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いつもご支援ありがとうございます。療養の甲斐があり、どうにか普通の生活に戻ることができました。

ひとまず人並みの姿勢を取ることができるようになったので、先日から執筆も再開し始めています。ただ一週間も動きを止めるとスケジュールとモチベが色々と危険なことになっているので、FANBOXの更新は今しばらく滞ってしまいます。支援者の方々に普段通りのペースで作品を届けられるよう努力して参ります。暫しお待ちいただければ幸いです。上位プランなども来週のどこかで折を見て書き上げられればと考えています。

今日はリハビリに書いてみたペコリーヌの強制支配による調教物になります。久しぶりに書きたくなったのですが、続きを書くかは気分次第です。いや妙に伸びて、けど今書き上げるの無理だな、となった。リハビリだしもう少し短く纏められるものにするべきでしたね。


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「えぇい忌々しい!」


 ランドソル王家の荘厳な王城に恰幅の良い男の苛立ちに塗れた声が響き渡った。その大声は、広い城の中で孤独に霧散していく。男の周りには彼の護衛しか付いておらず、衛兵たちは彼の機嫌を取る術を持たない。故に沈黙をするし、主人である男自身も咎めようなどとは思っていなかった。当たり前のことを当たり前にこなす道端の小石をいちいち気にする者がどこにいる、という考え方だ。

 当然ながら、男の思考は傲慢極まりないものだ。人を人であると認識こそしているが、貴族である彼にとっては文字通りの〝記号〟でしかない。凝り固まった選民思想が透けて見えている。


「ユースティアナめ、要らぬ知恵ばかり付けおって。神輿は神輿らしく、吾輩たちに担がれてだけおれば良いものを!」


 そんな選民思想の貴族侯爵が怒りを向ける相手はそう多くはない。何故なら彼が、ゴウシンが掌握した権力で大概の者を黙らせることができるからだ。無論、職権乱用も甚だしいものであるため、今不敬にも吐き捨てた陛下に知られればタダでは済まない。しかし、かの陛下を見下して小馬鹿にしているゴウシンからすれば、当然という言葉では足りぬ常識的な行為でしかなかった。

 ランドソル王国を統治する現政権、アストライア王家の正当後継者は僅か十代の少女、ユースティアナ・フォン・アストライアである。前政権で起きた様々な問題から紆余曲折を経て引き継がれた政権ではあったが、不満が噴出しないわけがない。というより、ゴウシンがわざわざ不満の種にしていると言うべきか。

 本来なら幼く未熟だが王家としての志を大きな胸に秘める少女を支えていくのが貴族議会のはずが、前政権に媚びへつらい権力を得ていたゴウシンは、要らぬことまで掘り返そうとする少女の存在を疎ましく思っていた。もっとも、その〝要らぬこと〟がゴウシンの立場を揺るがす不正の塊であるのは言うまでもなく、彼が一方的にユースティアナ、ギルド『美食殿』ではペコリーヌを名乗る少女に恨みつらみを吐き出しているだけだ。

 当初は前政権より都合の良い神輿として担ぎ出す魂胆だったのだが、これが全く上手くいかない。王家として正しい善政を敷く行為は、ゴウシンの望む物ではなかった。言ってしまえば自意識が強い女王など、ゴウシンの私腹が痛むばかりで都合が悪いのだ。

 彼女の耳に情報が入らぬよう上手く工作はしているが、行動派のペコリーヌを抑え切ることが出来ていない。あれでいて聡い部分があるのは認めざるを得ない。ゴウシンが隠し立てをしているのはとっくに気づいているだろう。


「まったく。血筋だけの小娘が、小賢しい知恵を付け始めたものだ。早めに手を打たねばならぬな」


 ペコリーヌには都合の良い神輿でいてもらわねばならない。これはゴウシンの野望のみならず、とある筋からの望みでもある。さもなくば、ランドソル王家を直接的に取り潰せと――――軍事的なクーデターも視野に入れたそれは、言い逃れできない反乱だ。

 本来なら遠くない未来、ゴウシンは金で雇った者たちを率いて本物の蜂起を行い、そして大々的に失敗することになる。先の部下たちとて、ゴウシンがまだ権力を持ち得ているから従っているだけで、彼自身を慕っている者は多くない。打算や損得勘定で積み上げられた信頼など、初めからあってないようなものなのだ。

 あらゆる人間を見下す男に訪れる未来は幅広いとは到底言えない。殆どが破滅への道行きに至る。ゴウシンにとって救いのない結末であろう。


「……ちっ。そういえば、宝物庫に何やら運び込まれたと言っていたな。なぜ吾輩が確認せねばならぬのだ」


 自慢の長髭を指で摘んで、またも苛立たしげにゴウシンは呻いた。夜も拭けた今頃は贅を尽くした自室に篭もり、お気に入りの一品で優雅な時間を過ごしているはずだったのに、思い出したくない業務を浮かべてしまい辟易としたのだ。

