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#45 「なによ……私が“足”担当ってわけ? 面白くないわねぇ~~」  あなたがパートナーに鈴菜を選択し、彼女に下半身を担当してもらうという旨を伝えると明らかに嫌そうな顔を向けぶつくさと文句を零しながら鈴菜は恵理の足の方へ配置についた。 「あんたは知らないかもしれないけど……私は上半身の方が責めるの好きなの。まぁ、足も嫌いって訳じゃないけど……あんまり期待しないでよね? 足裏は得意じゃないから……」  そうは言いつつも、恵理の無抵抗にされた足裏を顔を傾けてわざとらしく覗き込んだ鈴菜の顔は僅かにニヤケており……それを見るなり早速責め欲が疼いたのか開始の合図を待たずして手を構え、早く触らせろと言わんばかりに手をワキワキして見せている。 「足を責めるのは得意じゃないけど……こんな風に完全拘束された足裏を見ているのは嫌いじゃないわ♥ どんな風にイジメてやろうかってついつい考え込んじゃうくらいウキウキさせられちゃうもの……」  鈴菜の代わりにタイムキーパーを任された美咲が、ストップウォッチのボタンを押しながら開始の掛け声を小さく上げる。すると鈴菜は待っていましたと言わんばかりにワキワキしていた手をそのまま恵理の足指の付け根付近に近づかせ、全ての指を両足それぞれの母指球と小指球の上部へと配置していく。   「ひっっ!? はひっっ!!!」  鈴菜の細い指先が足指の付け根に次々に着地していく感覚に恵理はその都度身体をビクつかせ小さな悲鳴を上げていく。そして全ての指が着地を終え不気味なほどに静かに動かなくなった指に彼女が警戒を強めていくと、鈴菜は僅かに口角をニヤリと緩ませて恵理への責めの言葉を吐き始めた。 「まさか……私ごときのくすぐりに笑ったりなんてしないわよね? 恵理は我慢強いのが売りなんだし……この程度の刺激じゃ反応すらしないわよねぇ?」  その言葉を聞かせながら鈴菜は密着させた指の先を僅かに震わすぐらいの動きでコソコソと恵理の足指の付け根を弄り始め、彼女に序章と言わんばかりの小さな刺激を与え始める。 「はうっっふっっ!!? うくくくっっ!! んんんんっっ!!」  恵理はその僅かな動きのくすぐりが思いのほかこそばゆく感じたらしく、身体をビクつかせながら顔を横に向け唇を震わせながら漏れ出しそうな声を必死に押し殺そうと我慢する。 「あれぇ~~? なんでそんなに顔を横に向けるのぉ~? ほらぁ~! こっち向いて堂々と私の事睨んだらいいじゃない……この程度、どうって事ないでしょ? ほらほらぁ!」  責めの言葉が語気を強めるのと同調して指の付け根をくすぐる指の動きも強くなっていく。刺激が強くなれば当然恵理が感じるこそばゆさも強くなり、我慢の度合いもそれに応じた強固なものへと変化せざるを得ない。とても“こっちを向け”という鈴菜の要求に応じる余裕などないように見えるが、しかし恵理は彼女に対してどこか意地の様なものがあるのかどうなのか、笑いそうに歪んだ顔を言われた通り正面に向けジッと鈴菜の目を見て笑いを耐え忍び始める。   「フン! 生意気ね……そんなに私に対抗心を燃やしたいって訳? 何がそんなに気に入らないのかしら? まさか……ヤキモチってヤツじゃないでしょうね?」  彼女が口走った“ヤキモチ”という言葉に何のことやら見当もつかないあなただったが、恵理の態度と鈴菜の続きの言葉に量らずともその真意を知る事となる。 「……………………ッ!!」 「睨んだって事はそう言う事よね? 私がこのチーフと親しくやってるのが気に食わないってんでしょ? いつもは何考えてるか良く分かんないのに……ホントこういう事は分かり易いわよね? あんた……」  鈴菜に対して睨みを入れる恵理……そしてその睨みを見て彼女を怒らせている理由があなた絡みの事であったのだと彼女の言葉で語られる。  とはいえ、当然ではあるが鈴菜と特別親しくやっているという事は客とコンパニオンという立場上あり得ない事であり、ましてやチーフという肩書もこの研究施設の上司、部下の関係も設定上の空想物語でしかない。つまりはそういう“設定”で恵理は鈴菜を睨んでいるし、鈴菜もそのシチュエーションに従って演技を入れているという事になる。 