牛娘牧場に社会科見学することになった女の子のお話し (Pixiv Fanbox)
Published:
2022-09-30 16:13:14
Imported:
2023-05
Content
はじめに
先月から頭に浮かんでいたシチュエーションが纏まったのでゲリラ投稿です!
どうぞお楽しみください!
以下キャラクター
和泉萌恵(いずみもえ)
黒髪ショートの女の子。
今回の物語における主人公ちゃん。
紗代ちゃん(さよちゃん)
萌恵が絡むグループのリーダーっ子で、イタズラが好き。
飼育員さん
牧場に雇われてる職員。
男性の職員はゼロで、全て女性の職員で構成されている。
牛娘(うしむすめ)
牧場で飼われている家畜。
見た目は完全に人間の女の子。
家畜とわかるようにカウベル付きの首輪と牛耳や尻尾は必ず着用させる義務になっている。
この牧場で育てられてる彼女たちはすべて乳牛。食用はいない。
——以下本編——
気温が不安定になってきた二学期の中旬。女子高生の私こと和泉萌恵(いずみもえ)はとある牧場へ社会科見学に行くことになった。
そこでは、私のような高校生の女の子と大して見た目の変わらない牛娘が畜舎の中で何匹も鎖に繋がれ飼育されていた。
彼女たちを初めて目にしたときは人間の女の子が裸に剥かれて牛のコスプレをさせられながら鎖に繋がれているようにしか見えなかったけれど、飼育員さんがいうには、彼女たちは特別な遺伝子操作で生み出された新種の乳牛で、その豊満な胸から搾られるミルクは一般に出回ることがないほどに一部の資産家から絶大な人気を博しているのだとか。
そのため、一般的に畜舎の見学などは常時解放されておらず、私たちのような高校生が飼育現場に立ち寄ることは初めての取り組みとのことだった。
「さて、これからみなさんには牛娘の乳搾りを体験していただきます」
飼育員さんからの大まかな説明が終わり、私たちのクラスは畜舎の奥へと通される。
ぱっと見たところ畜舎の中は長方形の形をしていて、内側(中心部)と外側(左右)のスペースを作るように柵で分けられていた。
私たちが歩く道は中心部で、外側の左右に設置された柵の向こう側には、牛娘たちが大きなおっぱいを中心部に向かって晒しながら両手を上に吊り上げるように鉄枷から伸びる鎖によって拘束されていた。
(うわ……こんなにいっぱいいるんだ)
一匹ずつ丁寧に、手前から奥に向かって、ズラリと陳列されてるその様についつい圧巻されてしまう。
まるで牧場なんかではなく、奴隷市場にでも来てしまった気分になるけれど、あくまでもここは畜舎であり、彼女たち牛娘は人間そっくりな家畜でしかない。
そんな彼女たち一匹一匹にジャージ姿をした私たちが飼育員さんの指示で一人ずつ割り当てられていく。
「えっと……よろしくね?」
「うぅ……?」
私とペアになった黒髪ショートの牛娘に挨拶混じりに語りかけてみる。私の顔を見るや否やカウベル付きの首輪をチリンと揺らしながら、純粋無垢な様子で首を傾げられた。
意思の疎通はできるって飼育員さんは言っていたが、どうやらこの様子だと人間みたいに言葉は喋れないらしい。
言葉が通じるなら、ここでの生活がどんなものなのか彼女に聞いてみたかったけど、無理なら仕方がない。
「というか……あなたって――」
そんな彼女から伝わってくる第一印象は好感を持つべきか否か。迷うものだった。
何といえばいいのか。
兎に角、とても似ているのだ。
何と似ているかって、私と彼女の顔がそっくりなのだ。
背の高さも、体格も、まるで生き別れの双子のように感じるくらい似ている。
私と違う場所を上げるとするならば、私よりも若干大きな胸を露出させたままの姿で牛柄の衣を身に纏い、首にはカウベル付きの首輪と手足には鉄枷を嵌めていて、頭とお尻に牛のような耳と尻尾(アクセサリーのようにも見える)がついていることくらいだろうか。
