減で誰の目にも明白だった。  彼女はすでに笑っている。口の形は大きく波立ち噛み合った歯が開けば完全に笑いの顔を形作ってしまっている。後は口の中に溜め込んだ笑い声を吐き出させるだけ……。その笑いは噛み合う歯だけがギリギリ押し留めている。ほんの少しの刺激で彼女は吹き出してしまうことだろう。健気に我慢をしているがもう1段階強い刺激が来ればあっさりその我慢も崩壊してしまうことだろう。それは自分でもわかっている……もうはや我慢など出来ていないということなどアイネ自身がよく理解できている。  できれば笑いたくない。もう、自分の意志で止められなくなる笑いで苦しみたくはない……。  そう強く願っているが、くすぐりという刺激はそんな彼女の儚い願いすらも簡単に打ち崩してしまう。 筆の先が丘陵を降りきり、一瞬だけ土踏まずの窪みの皮膚をサワっと撫でただけで…… 「ぶふっっっっ!!?」  アイネの我慢は風船から空気が抜けるように口から吹き出し、そして…… 「やっっはっっっ!! やひゃっっっ!! アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!! だめっっっへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!! それダメっ!! だめぇぇぇぇぇぇっっっへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!! ひぎゃあぁぁぁぁははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!」  砂で出来た城が脆くも崩れ去るようにあっさりと悶え声は笑い声へと書き換えられた。 「だぁぁぁ~~っっははははははははははははははははははは!! く、くすぐったいぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!! やだっっ! やめっ! やめでぐだざいぃぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひ!! その筆はやめでぇぇぇxへへへへへへへへへへへへへへへへ、いぎぃぃっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ!!」 「アハ♥ 可愛いぃ~~♥ さっきまでの大人しい貴女も好きだけど……やっぱり笑っている顔の方が最高よ♥ その顔を見ると堪らなくなるわぁ~♪ もっと笑って? ほら、もっと笑って見せて~? コチョコチョ~~♥」  土踏まずの入口の部分だけでも耐え難いこそばゆさに思わず笑わされたアイネだったが、本格的に土踏まずの中央へと降り立った筆先がラフェリアの操作によって円を描くようにくすぐり始めると彼女は痛みに悶えるかのように身体をばたつかせ大きく開けていた口を更に大きく開ききって清楚な少女には似合わない大笑いを吐き出させた。 「ばひゃぁあぁぁぁぁぁっははははははははははははははははははははははは!! えぎゃぁぁぁはははははははははははははははははははははははははは、だめですっでぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへ!! そこはほんどにダメなんですぅぅぅふふふふふふふふふふふふふふ、ひぎゃあぁぁははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!」  痛痒さを生む鋭い先端を持ったハリガネムシの脚がアイネのピンと張り反らされた土踏まずの窪みの皮膚を上下左右に引っ掻いていく刺激……。その刺激はもはや“くすぐったい”と脳が感知する前にアイネを反射的に笑わせてしまう。  ラフェリアの筆の動かし方もこそばゆさを生んでいるが、毛先1本1本が自律的に動くその不規則な刺激こそが彼女を笑わせてやまない要因となっている。筆の動きで次の刺激はある程度予測がつきそうだが、その予測とは真逆の箇所を触られたり、全く予期していなかった箇所を触られたりと筆の動きを読むことが叶わない。動きが読めないからこそくすぐったさの違和感はより強く感じその違和感に大いに笑わされる。結果としてアイネは暴れ狂うかのように笑い悶えていく……彼女の意思など一切汲むことなく。 「はひぃぃぃぃっっっひっひっひひっひっひっひっひっひっひっひっひ!! ひぎゃあぁぁはははははははははははははははははははははは、えひひひひひひひひひ、いひひひひひひひひひひひひひひひ、はひ、はひっっっ!! けひっっひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!! やめっっ……ゲホゲホっ! やめでっっっへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」  くすぐりの刺激を最大限に受けられるようにと足裏全体を反らせるような形に拘束されたアイネの土踏まずは、くすぐりの刺激を最大限に高めたラフェリアの魔具によって蹂躙されている。