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いつもご支援ありがとうございます。次の更新こそは上位プランを!と粘りましたがモチベは上がらんわ風邪こじらせるわで散々でした。一旦諦めて有償依頼で書いたこちらをお届けします……次の更新は趣味のやつですが、その次からはしっかり上位プランの更新頑張ります。我ながら月によってムラがありすぎる。

ちなみにタイトル通り二種のエンディングが分岐してる豪華(?)仕様です。片方は状態変化、固めに該当するので閲覧の際はご注意を。


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「本日は我が屋敷へようこそ、八神はやて二等陸佐殿。ささ、お寛ぎください。お茶でもどうぞ」

「お気遣い感謝します。ですがお構いなく。今日はわたしがお礼を伝えに来た立場ですから……」


 ――――何かやり辛いんよなぁ、この人。

 と、青年に促される形でソファーに腰を落ち着けたはやては、はぁと内心でため息を零した。

 機動六課解散後、はやてはとある事件の調査を行っていた。巨大な事件が解決した後だからこそ、時空管理局が揺らいでいる今だからこそ、犯罪組織は必ずその魔の手をあらゆる世界に伸ばすだろう。

 仲間たちと連携し、事に当たっていたはやては先日、巨大な犯罪組織のうちの一つを撲滅することに成功した。

 無論、簡単な話ではなかった。巨大な犯罪組織というのだから、撲滅までの道のりは長く険しく根気が必要〝だった〟。


「でも驚きました。一体、どこから彼らの情報を?」


 それが急転直下で解決したのは、犯罪組織の根幹を揺るがす情報がはやてに流れてきたからだ。

 どんな潜入捜査官であろうと、その情報を手に入れるのは容易ではない。それほどの情報を目の前の青年が所有していたというのは、情報提供を受けたはやて自身にわかには信じがたく、礼を伝えに来たと言った建前を崩して思わず問いかけてしまった。


「こういった事業をやっていると、人との繋がりが重要になるものですから……ああ、管理局に目をつけられるような反社との繋がりはありませんよ」


 もちろん、知っておいででしょうが、と付け加えた青年にはやては愛想笑いを返す。自らも〝タヌキ〟と称される策略家の彼女ではあるが、これは彼も大概だなと確信した。

 青年は様々な分野に手を伸ばす実業家だというのが、彼自身が告げた職業だ。それ自体は疑う余地がない。情報提供を受けた際、はやてが調べたことでもある。

 実業家として優秀なのは、はやてが招かれたこの屋敷のスケールを見れば一目瞭然だ。妻子を持たない男が住むには大きすぎる屋敷は、見栄や酔狂だけで維持できるものではない。それだけでなく、彼の有能さは管理局の部署によっては有名なようだ。

 主に実働部隊であるはやてとは関わりがなかった人間だが、まさかこうした形で関わり合いになるとは夢にも思っていなかった。まあ、こういった人物と〝パイプ〟を作っておくのは得な面が多い。たとえはやてから見て胡散臭いと言わざるを得ない態度だったとしても、と彼女はカップに注がれたお茶で喉を潤しながら思案をした。


「それで――――まだ他にも情報があるというのは、本当ですか?」


 そんな怪しい人間の〝誘い〟をはやてが受けたのは、一重に彼女の欲する情報を青年が持っているかもしれないからだ。

 情報の正確さはこの目で確かめた。彼の情報がなければ、犯罪組織の撲滅にあと数ヶ月、下手をすれば半年は要した。それだけの情報を握っていた人間から、はやて個人に〝他にも情報がある〟〝気になるのなら屋敷に招く〟と言われれば、はやて側から断る理由はなかった。少なくとも、時空管理局二等陸佐の八神はやてから見れば、だが。


(情報は間違いなく当たりなんやけど、受け取らせたがってるのがわたし個人っていうところがなぁ……まあリンカーコアは持ってないみたいやし、問題ないとは思うけど)


 一転して『八神はやて』という人間の目から見て、彼は信頼したくない人物であると言わざるを得なかった。その気持ちは、こうして直に顔を合わせて晴れるどころか強くなっている。

 そもそも巨大な犯罪組織を壊滅させる情報を、反社との繋がりがないと謳う青年が持っている、という点があまりに胡散臭い。しかも彼は、その情報源を露骨にはぐらかした。情報を提供した側が情報源を伏せるのは致し方ない事情があるか、何か後ろめたいことがあるかの二択だが、応答の雰囲気から恐らくは後者だとはやては予見している。

 そんな怪しむべき男の誘いをはやてが単身で受け入れたのは、彼の化けの皮を剥がすためだ。管理局の調査では得られなかった〝何か〟を直接話すことで暴くことができるかもしれない。


(……これでほんまもんの良い人やったら、平謝りするしかないわ)


 もちろん、これらははやての想像でしかない。職業柄で疑うことが増えて、すっかり精神が成熟した自分のやり口にはやては内心で苦笑をする。

 理由もなく疑っているわけではない。だが、あれだけの情報を無償で提供した後に、別の情報をチラつかせて屋敷へ招くようなやり方を警戒するなという方が今のはやてには難しい。

 大きな情報で信頼を得て懐に入り込む。そう怪しんでしまったら止まらない。ならば虎穴に入らずんば虎子を得ず、だ。

 それに自嘲するほど怪しんでこそいるが、情報提供に感謝をしているのは本当だ。故にはやては〝一人〟で屋敷を訪れた――――魔力を持たない一般人相手に遅れは取らないと確信をしたから。


「ああ、そのことですが……」

「情報提供料、ですか? わたしに出来ることでしたら」


 言葉を遮り、傍から見れば少し汚いかもしれない話をはやては口にした。

 あれだけの情報提供をして、何も求めて来ない方が不自然だ。どんな関係性であろうと、大なり小なり対価があって然るべき。それがやがて信頼という形に昇華される。

 一度目はともかく、二度目までタダというのは厚かましいにも程がある。だからはやては、敢えて彼側から切り出しにくいことを先回りして告げた。

 だが、青年から告げられた言葉は意外なほどあっさりしたものだった。


「いや、提供料はいただいていますよ。以前の分も含めて、はやてさんに直接お会いできたことが何よりの報酬です。やはり、電子で切り取られた情報では得られない……実際に、その美しいお顔を見てみたい。そう思っていたのです」

「へ? えっと……」


 ひょっとしてこれは、口説かれているのだろうか。あまりに真っ直ぐな物言いに、はやてはらしくもなく赤面してしまう。

 というのも、はやては立場上色眼鏡で見られることが多い。若くして管理局で出世をしたこと。それ以上に、闇の書事件の当事者――――闇の書と呼ばれた存在の最後の主として、局内で後ろ指を指されたのは一度や二度ではない。

 それが払拭され始めたのは、JS事件を解決したつい先日の話なのだ。背景が複雑化した闇の書事件の問題を受け止める覚悟を決め、十年近い時間を自由になった足で歩き続けてきたはやては、得てしてこういったスキルだけは成長しなかった。

