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#12 「ワキがお好みなのですね? 承知いたしました。では早速実験を開始いたします……」  無表情だった恵理は貴方の選択を聞くと微かに口元を緩ませた。笑顔とまでは言わないが、機械的な無表情を決め込んでいた彼女からしてみれば何らかの感情の動きがあったのだろうと推察できる。  しかしその笑顔のような表情は次の瞬間にはスッと音もなく消え去り、また元の機械的な無表情へと変わってしまう。 ――ピッ!  貴方が恵理の表情の変化に気を取られていると彼女はおもむろに手元の操作端末をいじり、何らかの命令を機械に命じた。  するとブブブブ……という駆動音と共に貴方が背を預けている背もたれが振動を始めた。  背中に伝わる機械駆動の振動がむず痒く……貴方はその振動だけで口元を緩ませてしまう。 ――ピーーッ!! ガシャガシャガシャ!!  一際甲高い警告音が鳴り響いたと同時に、拘束台の下を支えている黒い台座の横隙間から一斉にメカメカしいアーム達が飛び出してくる。  2本……3本……4本……5本…………。そのアーム達は次々に現れては貴方の顔の正面に位置取り、それぞれ指部分のアームをぎこちなく上下に動かして挨拶らしきものを行っていく。  最後の6本目が顔の前に揃った時、アーム達は機械らしさを見せつける様に一切の誤差無く同じタイミングで同じ動きをしてみせた。  これから行うことを改めて教える様な、指先を折り曲げるその動き……。貴方は見るからにこそばそうなその細い指達を目の前に生唾を飲み込む。  貴方に挨拶を終えたアーム達はそのまま指をコチョコチョと折り曲げながら所定の場所へと配置について行く。  万歳させられ腕を降ろせなくなってしまい無防備に開かされた……貴方の腋の部分に。 「焦らし用のアームは先端が樹脂で出来ていますので、尖っている様に見える指ですけど痛みはありません」  恵理の言葉を聞いて改めて機械の手を見てみると、確かにそれらの手は指先に行くほど細くなっていて先端は針のように細く、突かれれば痛そうだという感想を持ててしまう。しかし彼女の言葉通りその指先部分だけは乳白色のプラスチックのような素材で作られていて先端も丸く、押し付けられても痛くない様配慮がなされていた。 「しかし、こういう尖った先端に敏感な部分を撫で回されるのは如何でしょう? どんな刺激が与えられると思います?」  恵理は淡々と端末をいじりながら貴方の想像を掻き立てる様な言葉で煽る。  その煽りに貴方は改めて機械の指達を視界に収め、まんまとその誘導通りに刺激を想像してしまう。  背中が浮いてしまうくらいにむず痒い刺激……。その刺激の想像が頭の中で繰り返しフラッシュバックし、貴方はその想像だけで口元がプルプルと震え上半身が勝手にクネクネと落ち着かなくなっていく。  あの爪楊枝のように細い指達が同時に腋の敏感な箇所に触れたらどんな刺激か……。アレにサワサワと撫でられたらどんなにむず痒さを感じてしまうか……簡単に想像が出来てしまう。 「まぁ、すぐに味わっていただきますので分かっていても応えなくて大丈夫ですよ? どんな気持ちだったかなんて実験結果のサンプルとして必要としていませんし……」  そのように冷めた言葉を呟いた理恵は操作パネルの画面上に小さく手を開いて指を乗せていく。すると機械の指達は自律的な動きを一時的に止め、その置かれた指の形通りに指の形を曲げていく。  タッチパネルに置かれた指の形通りの構えを行っていく機械の指達……。遠隔操作で動いているかのような動きがそれで見て取れた。 「では、実験開始です。せいぜい……ギブアップせずに頑張ってください?」  理恵はそう冷たく言い捨てると、パネルに置いた指を中央に寄せる様にすぼませ機械の指達に命令を送り始める。  理恵の指の動きに合わせて機械の指達は貴方の腋の窪みに細い先端を降下させていく。左と右の腋には均等にアームの数が配置され……それぞれ、腋の上付近……窪みの丘陵の真上……脇の下付近……と別々の箇所を責め立てんと細指の先端を押し当ててくる。  