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 ──例えば、世の中には浮気・不貞行為をしている人間が一定数いるのだが、そういう輩は他人が「浮気をしている」と思い込み、逆に糾弾して墓穴を掘るということがままあると言う。いや、思い込みで適当なことを言っているのならまだしも、完璧な嘘を何故か真実だと思い込む者も少なくないそうだ。

 「ホテルに入っていったのを見たぞ!」と糾弾したら、そこがホテル以外は何もない、それも車を使わないと行き来できないような場所だった為に、浮気を白日の下に晒してしまったという、脳みその代わりにババロアが入っていそうエピソードまであるのだとか。

 何が言いたいかというと……。


「(まったく由比ヶ浜さんは、自分が周囲をムラつかせる位に無防備だということを、自覚しているのかしら? これでは妙な輩に絡まれてしまうかも知れないじゃない。あどけない表情まで見せて、これで他人への共感力まで高いとか……天は二物三物も彼女に与えるのに必死になって、ついつい恥じらいの搭載を忘れたのね)」


 そんなことを考えている雪ノ下雪乃は、同じ奉仕部の由比ヶ浜結衣に対して、いつもムラムラしているということである。

 結衣は結衣で、雪乃のことを親友として心から慕っている為、今日のように二人しか部室にいない時でも、こちらを穏やかな笑みで見つめて楽しそうにしている。これはもう、雪乃の煩悩を更に加速させるリアクションであった。


「あー、ゆきのん。ちょっと今、目がやらしかったかも? 何か悪いこと、考えたでしょ」

「……とんだ名探偵もいたものね」


 雪乃はあまりにも正確に胸の内を言い当てられたのでシャッポを脱いだのだが、結衣の方は冗談だったようで、机の上にぺたーんと上半身を寝かせて、くすくすと何が楽しいのか雪乃を上目遣いで見つめて笑っている。まるで地上に降りた天使である。

 さて、浮気の話に唐突に戻る。男女の話なんて見たくねぇ! こっちはレズ堕ち小説見に来てんだ! という方は、非常に申し訳ない。例えとして分かりやすいので、引き続き使用させていただく。

 浮気をしている人間は、何故か匂わせというか、万が一にでも発覚すれば地獄めいた環境が訪れると分かっているはずなのに、自分がしていることを吹聴したがる輩が一定数いる。

 これはまあ色んな原因があり、単純に人間の心というのが秘密を長らく保管しておくのに向いていなかったり、あるいは「配偶者や恋人を上手くだましているアテクシ」という成功体験で頭がラリっているというパターンもある。

 ともかく、人間は隠さなければいけない事象がある時に、それを明かしても構わないというロジックが組みあがったが最後、それを自分から暴露してしまう愚かさを秘めた生き物だと、今はそれだけご理解いただきたい。

 それは、つまり……。


「(──これは、今後の為にも由比ヶ浜さんには教えてあげるべきだわ。こんな風に露骨に人をムラムラさせていたら、危ない目にあってしまうわよということに……そして、それが啓発という形であっても、男性によってもたらされれば、きっと由比ヶ浜さんは傷つくでしょう。彼女にやんわりと教えられるのは、親友の私しかいない)」


 ……要するに雪乃は、遂に自分の好意を露見させるロジックを手にしてしまったと、そういう話なのである。


「あれ、ゆきのん? どうし……んむっ?」


 その愛らしい唇を指できゅっと閉じさせて、声を封じる。もちろん、このままでは簡単に振り払われてしまうし、何なら後ろに少し下がるだけでも外れてしまう程度の拘束だ。それでも、いきなりの行為に結衣は呆気にとられ、ぷるぷるの唇を放置したままで雪乃を見つめることしか出来ない。

 そんなあまりにも可愛らしいリアクションを取られてしまっては……もう、雪乃にストップはかけられない。

 そのまま器用に唇を指で挟んだまま立ちあがり、結衣の傍まで近寄ると……ぱっと手を離すのと同時に、勢いよく自身の唇を結衣のそれに重ねた。


「んんっ!?」


 まさかキスされると思っていなかったようで、結衣は直前まで呼吸することを忘れていたのもあり、苦し気に今さら雪乃を押し返そうとする。

 しかし雪乃は、その背中を優しく何度も撫でて、強制的に結衣の気持ちを落ち着かせると、段々と押し返す力も弱くなっていってしまう……何しろ結衣の方は困惑して反射で抵抗しているだけだが、雪乃は「私は正しい!」と本気で考えて行動中なのだ……これは、勝ち目が最初からない。

 くちゅくちゅと口内を掻き混ぜ、ざらり……と相手の舌の表面をベロ先で撫で、こつんこつんと頬を軽くたたいて、じゅるるっ……と静かに歯列を舐めていく。

 結衣にとってはあまりにも唐突だが、彼女に魅了され始めた日から「いつかわからせてやる!」とひそかに思っていた雪乃の方は、繰り返してきたイメージトレーニングが完璧にハマり、彼女自身もキスの経験など無いはずなのに、その舌遣いは一流の女殺しのそれであった。

