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いつもご支援ありがとうございます。本日は1ヶ月ぶりにやってきたクヨウ様の時間だよ!お狐神様の無様物語……いや正規ルートだと敵無しの最強キャラなんですけれども!

私なりの復習も兼ねた回となってたり、魔道がさり気なく魔導ってなってたり。初オリジナルで手探り感が凄いですが今回も頑張っていきましょう。

一応王都編の完結でもあります。いや正直〇〇編とかその場のノリで決めてますけど。


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 勇者一行が下水道の探索で得たラバースライムを王城の研究者に回し、分析してもらった結果、その特性と習性から魔導研究所が関わっていることは間違いないと断定された。あれは偶発的ではなく、故意に生み出されたモンスターである。


「あの管理人にも尋問をかけ、情報を吐かせた。あの男は金を握らされていただけだったが、魔導研究所の者が関わっていることは間違いない。使者とはいえ関わりのある人間を使ったのは爪が甘いと言わざるを得んな」

「えっと、どういう風に尋問をしたのかは気になるところではありますけれど……」


 姫騎士が憤りを露にしながら下水道の管理人を締め上げ、手に入れた情報を精査する。僧侶はそのやり方を気にしていたが、国の人間に仇なすような男に情けは無用。むしろ、生きているだけで有難いと思うべきだ、ということなのだろう。


 王都は魔法技術に秀でた国で、その恩恵は帝国の動きを少なからず牽制するほどでもあった。魔道研究所はその技術の一柱を担う施設。何代も前の王から寵愛を受けていたこと、繁栄の手助けもしていたことから王妃でも強引な手段は選び辛い相手だと言う。


「でも、証拠は取れたんだよね?」

「ああ。というより、下水道にあのような魔物を放っているのだ。乗り込めば証拠しか出てこない、という方が正しいかもしれん。……こんな大それたことが出来るのは、あの研究主任をおいて他にない」


 しかし、証拠が明確になった今は話が別だ。テーブルの上に並んだ資料を姫騎士を除いた面々が目を通していく。

 魔導研究所の技術主任。まだ年若いが優秀な人材で、多くの魔法技術に貢献しているという。一見して善人にしか見えないが。


「それも表向きの話だ。帝国から資金援助を受け、王都の情報や魔道研究の成果を横流し……下手をすれば、噂の機械兵器を密かに提供されていることも有り得る」

「機械……使うことを禁じられてるっていう、あの?」


 刀遣いの言葉に姫騎士が神妙な顔でコクリと頷き返した。

 王都と互角の国力を誇る世界有数の大国家【帝国】。この世界の特徴でもあり、近しい土地であろうと全く逆であり別である姿形となる独特な創りの国々の中でも、帝国と王都は最たるものと言えるだろう。