腋の過敏な神経に細い先端が付きたてられていく刺激に貴方はゾクゾクっと背中に寒気を走らせ鋭いむず痒さをワキに感じ取る。そして全ての指がワキの各部位に着地した瞬間…… ――サワッ!  恵理のすぼませる指の動作から少しタイミングをずらして、機械の指達もそれぞれ指先をすぼませて貴方の腋を挨拶がてら一撫でしていった。  ゾワゾワゾワっ♥ 伸び切った腋の部位に我慢ならないむず痒さが走る! たった一回なぞられただけの刺激なのに、貴方は「ぶはっ!」と溜め込んでいた我慢を吐き出してしまう。 「いきなり吹き出しちゃったんですか? まだレベル1の最初だというのに……先が思いやられますね」   貴方の反応にやれやれといった声をかける恵理だが、その口元が一瞬だけ僅かにニヤついたのを貴方は見逃さなかった。  しかしそのニヤつきが何を意味するのか……? それが分かりかけた瞬間に次の刺激が与えられる。 ――サワ、サワ!  今度は2回。機械の手達は恵理の手のすぼむ動きを真似る様に貴方の腋の上を掠らせる動きを続ける。    「プヒャっ!! んはっっっ!!」と、貴方は情けない悲鳴をその刺激に上げさせられる。  伸び切った腋を撫でる細い先端があまりにこそばゆくて、口から熱い息を吐き出さずにはいられない。特に腋の丘陵を包む様に撫で上げるアームの刺激が耐え難い! 敏感な箇所の最も敏感な部分を引っ掻いて行くのだから仕方ないのだが、その刺激は貴方が想像した刺激の倍以上のじれったさとこそばゆさを孕んでいる。 「ダメじゃないですか……そんな情けない声を上げては……ほら、ただの焦らし責めなんですから我慢してください?」  貴方の反応が加虐の琴線に触れたのか、恵理は無表情だった顔に少しでだけ含み笑いを浮かべタッチパネルの操作を続けていく。手をすぼめて……戻して……またすぼめて……戻して……それを何度も繰り返していく。 ――サワサワサワ♥ サワサワサワサワサワ♥  恵理の手の動きに合わせて機械の指達は何度もあなたの敏感なワキを撫でていく。貴方はその何度も撫で上げていく指達にビクンビクンと身体を反応させ、込み上げてくる笑いの衝動を必死に奥歯に力を込めて我慢しようと試みる。  しかし、次第にその我慢も限界が近づき……貴方の吹き出しを我慢する口は指が動くたびに波立つ様に歪み、いつ笑い出してもおかしくない程に目を垂れさせてしまう。 ――コソリ、コソリ……コソリ、コソリ、コソリ……。コソ……コソ……コソ……。  耐え難いこそばゆさに貴方は逃げ出さんとするように腕をバタつかせる。しかし手首をしっかりと挟み込んだ金属の枷がその手を解放してくれることはなく、機械の手に好きなように弄られるのを良しとするしかない。その自由に抵抗できないもどかしさはとても歯痒く、貴方の我慢しようとする気力を大いに削ぎ落してしまう。 ――モショショモショ♥ モショモショモショモショ♥  後何回この動きに耐えられるだろう? このこそばゆさを生み出す動きに何分耐えられるだろう? 貴方は自分の我慢の底が意外に浅い事を悟り、そのような計算を無意識下に頭の中で行ってしまう。  しかし、恵理はそんな貴方の思いを見透かしているかのように突然責め方を変え始める。 ――ピタッ!  恵理の手が突然止まり、それに合わせて機械の手も動きを止めた。もう限界だ……と思っていた最中に責めが止められ、貴方は笑い出さずに済んだと安堵の息を吐いてしまう。  しかし、その安堵こそが恵理の術中であった事に貴方はすぐに気づかされる事となる。  貴方に悟られまいとタッチパネルの背を貴方に向けて画面を隠した恵理は、また僅かに口元を緩ませると貴方に動きを見せないように無言で手をすぼませる動きを再開させた。 ――サワサワサワサワ♥  いきなり動くことを想定していなかった貴方はその隠された動きに構える事が出来ず、急に動き出した機械の指達に悲鳴のような裏声を上げてしまう。そしてそのまま口を大きく開き「ぷひゃ~~ははははははははははは!!」