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#15   大型ショッピングモールにありがちな、大きすぎず小さすぎない……でも漫画から教育書、サブカル物から写真集に至るまで老若男女の読み物を幅広く取り揃えた本屋が次の目的地となった。  背の低い棚には漫画雑誌やファッション雑誌が列をなすように並べられ、そこから少し奥に入ると高い棚に囲まれた漫画コーナーが配置されている。そして壁際には小学生から高校生までの各種参考書や問題集が学年別に綺麗に整理され置かれており……高校生の参考書より先には、大人になっても勉強する為の福祉や医療、分厚い経済学や経営学の本、科学雑誌から宗教本に至るまで多種多様な専門書が部門別に並べられ、そのコーナーだけは誰が取るんだと思わず突っ込みたくなる程天井に近い棚の上の方まで所狭しと本が鎮座している様子を伺えた。  七穂は雑誌や漫画のコーナーを軽く横目に見ながらも、本を手に取るような事はせずあなたと「あの漫画は今どうなってる~」や「この雑誌のこの漫画を最近読んでる~」などの他愛ない会話をしつつあなたと共に全ての棚を順番に見て回った。  そして、時折何かを探すかのようにキョロキョロと周囲を確認したかと思うと……目的のモノを見つけたのか、七穂はあなたとの会話の途中でありながらもそれを手に取ろうと歩を進め、本棚の一角に置かれていたあるモノを手に取ってあなたの元へと戻ってきた。 「あったあった♪ コレ、探してたんですよぉ♥」  と、言って彼女が抱えて来たものは、棚の上の商品を取る為に用意されている小さいサイズの台座……  背の高い棚や壁に備え付けられた棚の上部に置かれている本を取り易くするために本屋がサービスで置いてくれているその台座を抱えて持って来た七穂は、それを抱えたまま本屋の奥隅にある『心理学』と書かれたコーナーへとあなたを連れて行く。  簡単な心理テストが載っているライトな読み物から、外国の偉い学者が書き上げた論文の様な専門書まで……心理学というコーナーひとつ取っても実に様々な用途に用いられる本が棚の天井近くまで並んでいる。  下から順番に上に行くほど専門性が高くなるそのお固そうな蔵書の数々にあなたは圧倒されそうになるが、七穂はそんなあなたを気にも留めずマイペースに先程手に持った台座を棚の真下に配置して準備が整ったと言わんばかりに「よし」と小声を漏らす。  そしてあなたの方を振り返ると、棚の一番上にある本の列を指差して…… 「あの本、アレを今から取りたいんですけどぉ~~」  と、零してニコリと笑顔を見せる。  てっきり……自分よりも背の高いあなたに「その本を代わりに取ってくれ」とお願いするのかと思ったが、七穂からの要求はそのような内容のものでなくあなたを驚かせてしまう。 「先輩には私の身体をこの踏み台から落ちないよう支えていて欲しいんですよねぇ~~?」  その様にお願いされあなたは困惑した。  あなたなら台座に乗らずとも少し爪先立ちして背を伸ばせば手は届くだろうし……わざわざ背の低い七穂が無理して自ら取る必要などない。台座を用意したり支えるなどの手間もあなたに頼めば必要ない筈なのだが…… 「勿論手伝ってくれますよね? 無防備に手を伸ばしてる私の身体を……シッカリと先輩の手で……♥」  そのように言ってニヤリと笑みを零す七穂。  その表情を見てあなたは、この“身体を支えてあげる”という行為が彼女の企みの一つであった事に気付いてしまう。 「私はこれから後ろを向いて台座の上で爪先立ちになって手を上に伸ばしますけど……紳士である先輩はそんな私がバランスを崩さないよう後ろからしっかり支えてくれますよね? 私の……この……“脇腹”付近なんかを掴んで……」  ジトリとした視線であなたを怪しむように見る七穂の目……その目と口元に浮かべた笑みがあなたに直接このように語り返る…… 『まさか、脇腹を支えるフリしてくすぐったりしませんよね?』と……。  あなたはその目を見てゴクリと生唾を呑み、改めて彼女の脇腹に視線を移してしまう。  