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#26 輸入雑貨店  大手のショッピングモールへ行けば大体一つくらいはこの様な“海外から輸入してきた雑貨”を取り扱う店があるものだ。  海外から輸入してきたとはいえ日本メーカーの雑貨や本なども置いている事から、徹頭徹尾海外産にこだわった品ぞろえという訳ではなく……どちらかというとサブカルチャー全般のアレコレを取りそろえたお店というイメージの方が強い。  普通の本屋に置いていないようなアングラな本や小説、海外のブラックユーモアが過ぎるアニメ……限られた用途でしか使わないような怪しいグッズ……日本ではあまり見ないメーカーの香水やら芳香剤やら石鹸やら柔軟剤など。一流どころのメーカーで固めた正規の雑貨屋というよりは、おもちゃ屋に近い感覚の雑貨屋ともいうべきその店の入り口にあなたと七穂は足を踏み入れた。  店の中は怪しい雰囲気を醸し出すようにする為か照明などは薄暗くされ、赤や紫、ピンクといったムーディなLEDライトだけが棚や足元を照らして光源を保っている。  店の規模は小さい割に商品の数や種類は他の雑貨店と比べ物にならない程多い為、それらの商品をディスプレイする棚はジャンルや種類などこだわりなく置かれ雑然としている様子がうかがえる。  そして店内に置けないような大型の商品や映像関係の商品は店の外や入り口の目につくところにはみ出すように配置されていて、中の混沌とした様子を店の外からでも味わえるような雑さが見て感じられる。  しかしながら、この“雑さ”がこの店の持ち味でもあり、海外のノリとでも言うべきワイルドさを味わえるため馴染みのない日本人には新鮮に映ってしまう。  今にも崩れ落ちそうな陳列のされ方をしている高い棚……その棚に縦横無尽に置かれている雑貨の数々……。こういう場所に縁遠かったあなたは、情報量の多いその店の商品の陳列に視線を上下左右あらゆる方向に動かし何処に何があるかを忙しなく見て回っていた。  七穂の方はというと、こういう店に入るのは初めてではないらしく……数ある商品たちを流し見程度に確認しながら、目的のものが見当たらないと知るやあなたの手を引いてズンズン奥へ奥へと進んでいった。  彼女の誘導に従い棚の迷路を奥へ奥へと進んでいくあなたは、通り過ぎていく珍しい商品の情報とまた新たに視界に入ってくる新鮮な情報とが入り混じり、頭の中が常に情報の交通渋滞を起こしてしまい若干の疲れを感じてしまうようになる。  始めて来るこのような雑貨屋なのだからゆっくりじっくり見て回って店の理解度を深めかったとも思うのだが……罰も兼ねたデートでそのような配慮を七穂がしてくれる訳もなく、あなたは彼女に連れ回される勢いで店の中を高速で見て回る事を余儀なくされた。 「あっ♥ ありました♪ コレを探してたんですよぉ! コレです、コレぇ~!」  棚の置き方も順不同で整然とはしておらず、とにかく通路さえ確保していれば棚の角度はお構いなしといった考え方である為店内に置かれている棚の向きはそれこそ迷路のように複雑に入り組んでいた。そんな棚の迷路を最奥まで抜けあなたが辿り着いたコーナーは、美顔器や化粧水や口紅などの置かれた女性用コスメが多く置かれた壁付けの棚のコーナーだった。  店の最奥の壁際にあるコーナーであるのと、背後には背の高い棚が壁の様に立ち塞がっている事が幸いし、あなたと七穂の姿はきっと他の客の視線には晒されていない。  通路は人がすれ違う事も出来ない程狭く……背後にはすぐに棚がある為圧迫感すら感じてしまう。そんな場所に七穂と二人きりで入ったのだから……彼女の身体は自然とあなたの身体と密着する形となり、体温を間近で感じ取れるくらいの距離にあなたは居る事になる。それだけでも彼女を意識させるのに十分の威力を持っているが……七穂はここで更に、棚の上にある商品を大袈裟に腕を挙げて指差し、あなたにワキまで見せる格好を取り始める。目の前でそのような格好をし始めるものだから、あなたの上擦った感情は更に熱量を増してしまい……早速手を出したくなる衝動が沸々と湧き出し始めてきてしまった。 「先輩! アレ取って下さい♪ あのクラゲみたいに沢山脚の生えた道具! お試しできるヤツ♥」  晒されたワキに視線が固定されそうになっていたあなたに七穂はピョンピョンと爪先立ちでジャンプしてあなたにその道具を取るよう催促をする。  