 慣れない口説き文句に思わず茶を飲み、文字通りにお茶を濁したはやて。


「……ぇ?」


 瞬間、はやては声を零した。否、言葉を発しようとして、それが出てくることなく消えたことに疑問を感じた。

 その疑問が氷解するより早く、はやての身体は弛緩した。カップを床に落とし、ソファーに身体が吸い寄せられ――――最後に青年が笑った顔を見ながら、その意識を喪神した。




「魔導師は魔力を基準に考える癖があるな……いや、彼女は魔導騎士と名乗っているのだったか? あのユニゾンデバイスくらいは持ち込むと思って準備をしていたが、思ったより楽に済んだな」


 まあ、彼からすればどちらでも構わない。青年がその手で髪を撫でる無防備な少女は、彼の術中にあっさりと嵌ってしまった。その事実が確認できればいい。

 彼女は腹の探り合いをそれなりに得意としていたようだが、成り上がりで培った処世術という点では青年の方が上だった。

 魔導師は魔法を使えない人間を無意識で下に見ている。それは間違っていない。特にはやてほどの魔導師ならば、デバイスを介さずとも一般人を一秒足らずで制圧することはあまりに容易い。

 しかし、人間一人を無力化するのに魔法を使う必要はない。たとえば青年がお茶に入れた成分は、一定量を摂取した途端に意識を深く喪神させる。魔法のように即効性はないが、どれだけ摂れば喪神するかを知っていれば、両方のお茶に同じものを注いで自分だけが眠らずにいられる、ということもできる――――たった今、はやてに彼が仕掛けたようにだ。


「さて、無粋な服にはご退場願おうか」


 深い眠りについた若い少女の身を守る管理局の制服。規律からすれば規則正しく、彼から言わせれば地味すぎる制服を彼は躊躇いなく脱がせていった。それはシャツや下着の類にまで及び、はやてはあっという間に一糸纏わぬ無防備な姿を晒した。

 美しい裸身だ。小柄な体躯ながら出るところは出て、引っ込むところは引っ込んでいる。減り張りのある若々しい女体。成長と共に未熟な部分が削ぎ落とされて膨らんだ胸に、何よりも男のモノを迎え入れる女性器の神秘性と清純さが、青年の情欲を堪らなく唆った。


「美しいな。あの日、見込んだ通りの身体だ……」


 裸身を指でなぞりながら、彼は一人で悦に浸る。八神はやてという少女の身体を暴き、青年は彼女との出会いを滔々と思い返した。

 はやてと〝出会った〟のは画面越しだ。つまり、はやてからは出会っていない。彼は一方的に彼女のことを知ったのだ。

 目にしたのは必然だった。ミッドチルダを揺るがせたJS事件の功労者といえば、高町なのは、フェイト・テスタロッサ・ハラオウン、八神はやての三人と誰もが知るところだ。メディア的な露出が多くなればなるほど目にする機会は増えていく。それ以前に、実業家の彼がはやてを目にしないということがまず有り得なかった。

 いつ目にしたかはさほど重要ではない。肝心なことは、青年がはやてに邪な想いを抱いたということだ。

 理屈ではなく直感で青年は思った。誰か一人を手に入れるのなら八神はやてがいい。しかしそれは恋慕とは言えない醜悪で醜いもの――――八神はやてを隷属させ、自分だけの所有物としたいという捻じ曲がった願望だった。


「さあ始めるとしようか、はやて」


 裸に剥いたはやてを抱き抱える。それは姫君を抱えるものではなく、最高の性奴隷の〝素材〟を抱えたというだけのことだ。



 屋敷の地下室へとはやてを運び入れた青年は、幾つかある装置の中の一つへ裸の彼女を拘束した。

 拘束といっても、恥部や頭部に電極のようなものを取り付けて装置の中に寝かせただけだ。蓋が開いたカプセル状のベッドに、股を開いた姿勢で寝かされたはやて。

 その格好は非常に無様だ。両手を投げ出し、裸で脚を大きくガニ股に開いた姿。恐らくは敢えて無様に見せたかったのだろう。


「素晴らしい……」


 裸に剥かれてガニ股で寝かされた少女を見て、青年は恍惚とした笑みを浮かべた。美少女を無様に飾ることを悦ぶ面が、彼の倒錯的な嗜好を如実に感じさせた。

 それをおかしいと指摘できる人間はここにいない。青年に仲間はおらず、はやてが深い眠りから目覚めることはない。

 そうして下品なポーズではやてを装置の中に寝かせた青年は、近くのコンソールを叩いて装置を稼働させる。


「まだ試作品だが〝元が元〟だからな。改良を加えた今なら、十分に効果を発揮するはずだ」


 駆動音を立てて怪しげな装置が起動を知らせる。彼の言う通り、はやてを繋いだこの装置は完全な試作型で完成はしていない。が、効果は折り紙付きだ。

 何故なら、これは彼女たちが解決したJS事件――――ジェイル・スカリエッティが残した装置の一部を青年が引き継いだものなのだから。

 悪辣な研究者が残した装置を気狂いの嗜好を持つ青年が受け継いだ。それだけで〝最悪〟を予見するのは充分であろう。

 装置が電極へ電気信号を送り出す。その〝最悪〟は、はやての身に降りかかる形で日の目を見た。


「イグッ!!♥♥♥♥」


 電気信号がはやての脳髄に到達したその瞬間、彼女を美少女たらしめる整った面は無様下品に崩れ去った。

 突如として見開かれた目は上擦り、鼻の下は伸び、舌はヨダレを垂らして突き出され、ガニ股がビクッと鋭く跳ねて愛液を四散させた。全身を激しく痙攣させた姿と合わせれば、八神はやてがエクスタシーに達したのは火を見るより明らかだった。


「イグッ♥ イクイクイクッ♥♥ イグゥゥゥ〜〜〜〜〜〜♥♥♥♥ おいくっ♥ あっ、イグッ!♥♥ またイグ、イグーーッ!!♥♥♥♥」


 喉奥をだらしのない口の開き方で見せつけたはやてが、饒舌だが馬鹿の一つ覚えで『イク』と叫び続ける。言葉通り、はやては電気信号による絶頂でイキ続けていた。

 先ほどまで美しく寝入っていた魔導師の少女が、アヘ顔で愛液と潮吹きを噴射する光景は青年からすれば絶景の一言だ。


 かの科学者から無断で受け継いだこの機械は【洗脳装置】だ。

 ジェイル・スカリエッティは自らが勝利した際、管理局の魔導師を道具として扱うつもりだったようだ。自らの人形たちだけではなく、生身の魔導師をも洗脳して使役するための装置。結果的にスカリエッティが敗れ去ったことで、その装置が使用されることはなかった。

