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#57 「さっきの失態はもう繰り返さないわ! あんたの責めなんかに反応すらしてやらないんだからっ!!」  先程のチェックで吹き出してしまった失態が思いのほか鈴菜のプライドを傷付けてしまったのか、腋を責める為に背後に回って彼女の視界からいなくなった後にもあなたへの敵意剥き出しな言葉は続いていく。 「大体何なのよ……さっきの責め! あんな不規則で卑怯な触り方をしなくちゃ責められないなんて、最低中の最低じゃない! 奴隷の癖にあんな責めをするなんて生意気なのよ!」  くすぐりで笑わせるという目的の為にくすぐり方を工夫するのは別に卑怯でも何でもない事なのだが……彼女にとっては“足裏で笑わされた”ということ自体が許されない事だったのだろう……思いがけず笑ってしまった事に対する悔やみなどは一切出さず、くすぐり方が卑怯だったから笑ってしまったんだとあなたを責める方向で自尊心を保とうとしているのが見て取れる。  あなたは鈴菜のひねくれた責任転嫁に耳も貸そうとせず、彼女の背後から左右の手に持った羽根を上下に小さく揺らしながら彼女の腋に向かって羽根先を差し込んでいった。 「ちょっと! 聞いてんの? 返事くらい返しなさいよね、このスカタンっ!!」  彼女に悟られないよう静かに羽根を背後から近づけさせたあなただが、目的地である腋の手前で羽根の移動を一旦止めた。  このまま腋に回り込んでくすぐり始めても良いのだが、背後から見る彼女の肩甲骨の筋があまりに魅力的に映ってしまって……思わず手がその場所で止まってしまったのだ。  腕の付け根と肩の少し下から背骨に届かんばかりまで伸びている逆三角形を模したような形をした骨……そこの部位の事を肩甲骨と呼んでいるが、鈴菜の身体は贅肉などが少なくその骨の形が皮膚の形で見て取れるほどに華奢であるため、別に主張したいと思っている訳でもないだろうが万歳の格好を強いられている為背後から覗けばその部位が明らかに目立ってあなたには見えた。  贅肉はないが、華奢な割にしっかり鍛え込んであるのが分かる程に筋肉や肌の張りに緩みが無く、あどけない顔立ちを見ていなければこの背中が鈴菜のモノであると言われても信じ難いものがあるだろう。  小柄な体躯と子供の様な顔立ちからは想像も出来ない立派な彼女の背中を目の前に、腋を責めるはずだったあなたは誘われるように手がその肩甲骨の部位に吸い寄せられ、気付いた時にはワキと背中の境目付近にある骨の一際盛り上がった個所に羽根先を向かわせてしまっていた。  無理やり万歳をさせられている為関節部分が奥に引っ込み皺を寄せる様に皮膚が緩んでいる肩の部位……そのすぐ下の突き出すように盛り上がった肩甲骨の骨の部分に吸い込まれるように羽根先を着地させたあなたは、その盛り上がった部位の円周を型取るかのような動きで円を描いて最初の刺激を送り込む。  その予測外の箇所への刺激に文句ばかり垂れていた鈴菜も…… 「大体くすぐり方にセンスがないのよ! そんなんで私を笑わせられるとでも————っふぉひゃ!?」  腋のすぐ裏の肩甲骨周りをコソコソと羽根先でなぞられる感覚がこそばゆいと感じたのか、悪態をついていた口はグニャリと締まらない形に唇が曲がり、情けない驚き声をその口から吐き出した。 「ちょほっっ!? ど、ド、どこ触ってぇへっ!? うほひゃああぁぁああぁぁぁぁぁあぁ!!!」  腋に近いキワドイ箇所は敢えて触らず……あくまで肩甲骨の周囲だけを円を描くようにこそぐるあなたの責めに、鈴菜は小さな体をビクンビクンと跳ねさせその刺激を嫌がる様に背中をくねらせ始めた。 「はっっひゃっ!? あひゃっっひゃっっはっっ!! うくぅぅふっっふ!! ま、また……そんな訳わかんない責め方をっっ……ひっ!? んひぃぃぃぃぃぃぃぃっっっ!!?」  肩甲骨の周りから少し腋の入り口付近まで羽根を這わせると、鈴菜は一際身体を大きくビクつかせ悲鳴に近い声を吐き出した。  彼女の事だから「腋をくすぐる」と聞いて腋への責めを警戒していただろうから、この背中側から責められるという行為には虚を突かれた事だろう。  あれだけ“今度は絶対に笑わない”などと豪語していた彼女だったが……この身体を跳ねさせながら嫌がる反応を見るにそれが覆るのも時間の問題だと言えよう。その証拠に、最初こそ驚く様な反応を見せていた彼女だったが今では必死に笑いを押し殺そうと顔を俯かせ顎を小刻みに震わせてしまっている。  彼女はこういう責め方に耐えられないのだ。  正攻法や型にはまった責め方では彼女にダメージを与えられない。彼女の予想の斜め上を通るような責めを行わなくては彼女を笑わすことは出来ないのだ。  それを教えてくれたのは彼女自身だった。  彼女は悪態をつく中で確かに言ったのだ……あなたの責め方に対して“不規則で卑怯な責め”と……。  くすぐりに卑怯もへったくれも無い……それは彼女自身が一番理解している筈だ。それでもその不規則な責めを“卑怯”だと罵ったという事は、それが彼女の弱点であるという事を自分自身で主張しているに等しい。  とどのつまり……彼女がくすぐりに強いというのは、正攻法で責めてくるくすぐりに強いだけであって……このような虚を突いたような責めにはてんで弱いのだ。