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20:極限の選択 「あぎゃぁぁぁっぁぁぁぁぁははははははははははははははははははははははははははははは!! えぎぃぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、ィヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!! く、くるひぃっっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ!! らめっっッへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、はぎゃぁ~~っっははははははははははははははははははははははははははははははは!!」  無防備な腋は勿論、床から浮かされた足の裏、敏感な首筋や背中……、引き締まった脇腹、触られる刺激に弱い内太腿……。ありとあらゆるこそばゆさを感じてしまう箇所に部下達の指は這い回っている。  背中や首筋、内太腿などの繊細な動きに弱い箇所は指先だけで撫で上げるような動きで責め、腋や足の裏、脇腹等のくすぐりに弱い箇所は揉み込む様に強く刺激したり、逆に触れるか触れないかのフェザータッチで焦らしたりと様々なテクニックを駆使して琉姫を責め立てる。 「いびゃあぁぁぁはははははははははははははははは、ワギだめぇぇへへへへへへへへへへへへへ!! あじの裏もくずぐっだいぃぃぃぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひ!! 脇腹揉まないでぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!! 背中も首筋もだめっっっ!! もう触らないでぇぇぇへへへへへへへへへへ、ひぎゃあぁははははははははははははははははははははははははははははははは!! いぎでぎないぃぃぃぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、笑い過ぎでいぎがでぎないぃぃぃぃぃぃひひひひひひひひひひひひ!! みゃぁぁははははははははははははははははははははははは、いへひっっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」  6者6様のくすぐり責めに、普段のツンツンとしたクールな表情など一片も感じさせない豪快な笑いを吐き出し続けている琉姫は、その尋常ならざる擽痒感に笑いが止められず呼吸もままならず常に酸欠状態で居る事を強要されている。  息を吐くことは出来るが吸う事が殆ど出来ない。笑えば笑うだけ肺の中の酸素を消費してしまい、まともに酸素を取り込む事が出来ない。  このまま続けられれば窒息死してしまうのではないかと毎度思うのだが……意識を保てる限界が迫った瞬間、絶妙なタイミングで悠里から「ストップ」の声が掛かり、部下達の手が少しの間止まる。 「はぁ、はぁ、はぁ……。ゲホッッ、ゲホッ!! はひぃ……はひぃ……はぁ、はぁ、はぁはぁ……」  空っぽにさせられた肺にこのタイミングだけは酸素が循環し始めるのだが……。 「はぁ~い。休憩終わり♥」  この言葉の直後からまた肺の中に巡った酸素を搾り取る拷問が再開する。 ――コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ! コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!!  合図とともに一斉に蠢き始める60本もの指達。   身体の各部位を薬液の効果で敏感にさせられた琉姫には、それらの刺激に一瞬でも耐える余地を与えてはもらえない。 「ま、待っっっ――で、ぃひっっ!? ひっっ!!? えぎゃぁあぁぁはははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!! いぎぃぃひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ、ひゃめでぇぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!! だひゃ~~っはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!! いへひゃはははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!」  結局、蓄えた酸素はものの数秒で吐き出し尽くし、また地獄のような酸欠笑わせ責めが繰り返される。    腋の窪みを弄る指から逃れたいから腕を下げようとするが、枷によって斜め上にあげさせられるように拘束された腕は下げるどころか動かす事すらも叶わない。 「やべでぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへ、またぐるじぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひ、またぐるぐなっでぎだぁぁぁぁははははははははははははははははははははははははははははははは!! いぎぃぃぃっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ!!」  足裏の土踏まずをコソコソと引っ掻く指をやめさせたい! 足指の間を愛撫するように丁寧に触ってくすぐる指を跳ね除けたい! でも脚も……大きく開かされて左右別々に枷に拘束されている為そういう動きもさせて貰えない。 「ぎゃ~~っはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、太腿っっっ!! そんなトコ触るなぁぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、いきぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!! くすぐったひぃぃぃぃぃぃぃぃっっ!!」  大の字に脚が開かされている為、その付け根の内太腿はどんなにいやらしく触られようとも何の抵抗もさせて貰えない。  敏感な神経が皮膚のすぐ下を通っているその箇所を指先でモジョモジョとこそぐる指達から今すぐに逃げたい! 「へひぃぃぃぃぃぃぃ~~~っっっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ!! アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!! 背中もだめっっっ!! 首も嫌ぁぁぁぁぁははははははははははははははははははははははははは!!」  腰に巻かれたベルトでしっかりと身体を固定されている為、背中を上下にゆっくりなぞる10本の指先から身を捩って逃れる事も出来ない!  頭は振って動かせても、根元である首筋は頭をどんなに振ろうと刺激から逃れる事は叶わない。首の裏の敏感な筋に寒気を生むようなフェザータッチの指が這っても自分ではどうする事も出来ない……やっぱり刺激からは逃げられない! 「あっッッ!だ、だめっっっっ!! そこはだみぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!! いぎゃあぁぁぁははははははははははははははははははははははははははははははは、ひぃ、ひぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひ!!」  そんな逃げられない刺激の中でも、脇腹と脇の下への刺激は特に耐え難い! 琉姫自身がその箇所への刺激に弱いというのは勿論だが、薬液の効果でさらに敏感にさせられている為その相乗効果は天井知らずに高まってしまう。  刺激に弱いと分かっているにもかかわらず、部下達の手は容赦がない。  限界まで引っ張られて腕を拘束されている為、脇腹の柔肌も緊張するようにピンと張りつめている。そんな緊張状態にある横っ腹の筋を背後からマッサージでもするかの様に揉み込まれれば、誰でも暴れ狂って笑い転げながら逃げようとするところだろう。しかし琉姫には転げる事も逃げる事も許されていない為、ただただ笑う事を強要され続けられる。その強烈な刺激から少しも逃げられずに……。 「みゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、はひはひっ! ぶひゃっっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! げひぃ、へひぃぃ! んあ゛ぁぁぁはははははははははははははははははははははははははははははははははははは、ゲホゲホゲホッ!! はひっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、ギヒャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」  そして、琉姫の意識が朦朧とし始めるとすかさず悠里のストップが入る。琉姫を気絶させない為に……絶妙なタイミングで休憩を挟んでくる。 「んはっ……はひ……はぁ……はひ……ひ……ひひ……えひひひ……ひひ……」    目の焦点は合わず、笑いの余韻に翻弄されながら……ただ荒い呼吸を繰り返して僅かに与えられた休みの時間を消費する琉姫。出来ればこのまま解放してもらえればどんなに楽だろう……と、何度も頭の中で儚い望みを過らせてはいるが、その願いが叶えられる事は無い。  呼吸がある程度整ったのを見計らうと、悠里は無情にも再開の合図を送ってくる。 