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#29 「やっぱり私を選んでくれたんですね? そうだろうとは思っていましたけど♥」  美咲は満面の笑みを浮かべてフフンと鼻を鳴らし、告白されなかった他二人の姉妹を挑発するように見渡す。  貴方の告白を聞いた瞬間次女の恵里は地獄に突き落とされたかのような絶望の色を顔に浮かべ、逆に三女の鈴菜は地獄に住まう鬼のごとく怒りに顔を真っ赤に染め上げ貴方と美咲を交互に睨みあげていく。  貴方は後悔などしていない。してはいないが……やはり浮気相手3人がいる中で1人を選ぶというのは心苦しく……彼女たちの反応を見るに付け心臓が締め付けられるような嫌な気持ちにさせられた。 「でも……私を選んでくださったのはいいのですけど……だったらなぜわざわざ他の子に浮気をなさったんでしょうね?」  貴方が良心の呵責に苛まれていると、いつの間にか笑顔を曇らせていた美咲が貴方の耳元に顔を寄せ不穏な言葉を囁き始める。  その間にも鈴菜と恵里は怒りの視線をあなたに向けつつ貴方にどんな責め苦を強いてやろうかという談義を早速始めていた。 「私が浮気を許さない性格だってことは貴方が一番分かっているでしょうに……。だったらなぜ?」  貴方の耳に近づきすぎた美咲の口がピタッと貴方の耳に触れる。美咲は囁きを入れながらもそのまま貴方の耳たぶを甘く噛み、まるでそれが食べ物であるかのようにモグモグと食べてみせる。耳たぶを噛まれる感触は痛くはないが妙にムズ痒く感じ、貴方は思わず身をよじって甘い息を零してしまう。 「ほら……見てください? 私を選んでしまったがばっかりに他のお二人さんが怒り心頭みたいですよ。鈴菜ちゃんに至っては真っ赤な般若のような顔で怒り狂ってる♥ アレはかなりマズイじゃないかしら? 怒りで我を忘れてるって雰囲気がありありと見て取れますよ?」  美咲の言葉に誘導され恵里と言葉を交わす鈴菜の横顔を見てみると、そこには先程までの余裕ある小生意気な笑みを浮かべる彼女はいなかった。ただただ怒りに語調を荒げ、貴方のことをどのようにいたぶって殺すかというような物騒な会話を一方的に恵里としている姿が見て取れた。先程までは「自分はどうでもいい」と言わんばかりの顔をしていたのに……告白を聞くやいなや表情も言葉も豹変させた。恐らく自信があったのだろう……自分を選んでくれるだろうという自信が……。  その予想が裏切られ、彼女のプライドは傷つけられ……そしてその選ばれなかった恨みが今、怒りに変わっている。  恐ろしい……。怒りに声を荒げる彼女が一層に恐ろしい。 「謝ったほうが……いいかもですよ?」  恐怖におののく貴方に美咲がソっと囁く。  貴方はその言葉に従うように何度も「ゴメン」を繰り返し鈴菜に放った。しかし鈴菜の怒りはそんな取ってつけたような謝罪で鎮火するほど甘くはなかった。 「折角あんたのことを少し認めてあげてもいいって思っていたのにっ!! 私専用の奴隷にしてあげようって思ってたのに!! まさかあんたが裏切るとは思わなかった! 私だけの奴隷だって思っていたのにっっ!!」  貴方の謝罪など耳にすら入っていない鈴菜は悲しい顔をしている恵里の肩をぐっと掴みブンブンと振ってみせる。  華奢で細い恵里の体はその揺さぶりに素直に揺らされ、上半身をガクガクと振られてしまう。   「もういらない! 私の奴隷にならないあいつなんて……もういらない!! あんただってそう思ってるでしょ? 自分の物にならないだったら……もう壊してしまってもいいと思ってるでしょ? 恵里!」  ガクガクと体を揺さぶりながら茫然自失の恵里にそう問いかける。恵里はその言葉に僅かに口角を歪ませ「そうですね……」と小さく言葉を零す。 「そう……でしょ? だってあいつは弄んだのよ? 私達の気持ちを……」  無表情な恵里が見せた意地の悪い笑み。それを見た鈴菜は彼女の肩から手を離し、同じように笑みを浮かべる。 「だったら……やることは一つよね? どうやって壊すかなんて……最初から決められていたようなものだわ♥」  鬼の形相で怒りをぶつけていた鈴菜も貴方の無抵抗なカラダを見下ろしていつものニヤつき顔を浮かべ直してみせる。  貴方にとっては怒っている彼女よりもこちらの顔の方が一層恐怖感を煽ってやまない。何かを楽しみにするかのようなあの顔……。あの邪悪な笑顔は銃を突きつけられるよりも恐ろしい……。 「恵里? あんたはどこを壊したい?」  恐ろしい笑顔から恐ろしい言葉が恵里に投げかけられる。