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#18 「そうよね? あんたは売られた奴隷なんだから、ちゃんと私に調教されてから出荷されなくちゃいけないの! それくらいあんたのおつむでもちゃんと理解できているんでしょ?」  素直に頭を縦に振った貴方は、口汚い鈴菜の罵りに奥歯を噛んで苛立ちを抑え込む。彼女が何のために自分を拘束しているのか……それは理解しているつもりなのだから。 「あんたの買い取り主さんは私にこういう注文をしてきたわ……“くすぐられる事に快感を覚えるようになるまで調教して欲しい”って……」  鈴菜の言葉に貴方は背筋に寒気を走らせる。貴方が想像していたくすぐり調教師という彼女の肩書きはただ単にくすぐって笑わせて屈服させるだけのSMプレイを行う女王様のようなものだろうと高をくくっていた。しかし彼女の言葉の中には“くすぐり”以外に“快感を覚えるまで”という物騒な言葉まで含まれていた。それはどういう意味を指すのか……くすぐられて快感を得ることなど出来るのだろうか? 仮にそうなったとして……自分は取り返しの付かない身体にさせられてしまうのではないだろうか? そのような不安が頭を過ぎった貴方は、やはりこの調教は受けない方が良いかもしれないと思い直し拘束具を外すよう鈴菜に言葉をぶつける。しかしそんな焦っている貴方を見て彼女は…… 「もう引き返すことは出来ないわよ? だってほら貴方が希望して奴隷契約を交わしたでしょ? さっき……」  ガチャガチャと手枷の音を響かせ貴方は必死に枷から逃れようと手を暴れさせる。しかし、しっかりと巻きついた革枷が外れることはなく空しい音を響かせる事しか貴方は出来ない。 「フフ……もう逃げられないわよ。観念して……依頼主の望むような奴隷になれるよう笑い苦しみなさい♥ 無様に……ね♥」  鈴菜はテーブルの上に置かれていた白いシルクの手袋をゆっくりと手に被せ、手袋をつけたその手で暴れようとする貴方の背中を軽く押し貴方を十字架に押し付ける。そのカサッとした乾いた手触りの手袋に背中を触られ、貴方は思わず「ひっ!?」と悲鳴をあげ背中を反らしてしまう。  手で触られるよりも無機質で……いかにも物に触られたという感触を背中に受けるが、手袋の下には彼女の手が有りその手の感触も同時に伝わる。  手袋の乾いた感触は貴方の背中の触覚神経を過剰に反応させ、ゾクゾクッとしたこそばゆさを電気刺激のように脳へ走らせる。貴方はその感触だけで吹き出しそうになってしまい、これから行われる“調教”に自分が本当に耐えられるのか疑問さえ浮かんできてしまう。 「さぁ、力を抜きなさい。これから私があんたの事……骨抜きにしてあげるから♥」  押し当てた手で円を描くように背中の中央を触り始める彼女の右手……その触り方があまりにいやらしくゆっくりであった為、貴方は身体中に寒気を走らせ顔を天に向けて「あっ、あっっ!!」と悲鳴にならない悲鳴を上げる。 「くすぐったい刺激を快感に変えるっていうのは中々手間のかかる工程を踏まなくてはならないわ。でも最初はいつだって同じ事を身体に植えつけていくのよ? それはなんだと思う?」  鈴菜の甘くて細い囁きが貴方の耳奥をもくすぐっていく。そして背中で円を描いていた手が不意に止まり…… 「分からない? だったら教えてあげる……。最初の調教は……こうやって――」  背中から右手が離れていく。しかしその右手は貴方の胸横に移動し、左手もそれに追従するように反対の左胸の側面に怪しく移動する。そして…… 「くすぐられる苦しさを身体に刻み込んでいくのっ!」  語気が強まり耳奥にも彼女の声が劈くように入ってきた瞬間、左右の胸横に陣取った手の指先が急にワシャワシャと活発に動き始め貴方の脇の下を引っ掻くように責め立て始める! 「っッっっっッッ!!!??」  左右の敏感な脇の下をシルクの手袋をつけた細い指がコチョコチョと乱暴に引っ掻いていく刺激に貴方は甲高い金切り声を上げその刺激に対する素直な反応をしてしまう。滑りの良い手袋の掠る感覚が恐ろしくこそばゆく、貴方は叫び声を上げた後止められない笑いを口から吐き出し始める。思わず手を引っ込めてしまいたくなる不快なむず痒さ……でも、枷に拘束されているその手を降ろす事など出来ない。むず痒いのにそれに抵抗させてもらえないもどかしさは貴方の逃げたい欲を更に掻き立て動けないと分かっていても手足を動かそうとバタつかせてしまう。 「どう? 万歳の格好から降ろせないようにしっかり拘束された無防備なワキを思いっきりくすぐられる感想は……もどかしくて堪んないでしょ?」  