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#62  脇腹をチェックした時鈴菜のあの反応……  あの反応こそ彼女の弱点を突いた時の反応だと確信したあなたは、腋や足裏を責めるという選択肢を蹴って再び脇腹をくすぐる事を最終的に選んだ。  あなたはその選択をした後鈴菜の背後へと回り込み、背中越しに彼女の脇腹の部位に視線を落としてこれから責める事になるであろう箇所の様子を再確認した。  身長や胸の大きさだけで見ると鈴菜は幼児体型であると言わざるを得ないほど発育不良気味であるが、肩甲骨から腰に至るまでのラインについた引き締まった筋肉や張りが良くて健康的な肌、そして絞れるだけ絞ったと言わんばかりに括れた脇腹の部位を再確認すると、やはり年相応の女性の色気をその背中に感じずにはいられない。  思わずその張りの良い筋肉の筋を指でなぞってしまいたくなるような……そんな吸引力の高い魅力を彼女は背中で体現してくれている。 「ふ、フン! ちょっと良い反応が見れたからってまた懲りずに脇腹を触ろうっていうわけ? セオリー通りで芸がないわね……」  体型が幼く見えればその生意気な言動も幼く聞こえてしまう彼女だが、その幼さを補って余るほどの魅力が彼女の背中と脇腹には存在する。  早くその生意気な口を苦痛に歪ませてやりたい……  あなたは彼女に半歩程近寄り、脇腹に無理なく手が届く事を確認すると、早速と言わんばかりに両手を彼女の括れた脇腹のほんの少し上を狙って近づけていった。 「ちょ、ちょっと! あんたの興奮してる息が背中に当たって気持ち悪いじゃないのよ! そんなに密着しなくてもくすぐる事くらい出来――」  密着するように接近したあなたの息が鈴菜の背筋に当たっているらしく、彼女は腰をくねらせて嫌がる仕草を取り始めた。あなたはその様子に目もくれず、両手の指先を彼女の脇腹の少し上の部分に優しく着地させた。 「るヒゃッっ!? ちょ、ちょっと! まだ私が喋っていたでしょうがっっ!!」  指先に触れた鈴菜の肌の感触は柔らかさだけでなく肌の張りも良く触り心地が良いという第一印象を受けた。ピンと引っ張られるように伸びきった張りの良い皮膚……その皮膚を指先それぞれで軽く押し僅かに窪みの形を作らせるくらいに沈み込ませると、あなたは試しにとその指達を僅かに動かして彼女に挨拶代わりのくすぐりを送ってあげた。 「あへひゃっっ!? ぃくぅぅふっっ!! うくくくくく……ちょ……待ちなさいっ! そんないきなり触るヤツが……くふっ!! んくっっふふふふふふ……んんっっ!!」  脇腹の括れに至る直前の骨と筋肉が入り混じった比較的硬い部位ではあるが、あなたは潜り込ませた指を巧みにくねらせて鈴菜に耐え難いこそばゆさを与えていく。  刺激の最初……彼女は油断からか吹き出しそうになっていたが、すぐに自ら口を閉じ直し込み上げてきているであろう笑いの衝動を口内に閉じ込める事に辛うじて成功した。  何の合図も出さずに責め始めたあなたに彼女は何やら文句を言いたげにしていたが、あなたに返す反論よりも込み上げてくる笑欲の方が強いらしく言葉の刃は笑いと共に口内で我慢する事を余儀なくされた。  あなたは反論できなくなったのをいい事に彼女を笑わせるべく次の責めを開始する。 ――コチョ♥ コチョ……コチョ♥ コチョコチョコチョ♥  脇腹の上部をくすぐっていた手が徐々に括れの形に沿って下降を開始し、本命である括れの中心部位へと向かって進軍する。 「あぐっっ!? ふっっ! くっっふっっっ!! うぐっっっ!!?」  指が彼女の張り切った柔肌をマッサージするように揉み込みながらキワドイ所へ降りようとすると鈴菜は一層嫌がる様に首を横に振り乱し、強くなる刺激に抵抗しようと必死に不自由な手をガチャつかせながら暴れて見せる。  