「だったら、あんたが情報を売ったって言うのも……チーフの気を引くためにやったって事ね? 私に夢中なチーフを振り向かせるために……ワザとバレるように悪さを働いたのね?」  このプレイの設定では恵理が何処かの組織に情報を売ったという前提があって拘束されていて……その情報を売った理由が分からないから尋問に掛けるという流れがあった。まさかその情報を売った理由に自分が関わっていたという設定になっていたとは思いもよらず、あなたは寝耳に水を入れられたかのような驚きを禁じ得なかった。 「べ、別に……私は……ヤキモチなんてそんな子供染みた事してたわけじゃ……」  恵理がそのように否定の言葉を出そうとすると口を開くのを待っていたかのように鈴菜が手に力を込め、彼女の足指の付け根からカカトまでを縦断するように上から下に一気に撫で下ろしてなぞる刺激を彼女に与える。  不意を突いたその突然の攻撃に、恵理は「ブふっ!」と盛大な吹き出しを行ってしまい、その開いてしまった口から彼女の意に反した笑いが吐き出され始めてしまう。 「ばひゃっっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!? ちょっっほ、ズルひっッひひひひひひひひひひひひひひひひひ、いひひひひひひひひひひひひひひひひ、今のズルいぃぃぃひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ、ンハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」  彼女が吹き出すや否や鈴菜はカカトに向かった手を逆手に構え直し、今度は彼女の土踏まずの中央を指先でコチョコチョとくすぐって間髪入れずに彼女に本格的なくすぐりを入れ始める。 「やはぁぁ~~っっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、それくすぐったいぃぃぃぃ!! やめっっへへへへへへへへへへへへへへへへへ、そこはやめでぇぇっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへ、いひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっっははははははははははははははははははははははははは!!」 「ズルくて結構よ? あんたが嫌がるんだったらココをとことん虐めてあげる♥ 私がそういう性格だって事……あんたが一番知ってるはずでしょ? 長い付き合いなんだから……」  逆手に持ち替えた手が恵理の土踏まずの皮膚をランダムに引っ掻いてくすぐっていく。そのくすぐりに恵理は一切笑いを堪える事も出来ず大口を開けて笑い悶えている。 「あがっっははははははははははははははは、イヒィッヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒ、うへへへへへへへへへへへへへへへへへ、ちょ、ダメ! 私が足の裏は弱いの知っている癖にぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、ズルいズルいズルいぃィぃっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ、うわっははははははははははははははははははははははははははは、アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ……」 「勿論知っているわ。あんたがどんな風に触られるのが苦手なのか……何処の部位を刺激されるのが弱いのかも全部知ってるわよ~? いつもは実験とか言う名目で私の事くすぐって散々いたぶってくれてたけど……今回は立場逆転よ! 私が今日はあんたの足裏をぶっ壊れるまでくすぐり尽くしてやるわ! ついでにチーフにも見て貰いなさい、涎や唾を垂らしまくったあんたのだらしない笑い顔を!」 ――コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ♥ 「ぎゃああぁっっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、うひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、へひひひひひひひひひひひひひひひ、や、や、やだぁぁっっはははははははははははははははは、チーフ見ないでぇぇへへへへへへへへへへへ!! 