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2:休憩室の情事 「綾香お姉さまぁぁ~~ん♥ 先程もお見事でしたわぁ♥」  真っ白な壁にさほど広くないテーブル。簡素な木製の椅子に浅く腰掛け足を組んでくつろいでいた先程のディーラーに向かって、細長いツインテールを激しく揺らしながら勢いよく駆け寄り抱き付こうとする女性が一人。  同じディーラー服を纏った彼女の胸には『宮古 夏姫(みやこ なつき)』というネームプレートがピンで留められてあった。  大きく手を開いて“綾香”と呼ばれたディーラーに抱き付いた彼女は、頭をスリスリと綾香の肩に押し付けて自分の愛情を存分に表現する。 「馬鹿っ! もう! そんな変な声出して……誰かきたらどうするのよ……」  その大袈裟な愛情表現に困った表情を見せる綾香と呼ばれた女性は溜息の様な息を一つ吐くが、その抱き付かれる愛情表現を嫌がる様子は見せず「しょうがないわねぇ」と零して自分の手も夏姫の背に回し、肩を寄せる様に手に力を込めた。 「だってぇ~嬉しかったんですもん! お姉さまが私の為にあの男を素寒貧にしてくれた事が……♥」  綾香は座ったまま……夏姫は立った姿のまま、お互いの肩にお互いの手を回し抱き合った姿勢。綾香はその姿勢のまま椅子を引いて彼女が“座れる”スペースを作ってあげ、片方の手で自分の太腿をポンポンと叩いて座るように促した。  夏姫はすぐに意図を理解し、無邪気な笑顔を浮かべながら綾香の太腿に大股を開いて正面を向き合う様に座り直した。  夏姫は綾香と比べて身体が小さい。年齢は1歳しかかわらないのに、発育が悪かったのか身長も胸部の膨らみも綾香には遠く及ばない。無邪気な性格と童顔である事も合わさり周囲からも綾香からも『ロリッ娘』と揶揄されているが、当の本人はそれを侮蔑の言葉とは捉えずむしろ褒め事だと言わんばかりに子供っぽい表情や仕草を積極的に行う。 「べ、別に……あんたの為にじゃないわよ。私だって男なんて生き物は嫌いだし! 自分の為にヤったってだけよ!」  あどけなさの残る純真無垢な夏姫の憧れの眼差しに良心が痛むのを感じてしまったのか、綾香は苦い薬でも飲んだかのような表情を取り目だけを横に向け視線を逃がす。しかしその頬には照れが隠せていない事を示す桃色の紅潮が薄っすらと浮かび上がっている。 「もう♥ 知ってるんですよぉ? 先週私があの男の人にいやらしい目で見られながら惨敗させられた仇を……取ってくれたんでしょ?」 「だ、だからあんたの為にやった訳じゃ……」 「だってぇ♥ あの時間……ホントは私がブラックジャックの卓の担当だったんですよぉ? あの人が最近毎週のようにココに来るって分かってたからお姉さま……代わってくれたんでしょ?」 「そ、それは……う、う~~~っ」 「アハ♥ お姉さまったら可愛い♥ おでこまで真っ赤になってます♥」 「ちょっ! からかわないでよ! 気が向いたからあの卓についただけよ! それ以外に理由なんて……」 「まぁ、理由はどうあれ……私は嬉しかったんです。お姉さまがアレを使ってあの人を打ち負かしてくれたことが♥ でも、相変わらず見事ですよね♪ あの負けさせっぷりは……」 「フン! いかさまに気付かない方が間抜けなだけよ……。私はチャンスはあげたつもりよ? 勝つためのヒントだってあげてたんだから……。それに気付けないなんてただの間抜けなのよ! そんなんだから私みたいな女に大事なお金を巻き上げられんのよ……」 「フフ♥ お姉さま……格好いい♥」 「っ!? も、もう! そんな事……どうでもいいでしょ? それよりも……今日はヤるの? ヤらないの?」  夏姫の“アレを使って”という言葉にピクリと反応を見せる綾香だが、向かい合っている彼女に自分の動揺を見られるのが気恥しく思ったのか仕事の話から遠ざけようとあえて全く違う話題へと話をすり替える言葉を選ぶ。 