これだけ私と彼女の見た目が似てるなら、ちょっとしたお遊びで私が彼女と同じものを身につけたら、簡単に入れ替わることができてしまいそうだった。
「ではみなさん始めてください」
入れ替わる。などというバカみたいな考え事をしてる私の周りで、飼育員さんの指示を受けたみんなが一斉に乳搾りを始める。
「あぅ……ッ、んぅうッ……!」
「あ、あんッ……んッ……!」
「んぅッ……、うぅッ……!」
瞬く間にあちこちから女の子の喘ぎ声みたいなのがたくさん聞こえてくる。出遅れたせいでなんだかその声を聞いてるこっちが恥ずかしくなってくる。
目の前にいる私そっくりの牛娘も乳搾りを始めたら同じように喘ぎ声を漏らすのだろうか。
それってある意味、私が乳を搾られながら喘ぎ声を漏らしているみたいに感じて、なんか嫌だ。
「…………っ」
自分と鏡写しのような牛娘を見つめれば見つめるほどそのことを意識してしまって、搾乳を始めることに抵抗感が芽生えてしまう。
何となく後ろめたさを感じて、周囲を見回すと、何もせずに手が止まっている私を見つけた飼育員さんがこちらに気づいて、近づいてきてた。
どうやら、このまま私だけ乳搾りを体験しないわけにもいかないみたいだ。
「ご、ごめんね……? ちょっとおっぱい搾らせてもらうから我慢してね?」
飼育員さんに声を掛けられてしまう前に、私は意を決して、自分とそっくりな牛娘のおっぱいへ両手をはべらせていく。
「あぅ……ッ」
彼女の大きめのおっぱいに手が触れると自分のものとは比べ物にならないくらいふんわりと柔らかい肉質が指先から直に伝わってきて、軽く力を込めるだけで脂肪の塊に手指がグニュっと飲み込まれた。
まるで膨らんだばかりの大きなマシュマロを手で掴んだような感覚に、申し訳ない気持ちがあふれ出てくるが、私はそこで手を止めず、吐息を漏らすだけで逃げるそぶりさえ見せない彼女のおっぱいをさらに揉んでみた。
「あ、あぁあ……ッ、あぅ……ッ!」
「————ッ」
甘い艶を帯びた声が彼女の口から零れ落ちてきて、息が詰まる。
同時に気持ちよさそうに股をモジモジと内側に寄せながら、繋がれた両手の鎖をジャラジャラ鳴らして、彼女は苦しそうに悶えるから、このまま彼女のおっぱいを揉み続けていいものかわからなくなる。
だって、どこからどう見ても彼女が性的な快感を得てるようにしか見えないのだ。
でも、周囲に目をやるとみんなはそれでも牛娘のおっぱいを揉み続けて、彼女たちの乳首からミルクを搾り取っていた。
だから、私も他のみんなと同じように牛娘のおっぱいを優しくこねくり回すように揉み込んで、先端部分にある乳首に刺激を集めていく。
「ンァッ……! あ、あぅッ、うぅッ……!」
すると、コリコリに硬くなっていく彼女の桜色の乳首から白くて濃厚なミルクがピュッピュッと溢れ出す。
私はそれを確認してすぐに、搾乳専用の吸引器を彼女のおっぱいに装着して飼育員さんの説明通りに機械を作動させた。
「あうッ、うぅうッ……!」
搾乳機の吸引がうまく作動して、彼女のおっぱいからたくさんのミルクが搾りだされていく。
「んはぁ……ッ、あぁッ……! あ、あぁあッ……!」
「――ッ」
しかしながら、自分と瓜二つの顔をした牛娘が頬を赤らめながら気持ちよさそうに喘いでいるのは、やっぱり恥ずかしかった。
どう見たって、鏡写しの自分が乳を搾られているみたいに見えるのだ。
ミルクを搾られるだけでこれほどまでに艶めかしい声を漏らすとか、搾乳ってそんなに気持ちいいのだろうか。
ちょっとだけ搾乳機がどんなものなのか気になってしまうけど、私のおっぱいからミルクなんて出るはずがないし、そもそも搾乳機を体験するなんて論外だ。
「あ、あぅあッ! あ、ぁんっ、んんッ、ん〜〜っ!」
「〜〜〜〜っ」
あぁ、早く終わってくれないかな。
