Home Artists Posts Import Register

Content

1:囚われのハーフエルフ  彼女の痴態を見続けるのは罪深いことだ……  その自覚はあったにもかかわらず、目は放せなかった……。  いつも真面目で優しく……自分にも他人にも厳しい頼り甲斐のある姉が、一糸まとわぬ姿に剥かれ、拘束され、サキュバスの女王と名乗る魔物にいいように弄ばれている姿を目の当たりにした時、彼女の中の完璧な姉というイメージは崩れ違和感すら覚えたほどだった。  体中をくすぐられ、子供のように笑い狂うその姿……。いつもは優しく微笑むか憂いを込めてはにかむような笑顔しか見た事がなかったアイネにとって、その姿は強烈過ぎて思わず自分の姉であることを疑ってしまう。  姉はこんなに大口を開けて笑う事ができたんだ……。あんなに乱れ狂うように取り乱すことが彼女にもあったんだ……。  救出のために忍び込んだ淫魔の祠で、アイネは弓を構えつつも思考はその事ばかりを巡らせてしまいとうとう最後までその弓を射ることなく連れ去られてしまうこととなる。  正直……ショックだった。    姉のあのような乱れ狂う姿を見ることになるとは思いもよらず……今思い返してみても、その記憶を否定したくて頭を横に振ってしまう。  姉には完璧であって欲しかった。凛としたカッコイイ自分の姉で居て欲しかった。  しかし淫魔の女王であるラフェリアの責めに、姉は無残にも痴態を晒す事を余儀なくされていた。  見続けるには偲び難い……でも、貴重な姉の乱れるシーン見続けたいという好奇心の高揚が抑えられない。  幼いアイネにとってその葛藤は自分で解決を導けるほど優しい問題ではない。  見てはいけないけれど見てしまいたい! という矛盾した感情が彼女の視線を姉の痴態へ釘付けにする。  見てはいけない! という思いに理由はきちんとある。しかし見てしまいたい! という思いにはちゃんとした理由を用意できない。姉の名誉のために見ないことが礼儀であっただろうが、好奇心という自制できない探究心はその痴態を見続けることを彼女に強要した。理由はない……ただ“見たい”という自分勝手な思いだけが姉の恥ずかしい現場を見せ続けていた。  結果としてアイネは深く後悔した……。もう……次に姉の顔を見た瞬間……どう声をかけていいかすら想像できない。  レファの助言通り……大人しく村の集会場で吉報を待っていたほうが良かったのではないだろうか? そうすれば自分の中の姉のイメージを崩さずに済んだのではないだろうか?  意識を失っていたアイネはそんな後悔の念をグルグルと脳内で反響させ……やがて半目をゆっくり開けて目を覚ます。    視界には高い天井がまず映った。奥の方は薄暗く、天井のタイルの色なんかは見て判断はできないほど暗いのだが……見たこともない天井であることは瞬時に悟った。なにせ、自分は姉を救出に祠へ入ったはずなのに最後には逆に自分が捕まってしまったのだから……。 見たことのない天井に続いて周りも見たことのない空間が広がっていた。大きな円柱状の柱が何本も奥まで続き、その円中1つ1つに鉄製の枷が高い位置にぶら下がっている様子が見て取れた。 枷を見た瞬間嫌な予感が彼女を襲い、慌てて自分の状態を確認するが……想像通りというか囚われたのだから当然と言うべきか、手や足は自分の意志の通りに動かないよう処置が施されていた。 手を動かそうとした瞬間、脇腹と胸横にビキっと僅かに引っ張られるような痛みを感じ、慌てて手を動かさず顔だけで自分の体の側面を覗き見る。するとそこには先程まではしっかり着ていたはずの巫女装束を剥ぎ取られ帯やら下着やらも脱がされた完全な自分の裸体が何かに引っ張られるようにピンと肌を伸ばして動けなくされている様子が伺い知れた。 