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#59  背後から見る鈴菜の背中は、手を頭上に引っ張られるように万歳の格好を強いられている姿勢の為か背筋が緊張するかのようにピンと伸びきっていて、あどけない印象の彼女からは想像も出来ないほど骨格がしっかりしていてココだけを見ると年相応の身体なのだと改めて気付かされる。  肩甲骨の周りを覆う張りの良い筋肉……腰付近まで直線で伸びる美しい背骨のライン……そして、背中側から見ると一層起伏に乏しく見えてしまう彼女の胸の膨らみ……  未成熟な部分が目立つからこそ、年相応な部位を発見するとなぜかそこが異常なほど妖艶に映ってしかたがない。子供が大人の真似をして化粧やお洒落をした時に垣間見える、一瞬の大人っぽさというやつが見えているあなたは思わずそっちの方を触りたくなる衝動を抑え、彼女の背後から両手をワキワキさせながら腕の付け根部分に近づけ、指先に彼女の“腋”の体温が感じられる位置まで手を接近させた。  あなたの手が鈴菜の伸びきった生腋に触れる直前、彼女は触られる事を悟り生唾をゴクリと飲み干す。それと同時にあなたも興奮の溜飲を抑えるべく同じように生唾を呑み込み、一拍を置いたのちに触れるか触れないかの位置に付けさせていた指をまるで磁石に吸い寄せられるかのように腋の柔肌へ着地させた。 「ぷはっッ!? はぐっっ!!?」  指が緊張した鈴菜の腋筋に触れた瞬間、彼女は思わず身体を大きくビクつかせ吹き出すような声を上げそうになる。  初めて触れる場所だけあってかなり良い反応を見せた彼女だが、開いてしまった口はすぐに閉じられ……それ以降はくぐもった唸り声を上げるようになってしまう。  流石、くすぐりに強いと豪語しただけの事はある……  あなたは鉄壁さを見せる彼女の態度に感心を抱きながらも「ならば、早速……」と心の中で呟いて、あたたかな体温と柔らかな感触を味わっている指先を腋のラインに沿って上下にソワ~っと優しく撫でる様に動かし始めた。 「ぷぐっっふっっ!!? んくっっふ……ふくくっっ!! んんっっっ!!!」  腋の中に走っている神経を爪の先でなぞっているようなイメージで、あくまでゆっくり……焦らす様に胸の横付近まで指先でなぞらせたら、今度は手を逆手に返して指先をコチョコチョ動かしながら元の位置まで戻っていく。それを何度も繰り返し、彼女の無防備な腋を意地悪に犯していく。笑うか笑わないかの絶妙な刺激の送り方で、彼女の我慢を少しずつ削り取っていく。  コチョ……コチョ……  コチョ…………コチョ……  コチョコチョコチョ……コチョコチョ……  上から下へ降りるときは指の動きは最小限に抑え、腋の感触を味わっていくように撫でおろしていき……逆に下から戻るときは指のランダムな動きで刺激を予測させないよう工夫し本格的にくすぐっていく。  それを左右同時に行っており、彼女が右や左に身体を反らして逃げようとしてもどちらかの手がくすぐりを続行しているという態勢を整えている。  実際、この責めを始めて数分間は、鈴菜もその刺激を嫌がるように腰を左右に振って逃げようと試みていた。しかし、両手に挟まれた格好で逃げられ筈も無いと悟ると、腰を振るのをやめ今度は手の枷が壊れてしまうんじゃないかと思えるほどに手を振り乱して抵抗を試みようとしていた。  だが、彼女が嫌がる程度の抵抗では頑丈な手枷が自由を許してくれる筈もなく、どんなに彼女が暴れても何事も無かったかのように彼女の手を万歳させ続け、あなたが思う存分好きなように彼女の事をくすぐれるようワキの部位を無防備に晒させ続けている。 「はぐっっふっっ、くふっっ!! わ、笑ってなんか……やるもんかっっ!! 絶対にぃぃっひっ!!」  抵抗を試みようとするたびに筋肉の起伏が力を込めた方向に変化する彼女の腋をあなたの手はその変化に富む腋の肌を味わうかのように指先を様々な方向に動かして彼女をこそぐっていく。  そのこそばしに必死に我慢を続けようと頭を振りながらくすぐったさを紛らわそうとする鈴菜だが、口の端からは笑いとも吐息とも取れない小さな吹き出しを何度も零し始める。  あなたはその苦しそうな表情を見て、さらなる一手を加えるべく一瞬手の動きを止めた。 「はぁ、はぁ……はぁ、はぁはぁ……?」  不意に動きを止めたあなたの手に安堵したのか、口に溜め込んでいた呼気を外気と入れ替えるべく口を開いた鈴菜だったが、あなたはそのタイミングをチャンスだと言わんばかりに止めていた手をすぐに再起動させる。 「ばふぁっ!? ぶひゃっっっ!!! くっふっっんぐふぅぅぅ~~~~~っっっ!! んんんんっっっ!!!」  指が動き始めた瞬間、入れ替えを行っていた呼気をいっぺんに吐き出す勢いで鈴菜は盛大に吹き出した。  