「もう……そんな事……どうでもいいでしょ? それよりも……今日はヤるの? ヤらないの?」  一瞬その返しに言葉の意図が汲み取れずキョトンと目を丸くしてしまう夏姫だが、綾香の恥ずかしそうに目を背ける仕草を見て言わんとすることを理解し、ニンマリと笑みを携えて言葉を返してあげた。 「お姉さまはどっちが良いですかぁ? 夏姫と……このままお喋りだけして休憩を終えたいんですかぁ?」  シたいのかどうなのかを聞いたハズなのに、夏姫から返ってきた言葉もまた自分がシたいかどうかの質問であったため綾香は困惑してしまう。 「……や……ヤらないんだったら休憩の時間ずらすわよ? ゆっくりしたかったし……」  出来れば夏姫の口から“シたい!”と言わせたいと思っていた綾香だったが……今日はどういう訳かいつも以上に焦らしを入れてくる構えの様子……だったら、揺さぶりをかけて『言わないんだったらシないわよ』という圧を込めた返しを夏姫に行う。 「あぁ! ひっどぉい! ホントはそんなこと思ってもないくせにぃぃっ!!」  まさかそんな返しをされるとは思ってもいなかった夏姫は、その言葉に子供のように頬を膨らまし恨めしそうな目で綾香を睨み自分の欲求を視線で訴えかける。  その目を見た綾香はクスリと笑みを浮かべ 「はいはい……分かった分かった」 と、さも仕方なしに折れてあげたという言葉を零しつつ溜息を一つついて夏姫の肩に手を回し自身の方へ抱き込むよう誘導を始める。  夏姫はその力強い誘導に何の抵抗も見せず導かれるまま綾香の胸に顔を着地させその胸の谷間で猫のように顔を擦り付けながら喜びを表現する。 「あの“結城”とか言う男性客……いつもバニーやらディーラーやらの服をエロい目で見てたのよ! 私だって……あの目に晒されて……気持ち悪くなったんだから……」  じゃれ付く夏姫の頭に優しく手のひらを乗せてイイコイイコと撫でながら真剣な顔つきでそのように漏らした綾香に、夏姫はゴロゴロと甘えながらもその表情に心配の影を僅かに落とし込んだ。 「お姉さま? もしかして……昔を……思い出されたとか……ですか?」  夏姫がそのように問いかけると綾香は一瞬手を止めて言葉を失くすが、すぐに胸元で心配げな表情を浮かべる夏姫に「心配しないで」と言わんばかりに笑顔を作る。 「フフ……大丈夫よ♥ もうあの時の事は思い出さないように心がけているんだから♥ それよりも、休憩時間になったらあんたをどうやって弄ってあげようか考えてて頭が一杯だったんだから♥」  溢れんばかりの笑顔を見た夏姫はその笑顔に応えるべく輝く様な笑顔を浮かべなおして再び綾香の胸に顔を埋めグリグリと谷間に頭を押し付けていく。そしてその頭の動きが止まったかと思えば上着の左右を唯一留めている大きめのボタンを口内のに含み、舌を巧みに使ってそのボタンを器用に外し彼女の上着を観音開きになるよう仕向けて行った。 「んっ……♥ あんたって……ホントに舌遣いが器用よね? どんな練習したらそんなことできんのよ……全く……」  自分の胸のボタンが舌で外された事に呆れるような態度を取る綾香だが、彼女もそれに倣って夏姫の上着のボタンを外しにかかる。とはいえ、彼女の場合は舌ではなく直接手で……という事にはなったが。 「アハ♥ お姉さまの手が……私の胸に当たっちゃいましたぁ♥ もう……手が早いですね♥ お・姉・さ・ま・は♥」 「あ、あんたの舌だって……私の胸に涎なんか付けちゃってるじゃないのよ! これワザとでしょ! この変態!」 「あはぁぁあ♥ お姉さまから“変態”なんて言われて……夏姫は嬉しいですぅ♥♥」 「うぐっ! むぅぅぅ!!」  自分がいかに罵倒や侮蔑の言葉を吐いても夏姫にはそれらの言葉すらご褒美になってしまうらしく、彼女を責める言葉を適切に導き出すのは難しい。  