なぜこんなにも肌がピンと緊張するように伸ばされているのか? その答えは手の位置を確認することで得ることができる。  両手首に巻かれた革製の枷。その枷のベルト部分から伸びる細いワイヤーは、アイネの頭上遥か遠くに設置されている“巻き取り機”に伸びている。オルゴールを巨大化したかのようなその“巻き取り機”はハンドル部分を回すと本体に巻き付いたワイヤーを巻き上げ枷を頭上まで際限なく引っ張っていく。  普通なら手を巻き上げられれば一緒に体も引っ張られていくはずだが、よく見ると足首の部分にもしっかりした枷がはめられておりアイネの体がズルズルと頭上に引っ張られるのを防ぐ役割を果たしていた。 足の枷がアイネの下半身をしっかりとベッドに固定しているものだから、腕だけは限界までピンと伸ばされていき足首の枷が食い込むほど彼女の体を余裕なく引っ張り上げている。だから体を少しでも捻ろうものなら、余裕のない引き伸ばしにより体の横筋が悲鳴を上げ痛みを発してしまう。 この拘束具は“ラック”と呼ばれる拷問器具である。 本来なら体を巻き取り機で限界以上まで引っ張り上げ関節という関節が外れるまで巻き取っていく恐ろしい拷問ベッドであるのだが、アイネにはその直前……痛みが走るギリギリまで引っ張り上げた状態で止められている。 おかげで姉がされていたのと同じように万歳の格好で仰向けに寝るのを強要され、その姿勢をまったく崩せない。体を右に捻ろうが左に捻ろうが逃げ出すことはおろかズキッとした痛みだけが体側面に走るだけだ。 「おはよう~~アイネちゃん♥ ご気分はいかがかしらァ~?」 自分の状況を把握したアイネは、自分の真横から発せられた甘ったるい声の主に不安げな顔から睨みつけるような顔へと作り直し、声のした方を鋭く見定める。すると、声のした方の暗闇から薄紫色の肌をした女性がワイングラスを片手にツカツカと歩いてくるのが薄く見え始める。 「貴女が……私をこんな所に連れてきたんですか!」  アイネは震える唇をキュッと噛み、痛みでその震えを止めてから強く言葉を返す。 「ウフ♥ 私はラフェリアっていうの♥ これからよろしくねぇ~?」  アイネの顔横まで来たその女性はワイングラスを近くに設置されていた丸テーブルの上に置くと、アイネの睨む顔を覗くために中腰になりフフフ♥ と笑みを零した。 「よくもお姉さまをっっ!! あ、あんな……酷い拷問にかけましたねっっ!!」  人間の女性であれば美人とさえ言える顔立ち。しかし薄紫色の顔に黒いアイシャドーと黒い口紅を塗ったその独特な化粧センスは見たものに妖しい色香を植え付ける。 「拷問? あらあら……私はそんな物騒な事はしてないわよぉ? 彼女とは楽しくお遊びに興じていただけで……」  顔の間近で吐きかけられる彼女の息は生暖かくとにかく甘い香りが漂っている。ラフェリアの頭についている2本の羊の角が表す通り、彼女はサキュバスなのである。だから彼女の吐く息すらも催淫効果を持っている。 「うくっっ!? うぅ……嘘ですっ! あんなに酷い事をしておいてっっ!! 拷問でないわけがないです!!」  その息を完全には吸ってしまわないようにと顔を正面に戻しラフェリアの視線から顔を外すアイネだが、少しだけ吸ってしまった甘い呼気の余韻に頭がポヤっと火照ってしまったことを自覚する。 「酷いことって? 覚えてないなぁ~~。私……そんなに酷いことを彼女にしたかしらぁ?」 「し、してたじゃないですかっっ!! あ、あ、あんな……酷いことを……」 「う~~ん、やっぱり記憶にないわぁ~~♥ じゃあ……私がどんな酷いことを貴女のお姉さんにしてたか……教えてくれる? アイネちゃん♥」 「んぐっっ!? と、とぼけないでくださいっッ!!」 「確か……貴女と同じように拘束されていたのは覚えているわぁ♥ こんな風に……手足をしっかり枷に繋がれていたわよね?」  