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 神楽坂 友奈には誰にも言えない秘密がある。  両親にも友達にも妹にも言えない友奈だけの『秘密』  ドラマや映画で悪者や犯人に女の子が捕まってしまう場面がある。   悪者に捕まった女の子は必ず何かで身体を拘束されていた。 抵抗できないようにガムテープで手首を巻かれたり、逃げられないようにロープで足を縛られていたり、助けを求められないように布で口を塞がれたり……。  高校一年生になる少し前の頃だった。そのことが気になり好奇心からいろいろと調べている内に友奈は家族が寝静まる夜に自分の足をベルトで束ねてみたり、布で口を塞いでみたりと試すようになっていた。  興奮を抑えきれずに何度か自分の秘部へ手を伸ばして快感に身を任せたことも何度もあった。  学校で性の知識を学んだ時には「不潔だ」とか「そんなことやるはずない」とか思っていた友奈は自分で自分の自由を奪う行為に性的な興奮を覚えていることに周囲には言えない性癖だということをその時自覚した。  それからというもの自縛しながらオナニーすることが楽しみの一つになっていた友奈はとある連休の日にある計画を企てていた。     家族には秘密にインターネットの通販を利用して購入した道具を少しずつ自室のクローゼットの奥へと貯え、胸の鼓動が期待と喜びで激しく高鳴っていることを周囲に悟られないように普通に高校生活を毎日続けていた。  計画は順調だと思っていたある日学校から帰宅すると妹の環奈が友奈の部屋のクローゼットの中を漁っていた。 「ちょ、ちょっと! なにしてんの!?」 「あ、いっ、いたいってお姉ちゃん!」 「いいから出ていけ!」  まさか中学一年生の妹に道具を隠しているクローゼットを漁られているとは思っていなかった友奈は激しく動揺してすぐさまクローゼットの傍から妹の環奈を無理やり部屋から追い出し扉を閉めると道具の入っている箱が触られていないか確認する。  箱に貼ってあるガムテープは無傷で開けられたような形跡はない。どうやら妹には見られていないみたいだった。 「……お姉ちゃん入るよ?」 「なんで勝手に人の部屋漁ってんの!」  そこへ妹が扉をノックして入ってくる。一安心したにも関わらず未だに動揺が収まらない友奈は動揺を怒りに変えて妹を叱る。 「学校の授業でリコーダー使うから、お姉ちゃんの借りてって良いよってお母さんが……言ったから」 「あぁ……。そういえばリコーダー渡してなかったもんね」  実はオナニーにリコーダーを使ってみたりしていた為に、消毒せずに妹に渡すわけにもいかず、何かしらの理由をつけては渡すことを先延ばしにしていた。すっかりそのことを忘れていた。 「あとで持っていくから、待ってて」 「うん、わかった」  潔い返事を聞いて部屋から出ていくと思った友奈は制服から私服へ着替えようとリボンに手を掛けていた。 しかし、部屋の片隅で妹はこっちを見てなにか言いたげに戸惑っている様子だ。 「……どうしたの? まだなんか用事あるの?」 「なんかお姉ちゃん。最近変だから、彼氏でもできたのかなって……」 「そんなわけないでしょ。変なこといわないの」  友奈が困ることとは的外れな答えを言われて、妹に若干呆れながらため息を吐いてしまう。 「だって、最近全然遊んでくれないし、部屋に入ったらすぐ怒るし、変だよ!」 「はいはい、環奈も高校生になったら分かるようになるから。ほら、着替えるからでてって」 「むぅーー! なにそれずるい!!」  その日はそれ以上何事もなくいつも通りで何も変わったことは起こらなかった。  それから数日後。  連休当日は両親は前もって言っていた通り実家へ祖母の様子を見に帰るらしく、数日泊まってくるとのことだ。 そのことを知っていた友奈は「学校の宿題でやることがあるから」と留守番することを選んだ。