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3:くすぐり責め 「んっっくくっっっ!? んんっっっ!!」  ソワリ……ソワリ……と、足の裏を愛撫する様に人差し指を上下に往復させるラフェリア。指が触れる度に腹の底から湧き上がってくるムズムズとした不快感にエリシアは思わず目を瞑って声を出さないよう努めようとする。しかし、裸足にさせられた足裏をしつこく撫で上げてくる指の刺激は一向に慣れる様子もなく、じれったさが募るにつれ徐々に口元が緩みそうになってしまう。 「どうしたの? そんなに必死そうな顔になっちゃって……もしかして我慢しちゃってる? 笑いたいのを……」  左右に開いたエリシアの足と足の間……その石ベッドの縁に腰掛けたラフェリアは足を組み優雅な座り姿勢をしたまま指1本だけを使ってエリシアの足裏を優しく愛撫する。そして、触られる度にビクリビクリと身体を反応させてしまう彼女の様子を見て煽る様な言葉も浴びせてくる。 「んっっ!! 別……にっ!! こんな刺激……全然……大した事……ないわ! 我慢なんて……する訳がありません!」  エリシアがそのように強がりを返すとラフェリアはニヤニヤと口元を緩ませ、足裏への刺激の仕方を少しずつ変え始める。 「そう? 私には“笑いたくてたまりませ~ん”って言いた気な顔に見えるけど……気のせいだったかしら?」  足裏を縦にゆっくりと上下していた指が次第に楕円を描く様に動き始め……その楕円がやがて綺麗な円を描く様になぞり始める。土踏まずの周囲を順番に触っていくかのように中心から外れた箇所をなぞられる感触はエリシアに新鮮な刺激を与え、先程よりも遥かにむず痒さの増したこそばゆさにエリシアは眉間にしわを寄せ苦悶の声を漏らしてしまう。 「貴女の足裏……柔らかくてプリプリした剥きたての卵のような肌ね……。触っていて気持ちが良いわ♥ それに刺激に対する耐性も低いみたいだし……さぞかしこの指の刺激もこそばゆくて堪らなく感じているんじゃないかしら?」  ラフェリアの煽りに首を激しく横に振って否定するエリシア。美しく整っていた長いブロンズの髪は顔を振る度に左右にばらけ、自身の頬に何度も当たっては跳ね当たっては跳ねを繰り返す。  淫魔の言葉を否定して反論したいエリシアではあるが、足裏に休みなく与えられる意地悪なこそばゆさに気を抜けば笑いが吹き出してしまいそうでもあり口を大きくは開けられない。しかし笑いを我慢しようとしても口元はピクピクと震えながら笑いの形をとってしまい、今にも笑ってしまいそうな顔を作り上げてしまう。その“笑いそうになっている顔”を彼女に見られたくないが為にエリシアは必死に頭を横に振って誤魔化そうとする。 「ほら……このふっくら盛り上がっている母指球のあたりはどうかしら? ここも触られるととってもこそばゆく感じちゃうでしょ?」  もはや我慢している事を隠せなくなったエリシアに、淫魔の女王は新たなる刺激を彼女に与え始める。  足の親指の付け根のすぐ下……母指球と呼ばれる足裏の丘陵のような部位……。そこの頂上に人差し指を置くと試しにと言わんばかりに指先だけを動かしてカリカリと引っ掻いて見せる。 「くひっっっ!!?」  その瞬間エリシアの上半身が浮くぐらいに身体が大きくビクつき、足裏の上部から発生したおぞましい程のこそばゆさに大きな悲鳴を零してしまう。  母指球への刺激が余程嫌だったのか、エリシアは必死に足をバタつかせラフェリアのくすぐりから逃れようと抵抗する。しかし足首の枷がはめられている限り一切の抵抗も逃避も許されない。せめて足裏だけでも地につけて隠したいと思ってはいるが、足首はしっかりとベッドに押さえつけられて拘束されているため身体の構造上足裏を隠す事は出来ない。出来る事はと言えば足指を曲げて“くすぐったいです!”と不本意な意思表示をくすぐる側に送る事だけである。 ――カリカリっ♥ カリカリカリ……  ラフェリアの人差し指はしつこく彼女の母指球を愛でる様に引っ掻いてゆく。