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#61 「っっ!? ちょ……な、何する気よ!? そんなに顔を近づけてっ!!」  あなたは鈴菜の正面に立ち彼女の顔を真っすぐに見つめた。そして息が掛かってしまうのではないかと思える程の距離まで顔を近づかせ彼女の目をじっくり観察する。  必死にあなたの視線から目を避けさせようと右に左にと目を泳がせる彼女だが、あなたの顔が接近すればするほど怯える様にあなたの目を恐る恐る覗き、なぜか頬を赤らめさせる。  このまま行くとキスするのではないか? という距離まであなたの唇が近づくと、鈴菜は再び視線を外に逃がしあなたを直視できなくなってしまう。その瞬間を好機と見たあなたは、彼女に見られないようゆっくりと手を彼女の脇腹に近づけ、人差し指から小指までの4本の指を腰の側に……責めの主役である親指だけを彼女の脇腹の肌上にソッと置き……責めの準備を整えていった。 「はひゃっ!? ちょ……わ、わ、脇腹っ!? 何か当たってるっ!? 腰にもっっ!!」  親指と他の指が肌に触れた瞬間、鈴菜は身体をビクリと震わせて大きな反応をして見せるが、あなたの顔が間近に迫っている為下が向けずあなたが今どのように脇腹に触れているかを見ることが出来ない。  あなたは彼女が下を向けないのを良い事に、宛がった親指を脇腹のもっとも括れた部位へと移動させいかにもそこを責めるぞと言わんばかりに指を突き立てた。 「あっはっっっ!? ま、ま、待ちなさいよっ!! あんたの顔が邪魔で見えないじゃない!! せめて少し離れなさいよ!!」  強引に下を向けば額がぶつかってしまう可能性もあるし、下手をすれば唇だって勢いで重なってしまう可能性だってある。そのような行為は基本的にこのプレイでは行えない為、鈴菜も唇を合わせる訳にはいかない。それを逆手にとってあなたは限界まで顔を近づけさせ彼女の視界を制限させる事を思いついたのだ。  視界を奪えば……何をされるか見て刺激に備えるなどの抵抗が行えなくなる。見えなければ刺激に対する抵抗力も弱まるはずだから、くすぐりがより効果的に彼女の我慢を砕いてくれる可能性がある。  くすぐりに強いと豪語する彼女に効くかどうかは分からないが、何もしないよりは少しでも工夫をした方が良い。  あなたはそう思い立って彼女の目の前に顔を近づけさせたのだ。 「ひっ!? ちょ、なに……これ……。なんか分かんないけど……体中がゾワゾワして……堪らなくなってきてる!?」  親指の先を皮膚に沈み込むようにググっと差し込んでいき……爪の半分くらいの位置まで沈み込んだら一旦その位置をキープして…… 「あひっっはひっ!? ま、待って!! 指が……食い込んできてる!! 脇腹のところに……ひっ!? イヒっッ!?」  そして、万歳の格好をしている事によって上半身の方へと引っ張られている格好となっている脇腹内部の筋肉の“スジ”を指先に感じながら、その伸びきる様に緊張しきった“スジ”を親指の腹で揉み解してマッサージを始める。  するとその刺激があまりに耐え難く感じてくれたのか鈴菜は…… 「ぎひゃはっっ!!? イヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ、ば、ば、馬鹿っっははははははははははははは、いきなりそんなに強く揉むなぁぁぁははははははははははははははははははははは!!」  あまりにもあっさりと……それでいて豪快に大笑いが口から吐き出されてしまった。 「はっっ!? はひっっ!! ちょ、ちょ、ちょっと待って!! 今の無しっっひひひひひひひひひひひひひ!! 今のは無しよっっほほほほほほほほほ、くひひひひひひひひひひひ!! こ、こ、これは笑った訳じゃ……っははっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、ただ油断しただけでっへへへへへへへへへ、笑った訳じゃないのっっ!!」  その不覚とも取れる突発的な笑いを“笑った訳ではない”と必死に弁明しようとする鈴菜だが、反論の言葉の最中も笑いが堪えられておらずもはや説得力の欠片も感じ取る事は出来ない。 「いぎっっっひゃひゃひゃひゃひゃひゃ! い、い、一回やり直させてっへへへへへへへへへ!!  