私の笑わされてる顔、見ないでぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!! 恥じゅかひぃからぁぁぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、いへひひひひひひひひ、いっひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ」  見るなと言われてもあなたはもう目が離せない。普段笑う事など少ないであろうクールそうな彼女の貴重な爆笑を目の前で見られるという稀有な体験に、身体は石のように固まり顔も目も何かに取り憑かれたかのように彼女の顔から離れられず無様に笑ってしまっている彼女の笑い顔を見る事に夢中になっている。  涎を唇の端から垂らせながら笑い狂う恵理の顔は、歳相応の可愛さと歳以上の妖艶さを兼ね備えている。  本人は笑いたいなどと一寸も思っていないのに、鈴菜に足裏をコチョコチョっとくすぐられるだけで意思とは無関係に笑わされる。その強制的に引き起こされる笑いが物理的な苦しさをと精神的な恥ずかしさを同時に引き出し、何とも言えない苦悶の表情を彼女に取らせる。  恥ずかしくて苦しくて辛いだけのそれに恵理は笑う事をやめようと抗おうとするが、ニヤつきながら土踏まずをしつこくこそぐり回す鈴菜の細指の刺激に体中が拒否反応を示し笑う事がやめられない。笑いたくないのに……恥ずかしい顔をこれ以上晒したくないと強く思っているのに、腹の底をゾワゾワと蠢いて湧き上がってくるこそばゆさに抗う事など出来ず彼女は笑ってしまう。どんなに笑いたくなくても……どんなに笑い顔を見られるのが恥ずかしいと思っていても……。 「ほらほら! もっとだらしなく笑いなさい? 清楚ぶって下品な顔をしない様に我慢しても無駄よ! そんな余裕は与えないんだから!」  鈴菜の手は土踏まずだけを責めるに飽き足らず、逆手を順手に持ち替えて足指の付け根をガリガリと引っ掻いたり、手を横に傾けて足の側面をサワサワと優しく撫で上げて刺激したりとあの手この手を使って恵理が笑いたくなるように仕向けていく。その容赦のない攻撃に恵理は一切の我慢を封じられ、彼女のイメージとは真逆の明るみのある笑いを吐き出し続けている。 「んびゃっはははははははははははははははははは、いへひぃぃっひっひっひっひっひっひ、ンハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、ひぃひぃっっ!! や、や、やめっっ! やめへぇぇっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへ、いへひゃ~ははははははははははははははははははははははははははははは!!」  目にも止まらない速度で手を変え品を変え足裏を蹂躙し尽くす鈴菜の手技にあなたは目を奪われ、その場に呆然と立ち尽くしてしまう。 本来なら自分もくすぐりに参加して一緒に責め立てて屈服を迫る場面であるのだが、プロと言っても過言ではない鈴菜の手捌きの見事さにあなたの視線は釘付けにされ目が離せなくなってしまっている。  あの手にあんな風にくすぐられたら、さぞかしこそばゆいのだろうな……。あの細指がもしも足裏だけでなく腋や脇腹に這い回るとしたなら、一体自分はどうなってしまうだろうか? あなたは彼女の指遣いを見ながら拘束された恵理を自分に置き換えて想像を膨らませてしまう。もしも“くすぐられる側”であったならどれほど笑い苦しむことになるだろうか……と。 「ほら! チーフってば! あんたも参加しなさいよ! 私だけがイジメてても面白くなんてないわ。ここは恵理の想い人であるあんたにも参加してもらわないと……」  くすぐる手を一切休ませずあなたの方を顔だけ振り返ってそのように参加を促す鈴菜の言葉に、あなたはボーっとなっていた意識を取り戻すようにハッとなり恵理の上半身に目を向けなおす。  彼女に唯一着せられている白衣は身体を捻りながら笑い悶える彼女の動きに合わせて前裾を左右に振り乱しており、その前裾の隙間からは彼女の瑞々しい生腋が見え隠れしてあなたを誘っている。  