だから普通なら反応を返すかどうかも分からないようなこのような箇所をくすぐっても彼女は反応してしまう……自分の立てた想定通りのくすぐりではないのだから。 「はひゃっっ!? あっひぃぃぃぃぃぃっっ!! ちょ、いい加減にしないさよねっ!! あんたは腋をくすぐる筈だったでしょ? そんな訳の分からない所を触ってんじゃないわよっっ!!」  このように悪態をつく余裕が生まれたという事は……今撫で回しているこの肩甲骨周りの責めに多少は慣れてきた……そういうサインなのだろう。顎や肩の震えも小さくなってきたし身体のビクつきも少なくなってきている。  このサインに気付いたら、次にやる事は一つである。 「さっさと腋でも腋の下でもヤんなさいよっ!! それだから卑怯だってさっきから言っ————ヒにゃッ!? ひっ!? ひにゃああぁぁあああぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」  そこまで言うのであれば触ってやろうじゃないか! と言わんばかりに瞬時にターゲットを切り替えて、敢えて触らない事で焦らしに焦らしていた……本命の“腋”へと羽根を滑り込ませ、窪みの中に溜まった汗をかき混ぜるかの如く羽根先で腋の中心を引っ掻き回してあげた。 「はぎゃあぁぁ~~~っっはっっっっっはははははははははははははははははははははははははは、はぎゃあぁあっぁぁははははっはははははははははははははははははははははははははははは、いぎなりヤるやつがあるかぁぁぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、もっとゆっくり触んなさいよぉぉほほほほほほほほほほほほほほ、いひぃ~~~~~っっひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、そんな乱暴に掻き回すなぁぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!」  ここでも虚を突かれた鈴菜は腋への警戒を行う暇も与えられず簡単にその刺激に屈服してしまった。  まさかいきなり激しくはくすぐらないだろう……とでも思っていたのだろう、あなたの羽根の動きに彼女は一瞬の我慢も出来ずに笑いの渦に呑まれて行ってしまった。 「ギャアァァ~~ッッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、く、く、くすぐったい!! くすぐったいってば!! やめろこのっ! こ、このっほほほほほほほほ、ふひゃ!? ウハヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ、やめろってぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」  腋の窪みを上下左右ナナメ前後ろと縦横無尽に掻きほじる羽根先の動きに、鈴菜は顔を振り乱して暴れ悶えた。  こそばゆさから逃げ出そうと必死に腕を振ろうとしたり足をバタつかせようとしているのが後ろから見ても分かるが、足も腕も拘束によって自由を奪われている為あなたの攻撃から逃げる事はおろかほんの少し位置をずらしたりすることも叶わない。  どう足搔いても逃げられない……  あなたはそんな無防備な彼女の可愛らしい腋を羽根先で乱暴に掻き毟り笑わずにはいられない刺激を送り込み続ける。  蹂躙され尽くされる腋への刺激に鈴菜は後頭部を柱にぶつけながら悔しそうに笑い悶えている。  きっと……今度こそは失態を犯さない様にと、いつも以上に警戒していた筈だっただろうに……  あなたのくすぐりに意地でも笑わないよう構えを固めていた筈だっただろうに……  笑い方を見ても彼女が悔しそうにしているのが見て取れる。  後頭部をぶつけたり手足もバタつかせて柱にぶつけて、どうにか笑いを止めようと必死に足搔いている姿が……まるで笑ってしまったという失態を痛みで悔い改めようとしているようで痛々しい。  そうまでして笑いたくない彼女なのに、あなたの羽根に腋を引っ掻かれると発作を起こすように笑ってしまう。  悔しくて恥ずかしいから笑いを1秒でも早く止めたいと思っているだろうが、あなたの羽根は彼女を無情にも笑わせる。  一度堰を切って大笑いを吐き出してしまえば……どんな猛者でも笑いを止めることなど出来やしない。  どんなに悔しかろうが……どんなに憎かろうが……一度笑う事を許してしまった彼女の意志は、簡単には平常心を取り戻す事など出来やしない。  あなたの成すがまま……気の向くままに笑わされるのである。 「かはっっはははははははははははははははははははは、いぎっっひひひひひひひひひひひひひひひひ、はひぃぃぃんひぃぃぃぃぃっっっひひひひひひひひひひひひひひ、く、く、くるひぃ! くるひぃぃ!! 止めへっっっ!!  この笑いを止められる方法は唯一……1つだけ。 「だぁ~~っははははははははははははははははははははははは、アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ、うひひへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、ケホ、ゲホッ!!」  