――――――――――――
しばらくして、牛娘の搾乳は大きな事故もなく終わり、そのあとは牧場の雑務などを手伝わされた。
そして、最後に牧場についてのレポートをまとめる前にみんなで昼休みを取ることとなった。
特定のグループを作るタイプの社会科見学じゃなかったため、それぞれに気の合うメンバーで昼食をとっているとクラスメイトの紗代ちゃんが不意に口を開いた。
「ねぇ、牛娘ってさなんか萌恵に似てるよね」
「あ、それ私も思った。萌恵にめっちゃそっくりだったよね」
「実は萌恵って~牛娘だったり……!?」
紗代ちゃんに続いて、他の女子からも冗談でそんな話をされた私は、否定気味に「やめてよねー」と笑ってその話を流そうとした。
でも、紗代ちゃんはそこで終わらせることなく話を続ける。
「でさ、そのことでちょっと面白いこと思いついたんだけど」
「なになに? 聞かせて、聞かせて!」
「んっとねぇ、萌恵と牛娘をね――」
「うはっ、なにそれ、面白そうじゃん」
「でしょー!?」
「いや、ちょって待ってよ」
紗代ちゃんたちが面白そうに広げていく話しに、私は大いに反対した。
だけど、私の意見は聞き届けてもらえず、その場の空気で畜舎のほうへと強引に連れていかれてしまう。
しかも、最悪なのが飼育員さんたちもお昼休憩をしているのか、牛娘がいる畜舎には誰もおらず、簡単に忍び込むことができてしまったのだ。
それからみんなと一緒に私と一番似てる牛娘を探すことになったのだけれど、さっき紗代ちゃんたちが話していたとおり、一匹ずつ牛娘を見比べていけばいくほどどの牛娘も私と似たような顔をしていて、ほとんど区別がつかないことに気づいてしまう。
さすがに、髪の長さとか胸の大きさや体格などには違いがあったけど、それでも私とあまりにも似すぎている。
「あ、この子じゃない? 萌恵に一番似てる牛娘の子」
その中から、言い出しっぺの紗代ちゃんが、体格や雰囲気までも私に一番似ている黒髪ショートの牛娘を発見した。
「うぅ……?」
畜舎の一番奥の手前で、両手を鉄枷に拘束されながら、柵の向こう側に吊るされている彼女はこれから何をされるのかもわかっていない表情をしていた。
「じゃあ、さっそくだけど萌恵はジャージ脱いで、あたしはこの子の装具外してみるから」
そういって、紗代ちゃんは近くの柱に掛かっていた鍵束を手に取り、柵を開けると牛娘を吊り上げるように拘束している鉄枷や鎖を外していく。
「え、本当にやるの……?」
その様子をみて、困惑する私。
「ここまで来たんだし、やるなら今しかないでしょ?」
「それは、そうだけど……私だけ裸になるのは、さすがに恥ずかしいっていうか……」
「大丈夫だよ。周りには萌恵とそっくりな牛娘しかいないから、萌恵が裸になって、こんなところに紛れ込んでるなんて、自分から言い出さない限り誰も気づかないって」
「いや、それとこれとは話が違うっていうか……」
正直なところ、これから私たちがやろうとしていることは絶対にやったらマズイことだ。
理由は簡単。
畜舎に繋がれている牛娘と私を取り換えっこして、入れ替わった牛娘にみんなが気づくかどうかを試すのだから。マズイに決まってる。
なのに――
「ほら、早くしないと飼育員さん来ちゃうから、急いで!」
「うぅ……ッ」
紗代ちゃんに無理やり急かされて、私は渋々ジャージを脱ぎさり下着だけの姿になる。
畜舎の中でこのような恰好になるだけでも、熱に浮かされそうになるくらい恥ずかしくて手が止まってしまう。
やっぱり、こんなことはやめるべきだ。と思っても、動きの悪い私を見兼ねたのか、見張りをしてた残りの女子二人もやってきて、下着を剥ぎとられると次々と牛娘が身につけていた尻尾付きの牛柄の紐パンツや、牛柄のサイハイグローブに牛柄のサイハイソックスまで着せてきて、頭には牛耳のカチューシャも被せられる。
