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いつもご支援ありがとうございます。出した気でいて出してなかったシリーズです。

多分納品するだけしてどこにも投稿してなかった……よな?の本気でお見せした気でいました。ちょうどエリィを書く機会があったので忘れぬうちに投稿させていただきます。


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 近頃、人身売買組織が念願の独立を果たしたクロスベルに手を伸ばそうとしている。その噂が特務支援課の耳に届いた時には、噂を裏付けるように各地で様々な行方不明事件が勃発。

 平和を取り戻した場所を荒らされてなるものかと、特務支援課の面々は警察組織と連携し捜査に乗り出した。が、捜査は思いの外進展せず難航した。

 人身売買はクロスベル、否、ゼムリア大陸でトップクラスの犯罪。どのような理由があれ、絶対的なタブーとされる違法行為だ。その証拠に、過去クロスベルで違法物を含むオークションを開いた犯罪組織でさえ、人身売買の危険には決して手を伸ばそうとしなかった。

 各方面から確実に睨まれ、下手をすれば外法を以て駆逐される非道な行い。手を出すということは心底考えと余裕がない者たちが、今回のように巧妙な手段で事を完璧に隠してしまう者たちだ。特務支援課が請け負う後者が厄介極まりないことが、難航する捜査を見れば見るほどよく分かるだろう。

 遅々として進まない捜査を嘲笑うように各地での証拠を残さない誘拐、原因不明の行方不明事件は加速度的に増していた。もはや一刻の猶予もないと事態を重く見たクロスベル側は、特務支援課のエリィ・マクダエルが提案した危険な単独任務の許可を下した。

 捜査が進まなかったのは、現場に異様なほど証拠が残っていないからだ。もちろん簡単なことではない。これには想像を絶する特殊な力が働いている。それこそ古代遺物(アーティファクト)、あるいは絶対的な権力を持つ者たち。そんな予想をすることも容易かった。

 根気強い調査の果てに、警察組織は強大な権力者が関わっていると結論を下した。だがそれは、クロスベル警察の権力では太刀打ちできないことを意味する結論だった。

 相手はクロスベルから見て国外に位置する。そのような場所から手を出していた力が脅威なだけでなく、少ない証拠で問い詰めたところで揉み消されるのが関の山だ。仮に強硬な捜査の手を伸ばして、万が一でも事を誤った時は、国際問題に発展するのは容易に想像がついた。

 故にエリィは単身での潜入を試みる。これは、彼女はクロスベル知事の孫娘であること。議会にツテを持つこと。自分なら休暇と称し、人身売買の本山であるリゾート施設の使用に違和感がないこと。主にこれらの理由と、相手に怪しまれないための単独潜入任務となる。


 危険を承知で某所リゾート地へ飛んだエリィは、自身に向けられている監視の目を警戒しつつマークしていた場所を転々と探っていく。

 その最中、エリィは犯罪関与を確信させる怪しい地下施設の入口を発見した。彼女は言い逃れできない証拠を掴むため、危険を承知でより深くへの潜入を開始した。


「当たりね。リゾート施設に、こんな地下を作っていたなんて」


 薄暗い地下の道筋を頭に叩き込みながら導力端末《ARCUSⅡ》へ記録することで、いくつかの保険をかけつつエリィは先へと進む。あらゆる壁を乗り越えて数年、少女の面影と引き換えに得た大人の美貌が犯罪の証拠を厳しく睨め付ける。

 このような怪しい場所を抑えるだけで証拠としては成り立っている。が、相手は本気のクロスベル警察から逃れてきた犯罪組織だ。もしかしたら、もっと確定的な証拠がなければ逃げられてしまうかもしれない。最悪の場合、国自体がこの地の隠蔽に関与している可能性すらあった。これらがエリィを後に引かせない理由になった。仲間に無理だけはするなど念を押されていたにも関わらず、彼女が無理を押して地下の中枢へと潜入した理由に。


(ごめんなさい。必ず無事に戻るわ。だから、もう少し無茶をさせて)


 ここでチャンスを逃せば、今度はエリィではなく仲間たちが無茶をする。あれだけの時間と力を費して得たクロスベルを穢されてなるものか、という思いもエリィの冷静さを削ぐことに助力をしてしまっていた。

 しかし、リスクの対価はそれだけ大きなものを彼女へと返した。


「な……!!」


 地下施設の奥深くまで侵入したエリィは、驚愕にして動かぬ証拠を前に憤りの吐息を零した。

 無骨な壁と床が長く、人間の視界に収まりきらぬほど遠く続く部屋。そこには拘束された女性たちと、それを嬲る裸の男たちの姿と、そしておぞましい調教道具の数々があった。

 女性の人数はクロスベルの膨大な行方不明者を総括しても届かない。彼らが手を出したのはクロスベルだけではなかった。舞い降りてきた検挙に繋がる証拠の数々に、当然だがエリィは全く喜ぶ気にはなれない。


(一体どれだけの人の人生を私欲で踏みにじってきたというの……許せない)