本当は日中から自縛して遊ぶためなのだが家族にも友達にも『秘密』なことだから悟られないように注意する。  妹の環奈は「友達の家に泊まりに行く約束した」と「泊まりに行きたい」と両親に駄々をこねて「ダメだ」と怒られても引き下がらずに頑張っていた。  結局、両親が妹を許すことになって、何かあったらお姉ちゃんに電話しなさいということになった。  妹の件で少し計画に狂いがあるけども別に家に居ないんだし、そんなに予定とは大差ないと思っていた友奈は家族のいない連休に計画を実行することを決めた。 「いってらっしゃい。気を付けていってね」 「はいはい。何かあったら環奈のことお願いね」 「うん、わかってるって」  正午を過ぎたころ玄関先で両親を見送る。ちなみに環菜は朝早くに荷物をまとめて友達の家に行ってしまった。 「そうそう、ちゃんと戸締りはするのよ? あとはそうね――」  出かける瞬間になって母親の心配ごとが始まり、マシンガンのように次々と気にしていることが連なって発言されていく。 「わかったから。もういきなよ!」  適当に聞き流して母親が満足した頃合いを見計らって出発を促すと「そうだった」と思い出すように「いってきます」と出かけて行った。  両親も妹も出かけたことを確認した友奈は家の戸締りをしっかり確認してから鼓動が早まるのを感じつつ自室へと向かった。 ——————————  前もって用意していた道具をクローゼットの箱から引っ張り出して白いシーツのベッドの上に並べていく。  革製の枷数個に首輪とベルト、ミトンのような手袋。他にも数束の縄も並べてある。あとの残りは秘部を刺激したりするローターと口枷が数種類と枷の付属品で付いてきた南京錠が揃っていた。 「まだ、初日だからなぁ。そんなにハードにしないでおこっかなぁ……どうしよ……」  道具を見るだけで胸の動悸が脈打ち興奮してくる。  ここまでの道具を揃えるのに毎年貯金していたお年玉にも手をつけてしまったし、ちゃんと楽しまないと損だ。  いくつかの構想はあるけど、急に本気出しすぎて自縛を通り越した自爆に至っても痛い目を見るのは友奈だ。  最初はやっぱり手慣れた方法に似た自縛から初めてもいいかもしれない。  冷静さを保ちつつ友奈は必要な道具以外は箱にしまい込み、ベッドの隅に避けて、自縛へと取り掛かる為にラフな衣装へ着替えした。  ラフと行ってもまだ発育途中の小さく膨らむ胸を隠すスポーツブラとセットのパンツを身に付けた姿だ。  前から自縛するときはこの姿でやっている。 「よ、よし」  ベッドの上に上がり、まずは足から自縛して行く、自縛といっても片足ごとに膝を曲げてベルトで締め上げるだけだ。これだけで友奈は立つことも歩くこともできなくなってしまう。  ベルトの締まり具合を確認する。拘束ように作られた四十ミリの幅広のベルトはしっかりとバックルで固定され、肉に食い込み緩みそうもない。 「……うぁっ……結構キツいっ、かもっ」  未成熟の太ももに食い込む革の質感はなんとも言えない心地よい安心感を与えてくるのと同時に絶対的な拘束感が胸の動悸をさらに強く刺激してくる。  もし、今の状況で泥棒なんかと出くわしてしまったらまともに抵抗することもできずに手の自由まで簡単に奪われてしまう。 「まだ、足だけっ……なのにぃ」  そんなことを脳裏にかすめるだけで友奈は甘い吐息を漏らしてしまう。  頬も上気してすでに顔が熱く感じるのも意識しつつ友奈は次の拘束の為に他のベルトに手を伸ばす。  足の拘束に使った物より細長い、横幅二十ミリのベルトを二の腕ごと身体に巻いて胸より上のところで少し余裕をもたせてバックルを留める。  こうすることで腕の可動範囲が上と横に広がらず、拘束が少し強くなる。  が、今回はさらに拘束感を強くする為にひと工夫入れて見る。  