 だが、それを独自のルートで秘密裏に回収した青年が運用、改良を重ねたことで、巡り巡って事件解決当事者であるはやてが洗脳装置に繋がれることとなった。

 とんだ運命があったものだと青年は笑う――――と言っても、青年の手で改良が加えられた時点で、装置の内部はほとんど別物だ。


「いぐっ、いぐいぐいぐっ、イグゥッ!♥♥♥♥」


 ちょろろろろ、じょろろろろろ……♥


 でなければ、粛々と行われるべき洗脳に性的な感覚を付与などしない。イカせ続けることで洗脳への抵抗力を奪うと言えば聞こえはいいが、実態はイキ続けて失禁までしてしまった偉大な魔導騎士の無様な様子を観察し、青年が楽しみたいというだけのことだ。




 アヘ顔を晒して絶頂し続けたはやては――――荘厳な教会を模した一室に連れ出された。


「良いよ、はやて。凄く似合っている……性奴隷に相応しいドレスだ」


 鐘の音が鳴り響く明るい教会に、はやてのウェディングドレス姿。その光景は正しく愛する者同士の誓いだ――――胸が暴かれ、スカートがその股間を露にする卑猥な露出ドレスでなければ、まだそう誤魔化しが効いたかもしれない。

 実態は青年の言葉通り、はやては性奴隷に相応しい格好で式に立たされていた。しかし彼女は恥部が丸出しになった恥ずかしいドレスを着て、彼にニコリと笑いかけた。


「はい♥ ありがとうございます、ご主人様♥」


 その返答は性奴隷に似つかわしい。意志というものが感じられない虚ろな目は、はやてが洗脳状態であるという何よりの証だった。


「では、誓いの証を受け取ってくれ」


 はやての返答に満足気な首肯をした青年は、彼女の首にある物を取り付けた。

 純白のドレスと相反する赤黒い首輪。およそ人間に着けるには相応しいとは言えず、けれど奴隷という立場には相応の首輪。それははやてにとって主人からのエンゲージリングに等しいものだ。


「さあ、誓いの言葉を」


 あとは隷属の誓いを口にすれば、八神はやては名実共に青年の〝所有物〟となる。

 好みの卑猥なウェディングドレスを着せ、美しい女に隷属の誓いを口にさせる。正しく思い描いていた光景をそのまま得ることが出来た青年の心は酷く高揚していた。


「はい、わたしはご主人様だけの性奴隷になることを誓い――――――」

「……はやて?」


 しかし、その昂りは誓いの言葉が不自然に途絶えたことで、冷水をかけられたように静まった。


「ち、誓う……わけ、ないやろ! この変態!!」


 一瞬の静寂を打ち破ったのは『八神はやて』の叫び声だ。洗脳されたはやてではなく、間違いなく『八神はやて』の声に青年は目を見開いた。


「あないな装置で、女を操ろうなんて……ほんま、最ッ低な男がいたもんや! そない男に嵌められたわたしも、とんだマヌケやけどな……!!」

「……なるほど。自力で洗脳を解いたのか。さすがはオーバーSランクを超える魔導師だな」


 誓う直前にはやての意識が強烈な拒絶反応を見せ、思考制御を打ち破ったのだろう。

 スカリエッティが生み出した装置を改良した洗脳装置だったが、あくまで〝試作品〟の域を出ない代物だったということだろう。はやてが『歩くロストロギア』と称される莫大な魔力を持っていることも加味し、より綿密な調整が必要ということかもしれない。

 だが、不完全な洗脳装置でも効果がないというわけではない。実際、先ほどまでは充分な効果を発揮していたのだ。それに、青年に向かって牙を向けるように吠えているはやてが〝何もしない〟事実が、洗脳装置の力を確かに示していた。


「意識の縛りを解いたとしても、身体の縛りは難しいようだね」

「な……舐め、るんや、ない……! こないな戒め、程度で……ッ!」


 意識は戻ったが、洗脳装置の効果が完全に消えた訳ではない。どうやら男の命令なく動くことができない認識は生きているようで、はやては身体の自由が効かず僅かに身悶えをするだけに留まっていた。

 恥辱のドレスを脱ぐことも、恥部を隠すこともできない。まして、己の首に取り付けられた隷属の首輪を解くことができなければ、青年を挫くことは夢のまた夢だ。


「無駄だ。仮に解けたとしても、その首輪を君の力で取り外すことは不可能だからね。魔法が使えない君は、ただの非力な女だ」

「っ……まさかAMFを利用して……」


 魔導師が魔力を封じられれば、それは単なる人間に成り下がる。どれだけ魔力を鍛え上げようが、使うことができなければ全く意味がない。

 はやての喉笛を圧迫する首輪は、魔力の行使を制限する魔導師殺しの道具だ。付けるまでが問題となる首輪式だが、隷属の誓いを言葉にする手前まで洗脳されていたはやてに付けるのなら、正しくついで感覚で行えた作業だった。


「しかし、弱ったな」

「はっ。ご自慢の洗脳装置でわたしを操り切れなくて残念やったなぁ? 悪いけど二度目は……」

「ああ、別にそのことはいい――――隷属の誓いがあっさり過ぎて、少し物足りなかったところだ。やはり性奴隷に結婚式を模したものは高尚すぎた」


 思考の洗脳を解いた〝程度〟でいきがる小娘に青年は平然と言葉を返した。

 物足りなかった。そう、彼はこの結婚式に興奮と高揚感を覚えたが、多少の物足りなさも感じていた。

 せっかく八神はやてに誓わせるのだから、あのようにあっさりとしたモノで良いのか。このように煌びやかなモノで良いのか――――もっと彼女に相応しい言葉があるはずだ。

 弱ったというのはそういう意味だ。彼は己の未熟を恥じた。自分で自分の嗜好を読み切れていなかった。彼女に何を言わせるべきか、何が似合うのか。それをもう少し考えておくべきだった。その時間が洗脳装置を使ってしまっては、用意し切れないと考えたのだ。


「そうだな。こちらとしても考える時間が欲しい……決めた。はやて、君は調教で屈服させることにしたよ」

「は?」


 罠に嵌めて洗脳装置を使って辱め、挙句の果てに乙女が少なからず夢見るウェディングドレスを卑猥に改造したものを勝手に着せてそれが高尚すぎると苦言し、はやてを性奴隷扱いして憚らない身勝手さ。

 事実を陳列しただけで怒りが煮え滾る思いだ。こんな男の誘いに乗って術中に嵌ったことにも苛立つが、女を所有物のように扱う青年に何より怒りが立ち上る。

 こんな男に従うなどありえない。調教で屈服など鼻で笑える冗談を口にした青年を相手に、はやては唯一自由に動くその唇で啖呵を切った。


「やれるもんならやってみぃ。けどな、わたしはアンタみたいな下衆で最低な奴に屈したりせぇへん。媚びたりもせぇへん。必ず耐えて、アンタを表に引きずり出して罪を償わせてやるから――――覚悟しときや!!」