こんなの認めたくなひぃぃひひひひひひひひひひひひ、だはぁ~~っははははははははははははは!! こんな卑怯な責め方を認める訳にはぁぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、うははははははははははははははははは!!」   責め方がどんなに卑怯であろうとも“くすぐり”で“笑わせた”という結果には相違はない。そもそもくすぐりという責めに卑怯もへったくれもない……笑いたくない者を無理やり笑わせる為に行うのがくすぐりの本質なのだから、そこに様式美やセオリーなどというものは存在しない。むしろセオリー通りに責めても鈴菜には効かないだろうと思ったから責め方に工夫を入れたのだ……それが卑怯だといういわれは何処にもない。 「そのような弁明は通りませんよ? 卑怯であれズルい責めであれ……貴女は笑ってしまったのですから貴女の負けなのです。やり直しなんて……認めるはずがないじゃないですか」  あなたの考えていた事をそのまま言葉にしたようなセリフを恵理は静かに鈴菜に吐きつける。 「だはっっはっはっはっはっはっはっはっはっは、うひひひひひひひひひひ、いいからやり直せって言ってんのよ! 私が言ってんだから従えこのっっ!! くはっっっ!? ぶはははははははははははははははははは、いひぃぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!!」  それに対して鈴菜も食い下がろうとするが、恵理はその言葉に眉ひとつ動かさずまるで機械が受け答えしているかのようなマニュアル通りの言葉を返していく。 「ルールはルールです。あなたは時間内に“くすぐり”に耐えられず笑った……この事実は何一つ曲がってはいません。故に……貴女の負けです。無駄な足搔きなんかせずその敗北を認めたらどうですか?」 「い、い、嫌よっほほほほほほほほ!! 絶対っ嫌っははははは!! 私はこれくらい余裕で耐えられ筈なのっっ!! それを証明してあげるからっっはははははははははは、チャンスを頂戴っっ!! お願いだからもう一回だけチャンスをぉぉほほほほほほほほほほ、かはははははははははははは!!」 「ダメです。ルールは変えません。こんなに無様に笑い狂っているというのに……よくそんなこと言えますね?」 「はっっはひっっ! わ、わ、分かった!! じゃ、じゃあこうしましょう? くひっっひひひひひひひひひひひひひひひ、こ、こ、この……この笑いを堪えることが出来たらもう一度チャンスを頂戴? ねっ? いいでしょ?」 「だから……無理だと言っているでしょう? 往生際の悪い……」 「あがっはっはっはっはっはっは、じゅ、十秒!! 十秒間我慢出来たら……くっくっくっく……やり直しで……くふふふふふふ、良いでしょ? ね?」  「我慢できるというのなら勝手に我慢したらいいじゃありませんか……。でも結果は覆りませんよ? 笑った事実は取り消せませんので……」 「い、い、いいわ……くふふふふふ、我慢してやるっっふふふふふふふふふふ!! この程度の刺激に私が屈服するわけが無いんだもの! っくっっふっっっっ、ほ、ほ、ほら! もう我慢できそう……」  余程この責めが鈴菜にとって“卑怯”だと映ったのか……彼女は頬を膨らませ開きっぱなしだった口を固く閉じ直し必死に笑いを抑え込もうと試み始めた。 「くひっ……ふっ……くっっっ……んっっ……」  口を閉じても胸がビクビクと痙攣を繰り返し横隔膜が発作的な笑いを喉元まで送り付けているようだが、鈴菜はその飛び出そうになる笑いを強引に口内に留め一切の笑いを封印しようとしている。  あなたはそんな涙目になりながら必死に我慢しようとする彼女の目をジッと見つめ、親指だけで刺激していた脇腹に新たな責めを展開する。 ――コチョコチョコチョコチョコチョ♥  強く揉み込んでいた親指を脇腹から抜き去り、手の位置を手前にずらし……今度は今まで腰を支えるだけしかしていなかった4本の指を脇腹の窪みへと移動させ、親指の責めとは真逆の……優しすぎくらい軽いタッチでその皮膚周辺を触りながら神経を逆撫でするようなこそばゆさをその部位に与え始めた。 「ぱぎゃっっ!? ぶひゃっッっ!! うはひゃ~~~~っっはははははははははははははははははははは、いひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、だはははははははははははははははは、い、い、いぎなり責めを変えるなぁぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、それも卑怯よぉぉ!! 