右脇の間から半分に折りたたんだ縄の先端をベルトに通して、そのまま縄の先端にできている輪っかに二本の縄尻を通して引き絞る。  残った縄を何度か繰り返し脇下を通してベルトに巻きつける。 「っン……っん」  するとベルトが縄に圧迫されて余裕のあった間隔がさらに狭くなり、ベルトが肌に食い込むと同時に脇下で固定される。  反対側の左脇のベルトも同じように縄を通して引き絞れば二の腕ごと胸を圧迫するベルトがさらに固定され強い拘束感と同時に不自由さが加わって、わざと無理に腕を上げてみたりして動かしてしまう。 「ッふぅ! ……っぅん」  けれども、ギチギチと音が鳴るだけでベルトは緩む気配など全然感じらず、さらに二の腕にベルトが食い込んでくる感覚が強まるだけで、胸の動悸がさらに、激しくなる。 「ま、まだ縛らないと……」  残った縄を背中でXに交差してから縄を引っ掛け合わせ胸下の前を二周させる。次に背後から肩を通して胸の真ん中をV字に通し、胸下の縄に一度結び目を作ってから残った縄を胸の間に通る縄にクルクルと巻きつけて適当なところで縄端を縛り付ける。  これで、胸下の縄を解かないと脇下の縄を緩めれないし、胸の間の縄を解かなければ胸下の縄を緩めることもできなくなった。  もしくはハサミで無理矢理にでも切らない限りは身体と二の腕に食い込むベルトは外せない。 「ぅあっ、アソコが……疼いっ、てる……まだ終わってないのにっ……」  すでに友奈の興奮は上り詰めていて、秘部を弄ればいつでもイケる状態だった。でも、自縛の途中でヤッてしまうのはすごく勿体なくて、溢れる興奮を抑えながら触るのを我慢していた。 「ダメっ、まだダメ、もう少し……もう少しだけ……我慢するっ、の」  逸る気持ちを抑えつつ、次の拘束に取り掛かる。  今回、友奈が用意した手枷は革製の合唱型手枷と通常の革手枷の二つで合唱型の手枷の革同士は隙間無く連結されているタイプのものだ。  その為、片手を手枷のベルトで締めて固定してしまうともう片方の手は自分でベルトを締めて手枷に嵌ることができなくなってしまう。  その事を踏まえて、友奈は先に縄をキツめに腰に数回巻きつけてから、合唱型手枷に付いているD型の二か所のリングに縄を通して下腹部の前に固定し、縄端をそのまま腰に結んだ。  これで手枷に手を無理に押し込んで嵌め込んでしまうだけでも引き抜かない限り腕を下腹部から動かせず拘束感が強まり楽しむことができる。  これを利用して後ろ手にも自縛できるけれども、今回は少し手を加える為に前の方で使用することにした。  次に二の腕の膝よりも高い位置に残りの革手枷のベルトを巻きつけてズレないように確かめながらバックルを留める。  「こ、こんな感じ……? かな……」  二の腕に着けた革手枷にもベルトを留める美錠以外にD型のリングが付いている。ここに連結用のナスカンを着けて、胸下を締め付けている縄にナスカンを引っ掛けるだけで腕の自由をさらに封じることができる。  今回初めて試すために少し不安が残るけれど、ここまでしてしまったらやって見たい衝動の方が強く出てしまい、やってしまった感が否めない。  それでも二の腕に手枷を着けるだけで身体の自由が奪われた感覚が増えて、お腹に巻きつけた縄の圧迫感と合わさり呼吸が早まる。 「……よ、よしっ……そしたら今度は……」  意を決して二の腕の手枷を胸下の縄に連結する。革の手枷の嵌められた二の腕が身体から離すことができなくなって、肘から上が不自由になった。これでもう肘から先しか動かすことができない。 「はぁっ……はぁっ……はぁっ……ん」  胸の動悸を抑えようと深く息を吸って呼吸を整えようとしても、胸と腹部を圧迫する縄とベルトに締め付けられて浅く息をするしかない。  このまま呼吸を整えたところで仕方がないと思い、次のフレーズへ移行するべく、ピンク色の小さな卵型のローターを手に取ってパンツの中の秘部へとあてがい、軽く押しこんでみた。 