しかし、そのような抵抗を行ったところであなたの手の進軍を阻むことは一切できず、鈴菜は更にワントーン高い悲鳴を口を閉じたまま上げさせられる事となる。 「んびぃぃぃぃぃぃぃぃ!? んっっんんっっ!! んんんんっっっふっっっ!! んぐぅぅぅぅぅぅぅ!! ぷふっっ! ぶふっっふっっ!!」  足踏みしながら少しずつ歩を進める様に移動を行うあなたの指の刺激が確かに“こそばゆい”と感じている鈴菜は、空気を漏らすまいと必死に閉じているにも関わらずその口端からは堪えきれなかった僅かな呼気が漏れ出してしまっている。  この調子で行けば完全に脇腹の括れに到達する頃には堪えきれずに大きく口を開けて笑ってしまっているのではないだろうか?  あなたはそんな期待を持つと同時に、それではなんだか面白くない……と感じ、括れの中心に向けて進めていた手をその直前で止めあえて一番キワドイ箇所を刺激するのを焦らすという戦法を取るよう指達に新たな指示を与えた。 「んぐぶぅぅぅっっふっっ!? むぅ~~っっふっっ!! んふっ、んふぅぅぅぅ!!」  キワドイ部位の直前で歩みを止めた指達は、括れの中心を触ると見せかけてその先……中心を軽く跨いだ腰の骨盤が触れる部位までジャンプし、今度はその部位をモジョモジョと指先でくすぐり始めた。 「んぐふっっ!!? んむぅぅぅぅぅ!! な、なんで……そっちに飛ぶのよっ! 何考えて……ゴひャっ!? はぐっ!! むぐぅぅぅぅぅぅっっっ!! んぐくっぅぅぅぅぅぅぅふっっっ!! うんむぅぅぅぅぅ!!」  骨盤の部位はその名が示す通り肌のすぐ下は骨が有るため先程の部位よりも硬い。その硬い感触を指先に感じながらも、あなたはそれぞれの指を素早く蠢かせて皮膚の表面を愛撫するようなくすぐりで鈴菜の我慢を砕こうと責めた。  しかし、流石はくすぐりに強いと豪語する彼女だけはあり、吹き出しかけた笑いもギリギリの所で堪え口内に押し留める事に成功した。  あわよくばこの意表を突いた責めで笑わせられたら楽だったのだが……  あなたは我慢してしまった彼女に残念な感情を抱くが、まだ責めが始まって数分しか経っていないし本命はこれから責めるのだから……と気を取り直しその部位をある程度刺激して彼女への焦らしを続行した。 「ふっっっふっっっ! ふふ……い、いいわ……だんだん慣れてきた。最初は意表を突かれて驚いちゃったけど……慣れればなんてことないわね……」  流石に脇腹から随分と外れた箇所を触っている事もあり鈴菜が刺激に慣れ減らず口を叩くほどに余裕がある態度を見せ始めるのも随分と早かった。 「それで終わり? まさか終わりじゃないわよね~? この私に挑むのにその程度の責めしか出来ないんじゃ何度挑まれても鼻で笑って追い返してやれるわ」  当然これで終わりな訳が無い!  あなたは心の中で彼女の悪態に反論し、その心の言葉を彼女に悟らせんとするため腰下の部位への責めを中断した。 「……な、何よ? まだ……なんかヤるって訳? 良いわよ……もう怖くなんて無いんだから! 何処でも好きに触ったらいいわ……」  あなたの手の動きが止まったのを不気味に感じたのか、鈴菜の口調が僅かに震えて聞こえた。 「や、ヤるんなら……さっさと……ヤれば良いじゃない! 手なんか止めてても何も感じないわよ? それとも……あまりに私が我慢強いから責めにくくなっちゃったのかしら? っていうか……私にビビっちゃってたり?」  あなたは彼女の煽り言葉など気にも留めず、腰下の肌を触ったままピクリとも指を動かさない。  完全に無刺激の状態を数十秒与え、何とも言えない不気味さを彼女に味合わせた後……  あなたの手は、電気ショックで息を吹き返したかのように突然腰のくびれまで高速で移動し、本命としてとっておいた“脇腹括れの中心”に全ての指を配置し終えると、突然動き出した驚きを冷まさないうちにと間髪入れずに全部の指を蠢かしていった。 