「はぁ~い、休憩終わり~ぃ♥ また笑わせちゃいなさい♥」  それを合図に部下達がまた手を構えなおす。琉姫の無防備過ぎる裸体に向かって……。 「ま、ま、待っへ!! おでがい、待っへぇぇっぇ!!」 ――コチョ♥ 「あぎっっっ!!?」 ――コチョコチョ♥ 「へひっっっひひひひ!! ひゃ、ひゃめへっ――」 ――コチョコチョコチョコチョコチョコチョ♥ 「えひっっっっっっ!!? へひぃぃぃぃぃぃぃぃっっひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!!」 ――コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ! 「ひっ!!? い、いぎゃあぁぁーーーーっっっっはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!! もうやだぁぁぁははははははははははははははははははははははははははははははははははは、もう限界ぃぃひひひひひひひひひひひひ!! ホントにもう限界ぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!! イヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!」 「あらぁ~? もう限界なの? 琉姫ちゃんったら……だらしなぁ~い♥」 「アギャアァァハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!! やめでぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、えひぃぃひひっひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!! やめざぜでぇぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」 「フフフ♥ もう苦しいのは嫌でしょ?」 「苦ひぃのは嫌ぁぁはははははははははははははははははははははははははははははははは!! もう嫌ぁぁははははははははははははははは、ぃあぁははははははははははははははははははははははははははは!!」 「じゃあ……気持ち良く……なっちゃう? この苦しみから解放されて……」 「ヘヒハヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!! な、な、何でもいいからやめでぇぇぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!! もう何でも良いがらぁぁぁはははははははははははははははははははははははははははははははははは!!」  「じゃあ、この注射……打っても良いって事かしら? 解放されるために……」 「ひはっ!? ま、麻薬っっっふふふふふふふふふふ!! だ、ダメっっッ!! それだけは打たないでぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」 「注射されるのは嫌? だったら……もっと苦しんでもらわないといけないわね……」 「あひぃぃぃぃぃっっ!? もっど?? もっどっで何?? ひゃめへっっ!! 何??」 「みんな? 聞いたでしょ? 琉姫ちゃんはまだ笑い足りないんですって♥ だったら、もう容赦する事ないわ、徹底的に笑わせてあげましょ♥」  「ま、ま、ま、ま、待っで! 徹底的って何?? やだっっ! これ以上は……無理っっっ!!」  悠里の無情な言葉に部下の女性たちは思い思いに返事を返す。元気よく「は~い!」と返す者や、甘く蕩ける様に「はぁ~~い♥」と返す者……。返事の仕方はそれぞれ違うが、くすぐるために構えられた手は皆一様にボールを握る様に丸め指だけをコチョコチョと動かして見せている。  その動きを見た琉姫は背中にゾゾゾっと強い寒気と命の危機を感じとり顔を真っ青に染め直す。  そして消え入るような小さな声で「やめて」と訴えかけるが、次の瞬間にその絞られた声は空気が破裂するかのような笑い声に取って代わる。 ――コチョっ! 「ぴふぁっっっ!!?」 ――コチョコチョ!! 「いぎっっっ!!? ひっっっっっ!!?」 ――コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!!! 「ぴぎゃあぁぁあああぁぁぁっぁぁぁぁあぁあっぁあぁぁぁっっっっっっっははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは、づ、づよいぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!! ら、らめっっっ!! そんにゃに強くしぢゃだめぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!! ぶひゃあぁあぁぁ~~っっっっっははははははははははははははははははははははははははははは!!」  