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2:笑いの発電  人間は楽しい気分になった時……自然と笑顔を作るものだ。  逆に言えば……この様に狭い空間で手足を拘束され、緊張を強いられている状態で自ら笑おうとする女子などいやしない。  ただでさえ機械達に支配されているという絶望的な環境で……嫌々このカプセルに入れられているいるのに、この中で“声を出して笑え”と言われてもそれを自ら行えるような特異な女子は存在しない。  カプセルに入れられた女子は、理不尽さに怒りを覚える者や不安と恐怖に泣き叫ぶ者、困惑して言葉を失う者など、およそ笑うという行為とは真逆の感情を抱く事になるのだが……  このカプセルには、そんな“笑う事とは真逆の感情”を抱いている女子たちを“無理やり笑わせられる”恐ろしい仕掛けが搭載されているのだ。   ――ピイィ! プシュゥゥゥゥゥ! 『潤笑剤ヲ散布シマシタ。息ヲユックリト吸イ、肺ヲ散布剤デ満タシテ下サイ』  このカプセルが本番の前準備として私達に行う最初の行動は、この“潤笑剤”と呼ばれるガスの散布である。  柑橘系の甘い香りがするこのガスを吸い、肺にコレを満たしていくと、まず全身の神経がビリッと痺れるような感触を味わうのだが……その痺れはすぐに収まり、代わりに身体の皮膚が泡立つようにムズムズし始めジッとしてはいられないくらいのムズ痒さを覚えるようになる。  このムズ痒さは特に……足や内太腿、腹、胸、胸横、腕の付け根などに顕著に見られ、拘束された女子に何とももどかしい感覚を植え付けていく。  そして、1分と経たないうちに、それらの部位がガスによって“敏感”にさせられたという事に気付く事となる。  僅かに空気が揺らげばその揺らいだ空気感を感じられてしまう程刺激に敏感になっており、その敏感さは今まで気にしていなかった機械の稼働音や僅かな振動などもゾクゾク感じてしまう程神経の感覚を鋭敏にさせている。 ――ピィィィ! ゴウン、ゴウン、ゴウン…… 『コレヨリ1時間ノ発電ヲ開始致シマス。チカラヲ抜キ機械ノ刺激ニ逆ラワズ笑イ続ケテ下サイ』  身体の感覚が狂う位に神経を敏感にさせられた後は、いよいよ私達を笑わせるべくカプセル内部の機械達が稼働を開始し始める。  私達を“無理やり笑わせる”事が出来るカプセルだと言ったが……具体的にどのようにして、笑える状況でもない私達を笑わせようとするのか……  それは至極単純で……至極簡単であり……至極幼稚的な行為を、身動きが取れない私達に施す事で成される。 ――ウィィィィン!  カプセルに入る前に……なぜ靴などの履物を脱がせ裸足にしたのか……  なぜ手足を万歳の格好に上げさせ拘束し自由を奪ったのか……  そして、神経が敏感になるガスをなぜ吸わせたのか……  それは全て……この行為を円滑に行う為に他ならない。  足元で蠢く気配を見せる複数のケーブル達……  そのケーブル達の先端には樹脂を細く伸ばして作ったであろうブラシの毛のようなモノが何本か生えている。  右往左往しているケーブル達はセンサーか何かで私の拘束された足の形を認識し、それぞれがプログラムされた箇所へそのブラシの様な頭を運んで配置についていく。  それらが向かう場所……それは、私の……裸足になった……足の……裏……である。  足首に頑丈に巻かれた枷のせいでカカトは金属型に押し付けられるように拘束されている。それ故……私は、カカトより上にある足の甲や足裏の部位を地面につけることが出来ず隠す事も出来なくされている。  そんな無防備にされた私の足の裏に……ケーブル達は狙いを定め……樹脂で出来たブラシの先端をゆっくり近づけて来る。  そして……  ブラシの先端を足裏の指の付け根や、土踏まず、カカトの少し上付近に当て、ブラシの先端を上下に撫でる動きで触り始めると…… ――コチョコチョ? コチョコチョコチョ?  途端に私の足裏は一つの凶悪過ぎる刺激に襲われる事となる。 「ふくッ!? くっふっッ!! うっっくっっっうぅぅぅ!!」  樹脂で作られた弾力のある細いブラシの毛先に足裏を撫でられれば、誰だってこのようなリアクションを取らされる事になるだろう。  何せ……このブラシの上下する動きは……恐ろしい程の“こそばさ”を生むのだ。 