その言葉に恵里も控えめな笑みを浮かべながら「あ・し・の…う・ら♥」とボソリと答える。  恵里の返答に急にアハハハと突発的な笑いを零した鈴菜は、その笑いをすぐに止め真顔になり「じゃあ私は腋の下をぶっ壊してやる!」と強い口調で吐き捨てた。そして2人は貴方を最後に睨むように見下ろし…… 「殺してやるっ!」と強い口調で貴方に宣言し、それぞれが“壊したい”と述べた箇所へと移動していった。  その様子をどこか嬉しそうに見ていた美咲は、恐怖に震える貴方の顔を今一度見直し「頑張ってね……」とだけ零しその場を離れていった……。  残されたのは一糸まとわぬ姿で拘束された貴方と、足と足の間に移動し貴方の足裏に手を構えて待機する恵里。そして靴のまま石ベッドに上がり込んで貴方の腹部に腰掛け手をワキワキさせて見せている鈴菜の3人だけとなった……。  処刑が始まる前の一瞬の静寂……。この静寂は貴方の心音を高めるだけ高めてしまう。  もう何をされるのかなど考えずともわかっている。  散々今までやられてきたのだから分かりきっている。  分かっているが……怖い。  恐らく本気で怒っているであろう2人から責められるのだから、怖くないはずがない。  どちらか1人だけでも死ぬほど苦しい責めなのに、2人同時なんて未知の領域だ。 正直……どうなるかなんて分からない。自分がどんな責め苦に晒されるのか分からず……不安だけが募り続ける。 「恵里? “せーの”で同時にヤるわよ? いい?」  鈴菜の両手がそっと貴方の胸横に近づき、その手は肋骨の隙間に指が1本ずつ担当を持つかのように配置されていく。 「うん……」  足の間に位置取った恵里も左右に手を広げ、貴方の左右の足裏に手を届かせると待ちきれない気持ちを表現するかのように手の指を空中でコチョコチョと動かしてみせた。  貴方はもう堪らない。  どんなくすぐったさが襲うか……想像できるようで想像できない不安が強く募り、心音は乱れ太鼓のように荒々しくドクドクと鳴り響く。  怖い……。怖い……。触られるのが……怖いっ!! 「じゃあ……いくわよ?」  処刑が始まる直前の絶望感……自分がどうなってしまうかわからない不安……未知の刺激が与えられるという恐怖……。全てが貴方の胸を苦しいほどに締め上げていく。怖くて全身に力が入らない……。 「せーーーのっ!!」  貴方の不安をよそに処刑を開始する言葉は放たれる。  そしてその言葉が発されると同時に貴方は想像もしていなかった地獄の入口を体験することとなる。 「「こ~~ちょ、こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ~~!!」」  低音、高音の煽り言葉が同時に足元と胸上から発せられ、貴方の無抵抗な身体に彼女たちの細い処刑指が一斉に貴方を殺す刺激を与え始める。  ピンと反らすように拘束された……触ってくださいと言わんばかりの主張をしている無防備な足の裏。その左右の足裏を恵里はなんの躊躇いもなく爪を立てて触り、土踏まずを中心に指先だけをモジョモジョと掻き回してくすぐりを入れる。  同じく万歳を強要された拘束をされ肋骨が浮き出るほどに引き伸ばされた格好にされている胸横の脇の下。  心臓に近いこともあり危機を察知するために集められた敏感な神経が集まるその箇所に無遠慮に突き立てられる鈴菜の指先。その指先は肋骨の間に潜り込むと、敏感な神経を揉みほぐす様に強い引っ掻きを繰り返す。  2箇所同時に繰り出された大笑いを強制的に生み出すくすぐったい刺激に貴方は一瞬の間置きも許されないまま激しい笑いを吐き出し始める。  その笑い様は自分でも狂気を感じてしまう程激しく……肺が押しつぶされたかのように中の空気が一瞬で笑いと共に口から吐き出され、始まってものの数秒で貴方の視界は酸欠により真っ暗にブラックアウトさせられる。  くすぐったい! 貴方はその言葉を頭で浮かべるが、そもそも脳はその“くすぐったい”という刺激を理解して笑っている訳ではない。反射的に笑ってしまっている……と言ったほうが正解に近いだろう。今まで責められた経験が刺激を勝手に予測してしまい、これぐらいの強さならこれぐらいの笑いを吐く……という風に反射的に笑いを吐き出してしまっている。  くすぐったいと思う暇さえも与えられない……。彼女たちの責めはそういう類の責めなのである。 「ほれほれぇ~~♪ もっと口を大きく開けて笑うのよっ!! 息を吸う暇なんて与えないわ! 窒息しながら笑い狂いなさい!! ほらほらほらっっ!!」 