 聖王国と呼ばれる世界有数の騎士国家。血筋と伝統を重んじ、ノブレス・オブリージュの理念を掲げる魔導国、それが王都。

 そして帝国は弱肉強食と唯我独尊を掲げ、己の利益を優先する強国だ。天上天下に我が敵はなし。掲げる信念も、信仰の対象である『神』も、何もかもが聖国の反対を往く存在。

 しかも、この世の摂理から逸脱した技術である機械工学を密かに研究しているという噂も立っている。マナを用いらぬかの技術は、多くの国々に忌諱されるもの。


「ああ、あの珍妙な兵器か。確かにマナはいらぬが、霊脈に無用な傷をつける。遠からず様々な場所に影響が起こるであろうな」

「え……? な、何か知ってるんですか!?」

「ん? まあ今のヌシらには関係のない話じゃ。……はぁ、誰が傷ついた霊脈を修復すると思うておるのじゃまったく」


 一人だけソファーでだらけて狐の尾を振り、話を聞いているんだかいないんだか分からないクヨウの愚痴は届かぬままに消える。


「ともかく。魔導研究所の腐敗をこのまま捨ておけば、この国に甚大な被害をもたらす。そうなれば帝国も黙ってはいまい」

「戦争が起きる。そういうことだよね?」


 帝国の進行を抑えているのは、間違いなく聖国の存在だ。あるいは何者かに支配を〝促されて〟いる帝国の暴走を食い止められるのは、同クラスの強国である聖国のみ。

 当然、彼らに睨みを効かせる聖国の存在が揺らげば、帝国は迷うことなく行動を起こすだろう。勇者の予想通り、全面的な戦争という形で。

 それは聖国と帝国、どちらが勝利しようと世界が滅び行く道だ。マナは枯れ、霊脈は傷つき――――かの『神』はその目論見を果たす。


「お母様から貴公への依頼。少人数での危険な突入となるが……引き受けてもらえるだろうか、勇者殿」


 ある意味では、クヨウが指摘した勇者の遠回りな道が功を奏した形になるだろう。

 発見した裏口から迅速に侵入し、主任の悪事を暴く。ラバースライムを無力化する対抗策を勇者の持つ魔導具で増幅することで、この突入策は初めて実行が可能となる。

 そのリスクはかなりのものだ。時間を先延ばしにすることができない以上、迅速な突入が望ましい。その迅速さには部外者故に足が軽い勇者と彼の持つ魔導具が必要不可欠。リスクというのは単に危険を伴う任務だからというだけではなく、本来なら聖国と関わりのない少年たちに重要な役割を押し付けることも含まれていた。姫騎士はそのことを懸念し、神妙な面持ちで依頼をした。


「へへ、お姫様の国の危機を見て見ぬふりしたら、そっちの方が気になって危ないよ」


 だが、国に入ってそうそうに見ず知らずの人間を助け、牢に叩き込まれてなお関わり続けたお人好しには無用な心配だった。鼻を指でこする勇者に加えて、僧侶と刀遣いも全くの同意見という顔をしている。


「けど、王妃様のことを『お母様』って呼ぶんだね。うん、そっちの方が堅苦しさが抜けてる感じがして似合ってるね!」

「な!? い、一々口に出すな! 分かっているならせめて無視をしてくれ……」


 公共の場では母上、王妃と厳格な呼び名を使っているが、本当なら慣れ親しんだ名が一番なのだろう。それを勇者の前で使ったということは、心を許し始めている証拠だった……笑う勇者と赤面する姫騎士、こちらの方面では僧侶と刀遣いが何とも言えない表情をしているが、英雄色を好むの心を受け入れるまで、まだまだ時間がかかるということかもしれない。


「さて、それでは行くとするかの」


 そんな若人たちを見守る『神』の一柱もまた、彼らに同行することを決めた。

 これ以上あの魔導研究所を野放しにしていては、人工生命体の技術が帝国へと全て流れる危険性がある。クヨウとしても神が密かに手を加えているとはいえ、あくまで歪んだ自然である魔物だけならまだしも、人の手で自在に生み出せる魔物を野放しにするのは好ましくない。

 何より、あの王妃に保護者を頼まれているのもある。見守るくらいはしようと重い腰を上げた。


「……って、また気分で好き勝手しますよね!?」

「うむ。妾は楽しい」

「開き直っちゃってるし……」


 気まぐれな狐と姫騎士を加えた勇者一行は、聖国に渦巻く反乱の中心となりつつある魔導研究所への突入を決行する。



 前回と違いスライムに襲われることはない。であるならば、勇者一行がその勢いを削がれる理由は何一つなかった。

 スライムが獲物を連れて戻る道。さぞ安全なものであろう。


「く、クソ! なぜ姫騎士がこんな場所まで……まさかあの道を!? スライムたちは何をしている! それに私にこんなことをして、ただで済むと思っているのか!?」

「悪事はここまでだ。貴公のしていることは全て国王と王妃が知るところ。大人しく縛につくがいい」


 まさかそこを侵入口とし、自らの元へ駆け抜ける人間がいるなど考えもしなかった研究主任は、違法な人工魔導生物の証拠が数多く存在している研究室で追い詰められた。

 姫騎士と勇者一行に追い詰められた研究主任。剣を突きつけられ、完全に追い込まれた彼に為す術はないと思われた。が、彼は追い詰められてなお不敵な笑いを浮かべる。


「……なんてなぁ!」

「ヌシら、そこから一歩退け。喰われるぞ」

「ッ……うわっ!?」


 クヨウの警告に四人が地面を蹴って飛び退く。すると、その直後に彼らのいた場所を〝喰らう〟何かが現れた。

 四人が一斉に天井を仰ぐと、そこには〝肉塊〟の姿があった。文字通りの塊であり、突起であり、直前の攻撃に用いた口でもある。およそ全体が真っ当ではない肉の塊が蠢き、繊細な僧侶などはおぞましい造形に顔を青くしている。