七穂が指で差した延長線上には、壁のフックに掛けてあった“ヘッドマッサージャー”なる道具が見受けられ、その商品の隣に彼女の所望している“お試し商品”と書かれたソレがフックに掛けてあった。  球体の骨組みを形作っているかのように丸みを帯びた円形状に曲がった沢山の脚……その脚は全てステンレス製のしなやかな金属で作られていて……触ると針金の束の様にジャラジャラと金属特有の擦れ音を出してくる。  確かに七穂が言うようにそれの見た目はクラゲの様なフォルムに見えなくはないが……これがヘッドマッサージャーだと言われてもどのように使えばいいのか見当もつかない。  あなたは首を横に傾けながらも所望の品を七穂に手渡し、彼女がどのようにそれを使うのかを観察させてもらった。 「コレはですね~このクラゲの脚の部分を……頭の頭頂部からゆっくり刺したり抜いたりしてマッサージする道具なんですよぉ♪」  七穂はソレの使い方を知っていたようで、あなたから手渡されるや否やソレの柄の部分を右手に握って自分の頭上へ運んで行き、脚の部位が頭頂の周りに着地していくように配置させた。 「こんな感じで……頭の上に構えて~後は、頭に刺し入れるように押し込んであげれば……」  自分で解説して自分で実践して見せようとマッサージャーを頭上に構えた七穂……あなたはその姿を見て再び予期せぬ興奮を強いられる事となる。  頭の上にソレを構えれば……当然腕は上がる為ワキがまた見放題になってしまう。  こんな至近距離でそのような事をされれば……どんなに鎮めようと思っても勝手に興奮が湧き立ってしまうに決まっている。  あなたは七穂の頭上に目を向けず、彼女の柔らかそうなワキに目線を集中させつつ彼女の解説に心ここに在らずの頷きを返した。 「ッっはぁ~~~~~~っはっ♥ うひゃ~~はっ!! 思った以上にゾクゾクしてくすぐったい♥ コレコレ♥ これがヤバいんですよぉ!」  ワキに視線を奪われていたあなただったが、七穂が不意に漏らした“くすぐったい♥”という言葉によって心臓は更に高鳴ってしまい思わず彼女の頭の方に目を向けてしまう。  そこには、頭上から差し込む為に柄を握り込んでいる七穂の右手と、頭の横サイドの形に添うように少し曲がったマッサージャーの脚たちと、梅干しを噛み込んだときの渋そうな表情をしてくすぐったそうにしている七穂の顔が目に映ってきた。  マッサージャーの脚はステンレス製で1本1本が針金の様に細く作られている。針金の様に細いとは言っても針金ではなく材質はステンレスで出来ている為加わる圧力に対してしなやかに形状を変え頭の側面をなぞるように入り込んだり、頭から抜くとその形状はまた先程と同じように細長い球を模したような形に戻っていく。  そのような素材の脚であるからそれを頭頂部から押し付けるように動かせば、力に負けた脚たちは頭の形に添って撫でていくような刺激を与えている筈だ。  脚の先には丸みを帯びた樹脂が小さな靴を履くように付けられている為、先端が尖っておらず痛くはない。痛くはないがその代わり……その樹脂の部分が頭のあらゆる表面をなぞって刺激していくだろうから、押し込む動作や抜き出す動作をすれば複数の箇所を同時に撫でられる感触を受ける事だろう。  それが“くすぐったい”という刺激になるのも……想像出来なくもない。髪を切る際に頭を触られるだけでこそばゆく感じてしまう……あの感覚にきっと似ているのだろう。首をすぼめてくすぐったがる七穂の姿がそれを連想させる。 「あっはぁ~~~♥ うひゃ~~~ぁはっ! ひぃっ! ぃひぃ~~~~♥ ダメダメ! 私これ駄目! くすぐったすぎて……耐えられない♥」  自分で刺し込んでは、勝手に悶えてすぐに頭からそれを離してしまう……それを繰り返している七穂に、あなたは「嫌がるなら何でそれを取るように指示したのだろう?」と、当然な疑問を頭に過らせる。  しかしその疑問は、七穂の次の行動によって明らかにされる事となる。 「ハァハァ……。私はこのくすぐったさに耐えられませんけど、くすぐりが性癖の先輩だったら……勿論余裕で耐えられちゃいますよね?」  若干涙目になりながらもその様にあなたに尋ねて来た彼女……  あなたはその言葉に対し「くすぐりが好きだからくすぐったい刺激に耐えられる訳では……」と言いかけるが、その言葉を言い終わらない内に不敵な笑みを浮かべた七穂の顔があなたの顔に迫り、続きの言葉を呑み込まざるを得なくさせられてしまう。  