 言い逃れできない証拠を掴んだ。が、その証拠はあまりに凄惨だ。拘束された女性に手を出す男たち、という構図を見た時点で誘拐事件に関わった女性の結末は想像に難くない。人身売買によって、既にここから連れ出された被害者たちもきっといるはずだ。無論、救いにならない最悪の意味合い――――――彼女たちは買い取られ、ミラに物を言わせた下劣な人種の奴隷となる。

 それを想像し、エリィは久方ぶりに制御できない怒りの感情を露にした。美しい顔に怒気を貼り付けたエリィだが、この場で彼女が出来ることは何もない。

 今のエリィがするべきは怒りに身を任せ、被害者たちを救出することではない。掴んだ確実な証拠を持ち帰り、言い逃れができないくらい迅速に突入作戦を実行する。

 そのためにもエリィは被害者たちへ謝罪し、必ず助け出すと誓いを立ててその場を後にした。幸い、拘束された女性たちの調教に夢中だった男たちはエリィに全く気づかなかった。

 頭に叩き込んだ脱出ルートは怒りの炎が沸き立つ今も、仲間にも称賛された聡明な頭脳が保持している。従えば潜入の目的は完全に達成される――――はずだった。


「………………」

「っ!?」


 瞬間、エリィは憤りで熱せられた思考を〝敵〟に向けた。己の獲物を取り出し、迷うことなく銃口を突きつける。

 それは殺気ではなかった。だがおぞましい視線だった。無機質で、およそ人のものとは思えない何かの視線がエリィを貫いた。

 彼女が銃口を向けた先には視線の正体がある。人の形をした無機質なモノ。顔のない頭部に細身の手足に人形めいた白い肌。マネキンの方が余程精巧に人を模している。

 そんなものがおよそ数体ずつ、エリィが証拠に至った〝道〟を立ち塞ぐように出現したのだ。エリィの対応は二つに一つだ。


【エリィは潜入中、敵組織の人造人間(ホムンクルス)と遭遇してしまった……】


「くっ!」


【エリィは人造人間から逃走……人造人間がエリィを追う!】


 彼女は逃走を選択した。立ち向かって道を開くのは、潜入捜査において推奨されるやり方ではない。騒ぎを起こすことなく一度身を潜めようとするのが賢い選択だ。

 しかし、地下通路はその途端にエリィを広場へと導く。まるで侵入者を追い詰めるように、行き止まりの部屋へ一直線にだ。

 部屋に誘い込まれる形になったエリィは、追いかけてきた人造人間たちによって事実上の袋小路となった部屋の中心で立ち止まった。美女の表情には露骨な焦りが浮かび、ここが戦場となることを避けられないと理解しているらしい。

 逆にそれ以外はエリィに理解できるものではない。孤立無援で敵に囲まれた彼女に情報精査の時間はなく、ただ〝敵〟と戦うことになるという目の前の真実のみが与えられた。

 なぜ見つかったのか。敵の正体は何であるのか。それを彼女が知る術はない。この場を俯瞰する神の如き視点がそれを知るだけだ。


「……厳しいかもしれないけど、この壁は絶対に乗り越えなきゃならないの」


【エリィ・マクダエル Lv150】

【エリィが覚悟を決める……精神状態:高揚】

【エリィと人造人間の戦闘が始まった!】


 たとえ一人で、相手が道の敵であろうと無抵抗でやられるわけにはいかない。必ず生き残り、情報を持ち帰る覚悟を決めたエリィが銀髪を靡かす銃声を轟かせ、戦いの狼煙を上げた。


 複数対一を強いられるエリィは、距離を置いての銃撃戦を徹底する。時間をかければエリィの潜入がより大きく知れてしまうかもしれない。が、だとしても遠距離タイプのエリィが特攻紛いの攻撃を仕掛けるのはリスクがありすぎた。

 まずは確実に攻撃を加えていき、数を減らしながら敵の出方を見た。彼女らしい堅実な戦術で正体不明の敵が何なのか、引いては弱点を探り当てる。


【エリィの攻撃→命中! 人造人間は悶えている】

「っ、やった……!?」

【人造人間は悶えている! 人造人間は悶えている! 人造人間は悶えている!】


 エリィの放った銃弾は寸分違わず人体の急所を穿った。加減の余裕がないのと、相手が明らかに人ではないと判断してのことだ。

 彼女は敵が人工の生命体であると知らない。と言っても、知ったところで信じられないだろう。彼女が知っている人造人間(ホムンクルス)は、アルティナ・オライオンやミリアム・オライオンのように極めて人間と変わらない者たちだ。


【人造人間は悶えている…………着弾の衝撃で気持ちよさそうだ!】

「え……な、なに? 銃が効いてない……の……?」


 銃弾で急所を撃ち抜かれて倒れないどころか、快感だと腰をくねらせて悶えるような変態人形の存在を人造人間(ホムンクルス)と紐付けるのは、たとえエリィが予備知識を今以上に持っていても不可能だ。

