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#63  脇腹チェックの時に見せた鈴菜のあの反応は悪くはなかった……  腋のチェックの時も何だかんだで手応えはあったし決して悪い反応を見せてはいなかった……  普通に考えればこのどちらかが弱点であろうと予想してどちらかを選んで責めるのがセオリーだとは思うのだが……あなたはそこを敢えて避け、まだ触れてもいない“足裏”の部位を本番に選び彼女の足元へ移動し、彼女の爪先が胸の高さに来るまで姿勢を低くさせくすぐる態勢を整えた。  十字架の根元にあるコンクリートで出来た小高い台座……その上に辛うじて“カカト”だけが乗せられる踏み台に彼女の小さくて可愛らしい素足が乗せられており、その足の指には細くて頑丈そうなワイヤーが関節の部分に食い込むくらいに掛けられ、足裏全体を反らせるためにそれらのワイヤーは彼女の足全てを引っ張る様に足首に巻かれた枷に繋がれている。  足裏が反らされているものだから足先に視線をやると普段地を踏みしめているであろう母指球や小指球の膨らみや土踏まずの谷間部分までが僅かに見え隠れする。  あなたはその滑りの良さそうな美しい足裏の肌を見て興奮が抑えられない。  早く触ってしまいたい……  見えそうで全ては見えない足裏の部位を見てそのような衝動に駆られたあなたは、辛抱堪らんと言わんばかりにさっそく両手を逆手に構え彼女の足裏へとその手を運んでいった。  鈴菜の足の下に完全に潜るような形となり視界から消えたあなたの手は鈴菜の足裏を触りたくてウズウズしている。  その様子を無言で見つめている鈴菜は、文句の一つも零さず来るべき瞬間に向けグッと唇を噛みしめて声が漏れぬよう意識を集中していた。  ワキワキと蠢く指達が徐々に彼女の無防備に晒された足裏の中心へと近づいていく。  肌に近づけば近づくほどに、彼女の足裏から発される微妙に温かい体温を感じ取ることが出来る。 その体温が彼女の体温と同じ温度だと感じられた瞬間、あなたの中指が他の指より先に彼女の土踏まずの中心にソッと触れ、彼女のリアルな肌感覚や体温を指先に通っている知覚神経を経由してあなたの脳に“肌に触れた”という事実を素早く伝える。 「むっくふっっ!? んむっっ!!」  あなたの中指は鈴菜の足裏に触れた瞬間……縦に一筋の線を描くように軽く引っ掻いた。その刺激が予想以上にこそばゆく感じたのか、鈴菜は身体をビクンと大きく跳ねさせ思わず口を開けて吹き出してしまいそうになる。  しかし、すぐに開きかけた口をすぐに閉じ直し、首を横に振って襲ってくるこそばゆさに抵抗を試み始める。  あなたはその様子を見てクスリと笑みを浮かべ、今度は逆の足裏に中指を着地させ同じように縦に一筋のなぞり上げをしてみせる。 「くふっっ!? ぐっっっくっっっ!! むくぅぅぅぅ~~~~っっ!! んむぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」  鈴菜はその新たに加えられた刺激に再び身体をビクリと痺れさせ、先程よりも激しく首を振って刺激を嫌がりながら吹き出すのを我慢した。  その様子に手応えを感じたあなたは中指以外の指達にも一斉に指示を出し、彼女の土踏まずの部位に満遍なく指が触れるよう適度に距離を空けて肌に接触させていった。 「う、うひっ!? ちょっっちょっと待ちなさいよっっ!! まだ心の準備が整ってな――」  次々に降り立って肌に触れていくあなたの指の感触に鈴菜は堪らず待ったの声を上げようとしてしまう。しかしあなたはその言葉を言い終わらさないうちに全ての指を足裏に着地させ終え、間髪入れずにそれらに次の指示を送った。 ――コチョ♥ コチョコチョ♥ コチョコチョコチョコチョコチョ♥♥  逆手に構えた指達が肌への着地と共に一斉に担当する部位を小さく引っ掻き始め、彼女の足裏にモゾ痒い猛烈なこそばゆさを与える。   