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夥しい数に多くの人がつまずく解剖用語。どうやって覚えればいいかという話を聞きます。私の場合は用語に使われている語句の意味が理解できたときに記憶に定着するようになりました。

 解剖学の用語・部位名称には意味があります。例えば、膝から足首までの下腿という部位には脛骨と腓骨という2本の長い骨があります。脛骨(けいこつ)の「ケイ」は訓読みで「すね」、腓骨(ひこつ)の「ヒ」は訓読みで「ふくらはぎ」です。試しにスマホやパソコンで「すね」や「ふくらはぎ」と打ち込んで漢字検索してみてください。脛骨は腓骨に比べて内側、前方に位置してすねに近い、腓骨は脛骨よりも外側、後方に位置しているのでふくらはぎに近いという位置関係が理解できるとなんとなく意味が納得できないでしょうか?このように解剖用語は最も意味が近い語句が当てられています。以下に羅列してみます。


人体の大まかな部位を示す用語 *鉤括弧は読み、丸括弧は動物の場合。

:「トウ」。最も上方(前端)にある膨らんだ部分。丸い形状をしていることが多い。

 前頭:「ゼントウ」。ひたい。

 頭頂:「トウチョウ」。頭部の頂点の部分。

 側頭:「ソクトウ」。頭部の側面の部分。こめかみの部分。

 後頭:「コウトウ」。頭部の後方の部分。

 顔面:「ガンメン」。耳の前方、眉から顎先までの部分。

 耳介:「ジカイ」。体表から観察できる耳の部分。

 :「ビ」。まゆ。まぶたの上の弓形の出っ張った部分。

 :「ケン」まぶた。

 :「ガン」。目。

 :「ビ」。はな。顔面の中央の突出した部分。呼吸と嗅覚のための構造。

 :「キョウ」。ほほ。

 :「コウ」。くち。食べ物を取り入れたり音声を発する開口部

 :「シ」。は。

 :「ガク」。あご。

 オトガイ:あご先。顎の訓読み。解剖用語で訓読みを採用する場合はカタカナ。

:「ケイ」。首。頭の下(遠位)にあるすぼまった部分。

 :「コウ」。訓読みで「うなじ」。首の後方部分

体幹:「タイカン」。頭、首、うなじ、胸、背中、腹、腰を含む胴体の部分。

:「タイ」。首から下(遠位)の胴体にあたる部分。

 :「ケン」。首の付け根あたりで左右に伸びた部分。腕の範囲に含まれる。

 :「キョウ」。胴体の上半部分。広がっていることが多い。

 :「ハイ」。胸の後ろ側(上)の部分。

 :「フク」。胸の下(後方)の胴体の部分。膨らんだイメージを含む。

 :「ヨウ」。腹の後ろ側(上)の部分。くびれたイメージを含む。

 :「ビ」。胴体の下(遠位)にあるすぼまった端部。

:「コン」。付け根の部分。手根、足根、頚根などがある。

:「タイ」。水平方向に広がった部分または帯状の薄い構造。腕や脚など胴体との連結部分にもある。

上肢:「ジョウシ」。肩から指先までの腕の範囲。動物では「前肢:ゼンシ」。

 上肢帯:「ジョウシタイ」。胴体と腕の連結部。

 自由上肢:「ジユウジョウシ」。肩から手首までの胴体から離れた部分。

:「ワン」。うで。肩から手首もしくは指先までの範囲。自由上肢と同じ。

 上腕:「ジョウワン」。肩から肘までの部分。

 前腕:「ゼンワン」。肘から手首までの部分。

:「チュウ」。上腕と前腕の間の部分。

:「シュ」。手首から指先までの範囲。一般用語の手と同じ。

 手根:「シュコン」。手首から先の手の付け根の部分。

 :「ショウ」。指を除く手の前面、手のひらの部分。

 :「シ」。手のひらから先の細い棒状の部分。一般用語の指と同じ。

下肢:「カシ」。脚。尻から指先までの部分。動物では「後肢:コウシ」。

 下肢帯:「カシタイ」。胴体と脚の連結部。

 自由下肢:「ジユウカシ」。胴体から離れた脚の部分。

殿:「デン」。尻の部分。昔は「臀」という語句を使用。

:「タイ」。訓読みは「もも」。脚の紡錘形に膨らんだ部分。