と無様な笑いを口から吐いてしまう。  我慢してきた笑いを一瞬の隙を突かれ絞り出されてしまった貴方は慌てて口を閉じようと試みるが、そうはさせまいと恵理は操作パネルを激しくくすぐって機械の指達に強い刺激を与えるよう命令を下してしまう。 ――コチョコチョ♥ コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!!  すぼむような動きを素早く繰り返す恵理の動きに機械の手も反応し同じ動きを貴方の腋に繰り出す。  尖った指先を腋の柔肌に突き立て、痛く感じるすれすれの力加減で上下に引っ掻いてゆく動き。それを何度も繰り返す。何度も何度も……。  腋全体を樹脂製の先端で強く引っ掻かれる刺激はおぞましいほどのこそばゆさを与え、貴方を笑わせてしまう。  折角閉じかけようとしていた口も、閉じ切る前にまた大きく開かされ押し寄せてきた笑いたい欲求に負け大笑いを吐き出してしまう。この刺激は耐え難すぎて貴方の手に負えない。もはや笑いを我慢する事など途方もない夢へと成り下がってしまう。 「無様ですね……この程度の刺激に笑わされるなんて……忍耐力が足りていない証拠です。そんなだらしない貴方にはこのまましばらく笑い続けて頂きましょう……」  “この程度の刺激”と恵理は言い放ったが、ある程度固くて尖ったモノにコソコソと腋の敏感な神経をこそぐられれば誰でも笑ってしまうに決まっている。むしろ自分でもよく耐えた方だと思う。でも、恵理はそういう頑張って耐えたという功績を素直に褒めてはくれない。逆に「こんなものではダメだ」と言葉で叱咤する。 ――コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!!  恵理の操る指がワキの窪みから脇の下までくすぐる範囲を広げ、貴方に耐え難いこそばゆさを与え続ける。  貴方は背中を拘束台に何度もぶつけながらそのこそばゆさを耐えなくてはならない。  カリカリと腋の筋を引っ掻く刺激が無性にこそばゆい! こそばくて、こそばくて……暴れて逃げ出したい欲求が高まる。  しかし、逃げられない。枷が貴方の身体をしっかり固定しているから逃げたくても逃げられない。それは分かっている……当然分かっている。でも逃げられないと意識すればするほどくすぐりのもどかしさが強まり、笑わずにはいられなくなってしまう。  身体が自由に動かせないという事だけでこんなに脅かしい気持ちにさせられるのか……と、貴方は改めて笑いながら気付かされる。そして……改めて貴方は“何をされても逃げられない”という不自由さに不安と恐怖が掻き立てられてしまう。  恵理が命令を取り下げてくれない限り永遠に笑わされ続けるのだ……この狂おしい程むず痒い刺激に……。 「どうですか? 手を降ろしてこの機械達を跳ね除けてしまいたくなっているでしょ? でもそれが出来ないというのは……凄くもどかしいですよね?」  恵理は貴方が考えていた通りのもどかしさを代弁するかのように貴方に伝えてくる。こうされればこう考えるだろうと、被験者の心理を読み切っているかのような発言に、貴方は笑いながらもその全てを見透かしたような恵理のジッと見つめる瞳に背筋に寒いものを走らせる。 「さて……まぁ、このままレベル1で責め続けても良いのですが、時間は限られていますからね……そのままレベル2へ移行しようと思いますが……如何ですか? レベル2を受ける覚悟は……出来ていますか?」  恵理のその言葉に機械の手達はゆっくりと動きを緩め始め、やがて完全にその動きを止めて貴方の身体から次々に離れていく。  貴方は笑いすぎて吐き出してしまった酸素を取り戻すかのように荒く呼吸を繰り返し、恵理の言葉に…… A:レベル2を受ける覚悟は出来ている……と、答えを返す。→→♯14へ B:ギブアップ! 激しいくすぐりにはもう耐えられない……と降参する言葉を返す。→→♯15へ

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