「プふっっっふっッ! んんんんっっぐぐぐぐぐぐぐぐ! くひぃーーーっっ!! むぐぐぐぅ」  ブラシの毛の数はそれほど多くはない。せいぜい1本のケーブルに4~5本の毛先しか生えていないのだけど……その毛先の配置は密集しておらず1本1本が絶妙な距離を置いてワザと空間を開けるように配置されている。  この“距離を置いた空間”があるから、毛先達の動きそれぞれが大きくなり……撫でる動きにも毛が寝そべってしまう程のしなりが加わり、寝そべった格好から起き上がろうとする反発力も相対的に強まってブラシの撫で上げをより強い刺激に変える事に寄与している。  そんなブラシに撫でられて“こそばゆい”と感じない女性が居る筈はない。  無防備に晒された素足の足裏を……そんな風にブラシで擦られれば、どんなに不感症な女性であってもくすぐったく感じるに違いない。  プラスチック製のブラシで足裏をゴシゴシ摩る事を想像すればそのこそばゆさは簡単に想像出来る事だろう。しかしアレよりも数倍はこそばいと言える。この足裏を撫でる事に特化して作られたブラシは人の手に触られるよりもこそばくて気が気でいられなくなる。  そんなこそばさに晒された女性が次に行ってしまう行動といえば……もう決まり切っている。 「ぶひゃっ!? うひゃはっっ!? はひっっ、いひひひひひひひひひひひ!! んはははははははははははははははははははははははははは!!」  そう……笑う……のだ。  笑ってしまうのだ。意志とは関係なしに…… 「いやぁ~~っはははははははははははははははは、やめっ! 足裏こそばいぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、うはははははははははははははははははは!!」  くすぐったさを意識した瞬間から……脳は私達の身体に“笑え”という命令を下してしまう。  脳の命令を受け取った横隔膜は、私の意思とは関係なく収縮を開始し肺の中の酸素を甲高い笑い声と共に口から吐き出す運動を実行し始める。  女性特有の笑い声には男性にはない高音域の声域が含まれており、この高音域の笑い声を特別な機械で反響させエネルギーを増幅する。そしてその増幅したエネルギーを使ってタービンを回し電力を得る……と、そういう仕組みがこの人間発電所……もとい、声力発電所の仕組みであり、機械達が私達に日課として課している発電はこの様にして行われているのだ。  なぜ私がこの様な発電の仕組みに詳しいのか? という疑問は……実は私自身も答えに行きついていない。  このカプセルに入れられたら、毎回の如く発電の仕組みが頭を過って勝手に理解してしまうのだけど……いざ発電活動が始まってしまえばその様な事を考える余裕がないくらいに笑わされる事になるので、毎度このカプセルを出る頃には頭の中は真っ白にリセットされてしまうのだ。  だから、知っている理由は分からない。分からないが……そういう仕組みで発電所は稼働しているという事だけは確かなのだ。  女性特有の超音波にも等しい高音域の笑い声を引き出すために、身体を拘束され抵抗できなくした女性の身体をくすぐって……無理やり笑い声を出させる。  それがこの発電所の正体であり……奴ら(機械達)が人間発電所と呼んでいる所以である。 「あはぁ~~~っははははははははははははははははははは、いひっっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ、だはははははははははははははははははははは、ひぃひぃっっ!!」  笑いたくないのであれば笑いを我慢すればいいじゃないか……と思う者も居るかもしれないが、それが出来るのはくすぐりが始まる最初期の段階だけの事で……数分も時間が経てばその我慢が無駄に思える程の刺激が全身に送られ必ず笑いを搾り取られる事となる。  数分で終わる責めであれば我慢しようという気力も湧くが……1時間という長い時間を耐えきるとなれば麻酔でもかけていないと無理な話だ。  私だって最初は抵抗を試みたものだ。  こんな馬鹿みたいな発電の仕方をされて悔しいと思わない筈がなく……意地でも笑ってやるものかと必死に歯を食いしばって耐えようとした。  しかし、くすぐりという刺激は……その幼稚そうに見える行為とは裏腹に、女性の身体を無理やりに笑いへと導いていく。  