「ひぁっ!? は……はいっちゃ、った」  すると、湿り気を帯びた粘液に満たされていた秘部に少し押しこむだけであっさりとローターが収まりこんでしまったことに素直に驚き、秘部にローターが入ったことに倒錯感が生まれ、友奈の心中を支配していく。  秘部の中に感じる異物感の存在を確かめる事なく、ローターの電源を操作するリモコンを手に届く位置に移動しておく。 「い、ぃひ、ひっ……よ、よし……やるっ」  これから自分がやる事を思うとつい表情がにやけて惚け顔になるけど、なんとか我慢して覚悟を決める。  背中をベッドに預けて、ベルトで拘束された両足をM字に開くように仰向けになる。 「んぁっ……中で、ゴロゴロって動いてるっ……」  少し動くだけで秘部の中にはいったローターの自己主張を感じつつ、左手を手枷にあてがって右手でしっかりと手枷のベルトをしっかり締めて拘束する。  この時に左手にローターの電源を操作するリモコンをもたせておく事を忘れない。  残りは右手だけ……。  あらかじめ手枷に右手が通る大きさの輪を作っておいたところに手を差し込めば自縛は終わる。  ただ、この手を拘束してしまったら友奈は自由を失う。  自由を失うといっても右手を無理矢理に手枷の輪に押しこむだけのことで引き抜けば簡単に解放される。  それなのに迷いが生まれるのと同時に胸の奥からなんとも言えない興奮が湧き上がってくる。  手枷の中へ右手を少しずつゆっくりと押し込んでいく。 「あ、っあと……ちょっ、と……ん」  胸の動悸が激しく高鳴り、自分が息をしているのかわからなくなってくる。浮遊感に似たこの感覚が異常なほど気持ちよくて意識が遠のいてしまいそうに視界の奥がチカチカと白く点滅した。 「――っあ」  一瞬意識が飛んだかと思うとすぐに戻ってきた。気がつけば右手は手枷の中にしっかりと手首が嵌りこみ、軽く引っ張る程度では抜けそうになかった。  思っていた以上に興奮して、オナニーする前に絶頂を迎えてしまったらしい。 「ッあ……いぃっ……いぃっ!」  全身の拘束を感じるように無理矢理外せないか適当に暴れて見る。  折り曲げたまま開かない足。  下腹部から持ち上がらない手首。  上半身を少し捻るだけで締め付けるベルトと縄。 「わっ……わたし……んっ、自縛っ……しちゃったんだ」    自分を蔑むように声に出して明確に現実味を帯びさせる。 「自分で自分のこと縛って、拘束してっ! アソコにローターいれちゃってるっ!」  両親にも妹にも友達にも『秘密』にして自分で自分のことを拘束して性欲に溺れて興奮してる。 「へ……へん、たいだ。わたしっ変態なんだぁ……」  刹那、忘れないように左手にもたせていたリモコンに意識が自然と向いていた。 「いっ……き、きも……んっちぃいっ!」  三つあるスイッチの『弱』と書かれたスイッチを押すと「ヴヴヴヴ」と鈍い音を秘部の中で鳴らしながら卵型のローターが友奈を快感へと誘うように振動を始めた。 「っふぁぁ……! アぁッ、んぃ……ぃイッくぅぅうっ!」  振動は自分で調整できてしまうがそれでも、自分の指ではない別の何かで刺激を与えられるのは不思議なほど気持ちよくて、他人にくすぐられる時と似た抵抗するにも抵抗できない敗北感が全身の拘束感と合わさって友奈を簡単に絶頂へと、追いやる。  その片隅でマナーモードの携帯電話が、バイブ音を鳴らしていた事を友奈は知らない。 「……ぁ。ふぁ……んはぁ……ぁ、疲れた……かも」  何分経っただろう。時間を忘れるように何度も楽しみを迎えていた友奈は疲労交じりにローターの電源を一度切ろうとスイッチを押したつもりだった。 「――ッん”ひぃっ!?」  しかし、ローターの振動は止まる事なく弱かった振動は突然強くなり、友奈を再度絶頂へと貶める。 「なぁっ、なゃんれぇ!?」  