「ばっはっっ!? うみゅぅぅぅっっくっっっくっっくふふ! うくくくくく……むくぅ~~っふっふっふ……うむむぅぅっっっ!! んんんっっっ!!」  訴えの途中で突然始められたものだから鈴菜は口を閉じるのが間に合わずその刺激に盛大に唾を飛ばして吹き出してしまう。しかし吹き出しはしたがその後は連鎖的な笑いには繋がらず、ギリギリ笑わずに耐える事が出来てしまった。  あなたはその小癪な抵抗を見て再び口元に笑みを浮かべる。そして縦方向に優しい撫で上げを行っていた指達に次の命令を下す。 ――カリカリッ! カリッ! カリカリカリッッ!! 「っっ!? ぶひゃっ!? っっひぃぃぃぃっっっ!? あひぃぃぃぃいぃぃいぃぃぃぃぃぃっっっ!! やはっめっっ! やめっっろぉぉほっっくぅぅふっっっ!! んぐぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」」  優しく撫でるだけの刺激を与えていた指達があなたの命令により痒い箇所を掻き毟る様に強い引っ掻きの刺激を与え始める。反り返るくらいに皮膚を引っ張られて拘束されている足裏にそのような強い引っ掻きが加えられれば、こそばゆく感じない筈がない。鈴菜はその刺激を受け再び激しく吹き出し、口を痙攣させながら必死に笑い出すのを堪えた。 ――コチョコチョ、カリカリ、コチョコチョ……。コチョコチョ、カリカリ、コチョコチョ♥  鈴菜の笑いを巧みに誘おうと引っ掻きと撫で上げを交互に加えていくが、鈴菜はギリギリの所で笑いを堪え口からそれを吐き出さない様に必死に唇に力を込めている。  胸はビクリビクリと震え、万歳させられた手は必死に枷の支配から逃れようと音を立てて藻掻いている。  足裏を引っ掻かれるたびに反り上がった足の指も動ける範囲でジタバタさせていて相当にこの責めは効いていると見て理解できる。  しかし、鈴菜はまだ笑わない。想定の中ではすでにこの引っ掻きで笑わせている予定だったのだが……鈴菜の粘りはその想像を遥かに凌駕していた。 「くっふっっんんんっっっ……んぐぐぅぅぅぅぅっ、っくっく……ふぐくぅぅ……」  あなたはそれならばと一方向だけの単純な引っ掻き方ではなく上下左右あらゆる方向にランダムで指を動かし、不規則な動きで鈴菜の足裏を責め抜いた。 「んむぅぅっ!? くっっふっっふっ……ふふっっふっ……んんっっっくふぅぅぅ……」  引っ掻かれた肌に赤い跡が残るくらいに強く素早くくすぐっているはずなのに……鈴菜の反応は一向に笑いの動作へと移行してくれない。それどころか、時間の経過とともに彼女の苦悶の声が徐々に収まる気配すら見せている。 ――コチョコチョ! コチョコチョコチョコチョ、コチョコチョ! コチョコチョコチョ……  土踏まずだけでなくカカトや足の側面……更には指股の間にも手を這わせ、あの手この手で鈴菜を笑わせようと努力するが……あなたが責めれば責める程反比例的に彼女の反応が落ち着きを取り戻していく。  それを見てあなたは焦りを覚え、また必死に指を蠢かせて足裏のあらゆる部位をくすぐり回して彼女の笑いのツボを探ろうとするが、笑わせられない不安に冷静さを欠いたあなたのくすぐりは一層動きに精彩を欠くようになりいよいよ鈴菜の口からは苦悶の唸り声以外の声が放たれる事となる。 「ふっ……フフ……。危ない危ない……。私ともあろう者が足裏の責めなんかに声を漏らしてしまうとこだったわ……」  もはやくすぐったさなど微塵も感じていないと知らしめるように堂々と口を開いて言葉を紡ぎ始める鈴菜。彼女の口からは苦悶の笑いではなく未熟なくすぐりに対する嘲笑だけがあなたに向け零される。 「もう無駄よ。見ての通り……あんたのくすぐりには“刺激慣れ”してしまったんだから、これ以上くすぐってもただ指が疲れて終わるだけよ……」  彼女の言う通り、あなたがどのような触り方で彼女の足裏をくすぐるろうと彼女は笑うどころか眉ひとつ動かさなくなってしまっていた。 