「貴方の弱点は知り尽くしています。足の裏の土踏まずの少し横……ココを触られると貴方は笑わずにはいられなくなってしまいます。正直ココは責めたくはありませんでしたが……私の心を踏み躙った貴方を私は許せそうにありません。だから申し訳ありませんが笑ってください。私を裏切ったことを後悔しながら死ぬほど笑って懺悔してください。それが貴方に課せられた懲罰です!」  感情的に激しくくすぐる鈴菜と、弱点と思しき箇所を巡回するように的確な責めをしてみせる恵里。2人のくすぐりはあなたが想定しいた笑いの刺激よりも遥かに強く、笑いの吐き出しは悲鳴を越えて絶叫の域に達していた。  息が全く吸えずに苦しい……苦しくて堪らない! 堪らないけど笑ってしまう。もはや笑いと呼べるかわからないくらい叫んでいるが、絞り出されている感情は明らかに“笑い”の感情だ。2人のくすぐりに笑いが抑えられない。笑いたくて笑いたくて仕方がない。苦しいというのは分かっているのに。腹筋も腕も脚も痛くなるのは分かっているのに……。身体はのたうつように石ベッドに叩きつけられ痛みを発する。降ろせない事は分かっていても手に力をいれ枷に抵抗しようとする。  脚も閉じたり開いたり出来ないことは理解しているのに……ついつい暴れようとしてしまう。  くすぐりが辛すぎて……。  足の裏をこそぐりまわす恵里の細指が不快すぎて……。  胸横の笑いのツボを刺激し続ける鈴菜の指使いが憎らしすぎて……。  笑ってしまっている自分が悔しすぎて……。  でも、笑いは止められない。くすぐりからも逃げられない……逃がしてもらえない。  彼女達の思いのまま……。  彼女達が許してくれない限り、この笑わされ続ける地獄からは解放されはしない。  辛い……。死ぬほど辛く……苦しい。  このままでは本当に殺されてしまう……。無様な格好で……無様に笑い狂いながら……。  怖い……死ぬのは……怖い! 怖い!! 嫌だ!! 嫌だ……  酸欠の苦しみから死のイメージがまざまざと突きつけられ、貴方の頭は恐怖する。  今までこんなにリアルに死を感じた事はなかった……。その死への不安は貴方の心臓を冷たい手でキュッと握られているかのように寒気を催す。酷く寒くて……薄暗くて……冷たい。  死ぬのは怖い……。凄く怖い……。怖いハズなのに……。 ハズなのに……! 「すっごいですね♥ 今までにないくらいムスコさんがビクビク脈打ちながら勃起しちゃってますよ? そんなに責められるのが興奮しているんですか? そんなに死ぬほど苦しめられるのが興奮するんですか? 貴方は……」  暗い影からスッと再び姿を現した長女の美咲。彼女は貴方の不安とは裏腹に勃起し尽くしている淫肉棒を見てそのようにボソリと呟く。  興奮した覚えはない。逆に死の恐怖に感情は萎縮するほどであるはずなのだが……身体はなぜか正反対の反応を示してしまっている。自慰やSEXの時にもここまで勃起させたことがない……血管が破れてしまいそうなほど膨張し、根元の土台はコンクリートのように固まり先端は頭を振っているかのようにビクビクと勝手に痙攣し、我慢汁を多量に垂れ流し続けている。  指摘されるまでは自分でも気づけなかった。美咲が言ってくれるまでは自分が実は興奮していたなど露にも思いはしなかった。  貴方はこんな状況に陥っても興奮してしまっているのだ。責められ辱められ命の危機に晒されても、くすぐられれば身体は勝手に興奮してしまうのだ。そういうカラダに……貴方は調教されてしまっていたのだ……彼女たちに……。 「そうですね……。私を1度でも裏切ったことは許せませんけど、私の事を最終的に選んでくれたことは素直に嬉しかったです……。だから……せめて私だけは貴方に快感を与えて差し上げましょう……」  美咲はそう言葉を零すと、中腰になって貴方の硬化したイチモツに右手を添える。そしてその根元をキュッと握り込むと有無を言わさずその手を上下にシコシコと擦り始めた。  その手の動きはあまりに甘く凶悪な刺激をもたらし、くすぐりに苦しめられ真っ暗にさせられていた貴方の視界を一瞬で真っ白に染め上げていく。  肉棒に巻き付くように走っている太く膨張した血管を押しつぶしていくように絞り上げる美咲の手淫。その快感たるや視界に激しい火花が映り込むかのよう……。あまりに力強く、あまりに強制的な快感……。くすぐりに笑わされている貴方の声はその瞬間から笑いの代わりに悲鳴が零されることとなる。 「ほら……気持いいでしょ? 私にシコシコされて……嬉しいですか? 