さらに、絶頂の際に手元からリモコンを落としてしまい。不自由な手で手探りにリモコンを探すも掠めるだけで全然掴むことができない。 「ふぁっ……!? んアっ! ……ぃイ”っ!?」  振動の強さがあまりにも強烈過ぎて、腰が抜け、指先に力が入らない。 「なぁっ、なん、でぇっとれ、っなぃ……っのぉ!」  何とか手枷から手首を引き抜こうと右手を動かして見るが一向に抜ける気配がない。  それもそのはずだった。右手が通るように輪を作ったつもりだった友奈だったが、二の腕に追加した手枷が腕の可動域を制限してしまうせいで右手が簡単に抜ける位置まで腕を移動できないのだ。  入れるときは指先からなら細めれば簡単にすり抜けさせれるし、肘を使って手首まで押し込めることは可能だ。  しかし、一度手首を手枷に入れてしまったことで腕の手枷と相乗効果を引き出し、肘の動きを制限してしまう。  お腹の前に纏められた腕は引き抜こうとしても肘が持ち上がらず、下腹部に固定されている手枷から手首を抜くことなどできるはずがなかった。 「ダメェえええっ……! またッ……またイくぅぅんぁっ!?」  絶頂と快楽に溺れてしまっている友奈はそのことを知らないし、知る余裕もない。  自縛ならぬ、自爆をしてしまっていた友奈はローターを止めようとリモコンを手に掴もうと必死になって何度も不自由な体でつかみ取ろうと挑む。 「いやっ……!? ……ダっ、んっだめぇっ……イっちゃらめ”ぇえ!!」  自分が何度絶頂を迎えているのかわからずに、浮遊感の中で焦りと絶望に酔いしれる。甘い吐息を漏らしながら快感に浸る顔を隠すことなく、無我夢中に精を尽くして……。 「……お、お姉……ちゃん?」  扉の前で妹が見ていることも知らずに……。 —————————— 「……なに、してるの?」 「んっ……ふぇ? か、かんな……?」  両手を股の前で揃えて拘束して、両足は膝を折り曲げたままベルトで拘束した姿で激しく喘ぎ声を響かせていた所を妹に見られた。 「……もしかして、それ。自分でやったの?」  淫らに甘い吐息を漏らしている友奈の表情はぐちゃぐちゃにトロけ切っていて、だらしなくよだれを垂らす顔は驚きに包まれていた。 「っあ……んぁっ! い……っちが、コレはっ、はぁぁあっ……んぁっあ、ふぁっ!」  その間も非条理に鈍い振動音が友奈の陰部に刺激を与え、妹の前であられもない姿で絶頂を迎えてしまう。 「…………」  こんな姉の姿を見てしまった環奈は口を小さく開けたまま呆然と立ち尽くしていたが、友奈にとっては唯一の救いの手であることに代わりはなかった。 「み、みてないでっ……は、はずしてぇ……! かんにゃっあ、んぁ!」  友奈は必死に甘く蕩けそうな声を我慢して環奈に救いを求めた。所々で快楽に負けた声が漏れるがそんなことを気にしてられるほど友奈に余裕はなかった。 「そんなに気持ち良さそうな声出してるんだから、もっと一人で楽しんでればいいよ!」  環奈は前に一度だけ、姉の部屋に勝手に入ってリコーダーを探した時に話しをはぐらかされたことを思い出していた。  あの時に姉が必死になって隠そうとしていたのは現在行なっている行為の為の道具だったんだ。と環奈は確信した。  部屋中に充満しているこの匂いの源の原因はきっと姉の、友奈のモノで、この行為をしている限りは延々と途切れることはなさそうだった。  なら、そのまま匂いも行為事態の残骸も置いたまま両親に見つかって怒られてしまえばいい。と環奈は考えた。 「んぁっ……ひぃ……ん、っく……っおね、がいっ……手首だけっぇ! ……いいからぁ……」 「自分で着けたんだから、自分で外しなよ! わたし友だち待たせてるから行くね!」  未だに刺激が友奈の身体を犯しているようで必死にリモコンを拾おうと悶えているが指先にも腰にも力が入らないらしく、まともに動けていなかった。それにベルトや縄で手足を拘束されていては満足に動けない。  