 王宮の宝物庫には様々な財宝が保管されている。当然だが、王家の資産とも言える貴重な保管庫においそれと入れる人間はいない。即ち出し入れなどの管理も相応の人間でなければならないということだ。

 ペコリーヌに情報が行き届かぬようにしている手前、細かな面はゴウシン自ら動かねばままならない時がある。完全に自業自得でしかないのだが、部下に任せられない雑務に彼は身勝手な怒りを隠し切れずにいた。彼がペコリーヌの成長に焦りを覚え、クーデターを虎視眈々と進めることに何ら躊躇いを持っていない証拠でもあった。


 まず身に染み付いた傲慢を捨てなければ、ゴウシンという男に未来はない。彼は物語の端役として事を終えるだろう。

 そのはずだった。誰もが疑わないはずだった。しかし、ゴウシンが仕方なく、部下に押し付けず自らの手で行った宝物庫の整理によって、この時間のランドソル王国は大きく変貌することを彼自身すら知り得ない――――――知った瞬間、ゴウシンは生涯に感じたどの歓喜より得難い悦びを覚えたのだ。





「ご機嫌麗しゅうございます。本日はユースティアナ陛下自ら御足労いただき、ありがとうございます」


 相変わらずおべっかを使うことに長けたゴウシンの歓迎を苦笑気味に受け入れながら、ペコリーヌは彼の執務室に招かれていた。

 招かれた、という表現が的確であるかどうかは定かではない。曲がりなりにも一国のプリンセスが、配下である貴族に〝呼びつけられる〟という形式が傍から見ればおかしいと分かるからこそ定かでないのだ。

 主へ敬意を表しているように見えて、その実忠誠心は怪しい。如何に人がいいペコリーヌといえど、ゴウシンの内心と人となりは何となく理解していた。けれど、初めから対話を諦めるつもりがないのがペコリーヌらしさだ。真摯に向き合い、足りない部分を補う努力をし続ける。自分の国作りを分かってもらえるまで、彼女はそうすると決めたのだ。

 それこそゴウシンが無謀な軍事クーデターでも起こさない限り、ペコリーヌは彼の反逆を取り立てて潰すことはしない。


「いえいえ〜。ゴウシンさんがどうしてもお渡ししたいものがあるって聞いてますから」

「おぉ、そうなのです! 実は今朝、眠られているあの方々にまつわる宝物を発見したのですよ」

「っ、本当ですか!?」

「ええ。こちらです」


 今も眠っている父と母、形式的には先々代の統治者ということになるペコリーヌの両親。彼らに由来する宝物があるのは彼女も初耳だった。

 ゴウシンから渡されたモノを傷つけぬようペコリーヌは注意を払って手のひらに乗せた。それは小さな宝石を飾ったイヤリングらしく、宝石は目映いほどの輝きを放っていた。が、どこか禍々しい色をしている。


「これ耳飾りですよね? 王家の装備みたいなものなんでしょうか?」


 しかし両親に関わりがあるかもしれないと教えられたペコリーヌは、宝石の妖しげな輝きには気づいていないようだ。なまじ、宝物庫の中にあった『王家の装備』を使っているからこそ、警戒心が抜けてしまったのだろう。


「さあ、そこまでは何とも。どうやらマジックアイテムのようですから、陛下が付けてみては如何ですかな?」

「そうですね。試しに付けてみます」


 あからさまな態度のゴウシンに対しても、ペコリーヌは疑うことなくイヤリングを耳に付けてしまう。効果が分からないなら試してみればいい。一人旅もこなし魔物料理を易々と食せる胆力と行動力は、ゴウシンとってあまりに好都合な抜け道だ。

 まさかペコリーヌも配下が直接怪しい道具を渡して付けさせるなど、夢にも思わなかったはずだ。ペコリーヌの耳朶にパチンとクリップが挟まり、艶めかしい金髪の隙間から妖しい色のイヤリングが揺蕩う光景に、ゴウシンは遂に醜悪な笑みを隠さずに言葉を重ねた。


「無事に付けてくださいましたな陛下……いいや、ユースティアナ・フォン・アストライア。吾輩の国を無知で支配する愚かな王女よ」

「何も起きないです……え? ゴウシンさん?」


 態度の変貌が唐突過ぎたのか、ペコリーヌは王家の装備のような変化のないイヤリングに小首を傾げたところで、ようやくゴウシンの〝反逆〟を理解したらしい。

 当然と言えば当然の反応だ。個人的感情はどうあれ、ゴウシンは現政権の重鎮だ。そんな男がプリンセスに面と向かって無知や愚かなど、無能と蔑む罵倒を繰り出せばどうなるかは火を見るより明らかだ。いくらペコリーヌが穏健と言えど、不敬を見逃すことはできない。せいぜい、ゴウシンが再び身の振り方を変えて頭を垂れて蹲うことをすれば、聞かなかったことに出来る程度だ。