地獄から天国に連れて行かれているかのようでしょ? フフフ♥」  貴方の意思を無視するかのように強制的に与えられる快感は決して天国に登る心地ではない。快感の度合いは天国ではあるがそれを自分の意志で行えないもどかしさは地獄である。天国にも地獄にも偏れない感情……さしずめそれを天獄と呼ぶのが相応しいだろう。貴方はそんな事を思いながらも込み上げてくるくすぐったさと射精欲の両方に翻弄され混乱を余儀なくされた。  今自分は苦しんでいるのか? 嬉しくて笑っているのか? 気持ちよくて身を捩っているのか? 辛くて堪らないのか? どの感情が自分の感情なのか判断がつかない。どれも当てはまっているようでどれも当てはまっていない……。  今の自分はどう感じているのか? 気持イイのか苦シイのか……辛イのか怖イのか?  楽しいから笑ってる? 苦しいから笑ってる?? 笑っているから苦しい? 笑っているから気持ちがイイ??  分からない……もう分からない。  息が……出来ない……。苦しい……。  苦しくて……辛くて……苦しくて……辛くて……笑いたくない。  もう笑いたくない……。笑いたくないけど……笑うと気持ちが良い気がする。  笑ってしまうと腹の底からムズムズした快感が登ってきてしまう気がする。  苦しいから笑いたくない……。笑いたくないけど……気持ち良くなりたいから……笑いたい。  本当は笑いたい……笑いたい……。  彼女たちに体中をコチョコチョされて……笑い狂いたい。  もっと笑いたい! 笑いたいっっ!! 笑いたいっっッ!!! ――ビュビュビュビュッッッ!!  貴方の欲求が飽和し切ると同時に、固くなるだけ固くなった淫棒の先端からはおびただしい白濁液が放射された。  それは女性の潮吹きのよう……我慢していた小便を一気に放出したかのような盛大な絶頂。  尿道が熱くなり、亀頭は痛いほどに真っ赤に腫れ、心音以上にビクビクと痙攣を起こしている陰茎。我慢に我慢を重ねていた射精欲を一気に吐き出してもらった貴方は、笑い続けながらも体中をビクビクと痙攣させ強ばらせていた節々も弛緩させていく。  このまま射精の余韻に浸れればどんなに気持ちが良かったか……。  貴方はぼんやりそのように思いを巡らせる。  しかし、その思いは自身の笑いによってすぐに掻き消されてしまう。  無情にも2人のくすぐりは射精したからといって止まってはくれない。  それどころか、射精後の弛緩し敏感になってしまった神経をこれでもかと虐め抜くようにくすぐりが強くなっている。  それに加え貴方が愛した美咲でさえも彼女達のくすぐりに賛同し貴方の脇腹をまさぐってくすぐり始めている。  度重なる射精により抵抗力も体力も弱まった貴方に鞭打つように……美咲のくすぐりは貴方をしつこく笑わせる。  もうくすぐりに笑わされる体力も残ってはいない。笑いを自分の意志で吐き出すこともできない。  くすぐったいから笑っているという感覚はもはや無い。くすぐられているから身体が勝手に痙攣し勝手に笑い声を発している。  そこに貴方の意思は介在しない。  貴方の意思も考えも些細な想いさえも無視され……笑わされ続ける。  やがて貴方の意識は徐々に遠く深い所へと誘われる。  いま自分がどんな顔で笑っているのか……どんな感情を抱いているのか……  それすらも分からないままに……  深い深い闇へと堕ちていく……堕とされていく……。 意思とは関係のなく吐き出し続ける……笑いと共に……。  やがて貴方は……感情なく笑うようになってしまった。  くすぐりが止んでも……くすぐられていても……。  自分は何に笑っているのか……分からない。  自分は今……笑っているのかすらも分からない……。  生きて呼吸をしているが、貴方はもう生きていないのかもしれない……。  まるで答えのない虚空の中に快感を見出すように貴方は今日も笑っている……。  虚ろな目……虚ろな意識に鞭打ちながら……今日も彼女達に笑い狂わされている。  決して自分の意志で笑ってはいないのだろうけど……それでも貴方は幸せだった。  彼女達に笑わされることが快感だと悟ったのだから……。  彼女達にくすぐられること自体が快感だと気付いたのだから……。  だから貴方は今日もあの店へ行く。  尊厳を無視され……恥辱にまみれた責めをされると理解していても……。  貴方は行く……。  その恥辱の先に……快感を求めて……。 ――『くすぐり処刑編』美咲、快楽の虜ルート……END

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