どうしてここまでして自分のことを拘束してしまったのか理解しかねる環奈だったが、友奈がよくみるドラマとか映画で女の子が捕まってるシーンが多かったことを環奈はなんとなく思い出した。 「まっ……まってぇ、だめっ……かんなぁ! お願いだからぁっ……!」 「……あぁもう。わかった、わかりましたぁ!」  ひたすらに懇願する友奈の言葉に環奈は仕方なく手を貸すことを決めたみたいで、友奈の元へ近づいていく。 「こ、ここっ……手首の取ってぇ」  友奈はさっそく環奈に手首の枷を外してもらえるようにおねだりする。鈍い振動は陰部を刺激し続け、環奈に腕を向けようとした時も快楽を堪えることに必死だった。 「その前に言うことあるんじゃないの?」 「……ふぇ?」  枷を外してもらう前に環奈に言うことが何なのか。友奈はすぐに理解できなかったが、環奈はそのことも踏まえて丁寧に友奈の隣で耳打ちして教えてあげた。 「そ、それ……い、言わなきゃっ……だ、だめぇ?」 「お姉ちゃん。変態なんだから。ちゃんとわたしにお願いしてよ」  友奈の言葉に環奈は微笑んで見せる。つい先ほどまでの妹と雰囲気が変わった姿に友奈は息を飲んで耳打ちされた言葉を口に出した。 「……わ、わたしっ……はっ、ひとりで自縛するのが大好きなぁ……へ、へんたいぃ、ですぅっ! ご、ご主人様の手でぇ……んっ……ご慈悲をくだ、ひゃぃ……」  友奈の胸の奥でとてつもない背徳感に襲われる。妹の前で自分が何を言っているのか自分でもわからない。  なのに、この行為に対して興奮してしまっている自分がいて、すごく気持ち良いと感じてしまう。 「本当に、しょーがない子なんだから、今回だけご主人様のご慈悲をあげる」  環奈は友奈の右手の枷を緩めて外しに掛かっていた。 「……お、お願いっ……はやく、してぇっ……!?」  しかし、環奈に変な言葉を言わされた所為で友奈はまたも軽い絶頂を迎えてしまっていた。  絶頂を迎えるたびに意識が白い波に飲み込まれてしまい、戻って来た瞬間の拘束感に絶望を思い知らされる。  身体に力が入らないこの状態は無防備で、何をされても抵抗することができそうにない。  環奈はそのことを何となく察していた。 「……あ、ふぇ? な……んでぇ?」  友奈が絶頂に気を取られている間に、左手を枷ごと腰の縄に沿って後ろへ回すと、自由になりかけた右手を後ろ手で重ね合わせて、枷を嵌め直されていた。 「ご主人様からのご慈悲だよ?」 「ち、ちがっ……!?」  環奈が後ろ手に嵌め直した右手の枷は、最初に自縛した時と違い、深く友奈の手首を捕らえていた。自分で押し込んで嵌めた時とは違う、容赦ない枷の嵌め方だった。 「ほら、わたしがお姉ちゃんのこと気持ちよくしてあげるから、喜んで受け入れてね?」 「違うっ! かんぁっ――んあっ!?」  ベッドの脇に置いてあった箱から、環奈は一つの道具を取り出し、紅いボールがついたソレを容赦なく友奈の口へ咥えさせた。 「そんなに喜んでくれるとわたしも嬉しいな」  必死に抵抗する友奈だが、拘束された身体では何もできるはずもなく、無意味にギチギシと縄とベルトの擦れる音を響かせながら言葉にならない声を叫んでいた。 「んんっ!? んぐっー!」  真紅の如く紅く染まる穴の空いたボールは友奈の口内にピッタリと嵌まり込み頬から後ろへ伸びる細いベルトをバックルで止められた。 「お姉ちゃんすごい似合ってるよ」 「――っん!?」  環奈は友奈の後ろから背中にのしかかって顔を横に並べながら、両胸を手のひらで抱くように掴んだ。 「ベルトと縄なんか使ってこんなに胸を強調して、気持ちい? 本当はこうやって誰かに揉んで欲しかったのかなぁ?」 「んんっ……!? ……んぁっ、んっ……ふっ、んあ!?」  力強く鷲掴んで育ち掛けの友奈の胸を好きなように揉みしだいてくる。