 その日、青年は屋敷を出て駆けずり回っていた。

 彼には本業がある。それを疎かにしては、せっかく手に入れた地位から失落し、用意した手札が気づけばなくなっていた……ということも有り得るのだ。魔導師ではない彼は、努力して得た強大な富と地位をその身一つで維持をする必要がある。

 それ以外に彼は根回しをしなければならなかった。八神はやての〝失踪〟という大事件が表沙汰になるまで、彼女と自分のアリバイが必要だ。

 はやてが失踪した場所がこの屋敷であるという真実を隠すため、彼女の〝居場所〟を新しく生み出す。本当の失踪日から、つまりは屋敷を訪れた日から数日間、各所を移動していたという偽りの情報を作る。そうすることで、はやては全く別の場所で姿を消したと思わせ、青年は失踪前のはやてが直接言葉を交わしたうちの一人でしかなくなり、容疑者から遠い立場にいられるわけだ。真相に近づけさせないようにするためのトリック作りに彼は連日勤しんでいた。


「やれやれ。信頼のおける人間が少ないと難儀なものだな」


 はやて一人を手に入れるために涙ぐましい努力を怠らない青年は、そういった作業を終えて夜遅くに屋敷へ戻る。

 しばらくは基盤作りに忙しい。何事も大元がしっかりしていないとあっさり崩れてしまう。だからこそ彼は最初に洗脳という手段を取ったのだが、それで満足できないと自分で自分を理解してしまったのだから、そのツケは自らで払わなければならない。

 それは十分に理解していたことだが、これでは彼女に言わせる隷属の言葉をじっくり考える暇もない。堅苦しいネクタイを解き首を振る青年は、疲労感を振り払うように屋敷のとある一室を訪れた。


「おっと」


 仰々しい扉を開く直前、彼は思い出したように扉横に立てかけられたマスクを口につけた。

 マスクと言っても一般的な布マスクなどではなく、本格的な防護マスク。毒などを吸い込まないために必要なものだ。

 部屋の中には毒が蔓延している。それを知っているからこそ、彼は日の終わりに必ず防護マスクを付けてその部屋に入る。


 扉を開けると、目に見える特殊な色のガスが部屋中に漂っている。一定の温度下でしか効果を発揮せず、時間が経つと無害な空気になる特殊ガス。

 逆に言えば、温度が管理された部屋に流し込めば、空気と共に人間の身体に吸い込まれるということだ。

 ガスのための温度調節によって少し冷えた部屋の中央。


「ッヘェ♥ は、あ゛っ♥♥ ふーっ、フーッ♥ んおぉぉぉぉ……っ♥」


 その中心の人物だけは、部屋の温度に反して熱い吐息を発し、かっぴろげられた鼻の息を荒くして全裸を激しく痙攣させている。

 毒と称したガスだが、それは青年にとって毒というだけで、部屋に閉じ込めた彼女にはまた別の意味になる。毒は毒でも媚薬毒――――人の身体に吸収されると、無害になる前に強烈な感度上昇効果を及ぼすガスなのだ。

 それを三日三晩吸わされれば気が狂う。ちなみに、固定用のバーで全身を戒められ、空中で後ろ手を縛れて太股とふくらはぎを付けた足裏を向かい合わせる無様ポーズで拘束されたはやては、三方向からの鼻フックと開口器でたっぷりとガスを吸って二日目。つまりあと一日もすれば、はやては全身の過敏すぎる反応で気が狂うはずなのだが。


「フーッ♥ フー……ッ!♥」

「大した精神力だ」


 はやては毎夜、青年が訪れる度に睨みを返して反抗の意志を示していた。もっとも、鼻フックと開口器に加え、ヨダレと鼻水と涙でぐちゃぐちゃになった面は完全な顔面崩壊の不細工顔。そのような顔で睨みをきかせたところで、滑稽以外の何物でもない。

 だから青年もはやての精神力を賞賛する言葉を向けているものの、どちらかと言えばその無様で滑稽な姿を楽しんでいると言うべきなのだろう。


「あと少しだけ待っていてくれ。仕事を片付けたら、君をじっくり調教する時間が作れそうなんだ」

「〜〜〜〜〜〜〜〜っ♥」


 それまではここで下拵え――――結局青年がはやてを媚薬ガスの部屋から出したのは、それから三日経っての頃だった。




 青年の手で身体を洗脳され、魔力を封じられたはやては、自分を屈服させに来る調教の日々を過ごすことになった。


 監禁部屋から解放されたはやては、屋敷の豪奢な一室を与えられた。男の手で調教が行われている時以外は、屋敷の中で自由に過ごしていいと彼女は告げられた。

 だがそれは客人の自由ではない。管理された家畜、奴隷としての自由だ。事実として、はやては奴隷調教に望ましい格好と幾つもの禁止事項に戒められている。

 衣服は当たり前のように取り上げられ、彼女の身に存在するのは魔力封じの首輪と、新たに付けられた無骨な貞操帯。業腹なあの青年は、はやての秘所に〝触れない〟と宣言をして、貞操帯で鍵をかけてしまった。

 首輪に貞操帯という人間の女として最底辺に近い格好を余儀なくされたはやて。しかし、彼女を蝕むものは格好ではなく、自分自身の身体とある禁止事項だった。


「はぁ、はぁ……はぅっ♥」

(あかん……屋敷から抜け出す方法を、考えよう思うたのに……ベッドに寝てるだけで、つらいっ♥)


 ――――身体に循環した媚薬がもたらした絶対的な性衝動。

 今すぐアソコを掻き毟りたい。さもなくば、胸を揉みしだいて尻穴を穿ってしまいたい。はやてが望まぬはやての意志が裡から叫んでいる。

 だがはやては高ぶる身体を慰められない。両手はワナワナと震えるだけで、敏感な乳首をシーツに擦ることさえ許されない。

 禁止事項の一つ『自慰行為の禁止』に妨げられたはやては、無理やり押し付けられた性欲の解消を封じられ、全く自由ではない時間を気が狂いそうになりながら過ごす羽目になっていた。


 そうして自由の時間を過ごしていると、直に屈辱の時間が始まる。部屋の扉を開けた人間の気配に、はやてはギリッと奥歯を噛んで起き上がった。


「苦しそうだね」

「……こ、こないなもの。なんてことな……っ!!?♥」


 しかし、起き上がって睨め付けたはやての視線は、露骨なまでに下へと下へと落ちていく。

 過敏な感覚と嗅覚が青年の顔ではなく下半身へと。もっと具体的なモノで表現するならば、剥き出しになったペニスに集中した。


「ふーっ♥ フーッ、フーッ♥♥」


 ずくんずくんと身体が疼き。キュンキュンと子宮が啼く。浅ましくて恥ずかしいのに、はやては目を逸らせなかった。

 濃厚な臭いを醸し出す巨大な肉の塊。ただそれだけのモノが、今のはやてにはとてつもない馳走にしか見えなかった。


「ふ、ぐっ♥」


 思わず口を抑えてしまう。だが、目を逸らすまでには至らなかった。そうしてはやてが手をこまねいている間に、青年はペニスを露出させた気軽すぎる格好で彼女の目の前に立つ。