「私が予期していないと思っていたのか? まだやりたいことが沢山あるんだ……テメェらを始末すれば、まだそれが出来る! 行け、奴らを糧に育て!!」

「これが主任さんの切り札!? いつの間にいたの!」

「恐らく行方不明者は、この怪物の餌に……!!」


 スライムが獲物を運んでいたのはこれが理由だった。醜悪な人工魔導生物を成長させるため、一体何人の人間が犠牲になったのか。彼らの怒りは当然であるが、主任は全く悪びれた様子もない。完全に堕ちてしまっている。


「……中に人の子の生命がある。動きを止めれば助けられよう」

「本当!?」


 義憤に駆られる一行に対し、背に控えたクヨウが声を発する。生命神である彼女は、複数の魔物が融合して原型を留めていないモノであっても、その胎内で生きている者たちの息吹を確かに感じていた。

 しかし、間に合うのは胎内の人間だけだ。あの魔導生物に利用された幾つもの生命を救うことはもはや不可能だ。ならば、とクヨウは勇者たちが為すべきことを凛と告げる。


「哀れなものじゃのう。幾つもの生命が弄ばれ、考えるだけの知性を奪われ、かの者の言葉だけを聞く……人の子よ、せめてその手で眠らせてやれ――――それが生まれた者に対する、ヌシらの慈悲と知れ」


 あらゆる生命は流れ、新生する。元より歪められて生まれ、考えることすら叶わぬ魔物たちに慈悲を。

 聖国を揺るがす騒乱の果て、勇者たちの戦いが幕を開けた。



 クヨウたちは主任が操る複合魔導生物に→見事勝利し、聖国の騒乱に終止符を打った・

 クヨウたちは主任が操る複合魔導生物に→敗北し、その糧となってしまった・



【正規ルート・膿の排除】


「ば、馬鹿な!? 私の最高傑作が、こんな人間どもに……!!」

「これで終わりだ! 連れ去った人たちを解放しろ!」

「人として、貴方は超えてはならない一線を超えています。その咎めを受けてください」


 勇者一行は主任の切り札である複合魔導生物を見事に打ち倒し、今度こそ彼を追い詰めた。


「く、クソが! この凡人どもが、見下すな! 私の力はこんなものじゃないぞ! ここにはありとあらゆる研究成果が」

「無駄だ」


 まだ悪足掻きを口にする主任に、姫騎士が一刀の言葉を以て斬り伏せる。直後、彼は研究所内の騒ぎにようやく気がついて目を見開いた。


「こ、この騒ぎはなんだ!? 表は封鎖していたはずじゃ……」

「我々の潜入成功を合図に、王妃率いる騎士団が研究所に突入している。言ったはずだ――――王妃は全てを知っている、と」


 主任の命令を忠実に守る息のかかった部下と魔導生物たち。だが、逆説的に主任の指示がなければ烏合の衆でしかない。そうなれば、騎士団が正面からの突入を〝無血で〟成功させるだけの勝算は十二分にあった。

 それが聖国の聖女にして、未だ最強の騎士である王妃が率いるものであるならば尚更だ。


「……やれやれ。あやつ、剣を振るう役目は娘に任せるとどの口が言うておる」


 理由をつけて剣を振るってストレスを発散したいだけではないのか、とあまりに早い掌返しに呆れるクヨウ。

 ともあれ、勇者一行と騎士団の活躍によって王都を揺るがしかねなかった反乱の目は潰えた。最小限の被害に留めたことで、聖国は帝国への抵抗勢力を未だ維持できている。


 しかし、帝国もまた聖国の隙を常に狙っている。王都の騒乱は終わりを迎えたが、クヨウたちの冒険はまだまだ終わらない。一時の平穏が訪れた王都から、一行は次なる旅路に繰り出すことになる。





 to be continued







【バッドエンドその九・一行がボス戦に敗北し、全滅】


 RPGにおける定番の一つはやはりボス戦であろう。

 ボスが強大であればあるほど緊迫し、盛り上がるもの。しかし、たとえばその戦いに負けた一行はどうなるだろう。それを妄想し、あえて操作を止める〝プレイヤー〟という者がいるかもしれない。