もう、この時点で私は充分牛娘っぽい見た目をしてるけど、みんなはさらに私の無防備な身体へカウベル付きの首輪や手足の鉄枷なども嵌めてしまう。
「ねぇ、やっぱりこんなのやめようよ」
不安で不安で仕方なくて、みんなに否定的な言葉を口にしたときには、私は畜舎にある鎖に両手を吊り上げられたまま、他の牛娘と同じように柵の内側に繋ぎとめられてしまってた。
革の首輪や鉄枷の一つ一つもしっかり南京錠で施錠されてるから、柵の外にある柱に戻された鍵がなければ自力でここから抜け出すこともできやしない。
「うぅ……?」
そんな私の目の前で、何が起きてるのかわからないという顔をしたまま私の着ていた下着やジャージを身につけられた牛娘が首を傾げてこっちを見てた。
その見た目はどこからどう見ても少し前の私そのものだった。
「萌恵の代わりにこの子連れてって、みんなが牛娘って気づくかどうか試したらすぐ迎えに来るから、あとで牛娘の生活がどんな感じだったのか感想教えてよ」
「いや……ッ! やっぱダメだよ! こんなの無理だってばあ!」
「大丈夫だよ。バレやしないって」
「ま、待って……! お願い……ッ! 置いてかないでえ!」
私が必死に呼び止めるのも虚しく、みんな紗代ちゃんに続いて畜舎から出て行ってしまう。
「うそでしょ……? 本当に置いていっちゃった!」
「うぅ……?」
周囲には私と同じように鎖に繋がれた牛娘たちが不思議そうに私のことを見て首を傾げていた。
手足を短い鎖に繋がれ、吊り上げられたまま立つことを強制されているのに、牛娘たちは苦悶の表情一つ浮かべていない。
その様子から察するに、自分たちが家畜として扱われていることに疑問を持っていないのだろう。
でも、私は違う。
どんなに私の見た目が彼女たちにそっくりでも、私は家畜ではない。人間だ。
なのに、彼女たちと同じように畜舎に鎖で繋がれている。
そのおかしな状況になんともいえない恐怖が胸の奥底から湧き上がってくる。
「どうしよう……っ! どうしたらいいの……ッ?」
頭の中が考え事でいっぱいになって、真っ白になる。
とりあえず、みんなが戻ってくるまでは牛娘のふりをして飼育員さんに気づかれないようにしないといけない。
でなければ、私は自ら望んでこのようなことしてしまう変態として学校中の噂になってしまうに違いない。
だって、今の私は人間にもかかわらず、牛娘のように鎖に繋がれたままおっぱいを晒してる変態でしかないのだ。
「だいじょうぶ……だいじょうぶだから……っ!」
状況を考えれば考えるほど乱れてしまう呼吸を整えて、隣で不思議そうに首を傾げている牛娘の子に微笑みかける。
どうしてこんなことになってしまったのか。
そんなの一つしかない。
私が牛娘と似ているからだ。
要するに、今の私は誰が見たって、この子たちと同じ牛娘にしか見えないはず。
大丈夫。バレない。
絶対にバレたりなんかしない。
「は~い、みんな~! 餌の時間だよー!」
「――ッ」
そこへ、大きな機械を携えた飼育員の人が数人やってきた。
私は咄嗟に身を縮めて周囲の牛娘たちに紛れるように息を殺す。
「はい、しっかり口に咥えて零さないようにするんだよ~?」
やってきた数人の飼育員さんの様子を伺う。
それぞれ鼻まで覆うマスクをしながら、大きな機械のホースに繋がれたノズルのような棒っこを入り口側の牛娘から順番に口に咥えさせて、何かを飲ませているみたいだった。
「んむぅッ、ん! んぐッ、んむッ、うッ! ――ぷはッ」
その得体のしれない何かを飲み終えた牛娘たちは、頬を紅く染めて顎をだらりとさせながら、開いた口から舌をだらしなく垂れ流して、鎖に吊られるようにうなだれていく。
一体、何を飲まされているのかわからないけど、なにやら甘い匂いがこっちまで漂ってくる。
畜舎に入ったとき飼育員さんは餌の時間と言っていた。