「もう一度聞くが……苦しそうだな?」

「だ、誰のせいやと……っ!」


 暗に〝それ〟を認める発言をした口を再度戒めるはやてだが、一度繰り出した言葉はなかったことにならない。

 そもそも、この状態で耐えていられるはやてが異常なのだ。三日三晩吸い続ければ精神が崩壊し、快楽を求めるだけの痴女に成り果て、最悪廃人化する媚薬ガスを五日以上吸い続け、会話が成り立っている方がおかしい。

 だが所詮は痩せ我慢に過ぎない。彼女が〝何が一番気持ちいいか〟を本能的に理解している。でなければ、剥き出しのペニスに鼻息を荒くするはしたない行為をするはずがない。

 強がりを口にするはやて――――その鼻に亀頭を押し付ける。


「やめ……ぶごっ♥♥♥」


 グリッと鼻先に赤い丸みが押し込まれた瞬間、はやてが身体をビクビクと痙攣させながら豚のような声を上げ、見開いた目をぐるんと反転させた。

 鼻の奥に劈くような雄の臭いが迸った。はやてに当てられて勃起したチンポが、鈴口から垂れ流したカウパーを彼女の鼻孔に塗りたくり、流し込む。


「ぶっ、ごっ♥♥ お゛ぉ゛ぉ〜〜♥♥♥」


 たったそれだけのことで、はやてはイキそうなくらいの快感を身体中に駆け巡らせる。腹の底から下品な声を上げ、まるでチンポを嗅いでトリップをしたかのように全身をガクガクと震えさせた。

 貞操帯の排泄穴から湯水のように愛液が垂れる。慰める方法を失ったマンコが、もっとも分かりやすく快楽を与えてくれる物に膣壁からありったけの淫汁を滴らせて媚を売っている。


「これだけ広がれば鼻フックも必要なさそうだな。奴隷としての自覚がもう芽生えてきたか?」

「〜〜〜〜っ♥」


 誰がそんなものに芽生えるかと睨みつけたいのに、はやての視線は鼻に押し付けられるチンポに浅ましく釘付けになっている。鼻フックも無しに不細工な広がりを見せていると揶揄されて尚、フンフンと鼻息を荒くしてチンポの臭いを嗅ぎ続けた。

 そして挙句の果てに、青年がチンポを手で扱いて射精を放つ瞬間まで、はやては抵抗らしい抵抗ができないままだった。


 ドピュッ♥ びゅくびゅくびゅくびゅく〜〜♥


「ぅ゛お゛っ♥♥♥♥」


 解き放たれた精液がはやての画面に飛び散る。特に広がっていた鼻の穴には大量の白濁液がこびりつき、はやては白目を剥いて汚らしいイキ声を上げ、ベッドの上にふらりと仰向けに倒れ込んだ。

 ピクピクと貞操帯と首輪の裸身を痙攣させ、カエルのように四肢を投げ出して気を失うはやて。その姿は全力で犯されイキ狂った牝豚のようだ。が、実態はまだ鼻先にチンポを擦り付けただけ。


「ぉ♥ おひ……っ♥♥」

「……ふむ。これは、早めに言葉を考えておかねばならないかもしれないな」


 独り言ちる青年の悩みなど露ほども知らず、はやては白濁液に塗れた白目アヘ顔を晒していた。



 青年は自分とはやてのアリバイ工作を終えた頃を境に、彼女を毎日のように調教で嬲りものにした。

 と言っても四六時中ではない。彼も信頼できる仲間(手駒)が多いとは言えない立場の人間。一日のうちはやてに掛けられる時間は、それほど多くはなかった。

 ――――それ故にはやての地獄は濃密だった。

 落差とでも言うべきか。媚薬に犯された身体で悶えることが殆どとはいえ、人間らしい自由が与えられる時間と、奴隷調教という人としての尊厳が喪失した時間。

 このうち、尊厳の剥奪という点がはやての心を大きく踏み躙った。青年にとって性奴隷とはどんなものかを如実に語る屈服調教。それは、人間が持つ最低限の尊厳さえも快楽に変えてしまう悪魔のようなモノだ。


「いややぁぁぁぁぁぁぁ! もう、もう堪忍してぇぇぇぇ!」


 青年のような男には絶対に媚びたりしないとは、確かはやてが言った言葉だ。

 それが泣き叫ぶ彼女の悲鳴で虚しいモノへと変わる味わいは、彼女の尻を眺める青年からすればとてつもなく心地が良いのであろう。

 しゃがんで突き出された尻に突き刺さった『蓋』。それを外して欲しいとはやての腹が地鳴りの如き鳴き声を上げている。けれど、はやての心は嫌だ嫌だと涙目で喚いている。


「嫌といっても、人間なら出すものは出さないと辛いだけだろう? それにこれでも譲歩しているつもりだが……」


 排便。それは、人間ならば必ず必要な行為だ。雄も雌も関係なく、八神はやてのように歩くロストロギアと呼ばれたSSランクの魔導師だろうと、出さなければ生きていけない。

 それを他人に干渉されるのは陵辱。それを他人に鑑賞されるのは恥辱。だから青年もそこだけは譲歩した。

 はやての腹に溜まっているのは単なる排泄物ではない。首輪によって強制的に封じ込められた膨大な魔力。不条理な封印で身体に溜まってしまった魔力で不要なモノを除去させた後、ある物質にして尻穴から排泄させる。

 言うなれば〝擬似便〟だ。本物の排泄でなければ何も恥ずかしがることは無い……などとうら若き乙女が思えるはずもないだろう。

 尻穴からモノをひり出す。言葉にするだけなら簡単だが、実行に人の目があることに耐えられる人間はそうはいない。


「な、ならせめて、普通のところでさせて……こないな恥ずかしいもんに跨らせんといてぇ!!♥」


 ましてそれが――――幼児用のオマルなどという、成熟しかけた少女を馬鹿にしたものに跨ってするとなれば、はやての自尊心は猛烈な勢いですり減る。

 人であればあるほど。乙女であろうとすればするほど。そのプライドは粉々に打ち砕かれていく。本来なら青年を一蹴できる最強クラスの魔導師が、オマルを握って大便をひり出すポーズで排泄を必死に我慢する。

 滑稽極まりない。そして何度も言うように、魔導師としてどれだけ優れていようと生理現象は抑えられるものではない。


「お゛っ!?♥♥ ほぉぉぉぉぉぉ……っ!!♥♥♥」


 ズルズルと『蓋』が引きずり出され、大きなパール状の玩具に引っ張られた肛門が『ブピッ♥』とみっともない音を立てた。

 それによって堰を切ったようにはやての腹の奥から擬似排泄物が直腸を滑り落ちた。弱りきった括約筋で防げるものではなく、はやての尻穴を大きく捲る形を作り、白色の流動体がオマルの中に噴射された。