貴方のワキの窪みや胸横の肋骨周り、更には下部のわき腹付近まで素早く上下に位置を変えながらくすぐり回す鈴菜の両手は貴方が想像していたくすぐりの刺激よりも遥かに笑わせの強制力を持っており、どんなに我慢しようと奥歯を噛み締めようとしても次々に送り込まれる笑意に抵抗が出来ない。まるで肺を直接揉みしだいて酸素を吐き出させられているかのように笑いによって呼気が奪い去られていく。 「ほらほら、抵抗しても無駄よ? あんたがどんなに逃げようとしてもこの枷は外れないわ♥ 私が気紛れにこの手を止めてあげない限りはあんたはずっと私に笑わされ続けるの♥ このくすぐりが苦しくて堪らなくなるまで休憩なんて一切与えてあげないわ。この私の指技にたっぷり笑い悶えなさい! 笑って笑って笑い死んじゃう位に笑い狂ってしまいなさい!」  鈴菜は素早く手を上下に移動させながら「コチョコチョコチョ~~♥」と楽しげに擬音を口から零していく。その擬音に呼応するかのように鈴菜の指はくねくねと激しく蠢き回り、貴方の刺激を感じやすい肌を時に強く時に優しすぎるほど細く触って我慢ならない笑意を生み続けていく。 「なぁ~に? そんなにお尻を振り振りしちゃって~♥ そんなに触ってもらいたいの? 仕方ないわねぇ~~」  別に言葉でそのような要求をした覚えは全くないが、鈴菜は貴方の腰を振って嫌がる様子をそのように解釈し勝手にそのように結論付ける。そして右手ではワキの部位をくすぐり続けながらも、左手は背中を意地悪く触りながら下へと移動させ言葉通り貴方の尻の割れ目に触れさせるとそこをワキの時と同じようにコチョコチョとくすぐり始めた。  その刺激たるやワキの刺激以上の不快感を貴方に与えた。普段自分で触る事などなく……ましてや人から触られるなど皆無に等しいその箇所を手袋越しながらも触られ、撫でられくすぐられるなど未知の経験であった。尻の割れ目はイコール排便のイメージが強くある意味汚い箇所であると自分でも思っており、そこを触るなど意識したことすらなかったのだが……実際に人に触られると恐ろしくむず痒くてジッとしていられなくなるくらいにこそばゆい! 特に、脚を十字架の裏に回している格好である為、尻の溝も普通に立っているときよりも開いた状態になってしまっている。そこを遠慮なしにコショコショとくすぐられると、じれったいこそばゆさと共に何故か排便をしているかのようなムズムズした快感が同時に脳に送られてくる。その快感はイケナイ快感なのだと理解はしているが、貴方にはそれをどうすることも出来ない。送られてくるくすぐったさと小さな快感を笑いとして昇華させ吐き出し続けることしか出来ない。 「あんた……笑いの中に変な声が混じってきてるわよ? こんな不潔な所を触られて……まさか悦んでんじゃないでしょうね? この変態!」  貴方の笑い声に変化を感じ取った鈴菜はすぐさまそれを指摘し貴方を辱める言葉を浴びせてくる。貴方はその言葉に真っ赤に顔を火照らせ顔をぶんぶんと横に振って違うと主張するが鈴菜はそんな貴方の嘘を許しはしない。 「私に嘘は通用しないわよ? ほら、今も笑いの間に“あっ♥”って声出したでしょ! 素直に気持ち良いって言いなさい! でないと……今度はコッチをくすぐり攻めにするわよ?」  鈴菜はそう言いながら脇をくすぐっていた右手も貴方の尻の膨らみに運び滑りの良い手袋のひらで撫で回し始める。尻の溝と尻全体を同時に触られ撫でられる貴方はそのあまりのむず痒さに上半身をビクッと反応させ再び笑いとも嬌声とも取れない声を上げてしまう。 「普段“不潔”だと思われている箇所であればあるほど神経は過敏に出来ていてくすぐったさも快感も感じやすいって聞いた事があるわ。あんたはどっちが強いのかしら? くすぐったい? それとも気持ち良い?」 尻全体をカサついた手袋のひらで撫でられ、一番敏感であろう尻の溝を指先だけで優しくなぞられ、貴方はくすぐったさとむず痒い快感の両方を同時に味わっている。そんな貴方に鈴菜は“どっちが強いのか?”と問いを投げかけ来たのだが、貴方はその問いに答えを出すことは出来ない。どちらも半々であるというのが貴方の感じた答えであるが、そのように答えれば鈴菜から「どっちかはっきりしろ!」と怒鳴られるのは今までのやり取りで十分に理解できる。だから答えなくてはならない。彼女の望む答えを。 貴方は鈴菜の問い掛けに…… A:くすぐったさが強いと答える。→→#20へ B:快感が強いと答える。→→21#へ

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