今まで優しく動き回っていた指達は踊り狂うような激しい動きで琉姫の身体中を責め立て始めた。  足の裏を優しく引っ掻いてくすぐっていた手は、片手で足指から先を反対側に押さえつけ足裏を無理やり反らせて皮膚を伸ばせるだけ伸ばし切ると、その伸び切った足裏の皮膚を爪の先でガリガリと強く引っ掻き回してくすぐったり……。  背中を指の腹で撫でていた手も爪を立ててコチョコチョと背中全体をくすぐり回しだしたり……。  内太腿を触っていた手は付け根の恥骨部分をワシャワシャと刺激し耐え難い刺激を送りつけ、首の裏筋だけを責めていた手は表の喉付近も含めて首全体を触って刺激していく。  そして、琉姫の弱点である腋は……彼女から笑いを絞り切るために更なる動きを追加してくすぐり回している。 「いびゃっっははははははははははははははははは、へぎゃあぁははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!! いひ、いひっっっっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ!! ンギャ~~ハッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」  脇腹は揉み込む動きにプラスしてコチョコチョと表皮を掠る動きが追加され、脇の下はあばらの間の最もこそばゆさを感じる箇所に指を入れ込んでグニグニと強く揉み込んでくすぐっている。  そして最も刺激に弱い腋の窪みには、秒刻みで責めをとっかえひっかえして様々な刺激を与え刺激に慣れないよう責め立てていた。 「あひぃぃぃひひひひひひひひひひ!! ゲホゲホゲホ! やめでぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、ゴホ、ゲホ、ゴホっっ!! ぶっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! わぎだめぇぇぇぇぇぇぇ!! ホントに腋はだめぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」  腋の窪みの丘陵を指先でクリクリといじくったり、コチョコチョと指でこそばしたり、指1本だけでクルクルと円を描いてむず痒くさせたり……。  窪みの少し下付近の敏感な肌をモミモミと揉み込んだり、ゾゾゾ~と爪の先でゆっくり引っ掻いたり……。  腋の少し背中側付近を指で掴んでモニョモニョとマッサージしてみたり、二の腕をサワ~っと撫で上げて見せたり……。  様々な刺激を新たに加え、琉姫の弱点である“ワキ”を責め立てていく。  他の部位も普通以上にくすぐったさを感じてはいるが、やはり腋への刺激は別格で……責め手が変わる度に琉姫の反応も激しさを増し、身体をバタつかせて暴れようと枷を派手に鳴らしてアピールする。この刺激には耐えられない……と。 「ぎゃは~~~~っっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、えぎひぃぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、ガハッ、ゴホッ!! くへひぃぃぃひひひひひひひひひ、イハッッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、ひぃ! ひぃぃぃ!!」  群がる女性達の本気のくすぐり責めに涙を流しながら笑い狂う琉姫は、息も絶え絶えになりながらも大笑いを続ける。  これ以上笑って呼気を乱せば命にかかわる事は自分がよく分かっているハズなのに……笑いは止められない。  敏感な素肌を這い回る意地悪な指達の動きに何の抵抗も行えない為、笑いたくなくても笑わされる。  喉が痛みを発し声を発するのも辛いのに笑わずにはいられない。酸欠で苦しくて仕方がないのに……身体中が反射的に動いてしまって疲弊させられているのに……無理やり収縮運動を繰り返されている横隔膜も、肺の筋肉も、身体中全ての関節という関節も痛みを発しているというのに……くすぐりに笑わせれてしまう。耐え難いこそばゆさに……泣き叫ぶような笑いを吐き出し続けている。  辛い……。  笑わされ続ける事がこんなにも辛い事だとは……琉姫は思いもよらなかった。  多少の痛みや凌辱ならば耐えきる自信があった。自分の正義感の前にそのような拷問は児戯に等しい……とさえ思っていた。  しかし、本当にこの児戯のような責め苦に追い詰められるとは思いもよらなかった。鞭を振るわれるよりも、淫猥な器具で無理やりイカされるよりも遥かに幼稚な責めであるハズなのに……心はすでにトラウマを抱えるくらいに折り砕かれてしまっていた。  