生来の皮肉屋である綾香にとってこの性格は自分の責めとも言える皮肉や罵倒が通用しないこの夏姫の性格を面倒くさいとさえ思っていた。  しかし、その面倒くささが綾香のS心をくすぐり、どうにかしてこの難攻不落のポジティブお化けを凹ませられないだろうか? とあの手この手を試みている。 「こ~の貧乳! ロリッ娘! ちっパイ星人っっ!!」 「あはぁ♥ もっと罵って下さい~~♥ お姉さまぁ~~♥」  しかしどんな言葉をぶつけても彼女は悦ぶばかりで暖簾に腕押しとなる。  だったら実力でヒィヒィ言わせてやる! と彼女のコンプレックスである胸を掴んで揉みしごいてやろうと試みるが…… 「あぁ? 揉みましたねぇ~? 私のおっぱい~~♥ だったらぁ~私もぉ♥♥」  その後に訪れる“反撃タイム”の方が遥かに綾香の技巧の上を行くためいつも綾香の方が喘ぎ声を上げさせられる事となってしまう。 「あっ! ちょっっ!! 舌で乳首をっっ!? んはっっ!!? いきなりズルいっっ!! ひぃぃっっ!!?」 「レロッ♥ ペロォ~ン♥ 服の下に下着を着けていないお姉さまの方が悪いんですよぉ~だ♥ ペロペロぉ~~♥」 「あ、あ、あんただって! 何にもつけてないじゃないのよぉぉ! この変態っひっ!?」 「だってぇ~~お姉さまにすぐにでも触ってもらいたかったんですもん♥ お姉さんだって同じでしょ? 夏姫に舐めて貰いたかったから……下着付けなかったんでしょ?」 「ち、ち、ちがっっ! た、た、たま……たまたまよっ! たまたま忘れただけ……ンひッっ!?」 「本当にぃ~~?」 「ほ、ほ、ホント! 本当よぉぉ! んはっっっ!? ヒィヒィっっ! あぁぁぁふぅぅん♥♥」 「下着をたまたまた忘れるなんて聞いた事ないなぁ~~? ホントにホントなのかなぁ~?」 「あはぁ! や、やめっっ!! 舌で……乳首……転がさないでッっ! んはひぃぃぃぃ!!」 「本当の事言わないとぉ~下のお口にも聞く事になりますよぉ~? 良いんですかぁ~?」 「ちょ、ちょっっ!! それは家に帰ってからってっっ! いつも言っているでしょ! ダメ! 今は絶対ダメよっっ!!」 「そんなこと言ってぇ~お姉さま……おパンツが湿ってきているんじゃありませんかぁ~?」 「あっ♥ はっっ♥ ゆ、指をっっ! 指を這わせないでっっへ!! ココでそこまでシちゃったら……この後の仕事が手につかなく……なっちゃ……う♥」 「じゃあ、なんで腰を私の指に擦り付けるような動きを取っているんですぅ? 嫌ならやめさせたら良いじゃないですかぁ~?」 「あはぁん♥ や、やだっ! スリスリするの駄目っ! 反則っっ!! 我慢できなくなっちゃうじゃないのよぉぉ!!」 「アハハ♥ お姉さまってば……可愛い♥ 夏姫のテクに抗えなくなってるぅ♥」 「だ、だ、ダメだったらぁぁ!! ホントにダメ! この後すぐにまたブラックジャックの卓につき直さなくちゃならないんだからぁァ♥ あっあぁぁっっ♥」  「ホントは嬉しいんでしょ? 夏姫にこうやって虐められるのが……」 「そ、そんな訳……ないに決まったる……でしょ! あひっ!? んむぅぅぅ♥ 今日こそは私が……主導権を……握ってやるんだから……ンあッはっ!? はひっ♥♥」 「残念ですけどそれは無理でぇ~す♥ だって私……お姉さまの弱いトコ……ぜ~んぶ知っちゃってますもん♥」 「わ、私だって! 夏姫の弱いトコくらいぃィっひ!?」 「家でも……ホテルでも……この休憩室でも……お姉さまは夏姫のテクに抗うことは絶対に出来ませぇ~ん♥ ほら……ココだってこんなに“いやらし汁”が溢れているんだもん……」 「あっっっひゃっ!? ちょっ! パンティの横から指が入って……アソコに指先が当たってるぅぅ!! ねぇ、当たってるってばぁ!!」 