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#49 「鈴菜のコースですね? 承知いたしました。では準備等々行いますのでこの部屋で少々お待ちください」  あなたがこの店の最難関コースである鈴菜のコースを選ぶと、受付をしていた美咲はニコリと笑顔で頭を下げ店奥へと引っ込んでいった。  一人残されたあなたはフロアをぐるりと見まわした後、結局カウンターの傍にあったカウンターチェアに腰を落ち着けコースのメニュー表を改めて眺め時間つぶしを行った。  鈴菜コースのプレイは1回5000円と他のコースと比べて割安だが、その分難易度は最高難度だと教えて貰っている。  確かに……写真で見る鈴菜は「意地でも屈服しないぞ!」と言わんばかりの眼力をコチラに向けている。  幼女のように背が低く……笑えばきっと可愛いだろうなと想像できるが、プライドが高そうなこの写真映りを見るに笑わせるのは本当に難儀しそうだとあなたは頭の中で溜息をついた。  しかし、越えるべきが壁が高ければ高い程自分の力で笑わせた時の喜びは相応に高くなるという事をあなたは知っている。だからこの生意気そうでプライドが高そうな鈴菜を意地でも笑わせてみせると、先程の溜息の後に決心めいた息を吐き出しメニューから手を離してプレイルームへと続く扉に「まだ始まらないか?」と言わんばかりの視線を送る。 ――ガチャ。  あなたが視線を合わせたタイミングでまるで計ったかのようにその扉のドアノブが音を立てて回った。 ――ギィ……  扉の開く音と共に部屋へ入ってきたのは、紺色のスーツとズボンに身を包んだ恵理だった。  私服っぽい衣装や白衣を着ている写真はメニューなどで見ていたから馴染みがあったが、彼女のスーツ姿というのはあまり見る事がなくあなたに新鮮な印象を与える。 「あぁ……あなたですか? あのような余計な事をしてくれた犯人は……」  恵理のスーツ姿も新鮮であるのは確かだが、更に彼女の顔を新鮮に見せているアイテムが眼鏡の存在だった。  薄い銀色のフレームにオーソドックスな横長い長方形のレンズ……レンズは分厚さを感じさせない薄さである事からも、恐らくは伊達のレンズではないかと予想が付く。この役を担うのに普段かけない眼鏡を掛けてくれているのだろう……恐らくスーツも普段彼女は着ないのだろうと想像がつくくらいに着こなし感があまりない。  白衣姿のしっくりした感覚と比べれば……どちらかと言えばコスプレの域を出ない若干の違和感を感じずにはいられないが……でも、このような服や眼鏡を掛けるイメージの浮かばなかった彼女にコレを着せたというのはグッジョブと賛辞を贈らない訳にはいかない。  実際……銀髪の髪にこのメガネは良く似合っている。  白衣姿も知的に映ると感心していた所だが、スーツに眼鏡姿というのも……出来る女という印象を存分に演出してくれている。  前髪で隠れた片方の眼鏡……ワザと見せていると言われても否定できないカッターシャツの隙間から零れ出している彼女の胸の谷間……  エッチな女社長……というイメージがピッタリの格好である。 「ほら、貴女も隠れてないで出てきてください?」  あなたが恵理の姿をべた褒めしている間にも、彼女の“演技”は始まっていたようで……あなたを見るなり溜息をついたかと思えば今度は自分の入ってきた扉の方へ誰かを呼び込む言葉を告げ始めた。 「全く……恥ずかしくないのですか? あなた達は奴隷として買われた身分なのでしょう? それが……私の雇った奴隷の調教師の方を拘束してしまうなんて……ルール違反も甚だしい……」  呼びかけに応じてコソっと顔だけを最初覗かせたのは、先程受付を行ってくれた美咲だった。  彼女はあなたを見るなりフゥと息をついて安堵の表情を見せ、扉の陰から恐る恐る姿を見せるのだったが……  そこに現れたのは先程の清楚可憐で大人の雰囲気を持った彼女ではなく……ボロボロの布切れ服に裸足……髪もボサボサで顔にも所々ススの様な汚れを付けた……見た目にも汚いと言わざるを得ない格好の彼女だった。 「あなたが寝込みを襲ったんですってね? そこの美咲さんから伺いました。つまりはあなたが実行犯という事で間違いありませんね?」  