そうだ、自分はあの零れ見える腋をくすぐらなくてはならなかった……と、意識と共に自分の役目も思い出したあなたは鈴菜にコクリと頷きをして見せ、足早に彼女の背後へと回り込み早速と言わんばかりに両手を突き出して恵理の目の前に手を見せつけるように構えた。 「はひひひひひひひひひ、いっひひひひひひひひひひひひひひひひ! ち、ち、チーフっっ!? や、やめでぐだざいぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひ、その手で何をするつもりですかぁぁ! チーフっッ!!」  目の前で手をワキワキして見せるあなたに、恵理は限界まで首を後ろに捻ってあなたの顔を見ようと無理な姿勢を取る。しかし、彼女が後ろを振り向ききる前にあなたの手は恵理の両腋の窪みにストンと落ち、彼女の腋肌に少し低体温な指先の冷ややかな刺激が送り込まれる。 「うっっひぃいぃぃぃいぃぃぃぃぃぃぃぃっッっ!!?」  恵理はその刺激を味わうや否や振り向きかけた顔をビクリと震わせてまた正面を向き直し、天を仰ぐように今度は顔を天井の方へ向けて口を開いた。  あなたは、そのまま腋に当てた手をコチョ……コチョ……と嬲る様にゆっくり動かし、恵理に鈴菜の責めとは違う意地悪なこそばゆさを与え始める。 「ぴきゃッ!!? アヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒっ! ちょ、チーーフっっふふふふふふふふふ、その触り方っっはははははははははははははっえはははははははははは……こ、こ、こしょばいっっ! 滅茶苦茶こしょばいですぅぅぅぅ!! ぷはははははははははははははははははははは、えひはははははははははははははははははははは……」   鈴菜の暴力的なくすぐり方とは真逆の愛撫するようなくすぐりが思いのほか恵理の笑いのツボに嵌ったらしく、彼女は上を向いたまま唾を真上に飛ばしながらゲラゲラと笑いを吐き出す。そして、その刺激が耐えられないと身体で表現するように上半身を左右に捩ったり手をバタバタと暴れさせたりと派手な抵抗を見せ始める。 「アハ♥ 良いわねぇ~~♪ そういういやらしい責め方……私も嫌いじゃないわよぉ? 敢えて強く触らないで焦らす様にくすぐったい箇所の周囲をなぞるもどかしい責め……堪らないわよねぇ~~♥ 恵理ってば本気で嫌がってるし♥」  先程までのチェックや実際の手でくすぐって何となく分かった事だが、恵理は強引に笑わせようと迫るくすぐりよりも優しく愛撫するくらいのくすぐりの方が弱い。まぁ、鈴菜のくすぐり方のように緩急つけて責める方が効果的ではるのだろうが、自分にはその緩急をつけるタイミングや技術的な面では彼女の責めには敵わない。だから自分の方は優しさ一辺倒で責める事に終始しようと思う……優しい刺激が弱いのであればひたすら優しく……いやらしく……もどかしい責めを与えるのが鈴菜のくすぐりを引き立てる事に役立つだろう。 「フフフ……腋をそんな風にムズムズ刺激されたらこそばゆくて……もどかしくて堪らないわよね? それを想い人であるチーフにやられているんだからあんたも嬉しいでしょ? ねぇ?」 「はぐくふっっふっふっふっふっふ、くふふふふふふふふふふふ、はひひひひひひひひひひひひ!! 嬉しくなんてなひぃぃ!! 嬉しくなんて……」 「嘘おっしゃい! 顔がニヤケているわよぉ~? “くすぐられて嬉しいです”って……顔に書いてあるわよぉ~? そんなにくすぐられのが好きだったなんて……ホント変態ね? 恵理ってば……」 「へ、へ、変態じゃないっ!! ちー、チーフ、私は……変態なんかじゃ……はぐっっくくくくくくくくくくく!!」 「変態の癖に私のくすぐりを我慢する気? そんな事絶対に許さないわ! ほら、あんたがだぁ~い好きな土踏まずの肌をこの伸びきった硬い爪先でガリガリ引っ掻いてあげる♥ これは耐えられないわよぉ~♪ 覚悟なさい!」 「ひぐっっ!? へ、へ、変態じゃないっっ!! 私は……変態じゃ……んぐふっっ!!!」 ――ガリガリガリガリガリガリガリッ!! ガリガリガリガリガリガリガリッっ!! 「ぶぎゃはっっ!?あぎゃあぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、ダメダメダメぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、そりぇ駄目ぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、はぎゃぁ~っはっはhっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、うははははははははははははははははははははははは」 「アハハ♥ ほら見てチーフ! 恵理の無様な笑い顔っ♥ この子変態だから笑いながら悦んでる顔してる♪ あぁ恥ずかしいわねぇ~~そんな顔チーフに見られるなんて……」 「はぎゃっははははははははははははははははははははははははは、変態じゃなひぃぃっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ、見ないでぇへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへチーフっっふふふふふふふふ!! 私の顔を見ないでぇぇぇへへへへへへへへへへへへへ!!」  顔を見ないでと言われても背後からくすぐりを入れているあなたに恵理の無様な笑い顔を見る事は出来ない。だから想像で補うよりほかはない……。彼女がどんなに無様な顔で笑っているのかを……。 「ほら! 変態だって認めなさい? 認めてギブアップすればこのくすぐりを止めてあげる♥ 楽になれるわよぉ~?」 「アギャッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ、し、し、しないっっひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、ギブアップはしないっっひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、私は変態じゃないからぁっはははははははははははははははは、チーフ信じてくださいぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!!」 「あんたは変態に決まってるでしょ? こんな怪しげな機械を作ったり私を実験と称してあんなに苦しめたりしてきたんだから……。ほら、こんなもんじゃ気は晴れないわ! 認めないって言うなら認めるまで足裏をこそぐり回してやるッっ!!」 「はぎゃっはははははははははははははははははははははは、うへひひひひひひひひひひひひ、イ~ヒッヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ、変態じゃないっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ、うあははははははははははははははははははははは、変態じゃないぃぃひひっひひっひひひひひひひひひひひひひひ、だぁ~っはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!」 「自覚の無い変態はみんなそう言うのよ! ほらっ、もっと馬鹿みたいに笑って苦しみなさい? そして認めるのよ! 自分が変態だって……チーフに向かってね♥」 「やだっっははははははははははははははは、絶対やだぁぁっっはははははははははははは、ヒィヒィ! 認めないぃィぃィひひひひひひひひひひ、ギブアップもしないぃィぃひひひひひひひひひひひひひ、ンハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」 「フン! そう言っていられるのも今の内だけよ! くすぐり責めの怖さはあんたが一番良く分かっているでしょ? 笑えば笑う程息が吸えなくて苦しい思いをするし身体が勝手に動いて抵抗しようとしてしまうから体力だって消耗する……。更に時間が経てば経つほどに暴れまくった身体の筋力も疲弊しきってくるから、肺とか腹筋とかが痛みを発しだして笑うこと自体にも苦痛を伴うようになる……。もう笑いたくない……もう暴れたくない……って思うようになってもくすぐりはあんたの事容赦なく笑わせ続けるわ。