 痛みを感じることなく身体で身悶えを表現する敵に、エリィは困惑を露にした。それは未知への恐怖であり、避けようがなく隙を生んでしまうものだった。


【エリィの身体が人造人間への恐怖に蝕まれている……人造人間の攻撃!】

「っ!? しま……」


 恐怖で竦むエリィに対して、ガクガクと怪しく身悶えしていた敵が両手を鞭のように伸ばしてしならせた。辛うじて人の形を保っている敵から、人ならざる動きによる攻撃はエリィに回避も防御も選択させない。


【人造人間による攻撃→隙を見せたエリィの股間に直撃した!】


 しなる鞭はエリィのスカートを引っぱたく。衝撃が衣服を貫き、彼女の身体へと浸透した。


「きゃあぁぁぁぁ――――あひぃぃぃんっ!?♥♥♥」

【エリィに快楽ダメージ! 美人女捜査官は股間を抑えてへっぴり腰で大きく喘いだ! 羞恥が加算されてダメージが増加した!】

「くふぅぅぅっ♥♥ あ、え!?♥ な、なによこれ♥ いやっ、アソコが……♥♥」


 強烈な一撃だと思った。確かに、エリィが股間を両手で抑えてガクガクと両脚を痙攣させる力強い一撃だった。

 しかし、彼女の悲鳴は痛みではなく官能だ。気持ちいいから喘ぎ、腰をくねらせた怪しい動きだ。もっと言えば、戦闘中に股間を両手で守って快楽によがるなど、人造人間が先に見せた卑猥な身悶えをもっと卑猥にしたものだった。エリィは誰もが認め、見惚れる美貌とグラマラスな身体の持ち主なのだ。その魅力は異形に近い人造人間などと比べ物にならない。

 だが問題はそこではない。なぜエリィは、殴打という攻撃を受けて快楽を覚えたのか。衝撃を受けた途端、頭の中が一瞬真っ白になるくらい気持ちよくなってしまったのかが問題なのだ。


【人造人間の攻撃が続く!】

「っ、二度目は……!!」

【回避判定→成功! エリィは腕の鞭を避けて部屋の柱に身を潜めた】


 正体不明の攻撃から何とか逃れたエリィは、閉鎖空間の数少ない逃げ道である巨大な柱の影に身を潜めた。が、捕捉されている以上、数秒後には人造人間が殺到してくるだろう。

 エリィは打たれた股間が疼く得も言えぬ快楽を振り払うと、思考を高速で回転させる。そうすることで刹那の思案を熟考へと引き伸ばした。

 なぜ痛みではなく快楽が襲ったのかは、この際捨て置くことにした。エリィが気にかけるべきは、一体に攻撃するだけで反撃を受けたという点だ。彼女が想定していたヒットアンドアウェイの戦術は、予想以上の遠距離攻撃で容易く崩れた。

 未知の敵は片手の指ほどいる。一体を仕留める間に反撃を受けていては意味がない。ならばまとめてダメージを与えられる銃以上の遠距離攻撃が必須条件となる。


「やるしかない」


 熟考という名の刹那的思考で戦術を書き換えたエリィは、獲物を追い詰めるべくゆっくりと近づいてくる無数の人造人間へ狙いを定めた。使うべき力は《ARCUSⅡ》にセットされた強力な遠距離攻撃。


「アークス駆動…………今!!」

【エリィのアーツ攻撃→成功! 強力な雷撃が人造人間を襲った!】


 狙い通り、彼女を一直線に付け狙っていた人造人間たちへ魔法の雷が直撃し、揃って身動きが取れなくなる。

 それで倒せたとは考えていない。だからこそエリィは柱から飛び出すと、引き付けた敵に背を向けて全力で出口へと駆け抜けた。


【人造人間たちは激しい電流に身悶えしている!】


(たとえダメージにならなくても、動きが止まるならそれを利用するまで!)


 そう、エリィは刹那の思考で目的を切り替えていたのだ。敵に攻撃が通用しないと思考を停止するのではなく、効かずともあの謎の動きが実質的な行動制限になると考え、敵を引き付けてアーツでまとめて攻撃し、生まれた隙を利用して部屋を走り抜ける。

 元来た道へ引き返すことさえできるなら、エリィは迷うことなく脱出できる。敵に追いつかれさえしなければ、わざわざ単身で敵と戦い倒す理由はない。


【人造人間たちは気持ちよさに悶えている! 電流の快感に気持ちよくイッている!】


 あと少しで部屋の出口に到達する。身悶えする人造人間には目もくれず、エリィは無事に目的の道へ戻ることができた。


【攻撃判定が反転した! エリィに人造人間の合体快楽アーツが襲いかかる!】


 だが、誰も追いつくことが叶わないはずの背中に閃光が走る。エリィが唱えたアーツは、雷撃という表現通り雷のように一瞬で敵を撃ち抜いた。


「――――おびょびょびょびょ!!?♥☆♥☆♥☆」


【合体快楽アーツの攻撃判定→成功! エリィはブザマヌケな悲鳴を上げて飛び上がった!】


 ならば逆も然り。迸った光の着弾は刹那より早い。脱兎ですら遅く思える快楽電流がエリィを包み込んだ。

 重ねた歳月の美しさを担う面が電流によって蕩けて崩れる。艶めかしい唇が過剰に痙攣し、奇っ怪な悲鳴が響き渡った。


「あがっ、あががががががっ♥☆ ほびょっ♥ ほげげげげ〜〜〜〜♥☆♥☆ あぎゃあ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ♥♥♥♥♥」