話の流れはまだ良く分からないが……どうやら、この格好を見るに美咲は奴隷商に売られた奴隷……そして自分も同じ立場の奴隷……恵理はその奴隷を売り捌いた奴隷商……という感じの配役のようだ。 「で、でも……私を買ってくださった方が……言ってくれたんです! “あの調教師を逆に調教して買い取ったほうがはねっ返りが強くて面白そうだ”って……」  あの調教師とは……鈴菜の事なのだろう。彼女の姿が見えないという事は……恐らくプレイルームの方ですでに拘束されている……と捉えるのが正しいか…… 「それで私達に“彼女を拘束して逆調教してきなさい。上手くやれればあんた達は解放してやる”と仰られたので……」 「なるほど? じゃあ……あなた達を閉じ込めていた牢を開けたのも……彼女なのですね? 買い取り主の……」 「は、はい。出された後は……鈴菜様の部屋の鍵まで開けてくださいまして……私達は言われるがまま……鈴菜様を拘束して……」 「今に至る……という訳ですか。それで……鈴菜を派遣した私までココに呼ばれてしまった……と……」 「うぅ…………」 「話は分かりました。それと買い取り手の主人にも話は聞かせていただきました。だからこの件に関しては異例ですがその条件を呑んであげてもいいと思っています……」 「ほ、ほ、本当ですかっ!? 私達……本当に解放していただけるんですか?」 「嘘は言いません。ちゃんと買い取り手の要求通りに鈴菜を墜とすことが出来れば……あなた達は私が買いりなおして解放してあげると約束しましょう」 「やった……良かった……」 「ただし! 彼女を墜とすことが出来なかった場合は……再び彼女に調教を行って貰う事になりますので、仕返しされるという事も頭の隅に置きながら彼女を責めてくださいね?」 「堕とせなかったら……復讐される……?」 「えぇ。彼女の調教スタイルは身をもって知っているでしょう? 人を人とも思っていない……鬼畜な責めで無理やり屈服させるのが彼女……。それに復讐心まで加わったら……一体どんな調教になってしまうのでしょうね? 考えただけでも恐ろしいわ……」 「ひっっ!」 「堕とせなかったら、最悪命を落とす事も視野に入れて責めなくてはなりません……それでも構いませんか?」 「ちょ、ちょ、ちょっと待ってください……ね、ねぇ? あなたはどう思いますか? 彼女……あの鈴菜様を……堕とせそうだと思いますか?」  あなたに縋りつくようにしがみついて目を潤ませながらあなたの反応を伺う美咲だが、あなたはその質問に頭を縦に頷かせなくてはならない。きっとそうしないといけない流れなのだろうから…… 「良いでしょう。では早速彼女の居る部屋へ戻りましょう……きっと今頃……あの汚い口調であなた達の事を罵って叫び散らしている頃でしょうし……」  あなたは美咲に手を引かれロビーを後にする。  そしてプレイルームへと続く赤絨毯のひかれた廊下を歩いて奥へと進み、彼女がいるであろう部屋の扉の前へと辿り着いた。  部屋は防音設備が整っている筈だが……その部屋からは何かがギャンギャン吠え散らかしているような声が僅かに聞こえてくる。  防音設備が整っている部屋でさえ貫通して声が聞こえてくるのだから……よっぽど怒りをぶちまけているのだろうなと想像がつく。  正直入った瞬間どんな罵詈雑言が浴びせられるか分かったものではないため、扉を開けるのも躊躇われるのだが…… 「では……どうぞ」  怯える美咲とは正反対に恵理は冷淡な無表情を作りながらあっさりとその扉を開いて見せた。 「はぁはぁはぁ……はぁはぁ……やっとお出ましね? ふざけた奴隷豚のクソバカ共っっ!!」  丁度叫び終えたタイミングで部屋の扉が開いたらしく、あなたが想像した暴風のような叫びは彼女から飛び出さなかったが、それでもこちらを睨む彼女の目は恐ろしい程に憎悪にまみれており……視線の突き刺さりさえも痛みを発しかねないほどの鋭さを感じさせる。 「はぁ……はぁ……あんた達……私にこんな事して……覚悟できてるんでしょうね? 後で覚えとおきなさいよね? 生きているのが辛くて仕方がなくなるほどの調教をしてやるんだから……」  あなたの背中に隠れるように美咲が身を隠しながら部屋へ入り、顔だけを恐る恐る横から出して鈴菜の様子を窺う。