 けれどゴウシンは身の振り方を変えたりはしない。振りかざした反逆の手をさらに掲げるために言葉を続けた。


「今よりこの国は吾輩のモノである。ユースティアナ、貴様がこのゴウシン様に忠誠を誓うことでな!」

「え、えっと、その……」


 もちろん、反逆の意志はペコリーヌにも伝わる。ただ、マヌケなクーデターに呆気に取られる気持ちの方が強いようで、彼女は眉根を顰めて困り果てた表情を浮かべた。

 クーデターならクーデターらしく、ゴウシンが叫んだ途端に兵がなだれ込んでくる、などということはない。人払いがされているのか、執務室はゴウシンの声高な不敬宣言にシンと静まり返っていた。

 だからペコリーヌは反応に困っている。王家の装備も健在である以上、武闘派を名乗れる彼女かゴウシンに力で劣るはずがない。二度目の言葉を聞き間違いて済ませることも出来ないため、咄嗟にどうすればいいか分からなくなったのだ。

 ましてや、ゴウシンに忠誠を誓うなど口が滑っても叶わない現実だ。悪逆な反乱分子に成り下がったゴウシンを相手に、この国の女王が忠誠を誓うことは〝ありえない〟。


 キィンッ♥


「とりあえず、ゴウシンさんのお話を――――はい♥ ユースティアナ・フォン・アストライアは♥ ゴウシン様に忠誠を誓います♥」


 ところが、ペコリーヌの口から零れた言葉はゴウシンの弁明を求めるモノではなく、そのれっきとした忠誠の誓い、隷属の証、服従の心――――――ユースティアナの名をかけて、反逆の家臣に媚び諂うモノだった。


「へ……えぇ!?」

「ぐふふ。言質は取れたようだな。これでアストライア王家は吾輩の〝配下〟だ。そうであるな、ユースティアナ」

「ち、ちがいま……はい♥ アストライア王家は、ゴウシン様の言いなり奴隷族です♥ ……ちょ、ちょっと待ってください! なんで、どうして……!?」


 ペコリーヌの声がゴウシンに応じている。それはペコリーヌ自身が認めざるを得ないものだった。

 自分の喉が、聞いたこともない甘声を出していた。想い人に対しても出したことのない蕩けるようなメス声で、髭を生やした豚のような男に彼女は媚びて忠誠を誓っているのだ。彼女の中で驚愕が膨れ上がり、顔を真っ青にして言葉にならない悲鳴を上げるのも無理はなかった。


「いいぞいいぞ。クク、本当なら指輪の方が都合が良かったか? まあ、それは追々首輪代わりにくれてやるわ」

「え、あ……!!」


 そこまで言われて、何を示唆しているか否が応でも気づく。

 ゴウシンの強権を許すきっかけなど、この部屋に来てから一つしか思い浮かばない。ペコリーヌは己の耳に付けてしまったイヤリングを取り外そうと手を伸ばす。


「動くな! 両手は頭の後ろに置き、両脚は無様に開け!」

「はひぃっん♥♥」


 瞬間、バチバチと劈くような耳鳴りが響き、ペコリーヌの身体は動きを止めてしまった。正確には、彼女の意思を遮って〝何か〟が動き出した。

 脳髄を麻痺させる電流を浴びて情けない声を上げたペコリーヌは、イヤリングを外す気など欠片もない動きを強いられた。

 両手は降参のバンザイに似た腋見せポーズ。両脚は王女としてあるまじき大開脚をキメて、スカートの中身が見えてしまうほど外側へとガニ股を開く。

 王女が煌びやかなドレスのまま魅せる【ガニ股腋見せ屈服ポーズ】は、ゴウシンが鼻息を荒くしズボンの中の精をぶちまけかけるほどドスケベ下品な光景であった。


「いや、いやぁぁぁぁぁぁ! 駄目、駄目です! やめてください! やめさせて……誰か、誰か来てください!!」

「無駄なことを。今来たところで、王女の貴様が下品な姿勢で吾輩を誘っているようにしか見られぬわ。それとも、配下の前でもう一度〝誓う〟か?」

「っ!!」


 想像し、ペコリーヌはみっともない姿勢で身体を震わせる。快活な小娘の怯えきった姿に溜飲を下げたゴウシンが、くつくつと笑って声を発する。


「こうも上手くいくとはな。やはり貴様はこの国を統治するに値しない。これからは、吾輩の言いなりになるが良い。さすれば、吾輩の創る面白き世を見せよう。無能な王女に代わり、吾輩が支配してやろう!」

