ディストピア・プラント:2920 ③~上半身を責められて~ (Pixiv Fanbox)
Published:
2022-04-15 13:51:58
Edited:
2022-09-01 13:10:57
Imported:
2023-06
Content
3:上半身を責められて……
――コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!
上半身の刺激に弱いポイントをしっかりと押さえた機械の手達が……一斉に指を蠢かせ始めた。
三本の指を素早く動かし腋窩の膨らみを優しく触り回してくすぐる機械の手と、胸横の肋骨の間を二本の指で押し込むように強くくすぐる機械の手……そして、たぼついた両脇の袖から服の中に入り込んで脇腹の柔肉を掴むように待機していた機械の手も、その前二つの機械が動き始めると同時に脇腹の肉をグニグニと揉み解し始め、私に地獄にも等しい笑いの衝動をもたらしていく。
「ギャ~~~~ッハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、やだぁぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、ワギぃィひひひひひひひひひひひひひひ、ワギやめぇぇっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへ!!」
正確には腋、と脇の下と脇腹という部位に別れているのだが、私にそれを区別して呼ぶ余裕がある筈もなく……ひとくくりにワキをやめてくれと叫んでしまう。
それを聞いて判断したかどうかは疑問だが……私の叫びを聞いた脇の下を揉み込んでいた手は“ワキの窪みの方が弱いらしい”と判断を下したようで、脇の下への責めを中断しつつ上へ移動しワキの責め手に寄り添うように合流してきた。そして合流を果たしたその手は窪みの僅か下の骨ばった肌の部分を二本の指でコリコリと揉み解すようなくすぐりを開始し直してきた。
「びゃは~~~っははっははははははははははは!? イヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ、いぎゃ~~~~はははははははははははははははははははははははははは、それ駄目ぇぇへへへへへへへへへへへへへ、そこコリコリしちゃだめぇぇへへへへへへへへへへへへへへへ!!」
そのくすぐりは、私が想定したくすぐったさの遥かナナメ上をかっ飛んで行くほどに強烈な笑いを生み出させ、私は思わず反射的に手足をバタつかせようと四肢に力を込めてしまう。
この反射的に力を込めてしまうという行為も、恐らく枷に仕込んである感圧センサーか何かでモニタリングしているようで、今まで以上に声を上げて足に力を込めてしまった私に発電プログラムは“そこを責めるのが吉である”と判断を下すかのようにすぐさまプログラムの変更をかけ新たな責め手を召喚し始める。
――ウィィン、ガシャ! ズズズズズ……
カプセルの壁に、メインとなる三本の責め手とは別に、それよりも一回り小さな穴が複数開いたかと思うと、そこから通常よりも二回りほど小さな三本指の手が次々と這い出して来た。
小枝ほどの細いワイヤー状のケーブルの先端に、爪楊枝ほどの細さで作られた手のミニチュアのような責め手……それが4~5本は同時に左右から這い出し、私のリアクションの良かった“脇の少し下の部位”へと集まってそこを囲み始める。
メインの手は、それら小さな手と交代するように肌から手を放していき、元の“脇の下”の部位へと戻り、再び肋骨の間に指を這わせて独自のくすぐりを再開させる。
メインの手が離れた事で遮るものが無くなった私の腋の少し下の部位に……今度は複数の小さな手が様々な方向から手を伸ばし肌に指先を触れさせ始める。
そして、配置につき終わったミニハンド達は責めの合図すらも出すことなく、すぐさま指を私の腋の皮膚に食い込ませ、その小ささから想像も出来ないほどの力強い揉み込みで柔肌をほじる様にくすぐり始めた。
「ひぎっ!? はひっ!!?」
――モニョモニョモニョ、コチョコチョコチョコチョコチョコチョ! モニョモニョモニョモニョ、こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ♥
そのくすぐったさたるや、これまた想定の遥か上空を飛んで行くかの様に未知の刺激であり、あまりのくすぐったさに私は一瞬呼吸が詰まり笑い声が途切れてしまうほどだった。
「ぃっ!? ……ぎぃやあぁぁ~~~~~~っっっははははははははははははははははははははは、ヒギャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、やばいぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、それホントにやばいぃぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!! 死ぬぅぅふふふふふ、そのくすぐり、死んじゃうぅぅふふふふふふふふふふ!!」
ワキの窪みの膨らみを優しく撫でくすぐるメインの手のすぐ下で……まるで餌に入れ食い状態になっている小魚の群れの様に一点を寄ってたかってくすぐり尽くしているミニハンド達……それらのくすぐりは、決してメインの手に引けを取らない力強さで肌をくすぐってきている為、単純に責め手が増えただけという感覚にしかならない。
メインの手よりも指自体は細い為、触る面積や可動域などという点では違ってくるし刺激の質もある程度は変化する。しかし、指が小さくなったことでピンポイントを責めるには特化しているらしく……私が“くすぐったい”と瞬間的に感じた場所を寸分違わぬ正確さで責める事が出来る。
それに加えて軽量である為指の動きも素早く……そしてメインに負けず劣らず力強いときたものだから……くすぐったさを味わうという点では何も見劣りなどはしない……。
見劣りするどころか……むしろこの小さい手の責めの方がタチが悪い。
「ぎゃはっ!? ぁぎゃははっ!! はぎゃ~~~っはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、こしょばいっひひひひひ、こしょばいぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひ!!」
指に太さがない為接触面積や可動範囲が狭いという弱点はあるにはあるが……しかし、この弱点は“数”によって埋めることが出来ている。
メインの手が“個”で責めて来るのに対し……ミニハンド達は、責め箇所を“数”で囲って責めて来る。
この“数”で責められるという感覚は、“くすぐり”という責めに対して恐ろしく相性が良く……くすぐったいと感じている箇所を複数同時にこそばされる刺激は笑いを絞る上で最良の責め方であると言わざるをえない。
想像すればすぐにそのヤバさが伝わるだろうが……
例えば、ワキをくすぐるゾと言われれば、宣言されたワキに多少はくすぐられた時の刺激を想像してしまう事だろう……人の感じる程度の差によりその刺激の嫌悪感は人それぞれ違うだろうが……その“くすぐったい”と感じるであろう部位を色んな箇所から同時に触りに来るようなくすぐり方をされると想像したらどうだろう?