「ぱぎゃはっっっっ!? いぎゃああぁぁぁぁぁあぁぁっぁぁっっ!! ちょ! またいぎなりぃぃぃぃぃぃぃぃぃひひっっ!? うひっっっ!! んひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」  突然の場所移動と責めの再開に口を閉じる隙すら与えられなかった鈴菜は、身体をビクビクっと大きく震わせ一際甲高い悲鳴を部屋中に響かせた。 ――コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!!  あなたは彼女の悲鳴を笑いに変えるべく責め手を緩めないよう激しく蠢かせ脇腹の肌がグニグニと変形してしまう位に力を込めて揉み解してあげた。  彼女がの弱点が脇腹だという見解が正しいのであれば、この肌の形を変える程の揉み解しは電撃の様なくすぐったさを彼女に与えている筈だ。  口は悲鳴を上げたため開いている……口が開いているという事はもはや笑いを我慢する事など不可能に近い筈だ。  これは勝った……!  あなたは早計ながらもそのように確信した。  このような状態で笑わないなんてあり得ない……この責めで完全にトドメを刺せたはず!  徐々に悲鳴が収まりその悲鳴が今度は笑いに代わる頃だろうと思っていたあなただったのだが…… 「はがっっっ! はひゃっっっっひっっ! んひぃぃぃっ!! はひ、はひ、はひぃぃ!! かはっっはっっっ、んむふぅぅぅぅっっっくっくっくっくっく……」  鈴菜の粘りはあなたの想像を遥かに超えてしぶとかった。  開いてしまった口を自ら閉じる事が困難だと悟った鈴菜は、横に振っていた頭を今度は縦に勢い良く振り首の根元に顎をぶつけて無理やり口を閉じて笑い出すのをギリギリの所で留めてしまったのだ。  まさかあの状況で笑いを我慢してくるなんて微塵も思っていなかったあなたは、流石に焦りの感情が芽生えてしまい攻め手に精細を欠く動きをし始めてしまう。  とにかく笑わせなくては……とにかくもっと強い刺激で彼女を笑わせなくては……  そのような感情が指に伝わり必要以上の指圧を彼女の脇腹に加えてしまう。  脇腹へのくすぐりは、ただ強く揉み解せばそれでいいという訳ではなく、優し過ぎるタッチでも笑いに繋げられない……程よい触り方で責めなくてはただの指圧や愛撫にしかならず……それはもはやくすぐりではない。  あなたは、焦りのあまりその事が抜け落ち彼女への責めがおろそかになってしまった。  一度責めがおろそかになると、笑わせられない焦りからドツボに嵌ってしまう。強さを雑に変えてしまったり……責める箇所を適当に変えてしまったり……  そんな責めに成り果ててしまったあなたのくすぐりに……鈴菜が笑ってくれることなど決してなく、それどころか…… 「っっ……はっ……はぁ、はぁ、はぁ……あ、危なかったわ……まさかこの私が口を閉じれなくなるくらいまで驚かされるなんて……思ってもみなかった……」  脇腹を触られる刺激にも慣れ始め、もはや我慢すらしなくても問題無いと判断した鈴菜は、あなたが必死に脇腹を責めているにもかかわらず普通に口を開き冷静な言葉を零し始めてしまう。 「……フフ……残念だったわね。あと一歩の所まで追い詰めたっていうのに……そこから焦って責めが雑になるなんて……やっぱりまだまだってところかしら?」  責めても責めても彼女から零れる笑いは嘲笑のみ……  もはや何処をくすぐってもどんなくすぐり方をしても彼女は眉をピクリとも動かしたりはしない。 