【エリィは快楽電流で絶頂している! エリィは快楽電流で絶頂した! エリィは快楽電流で絶頂した! エリィは快楽電流で絶頂した! エリィは逃走に失敗した!】

【アーツ効果発動! エリィのステータスに様々な『エロデバフ』が付与される!】


「ほげえ゛ぇえぇえぇえぇえぇぇぇぇぇ〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ♥☆♥☆♥☆♥」


 白目を剥いたマヌケ面を晒したエリィは知る由もないことだが、この人造人間は与えられた攻撃を探知吸収し、敵に対して『快楽ダメージ』を返す特殊な敵だったのだ。

 つまり人造人間への正しい対処法は、相手をせずに逃げ回り隙を見て逃走すること。エリィのように修羅場を乗り越える力を持つ才女であればあるほど、攻撃で様子を見ようとして罠にハマってしまいやすい。

 まんまと人造人間の餌となる攻撃を繰り出して気持ちよくさせてしまった挙句、自らが快楽電流を浴びて絶頂し続けるエリィ。電流で硬直した身体には変換快楽による様々な状態異常(デバフ)が与えられ、心身に影響を及ぼすことになるのだが、絶頂による快楽の閃光に思考と視界の全てを奪われたエリィに理解できるものではなかった。


【エリィは人造人間の反撃に耐えられず、戦闘に敗北してしまった……】


【エリィ・マクダエル Lv???/エロデバフ・『イキ癖』『衣服破壊』『発情』『???』】


【to be continued】






「う、うぅ……ここ、は……」


 目を覚ましたエリィは、重い頭を起こして何とか立ち上がった。

 場所は変わっておらず、部屋の周りには誰もいない。あの正体不明の敵すら忽然と姿を消していた。

 どういうわけか助かったようで、エリィは不自然な状況に首を傾げた。しかし、自分の格好が悲惨なものであると気づいて顔を真っ赤にする。


【エリィの衣服は大事なところが丸見えだ!】


「やっ♥ も、もしかして、あの電撃で……♥」


【羞恥がエリィを蝕む……エロデバフ『発情』の効果が連鎖しマンコが愛液を激しく滴らせ始めた!】


 電撃の影響で絶頂無様を晒したエリィだが、肌にはダメージらしいダメージの痕がない。傍目からそれが分かってしまうのは、彼女の衣服がボロボロの布切れと化しているからだ。

 自慢の乳房は上に乗ったネクタイを残し、衣装のほとんどは薄すぎるボロ布同然で、艶めかしく大きな乳輪や乳首が露になっている。スカートやタイツも一部分が千切れ、さらに下着は都合よく完全に失われて、少し動くだけで濡れた恥部が見え隠れする扇情的な衣装となっている。意図して崩壊させたとしか思えないくらいには、エリィの身体を卑猥に彩る『エロ衣装』だ。


「は、恥ずかしい……っ♥ けど、ここで立ち止まっているわけにはいかない、わよね」


 着ている方が恥ずかしい乳房が丸出しで恥部がチラ見えの衣装。だがエリィには身なりを整えられるような暇はなかった。

 どれだけ気絶していたか分からない以上、いつ何時〝敵〟が来るか分からない。否、あの敵がいなくなっている以上、理由は定かではないがエリィの侵入はとっくに察知されていると考えるべきだ。

 もはや一刻の猶予もない。エリィは火照る身体を引きずるように来た道を戻り出した。


【エリィは記憶を頼りに脱出を目指した……施設内は迷路のように入り組んでいる!】


「そんな……来た時と、道が変わってる!?」


【帰り道が分からなくなった! 徘徊する敵を避けつつ、出口を目指さなくてはならない……】


 ところが、地下施設の道はエリィの記憶が全く役に立たなくなるほど〝改変〟されてしまっており、出口どころか付近にあった証拠の施設にさえ戻れなくなっていた。

 さながら迷宮のように入り組んだ道をエリィは闇雲に歩き続けなければならない。しかも、入り組んだ道には見たことのない新たな〝敵〟が徘徊している――――――戦闘に敗北し逃走を余儀なくされたエリィだが、本当の戦いはこれから始まるのだ。


【エリィは狭い通路を歩き回って出口を目指している】


「道順だけじゃなくて、長さや道幅も変化しているのね」


 オマケに薄暗いと、エリィは罠の存在を否が応でも意識せざるを得ない迷路に眉根を顰めた。

 否、罠だけではなく〝敵〟に襲われた時を考えて身震いした。もしこんな狭く、それでいて闇雲に逃げようものなら一瞬で長い袋小路に追い詰められてしまう場所で、敗北を喫した敵に今一度遭遇したらどうなるのか。