どんなに意志を強く持って耐えようとしても無駄よ? あんたが我慢しようとすればするほどくすぐったさが増すばかりで逆に笑わされる結果になるの♥ くすぐりって……そういうものでしょ?」 「んへへへへへへへへへへへへへへへ、いひゃはははははははははははははははは、んひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、うははははははははははははははははははは!! く、くるひぃ!! くるひぃですぅ!! チーフ、苦ひぃぃっっひっひっひひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ!! 止めてっっへへへへへへへへへへ、お願いですっふふふふふふふふ止めでぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ」 「チーフに泣きついても無駄よ! 例えチーフが手を緩めたとしても私のくすぐりは絶対に手を抜かないんだからねッ!!  これ以上苦しみたくなかったら、早く降参しちゃいなさい! ほらっ! ほらほらぁっ!!」  正直、笑いながらも必死に身体を捻ってあなたの顔を見ようとしながら懇願してくる恵理に良心が痛まない訳ではない。無防備にされた身体を好き勝手くすぐられ、意に反して笑わされている恵理の事を想うと胸の奥がチクリと痛むような感覚を味わうには味わうが……しかし、その感じたはずの心の痛みはすぐに責め欲の渦の中に呑み込まれて跡形もなく消え去っていく。  可愛い恵理の事をもっと笑わせて苦しめてやりたい……  抵抗できないカラダを思うままに弄り回して可愛い恵理を笑わせ続けていたい……  あなたの中に眠っていたドス黒い責め欲の荒波があなたを鼓舞してやまない……  もっと笑わせろ! もっと無様に笑わせ続けろ! と……。  正直……ギブアップを強要するだとか、屈服を強いるだとか……そういうプレイのルールなどどうでもよくなってさえいる。今はただ彼女の笑い顔が見ていたい……銀髪の隙間から見せる涙の溜まった笑み目をずっと見ていたい……  嫌がるような仕草……荒くなる呼吸……湿る唇……振り乱す髪……生気を宿すように熱を持ち真っ赤に染まり切った頬……  全てを見ていたい……恵理の無様な笑い顔を……ずっと見ていたい……。  ずっと…… ――ピピピピピピピピピピ!  欲望の深淵に呑み込まれそうになっていたあなたの目を覚まさせたのは、あの時間が来ると必ず音を鳴らすストップウォッチの無慈悲な電子音だった…… 「はぁ~~い、ストップ!」  電子音の次に発せられた美咲の言葉にあなたと鈴菜の手が反射的にピタリと止まる。  一瞬夢の中にいたかのようなフワつく心地を味わっていたあなたは、離れていて意識をその言葉によって取り戻す。  視界に意識を戻すとそこには白衣を着た恵理の後ろ姿が荒い呼吸と共に肩を上下させている様子を見ることが出来る。  屈服は……結局ギブアップを彼女はしたのか? という疑問を一瞬頭に過らすが、くたびれた表情を浮かべる鈴菜と時間いっぱいまで責めたという既成事実があなたに無言の敗北を知らせる。  そう……耐えきったのだ。恵理は……あなたと鈴菜の責めに最後まで耐えきってしまったのだ……。  途中からは自分がどういう責めを行っていたのか覚えていない……。恵理の顔や声に意識が向きすぎていて、自分がどんなに雑な責めをしていたのか等記憶の隅に残ってすらない。  いけそうだったのに……途中までは確実に堕とせると思えていたのに……なぜ? 「あぁ~~あ、結局時間いっぱい耐え切っちゃったわね……もう少しで堕とせそうだったのに……」  鈴菜もギブアップを取れなかったことを悔しそうに嘆いている。しかし、彼女はあなたと違ってなぜ堕とせなかったのかという疑問の答えを持っているようだった…… 「ギブアップさせて“自分は変態です”ってチーフに目の前で宣言させようって思ってたのに……まさかそれが嫌だから耐えきるなんて思ってもみなかったわ……。よっぽど好きなのね……チーフの事……」  敗北の原因は自分に対する思いの強さ故? まさかそれだけの理由で耐えきったと言うのだろうか? 「ところでチーフ? あんた……途中で恵理にやめてって懇願された時から……手抜いてたでしょ?」  鈴菜の言葉にあなたは思わず“えっ?”と素っ頓狂な声を上げてしまう。  