「支配して……そんなの間違ってます! ゴウシンさん、あなたを第二の覇瞳皇帝にするわけには」

「黙れユースティアナ。無能な王女の戯言など聞く耳持たぬわ」


 今は統治者としての資質、考え方を協議する場ではない。罠にはめられたマヌケな王女に立場を弁えさせるための時間だ。

 ゴウシンが手を叩くと、彼の側近であるメイドたちがゾロゾロと現れた。何をするかと思えば、屈服ポーズを取ったまま行動を封じられたペコリーヌのドレスを手際よく脱がし始める。


「や、やめてください! この人に従ったら……きゃあぁぁぁぁぁ!」


 王女の言葉にメイドたちが耳を傾けることはなく、ペコリーヌの身ぐるみはあっという間に剥がされていった。ゴウシンに従う者は多くない。メイドたちは、そんな彼が財貨をチラつかせることなく自由に動かせる数少ない手駒たちだ。全員揃って女の使用人という時点で、どういう手段を用いているかは理解が容易いだろう。

 何せ、今まさに無能な王女と見下すペコリーヌの身体を裸に剥かせているのだ。私腹を肥やす小物貴族の目的を多く予想する意味はない。


「前々から身体だけは良いと思っていたのだ。その耳飾りと吾輩の力で、これから存分に躾をしてやろう」

「何なんですか、このイヤリング! 自分の身体が、言うことを聞かないなんて……!」


 ゴウシンの言葉を聞くと、なぜか全身が動かなくなる。口は勝手に言葉を紡ぎ、身体はこのような辱めのポーズを喜んで取ってしまう。

 まるで〝呪い〟だ。戦慄するペコリーヌにゴウシンは勝ち誇った顔で応えた。


「ぐふふ、知りたいか? その耳飾りはな、付けた者を〝支配〟する力を持つのだ。支配とはいいモノよな。まさに吾輩に相応しい力だ!」

「そ、そんな」


 いくら何でも、そんな無法な呪いの装備(チートアイテム)が存在していいはずがない。

 だが、実際に存在しているからこそペコリーヌはゴウシンに従わされていた。メイドたちの手で裸に剥かれ、丸裸にされた乙女の艶肌をゴウシンの舐めるような視線に奪われた。羞恥と屈辱に火照る裸体の腋から尻の穴、隅々まで見せつける姿勢というのもペコリーヌの精神を抉る。

 隠そうと思っても隠しきれない豊満な女体が顕になり、ペコリーヌは自らを支配する力の排除を思案する隙さえ与えられず、中枢神経が焼き切れてしまいそうな羞恥の熱に脅かされた。


「いやぁ……♥」

「むほほ。これは想像以上に……良いな。吾輩の言いなりになって王を気取ってもらうだけのつもりだったが、やめだ。もっと本格的な躾をして――――吾輩の性奴隷にしてやる」


 支配の耳飾りで脅しかけ、心を折って言いなりにする。それが当初ゴウシンが予定していた躾だったのだが、支配欲に見せた性豪の片鱗が気分を変容させた。

 美しい。普段は小娘と蔑む少女の裸体の〝良さ〟をゴウシンは一目で看破した。成熟した女とは異なる若く艶めかしい肌は、王家の血が為せる技か、流浪の旅を終えたしなやかながら素晴らしい減り張りを持ち合わせている。

 胸は育ち続け、これから百センチは下らない爆乳になるだろう。それでいて垂れと無縁の張りを持つ。クビレた腰は、ゴウシンが使ってきたどの女より掴み心地が良さそうだ。反対に尻は『たぷんっ♥』とデカケツとして肉を付けている。陰毛が茂った秘部は、想い人はいれど純血が保たれた王女のメスマンコ。

 およそ、ゴウシンのような俗物の理性が耐えられる魅力ではない。どの道、支配するのなら長い付き合いになる。彼女は神輿だ。従順になるなら排除する理由がない。排除する理由がないなら、対外共にゴウシンの〝自由〟にしていいということだ。

 彼の視線に嬲られ、ぞわりと総毛立つペコリーヌ。彼女に過失があったとするならば、それは偏に〝魅力的なドスケベボディ〟の王女だったという点だけだ。


「さあ、今一度誓え。吾輩への忠誠を、深々と頭を垂れてな」

「んおっひぃぃぃぃっ♥♥♥」


 〝支配〟の力はペコリーヌの忠誠神経を電流と快楽によって刺激し、制圧する。言葉と姿勢の命令を同時に受けたペコリーヌは、半開きにした口から情けない嬌声を漏らしてしまう。そのまま曲げていた膝をさらに折り曲げ、床にガクンと突き、爆乳と金髪を執務室の床に擦り付けた。