ラフェリアはわざとらしくとぼけてみせると悪戯っぽく笑い、アイネの小振りな胸の丘陵へと片手を伸ばす。  姉ほど大きな起伏のない少し盛り上がっているだけの幼い胸の丘陵……そこの頭頂部に手のひらを被せ、柔らかで瑞々しい胸の張りを確かめるように揉みほぐし始める。 「ひっっ!!? さ、さ、さ、触らないでっっ!! む、胸を! 触らないでっっ!!」  突然の胸揉みの刺激に体をビクンと反応させたアイネは思わず彼女の手を払おうと自分の手を降ろそうとする。しかし頭上高く上げさせられ手枷に自由を奪われた手は思い通りに降りてきてはくれず、無防備に触られる自分の胸をもどかしい気持ちで耐える事しかできなかった。 「バンザイの格好から手を下ろせなくされた体に……私はどんな酷い事をしてたかしら? こんな風に胸を揉んで気持ちよくしてただけだったかしら? ねぇ?」  手のひらに収まるくらい小振りな胸をゆっくりと揉みしだいていく淫魔の手つきに、アイネは顔を嫌がるように横に振って悶え声を上げた。 「気持ちよくなんてないぃぃ!! 気色悪いだけですっっ!! やめてくださいっっ!!」  徐々に揉み方が強くなっていく彼女の手に危機感を募ったアイネは体が痛くなるのも承知でバタバタと左右に上半身を捻って揉み込みに抵抗する。しかしラフェリアの手はその程度の抵抗をものともせず、ただ一心に彼女の胸の形が変わるくらいにグニグニと揉み込んでいく。 「ほら……見てたんでしょ? だったら教えて? 貴女のお姉さんは私に何をされてたの? ほら……ほらぁ……」  自分で触ることは何度かあったが他人の手に触られるのは初めてだったアイネの胸……。触られた初めての感触はゾクッと寒気を催す違和感と嫌悪感が走り……気持ちの良い感触だとは到底思えなかった。刺激に対して慣れていないせいもあり、未発達な性感はその胸揉みを快感とは捉えることはできず、ただただおぞましい刺激だと知覚するに留まってしまう。 「い、嫌ですっっ!! 気色悪いっっ!! 触わるのをやめてくださいっっ!! うぅぅぅっっっっ!!」  胸の揉み込みに合わせ手のひらの中でこねくり回される小さなピンクの蕾。性感が未熟なため勃起までは至っていないが、手の中でコロコロと転がされている感触は徐々にアイネの下腹にゾワッとした寒気が溜めていき気色悪さとは別の感覚を自覚させ始める。 「このまま貴女の性感を調教して、死ぬまで快楽漬けにしてあげてもいいのよ? そっちのほうがお好みかしら? それとも……お姉さんと同じ経験をしてみる? うん?」  淫魔の得意技である性感調教……このまま続けられれば間違いなく自分は不浄な身体に作り替えられてしまう、と危惧したアイネは必死に首を横に振って何度も訴える。「それだけはやめて!」と……。 「あら……調教されるのは嫌? 気持ち良い事……いっぱい教えてあげられるのにぃ♥」  胸の小さな蕾を最後に指で摘んでピンと名残惜しそうに弾きながら胸揉みを終えるラフェリアは、その手を今度はアイネの二の腕に運び、肘の裏に指を置いてサワサワと撫で始める。 「あっっ!? くっっ!! や、やだっっ!! その触り方も……嫌っっ!!」  肘の裏をコソコソと何度も小さくなぞるラフェリアの細指にアイネは快感とは別の寒気を下腹に味わう。  それは気色悪いという部類に属するむず痒いという感触。派手に触るわけでもなく皮膚を抓る訳でもない柔らかな刺激……しかし、その触り方はじれったさが過ぎ我慢ならない痒みを産んでしまう。 「まだ……答えを聞いていないんだけどぉ……? ほら、教えて? 貴女のお姉さんは……どんな事を私にさ・れ・て・た・の?」  いやらしく小声で囁くようにアイネの耳に声を入れるラフェリア……彼女の細い声と指から送られてくるむず痒い刺激にアイネは体をびくつかせながら彼女の問いに答えを返した。 