爪の先が薄く当たるように距離を調節しながら、エリシアが存分にじれったさを味わえるよう……意地悪に……。 「ぶくっっっ!! んっっく……ふっ!! んんっっ!! んぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっ!!」  抵抗できない足裏を好き勝手にむず痒くさせられていくエリシアは、我慢の唸り声を上げながら悔しさに下唇を噛む。  反応したくもないものに反応させられるじれったいこの刺激がもどかしくて仕方がない。  村や妹を守るために覚悟を固めてこの祠へやってきたというのに……このような児戯に責められ、情けない声を出してしまっている自分が恥ずかしい。たかが足裏を少し指先で触られているだけ……それだけのハズなのに……たかがそれだけの刺激のハズなのに、身体をくねらせてまで悶えている自分が情けなくて悔しい。  怒りが沸々と湧いてくる……こんなふざけた遊びで責め立てようとしている淫魔の女王に怒りが湧かない筈がない。  その怒りは睨み目となって彼女を突き刺している。楽しそうに半笑いになって遊んでいるラフェリアに自分の怒りの全て乗せた鋭い視線が睨み抜いている。  しかし、その怒りの睨みも……ラフェリアは涼しくスルーする。 「ウフフ♥ そんな怖い顔も出来るのね? てっきり八方美人に誰にでもニコニコしてる性格だと思ってたんだけど……」 「貴女に向ける笑顔なんてないわ! 絶対に笑ってなんかやるもんですかっっ!!」 「あらそう? そんな事言われたら……意地でも貴女の事笑わせてみたくなっちゃうわね♥」 「無駄よ! もう……我慢すら必要としなくなるわ! どんな触り方をしたって……もう効かない!」 「ふぅ~~ん? 何か……秘策が有るみたいね? でもその秘策……ここで通じるかしら?」 「……? 脅しても無駄よ! 私は皮膚感覚を鈍麻させる魔法を使えるわ! そしてもう……その詠唱も終わりました。だからこれ以上どんな刺激を送って来たって無駄です。何処を触られても何も感じることはないんだから、これからは反応すらしなくなります!」 「へぇ~~それは大変だわ♥ でも……やっぱり貴女達ってそういう小賢しい真似が好きよねぇ?」  「何とでも言いなさい! もうこの魔法はしばらく消えないわ。切れかかればまた詠唱すれば良いだけだから、永遠に私は鈍感になれるわ! どう? もはや貴女の思惑は潰えたんじゃなくて?」 「ウフフ♥ それは……どうかしら?」  エリシアはラフェリアに気付かれないように小声で呪文を詠唱していた。悶絶する声に紛らせて唱えていた為さすがのラフェリアも気付いてはいなかったようだが……彼女の不敵な笑いが気になる。  感覚を鈍麻させればくすぐりだろうが殴打だろうが責め苦に対して何の苦痛も与えられなくて済む。そうなれば彼女が悦ぶであろう苦しんでいる表情も苦悶の声も上がらないのだから実質このふざけた拷問は打ち止めとなる筈……。そう思っていたエリシアだったが、ラフェリアはニヤニヤといやらしく笑い続けている。この笑いが何を意味するものなのか……エリシアはまだ気付かない。しかし、どういう訳か胸に渦巻く嫌な予感は拭い去れない。この嫌な予感が何なのか……エリシアはすぐに悟らされる事となる。 「じゃあ……こんな風に触られるのは耐えられるかしら? “今の”貴女に……♥」  ラフェリアはそう言いながら両手を顔の前で構えワザとらしくワキワキと動かして見せる。 「む、無駄だって……言っているでしょ! 何も感じない私に……何をしても……無駄なハズ……よ……」  呪文は確かに唱えてある。しかし、この募っていく不安は何なのか?  エリシアは徐々に声の勢いを落とし自信満々だった顔を曇らせ始める。得体の知れない不安にいつの間にか支配されつつある。 「この10本の指で……足裏の指の所からカカトまでを一斉に触ってあげる♥ とってもとってもこそばゆいわよ~~? 