ということは、それは私のところにも順番が回ってくるということで。
「どうしたの? ほら、おいしいわよ」
「うぅ……ッ」
何匹もの牛娘が咥えたであろう涎塗れのノズルの先端部を口もとへ押しつけられて、私は思わず口を噤んでしまう。
まだ、それを口に含んでもいないのに、鼻腔の奥までをずっしりと満たす甘い匂いが私の脳を侵してくる。
「そういえばあなたって、昨日入ったばかりの子だったっけ……? 緊張するのも無理ないけど、次の子も待ってるんだから早くしてね」
マスクをしてる飼育員さんにそう言われて、隣へチラっと視線を移すと私の次に餌をもらうであろう牛娘が「早く欲しい」とせがむように私の口元に添えられる棒っこを羨ましそうに見ていた。
思い返してみれば、私の前に餌をもらっていた牛娘も喜んでノズルの棒っこを口に含んでいた。
つまり、それだけこの餌が美味しいということなのだろうか。
「あ……ッ、うぅっ」
それならちょっとくらい味見してみてもいいような気がしてきて、開けそうになった口を咄嗟に閉じる。
牛娘じゃない私が牛娘の餌を口にするのはさすがにマズイ。
口にしたらお腹を壊す可能性だってあるのだ。
でも――
「あぁ……ッ、んぁ……ッ」
すごく甘くて美味しそうな匂いのするものが目の前にあるのに、口にしないなんて、どうかしてる。
だから、ちょっとだけ。
ほんのちょっとだけ口に含むだけなら、きっと大丈夫なはず。
「――あむッ」
目の前の誘惑に負けた私は、口元に差し出された涎まみれの棒っこを咥えこむ。
「うんうん、いい子ね」
――カチ。
「ん、ンぅ~~ッ!?」
マスクをした飼育員さんがノズルのトリガーを引くと先端からドロリとした温かい液体が放出されてきて、一瞬で口の中が甘さ一つで満たされていく。
カスタード風味のその液体は、まるでシュークリームの中身をそのまま身体の中へ流しこまれているような感じで、昼食を終えたばかりの私にはものすごく重たい食べ物だった。
でも、なぜだか不思議な中毒性があって、お腹がいっぱいで苦しいはずなのに、次から次に放出される液体をゴクゴクと飲みこんでしまう。
もう、いらない。
飲みたくない。と理性が思っても、私の本能は悦びながら、それを飲み続けた。
そうしてるうちに、なんだか他のことがどうでもよくなってきて、ただ目の前で起きてることだけしか考えられなくなっていく。
胸の内に抱えていた不安も、恐怖も、何もかもが薄まって、ただこの瞬間だけが私のすべてなのだと理解させられていく。
「――ぷはッ、あぁ……っ、うぁ……ッ」
口からノズルが離されていくことに、とてつもない切なさを感じてしまう。
まだまだ飲み続けていたいと本能が叫ぶけど。
頭の中はふわふわでいっぱいになり、思考が定まらず、全身の力がふやけるように抜け落ちてしまって、顔を上げるのも億劫だった。
「ふぁ……ッ、あぁあ……ッ」
身体はだらりと鎖に吊りあげられるだけになって、全然動けない。
なのに、ずっとこのまま過ごしていたいと思うような幸せに全身が満たされていた。
ふわふわとまどろみの中を彷徨うように、自分が何者であるかも忘れてしまう。
――チクッ。
「ふぇ……?」
そんな感じで、ぼーっと揺らいだ意識に身を任せていると胸に何かが刺された。
それは、私だけでなく他の牛娘にも施されているもので、注射器からおっぱいに何かの薬を注入しているみたいだった。
――チクッ。
「あ、うぅ……ッ!」
反対側のおっぱいにも同じように薬品を注入されて、動揺した私は、おもわず叫びそうになる。
けれど、身体はまったく言うこと聞いてくれなくて、口からは吐息が零れるだけ。
言葉を喋ろうにも、なぜか言語が口から出てこない。
頭に喋りたい言葉は浮かぶのに、その通りに呂律が回ってくれないのだ。
「~~~~ッ!?」
