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よく下書きの段階で正中線を引きますが、これは傾きと左右の見え方の違いをチェックするために便利です。


人体はおおよそ左右対称形をしています。細かな左右差はありますが、最初の段階で左右差を考慮してしまうと形の基準がなくなってしまうので、よほど明確な意図がない限り最初は無視して作ることが多いのではないでしょうか。


ちなみに、人体の左右差ですが、顔の半分を反転させてくっつけるとズレが出ることはよく知られていますし、肋骨は右肺の容積が大きい関係で右側の方が長くなっています。


話を戻すと、イラストだと描き初めに顔に十字を引いて左右のバランスを見るのが一般的ですが、立体造形でも胴体や腕、脚にヘラなどで正中線を入れます。


体をひねったり、曲げたり。動きが大きくなればなるほど形のチェックが難しくなって、描くのも難しくなりますが、正中線があると左右のバランスや傾きが確認できるのです。


100日チャレンジの素体でも、バランスをチェックする線を採用していて、以下の5種類を設定してます。文字で書くとややこしいですが、今回のバナー記事のイラストに見られる線です。部位に用語を書いていますので、興味がある人は教科書などで参照してみてください。


胴体の正面の線

前:頭頂から首の付け根(頸切痕)、臍、股の付け根(会陰)

後:頭頂から第七頚椎の棘突起、胸部から尾部までの脊柱の棘突起(脊柱稜)、股の付け根(会陰)


腕の正面の線

前:上腕二頭筋の短頭と長頭の間、肘窩、手首の中央、中指

後:上腕三頭筋の長頭、肘頭、手首の中央、中指


腕の側面の線

外側:僧帽筋と首の側面が重なる点、肩甲骨の肩峰、上腕骨の三角筋粗面、上腕骨の外側上顆稜、橈骨の茎状突起、母指

内側:腋窩、内側上顆、尺骨頭、小指の側面


胴体から脚の側面の線

外側:脇の下(腋窩)、脇腹の中央、骨盤の頂点(腸骨稜結節)、大腿骨の大転子、大腿骨の外側上顆、腓骨頭、腓骨の外果、外果と垂直に位置する足底

内側:会陰、大腿骨の内側上顆、脛骨の内果、内果と垂直に位置する足底


胴体から脚の正面の線

前:胸鎖乳突筋の後縁、鎖骨の内側1/3、乳頭、腹直筋の外側縁と大胸筋の腹部前縁の間、外腹斜筋の前縁、上前腸骨棘、膝蓋骨、脛骨粗面、足首の中央、人差し指

後:肩甲骨の内側縁、上後腸骨棘、殿部の中央膝窩、腓腹筋の内側頭と外側頭の間、踵骨隆起、足底、人差し指


ここで挙げた部位の多くは、体表から確認できる骨の部位を中心にしています。筋肉など軟部組織の形は体型や姿勢で形が変形しやすいので、基準点としてあまり向いていませんが、変形しにくい骨付近の部位や左右に挟まれた境界部、線として確認しやすい筋と腱の境界部を採用しています。

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