Home Artists Posts Import Register

Content

〈第5巻・第参拾四話〉

・更に一年が過ぎた

切鵺と魁の決闘は1640年4月(寛永17年3月)。

そして桜が咲いたかと思わせて、実は既に魁の自死からも1年後。

なのでこの年は1641年4月初旬(寛永18年3月末)。


桜の花びらが類の涙のように舞い落ちる。


・源内の鍔

構造はこうなっている。


・カッくんのラストカット

これを最後にフェードアウト。

この3年後に病死。恐らく肺炎。

類と慎太郎の結婚は見届けることが出来た。


・成長した慎太郎

登場時13歳なのでこの時は16歳。凛々しくなり、髷も変えている。

おモテになられる模様。元がエロガキなので筆おろしは済ませている可能性は高い。


・想い出の茶屋

類と切鵺と早和、三人で団子の契りを交わした茶屋である。


『変ゼミ』の松隆と民央がこの茶屋を営んでいる…という脳内設定もあったのだが実は。


・仲間じゃない

ほんとこの一言が包含する伏線の回収には苦しめられた。

前述したがこの冒頭シーンを描いている時点では切鵺は類に愛を告げておらず、類は九十九と魁が死んだ疑念を切鵺に抱いているが動機がわからない…という想定だった。しかしその状況に類を持っていく尺が残されていない。


解決法は「決闘より先に愛を告げさせる」だった。

そして「自分がやった」とまでは言わないが疑いを持たせる。

類の問いに否定しないことで動機と疑いが繋がる。

更に、物語前半に「これはそういう漫画なのか?」と思わせてきた「類は自分より強い男を婿に取る」という設定で真剣勝負に挑む。

勝利に縁談を任せていた類もこの喧嘩は買わないわけにはいかない。


完璧じゃないですか。

後は、終わらせるだけ。


〈第参拾五話〉

・ブラフ

脇差を太刀に換装し、虎踞位と翻虎尾の演習を行う類。

しかしこの時類は二刀をブラフに使うことを思いついている。でもそれは読者には伝えない。単に二刀の演習をしているシーンに見せるという僕から読者へのブラフでもある。


・すごい省略

もう一度冒頭シーンとか、そこまでのシーンとか、そんなまどろっこしいことはやらないぜ!


この決闘の解説は済ませてあるので割愛。



・刀を杖にして立ち上がる類

類には仲間が必要ではなかったわけではなく、必要でなかった理由(天性に備わった諸々)と共に失う必要があった。


そしてまだ残っているものの元へ歩き出す。踏みしめる地面は泥濘んでいても。


杖を支えに立つカットには『メガゾーン23 PART1』へのオマージュもちょっとある。


〈最終話〉

・長崎

最終話は最初の構想どおり。慎太郎が一緒なこと以外。むしろ慎太郎が同伴することでこの旅が類にとって不可能でない説明が簡単に付けられた。


・更に背が伸びた慎太郎

17歳。まだ成長期なので。


・長崎までの道程

勝利の援助があったので路銀に困ることもなく、篭が使える場所は遠慮なく使っただろう。

東海道を大阪難波まで。そこから船で瀬戸内海を渡り九州の小倉紫川口。そこからまた陸路で長崎。

日数は2ヶ月ほど。


女衒と咲に出遭う構想はなくなって良かったと今では思ってる。出来すぎ。


・坂本菊次郎

早和の夫。凡庸な顔にしてしまった。

優しい男なので安心して欲しい。金もある。


・再会

最後に残るもの、最初に立ち返ること、生きていればこそ。


・長崎の海

長崎台場跡あたりから長崎湾を望む風景。

最終回前に長崎を訪れて自分の眼で見て資料写真を撮りたかった。

すごいぞグーグルマップ。



随分長くなってしまったけど、これで本編の中身に関する解説は終わりにしようと思う。

何か質問があればコメントください。

次回は作品外のメタな部分のぶっちゃけ話をします。


〈つづく〉

Files

Comments

No comments found for this post.