笑ってはいけないと思えば思う程可笑しさが込み上げてしまい、身体は意思とは無関係に笑いの反応を見せ始め痙攣や震えを繰り返す事で筋力にも負担を掛ける事となる。  それでも我慢を続けると、息を止めて力む瞬間が増え呼吸がし辛くなりやがて酸欠状態まで追い込まれてしまう。  笑わされれば息を吐き出し続けてしまう為酸欠を味わうというのは理解できるが、まさか笑う事を我慢しても自ら酸欠に追い込んでしまう結果になるとは思っても見ない事だっただろう。それが分かってしまった女子たちはそこで諦めてしまう。  1時間も耐えて我慢するよりも……笑わされて頭を空っぽにした方が……精神的には楽……だと考えるからだ。  そんなこんなでひとたび笑いを吐き出してしまうと……もう後は自らの力では笑いをコントロールすることはが出来なくなる。一度緊張を失ってしまった口角筋は“やっぱり苦しくなったから”と再び笑いを我慢したいと思って口を閉じようと試みても、思う通りに口を閉じさせてはくれない。  笑いによって弛緩された筋肉に力が入る事はなく……その口はもはや壊れた蛇口のように、押し寄せて来る笑いの衝動を吐き出すだけのオブジェと化してしまう。  笑いの衝動に一度でも屈服してしまえば……後はもう……最後まで笑わされるしか道はない。  ガスの効果により敏感にさせられた身体は何処を触られてもくすぐったく感じるし、それに輪を掛けてカプセルのモニタリング機能によりその人の“弱点”なんかも把握され、時間が経てば経つほどにくすぐったさは激しくなる一方なのだ。  笑う事は楽ではない。  ほんの一瞬の大笑いは、人を楽しい気分にさせストレスを緩和させる事に寄与するが、笑いたくもない状況で無理やり笑わされる事程苦痛なものはこの世にはない。  鞭で打たれたり、蝋燭の火に炙られて苦悶の感情を起こすのとは訳が違う。  肉体が傷つけばその分肉体的な限界というものが早まる為、その責めはそれ以上行えなくなるが……くすぐりは違う。  身体をくすぐるだけならば肉体を殆ど傷つけない為、身体が損傷する事がない。故に……いつまでも肉体的には続けられるのだ。それこそ何時間でも……何日でも…… 「はひぃ、あひぃぃ! はひひひひひひひひひ、やめ……っくはははははははははははは! ウハハハハハハハハハハハハハハ、はひぃ、っひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ……」  そして、機械達も私達を笑わせ続ける事への余念がない。 ――ウィィィィーーン! ズズズズズズ……  足裏の責めが行われ数分が経ち、その刺激にもやっと慣れ始めて来たか? と、思い始めたタイミングで、新たな刺激を与えるべく今度は上半身の方のカプセルの壁に次々と穴が開き、穴の中から新たな責め手が這い出し始める。 「ひぃ、ひぃ、ひぃぃっ! あ、新しいの来たっははははは!! もう新しいのが来たぁぁっはははははははははははははははは!!」  足裏を責めているケーブルは下を向いても自分の足が邪魔でその姿をしっかりと見ることは出来ないが……胸の横付近から這い出してきているこのケーブル達はしっかりと視界に捉えられるためその禍々しい容姿を確認する事が可能だ。  赤と黒の縞々模様が施されたロープほどの細さのケーブル……その先端には、まさに機械と言わんばかりに金属の部分が剥き出しのままで作られた三本の指が備え付けられ、人間の関節と同様にその機械の指達にも、指先、第一関節、第二関節が存在しておりそれぞれを柔軟に稼働させる事が出来るようになっている。  3本の指の内1本は親指を模して作ったであろう少し太めの指で、動きも人間の指同様可動域は狭いように見えるが力の入り具合は他の指よりも強く入るよう作られている。  他2本の指は、それぞれ人差し指と中指を模した造りとなっていて、親指とは違い細くしなやかで素早く動かすのに適した関節を持っている。  人間の5本指の中から“特に”くすぐりに重要な3本の指を選んで取り付けたかのようなその機械の手は……身体の横から這い出して来るとセンサーで私の晒された素肌の部位を探り、指定されていた箇所を探し当てるとプログラム通りにその箇所へと手を運んでいき次なるくすぐりの準備に取り掛かる。 「はひぃっっひひひひひひ、やめ! やめぇぇへへへへ、寄ってこないでぇぇへへへへへへ!!」  