予想していなかった感覚が脳を刺激してくると同時に、陰部で続く強い刺激が友奈を簡単に絶頂へ追いやる。 「……はぁっ……んっ!? んんっ!」  何度も何度も環奈に胸を揉まれているうちに、口から溢れた雫が顎から胸に零れ落ちる。 「ヨダレなんてたらして……赤ちゃんみたいだねっ? それともワンちゃんかな?」 「んぐう! んん! ふぅっ!」  必死に環奈に抵抗しようと身体に力を込めても、延々と続く振動に抵抗力を殺されて、環奈の言葉にも惑わされた思考は些細なヨダレの雫にさえ反応して、今更なのに羞恥心に熱く侵される。 「大丈夫だよ。ちゃんとワンちゃんには首輪つけてあげるから安心してね?」 「……んっ、……んん」  胸を犯していた刺激が消えた頃には首に何かを着けられている最中で、すでにバックルを止められる瞬間だった。  それが何なのか友奈は知っている。知っているからこそ、妹にソレを着けられている自分が酷く惨めで、哀れで、情けなくて、取り返しのつかないことをされていることを理解した。 「首輪が外れたら野良犬と間違えられちゃうの大変だから、しっかり鍵閉めておかないとね?」 「ふぐっ!? んごぉ!!」  友奈は鍵を閉めると聞いて、南京錠のことだとすぐに理解した。ただ、この南京錠には問題があった。  錠はナンバー式のロックでその錠を開けるナンバーを友奈は知らない。買った時の取り扱い説明書に付属されていたはずのそれを、家族に見つかる前に、と証拠隠滅の為に処分してしまったのだ。  友奈は環奈に必死にそのことを伝えようと声を荒げる。 「そんなに喜んでもダメだよ? ほーら、大人しくするっ!」  環奈が強引に背後からのしかかってくると、首元でカチっと錠の閉まる音がした。 「――っ!?」  その音が何を意味しているのか、友奈は必死に理解しようとしてやめた。どうせならこのまま快楽の波に飲み込まれてしまえばいい。  友奈はただ、その想いを脳裏で強くイメージして、この快楽に全てを任せることにした。 「……あ、あれ? や、やりすぎちゃった? 大丈夫?」  環奈は環奈なりに姉が楽しめそうな展開で場面を成り行きで楽しめさせているつもりだった。けれども、姉の様子が明らかにおかしいことに気づいて、その手を緩めてしまった。 「んふっ……!んんっ……ン!んぐっううう!!」 「あっ……!? ……やっ、ちょっと! お姉ちゃっ……んんん!」  先ほどまで力なく抵抗できていなかった姉に、突然馬乗りにされてしまう。  後ろ手に拘束されている両手からは何もしてこれないけれど、ぐちゃぐちゃにヨダレと涙で濡れた顔を強引に近づけてきて環奈の唇を紅いボールギャグでキスをしてくる。 「んっ……あ、お姉ちゃっ……ごめっ、ごめんなさっ……!? やめっ……んん!」  高校一年生の友奈の体格に馬乗りにされてはどんなに拘束されていようが中学一年生の環奈にはそれを上から退けられるほどの筋力がなかった。  環奈は友奈にされるがままに唇を何度も何度も奪われては、ヨダレでぐちゃぐちゃの友奈の口づけを受け入れるしかなかった。  その度に伝わる姉の興奮した吐息と陰部から伝わる振動に環奈も次第に飲み込まれていくと、姉と妹はお互いにお互いを受け入れながら、甘い快楽の渦に捕らわれたまま甘美な時を過ごし続けた。  それから暫くして、環奈の友達が家に迎えにきた頃にはびしょびしょに濡れた姿のまま二人は気持ちよさそうにベッドで力尽きていた。  チャイムの音で呼ばれた環奈はインターホンから友達に遅れることを伝え、後で合流することにし、友奈の拘束を外しながら、このことは見なかったという事で友奈と環奈の『秘密』にすることになった。  ちなみに友奈の首輪に付けた南京錠ははずせなかった為に最後は首輪を無理やりペンチで切ったらしい。 終わり  

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