 考えるだけでエリィの背筋を冷たい恐怖が駆け抜けた。ここは迷宮であり敵の腸。その一時の油断も許されない環境が、エリィの肌感覚を異様なほど過敏にする。


「……ひゃんっ♥ な、なに、あ、ただの風……♥」


【エリィは換気口の風で身悶えするほど敏感だ! いやらしく身体をくねらせ、無意識に雄を誘っている……】


 端々に設置された換気口から吹き付ける風が火照った身体を時折冷やし、心地いい感覚に身動ぎしてしまう。それを何かしらの干渉と勘違いし、警戒して周囲を見渡して、自らの思い違いに恥じ入る。

 もし今のエリィを観察している者がいるならば、笑いが止まらないはずだ。あのエリィ・マクダエルが、恥部を露出した恥ずかしい衣装で迷路を無作為に歩き回って、しかも風で股を濡らして身悶えする。さらには、彼女自身に性感に対する自覚がないという。

 これでは良い道化だ。なぜ〝見逃された〟のかなど、冷静になればすぐに分かるだろうに。そして、冷静ではないエリィでより遊ぶために、俯瞰者たちは彼女への〝敵〟を解き放った。


「っ!」


 不意にエリィの視線が厳しいものへと移り変わる。正面に伸びた通路の曲がり角から現れた無数の機影がズラリと並び、通路の制空権を容易く制圧した。


「ドローンの警備システムまで用意しているなんて。そう簡単に進ませてはくれない、ということかしら」


【警備ドローン×5が現れた!】


 空中は元よりエリィの手にないものだが、だからこそ彼女に対して優位が取れる位置だ。人間ではそうそう作れない地の利を得た機影の数々は、渋面の彼女にレーザーの照準を定める。


「させない!」


 敵がいるのは承知の上で脱出を選んだ。覚悟は出来ていると、彼女は風によがり羞恥した女の顔とは打って代わり、狙撃手にも劣らぬ正確な銃撃でドローンを攻撃していく。


【エリィの攻撃→成功! ドローン二機が損傷で動きを止めた!】

【ドローンの反撃! ロックオンレーザーがエリィに向けて照射された!】


「くぅ……!?」


 だが、エリィが弾丸で二機のドローンを撃墜する間に、三機のドローンが彼女への反撃を見舞う。

 ドローンから発射されたレーザー光線はとても避けられる速度ではない。そう判断したエリィは、ダメージを承知で前進を選択した。多少の被害は覚悟の上で、ドローンの数を減らして振り切ることで迷路に身を隠す。

 エリィまで真っ直ぐ向かって来れなかったということは、この迷路は必ずしも彼らに味方をしない。危機的な状況にある彼女だが、冷静な判断力はまだ生きてはいるようだ。


「――――んほぉっ♥♥ 乳首ィィ!?♥♥♥」


 もっとも、冷静で現実的すぎる思考が快楽という衝撃を予想できないことに変わりはないのだけれど。


【ドローンのロックオンレーザーは快楽物質の塊だ! 正確無比なレーザーがエリィの乳首を開発する!】


「んおぉぉぉぉぉっ!?♥♥♥ ちくび、ちくびキクゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ♥♥♥」


【ドローンの追撃→成功! ドローンのロックオンレーザーがエリィのクリトリスに直撃! 衣服がさらに破壊されてマンコが露出した!】


「んオッ!?♥♥♥ クリいっちゃう!?♥♥♥ クリいくぅぅうぅううぅぅぅ〜〜〜〜〜〜♥♥♥♥」


【エリィが絶頂した! エリィの身体に快楽因子が蓄積される……エリィは仰け反り舌出しアクメをキメた! 無防備にさらけ出したマンコからイキ潮が噴射された!】

 恥部の敏感な部分を的確に射抜く快楽のレーザーによって、エリィはまたも惨め無様な絶頂姿を晒してしまう。通路を華麗に駆け抜けるはずだった両脚は動きを止め、仰け反りブリッジをキメたままアヘ顔で潮吹きを発射する。


「んおっ♥ んおおおぉぉぉぉほぉぉぉぉぉぉぉ♥♥♥♥ と、とめへっ、とめれぇぇぇぇぇぇ〜〜♥♥♥♥」


【エリィは絶頂している! エリィは絶頂している! エリィは絶頂している!】


【エリィはドローンからたまらず逃げ出した! 悲鳴を上げながら来た道を戻っていった……】


【エリィはあまりに情けない逃亡に武器を落とした! これからは丸腰で敵と戦わなければならない……エリィにエロデバフ『敵前逃亡』が付与された!】


 ドローンの反撃であえなく撤退したエリィは、敵の目を誤魔化すために薄暗い通路の物陰に潜む。アクメレーザーから逃げるのに必死で、戦うための武器を落としてしまった彼女は、惨めに膝を抱いて隠れ潜む他ない。