とにかく辛くて……今すぐにやめて貰いたい。この無理やり笑わされる拷問を今すぐにやめて貰いたい。  そのためならば……自分の信念や正義感など……捨てても良い。  やめて貰えるのだったら……どんな要求でも受け入れてしまっても……良い……。  そこまで思い始めていた琉姫に……悠里は甘く意地悪な囁きを耳に入れ始める。  琉姫の折れた心につけいる様に……。 「琉姫ちゃん? このお薬は……さっきも言ったけど麻薬とは違うのよ」 「はひっっっっひひひひひひひひひひひひひひ! えひゃぁぁはははははははははははははははははははははははははははははははは!!」 「こ・れ・は、媚薬♥ 貴女の事を気持ち良くしてくれるおクスリなの♥」 「えびゃあぁぁははははははははははははははははははははははははははは、えぎぃぃひひひひひひひひひひひひひ!! び、び、媚薬っっふふふふふふふふふ? び、媚薬ぅぅぅふふふふふふふふふふふふふふ??」 「そう♥ 麻薬なんて成分の2%くらいしか含まれていない……後の98%は全部媚薬よ? だから体内に入れても大丈夫♥ 大丈夫なものなのよ……」 「けひぃぃひひひひひひひひひひひひひひ! だ、だ、大丈夫っっっ!? 入れてもっっふふふふふふふふふふふふふふ!! 大丈夫っっっ!?」 「とっても気持ち良くなれるのよ? 今の苦しさが反転して、天にも昇る様な快感を得られるの♥」 「アヒャァァハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!! くるひっっっっひひひっひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!! ぐるじぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひ!! 笑うのがぐるじぃぃぃぃひひひひひひひひひひひひひ、はひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」 「そうでしょ? 笑わされるのは苦しいでしょ? でも、これを打てばその苦しみは消えてなくなるわ♥ 健康的に楽しく痩せれて筋力も付く……素晴らしいおクスリなのよ? これを受け入れてみない? きっと気に入ってもらえると思うの♥」 「はひっっっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ!! で、で、でもっっ!! わ、私はっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、私はそんなもの打つわけにはっっっっ!!」 「そう? じゃあ使いたくなるまで延々と調教する事になるけど……それでも良い?」 「あひっっっっっ!!? 延々と調教っっっ!!?」 「えぇ……。休みを入れながら何日も生かさず殺さずを続けて笑わせ続けるの♥ 部下を交代させながら昼夜問わず延々とくすぐり漬けにしてあげる。貴女がイエスと言うまでずっとそれを続けてあげるわ……ずっとね♥」 「ひぃぃぃぃっっ!! ま、ま、待って!! そんなの酷過ぎるっっ!!」 「さぁ、選んで? クスリを受け入れて私達の仲間になるのか……。それとも身体中をくすぐり漬けにされて笑い狂いながら調教を続けられたいか……」 「はひっっ……ひ……うぅぅぅぅ……」 「ちなみに、今日の選択のチャンスはこれが最後よ? コレを逃せばどんなに苦しもうが明日のこの時間まで聞いてあげない♥ 寝る間も与えずに笑わせるつもりだから……覚悟なさい?」 「そ、そ、そんなっっ!? 最後って……」 「さぁどうする? 彼女達に敏感になった身体をもっとくすぐられたい?」  「ひっっっ!! ちょっっっ……待っっっ!!」 「それとも……私達と一緒に未知の快感に身を委ねちゃう? おクスリの力で……」  琉姫に選択肢は残されてはいなかった。  くすぐりに苦しめられた琉姫だから分かる……。きっと1日もくすぐり漬けにされれば自我を保てず狂ってしまう事だろう……。もう1時間……いや30分……5分でさえくすぐりに耐えられるか自信がない。救いが無くなるという絶望感を抱えたままくすぐられて……果たして次の選択のチャンスまで正気を保ち続けられるだろうか? もう自信がない。今あの薬に飛びつかないと……自分が自分でなくなってしまうかもしれない。  麻薬の成分が……2%だけというのなら……。それは確かに麻薬だとは言わないかもしれない……。  この苦しみが快感に変わるなんて想像だに出来ないが……笑い苦しんで自分を失くしていくより、今だけは言う事を聞いて大人しく身を委ねた方がよっぽど安全な気がする。  あくまで身を守るために一時的に敗北を認めるだけ……  琉姫は自分にそう言い聞かせる。そして…… 「わ、わ、わかっだ! わがっだから……もう……やめで……」 「何が……分かったのかしら?」 