この様な狭い空間でその様に顔を突きつけられれば……身体が更に密着するのは当たり前の事であり、七穂の甘い息すらも頬に当てられるこの距離感はこれからキスの一つでも行いそうな勢いを感じてしまう。このまま手を腰に回されてそのまま唇を重ね合わせるのではないだろうか? と、その様に期待を膨らませてしまたあなただったが……  七穂は腰に両手を回すところまではしてくれたが、あなたの期待した行為を行う素振りも見せずに後ろに回した両手で先程のヘッドマッサージャーの柄を握り、それを今度はあなたに味合わせてやろうと頭の上に構え始めたのだった。 「フフフ♥ こうして抱き着く格好になったら簡単には逃げられないでしょ? いきますよぉ? ほら……ズブ、ズブズブぅ~~~♥♥」  七穂はあなたが逃げられないよう肘であなたの首元を挟んで動きを封じつつ掲げた両手をゆっくり降ろしヘッドマッサージャーの脚をあなたの頭に突き刺し始めた。  頭頂部から抑え込むような圧を加え始めた七穂の手の力によってマッサージャーはゆっくりと脚を頭の縁の形に沿って広げつつ頭の奥の方まで侵攻するようになぞり上げていく。その刺激はくすぐったさを通り越して……寒気を催すほどの気色悪さをあなたの頭の神経に伝わせ始めた。  まるで頭の内部を冷たい手で触られ撫でられているかのよう……それが頭の至る所で同時多発的に行われ寒気以上の嫌悪感を感じる事となり、あなたは思わず悲鳴と共に身を捩ろうと力を込めてしまう。 「ほ~ら! 動いちゃ駄目でしょ? これも罰の一環なんですから……大人しく私のコレにやられてください♪」  罰だと言われれば……あなたは逆らう訳にはいかなくなる。そんな理不尽な命令を出してくる七穂に対してズルいとは思いつつも、あなたは大人しく彼女のヘッドマッサージ責めを受けられるよう抵抗を解除するしかなかった。 「ムフフ~~♥ どうですかぁ? こそばくて、気色悪くてゾクゾクするでしょ? コレを先輩に味合わせて見たかったんですよぉ♪ やっと夢が叶いましたぁ♥」  目をキラキラさせながら……さも嬉しそうにあなたの頭にマッサージャーを何度も抜き差しして刺激を加え続ける七穂。  彼女自身は望みが叶って嬉しそうにしているが、マッサージャーを差し込まれ続けているあなたはたまったものではない。  差し込まれる度にマッサージャーの脚が頭の側面を包囲するかのように包み込んで一気に撫で上げていく。その刺激は頭皮への刺激というよりも頭内に張り巡らされた神経を直接くすぐっているかのような錯覚すら引き起こしてくる。  そして脚が開き切るくらいまで奥まで差し込まれたマッサージャーを今度は引いて抜く作業に移る事になるのだが……この抜く作業の刺激も耐え難いこそばゆさを生む。  頭の縁をなぞる様に刺激してきたマッサージャーの脚が、今度は来た道を戻る動きを始め再び頭頂部に向けてなぞりを入れ始めるのだ。  押し込む時程の力は加わらない為刺激としては強くない部類に入るのだろうが……しかし、一度なぞられたコースを再び似たような刺激でなぞられるという感触は、どういう刺激が加えられるかを経験している分刺激に敏感になり過ぎてしまっていて、例え僅かななぞり上げだとしても強いこそばゆさを感じてしまう。  更にそれらの差し引きを何度も繰り返されるものだから、刺激の嫌悪感は頭の神経に焼き付く形となり、回を重ねるごとのもどかしさが増していく。  しつこく抜いたり刺したりを繰り返す七穂に……徐々に我慢できる余裕が削られてきている事が自分でも分かってくる。  大笑いする程のくすぐったさを与えられている訳ではない。しかし……このステンレス製の脚に撫でられる刺激は寒気とムズ痒さを覚え、もどかしくて仕方がない感覚を強く与えられる。  それがこそばゆいという刺激と大差ないものだとは分かっているのだけど……この刺激が生むのは気色悪さ以外の何ものでもない為、笑いよりも嫌悪感の方が際立って感じられてしまう。  くすぐったいけど今すぐに止めて貰いたいと思える程気色悪い……  あなたはこの刺激から逃げたいが為に後退りを続け……いよいよ七穂に押し込まれる形で店の角の壁に背中をつけて逃げ場を失うまでに追い込まれてしまった。  