「はっはっはっ♥ んんっ♥ おっお♥ 腰すっごい♥ うごくっは♥ はっ、ほっ♥」


【エリィはドスケベエロ蹲踞で腰ヘコダンスを踊っている!】


 というのがエリィの思考にあったのは今や昔。どういうわけか、彼女は物陰に潜む隠密の行動を選択した中で、剥き出しになった股間をヘコヘコと前後に動かすドスケベ変態ダンスを踊ってしまっていた。


「だめぇ♥ もう我慢できないのぉ……♥」


【絶頂でエロデバフ『???』の影響が強くなっている! エリィは激しい尿意を我慢できない!!】


「んひぃ♥ も、もれるぅぅぅ……♥」


 じょぼぼぼぼぼっ♥ ちょろろろろろろ♥


【エリィはお漏らししてしまった! 敵地のド真ん中で変態の立ちション音が響き渡る……】


 潜入開始から気づけば数時間以上が経っていた。気付かぬうちに大量の尿意を溜め込んでいた膀胱は、濃厚な色の黄金水で床に放尿の溜を生んでいく。

 エリィは止められない放尿に赤面する。才女に立ちションの経験があるはずかない。まして、敵地の中で股をおっぴろけで放つ小便など、彼女でなくとも初めての経験に違いなかった。


「おしっこ漏れる……音が凄くて、解放感が……気持ちいい……はぁんっ♥ またイキそ……んひぃっ♥♥♥」


【『???』の影響でエリィは放尿をいやらしく実況してしまう!】


 そのことに多大な羞恥を感じている。が、エリィの口はなぜか野ションの気持ちよさを語って止まない。敵地で濃厚な失禁をキメて気持ちよくなる身体の実況は、当然のように敵を誘き寄せてしまう。


【警備ドローンがエリィに狙いを定めている! エリィの身体をロックオンレーザーが狙い撃つ!!】


「え!? うそ、どうし――――オッホーーーーーーーーーッッッ!!!?♥♥♥♥」


【放尿実況が響き渡って敵を誘き寄せてしまった……エリィのアクメボイスが連鎖していく!】


【敵が通路に押し寄せる! エリィは連続アクメレーザーで動けない! エリィは無様アクメで動けない!】


【エリィは迫り来る敵を前に守れもしない恥部を手で抑えながら逃げ回る! 爆乳デカケツダンスを踊るマヌケ女の逃亡が始まった……】



 簡潔な結論から言えば、エリィが迷宮探索を続けてから戦闘らしい戦闘はドローンを撃ち落とした一瞬のみであった。

 残る全ては戦闘と呼ぶのもおこがましい。蓄積する快楽物質の影響で【デバフ】が発生したエリィは、自らが敵を誘き寄せている自覚を持つことができない。


「ンッほお゛おぉおおぉおぉぉおぉッッ♥♥♥♥ け、ケツ穴じゅぼじゅぼじな゛い゛れえ゛ぇ゛ぇぇえぇえぇ♥♥♥♥ オホホ♥♥ めくれっ、めくれてりゅのおぉおぉぉぉぉおぉおぉぉっっ♥♥♥♥♥」


【触手型モンスターの攻撃→成功! エリィは拘束アナル穿りで野太く叫んだ! エリィのアナルが捲れて伸びる! 卑猥な音を立ててケツアクメする!】


 触手に絡め取られたエリィは、寄り目で鼻水を噴き出して悶絶しながら尻の穴を極太触手で穿り回された。

 空中でガニ股バンザイポーズという品性のない姿勢を強いられて十数分、触手は彼女の尻穴をひたすら貪り食う。そうあるように設計されているのか、一時足りともエリィのアナルを離そうとしない。

 そうしている間にエリィのアナルは下品な伸び口を真っ赤に腫らし、オホ声アクメを本人に味わわせる。

 声を我慢すれば少なくとも増援に悩まされることはなくなるだろう。そうしないのは、エリィの喘ぎ声は無意識に発せられているからだ。


「ンホーッ♥♥♥ ケツ穴♥ ケツ穴イグイグイグゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ゛ッ゛♥♥♥♥♥」


【エロデバフ『???』の正体は『淫語癖』だった! エリィは卑猥な言葉を使う度に気持ちよくなる! 自覚なく洗脳されていく……】


 まさか快楽物質に犯された脳が無自覚な洗脳を施されているなど露ほども予想できない。彼女の中で、性感を覚えて絶叫の実況を行うのは至って〝普通〟のこと。

 それは活動のために息を吸うことと同じくらい〝普通〟の考え、いいや、思考の必要がないものなのだ。故に声を我慢しようという発想にならず――――――エリィは敵から逃げ回っては捕まる無様を繰り返していた。


【人造人間(ホムンクルス)の増援だ! 彼女たち変態洗脳されたエリィを見て真の役割に目覚める……彼女らはセックスマシーン兵だ! いやらしい雌を見ると犯してやらずにはいられなかった!】