「ソレを……受け入れる。その注射……私に……打ちなさい……」 「打ちなさい? そんな言い方あるかしら? 打って欲しいんだったら……それ相応の頼み方があるんじゃない?」 「うくっっっ! くぅ……」 「ほら……どうなの? やっぱりまだ続けて欲しいのかしら? 明日まで……」 「ひっっ!! ま、待って!! 分かったわよ! ちゃんと……ちゃんと頼むから……」 「本当にぃ? 心がこもってなかったら、すぐにやり直させるからね?」 「…………うぅ……分かってるわよ……」 「はい、じゃあ……どうぞ?」 「…………そ、その薬を……打って……下さい……」 「誰に?」 「そ、そんなの! 私に……決まっているでしょ!」 「ほらっ! そんな生意気な口答えしないっ!」 ――コチョコチョコチョコチョ♥ 「あひゃ~~ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! ま、ま、待ってぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!! わ、私にぃぃひひひひひひひひ、私に打って下さいぃぃひひひひひひひひひひひひひひ!!」 「もう一回ちゃんと言いなさい! くすぐられたくなかったら!」 「はひぃ、はひぃ! はひぃ……はひぃ……。そ、そ、その薬を……」 「その薬を?」 「わ、私に……」 「私に?」 「わ、私に……打って……下さい……」 「元気がないわねぇ~~もう一回聞かせて頂戴?」 「んなっ! ちゃんと言ったでしょ!?」 「もう一回よ! ほらっ!!」 ――コチョコチョコチョコチョコチョコチョ! 「んびゃあぁぁはははははははははははははははははははははは!? ひゃ、ひゃめへっっっへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」 「まだ笑い足りない? まだ私の言う事をちゃんと聞けない? うん? どうなの?」 「はへひゃははははははははははははははははは、わかっだぁぁあははははははははははははははははははははは、わがりまじだがらぁぁぁははははははははははははははははははははは!!」 「次は無いわよ? 本当にこれがラストチャンス……。はい、言ってみなさい?」 「ひっ、はひぃ!! わ、わ、私にっっ!! その薬を打ってくださいぃぃ!!」 「もう一回!」 「私にそのクスリを打ってくださいぃぃぃぃ!!!」 「大きな声でもう一回!!」 「ひぃぃぃっ!! わ、私にッ!! その薬をっッ!! 打ってくださいぃっっっッ!!!」 「………………」 「はぁ、はぁ……はぁ、はぁ、はぁ……」 「……フフフ♥ 良く出来ました♥」 「くぅぅぅ…………うぅぅ…………」  勝ち誇った笑顔の悠里と心砕け敗北に身を落した琉姫の絶望の顔……。その対照的な表情が地下室の蝋燭の火に揺らぎ静かに勝敗の行方を影として床に落とし込む。  琉姫は生まれて初めて味わった完全なる敗北感と屈服してしまった自分の情けなさに今更ながら後悔してしまう。  一時しのぎだったとはいえ……あの苦しみを味わいたくないと思ってしまったのは事実だった。  結局負けてしまったのだ……彼女の責めと脅しに……。  自分がこんなにも意思が弱い人間だとは思ってもみなかった。警察官になると決意していた頃誓った……命を賭してまでも自分の正義を守り切るという志も、悪には決して屈しないという信念も……今は床に叩きつけられたガラスのように粉々に砕け散ってしまった。  ……あの責め苦から逃れたい。  苦しみの一片を味わった彼女が行き付いた自分への答えは……何とも原始的な逃走本能だけだった。  そこで初めて……自分の正義感や信念がただの虚仮であったという事に気付いてしまう。    どんな責め苦にも耐えきる自信が確かにあったはずだった……。  どんな悪にも屈しない正義感を持っていると自負していた瞬間が確かにあったはずだった……。  でも、最後に選んだのが正義感でも信念でもなく……苦しみからの逃避だった事に琉姫はやるせない悔しさを噛みしめるほかなかった。    もう戻れない。  楽な方へ逃げてしまった自分を……取り消す事など出来ない。  1度でもそういう選択をしてしまったのだから……また繰り返すに違いない……。底まで失墜した自分への自信はいよいよ後悔の念から自分への失望感へと形を変える。  後は……転がり落ちていくだけ……。そんな言葉が琉姫の頭に何度も過っていった。  そんな言葉を聞き取る能力でもあるのかは分からないが、俯く琉姫の耳元で悠里がそっと口を近づけ小さな囁きを入れる。  顔を上げる気力も失い……自分への不甲斐なさに呆然自失となっている琉姫に……甘い誘惑を差し込んでいく。 「一緒に……転がり落ちていきましょう……」 「…………何処……までも♥」と。

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