くすぐられたくない箇所を……上から下から右から下から……斜めから……様々な這い方をして辿り着いた指が同時に刺激を送り込んで来るのだ……
単体の指ならその刺激を耐えればどうにか対応できるかもしれないが……複数箇所を同時に触られればもはや何処の刺激に対応すればいいのか脳が追い付かない。
突然沸き上がる様にワキ全体がゾワゾワゾワっとくすぐったくされていくのだ……
そんな刺激に頭が追い付くはずがない……
「ワハハハハハハハハハハハハハハハハ、やははははははははははははははははは、はひぃ! あひぃぃっっっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ、うえへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」
その光景は……傍から見たらリンチや私刑に近いモノだろう。
刺激に弱い箇所を数の暴力で責め抜いてくるわけだ……
それだけ想像しただけでも悲惨な現状に置かれていると理解できるだろう。
でも、このカプセルのプログラムは……それだけで発電という行為を終わってはくれない。
「アハっ! かはっっ!! アガハハハハハハハハハハハハハハハハハ、いへへへへへへへへへへへへへへへへ、やめっっへへへへへへへへへへへ、やめでぇぇへへへへへへへへへへへへへへへ!!」
――ウィィィン、ガシャガシャ、ガシャ!
ワキの少し下を責められ笑い狂っていた私の顔のすぐ横の壁が今度は複数穴を開け始める。
先程の穴と同じメインより一回り小さい穴……
それらが複数開き終え、私は中で蠢く細いケーブルの影を見てしまい嫌な予感を過らせる。
――ズズズズ……ウィィィィィ……
そして、私の“こうだったら嫌だな”と考えていた通りの物がその穴から這い出してきて、未だ優しい刺激を送り込み続けている“ワキの窪み”の手の方へとそれらが移動していくのを見る羽目になった。
小さな穴から這い出してきた物……それはまたしてもあのミニサイズに作られた機械の手達だった。
本体の手を模すように赤と黒の毒々しいケーブルカラーが施され、先端にはやはり3本の指が付いたミニハンド達……それらが今度は私の腋の窪みを狙おうと這い出してきたのだ。
「はひぃぃひひひひひひひひ、もうやめでぇぇへへへへへへへへへへへへへへ!! ホントにきづいぃぃひひひひひひひひひひひひひ、はひっ!? ダ~~ッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、笑いたくないぃぃひひひひひひひひ!! もう笑いたくないぃィぃひひひひひひひひ!!」
私はワキに近づいてくるミニハンド達を横目に必死に頭を横に振り拒絶の声を上げる。
しかし、機械のプログラムはそんな私の必死な声などどこ吹く風で無視し、淡々とミニハンド達をワキの窪みへと移動させ続ける。
「あぎっひっひっひっひっひっひっひっひ!? あひへ? ふ、筆っっ!? 筆ぇぇへへへへへへへへへへへへへへ!?」
よく見ると……そのミニハンド達の手先は、先程のハンド達とは違い機械の指を付けている訳ではなかった。色こそ機械の様な銀色に塗装されているが、近くで見ると先端がケバケバしていて筆の先のような形状になっていた事が分かる。
絵画などで細かいところを塗る為に使用する小さな筆……それよりももう少し小さく作られた筆状のパーツが指の代わりに1つの手に3本備え付けられていた。
その筆は手の動きと連動して指の様にチョコチョコと細かく上下に動かすことが出来るようで、そういう事が出来るぞと私に教え込むようにそれを実践しながらその筆は腋へと近づいてくる。
本体が揺れる度にピョコピョコと上下左右に揺れる筆の先端を見るに、それがいかにしなやかで柔らかく、かつ芯がしっかりした毛を持っているのかが見て感じ取れ、私の不安は増々絶望寄りの不安へと舵を切り始める。
それに加えワキを触っているメインの手は今回は引いていかない……
引いていくどころか、くすぐる事をやめようとせず淡々と私の腋窩の丘陵をサワサワと触り私の笑いを誘い続けている。
そんなメインの手のケーブルを中心にそれに沿うように移動しながら私の腋を補足できる位置まで移動を終えたミニハンド達は、メインの手の周りを囲うように筆を構えさせ狙いを定めるように筆先を揺らせて待機しその時基を待つ。
そして私の笑いが一層激しさを増したタイミングを見計らって、こちらも合図など送る様子も見せずに腋へと筆の先端を突き刺すように押し付け、ワキの上でダンスを踊るかのように先端だけをコチョコチョと小さく動かし刺激を加え始めた。