 ランドソルに伝わる〝屈服〟の最終段階。最早何も差し出すものがない。けれど許しを乞う必要がある。哀れに堕ちた人権のない者が用いる最後の手段。

 それを王家の末裔が、美しい王女が一介の貴族如きにしてしまう。裸の王女が繰り出す全身全霊の土下座。ゴウシンという男が国を支配したと我欲を全幅に満たすためだけに、ペコリーヌはケツを剥き晒して言葉を発した。


「わたし、ユースティアナ・フォン・アストライアは♥ ゴウシン様に絶対の忠誠を誓います♥ 無能無様な王女の代わりにこの国を統治していただけること、心より感謝申し上げます♥ つ、つきましては……いや……やめ――――わたしが専属の奴隷妻として♥ ゴウシン様のお側にて♥ どのようなことでも承ります♥ エッチな身体だけが取り柄のエロ王女を♥ 沢山躾てください、ゴウシン様ぁ♥」


 ふりっ♥ ふりっ♥ ふりっ♥ ふりっ♥


 王女の冠すら奪われ、心身共に没落したペコリーヌが豊満なケツを掲げて振って媚を売る。精神の抵抗も虚しく、王家の資格をあっさりと手放してしまう。頭を垂れた床には滂沱のような波が滴り落ちているが、それは何の意味も価値も持たない。


 こうして知られざるクーデターは成功してしまった。逆賊となるはずの男に〝支配〟されたペコリーヌは、ただ彼の言葉に従うだけの性奴隷と成り果てたのだった。





 彼女が付けてしまったイヤリングは、どこからか紛れ込んだチートアイテム。もう少し詳細を明かすと、ゴウシンどころかペコリーヌにさえ伝わらない。この〝世界〟が生み出された際、試験的に必要とされたNPC制御用のアイテムだ。

 今はこのような物がなくともNPCと呼ばれるキャラクターたちは、自律的に稼働を続けている。であれば、このアイテムは用済みとして廃棄されて然るべきだ。

 何の因果かそうならなかった制御アイテムは、幾度となく行われた世界改変の暴走によってシステムが書き換わり、制御の対象をNPC(ノンプレイヤーキャラクター)からPC(プレイヤーキャラクター)へと変質してしまった。

 以前までの〝ループ〟に存在したか定かではないチートアイテム。それが幸運にもゴウシンの手に渡り、不幸にもペコリーヌの身体に取り付けられてしまった。

 製作者の意図しない禁止行為を咎められる者はもういない。この世界は既に管理を離れ、独りでに稼働する〝本物と見紛う世界〟だ。

 故にどうにもならない。NPCが相手だからとあらゆる改変制御を想定されたアイテムは、ゴウシンという欲望の担い手を得て、彼の意志が命ずるままにペコリーヌを〝支配〟した。


「んむっ♥ ちゅ♥ ちゅるるるぅ♥ じゅるっ♥ ぷはっ♥ や、やだ♥ いやです♥ ユウキくん、助け……んちゅうぅぅぅぅぅぅ♥♥」


 半ばゴウシンの私室と化した王宮の客室に押しやられたペコリーヌは、彼との濃密なベーゼを余儀なくされて悔し涙を流す。想い人との思い出を汚される濃厚な口付けを何度も何度も、命じられれば自分からも行わなければいけない。

 裸で憎たらしい男に抱きつき、爪先を立たせてキスを貪る。少女の自尊心を傷つけるには十分だった。

 しかも〝支配〟の影響はペコリーヌの正常だった精神にも及んでおり、キスを重ねる度に身体が異様に火照り、腰がクネクネといやらしく踊り、内股から僅かだが蜜が溢れ始めている。全てゴウシンが〝命じた〟通り、奴隷妻としての支配されている証左だ。


「中々上手いではないか。無駄な道楽に興じていただけはあるな。先に口の躾をしてやろう。ユースティアナよ、床に跪くのだ」

「あぁっ♥」


 命じられる度に身体が熱くなる。耳元で劈く淫猥な音色にペコリーヌが吐息を漏らした頃には、彼女の身体は命じられた姿を晒していた。

 唇にかかった糸を生乳に滴らせる扇情的な面でゴウシンを見上げる。両脚を畳んだ全裸正座というガニ股や土下座とはまた異なる服従の姿勢を取らされた。すると、彼女の視界には大きなモノが分かりやすく映り込む。柔らかい身体を押し付ける度に硬く押し返していたゴウシンの一部分、否、分身だ。