そのまま勢いで笑わせられるか……? とあなたは期待を込めてくすぐるが、鈴菜は寸前の所でまた口を閉じ眉間に皺を寄せながらどうにかギリギリ笑い出すのを防いでしまう。  しぶとい……  あなたはそう感じながらも、彼女の腋に更なる強い刺激を与えてやるべく指先に力を込めなおした。 ――コチョコチョコチョコチョコチョコチョ!!  指先に力を加えると同時に、彼女の腋の筋を強く摘まんで揉み解すようなくすぐりを展開するあなた。鈴菜はその新たな刺激に唸り声をあげて身体中を振り乱し始める。 「ぶぐっっくっっふっっんんん!! んぐぅぅぅぅぅぅぅぅ!! んぐ、んぐぅぅぅぅくっくっくっ……んぅぅぅ!!」  腋の筋をモニョモニョ弄ったり、腋の中心をコショコショ優しく引っ掻いたり……指先でツツツと上下に撫で上げたり二の腕の柔皮膚を爪の先だけで触ってあげたり……  鈴菜を笑わせるべくあなたは様々な技を駆使して彼女の腋を責め立てるが、鈴菜はまだ笑ってはくれない。  効いていない筈がないのは態度を見て分かるのだが、あともう少しという場面では彼女の我慢の方が上回っている。  無防備な腋を全力でくすぐっているというのに……  刺激に慣れさせないようあの手この手で攻め手を変化させているのに…… 「くふっっふっっ……ふっ……ふふっ……んっ……んん……」  くすぐればくすぐる程鈴菜の悶絶は小さく収まっていく。  触り方を変えても……触る強さを変えても…… 「ふっっ……ふふっ……はぁ、はぁ……フフン、やっとこのもどかしい刺激にも……慣れてきたわ……」  そして、どんなに頑張っても笑ってくれない鈴菜に絶望感を抱き始めてあなたの攻めが雑になり始めると、鈴菜は勝ち誇ったように鼻笑いを零しながら侮蔑の言葉を吐き始める。 「あんたの責め……その程度なの? こそばく感じたのは結局最初だけだったんだけどぉ? それで本気だとか言わないわよね? その程度で私を本番で笑わそうなんて……考えが浅はか過ぎだとは思わなかったのかしら?」  もはやどのようにくすぐっても彼女は眉をピクリとも動かさなくなった。  どんなに力強く揉み解しても、優しく引っ掻いて見せても……笑いを我慢する事も暴れる事もしなくなってしまった。  最初は確かに効いているように見えた。  彼女は確かに笑う寸前まで追い込めたはずだった。  しかし、時間が経てば経つほど……くすぐりが長引けば長引くほど彼女の反応は緩やかに収まり込んでいった。  まるで……  あなたのくすぐりに“慣れが生じた”と言わんばかりに……。 ―—―ピピピピピピピピ!  あなたの手が諦めと共に鈴菜の腋から離れると同時に……無情にもプレイ終了のアラームが鳴り響いた。  鈴菜は勝ち誇った目であなたを見、「残念だったわね」と一言だけあなたに零した。  手応えは感じていたのに……笑わせることが出来なかった……  あなたはその無念さを胸に押し込み部屋の出口へとトボトボと歩き出した。 「実際……かなり良いトコロまでは行っていたと思います……」  背中を向けたあなたに鈴菜の拘束を解きながら恵理がソッと言葉を紡いでくれた。 「鈴菜は慣れていない刺激には強い……。それは今責めてみて感じたでしょう?」  あなたはその言葉に背を向けながらも頭を頷かせる。   「ワキは彼女の弱点ではなかった……。敗因はその一点に尽きると思いませんか?」 「ちょっ! 恵理っ!! それ以上ヒントを出すのは反則よ!!」  恵理の言葉に鈴菜は慌てて声を上げる。 「責めの流れは良いと思いました。後は本番で責める箇所をどこにするか……だと、私は思いますよ?」  あなたはその言葉を聞いてもう一度頭を頷かせた。  そしてドアノブを握りその部屋を後にした。  会計を済ませ店を出ると、あなたは頭の中で恵理の言葉と今日の責め方について思い返しながら家路へと向かった。  チェックの段階で触っていない腋の部位を本番に選ぶという行為自体は問題なかった。しかし腋は結局彼女の弱点ではなかった……だから笑わせるに至れなかった。  そう考えるのであれば次のプレイでは本番の時の責め箇所を変えればいいだけの話になる。  彼女の弱点が何処なのか……  チェックの段階でそれは何となく見えていた気もする。    と、なれば……答えは自ずと浮かび上がってくる。  あなたは家路につきながらもすでに次のプレイの事を思わずにはいられない。  次こそは……鈴菜のあの生意気な勝ち誇り顔を無様な笑い顔に変えて見せる!  そのように決心を固め、夕暮れの帰路を歩いていくのだった。 『鈴菜ルート失敗①……【弱点違い】エンド……完』

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