 これはそんな〝もしも〟の具現化。ボスを倒す力がありながら、何故か打ち倒されてしまったヒロインたち。その先にあるバッドエンドの一幕である。



 研究主任が切り札とした魔物の力は想像以上だった。部屋を覆い尽くす肉の壁から迫り来る捕食の口に一行は次々に分断され、呑み込まれて行く。


「何をやっておる。まだ妾の手を借りねばお゛ぶォォッ!!?♥」


 やがて、その毒口は彼らを見守っていたクヨウにも及んだ。上から迫り来る肉の口を何故か察知することができなかったクヨウは、その豊満な身をあっさりと肉口に丸呑みされ、白い褌だけを残して消え失せてしまった――――――




「く、妾としたことが……ここは腹か。えぇい、気色悪い壁から中途半端に吐き出しおって」


 目を覚ましたクヨウは、複合魔導生物の体内に囚われたことを察して慢心に舌を打つ。

 一面に広がる薄赤の肉壁。その一部分からクヨウは身体をひり出されていた。足を太股部分まで壁に呑まれ、手は両方とも壁から伸びた触手に絡め取られている。胴体が壁から突き出した姿は、身動ぎをすることもできない無様な囚われの身だ。


「他の者も呑まれておるな……なるほど、胎内で人の子を飼い慣らしているというわけじゃな。しかし、妾を人の子と同じと思うでないわ!」


 手足を封じてしまえば人間にできることは多くない。逆に手足を封じる側の彼らは、複合した魔物の力を腹の中で自由に扱える。あとは命令者の〝糧とせよ〟という指示に従い、抵抗できない人間から成長の餌を取り出す。

 胎内で人間を飼育し、彼らにとって効率的な栄養を得る。しかし、クヨウは人の子ではない。たとえ手足が封じられようと、魔物の束縛を振り払う程度は容易い。

 だがクヨウは気づいていなかった。彼女が一瞬で振り払えると豪語する肉の壁から、極太のモノが飛び出しつつあることを。


「歪められたヌシらの生命、せめて妾の手で――――んおぉぉぉぉぉぉぉおッ!!?♥♥♥♥」


 ドチュンッ、と一息で剥き出しの秘部を穿つ肉の棒。同時にイキ潮を吹き上げ、その美貌をあられもない蕩け顔に変えるクヨウ。

 深い毛を掻き分けて奥を貫いた極太の触手は、まるで人間の生殖行動のように膣壁を荒々しく抉るピストンを行う。


「んおっ、あっ♥♥ おっおっお♥ ふ、ひっ、あひっ♥ ぬ、ヌシは、何をおぉっ!?♥♥♥」


 マンコを触手に犯されて身悶えする。真紅に染まりかけていた彼女の色彩は、その翡翠色を焦点が定まらぬまま蕩けさせている。


 実はこの複合魔導生物を生み出した主任は天才的な頭脳をもっててこそいるが、その地位を活かして己の欲望をひけらかすことを躊躇わない人間だった。要するに変態的な嗜好の持ち主であり、彼が生み出す物はなんであれ女に対して偏屈な性的屈辱を強要する。

 この複合魔導生物も例に漏れず、効率的な糧を女の性感エネルギーや体液とするよう調整された個体だった。そしてクヨウは生命神が人の身体を持つことで、人の子以上に生殖に寛容な存在、つまりは快楽に弱い。


「おひっ、ヒィッ♥ や、やめぬかっ♥♥ 妾を誰だと思うておる♥ 妾は、おほっ♥ 生命を、つかさどるぅぅぅぅぅぅぅぅ!!♥♥ そ、そこっ、おしりのあにゃんほぉぉぉぉぉぉぉぉぉ♥♥♥♥」


 偶然とはいえその弱点が露出したことで、複合魔導生物はクヨウにとっての天敵と化したのだ。

 秘部だけでなく尻穴も嗜虐の対象とする魔導生物は、クヨウの全身に壁から触手を伸ばし始めた。


「や、やめんぅヒィっ♥♥ 胸を舐めるなっ♥ あっ、あぁぁぁっ♥♥ ヒグゥゥゥゥゥゥゥッ!♥♥♥♥」


 衣装から溢れんばかりの爆乳を絡め取り、小ぶりな口を開いて先端を喰らい吸い上げる。秘部、尻穴、爆乳。恐らく研究主任の嗜好が反映されたオーソドックスな箇所を嬲り、クヨウをイかせ続ける。