「ひぃっ!?♥ な、な、なんですか、それは……♥」


 仰々しい衣服を脱いだゴウシンの股間から聳え立つ逸物に、ペコリーヌは生理的な嫌悪と支配された肉体の悦びが綯い交ぜになった言葉を零した。

 異形は飽きるほど目にしてきた。自分より大きな魔物に立ち向かい、斬り伏せた経験は少なくない。だが、ゴウシンが突き出したモノは訳が違った。

 血が巡る証を脈動させた巨大な竿は手首より太く、カリ首は酷く大きい。亀頭は鮮烈に赤く膨張し、ペコリーヌの肌にマーキングせんと透明な汁を先走らせている。

 凶悪な肉棒だ。戦士や王女としてではなく、メスとしてオスに屈した。今ペコリーヌは、純然たる生娘として性豪な貴族に心をへし折られかけたのだ。

 平時なら恐怖に震えるだけで済んだ。しかし、ペコリーヌはゴウシンに〝支配〟されている。彼女が覚えた感情を出力〝させる〟ことなど、赤子の手をひねるより容易いということだ。


「知らぬか? いや、吾輩ほど大きなモノを見たことがないのであろう。思ったことを事細かに、嘘偽りなく告げてみよ。貴様、吾輩を誰のモノと比べた?」

「あぁ、いやぁ……ゆ、ユウキくん、です♥ 前に♥ 偶然見た、ユウキくんのおちんちんと比べちゃいました……あぁぁぁぁぁ♥」


 男の逸物の前で全裸正座しながら、想い人の〝おちんちん〟と長さ比べをした。どこまでも人として恥ずかしいことを強いられ、ペコリーヌは顔を真っ赤にして俯いた。


「ふん、初心だが興味がないわけではないか。とんだ淫乱な王女よ。ならば今一つ、吾輩とその小僧、どちらが男として優れておる?」

「っ、それは……」


 言いたくないと顔を上げるペコリーヌだが、目の前の男に、肉棒に逆らうことは許されない。支配から脱せられなかった艶めかしい唇は、決して形にしてはならなかった真実を語るべく歪んだ。


「……ご、ゴウシン様です♥ ゴウシン様のおちんちんの方が、ユウキくんよりずっと♥ ずーっと♥ オスとして優れています♥ メスの子宮がきゅんきゅんして♥ おまんこ発情止まりませんっ♥」


 あぁ、とペコリーヌが悲痛な吐息を漏らすが、一度出た真実は撤回しようがない。嘘偽りなく事細かに告げよと言われた以上、今のペコリーヌが感じたモノを伝えるしかなかった。ゴウシンの逸物は、彼女の想い人より確かに強大だった。オスとして優れていると言わざるを得なかったのだ。


「当然だな。あんな小僧と物比べで勝ったところで誇りにもなりはしないが……ユースティアナ、具体的にはどこかどう吾輩の方が優れているのだ? その口で伝えるのだ」

「っ〜〜〜〜〜♥」


 興味がないと言いながら、ゴウシンは尚もペコリーヌの評価を求めた。彼女を辱めたい。ユウキとのチンポ比べをペコリーヌにさせて、彼女が一番傷つくと分かっているからわざとやらせているのだ。

 殺意すら込めた視線でゴウシンを睨みつけるペコリーヌだが、視線は彼のデカマラとデブ腹に遮られて全く届かない。


「ご、ゴウシン様のおちんちんは、ユウキくんのモノより大きいです♥ 形も長さも比べ物になりません♥ ゴウシン様のおちんちんが剣なら、ユウキくんのおちんちんは木の棒です♥ オス失格のクソザコ粗チンポです♥」


 代わりに、言葉がゴウシンに届けられた。


「カリ首はちっちゃくて情けない♥ 皮も被ってました♥ 多分、精通もしてない童貞ちんちんです♥ ゴウシン様のご立派な陰嚢に比べて、手のひらで握り潰せそうな雑魚キンタマ♥ 今思い出しても、おまんこ全然きゅんきゅんしません♥ 童貞の癖にチン玉にろくなザーメンを溜めてない粗チンと♥ ゴウシン様の最強おちんちんを比べること自体烏滸がましいです♥ …………ゆ、許してください♥ もう勘弁してくださいぃ……♥」


 王女の口から吐き出されたとは思えない下品な罵詈雑言にゴウシンの肉棒が滾っていく一方、ペコリーヌは反抗心を完全にへし折られた顔で涙と鼻水を垂れ流す。

 ゴウシンとユウキを比べるなら、彼女は嘘偽りなくユウキを選んでいた。しかし、チンポ比べとなれば話は違う。女になれた性豪の貴族と、多くの少女たちと絆を紡ぎながら未だ身体を交わすことができていない童貞とでは、格があまりに違いすぎた。見てしまった以上嘘はつけない。勃起と未勃起の差はあれど、ゴウシンの逸物はユウキと全てが違った。これだけは〝支配〟がなくとも覆ることない明確な差だ。