卑怯っっっ!!」  あなたの意表を突いた責め変えに、鈴菜はたまらず溜め込んだ呼気と唾をあなたの顔面に吐きつけながら再び笑いの渦へと呑まれていった。 「だはははははははははは、ハギャハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、も、も、もういっかいぃィぃひひひひひひひひひひひひひひ、もう一回っっ我慢させてっっへへへへへへへへへへ!!」  彼女にとって“笑う事”イコール“認められない事”なようで……再び策に嵌って笑い出してもそれを負けだとは決して認めない。  その往生際の悪さにプライドの高さを垣間見ることが出来、あなたの中ではそのプライドをへし折ってしまいたいという衝動が黒く渦巻き始める。 「くははっっはっっひ……はひ……あぐ……うぐぐぐぐ……うぅ……」  あなたはその衝動に操られるようにくすぐりの手を緩め、彼女の笑い我慢を“あえて”手伝うような誘導を行う。 「ふぐっっふっっ……ふっ……ふふっ……どう? ほら、我慢出来たでしょ? フフ……そりゃそうよ……あんたの責めに私が屈服するなんて事があるはずが――」  そして我慢をし切って自信を取り戻した瞬間…… ――コ~チョ、コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ~♥  今度は指4本でのフェザー引っ掻きに加え、腹部に這わせていた親指で彼女の引き締まった腹の筋肉の方もムニムニと揉み解す責めを同時に行って上げた。 「ぷびギャはっ!? えぎゃああああぁぁぁあぁぁあぁぁぁっっはははははははははははははははははははは、ま、ま、待ってぇぇへへへへへへへへへ、にゃによっ? その責めぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへ、お、お、おにゃかっっははははははははははははは、おにゃかまでくすぐるなぁぁはははははははははははははははは、いひゃああぁぁぁぁっっはははははははははははははははははははははははははh!!」  親指の“腹筋解し”が思いのほか効いてしまったのか鈴菜は三度突発的な吹き出し笑いを吐いてしまい、それ以後はそのくすぐりに抗う事も出来ずあなたの意のままに笑いをコントロールされ続ける事となる。  それでも途中何度か笑いを我慢しようと口を閉じようとしていたが、その度にあなたは鈴菜の顔に自分の顔を近づけ至近距離で彼女の目を見つめ、彼女の視界に留まりながら小声で“こちょこちょこちょ”と囁く事を繰り返した。  目を直視するあなたの視線と、聞いていても恥ずかしくなるような稚拙極まる言葉煽りを同時に目と耳に受けた鈴菜は、その落差のあるギャップにも可笑しさを感じてしまい、閉じかけようとしていた口もすぐに開いて大笑いを吐き出し続ける羽目になった。 「かはっっはっはっはっはっはっはっは、あーーっっあっっはっっはははははははははははははははははは、ちょ! その顔っっ何のつもりよぉぉ!! そんなに近づけさせるなぁぁははははははははははは、くははははははははははははは!!」  唇同士が接触してもおかしくはない……そんな距離を維持しつつ、あなたは鈴菜の嫌がる眼を見続けた。そして小さく開いた口からはあの稚拙な言葉も繰り返し呪文のように何度も紡がれている。 ――コチョコチョ! こちょこちょこちょ♥ コチョコチョコチョコチョ…… 「はがっっはははははははははは、ぶっひゃっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、そ、その言葉もっほほほほほほほほ、やめろぉぉっっ!! 耳が気色悪なるから早くやめろっっくくくくくく、むひゃっっっはははははははははははははははははは、うはははははははははははははははは!!」  我慢と緊張の糸が完全に切れてしまった鈴菜は、脇腹にいやらしく這い回るあなたの指のこそばしに笑いを抑えることはおろか呼吸のための吸気動作までも行う事が敵わず、時折窒息しかけの魚の様に口をパクパク痙攣させ苦しそうに笑っていた。  一度我慢できずに笑ってしまうと、その笑いが次の笑いの呼び水になってしまう。そして笑いが笑いを読んで止められなくなると息を吐く動作が増え呼吸障害に苛まれる状態となる。