その憶病を板に付けたような態度が気に入らなかったのか、鈴菜は睨み目にさらに力を込めて彼女を睨み上げて暴言を吐く。 「特にあんた! 美咲っ!! あんたみたいにウジウジしたムカツク馬鹿には、頭の中から身体の毛細血管に至るまで私に完全服従するよう徹底的に追い詰めて調教し直してやるんだからね! 私が自由になったと同時に舌を噛み切ってでも自害した方が身の為よ? ま、根性なしのあんたにその勇気もないでしょうけどね」  鈴菜は今、部屋の中央に設置された巨大な鋼鉄製の十字架に罪人を磔にするかのように拘束されている。  その十字架の大きさはあなたの身長の倍くらいの高さがあり、下から見上げないと十字架のてっぺん付近は見えない。そして十字架なのだから縦の柱と横の柱が交差する箇所が勿論あるのだが、その交差した箇所があまりに高い位置にあるため本来なら横の柱の端々まで手を広げて拘束されるのが通常の拘束だろうが、鈴菜の身長や手の長さでは横柱の端まで手が届かず……仕方なしになのか柱のクロスしている場所にロープをぐるぐる巻きにし、手首の部分を柱に固定する事で彼女の腕を万歳の格好に拘束している。  そもそも……クロスした場所自体が頭の位置よりも遥か上にある程巨大なこの十字架を一体何に使うのか謎である……。部屋の中央にある以上何かしらのプレイに使われる事を想定しているのだろうが、ここまで規格外に大きいと鈴菜じゃなくともどんなに大きい外国の人でさえ横端についている枷に手が届くはずもない。  これはこういうオブジェか何かなのだろうか? こういう巨大な物を目の前にしながらプレイ知るのを好む人とかに向けてこの部屋はあるのだろうか? あなたは腕を万歳の格好で無理やり十字架に拘束されている鈴菜の全身をゆっくり見渡しながらそのような想像を膨らませた。 「なによ! じろじろ見るんじゃないわよ! あんただって同罪なんだからね? 私に眠くなる薬品を嗅がせてココに連れてきたのはあんたなんでしょ? そこの恵理に全部聞いたんだからっ!」  ギャンギャンと子犬のように吠え捲る鈴菜を無視しながら、あなたは彼女の拘束された姿をしっかりと視界に収めながらこれからの“責め”のシミュレーションを立て始める。  服装は上着も下着も脱がされたほぼ全裸の状態と言える格好……。  纏っている布と言えば、マイクロビキニよりもキワドイ……というか隠している場所が乳頭部だけという、着ている方が恥ずかしくなるような恐ろしく布面積の小さなブラジャー(?)と辛うじて割れ目が隠されているか隠されていないかというくらいに小さくて狭い布範囲の紐パンティ風の下着……  幼児体型でであるが故、そのようなキワドイ格好を目に収めること自体が児童ポルノ法とかに引っ掛かってしまうのではないかと不安になるが、彼女の実年齢は恵理よりも高いというのはプロフィールで知っている為その点だけは安心して大丈夫な部分である。  とはいえ……膨らみの乏しい残念な胸、童顔で生意気さを絵にかいたような顔、熟していない青々しい尻の肉……全体的にミニマムで華奢なボディライン……などを見るに、どこか犯罪染みた匂いを感じずにはいられない。  しかし、そういう子供染みた体型だとしても……拘束された彼女の体を見ると不思議と“責め欲”が沸き上がってきて、その無垢なボディに手を早く這わせたくなってしまう。  胸が貧相な分、窪みの堀や印影もさほど深くなく……どちらかと言えば平坦な凹凸になっているワキの部位ではあるが、その柔らかそうで張りの良い健康的な肌は指の滑りや沈み込みも抜群であろうと想像できる。  腋のラインから薄肌に浮かぶ肋骨の凹凸を見つつ下へと視線を下げると彼女のキュッと引き締まった脇腹の部位に目が留まる。  他二人のコンパニオンよりも無駄な肉が一切なく、これぞまさに括れだ! と主張するように腰や脇腹の部位は弓を引き絞った蔓のように括れている。  更にその下へと視線を移動させると、胸よりも膨らみと張りのある桃のような尻の部位とマイクロな下着のせいで露わになってしまっている鼠径部のエロティックな凹凸……そしてそこから僅かに膨らんで母性の柔らかさを主張しながら下へと伸びる美しい脚の部位がお目見えする。  