 逞しいという言葉では足りない。立派という賞賛でも物足りない。ペコリーヌは支配に促される形とはいえ、ゴウシンがオスとして優れたることを認めてしまう。猛々しい巨根の存在がペコリーヌの脳にこびりついた。


「むふふ、良い〝本音〟が聞けて嬉しいぞユースティアナ。では、貴様が褒めちぎったモノをその口でしゃぶれ。愛する者を慈しむように、丁寧にな」

「…………は、い♥」


 自分に出来るのは、ゴウシンの言葉を聞いて実行することだけだと、骨の髄まで教え込まされる。これはそういう〝躾〟だと思い知らされ、ペコリーヌは首を縦に振った。


(ゴウシンさんのおちんちん、大きすぎます……! 臭いも強くて、こんなのが男の人のモノだなんて……)


 かといって納得できたのかと言えば全くの否であろう。相変わらず強引な支配を受け続けていることに変わりはないため、逆らえないと分かれば尚更嫌悪感が増す。

 眼前に押し付けられた剛直は巨大だ。これより大きな食材を幾つも見てきたペコリーヌだが、それらとさえ威圧感が段違いだ。

 生臭いモノを口に含みたくないと腰が引ける。けれど顔はジリジリと近づいてしまう。矛盾を孕んだ身体は、しかし支配による従順が勝った。震える薄紅が鈴口を捉える。王女の顔面を穢したくて堪らない亀頭はダラダラと汁を零し続けており、ペコリーヌの唇はそれを遠慮なく啜った。


「んちゅ♥ ずず、ずずず、ぢゅうぅぅぅぅ……お、おぇぇぇぇ♥♥」


 フェラチオの前にチンポにキスをしたペコリーヌは、理性の葛藤で少女らしからぬ嗚咽を吐き出してしまう。彼女の醜態を見たゴウシンが大層愉快だと笑った。


「クク、どうしたユースティアナ。美食を語るいつもの貴様はどこへいった? そら、好物を頬張るようにしゃぶってみせるのだ」

「ん、んんっ♥ ひゃら、ひゃめへ……んちゅっ、んぢゅるるるぅぅぅぅぅぅ〜〜♥♥」


 ペコリーヌの頭部を手で抑え込んだゴウシンは、彼女の喉奥に肉棒を引きずり落としていった。擦っているのは命令に殉じたペコリーヌの擬似的な意志によるものだが、彼は征服欲を満たせれば何だって構わなかった。

 鼻で嗅ぐだけで頭がおかしくなりそうな臭いを今度は口に放り込まれた。吐き気に見舞われ、今度こそ嘔吐紛いの声を上げるかと思われたが。


「じゅぼっ♥ ぶちゅっ、ぶちゅるるる♥ ずるずりゅりゅりゅ♥ ずぶびっ♥ ぢゅぽぢゅろろぢゅぽぽぉ♥♥」

「おぉ、良い。良いぞユースティアナよ」

「んぶっ!?♥ ん、んんんっ!!?♥」


 ペコリーヌの口はあろうことかゴウシンの肉棒を〝愛おしく〟舐め回して〝丁寧に〟ご奉仕する。唇で吸い付いて唾液をコーティングし、我慢汁を呑んで射精を煽り、舌は見事な使い方でカリ首の裏側から尿道に至るまでをしっかりと舐め上げる。

 全て無意識で行われていたため、褒められたペコリーヌはギョッとなり口を離そうとした。ところが、命令によって最も逆らえない場所に力を込めたことで、ペコリーヌの口元は恐ろしい勢いで変容してしまう。


「ずぼぼぼっ♥ ずびっ、ずびずび♥ ずびびび、ずぼびぃぃぃぃっ♥♥ んぼっ、んぼぼ、んぼぉぉぉぉぉ〜〜♥」

「ぶははは! ユースティアナ、貴様は吾輩を笑い殺したいのか? ぶはははははは!!」


 それはゴウシンが腹の底から笑ってしまうくらいマヌケで無様な面だった。

 口から肉棒を放り出すため必死に顔を引くペコリーヌだが、自身の凄まじい吸引力を甘くみすぎていた。吸い付いた唇は離れるどころか鱈子のように捲れて、それでも全く離れないために頬が無意味に伸びて窪みを作る。

 チンポから離れようという気力が全く感じられないひょっとこ不細工バキュームフェラ。悲痛な顔を見せているつもりなのだろうが、今のペコリーヌは乙女どころか人であることを捨てた雌豚だ。