 ぶりゅりゅぶりぶりぶりっ、ずるるるるるっ、ぶぼぼぼぼぶりぶりぶりぶりぶぶびゅぶりゅうぅぅぅぅぅぅ♥


「んほおおぉおおおぉぉぉおおおおおおおおおおおぉぉぉおおおおおおおおおおおっ!!?♥♥♥♥」


 直腸を滑り落ちてきた白色の流動体は、肛門で止まるどころか加速をかけ、力強く下品な音を奏でながらオマルに着弾する。

 オマルに跨ったはやては、鼻の下と頬を品性の欠片も感じられない蕩けたものにして、鮮烈なアクメ声を張り上げた。排泄というものがどれだけの解放感をもたらすのかを奴隷の身体に教えられる。排泄でイクことがどれほど恥ずかしく、惨めで、家畜以下であるのかを自覚させられる。




 人間どころか家畜以下。それをはやては毎日のように自覚を促された。

 擬似便を見せつけながらイクのは当たり前。胸をずっと揉みしだかれることもあった。尻を常に撫で回されることもあった。キスだけでイカされることも、腋の下を擽られて悶えて愛液を吹き出すことも。何もかも、あらゆる恥を赤裸々にされることは〝当たり前〟になっていた。


 けれど――――ただ一つに触れられないだけで、はやての心はそれらの屈辱以上に悶えていたと言っても過言ではなかった。


「ハァーッ♥♥ ハァーッ……♥」


 今日も、否、今日はいつも以上にはやては余裕を無くしてベッドの上で呼吸だけをしていた。

 彼女自身はそのつもりでも、身体の反応は違う。仰向けになって顔を両腕で覆っているはやての腰は、何かを求めるように『カクカク♥』『ヘコヘコ♥』と猥りがましいダンスを踊っていた。それが無自覚だというのだから、はやての身体はとっくに限界を迎えているのだろう。

 連日度重なる調教ははやての心を蝕んだ。そして、連日の度重なる自由ははやての限界を引きずり出させた。


(イキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいイキたいっ♥♥ まんこまんこまんこまんこまんこっ♥♥ おまんこで、イキたいっ♥♥♥)


 ――――自慰行為の禁止はジワジワとはやてを蝕んでいた。アソコを使えない、使ってもらえないもどかしさはもはや止めようがない。媚薬ガスに犯された身体は、純粋な性行為のためにある女性器を激しく欲していた。貞操帯と禁止事項の壁と、調教中に決して触れてくれないもどかしさ。

 それでも調教の時間ならまだ誤魔化せる。どのような辱めであれ、気持ちがいいからだ。しかし自由な時間は違う。何も出来ない。自由であるはずのはやては、自慰行為の禁止というただ一点によって、秘部で得られる快楽の代用すら求めることができないのだ。

 この生殺しから解放される手段はたった一つ――――――


「苦しいだろう?」

「っっっ♥」


 彼に、屈することだ。当たり前のようにはやての部屋に入って、彼女の見下ろして憎たらしい笑みを向けてくる青年。初めは彼が近づけば必ず察して立ち上がっていたはやても、今やその接近に気づくことができない。声を聞いた途端に腰を『ビクッ♥』と跳ねさせ、媚を売ることは出来ているようだが。

 苦しい。苦しくないわけがなかった。はやての限界は、はやてがよく知っている。人間は快楽を与え続けられることに耐えられるよう設計されていない。苦痛は脳が拒絶の信号を発するが、快楽は拒絶をするものではない。その名の通り、気持ちいいものだからだ。

 それを我慢し続けて苦しくないわけがなかった。もうどんな顔をしていいのか分からず、青年を蕩けた顔で睨みつけるおかしな行動を取るはやて――――そんなはやて以上に、彼は彼女の身体を理解していた。


「俺としても大事な奴隷をこれ以上苦しめるのは心苦しい。そこで提案がある」


 どの口が言うか、とはやては考える……余裕もない。ただ息を荒らげ、気持ちよさより遥かに勝るもどかしさにただ聞き耳を立てた。


「交換条件だ。今後、俺に奴隷として忠誠を誓うなら――――洗脳装置を解除して、今すぐ前の穴を使ってセックスさせてやる」

「ッ!?♥♥」


 それは、今のはやてにとってあまりに絶大な誘惑だった。腰が一気に跳ね上がり、ゴクリと生唾を呑むほどには。同時に、絶対に避けなければいけない選択肢でもあった。


「逆にもし忠誠を誓う気が今もないというなら……君の強靭な意志に負けを認めよう。ただしその場合、洗脳は解除しない。洗脳の縛りは継続――――つまり君は、前の穴で一生イクことが出来ずに過ごすことになる」


 何だそれは。考えるまでもない二択じゃないか、とはやては思った。

 魔導師として信念を貫くのなら、後者を選べばいい。後者を選んで青年を捕まえる。洗脳装置の効果は、仲間の手で解放してもらえる〝かもしれない〟。前の穴でイケないだけなら、全くもって緩すぎる。はやてを舐めているとしか思えない。仮に洗脳装置の解除が出来ずとも、はやては一生前の穴でイケない〝だけ〟なのだ。

 イク方法ならいくらでもある。それは日々の調教ではやてが誰より知っていることだった。


 しかしその快楽がどれほどのものであろうと前の穴に劣ることは、やはり誰よりはやてが知っていることだった。


「ふむ……」


 そして青年は提案を口にしてから、しまったなと吐息を零した。何が失策だったかと言えば――――はやてに言わせる屈服の言葉を考え損ねていたことだ。

 調教を楽しみ、はやての〝限界〟をコントロールしていた青年だったが、楽しみが行き過ぎて後のことを忘れていた。この調教は、はやてを堕とすことより言葉を考えるための時間だったはずなのに、彼らしくない失念をしていたのだ。


 とどのつまり、青年からすればはやてがどちらを選ぶかは当たり前のように分かりきっていたことだった。

 青年の言葉を聞いたはやての選択を知るのは、さほど時間を要するものではなかった。拙い足取りでベッドから降りたはやて。彼女は顔を俯かせたまま硬直して――――頭を垂れた。


「忠誠を、誓います♥」


 土下座をして、頭を垂れた。人が出来る最大限の謝罪にして、持つべき尊厳を投げ出しますと宣言をする全裸土下座で彼女は言葉を重ねた。


「おまんこしたいです♥ おまんこさせてください♥ もう我慢できないんです♥ 他の場所じゃ足りないんです♥ おっぱいを揉まれるより、ケツ穴で脱糞アクメするより、セックスがしたいんです♥ だからなります♥ わたし、八神はやてはご主人様の肉便器♥ 性奴隷になります♥ ならせてくださいお願いします――――牝豚奴隷のはやてと、おまんこセックスしてください!!♥」