覚悟してね♥」  ラフェリアはモゾモゾと10本の指を蠢かせながらゆっくりとエリシアの足裏へと移動させていく。見るからにこそばゆそうなその指の動き……。エリシアは魔法が掛かっているにもかかわらずゴクリと緊張の息を呑んでしまう。 「脅しても……無駄です! 私は……何も感じない筈っ! 何も感じない……何も……感じない……何も――」  自分に暗示をかける様に“何も感じない”と連呼するエリシア。そんな彼女をフフッと鼻で笑ったラフェリアは、10本の指をソッとエリシアの足指の付け根付近に近づけていく。 「何も……感じ……ない! 何も……感じない……感じない……感じ――なひっっ!!?」  最初に中指がエリシア足指の付け根の肌に僅かに触れる。  その僅かな刺激を感じる筈はないと信じていたエリシアに、その期待を裏切る感触が伝えられてしまう。 「ちょっっ!! う、う、嘘……でしょ?」 ――ピト、ピト、ピト……  次々に指先が足指の付け根に着地していく。その感触はほぼ無に等しいハズなのに…… 「はっっ!? ひっっっ!!? な、な、なんでっっ!? なんでっっっ!!」  ラフェリアの細指の先が確かに触れていく感触が感じられる。感覚を鈍麻化した筈なのに、さっきよりも敏感に触れられた事を刺激として感じ取ってしまっている。エリシアは途端に顔色を青く染めて口を慌てて閉じようと奥歯に力を込める。  しかし、ラフェリアの指がカカト方向へ向かって一斉に撫で下げ出した瞬間―― 「ぶひゃっっっ!!? きひぃぃぃぃぃっっっっっ!!!? はひっっっひひひひ、ぃひひひひひひひひひひひ! んぐぅぅぅふふふふふふふふふふふふふふふふふふ……」  足元から耐え難いむず痒さが背骨を突き抜けていき、我慢できない笑いがエリシアの口を無理やり開かせて豪快に吹き出させる。 「はぐっっ!! っふっふっふっふっふ、くくくくくく!! い、いやっっっ!! んぎっっっひひひひひひひひ……んんんんんんっっっ!!」  ラフェリアの指が足裏を撫でながらカカトまでを触り終えて、また同じ刺激を与えようと足指の方へ手を持って行く僅かな隙を縫って、エリシアは吹き出した息を慌てて吸い込み直し必死に笑わないように口を固めようとする。  不覚にも吹き出してしまう程に刺激に驚いてしまった……。次は必ず我慢しなくては……。魔法の効き目が実感できなかったエリシアは考えを切り替え、今迫っている危機に意識を集中させることとした。  さっきのはビックリしたから吹き出してしまっただけ……。そう自分を鼓舞し、次は絶対に吹き出さないと心の中で誓いを立てなおす。  しかし…… ――ピト、ピト、サワっ♥ 「んくっっ!? ひぎっっっ!!?」  また足指の付け根付近に再配置された指の感触にエリシアは大袈裟な反応を示してしまう。  足をビクつかせ、上半身がよがる様に勝手にくねってしまう。 「貴女のお姉さんもね、貴女と同じように感覚を鈍麻させたわ……3日間の責めに耐えかねて……ね……」  ラフェリアの指が不気味に動きを止める。足指の付け根に置いてはいるがピクリとも動かない……。 「かなり苦労したわ。どんな責め苦も耐えちゃうんだもの♥」  エリシアの心臓が鼓動を跳ね上げていく。いつ動くか分からない指達に意識を集中させつつ刺激される事に備えようとするが、先ほどの刺激を思い出してしまい嫌が応にも不安が高まり続けていく。 「半年かかったわ……この術式を祠全体で稼働させるのに……」  その言葉にラフェリアの人差し指がピクリと僅かに動く。エリシアはその僅かな刺激に悲鳴を上げそうになるが、唇を強引に噛みしめてその悲鳴を口元で止めに掛かった。 「でも半年かけた甲斐があったわ♥ だって……貴女のお姉さん“魔法が効かなくなって”たったの5日で琥珀化しちゃったのだもの……」  ラフェリアの言葉に必死に笑いを堪えようと口元に力を込めていたエリシアの顔が凍り付く。 「ま、魔法が……効かなく……なる……ですって!?」   