「ほれほれ~♪ お姉さまが素直になるまで……“入り口”のトコだけコショコショしちゃうぞぉ~? どうだどうだぁ♪」 「あひゃはぁぁぁっっ!? ムズムズするぅぅ!! その薄く触れる触り方っっ! すっごいムズムズするぅぅ!!」 「あらあらぁ? 指の先がシットリしてきたのは気のせいかなぁ~? なんだかネバつく何かを付けているような気がするんだけどなぁ~?」 「ば、ば、馬鹿ぁぁ! 恥ずかしいから言うなぁ!! そんな事……ンアァ♥」 「もしかしてぇ~? コレって我慢汁とかいうヤツではぁ~? 夏姫の攻撃に必死に耐えようとするお姉さまの我慢してるお汁なのではないですかぁ? ムフフ♥」 「も、も、もうっ!! ヤるんならさっさとヤりなさいよっ!! こんな意地悪な触り方されて我慢できる訳ないでしょ!」 「何をヤったら良いんですかぁ? もうすぐ休憩が終わってしまうというのに……ナニをして欲しいってお姉さまは思っているのですかぁ~?」 「あぁ、もう! 指を突っ込んで掻き回せばいいじゃないのよ! それがしたかったんでしょ? あんたはっ!!」 「良いんですかぁ? この後……まだまだ仕事しなくちゃいけなかったんじゃないですかぁ~?」 「こ、このまま仕事に出たら、悶々し過ぎて仕事にならないわよっ!! いいからさっさとシなさいっ!!」 「どうしよっかなぁ~? そう言われると……なんだかなぁ~~」 「ぐくっ!? こ、このぉっ!! 私の事……高めるだけ高めておいてぇぇ!!」 「だってぇ~。おあずけ食らって悶々しながら仕事をして我慢させた方が……今するより気持ち良くなるじゃないですかぁ~~♥」 「今日のはやり過ぎよっ!! こんなに身体が火照ってちゃ収まりがつくわけないじゃない!! 責任取りなさいよ責任をっ!!」 「もう……仕方ないなぁ~~お姉さまは~~」 「いいからさっさとヤりなさいっての! このエロリッ娘っ!」 「うわ……なんですかその新しい言葉……」 「あんたの事に決まってるでしょ! エロいロリガキの略!」 「自分がエッチなのは棚上げしちゃって……♥ まぁ……それはそれで悪くはありませんね♥ 別にいいですよぉ? お姉さまがそう言いたいんだったらそう呼んでくれても♥」 「くぅぅぅぅっっ!! むぅぅ!!」  このように……綾香は夏姫には決して勝てない。  言葉でもテクニックでも上を行く彼女に、どのようにマウントを取ろうとしても結局いつも返り討ちにあって“いつもの流れ”に持ち込まれてしまう。  それが悔しいと思う反面……綾香の性格から身体の特徴まで隅々まで知り尽くすほど敬意と愛を直球で示してくれる彼女の事が愛おしくて堪らない。例え同性同士であると言われても彼女達は気にしていない。お互いの愛にお互いが返しうる愛で応えているのだから……。 「はぁい♥ それじゃあまずは挨拶のチュウからしましょうねぇ~♪」 「ぐぅ……なんか馬鹿にされてる気分っ! 夏姫のくせにぃぃ!!」  綾香は苦い顔を浮かべながらも顔を近づけさせてくる夏姫に対し目を瞑り彼女の唇が重なるのを受け入れる。そしてその後はお互い言葉も交わさないまま柔らかい唇同士が甘く重なり合う。  チュッチュッと湿った音を部屋に鳴り響かせながらその甘い唇合わせは、何度も付いては離れ付いては離れを繰り返すが…… 「んむぅ♥ んふぅ♥ むふぅ……あふ!?」  ただの“挨拶程度”のキスでは物足りなくなったのか、夏姫は顔を僅かに斜めに傾けながら綾香の唇に角度を付けた口付けを行い、彼女の後頭部に両手を回して自分の顔にもっと綾香の顔が密着するよう押し付けるように力を込め始めた。 「んんっっ! ぅんんっっ!!」  突然の押し付けに呼吸をするタイミングを逃してキスに移行してしまった綾香は息の出来ない苦しさに夏姫の背中をポンポンと叩いて合図を送るが、夏姫はそのような合図を気にも留めずマイペースに自分のキスに新たな変化を加え始めた。 「んんっ!? んむぅぅぅぅっっ!!?」  