「まさか弱点らしき場所を差し置いて触ってすらいない足裏を本番に選ぶなんて思わなかったわ……。お陰で弱点でもなんでもないこの足裏で無様に笑いを零してしまうとこだった……」  まるで肌の中に通っている筈の触覚神経が全く機能していないのではないか? と思える程に無反応になった鈴菜に、あなたはこれ以上のくすぐりに意味があるとは思えないと悟り彼女の足裏から手を離していった。 「チェックの順番や責め方自体は悪くはなかったけど……最後に選んだ場所が悪かったわね。よりによって足裏を最後に責めるなんて、あんたってばホントについてなかったわ……」  恵理が耳元で「まだ時間はありますが……」と気を利かせて声をかけてくれるが、あなたは首を横に振り自分の敗北をあっさりと認めてしまった。   「私は昔から足裏だけはあんまりくすぐったさを感じないの♥ だからココは弱点じゃないの……残念だったわね♥」  最初こそ良い反応を見せていたが、時間が経つにつれ刺激に慣れていくのが分かるくらいに反応が薄くなっていき……最後には人形の足をくすぐっているのではないだろうか? と思う程に無反応になっていった。それを感じてしまった瞬間……あなたの中の“責め欲”は場がしらける様に急速に醒めていき最後は戦意喪失気味に手を離したのだった。  絶対に仕留めたと思っていた獲物が無傷で飛び立ってしまったかのような喪失感と絶望感を味わったあなたは、鈴菜の得意げな顔に視線を交わす事も憚られた。 「でもね……今まで触られた中であんたのくすぐりだけはなぜか“くすぐったい”って感じてしまったわ……。私は足裏だけは大丈夫だって自信を持っていたのに、あんたのせいでその自信もかなり揺らいでしまったじゃない! どうしてくれんのよ!」  かなり強い口調で訴えかける鈴菜だったが、その口調とは裏腹に顔は綻び何やら嬉しそうな笑顔さえ浮かべてあなたを見ていた。  あまりに刺激慣れするのが早すぎた彼女であったため一種の化け物の様な印象を持ちかけたあなただったが、そんな彼女でもあなたのくすぐりが“くすぐったい”と感じてくれていたという事が分かり安堵の息を思わず漏らす。  そう……あのくすぐりが全く効かなかった訳ではなかったのだ……  ポジティブに考えるなら、弱点でもない箇所で笑わせる寸前まで追い込めたという事に成果を見出すべきだ。彼女は化け物でも怪物でもない……ただ刺激に慣れるのが少し早いだけの普通の女の子なのだ……  あなたは消沈しかけていた気力をその言葉によって持ち直させた。  そして、完全に失せたはずの責め欲がそれと同時に再びムクムクと湧き上がってくる感覚を感じ、あなたは終わりを迎えたにもかかわらず次のプレイに向けての作戦を頭の中で何通りも組み立て始める。 「フン! 何よそのいやらしそうな顔! 私の事……まだ責め足りないって顔してるわ……」  鈴菜があなたの顔を見てニヤリと笑みを浮かべる。 「いいわ、いつでも……何度でも掛かってきなさい? その度に自信にまみれたその顔……またヘコませてやるんだから!」  鈴菜の挑発を耳に入れながらあなたはゆっくりと反対を向き直し出口のドアへと向かって歩を進める。  負けた事には変わりないが全てが無駄な負けという訳ではなかった……  少なくともくすぐりに強いと豪語する鈴菜を追い込むところまでは出来たのだ。  弱点じゃない箇所だったからギリギリ耐えられた……と言うのなら、次は弱点を責めてしまえばいい。  今回のチェックでその弱点の目途も何となくついている……  あなたは部屋をあとにしながらももうすでに次のプレイの事を思い描いている。  次こそはあの自信たっぷりの顔を無様な笑い悶え顔に変えて見せる!  そのように決意を固めながら、あなたは店を出るのであった。 『鈴菜ルート失敗④……【足裏は刺激に強かった】エンド……完』

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