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美術解剖学だけではありませんが、資料は多ければ多いほど作品制作にとって有益になっていきます。

プロイラストレーターさんやお絵描き実況者さんなどの制作現場の背景に大量の本ならんだ棚が映っているのを見たことがないでしょうか。

書籍は外部記憶装置のようなもので、

美術解剖学で言えば教科書や模型、写真資料などがありますが、多くの学習者が手にするのは教科書ではないでしょうか。


教科書は紙版と電子版があります。

紙の書籍は、電子版よりも索引が素早く行えることが利点です。

「あれなんだっけ」と気になった時というのは一瞬です。

その一瞬の間に目的の情報を調べられるかどうかも学習にとって大事な要素です。

電子版の場合は省スペース化にはとても良いのですが、紙版と比べて索引に手間取ります。

索引している最中に気持ちが冷めてしまうこともしばしばです。

そのわり模写は電子版の方がしやすいです。

紙版は本のノドの部分に影が落ちたり、押さえていないと閉じてしまいます。


美術解剖学の教科書はさまざまなターゲットに向けて執筆されています。

イラストレーターやスカルプターなど読者が欲するテイストに調整されているのですが、

その調整によって内容も微妙に異なります。

あまり興味がなかったり、見比べる習慣がない人からすると差が分かりにくいかもしれませんが、著者の取捨選択が含まれています。

医学の解剖学の教科書でもそれぞれに編集内容が異なるので、

「これ一冊で網羅している」という本は今後も出ないのではないかと思います。

何事にも完璧がないのと同じかもしれません。


こうした資料ごとの差や個性は、多くの資料を見て中和していくことをお勧めします。

例えば、美術解剖学のように専門用語が多数出る書籍では、誤植・誤解がなくなりません。

誤植は著者や編集者さんの校正(印刷データチェックのこと)で数度全体を見渡すのですが、それでも見逃しが出てしまいます。

多くは増刷の時に直すのですが、増刷が出なくてそのままになってしまうこともあります。

こうした誤植・誤解を読者がそのまま覚えてしまうことも考えられます。

ですのでいろいろな資料ですり合わせを行うことが大事なのです。


よくおすすめの教科書を聞かれて答えていましたが、今はできるだけ多くの書籍を見て、中身を見比べると良いですよと伝えています。

20年前と違って、今は教科書の選択肢が多いので、一つに絞らない方がよいでしょう。


都市部に住んでいる場合であれば、購入しなくても結構図書館に蔵書されています。

中身を確認して、自分にとって必要そうであれば購入すると良いでしょう。


簡単な検索方法はAmazonなどの書籍サイトで「美術解剖学」と検索するか、英語であれば「Anatomy for Artists」と検索してみると代表的な書籍はだいたい出てきます。

最初は絵柄や造形の好みで良いと思いますし、パラパラと図を見るだけでも良いと思います。

そこから読んだことのない本を見て他にない図があるなと、知見を広げていくと良いでしょう。

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