「弱点である脇腹の中心を狙うんじゃなく脇腹の上の方から触って来るとはね……刺激慣れしてなかったら本当に危ないところだったわ……」  どのように責め方を変えても動じなくなってしまった鈴菜にすっかり戦意を喪失してしまったあなたは、そのまま諦める様に手を止め彼女の肌から手を離していった。 「あら……もう諦めたの? 案外いさぎのいい幕引きをするのね……あんた……」  離した指先には未だ鈴菜の張りの良い肌の感触が覚えられているが、あなたはその手を彼女の脇腹へ再び差し込む気力は既に無くなっていた。  どのように手を動かしても……どのように責め方を変えても……今の彼女を笑わせる自信が湧いてこなくなってしまったのだ……。 「フフ……この世の終わりの様な顔しちゃって……そんなに笑わせられなかったのがショックだったのかしら?」  仕事や日常で被るショックと比べれば些細な失念に過ぎない事だが……自信を持って責めた結果が失敗に終わってしまったという無念さはあなたの想像以上に胸をざわつかせた。それが表情となって顔に現れていたのだろう……鈴菜はあなたの顔を見てクスリと笑みを零す。 「いいわ……だったら、今回だけあんたの敗因を教えてあげる」  小さな笑いを零した鈴菜はそのように呟くと、恵理や美咲に聞こえないようあなただけに聞こえるよう唇を細めて小さな囁きを入れ始めた。 「あんたの敗因は……脇腹を“2度”責めてしまったってとこよ♥ 私は羽根であろうと筆であろうと手であろうと、1度触られた箇所は刺激慣れするのが早いの……。だから、あの時……ギリギリ耐えられたのよ」  耳奥に細く入れられる彼女の小さな声と吐息にこそばゆさを感じてしまうあなただったが、彼女の言葉は落胆しかけたあなたの気力を再び呼び起こす起爆剤になるような内容だった。 「実際……あんたの責め……悪くなかったわ♥ 刺激慣れしていなければ……多分即オチしてたレベルの完璧な責めだと思ってる……。だから今度は……その事を考慮に入れて……責・め・て・み・て♥ 分かった?」  言葉の最後に情報料の代わりと言わんばかりに悪戯っぽく甘い息をフッと吹き掛けた鈴菜は、その吹き掛けに驚いたあなたの顔を見ると屈託のない可愛らしい笑顔を見せてあなたにウインクを送った。  その可愛らしさと今までの彼女とのギャップにあまりにも落差があり過ぎたために驚きを隠しきれず耳を抑えしばし呆然と立ち尽くすあなただったが、そのぼやけた意識も直後に鳴り響き出した終了を告げるアラームの電子音に明瞭にさせられる。 「残念ですが……時間です」  アラームを止めると同時に恵理があなたの横へと立ちプレイの終わりを告知する。  あなたは渋々鈴菜の身体から2歩3歩と身を引いて恵理の誘導に従い部屋を後にしようとした。 「……また、いつでも……挑戦……しなさいよね……」  ドアノブに手を掛けたあなたに鈴菜がボソリと呟く。  あなたはその言葉を聞いて思わず振り向いてしまいそうになるが、その気持ちをグッと堪えてドアを開いて静かに部屋を後にした。  店を出て帰路に就く途中あなたは鈴菜との後半のやり取りを何度も思い返していた。  チャレンジこそ失敗に終わってしまった今回のプレイだったが、何も成果が得られなかったという無駄なプレイにはなっていなかったとあなたは自覚している。  鈴菜にあそこまで言わせることが出来たのは、ひとえに責め方自体は間違っていなかったのだと今更ながら手応えを感じている。  次に対峙する事が有れば今度はチェックの段階から責め方に気を付けていかねば……  あなたは鈴菜の助言を思い出しながら夕日の傾く家路へと歩を進めていく。  次のプレイを楽しみにしながら…… 『鈴菜ルート失敗③……【惜しくも刺激慣れが勝った】エンド……完』

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