「ひぃ!? またあの……ゆ、ゆるして♥ 許してください♥ もう気持ちいいビリビリはいやあぁぁぁぁぁっ♥」


【現れたセックスマシーン兵を見てエリィは『敵前逃亡』した! 肛虐ケツ穴丸出しのへっぴり腰逃亡→失敗! エリィはセックスマシーン兵にまんぐり返しで羽交い締めにされる!】


「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


 戦意を喪失しながら悲鳴で敵を誘き寄せてしまう姿に、かつての理知的な美女の顔はない。一方的な快楽に怯え、涙と鼻水とヨダレでぐちゃぐちゃになった美女の蕩け顔がそこにはあった。

 あのエリィをここまで追い込んで、十分と思わない人間はそういない。


【セックスマシーン兵が機能を解放した! カンチョードリル二穴レイプ攻撃→成功!】


「ン゛ッホオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーッッ!!?!?♥♥♥♥♥♥」


 決していないわけではない。エリィの懇願は誰の耳にも届かず、二体のセックスマシーン兵がまんぐり返しの彼女に股間のドリルチンポを突き立てた。

 凄まじい勢いで乱回転するイボ付きチンポは、エリィの意識を完全に失わせる連続アクメ記録を打ち立てる。

 膣内と腸壁を超高速で擦り上げ、媚薬を撒き散らしながら一気に開発。敏感な媚肉は互いの中で回転する機械チンポを感じ合い、絶頂のエネルギーを毎秒何十回と放出する。

 無論、これほど激しい快楽絶頂にエリィの身体は耐えられるかと言えば。


「んほお゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛、お゛っ、お゛ぉ〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!♥♥♥♥ む、むりいぃいぃいぃいぃぃぃ〜♥♥♥♥ と、とけりゅ♥♥♥♥ おまんことケツ穴なくなっちゃううぅぅぅぅぅ♥♥♥♥ おほほおぉおおおぉおぉおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ〜〜〜〜〜〜♥♥♥♥♥」


 アヘ顔で二穴ドリルレイプアクメをしているのが、何よりの答えであろう。仰け反った首は元に戻らず、空いた両手は虚空を薙ぎ脱出の機会を探る気を全く起こしておらず、両脚は拘束を解こうともせず足ピン無様を晒す。

 このままでは脱出すら叶わない。そんな諦めや諦観の念は、当たり前のことだが全く感じさせない。絶え間なく訪れる絶頂の中で、エリィは『淫語癖』が導くままに淫猥なアクメボイスを響き渡らせる。

 それが次の敵を呼ぶ。淫らな美女と戦うために用意された快楽兵士たちが現れる。


【エリィの身体に媚薬ザーメンが放出される……様々なエロデバフがドスケベな身体を侵食していく!】


「んほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっっ♥♥♥♥♥」


【エリィの野太いオホ声絶叫! 増援が現れた! 増援が現れた! 増援が現れた! 増援が現れた!】


【エリィが犯される! エリィが犯される! エリィは『レイプ大好き変態痴女』になった!】


【エリィに『ケツ毛』が付与された! 『縦割れアナル』が付与された! 『脱肛癖』が付与された! エリィは『ぼっこりアナル』になった! 『バキューム癖』が付与された! 『喉イキ』が付与された! 『精液狂い』が付与された! エリィは『ザーメン吸引機』になった! エリィのマンコのレベルが上がった! 『蛸壺名器』になった! 『ミミズ千匹』になった!】



【エリィは自らが終わる感覚に目を見開いてアクメし続けた…………………………】



【GAME OVER】






「――――いやはや、此度の催しは中々のものでしたな」

「ええ。今まで現れた野良猫とは練度が違いましたよ。と言っても、最後はやはり呆気ないものでしたが」

(…………話し声? 一体、こんな場所で誰の……?)


 覚醒したエリィの意識は久方ぶりに鼓膜を震わせた人間同士の会話に、一抹の疑問を混ぜ込んだ。彼女の意識は未だ戦いの中にある。脱出のために足を動かし、銃で華麗に敵を撃ち抜いている。


「本当に。出来ればエレベーターの仕掛けに引っかかって欲しかったものです」

「それは高望みというものですよ。あれは、より華麗で優雅に戦った者が掛かるから良いのです。たとえば《銀》なら、彼女を餌にすれば……ですかな?」

「然り。彼女ならば敵を突破し、あの仕掛けにかかり……ふぅ。かの舞姫が全身を圧迫され無様に顔を歪ませる様、期待せざるを得ませんよ」

(だから、何の話をして……)


 まるで話が見えてこない。エリィは重い瞼をゆっくりと開いた。あるいは、彼女ではない〝誰か〟が見せつけるように開いた。


「ふふ、我々の期待を現実にしてくれる紳士が買い取ることを期待しましょう――――あのエリィ・マクダエルだ。果たしていくらの値がつくかな?」

(……え!?)