雪のように真っ白な肌に脱毛した跡すら見えないツルツルの脚ライン……。モデルか? と思えるほどの見事な脚線美にあなたはしばしその脚から目が離せなくなる。  本当にあのお子様容姿な鈴菜の脚なのかと疑いたくなる程美しい脚を持った彼女に、あなたは強烈なギャップを感じずにはいられない。子供と大人の魅力を同時に併せ持つ鈴菜に……興味を惹かれないわけにはいられない。  その徐々に細くなっていく美脚の終点には……彼女の可愛らしい足先がお目見えする。  十字架の下の方には鈴菜の足の“カカト”を置けるような小さなブロックが設置してあって、足りない身長をそのブロックにカカトを乗せる事で嵩増しし十字架のクロス部分まで手を伸ばせるようにしている。このブロックが無ければ彼女の足は浮いた状態になっていた事だろうが、これのお陰で彼女は自分の体重をカカトで支えることが出来、手首への負担も軽減してもらえている。  勿論、足首の部分で両足は十字架に固定されているから、その拘束でも体重を一部支えられているのは確かだが……だったらカカトだけでなく足全体を踏みしめられるよう工夫した方が負担ももっと軽減できるのでは? と思うかもしれないが……“カカト”だけを乗せて体重を支えさせているという点には大きな利点が存在する。  というか、このカカトだけを乗せて拘束による負担を軽減しているという状態は、何も彼女の為に特別に配慮した優しさなどというものではない。カカトだけを置かせることで相対的にあの部分を触りやすいよう仕向けられているだけなのだ。  あの部分とは……勿論彼女の……足の裏。  子供のように見える彼女だが、こと脚の部位に関しては顔からは想像もつかないくらいに大人びた雰囲気を持っている。それは足の裏も同じで……彼女の足裏もまたカカトから土踏まずの窪み、足指の美しさなど総じて魅力的だ。  そんな足裏をあなたの手から逃さないために彼女はカカトから先を宙に浮かされているのである。  地を踏みしめている足裏は触ることが出来ないが、こうしてカカトより先が宙に浮いている状態であればどんなに逃げようとしても踏みしめるべき地はなく彼女は逃げられない。だからカカトだけを踏み台として設置してあるのだ。  しかも、足裏を宙に浮かせるだけでなく、足首を十字架に押し付けて拘束している革製の枷からは5本のワイヤーが足の指先の方へピンと伸びていて、そのワイヤーが彼女の足指にそれぞれ巻き付いており枷側に引っ張り込まれている格好となっている。  足指が引っ張られれば当然足の裏も弓なりに反らされる事になり足裏の肌全体が緊張するように引っ張られ、そんな緊張した肌に指先が滑れば触られた感触が何倍にも膨らんで脳が感知してしまう事だろう。  慌ただしく拘束したという設定の割にはそのように“責め手側に”配慮された拘束が成されていて……この拘束を施したであろう美咲の底意地の悪さが垣間見えてしまう。オドオドしているように見せているが……こういう徹底した拘束をするあたり、鈴菜に対する対抗意識があるんだろうなと……勝手に邪推してしまう。 「さて、鈴菜? あなたは……この二人にまんまと立場を逆転させられ、こうして無様に拘束されている訳ですが……何か私に申し開きしたいことでも有りますか?」  眼鏡を片手でクイっと上げながらスーツ姿の恵理が淡々とした口調でそのように零す。 「別にないわよ! あの女主人がこいつらの部屋の鍵を開けたんでしょ? だったら私に落ち度はないわ! あの主人の馬鹿な行いとこいつらの暴挙のせいでこうなったんだから……申し開きも何もあったもんじゃないわ!」 「そうでしょうか? あなたに落ち度はなかったと?」 「はぁ? 当たり前じゃない! 私は被害者なのよ? いいからさっさとこれを外しなさいよ!」 「いいえ、貴女にも落ち度は存在します……」 「……なんですって? どういう意味よ?」 「貴女はこの二人を今日までで何日間調教してきましたか?」 「……っ!? ……20日と……半日……」 「買い取り主に引き渡す期限はいつまででしたか?」 「明後日……まで……」 「では……その調教は完了したのですか? もうこの二人を従順な奴隷として引き渡せるくらいにはなったと?」 