 どぷっ♥ どぶどぷどぷっ♥ どぴゅどぴゅどぴゅるるるるるるっ♥


「お゛っ♥♥ お゛ォ♥ う゛ぉ゛お゛ぉ゛お゛ッ!♥♥♥♥」


 しかし、膣内に挿入した触手から獲物の思考を制御して使役する液体が注ぎ込まれた途端、両者の間に変化が生じた。

 白目を剥いてアクメしたクヨウの身体がその色を変え始める。玉のように美しかった白磁の肌が、魔物のように恐ろしい灰色へと。


「お゛っほ♥♥ なんじゃこれは♥ きもちいいっ♥♥♥ 妾の頭が♥ かようなものに♥ やめよっ♥♥ 妾はヌシらと同じにはならぬ♥ 妾は、妾は――――ん゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛っ!♥♥♥♥♥」


 肌を染め上げられながら自らの変化に発狂するクヨウ。

 それは研究主任すら予期せぬ魔導生物の行動だった。生態変化を自ら選んだ魔導生物。彼らはクヨウに触れ、生命神である彼女が自分たちより遥かに優れた存在であることを感じ取った。

 元々歪んだ生命である彼らはその肉を寄せ集められ、融合することで生まれた。生命神という原初の神を最も優れた物、即ち〝全であり一〟であると認めた際の行動を予測することは不可能だった。

 糧とする存在が自らより遥かに高次元であること。本能的に優れていると察したことで、彼らは自然と〝全であり一〟を目指す。だがクヨウを今までと同じように取り込んだところで、寄せ集めた低次元の存在は絶対的な高次元の力を御することはできない。クヨウという完成された肉体を崩すということは、進化の道を閉ざすだけだ。

 ならばと彼らは思考を巡らせた。この身体を得て初めて思案というものをした。クヨウという全能の形を崩すことなく高次元に至る方法を。


「――――クハッ♥ クハハハハ♥ アッ、ハァ……♥」


 探し出した――――クヨウをクヨウのまま、自らの〝頂点〟に据えてしまえば良いと。




 その日、王都は混沌に包まれた。どこからともなく現れた肉の塊が街と人を呑み込み、神聖なる国を邪悪なる物で染めあげようとしたことで。

 巨大な肉塊は様々な形に分裂した。肉の波が街を呑み、肉の口が人を喰らい、目玉を開いた肉の球がその肉塊を〝人〟と結合させている。


「お、王妃様! ここは危険です、早く城へお逃げ下さい」

「落ち着きなさい。住民の避難を厳に! 私に構わず民を……」


 その混乱の渦中、魔導研究所へ突入寸前だった騎士団を率いる王妃は無辜の民を逃がすことに尽力していた。

 娘や勇者たちのことが気にかかるのは確かだが、王妃として民を慮ることを優先した彼女は、騎士団に避難誘導を率先させた。

 国の剣であり知恵である王妃。けれど肥大化した災厄は聖女である彼女すら呑み込む。


「王妃様!!」

「え……むぶッぐォォッ!?♥」


 文字通りの意味で王妃は呑み込まれた。球形状の肉塊が真上から王妃の頭を覆い、胴体を呑む。民に目を向けるあまり自分の安否を疎かにした彼女は、言葉にならない悲鳴を上げて球体に連れ去られる。


「おのれ、醜悪な魔物風情が!!」

「王妃様、今お助けいたします!!」


 上空に引っ張り上げられた王妃を救わんとする騎士たちが剣を振るい、魔法を行使する。しかしその救いの手が力を発揮するより先に、上半身を呑まれた王妃に変化が起こった。


「ッん゛ぶぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛っ!!?♥♥♥♥」

『え……』


 騎士団の鎧に雨が降り注いだ。濁った色合いの黄色い雨だ。

 くぐもった野太い悲鳴を上げ、ガニ股でドレスの中身を丸見えにした王妃が、その清純な下着に黄色い染みを作りながら生み出した小便と愛液の雨。


 神を頂点に据えた複合魔導生物は、プログラミングされた嗜好をそのまま能力を向上させた。その体液は聖女であろうがなんだろうが、一瞬でイカせて恥の汚水を漏らさせるだけの媚薬毒となった。