喋れなくなったことに頭の中がパニックになり、私はだらしなく涎を垂らす口をパクパクと必死に動かす。
けど、やっぱり言葉は何一つ出てこなくて、身体と意識が切り離されてしまったみたいに私の意識は無力になっていた。
そんな私のおっぱいへ飼育員さんの手が伸びてきて、他の牛娘よりも明らかに小さいおっぱいがぐりぐりと揉みこまれる。
その光景は、少し前に私が牛娘のおっぱいを搾っていた光景と似ていた。
「お注射されて急に怖くなっちゃったかな? でも、大丈夫。こうやってお薬打っておっぱい揉んでるうちに、すぐにミルクが溢れてきて気持ちよくなれるから、何も心配しなくていいんだよ」
「ん、んぁ……ッ! うぅ……ッ!?」
飼育員さんに下から掬いあげるように優しくおっぱいが揉みしだかれ、乳首の先端部へ肉を寄せ集めるようにグリグリ、グリグリ、と何度も何度もおっぱいに刺激を送り込まれる。
「あ、あぁあッ……!? うぅうッ……!? う、んぅうッ……!?」
そうされているうちに、おっぱい全体が沸騰するように熱くなってきて、何かが乳首の先端からピュッとあふれ出してきた。
それは、誰が見てもわかるほど白くて濃厚な甘い匂いを宿したミルクに他ならなかった。
「ンぅ〜〜〜〜ッ!?」
自分のおっぱいから、牛娘と同じミルクが溢れ出していることに、わけがわからなくなる。
一体、私の身体はどうなってしまったのだろう。
普通に考えて、私の身体から、ミルクが出るわけがない。
――こんなの絶対おかしい。
「はいはい、搾乳機つけてあげるからね~」
嫌々と首を振り続ける私を気にも留めず、飼育員さんは私のおっぱいの先端部へ搾乳用の吸引器をとりつけて、搾乳機を稼働させる。
「あ、あぁッ!? んあッ……! あ、ひッ……!? ――んひぃいッ!?」
乳輪から乳首まで一緒くたに吸い上げる吸引器。
自分のおっぱいが何もない空気にただただ引っ張られているのもそうだけど、なによりもおっぱいから熱いミルクが沢山溢れ出していく未知の快感に声が零れてしまう。
「じゃあ、がんばってね」
「あ――ッ、んぁ……ッ! あ、あぁあ……ッ!?」
甘い声を漏らすだけになった私を放置して、飼育員さんは他の牛娘のところへと行ってしまう。
「んふぁ……ッ!? あ、うぅッ……! んひ、ひぃいッ……!?」
吸引器によってじわじわとミルクが搾りだされていくたびに、幸せな気持ちがいっぱい溢れてきて、同時に頭の中がトロトロに蕩けていってしまうような錯覚に陥る。
でも、それだけじゃない。
おっぱいからピュッピュッとミルクが溢れるたびに、自分の中にある大切な何かも搾りだされているようなそんな感じがする。
だから、搾乳から逃げ出したくなるのだけれど、手足は鎖で繋がれているから、それは叶わない。
助けを呼ぼうにも、頭に浮かぶ言葉はどうやっても口にはできないし、私が牛娘に紛れていることを知っている紗代ちゃんはここにはいない。
――ビュッ、ドビュッ。
「ん、ン~~~~ッ!?」
突如として、ゆっくり出ていたはずのミルクがおっぱいから勢いよくあふれ出す。
刹那に頭の中がふんわりと真っ白になって、あまりの気持ちよさに太ももがわななくように震える。
「あ、あぁあ……ッ、あ……ッ!?」
思考してたものすべてがどうでもよくなって、おっぱいの中身が乳首へと吸い上げられていく感覚だけに意識が集中しちゃう。
「んおッ……!? お、んぉおおッ……!?」
――ドピュッ、ドピュッ。
「あ、おッ……!? おお、ッんおぉおッ……!?」
――ドピュッ、ビュビュッ。
「ん、ン〜〜ッ!? あ、おぉあ……あッ!?」
――ドビュビュッ。
ミルクが乳首から噴き出すたびに、頭の中が空っぽになっていく。
それがいつまでも、いつまでも続いていく。
「ふぁ……ッ、あ……あへ……?」
気がつくと外は真っ暗で、畜舎の中は薄暗い電球に照らされてるだけになっていた。