――コソッ♥ コソコソ♥ コソコソコソコソコソ~♥♥
「ぎひっ!? うぎひっっっ!? あひゃっ! ダヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ、ちょ、ちょ、ちょっっっほほほほほほほほほほほ!! やだ、やめぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」
そのケバ立った筆の感触は想像以上にしっかりしたもので……突き立てるように触り始めたその刺激は細い針で刺されたかのような痛痒さを私に与えた。
痛痒い刺激はやがてすぐにワキの神経にくすぐったさを植え付け、私にどうしようもない“こそば痒い”刺激を植え付け新鮮なこそばゆさを私に味合わせていく。
腋がチカチカと痒くさせられ、掻きたい衝動に苛まれるが……すぐにその痒さはメインの手のくすぐりに“くすぐったさ”へと変換されてしまう。
痛痒いと思っていた刺激がすぐにくすぐったく感じ始める事で私は“痒いのを掻きたいのか、くすぐったいのを我慢したいのか”判断が回らず、頭の中の指示系統は混乱してしまい、ただただ笑いを吐き出す事しか出来なくなってしまう。
この痛痒さとくすぐりの合わせ技は……私の脳をバグらせる。
痒い、くすぐったい、痒い、くすぐったい! と交互に違う感覚が襲いどっちに反応すればいいか考えられなくなる。
結局、脇腹や脇の下から送られるくすぐったさが強くて“笑う”事を選んでしまうのだけど……それでもこの確かに感じてしまう異質な痛痒いという刺激はいつまでも私の脳を混乱させ続け、私の頭の働きはこれにより完全に麻痺させられてしまう。
「はがぁぁははははははははははははははははははははは、ウギャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、いひいひ、ひぃひぃっっっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ、頭おかじぐなるぅぅふふふふふふふふふ!! こんなの頭おかしくなっぢゃうぅぅふふふふふふふふふふふふふふふふ、ふひぃぃひひひひひひひひひひひひ、でへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ……」
そんな、脳内が空っぽになってしまったかのように思考力を奪い去るくすぐりを行ってくる機械達だが……カプセルのプログラムは既に笑い狂っている私に対して、なおも笑いを搾り取ろうとするべく新たなくすぐりを私に施してくる。
――ウィィィィン、ガシャ、ガシャ、ゾゾゾゾゾ……ズズズ……
これ以上笑いの声量など上げられないだろう、と思う程大口を開けて激しい笑いを絞られている私だけど、そんな私に追い打ちをかけるべく、先程休みに入った筈のあの機械が再び稼働を開始し始めてしまう。
上半身の責めが始まった事により動きを止めていた足裏の責め手……それらが新たにミニハンド達を引き連れて知らぬ間に私の足裏にそれぞれを配置し尽くしていった。
メインの手は先程と同じで、足の指下、土踏まず、カカトの少し上に陣取り、あの樹脂で出来た細い指を突き立て待機している。
そしてそれに追従するように姿を現したミニハンド達は、それぞれの手にこれまた小さな“羽根”を持ち、メインの手の周囲に護衛機のように張り付いて羽根を構えている。
それらが私の足裏を再び狙っているという事を、ワキのくすぐりに手一杯な私は知りもしなかったが……
そのくすぐりが再開されるや否や、再び足裏からの刺激にも私は大いに笑い狂わされる事となる。
腹部は攣る様に痛み、肺は運動のし過ぎであるかのように次々に空気の排出を行わされている……
もはや、笑っているのか叫んでいるのか悲鳴を上げているのか分からない声を上げさせられ、喉は水分を失い燃えるように熱くカサついてしまっている。
不規則に痙攣するみぞおちの筋肉、勝手に力を込めてしまう手足、それにより枷が食い込み痛む手首足首……
そんな拒絶反応を身体の至る所で発現しながら笑い狂っている私に……
機械は尚も残酷に……私の事を限界以上に笑わせようと……手を尽くしてくる。
私は……その責めに……抗うことは出来ない。
一度笑いの衝動に耐えかね……屈服してしまい……笑いを吐き出してしまった私に待つ未来は……ただただ時間が経つまで笑わされ続け機械の望む通りの声を上げ続けるだけという……まさにFuel……発電の燃料として扱われるだけの存在に成り果てるだけとなるのだ。