「そ、それは……」 「出来てませんよね? だって……ドアの鍵を開けて貰っただけでこんな風に反撃にあっているのですから。少なくとも調教師の貴女に従順だとは言い難いですよね?」 「あ、あと二日あれば……私なら矯正できた……筈よ……」 「貴女は視察に来られた買い取り主にも同じことを言ったそうですね? 半月も前に……」 「うぐっ!? うぅ……」 「買い取り主の先方も嘆いておられましたよ? あの調教師はやる気あるのですか? と……」 「や、やる気は十分あったわよ! でもこいつらが全然言う事を聞かなくて……」 「言う事を聞かない奴隷をしっかり調教して言う事を聞かせるのが貴女の仕事でしょう?」 「うぐっ……」 「貴女はそれに失敗したのです……だからこういう立場に置かれている……」 「……でも! あと二日あれば! 今の私の怒りをこいつらにぶつけて強く調教し直せば必ず……」 「怒りに任せて行う調教程愚かな調教はないと……教えませんでしたっけ?」 「うぅっっ!? うっ……うぅ……」 「高いお金を払って調教師を雇ったのに引き渡しの直前まで何の成果もあげられないとなれば先方さんがお怒りになるのも当然です」 「…………くっっ……」 「私も先方さんと話しましてね? この責任をどう取るつもりでいるか問われましたよ」 「……責任?」 「新しい調教師を無料で手配するという事に最終的には落ち着きましたが、無駄になった20数日間はどう足搔いても戻ってはきません……だから、先方さんは一つの案を出してくださいました」 「……案??」 「どうやらその先方さんは中々に趣味嗜好が偏った方でいらっしゃいまして……今回のコレのように“奴隷が調教師に歯向かって逆に調教師の方を調教する”というシチュエーションの方が萌えると仰ってくださったんです」 「調教師が逆に調教されるのが良いって……何よそのふざけた性癖は!」 「貴女を見た瞬間からその事ばかり考えていたそうですよ? 彼女が責められる立場になったら面白いんじゃないか……って」 「お、面白いわけないじゃない!! なに馬鹿なこと言ってるのよ、あのクソ女主人!!」 「ですので……あなたの失態は急遽あなた自身に償って貰うという運びとなりました」 「は、はぁ? 私が償うですって? 馬鹿も休み休み言いなさいよ!」 「貴女へ課せられる制裁は次の通りです……」 「ちょっ恵理! 話を聞きなさいっ!!」 「1つ。あなたの身柄はこれから貴女が無駄にした日数と同じ20日間拘留させていただきます」 「20日間!? 私を??」 「2つ。与えられた20日間の内半分の10日以内にこの二人が貴女にギブアップという言葉を吐かせたら二人の勝ち……逆に貴女が耐えきってその言葉を言わなければ貴女の勝ちです……貴女はその場で解放されます」 「も、もし……ギブアップって言ったら……どうなるの?」 「3つ。もしも責めに耐えかねてギブアップを宣言した場合は、余った日数と残りの10日間をつかって貴女を調教し直します」 「私を……調教??」 「調教自体は新しく“コチラ”で用意する予定の調教師に行って貰う事になります」 「わ、私を……何の奴隷に……調教するつもり?」 「それは勿論……今までの契約と同じです……」 「……っ!? く、くすぐり? 私をくすぐり奴隷に調教し直すと?」 「えぇ。買い取り主の方は大層“くすぐり”にご執心でして……貴女の様な生意気な調教師を是非“くすぐり”で笑わせてみたいとお考えなのですよ……」 「ふ、ふざけてる! この調教する立場である私を……くすぐりで屈服させようっていう訳? 呆れてものも言えないわ……」 「調教がくすぐりであります故、この二人に行って貰う責めも“くすぐり”だけです。くすぐりだけで鈴菜の口からギブアップを言わせなくては勝ちにはなりません」 「……くすぐりだけ? 痛みや性的な責めは無しでヤらせるって事?」 「はい……」 「はっ! 舐めらえたものね……私がこんなド素人二人のくすぐりに屈服するとでも思ってるわけ? そんな事ありえないわ!」 「それはどうでしょう……このお二人ですよ?」 「なによ? こいつらが特別って言いたい訳? そんな訳ないでしょ! こいつはいざ知らず……そこのウジウジ女なんて少しくすぐっただけで泣き喚く弱虫なのよ? そんな奴に責めなんて……」 「このお二人は素人とは少し違いますよね?」 