 王妃を無様な姿で無力化した肉の球体は、その体内に彼女を一度取り込むと、上部からすぐに排出をする。


『ひぃ!?』


 ――――アヘ顔で白目を剥いた王妃が騎士団の前に降り立った。

 あの王妃が魔物に取り込まれ、あられもない姿を晒している。煌びやかなドレスの代わりは、恥部を惜しげも無く晒した肉の鎧だ。腰に巻き付く目玉がぎょろりと騎士たちを睨み、恥部に突き刺さった肉の棒から王妃の胎内に液体が注入される。


「ん゛ッほオ゛オ゛オ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ッ゛!!♥♥♥♥」


 凛とした声色からかけ離れた下品なオホ声を張り上げた王妃の肌が染まる。灰色の肌に赤と黒の瞳。


「……フハァ♥」


 王妃の象徴である銀色の髪、その手に握られた剣。それだけを残して王妃は複合魔導生物の騎士――――【デモンナイト】へと変貌した。


「ひ、ひぃぃ! ひゃぁぁぁぁぁぁっ!!」

「た、たすけおぶォォ゛♥♥」


 王妃が魔物と化した。それだけで騎士団の心を折るには十分すぎた。


「んぼっ、ほほぉぉ!♥♥」

「あひょ、あへあへぇぇ!♥♥」


 民と共に散り散りになった騎士たちは、肉塊や魔物と融合した者たちに切り捨てられ、取り込まれていく。その中には姫騎士、刀遣い、僧侶の姿もあった。

 皆が等しく魔物のような肌を得て、アヘ顔を晒して人に仇なす怪物と成り果てる。彼女たちに命じる権利を持っていた人間は既に遠くへ逃げ出し、彼女たちは全く別の存在に従っていた。


「クハハハハッ♥ 良いぞ、妾の子たちよ……染めよ、産めよ、そして滅ぼすのじゃ♥ クハッ、クハハハハハ♥」


 中心に彼女はいた。魔物の頂点に立ち、魔物と融合した新たな生命神――――【デモンクイーン】として。

 淀んだ魔物の目は生命を見据えている。クヨウはあらゆる生命を貪り喰い、彼女を全の一とした世界を生み出すまで止まらない。


 世界は染まる。絶対的な一の元、全ては魔神の胎内で生まれ変わるのだ。



【バッドエンドその九・神の再誕】

【魔神・クヨウ/レベル999/特殊能力・『生魔融合』『快楽嗜好』『全にして一』】



        GAME OVER




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せっかくのボス戦なのでエロRPGのバッドエンドっぽくやってみた…………というのもあるけど異種姦を書くのが全然上手くないねと気づいて深いものを避けたというのもある。竿役の台詞とかそっちの方面お勉強してたらいつの間にか異種が難しくなってた、ぴえん。

まあそんなわけでぼちぼちクヨウ様もやっていきます。反応が良ければっていつものやつが付きますが!

今後考えてるのは。


・帝国偵察編

・王妃の名前決めたいよね

・白いエッチなローブみたいなの着た女神的な清楚神様出したい(願望)


ですかねぇ……女神系はマジで願望でしかないというか、クヨウ様がお狐さんだし別ベクトルの神様味方にいてもいいなぁとか。まそんな感じで反応良ければノリよく書いちゃうと思うクヨウ様リターンズでした。次回もよろしくお願いします。

Comments

ゆっけ

悪堕ちとても興奮しますね! 肉塊になす統べなく皆負けちゃうのとても無様で好きです!

No.622

待ってました!クヨウ様シリーズ大好きです!

いかじゅん

悪堕ちはスケベぇ……クヨウ様は気軽にやらせたくなりますね!肉塊が相手だろうと負けは負けで無様!ありがとうございます!

いかじゅん (edited)

Comment edits

2021-07-18 18:21:15 <3
2022-12-08 03:28:53 大変長らくお待たせしました。ありがとうございます!!

大変長らくお待たせしました。ありがとうございます!!