クロスするように密着した綾香と夏姫の唇……固く閉じ合ったその唇の圧に逆らうかのように夏姫の唇が綾香の唇に隙間を作ろうと力を込め始める。  息苦しさも相まって口を開きたかった綾香はその唇圧に何の抵抗も示さず流れに流されるまま閉じた唇に僅かな隙間を形作るが、その僅かに開いた隙を見逃さんとするように夏姫の口内から彼女の“舌”が差し込まれる。 「んむっっふっっ!? んっ……んんっ……♥」  唇の隙間から侵入してきた夏姫の舌は綾香の口内を右に左にと舌先で愛撫して回り、そしてその甘い刺激に我慢できなくなった綾香はとうとう唇の力を解き完全に口を開く様な形を取ってしまう。  夏姫はその無抵抗に開かれた口に“キスも私の勝ちですね♥”と頭の中で優越感を味わいながら、無抵抗で口を開いて降参した綾香にご褒美と言わんばかりに綾香の舌に自分の舌を絡ませ、彼女の舌を舐め尽くすような勢いで舌先で愛撫を行ってあげた。 「あっっ♥ はっっ♥ はひっ!? んあぁっ♥♥」  そのディープなキスが綾香の色欲をどれだけ高めたかは計り知れないが、焦らしに焦らされた身体の火照りはこのキスにより限界を迎え今まで大人しくしていた彼女の手も色欲の高まりを受け抱いていた夏姫の背中をまさぐり始める。 「あひゃん!? やだ……お姉さまっ♥ 背中は……弱いって知ってる癖にぃ♥ ……あはっ♥」  上着の裾を捲り上げて露出させた彼女の華奢な背中を綾香はあえて触るか触らないかの薄いタッチでなぞり回していく。その刺激は夏姫に電撃が走る程のこそばゆさを走らせ彼女にキスとはまた違う快感を植え付ける事となる。 「はぁはぁはぁ、フフフ……お・返・し♥ あんたにばっかり主導権を握られるのは……癪だもん♥」  背骨の筋に沿うように指先でツツ~っとなぞったり、肩の裏や脇腹の裏に当たる部分を爪の先でコショコショとくすぐったり……ヤられれば悲鳴を上げてしまう事必至な刺激を次々に繰り出し夏姫の反応の良さを楽しむ綾香。それに対して夏姫は後頭部に回していた手を綾香の胸と股間に運んで次なるステップへと進もうと準備を整える。 「あはぁはぁ……はぁ、はぁ……そんにゃ反則技を使ってくるだったらぁ~~こっちにも考えがありますよぉ~?」   右手で綾香の左胸を絞る様に握り……左手は我慢汁で濡れた彼女の黒いレースのパンティの隙間から侵入させ、見事にぱっくりと割れた縦の亀裂のヒダに指先を添え……  そして一瞬の間を置いた後、その手は同時に綾香が悲鳴を上げてしまう程の快感をその身体に浴びせる動きを始める。 「あひゃああぁぁぁあぁぁぁ♥ あっっっ!? あひっ!! あはぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁ!!」 右手の人差し指は彼女の熟れた乳房の頭頂部にある突起をカリカリと強めに掻き……その他の指は彼女の豊満な胸を揉みしだくように力を込め握り込んでくる。  左手は先程綾香が背中をくすぐった事を真似るかのように陰核周辺の敏感な部位をコショコショと絶妙な力加減でくすぐってくる。  綾香はそのダブルの責めに思わず頭をガクンと椅子の背もたれの裏まで届かせてしまう勢いで天を仰ぎ、口を開けたまま悲鳴と嬌声を同時に上げた。 「ほれほれぇ♪ クリちゃんはまだ触ってあげませんからねぇ♥ 簡単にイカせちゃったら面白くありませんしぃ♪」  胸に与えられる痺れる程の強烈な快感と陰核周辺をくすぐり回すいやらしい焦らし責め……その両方が同時に与えられている綾香は、もはや色欲がいかほどまで高められてしまったのか自分でも判断が出来ない。判断は出来ないが、彼女の欲求は彼女の意思とは関係なく夏姫におねだりを吐き出してしまう。 「はひぃぃっ! い、意地悪しないでぇへ! 早くイかせてよぉぉ! 謝るからぁぁ! あはぁ♥♥ いひぃっっ!?」 