強く引っ張るように拘束された足裏の土踏まずの緊張した皮膚を細くて先の尖った毛先がコソコソ……コソコソ……と動き回ってくすぐるこそばゆさ……。まるで針の先で引っ掻かれているかのような確かな強い刺激に、昆虫特有の柔軟な動きが加わりこそばゆさは天井知らずに高まってしまう。もう、このこそばゆさをどうにかしたくて……せめて少しでも足を横に動かして刺激から数秒でいいから逃げてしまいたい……。そう思っていてもその思いは叶えられない。その事実ももどかしくて我慢ならなくなる。 「おでがいぃぃっっひひひひひひひひひひひひひひひひ、もうやめでぇぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!! くるひぃぃっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ!! くるっっ、くるひぃぃぃぃっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ!! だぁぁ~っははははははははははははははははははははははは!!」 「あぁ~ん、やめてなんて言わないでぇ~? まだほら、1本しか使ってないのよ? こっちの筆もちゃんと使ってあげなきゃ……勿体無いじゃない♥ ね?」  右足を責める筆とは別に反対の手にはもう1本の筆が握られている。その筆も責めている筆同様毛先は気色悪く蠢いている。同じ筆であることは一目瞭然だ……同じ筆がもう1本……そしてまだ刺激を受けていない足がもう片方……。 想像したくもない! 片足でも死ぬほど笑いを絞られているというのに……もう片方の足までも責められたらどうなってしまうのか……想像したくもない!   「も、も、も、もういいですっっ!! もうやめでぐだざいっっ!! 耐えられませんっっ!! そんなの2本も使われたら私っっ!! 私っっ!!」  見せつけられた2本目の筆に強烈な不安感を煽られたアイネは、一瞬足裏の刺激が薄まるくらいに絶望した。焦り、不安、恐怖……色々な感情が一斉に押し寄せ彼女の胸を苦しく締め付けていく。  しかしラフェリアはそんな彼女に容赦など一切しない。むしろ恐怖に震えるアイネの顔を楽しむかのように笑みを零しもう1本の筆を反対の足裏へと近づけていく。 「だ、だ、だめですっっ! もうだめっ!! 無理ですっっ無理っっ!! 無理ですってっっ!! い、い、いやっっ!! イヤァぁぁっっっ!!」  アイネの絶叫が大きく響いたのち、その筆は静かに左足の土踏まずの皮膚上に着地した。毛先はその着地とともにクニャリと先端を曲げ……そして―― 「っひっっっ!!?」 ――モショモショモショモショモショ♥  1本の毛が毛先を立て直すように肌に先端を突きつけると、他の毛も次々に毛先を動かし始めアイネの敏感な皮膚を這うように引っ掻き始める。まるで無数の小さな毛針に意志を持ってくすぐられているかのよう……皮膚に這った毛の先端だけがコソコソと敏感な彼女の足裏の皮膚をこそばしていく。 「んギひゃっっっ!!? ひぎぃぃぃぃっヒ!!?」  刺激されておらず無感覚だった左の足裏に突然襲い始めた猛烈なこそばゆい刺激。最初の刺激はそれが“こそばゆい”と知覚できずただただ驚かされる刺激だけとなった。しかしその刺激が続くと次第に…… 「はぎっっひひっっ! いひひひひひっ! うへひひひひひひひひひひひひひひひひひっっ、くはっっっ!!」  右足の刺激を思い出すかのように脳がこそばゆい感覚を思い出し、そこからは先程以上に身体をバタつかせながら…… 「ハギャァァァーーっッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!! えぎぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、やだ、やだ、やだぁぁぁはははははははははははははははははははは、くひゅぐったいぃぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひ、ひぎゃあぁぁははははははははははははははははははははは、くひぃぃぃっっっ!!」  アイネは笑い狂った。  目を見開き、目尻に涙を溜めながら、大きく口を開いたままゲラゲラと……。傍から見ると痛々しい程に身体を拘束台に打ち付けながらゲラゲラ……ゲラゲラ……と。 「も、もうくしゅぐりは嫌ぁぁはははははははははははははははははははは、足のうりゃは嫌ぁぁはははははははははははははははははははははは!!」  顔をどんなに左右に降っても手は下ろせない。腰をどんなにくねらせようとも脚も動かせない。足指を動かしたくても足の裏を隠したくてもカカトで台を叩きたくても……アイネの哀れな足は一切動かせない。ラフェリアに対して「くすぐってください」と言わんばかりに足裏を晒し続けている。  