鈴菜はその苦しみの中、必死に身体を左右に振って嫌がりながらもそれでも笑い続けた。  正確には笑わされ続けた……と言わなくてはならないが、彼女にはその止めたくて仕方がない筈の“笑い”を拒否する権利を与えられてはいない……。  なぜならば……  彼女は敗北してしまったのだから……  あなたの“くすぐり”に。 ――ピピピピピピピ!  このままくすぐり続ければ永遠に笑わせる事も出来たのでは? と思える程に鈴菜はあなたの責めに1度たりとも笑いを我慢できないでいたが、そんな彼女にも“制限時間”という救いの手は等しく訪れてくれる。  タイムアップを告げる電子音と「はい、そこまでです」という恵理の落ち着き払ったトーンの制止にあなたの手は彼女の脇腹から離れざるをえなくなってしまった。 「は、はぁ……はぁはぁ、はぁはぁ……ゲホゲホっ!! はひ……はぁ、はぁ……」  あなたのくすぐりが止まると鈴菜は大袈裟にも思える程に肩を上下に動かしながら、空っぽになっていたであろう肺に酸素を取り込むための荒い呼吸を繰り返す。  あなたはその様子を眺めながらも1歩2歩と足を下げ彼女から少し距離を取って、弛緩しきった彼女の身体全体を今一度眺め直す。  額には汗、目には涙が溢れんばかりに溜まり、口からは涎が垂れ放題になって頬はリンゴの様に真っ赤に火照って見える。  彼女の控えめな胸は呼吸の度に何度も上下運動を繰り返し、くすぐられていた脇腹は未だくすぐりが行われているかのように軽微な痙攣を見せている。 「素晴らしい責めでした。流石……奴隷として彼女に責められてきただけの事はありますね。責め方に彼女らしい“いやらしさ”も見て取れましたよ……」  別に鈴菜の責めを模倣したつもりはないのだが……設定上は“奴隷として彼女に調教されてき”という体になっているので、恵理も進行上そのように促したのだとは思う。  だからあなたも彼女の“設定”を濁してしまわないよう頭を縦に振って、その賛辞の言葉に喜ぶような仕草を返す。 「ま、ま、待ちな……さいよ! こんなの……認めないっ!! こんな卑怯な責め……私は認めない!」  恵理の“素晴らしい責め”という褒め言葉が気に食わなかったのか、呼吸も整いきっていない状態であるにもかかわらず鈴菜はその言葉に食ってかかる。 「責め方に関する規定はしなかった筈ですが?」  恵理はその言いがかりに僅かな睨みを目に含ませ反論を返した。 「こんな視界を奪って責めるやり方は卑怯だって言ってるのよ! そんな小細工なんてせずに、ヤるんならくすぐりだけで勝負しろって言ってんのっ!!」 「視界を奪うという行為は立派な戦術ですよ? 貴女だってよくやるじゃないですか……奴隷の調教をする時に……」 「うぐっ! い、今は私の事はどうでもいいでしょっ!! それよりも、今のはやり直しよ! 今度はくすぐりだけで私を笑わせて見なさいってのよ!」 「いいえ、やり直しは認められません……。笑ってはならないとルールを定めたにもかかわらず貴女は我慢できずに笑ってしまったのですから、規定通り。次のステップへ進ませていただきます」 「だ、だからそれは卑怯な手で笑わされたからだって言ってるでしょ!」 「どんなに卑怯でも、どんなにズルい責め方でも、とにかく笑わせるという目標を達成しなくてはならないのが“くすぐり責め”の本質でしょう?」 「うぐっ……うっ……そ、それは……そうだけど……」 「貴女には教えたはずですよ? 相手を笑わせる為だったら手段など選ばなくてよいと……」 「…………うぅ……」 「視界を奪われた方が笑い易くなるのであれば、どんな手を使ってでも相手の視界を奪って責めの効果を何倍にも高めるのがセオリーです。それを実践しただけに過ぎないのですから、それをルール違反だと喚くのはお門違いも甚だしい事です」 「くっ……うぅ……」 「相手がどんな状態でくすぐられるのが最も効果を発揮するのか……そういうのも見極めるのが調教師の役割でもあるでしょう?」 「うぅ……まぁ……それは……そうだけど……」 「丁度……今の責めで貴女の弱点も分かった事ですし……次の段階ではその弱点を存分に突かせて頂きますよ?」 「じゃ、弱点を突かせてもらうって?? な、なに? どういう意味? 脇腹を集中してヤるって事?」 「部位的な弱点の事は今は言っていません。弱点というのは貴女の視界の部分です……」 「私の……視界??」 