「はぁ? 何が言いたいのよ!」 「だって20日間もあなたに調教されていたじゃありませんか……」 「……ッっ!?」 「くすぐりの調教を受けた本人達なのですから……何処をどんな風に責めればくすぐったいかなんて分かっていると思いますが……」 「……ふ、フン! それでも私がこんな奴らに屈服させられるなんて思えないわね!」 「あぁ、そうそう……言い忘れていましたが……」 「……?」 「買い取り主に許可を貰って……私の参加も認めて貰いましたので、責めには私も加われるようになっています」 「は、はぁ!? 何よそれ! 反則じゃない!! 恵理が加わったら……私も耐えれるかどうか怪しくなる……」 「安心してください? 私が参加するのは第二段階になってから……ですから」 「第二段階?? 何それ?」 「第一段階は、まず貴女の弱点を探るという段階です。そこでは私と美咲さんは一切手を加えません」 「弱点? あんた達は手伝わず、こいつだけが私を責めるって……事?」 「そうです。この方には貴女の身体を2か所責めて頂きその反応を見て貰います。そして3回目の本番の時に貴方を笑わせることが出来れば第一段階クリアとなります」 「それってつまり……逆を返せばその本番ってやつの時に私が笑わなければ……良いって事よね?」 「その通りです」 「何それ? 楽勝じゃない♪ こんな奴のくすぐりなんて……大したことないでしょうからね……」 「もしも万が一……貴女がこの方のくすぐりに耐えかねて笑ってしまえば、第二段階としてこの方と私……もしくは美咲さんの二人で徹底的なくすぐり責めを行う事となります。そこでギブアップをしてしまえば……貴女への調教が確定するという仕組みです」 「フフ……要は第二段階まで進ませなければ私の勝ちって事よね? そんなの余裕だわ……こいつに私を笑わせる技術なんてありはしないんだから……」 「ではそういう事ですので……これをあなたにはお渡ししておきます」  不安な表情一つせず余裕の笑みを浮かべる鈴菜にあなたは怒りを覚えつつも、ルールの説明を終えあなたの方を振り返った恵理にあなたは視線を落とす。 「最初と2回目のチェックはこれをつかって彼女の弱点を探ってみてください」  彼女はポケットから二本の羽根を取り出すとそれをあなたに押し付けるように手渡してきた。 「この羽根が使えるのは最初と2回目だけです。3回目の本番の時にはキチンと手でくすぐって貰う事になりますので、それまでにしっかりと弱点を把握しておいてくださいね?」  手に持った羽根は何の変哲もないただの鳥の羽根だった。特別な材質で作られたくすぐりに特化した何かでなどではなく……普通の……ごく普通の真っ黒な鳥の羽。  黒い羽根であるが故、この羽根はカラスの羽根か何かだろうと想像はつくが……別に羽根がカラスのものであろうと鳩のものであろうと大した差はない。とにかくこれを使って鈴菜の弱点を探らなくてはならないのだ。  あなたは手渡してもらった羽根の毛先を慣らすように指でなぞり……その羽根先が撫でるという感触を直に味わいながら改めて拘束された鈴菜の全身を見て最初のチェック場所をどこにしようかと見定めた。 「では、最初のチェックタイム……制限時間の15分を計ろうと思いますが……最初に調べる箇所はもう決まっていますか?」  恵理が手に持ったストップウォッチのボタンに親指を掛けながらあなたにそのように問いかける。あなたはその問い掛けに軽く頭を縦に振って応え彼女に狙っている箇所は決まったという意思表示を無言で返してあげた。  それを見た恵理は小さな声で「では……始めてください」とあなたに向かって控えめな開始の合図を送り、ストップウォッチに掛けていた指を強く押し込んでデジタルの数字を動かし始める。  あなたは時間が進みだしたのを確認しながら、羽根を右手に構え…… A:鈴菜の“ワキ”を狙うために彼女の背後へと移動した。→#50へ B:鈴菜の“脇腹”を狙うために彼女の真横に移動した。→#51へ C:鈴菜の“足裏”を狙うために彼女の足元へ移動した。→#52へ

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