そんな無防備な足裏をラフェリアは好き勝手に特殊な筆を使ってくすぐり回している。  反り返った土踏まずの敏感な皮膚の上で絵を描くように縦横無尽に筆先を動かし、幼いアイネには到底耐えられないであろう刺激を送り続けている。 「だっっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ、たしゅげでぇぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへへ!! おでがいぃぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひ、誰がたしゅげでぇぇぇぇぇぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへ!! ぐるじぃぃぃぃっっ、ぐるじぃぃぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!!」  アイネの笑いは止まらない。どんなに限界以上の笑い声を上げてもその笑いが尽きることはない。 「ふぎゃっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、も、もういやぁぁぁぁはははははははははははははははははははははは!! あたまおがじぐなるっっふふふふふふふふふふふふ!! 頭がぐちゃぐちゃになっちゃうぅぅぅぅぅぅ!!」  笑いが肺の中の酸素を奪い、足りなくなった酸素を補おうと肺は呼吸を求める。しかし笑いが笑いを呼んでしまい正常な呼吸を行わせてはくれない。結果肺に取り込める酸素はほんの僅かになってしまう……。その僅かな酸素も次の笑いで消費されてしまう。だから常に肺の中は酸欠状態が続く……まるで連続して水の中に顔を浸けられているかのような苦しさが彼女を襲う。  苦しくて辛くて……このまま死んでしまうのではないか? と強い不安が脳を横切る。死ぬのは怖い……怖いことだが……自分は笑っている。死ぬのが怖いと分かっているのに笑い続けている……。そんな自分が恐ろしくなっていく。この笑いは一体何の笑いなのか……理解が追いつかなくなっていく。  怖いのに……不安なのに……辛いのに……苦しいのに……笑っている。体の一部を優しく触られているだけなのに……負の感情も吹き飛ばしそうな勢いの笑いが腹の底から湧き上がってくる。  この笑いは既に自分の意思が届いていない。笑いたいなんて思ってもいないのに笑わされている今の自分は、体を乗っ取られてしまっているかのような無力感を感じる。  自分の体が……自分の物ではないかのような……。 「はぎゃぁぁぁははははははははははははははははははははははははは、えひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、いひひひひひひひひひひひひひひひひ、はひ、はひっ! んぎゃあぁぁはははははははははははははははははははははははは、はひへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、んはぁあぁっぁひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」  意図していない笑いがアイネの幼い心を蝕んでいく。自分の体なのに自分の思い通りにならない事が徐々に恐ろしくなっていき……やがてくすぐりという刺激自体にも恐怖の感情が植えつけられていく。  子供の遊戯程度の刺激だと思っていたのに……。  戯れや愛情表現の一貫で行われる行為だと思っていたのに……。 「へぎぃぃっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ、ごべんだざいぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!! もうゆるじでぇぇぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへ!! ゆるじでぐだざいぃぃぃぃぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひ!!」 「どうしたの? アイネちゃんが謝ることなんて一つもないわよ? ほら……謝っていないでもっと笑いなさい。笑って笑って……私のことをもっと満足させなさい♥ ほ~ら、こちょこちょこちょ~~♥」 「ひぎゃっっっはははははははははははははははははははははは!! お、お、おでがいぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひ!! もうゆるじでぇぇぇ!! もうゆるじでぇぇぇぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」 「う~~ん、堪らないっ♥ 足の裏をコチョコチョされて泣きながら許しを請う貴女の姿……とっても情けなくて私のS心を刺激しちゃうわぁ♪ ハァハァ……もっと笑わせてあげる! ンハァ♥ もっと苦しめてあげる! コ~チョ、コチョコチョコチョコチョぉ~~こちょこちょこちょこちょこちょぉ~~」  ラフェリアの操る筆の動きはアイネの懇願が続くにつれ激しさを増していく。