「だぁ~め♥ 今日はもうこのまま寸止めで仕事に戻って貰います♥ 私の背中を撫でた罰です♥ 悶々苦しみながら仕事をしたらいいですよ♪」 「そ、そ、そんなのダメっっ!! 絶対我慢できなくなっちゃうぅぅ!! お願いっっ! シてぇぇ! 指を突っ込んでぇぇ!!」 「ヤです♥ それよりもほら……そろそろ時間になりますよぉ? 支度をしたら如何ですかぁ?」 「こ、こんな高まり過ぎた状態で行けるわけないでしょっッ!! いいからヤりなさいっっ!! 一回で良いからぁ!!」 「ダメったらダメです♥ 仕事が終わって……私の部屋に来てくれたら思う存分続きをやってあげますから♪」 「ぃひゃあぁぁぁ! 今シてぇぇぇぇ!! こんなの苦しいだけじゃないのよぉぉ!!!」 「私は隣の卓でお姉さまがエッチな欲と戦いながら接客するのを楽しく拝見させてもらいます♥」 「人でなしぃィ!! 馬鹿夏姫ぃィ!! 変態っっ!! この大変態ぃぃぃ!!」 「はいはい……変態で結構です♥ あぁ……嬉しいなぁ~~♪ お姉さまから変態だなんて褒めて貰えて……」 「褒めてるわけないでしょこの馬鹿ぁぁぁ!!」  夏姫の意地悪な焦らしに限界の限界を超えてしまった綾香は、ヤってくれないんだったら自分でヤってやる! と言わんばかりに夏姫の背中に回していた手を自分の股間へと回そうとする。  しかし、タイミングが良かったのか悪かったのか……自分で致そうとした手はドタバタと忙しなく休憩室へと駆け寄っ来ている一人の女性の声によって止める事を余儀なくされる。 「椿さぁぁん! 椿さんはいますかぁぁぁ?」  何やら慌てふためいて綾香を探し回っている風に聞こえるその女性の声……廊下中に響き渡る甲高いその声は、当然休憩室の中にも響いてきた。  夏姫との関係や、休憩室で毎度行っている情事を知らない者は居ない程この二人の関係は従業員全体に知れ渡っているのだが、流石に致している瞬間を他人に見られるのはよろしくはないと綾香の理性がブレーキをかけ、痙攣する程に刺激に飢えてしまっている股間を慰めようとしていた手を渋々自分の股の間から遠ざけ、太腿の上で大股を開いて座っていた夏姫にも降りて体裁を整えなさいと目で訴えかけて合図した。 「椿さんっ!! あっ……と、ここ……でしたか?」  勢いよくバタンと開かれた扉。廊下から急ぎ足で入ってきた人物は、バニーガールの格好をした女性だった。  バニーガールの女性は、夏姫と2人きりだった綾香の状況と明らかに乱れた2人の服装を見てココで何が行われていたかを瞬時に悟り、申し訳なさそうに頭を下げた。 「きゅ、休憩中にすいません! あの……椿さんにお客様から声が掛かってまして――」  まるで何事もなかったかのように上着の乱れを普段の冷静な顔で整えている綾香は、そのバニーガールの言葉の意味が分からず同じ言葉を並べて聞き返した。 「お客様から声が掛かったって……どういう事かしら?」  前のめりに部屋に入った為垂れてしまっていたウサ耳を持ち上げ直しながら、そのバニーガールは息を切らせながらも詳しい内容を綾香に伝え直してあげた。 「あの……お客様が……椿さんと、サシで勝負をしたいと……仰ってまして……」 「サシって? 1対1で……って事?」   「は、はい! 何でも“いかさまを見破ってあげる”とか言われているみたいで……」  バニーの言葉に綾香はピクンと身体を反応させる。  特に“いかさま”という言葉が聞こえた瞬間は瞼の上がピクリと動き、服を整えていた手を胸の下で交差させワザワザ腕組みしなおす格好をする。  そして、フッといつもの冷たい笑みを浮かべなおしてバニーへ言葉を返した。 「へぇ~いかさま……ねぇ? 成程……?」 「休憩中だと伝えたんですが、今すぐに連れて来いと聞かなかったもので……」 「フフ……いいわよ。面白そうじゃない? 