「貴女は視界を奪われると極端に反応が良くなってしまいますよね?」 「(ギクっ!)は、はぁ? 何言ってんのよ……そんな訳……ないじゃない……」 「今の責めを見てハッキリとそれが“弱点”であると理解しました。ですので、次の責めは貴女の視界を完全に奪って責めさせていただきます。このアイマスクで……」 「ふ、ふざけないでよ! くすぐりで勝負するって話だったでしょ? なんで視界を封じるような事をされないといけないのよっ!」 「貴女は視界を奪われると……感覚が鋭敏になり過ぎて感じやすくなってしまうようですね?」 「んなっ!? か、感じやすくなんて……なるわけないじゃない!」 「とぼけるのは構いませんが……貴女がどう抵抗しようと、目隠しをすると言ったらしますので……」 「や、やめてよ! そんなモノを付けるてヤるなんて……聞かされてなかったわよ?」 「教えるつもりありませんでしたから……」 「ふざけないで! こんな話……聞いてないわ!」 「ふざけてなんていません。これは遊びや趣味とかではない……立派な拷問なのです。身動きの取れない……抵抗も出来ない貴女の身体中をくすぐり回して……息も出来ないほどに笑わせて苦しめ……最後には屈服させるというのが、この拷問の最大目標なのですから……貴女を笑わせる為の最善の努力は尽くすつもりです」 「あ、あんた……私の事を切り捨てる気でいるわね? こんなにもこいつらの方の肩を持つって事は……そういう事よね?」 「おや……バレましたか?」 「くっっ! それも……あの雇い主の趣向って……ワケ?」 「まぁ……そうだと言っておきましょうか……」 「わ、私は……絶対屈服なんてしないわよ?」 「だったら屈服するまで何度でもやり直すだけです……」 「こんな奴らのくすぐりに……負けてなんてやるものかっ!」 「フフフ……次の段階は、私も混じって責める可能性だってあるんですよ? それでも強気に言ってられますか~?」 「あんたの責めは……ただ気色悪いだけじゃない! 耐えて見せるわ! 絶対に屈服なんてしないっ!!」 「そうですか……では、このアイマスクを……そこの……美咲さんでしたっけ?」 「あ、えっ!? は、はい!」 「彼女にコレ……付けてあげてくれるかしら?」 「はいっ!!」 「ちっ! やめろ、このっ! 私に少しでも近づいて見なさい、後で死ぬほどつらい目に合わせてやるんだからねっ!!」 「ひっ!?」 「フフ……大丈夫です♥ 彼女が解放されるという未来はありませんよ。安心して付けてあげてください」 「ほ、本当ですか?」 「えぇ……。そのために貴女も彼女をたっぷり笑わせてやりましょうね?」 「私も……ですか?」 「勿論です。貴女のその細い指……その固く尖った爪で引っ掻いてやったらいいんです……この哀れな奴隷さんを……」 「奴隷……さん?」 「そうです。貴女が堕とすんですよ? 彼女を……奴隷に……」 「私が……堕とす……? 奴隷に……」 「ふ、ふざけたこと言ってるとホントに殺すわよっ! 笑い死にするまでくすぐり漬けにしてやるわよっ!! こ、このっっ! ち、近づくなっ!!」 「この手で……この指で……鈴菜様を……くすぐって……笑わせる……」 「そうです。笑わせて……笑わせて……呼吸が出来なくなるまで笑わせまくってやりましょう……」 「私のくすぐり……鈴菜様に……効くのでしょうか?」 「その目隠しを付けてあげたら……効くようになりますよ……」 「コレを付けたら……鈴菜様は……笑う? 私の……くすぐりに……」 「ちょっっ! やめろ!! やめなさいってっっ!! 噛みつくわよ! それ、目に当てたら噛みついてやるんだからっ!」 「鈴菜様を……笑わせる……鈴菜様を……くすぐりで……笑わせる……」 「やめっ! 待って!! 待ちなさいっっ!! こ、このっっ!!」 「ほら……抵抗しないでください? 往生際が悪いですよ~?」 「あがっっ!? ちょ、顔を掴むなぁぁ!! 二人掛かりなんて卑怯よ! あっ!? あぁっっっ!!」」 ――カチッ!  激しく抵抗しようとする鈴菜の顔を両手で押さえつけ大人しくさせた恵理と、自分の責める姿を妄想しているのか頬を赤らめ恍惚な表情を浮かべながらアイマスクをしっかり目の部分に押し付けてベルトをキツメに締め上げ固定した美咲。二人掛かりで行うその光景を見たあなたは鈴菜に同情の念を感じつつも、心の何処かでその行為自体に一種のエロティックさを感じずにはいられなかった。  