最初は円をゆっくり描くような動きをしていたはずなのに、今では土踏まずに限らず刺激されれば耐え難いこそばゆさを生む箇所を点々と移動しながら素早く筆を動かしくすぐっている。見えない絵の具を塗りたくるように足指の付け根を左右に素早く動かしてみたり、土踏まずの上部から下部まで線を引くようにゆっくりなぞったり、カカトの丸い形に沿うように端の方をチョロチョロと小さく筆先を動かしてこそばしてみたり……アイネが足を動かせないのをいいことに、こそばゆさを感じるあらゆる箇所を責め抜いていく。  アイネの笑いを途切らせないように……笑い苦しむ姿をもっと見たいと言わんとするように……。 「あびゃっっっはははははははははははははははははははははははははははは!! えぎゃあぁぁぁははははははははははははははははははははははははは、いひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、ふへっっふへっっっへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!! やめでぇぇぇ!! だめぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」  ラフェリアの筆使いもさることながら、筆先自体の動きもアイネには耐え難い。足裏の急所を突くような筆の運びに伴って、刺激を予測しようとしても予想とは明らかに外れてしまう毛先の動き……。ただでさえくすぐったい箇所を責められているのにその不規則な動きに更なる笑苦を生み出されてしまう。  苦しくて堪らない。笑いすぎて腹部が痛い痛いと悲鳴を上げている。喉が熱く掠れる……肺も焼けるような痛みを感じている。体中がアイネに限界を訴えかけている……しかしアイネにはそれに応えられる術を持たされていない。笑いを止めたいと何度も念じたが、その念に身体は応じてくれない。笑いたくないのに笑ってしまう。  自分の意志ではどうする事もできない……。 「あはぁ♥ イイ♥ も、もう……私……我慢ならないわぁ♥ おチビちゃん、出て来てぇ? 私のこと……気持ちよくして頂戴っ♥」  苦しむアイネを恍惚な表情で見つめながらも責め手を緩めないラフェリアは、性感の高まりが限界に達するや否やその処理を自分では行わず自分の召喚した小さい淫魔にお願いする。小さな淫魔は不気味な笑みを浮かべ「はぁ~い」と答えると小さな羽根をばたつかせラフェリアの股間へと潜り込んでいく。  くすぐりを続けながらも片足をラックの端に上げ股を広げるような格好になったラフェリアの股間にそのチビ淫魔は両手を伸ばしビキニ調のパンツの横隙間から手を忍ばせ彼女の陰部の割れ目を容赦なく触り始める。その小さな手に敏感な性器をまさぐられ始めたラフェリアは、ビクンと身体を一瞬反らし甘い吐息を宙に吐き出した。 「あっっ♥ はっっ♥ イイ……とっても……イイ♥ そこよ……そこをもっとその小さな手で強くくすぐって? お願いぃ♥」  ラフェリアの要望に応えるようにチビ淫魔は彼女の柔らかに膨らんだ縦裂の肉丘をくすぐるように揉み込んだ。するとその瞬間、ラフェリアの恥丘から垂れ流されるように熱い愛液が吐き出されていった。  ドロリとした粘っこく糸を引いた熱い粘液がパンツの端から内太腿を伝って垂れていく……それが床に落ちて水溜りを作っていてもなおチビ淫魔のくすぐりは止まずラフェリアから次々に新鮮な愛液を吐き出させていく。 「あっっあぁぁぁあぁぁぁぁぁ気持ち良いぃぃぃぃ♥ 最高よぉ♥ もっと気持ちよくなりたいわぁ! もっと激しくイきたいぃぃぃ♥」  ラフェリアは何度も絶頂を迎え体中をビクビクと快感による痙攣で震わせている。しかし彼女の持つ筆の動きはその動きを収めることなくアイネを責めつづけている。まるで手だけが別の神経で繋がっているかのように、絶頂していてもなお正確に愛音のアイネを責め続けている。  片や溜まった欲を吐き出して気持ちの良い絶頂を迎え、片や抵抗できない足裏を好き勝手にくすぐられ笑いを吐き出されている。  相対的な彼女達の様子を興味深そうに見つめるメリッサと、無言で口を閉ざしたまま同じ姿勢で立ったままのミゼル司祭……。そして柱に拘束され無数の蔦によって笑わされ続ける哀れな生贄の女達と……自分の意思を失いながらも彼女たちと同じように笑わされ続けているシスターマリナ。  彼女たちに希望の光はすでに宿ってはいない。  彼女達の目に映っているのは……  薄暗い教会の地下の……陰鬱な闇の影だけ……。

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