 させてやるという厚かましい言葉を受け入れ、マンコが使えない〝だけ〟の緩い選択肢を放り投げてはやては奴隷宣言をした。

 貞操帯のベルトがくい込んだケツを掲げ、頭を床に擦り付け、三指をついて素っ裸で土下座をし、考え得る限りの卑猥な言い回しで屈服した。


「……いいだろう。これでおまえは俺の性奴隷だ、はやて」

「はいっ!♥」


 ――――考えていなかったことで、結果的に最高級の言葉を引き出すことが出来た。

 これはこれで悪くはない。むしろ、彼女自身が考えた言葉で言わせるのは、それ以上ない屈服シーンだ。

 堕ちることまでは必然だったと言わんばかりに傲慢な態度も、はやてが全裸土下座を繰り出す光景があれば傲慢の一言で済ませられるものではない。


 見事にはやてを籠絡させた青年は、〝互いの楽しみ〟だった前の穴をセックスに酔いしれた。


「イクゥ!!♥♥♥♥」


 ぷしゃぁ、と淫乱な汁を吹き上げた少女の身体がベッドの上で仰け反り、その口からあられもない嬌声が迸る。

 絶頂を告げる卑猥な言葉。それは男が腰を突き出して夜天の王の膣内を味わう度、その回数を加速度的に重ねていった。


「イクっ♥ イク、イクイクイクイグゥッ!♥♥♥♥」


 それは人間同士が行う交尾としては最底辺。子を孕むためではなく、互いが気持ちよくなるために腰を打ち付け合うケダモノの交尾。繁殖ではなく、快楽に溺れるだけの落ちぶれセックス。

 だか夜天の王は淫らによがり狂う。股を大きく開き、背を反って薄い乳房を揺らし、喉笛を見せつけて舌根を突き出して鼻の下を伸ばして寄り目を上擦らせて――――全身を痙攣させてマジイキしていた。


「ん゛お゛ぉぉぉぉぉぉっ♥♥ ヤベッ、う゛っほ♥♥♥ お゛ほぉぉぉぉぉぉぉぉ♥♥♥♥」


 それはやがて野太く汚らしいものへと変わった。可憐な少女の腹から出たものとは思えない、品性下劣なオホ声の絶唱に変わる。それは本気も本気で奏でたアクメ声。求めたモノを得られたことで、本能を剥き出しにして叫びを上げた。

 彼女はそれを出したくて出している。ヨダレと鼻水を噴いて吐き出す一切の品性が感じられない下品なアヘ顔。彼女の心と身体が完全に結合し、マンコがチンポを埋めて繋がり合ったことで見せつけるガチイキの下品顔。


「もっど♥ もっどマンコじでぇぇぇぇ♥♥ おくにチンポくださいっ♥ おまんこにせーしびゅるびゅるしてくりゃしゃいぃぃぃぃぃぃ♥♥♥♥」


 だが、まだ足りない。もっと求める。許可を得た。全てを投げ打った。だからはやては腰を自ら打ち付け、顔面崩壊の淫らなアヘ顔でそう叫び上げた。

 もちろん青年の応えは言葉より雄弁なピストンだ。


 どちゅんっっ♥♥


「ん゛ッほォッ♥♥♥♥」


 下品な喘ぎ声を叫び上げ、白目を剥いて鼻提灯を作ったはやて。

 子宮を突き上げられた衝撃でイッた。亀頭をグリグリと押し付けられ、ポルチオを刺激される感覚で果てた。引きずり出され、再び奥底を穿たれる感覚で達した。

 鋭敏な身体の全てで絶頂しているはやては、自身の女体が全く別物に成り果てていることを察していた。

 乙女の華奢な身体が淫乱で鋭敏なモノへ。魔導師の聡明な思考(マルチタスク)が絶頂だけを考える淫らなモノへ。


「お゛っお゛っお゛っ♥♥♥ お゛まんご、イグゥ!!♥♥♥♥ おまんこイグーーーーッ!!♥♥♥♥」


 だからはやては啼き続けた。主人に媚を売った。屈した心からの叫びを吐き出し、性奴隷に相応しいアクメをキメた。

 それは幾度となく膣内に射精されても変わることはない。はやては何も考えない。快楽以外に何も考えられない。考える必要もありはしないと、ただただイクことだけを叫び続けたのだった。


 ドピュルッ♥ ブビュブビュブビュ♥ ドビュルルルルルルルルルル〜♥


「イ゛ッグゥウ゛ゥゥウ゛ゥゥウ゛ゥゥウ゛ゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ♥♥♥♥♥」




「……ッお゛♥♥ ぁ゛お゛……♥」

「ふぅ。たまらんな、これは」


 癖になる。いいや、ならないわけがないと青年は思った。激しすぎセックスで目を剥いて喉を反って気絶し、潰れたカエルのように仰向けで寝転がってザーメンをひり出したはやてを見遣り、心地の良い疲労感を感じる。

 ベッドの上で力尽きたはやてとは対照的に、青年は快楽を味わう余裕があった。手に入れた念願の性奴隷とセックスをし、幾度となく膣内に射精す。自分好みに淫乱スケベな顔と下品な淫語を叫び続けた奴隷を思うがままにハメ倒した。


 ――――故に考える余裕も頭のどこかに残っていたということでもある。


「…………」


 行為を終えた冷静な頭にそれは浮かんだ。果たして八神はやては〝本当に屈服した〟と言えるのだろうか、と。

 あの言葉は本心だった。それは疑う余地のないことだ。しかし、その本心が覆らないという保証はない。

 媚薬ガスで即堕ちしなかった件だけでなく、彼女は試作品とはいえ洗脳装置の呪縛を自力で振り払った。なら快楽に堕ち、全裸土下座という恥を晒したからと言って、それが〝一時的〟な話でない保証はなかった。

 はやての洗脳を解くということは、必然的に彼女を一人にする時間が出来る。これから先の計画次第では、はやての首輪を外すことも考えなければならない。


 その上で――――青年は八神はやての屈服を信じられるのか。


「さて……」


 この女の屈服を彼は――――――――













【屈服信頼END・はやてと創る性なる人生】



 青年は八神はやての屈服を信頼した。当然の選択だ。彼は自らの手腕のみではやてを陥れ、全裸土下座奴隷宣言を引き出した。それは、自分への信頼を何より勝ち取る行為だった。

 青年の信頼は僅かな懸念を上回った。完全に屈服していたはやては、秘密裏に処理しなければならない情報を得て、各地を周り対処していたという表向きの理由を立てることで、時空管理局所属二等陸佐の八神はやてが持つ本来の生活に戻った。

 しかしその裏では、青年の組織設立の功労者にして、情報の隠蔽や有利となる金品、ロストロギアの横流しを行う。さらに青年の情報による捜査で功績を上げ、不正が明るみに出ることのない絶対の信頼を勝ち取っていく。はやては青年の奴隷として、これ以上ないと言える素晴らしい奉仕を捧げたのだ。