 やがて口内を弄ばれる快楽と、親友とキスをしているという背徳感、それに酸欠まで加わって、みるみる内に結衣の目はとろんと溶けて胡乱になっていく。その身をゆっくりと左右に振る仕草は、まるで「いやいや」しているようだが、それも雪乃に言わせれば「誘ってる!」動きである為に、火に油である。


「んっ……んはっ……♥ ゆっ……♥ んむぅぅ……♥ ちゅっ、まっ……おっ……んふぅぅっ……♥ やっ、あぁぁ……んんーっ♥」


 結衣は何かを訴えようと必死になっていたが、雪乃は背中を撫でて強制的に気持ちを落ち着かせつつ、自分のことでだけ高陽させるという、無意識にしてはレベルの高すぎる方法で結衣を高みに導いていく。

 しかし、経験の薄いうえに困惑しきりな結衣は……雪乃のハイレベルな責めに、着いていけなかった。

 しょろろろろろ……ぴちゃぴちゃぴちゃぴちゃっ……。

 気持ちよさとむず痒さの区別すら付き難い結衣は、思わず弛緩した拍子に下半身の力が抜けてしまい……結果、部室内で失禁してしまうという、実に残念な結果を迎えてしまった。

 恥ずかしさと、それを上回る解放の快楽から「あーっ♥ あぁーっ♥」と結衣は喘ぐが、その声は雪乃の口内に飲み込まれてしまい、しかも背中を撫でられてるせいで失禁を許されている気になってしまう……雪乃のせいなのだが。

 結局、たっぷりと時間をかけてキスだけで蕩けさせられた結衣は、ようやく雪乃から解放された時には、のどから「お゛っ……ひっ……♥」と引き攣れたような声が漏れるほどに、出来上がってしまっていた。

 ちゅるっ……と互いの唇の間にかかった銀の橋を舐め取り、雪乃は失禁してしまって顔を赤らめている結衣を見下ろす。本来ならば、ここで結衣が「なんてことするの!」と激憤でもすれば修羅場が訪れてるのだが、そこは正道の人・雪ノ下雪乃である。彼女の反応は、結衣が何か言うよりも速かった。


「とりあえず、由比ヶ浜さんは謝ってもらえるかしら?」

「え、えー……?」


 いきなりキスされ、散々の気持ちよくされた上に、失禁。そこで更に「私に謝れ!」と言われて、結衣は大混乱に陥る。

 しかし、部室を失禁で汚してしまっているのは事実であり……結衣は甘ったるい声で「ごめん、なさい……♥」と謝罪を口にしてしまった。お漏らしだって、雪乃のせいなのに。

 勿論「私をムラムラさせたことを謝って!」という意味で雪乃は言ったのだが、ちゃんと謝罪をしてもらえてスッキリした。

 そうして「よくできたわね、やっぱりあなたは最高だわ……」と頭を撫でてやると、高校生にもなってお漏らしをしてしまい、自己肯定感の危機に陥っていた結衣の心に、急速に雪乃への依存心が湧いてくる。

 何度でも言うが、悪いのは雪乃であり、これがマッチポンプである。だがマッチポンプが行われるのは、それが人心掌握において優秀な手立てだからに他ならない。


「それで……部室の片付けをした後に、続きをあなたに教えたいと思うのだけれど、どうかしら?」

「あっ……♥」


 もっと、すごいこと。今は結衣が初心すぎて、途中で転んだような結果になってしまったが、確かにどこかへ羽でも生やして飛んで行ってしまうような……そんな感覚があった。

 それに、導いてもらえる。恥ずかしいお漏らしまでしてしまったのに、親友である自分を見捨てたりせず、もっと深く付き合ってくれる……結衣の中ではそんな至高の変化が起きており、そして拒否するにはあまりにも魅力的な選択肢だと思い始めていた。


「え、えっと……お願い、してもいい……?」

「ええ、分かってくれてうれしいわ。さあ、片付けましょう。あなたの恥ずかしい様子を、他の誰一人にだって見せたくないもの」


 微妙にすれ違っているのだが、完全に結衣はイケメン雪乃に魅了されており、ぽやぽやした気持ちのままジャージに着替え、部室の掃除を始めるのだった……。



「んっ、あぁぁっ♥ な、なん、でっ……んんっ♥ ん、きゅっ……♥ そ、そんな、ところ……お゛っ♥ どうして、こんなところが……気持ち、いいのぉ……♥ あっ、あっ……ゆきのん、ストッ──あぁぁぁっ♥」