周囲には牛娘たちが両手を鎖に吊られながら眠りについている。
ぼーっとしながら彼女たちの寝顔を見て、私とそっくりだなあ。とたそがれる。
そういえば、どうして私は、畜舎の中で牛娘と一緒に過ごしているのだろう。
何かを思い出そうとして、考えるけど、何も思い浮かばない。
――ジャラ、ジャララッ。
なんとなく動かそうとした両手は当然ながら鎖に拘束されたまま、吊りあげられたままだった。
「あ、あぅ……うあ、あ……っ」
しかも、相変わらず口から言葉は出てこない。
どう頑張っても、人の言葉を喋ることができないのだ。
でも、それがなんだというのだろう。
ぼーっとしたまま時間だけが過ぎ去り、外が明るくなってくる。
「は~い、みんなー! 餌の時間だよ~!」
元気いっぱいの飼育員さんがやってきて、昨日の昼間見たいにホースに繋がれたノズル付きの棒っこを咥えさせられて甘い液体を補給させられる。
「ん、ン〜〜〜ッ! んむ、ンンっ、んぐ……っ!」
飲めば飲むほど欲しくなる美味しさに、自分から棒っこに食らいついて、それをゴクゴクと必死に飲み込んでいく。
「——ぶはッ、あ……っ、あはぁ……ッ、んはぁ……!」
満足するまで飲み終わった頃には、頭の中も何もかも満たされた気持ちになってきて、全てがどうでも良くなってきちゃう。
そして、おっぱいにチクッと薬品が注入されて優しく揉みこまれたら、乳首からミルクが溢れ出し、搾乳専用の吸引器を取り付けられる。
「あ、あぁあ……ッ!」
——なんで私、こんなに幸せなんだろう。
次の日も。
その次の日も。
朝、昼、晩。
毎日のように。
私は幸せな気分を味わい続ける。
そうやって過ごしている間に、小さかった私のおっぱいは大きく育ち、今では他の牛娘にも負けないくらい見事なほど豊満なおっぱいになっていた。
もちろん、その分搾乳されたときのミルクの量もいっぱい増えているから、私を育ててくれてる飼育員さんも嬉しそうに喜んでくれていた。
そんなある日。
とある学校の女子生徒が行方不明になってしまったということで、畜舎に警察の人が来ることになった。
鎖に繋がれた私たちを一人ずつ確認して、行方不明の女子生徒の特徴と照らし合わせているらしい。
「萌恵~! どこ? どこにいるの~?」
警察の人に紛れて、その女子生徒の友だちの女の子も来ていた。
なにやら、私の名前を呼んでいるみたいだけど、どうして呼ばれているのかよくわからない。
「あ、萌恵!? 萌恵なの……?」
すると、私の前でその子が立ち止まり顔をじっと見つめてくる。
「うぅ……?」
その女の子をどこかで見たような覚えがあるけれど、思い出せない。
いや、たしか私のことをここに拘束して置いて行った女の子だ。
名前はたしか……。
たしか……。
なんだっけ……?
思い出せないってことは、たぶん、どうでもいいことなのだろう。
「違う、萌恵じゃない……。萌恵はもうちょっとおっぱい小さかったよね……?」
「あうぅ……?」
結局、どの牛娘も探している女の子の特徴とはかけ離れていたらしく、この畜舎にいる牛娘は誰一人として言葉を話せないし、おっぱいからミルクが出てくるから、女子生徒がここに紛れ込んでいるという情報が生徒のついた嘘だとすぐに証明されてしまった。
「はーい、みんな! 餌の時間だよー!」
帰っていく警察と女の子。
そこに入れ替わるように飼育員さんがやってきて、いつものご飯をたくさん飲んでから、たくさんおっぱいを刺激される。
「あ、あぁあッ……!? うぅうッ……!? う、んぅうッ……!? ——ん、ン〜〜〜ッ!」
熱々になったおっぱいから、ミルクがビュッビュッ。と溢れてきて、今日もたくさん気持ちいいので頭がいっぱいになる。
こんな毎日がいつまで続くのか私にはわからないけれど。
いつまでも、いつまでも、続いてくれたらいいなって私は思うのでした。