発電活動に参加させられる場合は全員等しく“発電衣”なるものを着てこなくてはならない。  太腿が露出するくらいまでの丈しかない真っ白なワンピースで出来たその発電衣の下には、一切の着衣を付けてはならない。  肌着は勿論として下着さえも付けてはならないと定められたその発電衣は、特別に分厚い布で構成された衣類という訳ではない。ごく普通の……というか、夏服の肌着よりも薄く、だらしないくらいにだぼっとした大きさの緩い衣装なのだ。  服がワンサイズ大きい……というのは採寸ミスでも欠陥商品という訳でもない。これが正規のサイズなのだ。  衣服が大きいが故、肩は左右のどちらかが出るくらいにだらしなくなるし、袖の無いこの服はその袖の部分も大袈裟なほど大きく開けられており、腕を挙げれば下乳まで丸見えになる程ゆったりし過ぎた造りになっている。  それ故……服を着ている格好にはなっているが、緩すぎるサイズのせいでこの様に横になれば服を着ているという気には一切なれない。  どちらかというと白い布を上から置かれている程度にしか感じられないのだ。 ――ウィィィィン、カチャ! カチャ、カチャ、カチャ……  袖が切り取られている為ノースリーブの服であると言えなくもないが、その袖自体の切れ込みが深く大きい為……ブラをしていない私のBカップはあるであろう横胸も露わになっている。  そんな露出していると言っても過言ではに胸横のラインに……先程這い出してきていた機械の手が左右それぞれに3本ずつ指を乗せ始める。  腕は頭上高くに向けて万歳の格好を強いられ、腕を降ろせないよう手首の所で拘束されている。  そういう格好を強いられているのだから……当然、このだぼっとした服の袖口からは、私の無駄毛一つない綺麗過ぎる“腋(ワキ)”のラインが無防備に晒されている。  白く透き通った肌の美しい二の腕……そこから下に目をやると丸みを帯びた肩を経て腕の付け根部分まで視界に入る事となる。  胸ほどではないが僅かに隆起した腋窩の膨らみ……  その膨らみの頂上付近に機械の手が指を着地させている。  3本の指を使ってこの膨らみの柔肌をコチョコチョと触るつもりなのだろう……その刺激を想像しただけでくすぐったさを思い出しそれだけで笑いそうになってしまう。  もう一本の機械の手はそんな腋のすぐ下の部位に、2本の指……人差し指と中指だけを置いてくすぐる態勢を整えている。  メインでくすぐる指はこの2本に任せ、親指は背中側に回してしっかりと身体を挟み込むようにホールドしている。  この様に指を配置したという事は……この2本の指は腋窩の手よりも強く揉み込む様なくすぐりを行うだろうと予想できる。  肋骨や腋下の筋肉が浮き出ているそんな胸横の部位を……繊細な二本の指で強くくすぐられたら……一体どれほどのくすぐったさを味わうか想像が出来ない。今まで何度もそのくすぐりを味わってきたハズなのに……このくすぐりだけは慣れることはおろか刺激の強さを思い出す事も出来ない。それ程……私にとっては致命的な箇所なのだ……ココは……。  くすぐったいなんて頭で感じ取っている余裕すらない程……笑い狂わされる箇所なのだから……。  そして、最後のもう一本の機械の手は、他二本とは違い服の中にその手を入れ込んで責め箇所を探し始めている。  大きく開いた袖の背中付近から手を侵入させ、私の体側部に沿って下へ下へと潜り込んでいき……やがて目的の場所へと辿り着いたら、服の中にもかかわらずその手をワシャワシャと動かしてその部位に狙いを定める。  指が動くたびにその部分で服がモコモコと妖しく蠢き……確かにそこに機械の手が潜り込んでいる事を私の視界に訴えかけて来る。  そして、その服のモコモコは徐々に私の“脇腹”の皮膚の所へと近づいていき……  脇の下同様に二本の指を脇腹の柔肌に食い込ませ、親指でその手を支えるという格好を取り始める。  三者それぞれの責め箇所に配置が完了されたら……いよいよ上半身の責めが開始される。  それと同時に慣れ始めていた足裏への刺激がしばし止められる……  私は今度は、上半身に配置された左右合計6本のこの手によって笑いを絞り取られる事となる。  足裏よりもハッキリとした刺激で……足裏を凌ぐ激しい笑いの衝動を、止むことなく与えられながら……

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