「正確には反転させるっていう言い方が正しいかしら?」 「は、反転??」 「そう……効果を逆転させる術式をこの祠に貼ってあげたの♥」 「効果を……逆転……?」  魔法の効果が効かなかった事の原因がこのようなものだとは思いもよらなかった。  まさか魔法の対策をしているなどとは微塵も思っていなかったのだから……その衝撃はエリシアを絶望させるのに十分過ぎる火力を持っていた。 「貴女もお姉さんと同じく“感覚鈍麻の魔法”を自分に掛けたのでしょ? だったら……どうなっているか分かるわよね? 今……」  魔法が掻き消されたのであればまだ救いはあっただろう。  しかし、術式の効果は魔法の効果を“逆転”させるという……。  つまりエリシアは自分に掛けてしまったのだ……感覚が鈍化するはずだったのに、その逆の“感覚が敏感になる”魔法を。 「う、嘘よ! そんなの……嘘に決まってる! 私の魔法が……逆に利用されるなんて……そんな馬鹿な事……」 「嘘じゃないわよ? その証拠に……ほら♥」 ――サワサワサワ~~~♥  突然、ラフェリアの止まっていた指が一斉に足裏を縦に横断し始め、先程と同じコースを指の先で撫で下っていった。 「ぶひゃっっっっ!!? きひゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっははははははははははははははははははははははははは!!? ちょっ!! やめぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」  不意打ちのような突然の刺激に油断していたエリシアは盛大に吹き出し笑いまで吐き出してしまった。  今までこのように大声で笑った事など無かった彼女だったが、足元から駆け上がって来たどうしようもないこそばゆさにとうとう耐え切る事が出来ず、大口を開けて笑ってしまう。 「アハ♥ 可愛い笑い顔♥ 強気な貴女も素敵だけど……不意を突かれて笑ってしまった貴女の顔もとっても素敵だわ♥」 「っっくぅぅぅ!! や、やめなさいっ!! これ以上……やったら……許さないっっ!!」  笑顔を見せたくなかった相手の前で無様に笑ってしまった事に悔しさと怒りが込み上げてきたエリシアは、歯をギリリと噛み精一杯の睨み目でラフェリアを睨み返す。  しかしその顔も、残念かな長くは続かない……。    「どう? ほら……さっきよりも敏感に感じちゃうでしょ? 私の……指の……感・触♥」 ――コチョ♥ 「はひゃっっ!!? うくっっっくくくっっ!! こ、このっっ! 馬鹿にしてっっっ!!」  足指の付け根部分に戻って来たラフェリアの手は、試しにと言わんばかりにエリシアの足指の間をコソリと悪戯する。  指の股の間を僅かに刺激されただけの刺激ではあったが、エリシアはまた身体を大きくバタつかせその刺激を嫌がる。 「もう分かったでしょ? 貴女は……自分の身体を自分で敏感にしちゃったの♥ そんな今の状態で……私のくすぐりに耐えられるかしら?」  ラフェリアの言った通り……エリシアの身体は自身の魔法の反転によって感覚が鋭敏にさせられている事が彼女の悪戯によって明らかになった。  少しの刺激のハズなのに……僅かな刺激のハズなのに、神経を直接撫でられているかのようにむず痒かった。  大した刺激じゃなかったハズなのに……その刺激は何倍にも膨らんで脳に届けられてしまう。  そんな今の状態で、彼女の言う“くすぐり責め”とやらをされたなら……果たしてどれだけ強い刺激になってしまうのか?   考えただけでも恐ろしい。刺激を想像したくもない!  しかし、エリシアは捕えられている。  裸で拘束されている……。  刺激に弱い箇所を一切隠す事も出来ない格好で……。  故に彼女がどんなに望んでいなくても容赦なくその刺激は送り込まれる。  “くすぐり責め”とはそういう責め苦なのだから。

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