あなたは手を抜いた覚えなどない……むしろ責め欲が強まって手に力を込めたくらいだ。 「あの懇願の後……あんたってば意識がどっかにぶっ飛んじゃったみたいにボーっとなって、くすぐる手も滅茶苦茶雑になってたわよ? アレが無ければ……もう少し変わってたかもしれないのに……情でも湧いちゃったのかしら?」  確かに……あの懇願を聞いた後の自分の責めはあまりはっきりとは覚えていない。  ただ恵理の顔が可愛いと思った事と……もっと笑わせたいと思った事だけは覚えている。それ以外は……白昼夢のようにあやふやで地に足が付かないような記憶しか残っていない。  「まぁ、いいわ。今回が失敗だったって事は……次も復讐できるって事だし♥ 責める機会が増えたのは嬉しい限りよ♪ だからチーフ、次もパートナーに私を選びなさいよね! 次こそは無様に屈服させて見せるんだから♥」  鈴菜はそのようにニカッと子供のように笑うとあなたの返事を待たずして鼻歌交じりに機嫌よく部屋を出ていった。 「フフフ……残念でしたねチーフ。あともう一歩の所まで追い詰めた感じはしましたけど、恵理ちゃんの想いの強さが少しだけ勝っていたみたいで……結局耐え切ってしまいました……」  恵理の想いの強さ……それはあなたに向けられた好意の感情である事が嬉しくはあるが、それも結局はプレイの設定での話であるためと分かり切っている為……なんとも複雑な感情に苛まれてしまう。  まるで夢の世界から強制的に引きずり出されたような……嬉しさ半分虚しさ半分の感情である。  しかし……例えプレイの設定であったとしても……そこまで従順にあの苦しい責めを耐えきれるものなのだろうか?  疑似的な感情で……あのような耐え切り方が出来るのであろうか?  自分ならどうだろう? 逆の立場なら……耐えきれただろうか? いや……演技だけであの責め苦を耐えきる自信はない……。あれだけ息も絶え絶えになるまで笑わされて……くすぐりから解放されてもまだ疲弊しきった表情で項垂れている様子を見るに、恵理は相当のダメージを被っている筈なのだ……。  だったらなぜ途中でギブアップをしなかったのか? 演技や疑似的な感情だけで頑張れるほど苦しんでいなかったとでもいうのだろうか?  いや……そんな筈はない。途中からの自分の責めはともかくとしても、鈴菜のあの責めは本物だった。アレをやられて苦しまない筈がない。実際に最初から最後まで笑い続けていたのだから……それが辛く苦しいモノでない筈がない。  あなたは肩を震わせながら荒い呼吸を繰り返している恵理の顔を試しに下から覗き込んでみる。  恵理はあなたが覗き込んでくれたことを嬉しく思ったのか、辛そうな表情で呼吸を繰り返していた顔から少し口の端を引き攣りながらも明るい笑顔を強引にして見せ、あなたに途切れ途切れの言葉を伝える。 「はぁ、はぁ……チー……フ……? 私……チーフの為に……頑張って……耐え……ました……から…………また……次も…………私を……選んで……くだ……さい……ね?」  彼女の言葉が演技であるのかそれとも本当の言葉なのかは判断など出来ない。  しかし、あなたを見る恵理の目は最初に見た無機質な機械の様な目ではなく、想いを伝えたくて仕方がないといった生き生きとした目に見えた。  あなたはその目を何度も思い出しながら店を後にする……。  彼女は確かに最後にこう言った……  また次も“選んで”くださいね……と。  選ぶというのは……“プレイ”として彼女を選ぶという意味であろうから、あの言葉は研究所で捕まっているという設定を負っている彼女が零していい言葉では決してない。演技に徹するのであればもっと別の言葉で表現していて然るべきなのだ……  結局……何処までが演技で……何処までが本心かは分からない。  分からないが……それを探るという理由でまたあの店へ行ってもいいなという動機が出来てしまった。  あなたは、プレイが終わったというある種の空虚感に苛まれる前にすでに次の来店への期待を胸に膨らませ始めた。  次こそは演技であろうとなかろうと……必ずくすぐりで屈服させて見せる! と心に誓いながら……。 『恵理ルート失敗④……【気になる本心】エンド……完』  ※別の日で改めて再プレイ→#1へ

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