 大腿:「ダイタイ」。太ももの部分。

 下腿:「カタイ」膝から足首までの部分。

:「シツ」。ひざ。大腿と下腿の間の部分。ひざうらは膝窩(しっか)。

:「ケイ」。訓読みで「すね」。下腿の前方部分。

:「ヒ」。訓読みで「ふくらはぎ」。下腿の後面の部分。

:「ソク」。一般用語と同じ。足首から指先の範囲。

 足根:「ソッコン」。足首から踵あたりまでの範囲。

 :「シ」。足指の当て字。手指と区別する場合に使う。


運動を示す語句

屈曲:「クッキョク」。曲げる。胸部または骨盤に近づける。

伸展:「シンテン」。伸ばす。胸部または骨盤から遠ざける。

側屈:「ソックツ」。横方向に曲げる。

 尺屈:「シャックツ」。手首を小指側に曲げる。

 橈屈:「トウクツ」。手首を親指側に曲げる。

 背屈:「ハイクツ」。手首を手の甲側に伸ばす。足首を足の甲側に伸ばす。

 掌屈:「ショウクツ」。手首を手のひら側に曲げる。

 底屈:「テイクツ」。足首を足の裏側に曲げる。

外転:「ガイテン」。正中側(軸側)から遠ざける。外側に広げる。

内転:「ナイテン」。正中側(軸側)に近づける。内側に閉じる。

回旋:「カイセン」。回す動作の総称。胴体を回す。

 内旋:「ナイセン」。腕と脚の軸に対して内向きに回す。内回し。

 外旋:「ガイセン」。腕と脚の軸に軸に対して外向きに回す。外回し。

 回内:「カイナイ」。前腕と足の内回し。

 回外:「カイガイ」。前腕と足の外回し。

内反:「ナイハン」。足や指などで内側(軸側)に反らす。

外反:「ガイハン」。足や指などで外側に反らす。

内返し:「ウチガエシ」。足首を内側に回しながら曲げる。

外返し:「ソトガエシ」。足首を外側に回しながら反らす。

挙上:「キョジョウ」。肩や顔の皮膚などを上げる。

下制:「カセイ」。肩や顔の皮膚などを下げる。

対向:「タイコウ」。親指と小指を近づける。

復帰:「フッキ」。親指と小指を遠ざける。


骨の部位名称

:「カ」。丸い膨らみ。顆粒などの語句に使われる。

:「カ」。垂れ下がった丸い膨らみ。果実などの語句に使われる。

隆起:「リュウキ」。なだらかな膨らみ。丘のような起伏のイメージ。

結節:「ケッセツ」。隆起よりも発達した膨らみ。ゴツゴツと角張っている。

突起:「トッキ」。すぼまった出っ張り。結節よりも出っ張った部分。

:「キョク」。棘のように突出した部分。突起よりもさらに発達している。

:「リョウ」。二つの面がぶつかってできた稜線。山の尾根のようなイメージ。

:「ソ」。ザラザラした部分。

 粗面:「ソメン」。ザラザラとした面。筋肉や靭帯などが付着する。

 粗線:「ソセン」。ザラザラとした線。腱などが線的に付着する。

:「カツ」。ツルツルとしてなめらかな部分。

 滑車:「カッシャ」。溝に線状の隆起部を引っ掛けた関節形状。

:「カ」。浅いくぼみ。関節になっていることが多い。

陥凹:「カンオウ」。落ちくぼんだ部分。二つの膨らみに囲まれているか、下方に垂れ下がった部分の内面のくぼみ。

:「コウ」。二つの稜線に囲まれた線状のくぼみ。畑の畝(うね)のような部分。

:「ゲキ」。複数ある構造に挟まれた細長い隙間。空間

:「カン」。複数ある構造に挟まれたあいだ。空間

:「コウ」。穴。構造に囲まれた開口部

:「カン」。貫通したトンネル状の構造。

:「キュウ」。アーチ状の線または構造。


ざっと思い返しただけでも骨や筋の構造にこれだけの用語が当てられています。一度では覚えられないと思うので、いくつか記憶に残ったものから段々と増やしていきます。何度も繰り返していくと語句と形状が一致していって、記憶に定着していきます。あせらず少しづつゆっくりで構いません。


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