 煌びやかな喧騒がエリィを取り囲んでいた。金にものを言わせた成金主義のオークション会場。観客席の中心に立つ女を取り囲む下卑た視線の数々。


【『レイプ大好き変態痴女』のオークションが始まる……アピールタイムだ!】


(嘘。何なのこれ……私、いつの間にこんなことに――――――)


 そこは地下施設に隠された人身オークションの特設会場。

 エリィは知る由もなかった。人身売買の裏で行われる醜悪な取り引きを。彼女のように各国から送り込まれたエージェントの潜入に際し、開発された大量の兵器を投入――――心身を改造されていく美女を見世物として嘲り笑う悪辣な世界を。

 まんまと罠にかかったエリィは、一糸纏わぬ爆乳デカエロケツを晒して会場の中心に立たされていた。それは彼女が催し物のメインであり、散々笑われた性感漬けの身体の〝買手〟を探す時間を意味していた。

 要するに『エリィ・マクダエル』という女の人権を剥奪する最後の企画が始まるわけだ。彼女は至極当然の反応で抵抗しようとした。


「ご主人様ぁ♥ ワタシの新しいご主人様はどこですかぁ♥」

(は……え!?)


【エリィは『淫語癖』で『変態洗脳』された自分をアピールし始めた! 観客が極上美女のドスケベな媚び売りに魅了されていく……】


「もうワタシのマンコはびしょびしょでデカチンハメて欲しいって泣いてます♥ どんなくっさいチンポでもしゃぶって綺麗にさせてください♥ そしてワタシの大きなおっぱいは♥ どんな立派なオチンポでもご奉仕できます♥」

(いやっ! 私、そんなこと考えてない! 口が勝手に……いやぁぁぁ!!)


 観客の前でくびれた腰をくねらせ、自慢の豊満乳房を両手で愛撫し歪ませることでこれでもかと己の魅力を見せつける。

 己の身体で淫乱なアピールをする〝誰か〟をエリィは聞こえることのない悲鳴を上げ、見ていることしかできない。セックスマシーン兵によって、自らが『セックスマシーン』と化した身体は、買われるためのアピールを重ねていく。


【『レイプ大好き変態痴女』は『セックスマシーン』の機能を使用→自分の機能を紹介し始めた】


「……当セックスマシーン、以下私はオールマイティな機能を搭載しています」


 表情が〝無〟に切り替わる。エリィだったモノは起伏のない表情になると、ズブ濡れのマンコを指で弄りながら機能の実況を開始する。顧客が一時的な衝動で誤った買い物をしないよう、落ち着かせる意味を込めた無表情機能解説だ。


「個体名エリィ・マクダエル。スリーサイズは上から95、58、93。乳首は高さ4cm、横幅3cm。乳輪は8cm。マンコの感度はご覧の通り。マンコランクはA級。アナルのサイズ調節もご自由に可能です」


「今ならお客様希望の刻印、更に隷属の証のピアスもサービスしています。色や形もお客様のご自由に可能です」


「私の購入時には、将来的に特務支援課から追加の商品が入荷された場合に優待もお約束します。この優良物件のご購入、どうかゆっくりとご検討ください」


 異様なほど冷静な声音はボルテージが上がっていた観客を良い意味で冷やしていく。きっとエリィは正しい値段で買い取られることだろう。

 彼女一人で恐ろしい値が動くことは想像に難くない。彼女という存在が新しい商品を生み出す餌になることは疑う余地もない。

 故にエリィは組織が望む正しい値が付けられねばならない、というわけだ。顧客も含めて満足してのオークション――――――さて、一体どれだけのミラを貯えた変態紳士がエリィ・マクダエルを買い取るのであろうか。


(あっあっあ♥ やめて♥ あそこいじらないで♥ お尻の中見せないで♥ みんなを……あぁ♥ ごめんなさい♥ ごめんなさいぃぃぃぃぃっ♥♥)


 それは神の視点を持つ者にしか分からない。分かっていたところで、哀れで惨めな奴隷に堕ちる女に教えてやる義理はない。むしろ、教えてやらない方が悦に浸る光景になるのは明白だ。


【売買は恙無く進む……絶頂命令だ! 顧客へのアピールチャンス!】


「了解、絶頂します。3、2、1、イキます」


(いぎゅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ!!♥♥♥♥♥)


 エリィ以外の意思が売り手に買われるための努力を惜しまない。エリィ以外の意思が彼女の行く先を決める。

 彼女の意識を観測する者は俯瞰者にしか叶わない。あるいはエリィを買う者が気まぐれに知りたがるかもしれない。全ては彼女以外の意思によって決まることだ――――――――



【セックスマシーン08 マンコLv150/エロデバフ・『イキ癖』『全裸』『発情』『淫語癖』『ケツ毛』『縦割れアナル』『脱肛癖』『ぼっこりアナル』『バキューム癖』『喉イキ』『精液狂い』『ザーメン吸引機』『蛸壺名器』『ミミズ千匹』】


【to be continued……?】


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