密着する七穂の身体……  あなたの身体を肘で抑え込むという行為を取らなくても身体を密着させればあなたの身動きを封じる事が出来ると分かった彼女は、接近させていた身体を完全にあなたに密着させ……あなたを壁に押し付ける体勢でマッサージャーでの責めを続けた。  彼女の柔らかい胸が……あなたの胸の少し下付近に押し付けられている。その胸の感触も服越しに伝わって来るし上げている彼女の腕の体温も頬を伝って感じ取られる。  それは幸福以外の何ものでもない感情を生むシチュエーションである筈なのだが、頭全体をゾクゾクさせられる嫌悪感がその幸福感を打ち消し、この責めを早く終わらせたいと思う気持ちの方を強めてしまう。  壁を背に追い込まれたあなただが、七穂にこの責めをやめさせる手段が無い訳でもない。  コレをやれば絶対に七穂はマッサージャーを頭から抜き去って逆に悶えてくれるに違いない。  ソレを行うのに最適の格好を……今彼女は取っているのだ。  あなたを責めるのに夢中で……意識していないであろう両腕……  ……その付け根に位置するワキの部位を、大きく開いた状態であなたの目の前に晒しているのだ。  頭の上にマッサージャーを構えるには、どうしても腕を大きく上げないと七穂の身長ではあなたの頭頂部には届かない。  だから、このマッサージ責めを行っている際は常に……彼女の腕は万歳したような格好になり続けていた。  わざわざ両手でマッサージャーの柄を握って……両方の腋をあなたに見せつけるように上げているのだから、それが罠だという事は考えなくても理解出来ている。  “くすぐって下さい”と言わんばかりにワキを見せつけ、あなたに手を出させようと企んでいる彼女の思惑は分かり切っている。  しかし、手を出せば……その後に訪れるのは“七穂を自由にできる権利の剥奪”と“ホテルでの更なる罰の執行”であり、折角ここまで我慢してきたあなたの努力は無為に帰すこととなる。  それは勿体ないというか……避けたい事ではある。  足の裏を見せられても脇腹を触らせて貰っても我慢してきたこの努力を……一時の欲望に駆られて無に帰してしまうのは本望ではない。  だから……我慢しなくてはいけない。ちゃんと我慢を……  と、あなたはどうにか理性を保とうと頭の中で我慢しなくてはならない理由をいくつも並べ立てようとするのだが……  今までの誘惑と違い今回は七穂に責められているという特殊な条件が加わっており、頭の中の理性が上手く働いてくれない。  何かを考えようとする度に、この不快感を生むマッサージャー責めが脳内の考えをグチャグチャに搔き乱してしまい、形作ろうとしていた理性を毎度吹き飛ばして去って行ってしまう。  もはや頭の中は“七穂をくすぐってこの責めをやめさせなくては”という考えが強く蔓延り、密着している彼女の体側部に思わず手を添えてしまいそうになってしまっている。    ギリギリのところで「ダメだ! 触っては駄目だ!」とブレーキが掛かり手を出さずには済んでいるが、その次の瞬間には頭に強烈な嫌悪感がばら撒かれ「今すぐにやめさせなくては」という思いに書き換えられてしまう。  触ってはいけないという思いと、やめさせるためにくすぐりたいという思い……二つの意見があなたの頭の中で拮抗し……あなたは手を上げそうになったりその手を下げたりとどっち付かずの状態に陥ってしまっている。  何もされず、ただ見せつけられているだけなら……どうにか耐えられたかもしれないこのワキ見せだが……今回は“七穂の責めをやめさせたい”という大義名分がチラついてしまっている。  やめさせるために仕方なく……という言い訳を自分の中でいつでも発動できるシチュエーションに放り込まれている。  このまま……成すがまま七穂に責めを行わせて……情けない悲鳴を上げさせ続けるのが良いのか……それとも、罰を受ける覚悟で七穂に少しの反撃を試みるのが良いか……  あなたはグチャグチャにされている思考をどうにかまとめようと努力し……  そして……一つの結論へと着地する事となる。  あなたは、責めに夢中になっている七穂に対して…… A:「やっぱり我慢できない! くすぐってやめさせてしまえ!」と欲の方を優先し、七穂の無防備な腋に手を向かわせてしまった。→#27へ B:「ここまで来たら我慢しかない!」と強い意志を再確認し七穂の責めを甘んじて受ける事を貫く事を選んだ。→#30(予定)へ

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