あなたがくすぐりを止める事だけが彼女が笑わなくて済む唯一の方法だ。 「ギャハッッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、うははははははははははははははははは、いへへへへへへへへへへへへへへへへ、も、も、もういい! わがっだがらぁぁあ!! もうわがっだがらぁぁぁははははははははははははははははははははははははははははははは!!」  しかし折角笑わせることが出来たというのに今更手を止めるような事はしたくはない…… 「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、いい加減にっっひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、いい加減にしろぉぉぉぉ!! このスカタンっっふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ、だひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」  手を止めたくはないのだが…… 「ぎひっっひひひひひひひひひひひひひひひ、んひひひひひひひひひひひ、うひひひひひひひひひひひひ、カハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!! こ、こ、こんな事で私が笑う訳にはいかないのにぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、こんなバカみたいな手で私がぁぁッはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!」 ————ピピピピピピピピピ!  時間は無情にも止めたくないと思っている手も止めさせる。 「はい、そこまでです。手を止めてください……」  終了のアラーム音に続いて恵理からも責めの時間が終わってしまったことをあなたに告げられる。  時間がきてしまったのだから責めを終わらなくてはならない……  折角、あの生意気な鈴菜を2度も笑わせることに成功したというのに……  これは本番ではない……と言われればそれまでなのだ。そう、これは弱点を探るチェックの段階でしかない……  本番はこれからなのだ…… 「はぁはぁはぁ……はぁ、はぁ……ふ、ふ、ふざけやがって! 1度ならず2度までもっっ!! も、もう許さないっっ!! 絶対許さないんだからっっ!!」  鈴菜は2度の敗北を味わい、涙目になりながらも顔を真っ赤にしてあなたに更なる敵意を向ける。  あなたはその人も殺さんばかりの睨み目に恐怖を覚え、身体をブルリと震わせてしまう。   「では……2度のチェックを終えましたので次が本番となりますが……如何です? これまで調べてきて何処を責めるのが良いか絞れましたか?」  鈴菜の怒りの熱気などどこ吹く風と言わんばかりに涼しい声であなたに語り掛ける恵理だが、あなたは彼女の質問にすぐには答えを返せない。なぜなら、今とさっき責めた足裏と腋……どちらも笑わることが出来ていたのだ。笑わせられたから弱点だ! と言い張る事も出来るが……今回は責め方が特殊だったから弱点じゃないけど笑わせられた……と捉える事も出来る。  いや、笑ったのだからそこが弱いんだろ? と言えなくもないが……鈴菜の悔しがり方を見ているとどうもそのように感じられないのだ。  彼女は弱点を見つけられたから悔しい……という感情で怒りを露わにはしていない。むしろ弱点でもないのに笑わせられたのが悔しい! というニュアンスを感じてしまう。  事あるごとに“あなたの責め方が卑怯”と口に出していたのが、その考えをより深くさせていくのだが……じゃあまだ触ってもいない“脇腹”が弱点なのか? と言われても……反応を見ていないからそうだとは断定しずらい。むしろ笑ったのだから腋か足の裏の二択でもいいんじゃないか? という考えも再び芽生え堂々巡りになってしまう。  何処を選んでも不安は尽きない……  彼女の適応力の高さから見て、同じ個所をくすぐるのはリスキーだとも思えてしまう。  しかし今度は羽根ではなく素手でヤるのだから……羽根とは違うくすぐったさを与えることが出来るはずだ……  だったら同じ箇所でも“慣れ”みたいなものは生まれないかもしれない……  どうするべきか……? 何処を責めるのが正解なのか……?  悩める要素は沢山ある。あり過ぎるくらいにある。  しかし一つに絞らなくてはならない。時間は無限ではないのだから……  あなたは時間が許される限り考えを巡らせ、やがて何かを決意したかのように恵理に顔を向けコクリと頷きを入れる。  そしてあなたは恵理に…… A:あれだけ良い反応を見せたのであれば腋を責めるのが吉だ! と再び“腋”を責める旨を宣言した。→#60へ B:新たな刺激を与えられる脇腹に賭けるべきだ! と“脇腹”を責める旨を宣言した。→#61へ C:さっきの反応を見る限り足裏が弱点だ! と再び“足裏”を責める旨を宣言した。→#64へ

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