 そして管理局の英雄と持て囃される信頼を元手に実績を重ねたはやて。そんな夜天の王と共謀した裏組織の地位を磐石なものとするため、青年はその魔の手を彼女と同じ英雄たちへ伸ばした。


『イグゥッ!!♥♥♥♥』


 モニタに少女のマジイキ顔が映し出されている。鼻水を噴き出し、舌根を突き出してイッた少女の名は高町なのは。

 エースオブエースの名で知られ、件の事件でさらに名を上げた伝説級の魔導師だ。そんな彼女も全身に走る快楽物質の前には、アヘ顔ガニ股で失禁する以外の道はない。


『んほおおおおおおおおおおおおおおおおっ!♥♥♥♥ でりゅ、でりゅイクでりゅでりゅイクゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!♥♥♥♥』


 フェイト・テスタロッサ・ハラオウンがオマルに縛り付けられ、そのケツ穴から極太の黄金ゼリーを延々とひり出してイッている。

 その隣ではガニ股を開いた守護騎士の三人が、外付けで生やされたふたなりチンポを機械に扱かれ、体内の魔力を引きずり出されてアヘ顔射精をしている。

 そのまた隣では、機械の中に上半身を埋め込まれてガニ股逆さま無様ポーズをしたなのはの元部下たちがマンコとアナルをバイブでピストンされてイキ潮を吹き上げている。

 数多の管理局職員たちが、はやてが横流ししたデータで完成した幾つもの洗脳装置にかけられている光景が青年と――――彼女たちを陥れたはやてがセックスする部屋のモニタに映し出されていた。


「素晴らしい成果だ、はやて。流石は俺の一番の性奴隷だな」

「あっあっ♥ ありがとう、ございますっ♥♥ んちゅっ、ちゅぱっ♥ お役に立てて、嬉しいですぅ♥」


 はやての顔面越しに洗脳映像を眺めて悦に浸る青年に抱きつき、彼女は対面キスハメ座位で褒美のセックスを享受している。

 大切な仲間を陥れた罪悪感など欠片ほどもないその顔は、性奴隷として男に仕える悦びが満ち溢れていた。


「わたしは、ご主人様の性奴隷です♥ お゛っ♥♥ 性奴隷で、イさせてください♥ この先ずっと、ご主人様に絶対の忠誠を誓います――――おまんこに誓って、未来永劫ご主人様に仕えます!♥」













【信頼喪失END・永遠の彫像】


 数日後、青年は地下に用意していたある部屋へ足を運んだ。

 そこは、青年が己を信じ切れなかった場合に備えて新設していた場所だ。それを使うということは、彼はある種自分自身を裏切ったということでもある。

 しかし、彼はそれでも構わないと考えていた――――無様な瞬間を永久に飾ることができるのなら、それは青年の全てを永遠に満たしてくれる光景となるのだから。


「ふぅ……いつ見ても心が癒されるな」


 部屋は、ある意味で狂気的と言える。そんな部屋の中で恍惚と笑う男もまた、狂気に呑まれているのだろう。

 鎮座したショーケースにはあらゆるものが飾られている。それはまるで、一種の美術館――――八神はやてという女の全てを飾る美術館だ。


『……ここは、ご主人様の性奴隷である八神はやての証を集めた、博物館、です♥ わたしのバリアジャケット、夜天の書……お、おパンツ、まで♥ 全てが飾られています♥』


 実際に流れてくるはやてのアナウンスも、この場所が八神はやての美術館であり八神はやての博物館であることを示唆していた。

 はやてのバリアジャケット、制服、杖、夜天の書にユニゾンデバイス、果ては穿いていた下着。それらが劣化を防ぐ魔法をかけられた状態で、丁寧に飾り付けられている。それを解説するはやての場内アナウンスが展覧の雰囲気に拍車をかけていた。

 男は中央を見据えることが出来る椅子に座り、リモコンを手に取って音を切り替えた。はやてのアナウンスが、設置されたテレビ――もちろんはやての家から回収したもの――から流れるアナウンサーの声に切り替わる。


『続いては、連日報道されている八神はやて二等陸佐失踪事件の続報です。懸命の捜索にも関わらず、二等陸佐の行方は未だ――――――』


 ちょうど八神はやてが行方不明になった事件のニュースが映し出され、青年は画面に映るはやての顔写真を見てくつくつと笑った。


 何とも滑稽極まりない話だ。そのような顔写真で彼女の何が分かるというのか。本当の八神はやては、青年だけが目にすることができるのだ。


 その証拠に、八神はやては彼の目の前にいる――――物言わぬ卑猥な銅像に成り果てた姿になって。


「初めからこうするべきだったのかもしれないな。まあ、遠回りをしたおかげで色々と上手くいったのも事実だが」


 部屋の中央に噴水のように飾られているのは、八神はやての顔と身体をしたガニ股アヘ顔ダブルピースの品性下劣な銅像。

 これを見てはやてを侮辱されたと思う者は数多くいるだろうが、充実した官能を得られるのはこの世で彼だけかもしれない。その銅像が〝本物〟だと知っているのは、彼を除き他にいないのだから。


 八神はやての屈服を一時的なものと決めた青年は、彼女に命じて自宅の私物、管理局に保存してある彼女の映像記録等の全てを回収させ、アナウンスの録音と合わせてこの部屋に展示した。

 そして彼は永久不変の無様像を作り上げた――――八神はやてを生きたまま石化させることで、彼は彼女が屈服した瞬間を切り取った石像と彼女の所有物全てを並べた部屋を作ることに成功した。好きな時に好きなだけ眺めることが出来る素晴らしい空間を、彼は手に入れたのだ。


「これで君は俺のものだ。その無様な姿で、永遠にな」

『………………………………………………』


 ちょろっ♥ ちょろろろろろろろ……♥


 独り言ちる青年の言葉に、はやての石像がその秘所から水を流し始めた。

 それは彼の所有物であることを認めた証か、あるいは確認する術のないはやての自意識の発露か。


 どちらでも構わない――――八神はやては永久の石化奴隷像となった。青年の悦びは、それだけで満たされるのだから。



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次回は多分明日には届けられるといいなぁって。上位プランが滞ってるので普通の方はちゃんと増やし気味にしたい今日この頃。気にしすぎかもしれませんが性分なんでしょうね。そんなわけで体調戻して頑張ります。

Comments

miya

最初の催眠が解け媚薬漬けの数日の頃の強気な態度から最後の奴隷宣言のギャップが良いですね、特に指示したわけでもなく自分で口上を言わせて奴隷にするのはすごい堕とした感がありました、楽しませて読ませていただきましたありがとうございます。

いかじゅん

ありがとうございます!ギャップと口上はこだわった部分なのでお気に召していただけて嬉しいです!