「はひっっ!? く、く、くす……」 「……“くす”? なぁに? それだけじゃ……わからないわぁ~~」 「く、く、く、くす……ぐり……」 「くすぐり? へぇ……それって……どんな酷い拷問なのぉ~? 教えてぇ~?」 「く、くすぐっていたじゃないですかっっ!! 姉様の体をっっ!! 延々とっっ!!」 「だからぁ~~それって何処をどんな風にする拷問なのぉ? ほら……やってあげるから……私に教えてぇ?」 「はっっくっっふっっっ!! い、嫌ですっっ!! ヤられるとわかってて……言いたくはありませんっ!!」 「えぇ~~? 教えてくれないのぉ? だったら……また胸を揉んじゃおっかなぁ~~?」 「ひっっ!? ま、ま、待ってくださいっっ!! それは……もう……やめて。もう……揉まないでくださいっっ!!」  分かっているくせにジワジワといたぶるように言葉を言わせようと迫るラフェリアに、アイネは渋々彼女の欲しがっていた答えを口から零し始める。  彼女の中では“淫魔”とは強制的に体を欲情させ淫欲まみれにしてしまう魔物という認識が強い。それゆえ彼女の性奴隷になる事はどうしても避けたかった。確かに姉は彼女のくすぐりによって苦しめられていたが直接的な性行為は行っていなかった。未熟ながらも性感を宿したこの体を取り返しのつかない体に改造されるのは何よりも怖い……それならば姉のようにくすぐられて笑っていたほうがまだ無害であるはず……。そのように判断した結果、アイネは彼女のシナリオ通りの言葉を告げてしまう。これからその通りの刺激を送られると分かっているのに……。 「わ、わ、ワキをっっ!!」 「……ワキって? ココ?」  アイネの言葉に従ってラフェリアの細指がツツツっと肘裏から肩の付け根まで下がり、彼女の無防備に引き伸ばされた腋の窪みに指を立てる。 「うひっっ!!? は、はひっっっ!! そ、そこっっっ!!」  窪みの柔肌に爪の先を立てた彼女の指は今にも動きそうではあるが、アイネの次の言葉が発されるまでは不気味なほど静かに留まっていた。 「ココを……どんな風にするのが“くすぐり”なのかしら? ほら……早く教えなさい?」  指を置かれた瞬間肘の裏とは比べ物にならないほどのゾワゾワっとした違和感を感じ、アイネは思わず悲鳴を上げてしまう。 「そ、そ、そこを……コチョ…コチョって……んあぁぁあぁぁぁぁぁっっっ!!」 「コチョコチョって……こんな感じ? こちょこちょこちょ~~♥」  アイネが“コチョコチョ”と発したのを確認するとラフェリアは待ってましたばかりに指先だけをカリカリと動かして彼女のワキの柔肌を優しく引っ掻いてあげた。  瑞々しくて暖かく柔らかいアイネの腋肌……。その弾力ある皮膚の表皮を爪の先で引っ掻いてたまらないこそばゆさを彼女に与える。 「あひゃぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁっ!!? だ、だ、だ、だめですぅぅぅ!! く、く、く、くしゅぐったいぃぃぃ!!」  分かっていたことではあるが実際にラフェリアの指が動くと想像の斜め上を行く強烈なこそばゆさがワキを襲う。  無刺激だったワキに突如として与えられた目も覚めるほどの強烈な痒みに似た違和感。アイネは理解しているにもかかわらず下げられない手を思わず反射的に下げようとしてしまう。しかし鳴り響くのは枷のベルトの金属が擦れるガチャガチャという無機質な音だけ……。改めてこの“下げたいのに下げられない手”という状態がもどかしくて堪らなく感じてしまう。 「思い出したわぁ♥ そうそう♥ こういう事……してたわよねぇ? わ・た・し♥」  アイネが悶え始めるたのを見るや否や口元にニヤリと笑みを浮かべ頬をピンク色に染め始めたラフェリアは、人差し指だけで触っていた指に親指も合流させ、脇の肌を上下から挟むようにムニムニと優しく揉むようにくすぐり始める。 「ひぎゃああぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁ!!? な、な、な、何するんですかぁぁぁぁはははははははははははははははははははははははは!! だ、だ、だめぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへ!! そんな触り方はダメェェェェ!!」  むず痒い刺激から今度はハッキリとした“くすぐったさ”を受け取ったアイネは、開けたくもなかった口を豪快に開いて言葉に笑いを含ませるようになってしまった。 「何ってアイネちゃんが教えてくれたんじゃない♥ これが“コチョコチョ”よ? 貴女のお姉さんは確かに私からのこの“コチョコチョ”に頭もカラダも乱されていたわ♥ ちゃんと見てたんだからそれくらい分かっていたんでしょ?」  興奮の息を吐きながらくすぐる手を強めていくラフェリアにアイネは目を見開いて笑い悶え始める。笑えば肺から酸素が吐き出されてしまって苦しくなるのは分かっているが笑う事が止められない。くすぐられた事などほとんど皆無に等しい彼女の体はくすぐりという違和感を生む刺激に耐性を持つことさえなかった。故にこのまだまだ序の口と言わんばかりの弱い刺激にもアイネは笑い悶えてしまう。生まれて初めての刺激だったから……。 「まさか……くすぐり責めが私の性行為よりも楽だと思ったから答えたんじゃないでしょうね? たかが“くすぐり”に笑わされるくらいは耐えられるって……頭のどこかで思っていたんじゃないでしょうね? うん?」  ラフェリアは沸々と湧き上がってくる責め欲に逆らうことなく言葉を紡いでいく。 たかがくすぐり……アイネは確かに答えを口にする刹那、その言葉が過ぎっていたのは確かだった。 くすぐりなど子供の遊びに過ぎない……淫魔の性行為に比べれば他愛ない戯言の延長でしかない。そのように自分を最後は納得させたのは確かだった。 「でも、こうして拘束された状態で行われる“くすぐり”は耐え難いものでしょ? 止めさせることもこの手から逃げ出すこともできないんだから……」  筋肉の筋が未発達なアイネの腋の形を爪の裏でツツツと撫でるように上下に往復したり、僅かに隆起した胸の麓付近を2本の指でコソコソと弄ったり……刺激に晒されたことのない言うなれば無菌状態だったアイネの幼いワキに容赦の無い刺激をラフェリアは加えていく。 「いひゃぁあぁぁぁぁぁははははははははははははははははははははははははは!! 気持ぢ悪いィィひひひひひひひひひひひひひ!! 痒くてきもぢ悪いぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!! はひゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁははははははははははははははははははははははははははは!!」  腋の窪みをソワソワと撫でる動きでだけであればまだいい……しかしラフェリアのくすぐり方はいやらしく、アイネが刺激に慣れないようにとあの手この手と刺激の質を変えてこそぐってくる。  爪の先でカリカリと引っ掻いたかと思えば指を柔肌に突き立ててグニグニと揉み込んでみたり……5本の指で神経を逆撫でするかのようにサワサワサワ~っと撫で上げたかと思えば、胸の麓を意地悪く指でコリコリまさぐってアイネの笑いを助長していく。この変幻自在なくすぐりにアイネは小さな体を左右に振り乱し笑い悶える。  まだ彼女が本気を出してさえいない事は十分に分かっている。責められている姉の光景を目の当たりにしているのだから、今のくすぐりがまだ“遊び”や“戯れ”の類のレベルであることなど火を見るより明らかだ。  しかし、アイネにはこの刺激が我慢できる物だとは到底思えなかった。  