『別式』で描いたこと、描けなかったこと(7) (Pixiv Fanbox)
Content
〈第四話〉
・大涌谷
実際に取材に行って描いた。
・丸亀藩
5巻で訂正しているように、1637年当時に丸亀藩は存在しておらず、すると地理的には高松藩出身ということになる。
何故このミスを犯したかと言えば、切鵺のモデルの尼崎里也が後に丸亀藩が制定されてからの生まれであることを鵜呑みにしてしまったため。
現在の香川県丸亀に行って尼崎里也の石碑を見てきたこともある。
・根留府
箱根といえばNERV本部。この宿のロゴの葉はイチジクではなくモミジ。
〈第五話〉
漢数字に関して「エヴァと同じにしてくれ」とは編集に頼んだが、「五は伍」「六は陸」などの新字体にしてもらえば良かったなと少し思ってる。ただ「四が肆(し)」になり「よん」とは読まず語呂が悪いためエヴァと同じにしたと記憶している。
・魁の嫉妬
こんな些細な言葉にさえ嫉妬してしまう。
・芦ノ湖
寒々しい芦ノ湖が描けたと思っている。気に入ってるコマ。
〈第六話〉
・ゴア表現
編集部から再三「やめてくれ」と注意を受けている。納得できなかった。講談社の漫画でももっと過激なゴア表現はある筈。何故ダメなのかしつこく尋ねたところ、時のモーニング編集長が過去にゴア表現を巡って相当やられたらしく、特に断面描写を嫌っている…とそんな理由だった。いや…うーん。
結局連載時にはモザイクをかけ、単行本で外してもらう約束を取り付けた。
・切鵺と九十九と河原
切鵺と九十九はこの河原で二度サシで会話している。
最初の「駄目だな、此処釣れそうにないぜ」という切鵺の返しは気に入ってる。
二人とも釣りが趣味。
二度目の「今度はあたしが頼むよ……な?」も好き。
ちなみに講談社の漫画内の台詞において「、」は禁則であり替わりに半角スペースが使われる。
・○○の半分はやさしさで出来ている
バファリン。
魁の部屋に飾られている夢魔蛙(ムマガエル)の置物は九十九が遊宝キャッチャーで獲った物を気まぐれに魁にあげたもの。魁の趣味ではない。
・草生えるwww
僕はツイッターなどでも草を生やすのが嫌いで、そのためか気難しく思われている節があるwww
〈第七話〉
・やらとの羊羹
とらやの羊羹。有名だけどそんなに美味しいと思ったことがない。
この時の類の「しふく」と第弐話の魁の「ぷしゅー」はそれぞれ某グルメ漫画のパロディ。
・刀萌初登場
この回の刀萌はとにかく可愛い。ハイともちん大好きです。
・メビウスの輪
センターラインで切ると本当にこうなります。
刀萌… you belong to me...
〈第八話〉
・蕎麦屋次郎
ラーメン二郎怖くて入れません。二郎系は食べたことあるけど食べきれないしあまり食指が動かない。
・胎内回帰
刀萌のお腹は柔らかい。全身魔性の女。
・刀萌と九十九
九十九がシロと名乗っていることも刀萌は以前から知っている。
〈第九話〉
・元々左利き
以後何かに使えるかもしれないと踏んで、この時に考えた後付設定。
最後の切鵺戦でこの左を抜かせるか悩んだ。
ところが冒頭シーンで類の右腰には刀萌の、左腰には源内の鍔を嵌めた刀を差させている。
左で抜くと刀萌の刀で切鵺に斬りつけることとなり、それは憚られた。
源内のそれで切鵺が斬られる因縁が欲しかったので、結局右で抜いている。
・殺せなかった唯一の相手
本当に何があったんですかねえ。
「こんな形で」と九十九が言っていることから以前は占い師を隠れ蓑に使っていなかったことが伺える。
後に刀萌は「病に冒されてから占い師を始めた」と、類に宛てた手紙の中で告白しているので、以前九十九と出遭った時には発病していなかったこともわかる。
・サスペンス回
恐らく理解して読んでくれてる人は5%もいないのではなかろうかという入り組んだ話。
特に「矢島のアリバイを消す手引」がわかりにくかったと思う。描写も省いたので。
矢島が久慈殺しの犯人と藤岡一味に思わせるために、刀萌が久慈を斬る時間に矢島をひと気のない場所に誘い出すなりの工作をした…ということなのだが。
矢島が久慈を殺す動機が薄いことは否めない。
・剣士の手のマメ
「その者」が誰を指しているのか少しわかりづらい言葉選びだった。この場合は「矢島」を指す。
両手剣である日本刀を扱う者は左右でマメやタコのでき方が異なってくることを言っている。
・慎太郎
この展開がなければ類の未来は大きく変わっていた。当然のようにこの時はあの後日談は考えていない。
キャラ増えるのめんどくさいなと思いながらも残留決定。
〈第捨話〉
・ミソジニック
主張したいわけではなく、僕はミソジニックであることを自覚している。
僕の作品全体、女性が読んでモヤモヤする場面は多いと思われる。
でも故意に女性を貶めてそれを現実世界に啓蒙するつもりではないことはわかっていただきたい。
不快な物を敢えて読む必要はないと思うのでその時はそっと本を閉じて欲しい。
・阿湯流兵衛陀
アーユルヴェーダ。
〈第捨壱話〉
・二刀の真髄
武術警察の皆さん、見逃してください。
・マッセ禁止!!
・…いつか早和さんにも会ってみたいわね
会えなかった者、会えた者。
・スラング
「とりま」とか「待って無理尊い」とか「草生える」とか、ほんとは大嫌いなんですよ。
・自分本位
この頃には僕の中で類の発達障害な性格がだいぶ固まっている。
〈つづく〉