私をいかさま呼ばわりするなんて……余程腕に自信があると見えるわね」  先程まで惚けた表情を浮かべていた綾香もバニーの言葉を聞くやいなや、口元に微笑を浮かべた冷徹なディーラーの表情を取り戻す。  凍りつきそうな冷たいその表情を横から見ていた夏姫は、背中にゾクリと冷たい汗が伝うのを感じた。 「案内しなさいな……その愚かな挑戦者の所へ……」  木製の椅子から静かに立ち上がった綾香は、冷気を纏う勢いの凍てつく微笑を崩さずにバニーガールの方を向いて自分を案内する様にと促した。  その微笑を見たバニーガールも、ゾクッとした寒気を感じながら「はい……」と、小さな声で返事を返す。  「あぁ……ところで、そのお客様は……男性の方……かしら?」  扉を開け直して誘導しようとしていたバニーガールに、下から響く低い声で綾香が質問を零す。  その“いかさま”呼ばわりした人物が嫌悪すべき対象の男性なのかどうか……と。 「い、いえ……女性の方でした……凄く派手なドレスを着た……」  その答えを聞いた瞬間、綾香はクククと苦笑いをし「なぁ~んだ」と残念そうな言葉を漏らす。  口元は一瞬それで緩んだかに見えたが、その目の奥には変わらず冷徹な獲物を睨むような眼力を潜ませていた。  全てを搾り取ってみせる! そんな言葉を出しかねない迫力がその目には宿っていた。   先程までのあの惚けた顔が嘘であったかのような綾香の変わりように『なんだか調子に乗って悪い事をしてしまった……』と反省の念を浮かべてしまう夏姫だが、そんな念を抱く彼女に綾香は背を向けながらも彼女を安心させる言葉を最後に送った。 「夏姫?」 「は、はい! お、お姉さま……」 「帰ったら続き……約束だからね?」  その言葉を聞いた夏姫は不安気に曇らせた顔をパッと明るく照らし直し「勿論です!」と返し彼女達が部屋を出るのを見送った。 『前にもお客様から“イカサマだ!”と罵られ挑戦状を叩きつけられたことがあった……』 『でもその時も……どんな時も、イカサマだと罵った者はお姉さまのテクニックを見破ることは出来ずに散財していった……』 『今度も……そうなりますよね? お姉さまが負けるなんて事……万に一つもあり得ませんよね?』  綾香の居なくなった静かな部屋に一人残された夏姫はそのように心の中で呟きながら、一方で何やら違和感めいたものが頭の端に引っ掛かりそれが気になって不安を掻き立ててしまう。  その違和感の正体は自分でも気づいていた。  さっき騒がしく入ってきた青い髪の女性……綾香を絶妙なタイミングで呼びに来たあのバニー姿の女性……  普段はルーレットやスロットの接客を任されている筈の彼女が……なぜこのタイミングでブラックジャックの卓でクレームを上げているお客様の呼びつけに対応をしたのか……  ブラックジャックには別のバニーが接客についていた筈なのに……なぜ彼女がわざわざ?  恐らく……綾香に言えば“余計な心配”だと跳ね除けられるほど些細な違和感ではあるのだけど……今はどうしてもその事が気になって仕方がない。  さっきまであれほど甘々しくじゃれ合っていたというのに……その甘々しさは“嫌な予感”という寒気に晒され今にも凍り付きそうなほど心の中を冷やし尽くされてしまった。  きっと大丈夫……と信じつつも不安で仕方がない。  夏姫は時計に目を運びつつ部屋の中を歩き回りながら落ち着かない心持ちで自分の休憩時間が終わるのを待った。  そして時間が経つや否や部屋から飛び出す勢いで綾香の後を追い彼女達が居るはずのテーブルへと向かった。 『どんなに頭や目の良い人間がお姉さまのアレを見破ろうとしてもアレは絶対に見破れないし、イカサマだと糾弾する方法すらない筈だ。だから絶対に大丈夫! 絶対に……お姉さまは負けない! 絶対に……』  と、自分を鼓舞する言葉を心で呟きながら……

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