 雪ノ下宅へとお持ち帰りをされて、お風呂に入れてもらって、部屋に通されて。

 流石に結衣も一連の流れが性の文脈に乗っていることには気付いており、隣の怖いくらいの綺麗な、正しくて正しくて正しい人に抱かれるんだということくらいは、理解していた。

 けれど結衣も自慰の経験くらいはあることから、胸を触ったり下着の上を撫でられたりすると思っていたのに、雪乃は裸に……下履きがダメになってしまっているので……なった結衣に抱き着くと、そのお腹をぎゅぅぅ……と後ろから抱くように力を入れてきたのだ。

 雪乃的には「無防備に見せてくるお腹が危険よ」という警告も込めての行いだが、流石に性知識は男女のノーマルセックスのみ、実践したのは自慰だけの結衣にとって、女の子の繊細な手つきによるポルチオ責めはあまりにも必殺過ぎた。

 赤ちゃんの部屋をお腹の上から圧迫され、本来ならば妊娠に縁のないはずの同性を相手に子宮の疼きを覚えさせられる。まるで、雪乃の赤ちゃんを欲しがっているようで……結衣はみるみる内に、雪乃へと惚れ込んでいく。雪乃は結衣を性的に見て色々と行っているのに、加速度的に高感度の上っているのは結衣の方だ。


「あっ、あっ、あぁぁぁっ……♥ お腹だっこされただけで、イッちゃ……たぁ……♥ ゆきのんのこれ、すごいよぉ……お腹撫でられてダメになる……♥ あ、あの、気持ち悪いって言わないでね……♥ あたし、ゆきのんが好きみたい……♥ すごく、赤ちゃんの部屋が……反応しちゃったの……♥」

「……」


 雪乃としては「ここで撫でられるとダメになってしまうのよ? 気を付けてね♥」で済ますはずが、愛の告白が飛んできた。

 かといって、それを断る理由など一つとしてない。


「ここまでしたのよ? 答はもう決まってるわ……好きよ、由比ヶ浜さん……結衣……♥」

「はっ……はっ……♥ うれしい、よぉ……♥ ゆきのん……雪乃……♥」


 二人はお漏らしプレイとかポルチオ開発とか一足飛びにしていたのに、ここにきてようやく(同意の上の)キスを交わした。

 無理やりされた時よりもずっと気持ちが良くて、雪乃にすべてを預けたいという気持ちが湧いてくる。

 けれど、そうやって流されて、影響されて、依存するだけではダメだと、奉仕部での日々は教えてくれた。

 自分の意思で……由比ヶ浜結衣として、雪乃に好意を返したいと思う。


「んっ……んくっ……♥ ご、ごめんね、じょうずにできなくて……♥ あっ、あっ……♥ す、少しは、気持ちいい……? あたし、初めてだから……♥」

「う、んっ……♥ ええ、とても気持ちいいわ……♥ 何よりも、結衣がシてくれているというのが……あぁっ♥ とても、興奮するの……♥ 気にしなくて、いいのよ♥ 私も初めてだから……♥」


 多分、結衣は冗談だと判断したらしく、続けて自分の秘所を雪乃のそこに擦り合わせ、足を絡ませて懸命に奉仕をする。

 貝合わせ。女の子が女の子に愛情を伝える、特別な行為。男女のまぐわいほど激しい音を伴うものではないが、それでも柔らかい肉同士が打ち合う音……ぱちゅっ♥ ぱちゅっ♥ という淫らな音が室内に鳴り響く。


「あっ、うぅぅ……♥ も、限界……雪乃っ♥ 雪乃ぉっ♥ あ、あたし……んんっ♥ 雪乃、好きっ……雪乃と、結婚するっ……♥」

「ふふふ……♥ 可愛いわ……んっ……私も、あなたと……結衣、結衣……♥ あっ、あぁぁっ♥」


 二人の膣内に、とろっ……と温かいものが流れ込む。愛液か、それともイキ潮か。どちらにしても、本来ならば感じないはずの熱を帯びて、二人は大切な場所をぴったりとくっつけたまま、何度もその身を震わせた。


「はぁ……はぁ……ゆきのん、すごかったぁ……♥ きゅ、急にこんなことされて、びっくりしちゃった……♥」

「私は、ずっとアピールしていたつもりなんだけど……でも、いいわ。これで私と恋人……いいえ、結婚したんだから、婦婦になったのよね♥ これからは、周囲をムラムラさせるような振る舞いは控えてね?」


 ……当然、結衣は何を言われているのかがさっぱり分からず、きょとんと雪乃を見返すばかり。

 そのまま雪乃は「ほら、分かってない」と囁くと、今度は雪乃の秘所に顔を埋めると、じゅるるるっ……じゅっ、ちゅずっ……♥ と、甘い音を立て始めた。

 とりあえず、この二人の間に限れば、浮気の心配はなさそうである……。

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