腹の底からむず痒い笑いの欲求が込み上げてきて、我慢をしようとしてもその欲求に逆らえない。気付いてみれば口をだらしなく開ききって目を垂らしながら笑いこけてしまっている。 「はひぃぃぃひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ!! ぐるじぃぃぃ!! 笑うのぐるじぃぃぃぃひひひひひひひひひひ!! もうやめでぐだざいぃぃぃっっひひひひひひひひひひひひひひ!! ぐるじいでずがらぁぁぁははははははははははははははははははははは!!」  ラフェリアは苦しそうに笑い続けるアイネの顔を見てクスっと笑みを零しくすぐっていた手の動きを少しずつ緩めてあげた。彼女の“やめて”という言葉に従う形をとりはしたが、決して彼女の要望を叶えるために緩めていったわけではない。  元々ワキを責めるのは“ある程度”に留めておこうと思っていたのだからくすぐりを止めるのは予定調和でしかなかった。  たかだか数分間くすぐられただけのアイネだが、彼女の疲労はすでにピークを迎えつつある。見知らぬ場所……見知らぬ者に裸の体を見られながらくすぐられ笑わされるという羞恥を極限まで高めてしまう苦痛……。この精神的な苦痛は幼いアイネの自尊心をズタズタに切り裂き、精神的な疲労感を蓄積させてしまった。 「いいわぁ~♥ ゾクゾクしちゃう♥ 挨拶程度にくすぐってみたつもりだったけど、こんなに嬉しそうに笑ってくれるなんて……お姉さん達以上に楽しめる逸材だわ♥ 私ったら……期待しすぎて、もう高まってきちゃった♥」  ゼェゼェと荒い呼吸を繰り返すアイネの耳元にまたもや口を近づけたラフェリアは、そっと欲情した熱い息を混じらせて細い声を彼女の耳奥へと入れていく。 「貴女のお姉さん達は……こんな遊びのような刺激よりも、もっともっと強~い刺激に苦しめられたのよ? 貴女にどれだけ耐えられるかしら? 児戯程度だと思っていた行為に絶望的に苦しめられる恐怖を……これから時間をかけながらゆっくり味あわせてあげる♥」  全力疾走を何キロも走らされたあとのような疲労感……水の中に沈められた後のような窒息感……。アイネは涙目で呼吸を繰り返しながらもそのような苦しみを体感していた。  分かっていても淫魔の指先から放たれるあの刺激には逆らえないのだ。  あらゆる弱点を知り尽くしているかのような指の責め位置、細くしなやかで妖艶な動きを繰り返す彼女の指先、そして耳の奥まで犯し狂わせる彼女の蕩ける様な甘い声……さらにそれらに淫魔特有の催淫も加わって指先から送られるこそばゆさは何十倍にも何百倍にも強く感じてしまう。特に、魔力に耐性の薄いアイネには姉よりも敏感にそれを感じてしまっている。  それ故、ただの児戯程度の刺激でも耐えられない。彼女の指はアイネの“笑い”の感情を簡単に暴走させてしまうのだから……。  淫魔のくすぐりから唯一逃れる方法は、くすぐられて弱い箇所を隠してしまうこと……。  それが単純にして確実な対策になるのだが、アイネはそれすらも封じられてしまっている。  手足の拘束という単純極まりない施しが成されているが故、唯一の対策である“逃げる”という行為を阻害してしまっている。  くすぐりの刺激に弱い腋は、触ってくださいと言わんばかりに万歳の格好で晒され……普段滅多に人の目にも触られることすらも殆どない、この手の刺激にめっぽう弱いであろう“あの箇所”もしっかりと逃げられないよう拘束され晒されている。  淫魔の女王はクスクスと笑みを零しながらそのもう一方の箇所へと歩を進めていく。  靴も……その下に履いていた白い召し物も剥ぎ取られ……  指さえも自由に動かせないよう拘束された……  幼いエルフの……か弱そうな……小さな足裏の方へ……。

Comments

No comments found for this post.