いつの時代も嫌がる娘に無理やり嫌がる事を施す工程を見るというのは良いものである…… 「さて、準備は整いました……」  あなたが惚けた目で成り行きを眺めていると、アイマスクを付けられてもなお抵抗しようと頭や手を暴れさせる鈴菜を放置して恵理があなたの方を振り返る。 「ココからは鈴菜を屈服させるべく本格的な拷問の工程へ移っていくわけですが……ルールやパートナーの事は既にご存じですよね?」  恵理の促しにあなたは頭を縦に振る。 「一応……念のために簡単におさらいだけしますが、これからの工程は私かこちらの美咲さん……どちらかをパートナーに選んでいただいて二人で責め立てる事が出来ます。パートナーを選んでいただきましたらその相方に責め箇所を指示してください。大まかに“上半身”か“下半身”というザックリな指示で構いません……その指示が下ればそれぞれ好みの箇所を好みの責めでくすぐりますので……」  恵理の説明にあなたは再び頭を縦に振り理解した旨を彼女に伝える。この部分の説明はフロントにて美咲から聞いていた部分であったためわざわざ説明を入れられなくても理解できていたつもりだ。 「制限時間は30分となります。この時間内に彼女から“ギブアップ”という言葉を引き出せないと……残念ながら今回の責めは失敗となってしまいます」  次の工程の説明が恵理の口から淡々と紡がれる中、あなたはふとアイマスクをつけ終えた美咲の様子に視線が移ってしまう。  先程まで人形かと思えるくらい感情を殺して無口・無表情を決め込んでいた彼女だったが……“鈴菜の視界を奪い取った後”からは何かを解放されたかのように表情の緊張が取れ、別人のように目を惚けながら彼女の肢体を眺めまわしている。  まるで、何処をどんな風に責めてやろうかと吟味しているかのように……目を細め、彼女の腋や脇腹、足裏までも覗き込んで一人頷きを入れている。 「どちらをパートナーに選んでいただいても問題ありませんが、それぞれ得意な責め方と好みの部位が存在する事を頭に入れておいてください」  一方の恵理の方は、あなたに説明を入れながらも先程からチラチラと鈴菜の下半身を見て頬を赤く染めている。  彼女もまた湧き上がる責め欲を抑えきれていない様子で……鈴菜の無防備にされたカラダが気になってしょうがないのだ。 「コホン! で、では……ここからはまずパートナーの選別と……そのパートナーにどちらの部位を任すかの選択をお願いいたします」  鈴菜の脚の部位を気にしている様子をあなたに見られた恵理は、珍しく慌てる様に拳を添えて咳払いをし元の無機質な表情へと顔を戻すが……選択を促す言葉が上擦った声で発言してしまった為再びその無機質そうな顔に赤みが走ってしまう。  あなたは、そのクールになり切れていない可愛らしい反応を横目に映しながら今一度アイマスクを装着させられた鈴菜の身体を上から下に見まわし直す。  アイマスクの下からは湿りを帯びた吐息を漏らしている小さな口……  発育不良を体現するかのように僅かにしか膨らんでいない鈴菜の胸……  両腕を限界まで引っ張り上げられ無防備を強いられている伸びきった腋……  筋肉のスジがくっきり浮かんでいる鍛えられた腹部……  腰の所で急激に窪んでいるように見える脇腹の括れ……  モデルの様に細くて綺麗な太腿から脛に至るまでの脚のライン……  そして、顔に似合わず大人びた凹凸を有している足の裏……  これらを今から2人で責めていくのだ……  鈴菜の上司(師匠?)的役割を今回は担っている恵理か……  それとも、同じ奴隷としての立場で苦しんだ事になっている美咲か……  あなたは選ばなくてはならない。どちらに何処を責めさせるのか……そしてあなた自身は何処を責めるのか……  ずっと迷っていたい気持ちもあるが、時間はそれを許してはくれない。  あなたは返事を待つ彼女達の顔を見比つつも…… A:パートナーに美咲を選び“上半身”を責めさせる事にした(※あなたは足裏担当です)→#66へ B:パートナーに美咲を選び“下半身”を責めさせる事にした(※あなたは腋・脇腹担当です)→#67へ C:パートナーに恵理を選び“上半身”を責めさせる事にした(※あなたは足裏担当です)→#68へ D:パートナーに恵理を選び“下半身”を責めさせる事にした(※あなたは腋・脇腹担当です)→#69へ

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