「ぐぽっぐぽっ♥ くぼぐぼ♥ は、はふぁひへ♥ んぼっ、おぼぼぼ、ずぼぼぼぼぼ♥ ずびずびっ♥ おぶっ、んぶおぉぉぉぉぉっ♥♥」

「ぐふふ、そろそろ良かろう。射精するぞ、ユースティアナ。一滴残らず口の中にため込め!」


 どぷっ♥ どぷとぷどぷどぷどぷ♥ どぷぷぷぷっ♥ ぼびゅぼびゅぼびるうぅぅぅぅぅぅぅ♥


「んぶっ、ごぶぶっ♥ おぶぼぉぉぉぉぉぉ♥」


 バキュームをピタリと止めた途端に噴出し、口内に放り込まれる白濁液。燃え広がる性臭にペコリーヌは白目を剥き、それでも身体はゴウシンの意のままに動く。鼻からザーメンを『ぶびゅっっ♥』と噴射するみっともない様相を呈しながら、その口内に濃厚な精液溜を孕ませる。


「ようし、口を開いて中を見せるのだ」

「じゅぽ、じゅぷ……じゅぽっ♥ んあぁ……♥」


 むわぁぁぁ……♥


 口内で燃えるように広がったザーメンの臭いが、ペコリーヌの口臭となって攪拌する。喉奥が見えないほど溜まった濁り汁に加えて、顔面や口内に溜まった巨根の縮れ毛が下品なことこの上ない。涙も枯れ果てたように、口を開けたペコリーヌが虚ろな目でゴウシンを見上げる。口内から立ち上る臭いに身体が興奮している現状に、絶望しているのかもしれない。


「よぉし、ゆっくり口の中で慣らしてから飲み干せ。これから毎日、貴様の主食となるザーメンをな」

「んぶっ、お゛ぇ……♥」


 ぐじゅぐじゅっ、ぐちゅっ♥ ぐっちゅぐちゅぐちゅもっちゃもっちゃ、くちゃくちゃくちゃっ♥


 絶望するのはまだまだ先だとゴウシンの命令は容赦なく飛ぶ。感じ方を変えられようと、気色が悪く吐き気を催す事実だけは変わらないザーメンを咀嚼しながら飲み干す。今生で一番最悪の食事に違いなかった。これを毎日など、死んだ方がマシだと言わざるを得ないほどに。


「――――吐け、ユースティアナ」

「ん、は……?」


 命令を理解できない。ベチャベチャに汚れたペコリーヌの顔面がポカンと間の抜けきった表情へと変わった。

 しかし次の瞬間、命令に殉じようとした胃が行動を起こした。だがボトンと胃に落ちたばかりのザーメンを吐き出すことは不可能だったのか、逆流したのは形のない空気だった。


「んぶっ、お゛ぇ゛♥ だべっ、やべで……お゛ごげっ、うげ……ンゲェェェェェェェェェェェェェェェェェェーーーーーップゥ♥♥♥♥」 


 げぇ、げぇぇぇぇぷっ。と、ペコリーヌの口からありえならざるモノが飛び出した。ザーメンゲップ。理屈は胃と食道から口外へ空気が逆流する現象だが、実際に目の当たりにした時の衝撃は理屈で語り切れるものではない。

 絶世の美少女がひょっとこフェラでザーメンを飲み干しただけでも計り知れない衝撃度だと言うのに、その上でザーメンゲップ。胃の中で臭いがより強みを増し、客間を雄の臭いで染め上げる勢いで吐き出された。ここはもう二度と客人を呼ぶことが出来ないだろう。あるいは、王女が特大のザーメンゲップをぶちまけた部屋として紹介する方が余程客が入るかもしれない。


「おーおー、少しはプリンセスとしての恥じらいを持って欲しいものだな……んん?」

「……っ、っ……ぉ゛♥」

「気を失いおったか。所詮は小娘だな」


 むしろよく保った方だ。無理やり身体を操られ、五感すら制御されて辱めを受けたのだ。もっと早く意識を飛ばすべきところを、自分が吐き出した精液の口臭に遂に耐えられなくなった。

 白濁に塗れた舌を出し、ザーメンの鼻水を垂らして白目を剥いたペコリーヌは完全に失神してしまっていた。


「まあいい。これからじっくり躾てやろう。この国の王女に相応しいように、な」


 引いては、国の支配者に相応しい奴隷妻になるように。ゴウシンの欲望は、野望は、この時間は、まだ始まったばかりだ――――――


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久しぶりに書いた気がするゴウシンさん。もう遠慮なくゲスの立ち回りさせられるから楽しい。ペコ編は完結させられたらいいなぁ……。

前書きの通り、まだ暫くはストックを切り崩す更新になりそうです。ご迷惑をお掛けします。一日でも早くいつも通りの更新ペースを取り戻せるよう、遅れ分を頑張って参ります。

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