上に着ている黒のポロシャツは決して丈が長いタイプのモノではない。だから手を上に伸ばすような仕草をすれば、全部ではないにしろある程度は腹部や背中は裾とベルトの隙間から露わになってしまうのは分かっている。  そんな腹部や背中が露出するという事は……当然脇腹の部位も僅かだが露出する筈である。その露出した肌を……これから触らせてくれるというのだ! 本を取る為に身体を支えるという名目ではあるが、その短い時間の間だけは直に触る事が出来るというのだ!  普段は見る事も許されない程にガードが堅い七穂の素肌を……見るだけでなく触る事が出来てしまう……そんな素晴らしいチャンスが与えられるというのだから、あなたが興奮しない筈がない。  あなたは彼女の“支えてくれ”というお願いに対して“自分が取ってあげようか?”という様な無粋な返しはせず、何も言わずに了承の返事を彼女に返してあげた。 「フフフ♥ それじゃあ……しっかり支えてくださいね? 分かっているとは思いますが……支えてる指をピクリとでも動かしたら……それは“くすぐった”とみなしてそこでデートは中断しますからね?」  念を押すようにその様にあなたに釘を刺す七穂だが、あなたはその警告をしっかりとは聞いていない。  頭の中は既に七穂の脇腹の感触の想像で一杯であり……他に何も考えられてはいないのだから……。  七穂はそんなあなたの生返事を聞きつつクスリと笑みを零し、本棚の方を向くために身体を反転させる。ポニーテールを揺らしながらあなたに背中を見せた七穂は、ゆっくりと台座の階段を1段ずつ上り3段目にある狭めの天板に両足を揃えた。  3段登ったとは言え、元々低身長だった七穂が台座の上に立ってもあなたの頭と並ぶ程度しか身長の嵩増しは出来ていない。だから、台座の上に立っても爪先立ちしないと本棚の上部には手が届かない。 「よいしょっと♥」  七穂はその事を理解したうえで何の躊躇もなく爪先立ちになり棚の上へと手を伸ばし始めた。  背中越しだが袖の無い服を着ている七穂が手を上へ伸ばせば“腋”が露出するのは見なくても想像できている。  しかし残念なのは後ろを向いている格好である為、彼女のワキを直接見る事は出来ない。せいぜい見れても肩の丸みと肩甲骨の一部だけなのである……  直接見れないのは残念だが、両腕を上にあげた事によって上着が少しだけ引っ張られ裾から七穂の少し曲がった腰骨が露出する事となった。  そして腰の部位が露出したという事は同時に脇腹の方も露出しており……あなたはそこで初めて彼女の柔らかそうな脇腹の肌と対面を果たす事となる。  大学に入り水泳は辞めてしまったとはいえスポーツジムには定期的に通って身体を健康的に絞っている七穂……。そんな彼女の脇腹は見事に引き締まっていて……一切の弛みも見られない。  とはいえ……筋肉質である訳ではなく、女性特有の柔らかさは健在で腕を伸ばす仕草に合わせて脇腹の肌も腕に引っ張られピンと伸びながらも少しの動きで肌の形状が変わる様子も見られている。  しなやかで柔らかそうな肌……というのがあなたの初対面の感想だ。 「せぇ~んぱい? 見てないで良いですから早く支えてくださいよぉ! この格好……結構バランス悪いんですから……」  あなたが七穂の肌をその様に評価していると、中々支えようとしないあなたに対して七穂が顔だけあなたの方を向き返ってその様に催促を出す。  足元を見ると確かに彼女の爪先立ちはプルプルと震えており、その姿勢を維持するのがしんどい事をあなたに知らせている。  あなたはその促しに誘われるように1歩足を前に出し七穂の身体に密着するように立ち、目の前に晒されている無防備な彼女の脇腹に両手をゆっくりと近づけさせていった。  七穂は、何かを覚悟するかのようにクッと口を閉じ、再び本棚の上に伸ばした手を見るように顔を上に向かせた。  肌を掴もうと指先に力を込めているあなたの手のすぐ目の前には、小刻みに震えている彼女の脇腹の肌が迫っている。  態勢を維持するのがキツくて震えているのか……それとも触られる事に緊張して震えているのかの区別はつかないが、あなたはその可愛く震えている彼女の脇腹の柔肌の感触を確かめるように……まずは人差し指だけをその肌に着地させ肌の柔らかさを確認した。 ――チョン♥ 「んひッ!? ヒ、にゃぁ~~~~~っ!?」  あなたの指が触るや否やそのような情けない声を出してしまう七穂……  ただ普通に触られただけの刺激である筈なのに、思いのほかくすぐったいと感じてしまったのか思わず脇腹をガードしようと腕を下げそうになってしまう。  しかし、肘を曲げたところでそのガードしようとしてしまう本能をグッと我慢し、再び自らの力で腕を上げ直していく七穂……  その精神力の強さを見たあなたは、感心してしまうと同時に……だったらどれだけやったら彼女は手を下げてしまうのだろうか? 試してみたいなぁ……というイケナイ悪戯心が芽生えてしまう事となった。 「はひ、はひぃぃ……ひぃ……は、早く掴んでくださいよぉ! そんないやらしい触り方じゃなくてひと思いにガシッとやって下さい!」  七穂はお尻を軽く振って嫌がる様な仕草を取りながらあなたにその様に要求する。  あなたは「はいはい」と返事を返しながら、再び手に意識を運びつつ七穂の脇腹に全ての指を着地させその部位を掴むように力を込めた。 ――ガシッ! ガシッ!! 「にゃヒッ!? ひィぃぃッっ!!!!」  左右両方の脇腹に指が沈み込む程度の力を込めて同時に掴み七穂の身体を支えるよう行動を起こすと、七穂は身体中に電気が流れたかのようにビクビクっと身体を震わせまた腕を下げそうになった。  しかしながら今度もその腕を最後まで降ろす事はなく……おそるおそる腕を伸ばし直していくと、口を震わせながらまたあなたへ注意喚起の言葉を零し始めた。 「ぃひっ! い、い、いいですか? そ、その手を……モニョモニョさせたら……ダメですからねっ! くっふっ!! 絶対……ダメですよ? 絶対ですよ? 良いですね?」  身体をくねらせながらも堪え切れていない笑いを僅かに零しつつその様にあなたに念を押す七穂。どうやら彼女は自分が思っている以上に脇腹への刺激に弱かった事が分かり、あなたに懇願するようにその言葉を繰り返してきた。  七穂の脇腹の肌は腕が伸ばされているが故に反発力が強くあなたの指を肌の中から押し返そうとする抵抗力を感じられる。しかしながら、彼女の肌自体は柔らかく弾力もあり、肌の上気した体温も感じられ触り心地は最高である。  恐らく、あなたがほんの少し指を動かすだけで……七穂は狂ったように笑い悶えてしまうだろう。今度こそ腕を上げ直す事も出来ないくらい暴れて、台座の上に思わずでしゃがみ込んでしまうくらいあなたのくすぐりに笑い崩れる事だろう。  そんな姿を……見てみたい。  無防備な脇腹をくすぐって……七穂が我慢できずに笑ってしまう姿を……見てしまいたい。  しかし、それをしてしまうと……デートがそこで終わってしまい、あなたは七穂のお仕置きを受けなくてはならなくなる。  しかし見たい! 見たいという気持ちは膨らむばかりで収まる気配を見せない。  必死にくすぐったいのを我慢して手を伸ばそうとする七穂……  いつあなたの指が動き出すか分からず、手を挙げながらも不安と緊張を混じらせている様子がその震えから伝わってくる。  今指を動かせば確実に七穂は身体を激しくビクつかせながらあなたの手つきに笑う反応を返してくれることだろう。  この指を少しでも動かせば……  脇腹の肌に少しでも深く食い込ませてしまえばたちまちに彼女は崩れる様な体勢で笑い悶えてくれる事だろう……  見たい。その姿を……是非見てみたい……。  あなたは……  その欲を……満たすべきか、我慢すべきかの岐路に立つ。  欲を我慢して紳士である事を貫くか……  それとも、今ここで欲を解放してしまうか……  少しの時間迷った後、あなたがとった行動は…… A:我慢なんて出来るハズが無い! あなたは欲の赴くままに七穂の脇腹をくすぐってしまった。→#16へ B:我慢しなくては駄目だ! と何度も言い聞かせ、くすぐりたい欲を無理やり抑え込んだ。→#20へ

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