Home Artists Posts Import Register

Content

いつもご支援ありがとうございます。今月一発目はめちゃくちゃ気合い入れて書き上げたアニエスの調教物です。なんと二万五千文字。後半ちょっとしたゲスト組が出るとはいえ、ほぼ単体キャラでこれだけ書けたのはアニエスが思った以上に好きなキャラなんだなと。というかまだ書きたい。あまりに楽しい。

一応そんな軌跡シリーズというか軌跡ヒロインへのモチベをネタ貰ったリーシャで今日ぶちまけたりしました。そっちは明日か明後日に投稿予定です。強キャラが屈服してキャラ崩壊発狂すると、最高に尊厳破壊で調教の醍醐味になりそうだった。ヒロインの本気謝罪屈服でしか得られない養分がある。


こんなノリですが今月もよろしくお願いします。前述の通り気合いを入れたのでいいねや感想気軽にくれると嬉しいです。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 七耀歴1208年6月・ゼムリア大陸中西部カルバート共和国首都イーディス。

 これより先、始まるはずだった軌跡(ものがたり)。本来あるべき姿の歴史は観測されず、全く別の世界へと形を変えた一欠片。それが、8機の導力器を取り戻すための軌跡だったもの、変わり果てた残骸の中で観測される淫靡な物語の正体である。


「はぁ、はぁ……う、んんっ♥」


 裏路地の広い一角。街の必要悪とも呼べる『黒芒街』にさえ間引かれるほどの犯罪に手を染めた半グレグループ。その名も〈グリード〉。

 彼らのたまり場の一つに、名門アラミスの制服を着た少女が震える足で訪れた。艶やかな金の髪を靡かせた見るからに育ちの良い清楚な少女は、とてもこの場に似つかわしいとはいえない。しかしその美貌が豊かな顔色は赤く、吐息は妙に官能の色が乗っている。そういう意味では、はぐれ者、荒くれ者の集まりである半グレたちにとっては絶好の餌であろうか。

 ガクガクと痙攣した両足の太股には粘り気のある水が滴り、時折口を押えて喘ぎ声を我慢している様子が見て取れる。そんな格好の獲物でしかない彼女が荒くれ者に襲われない理由は、この場所が先に名を上げた半グレグループの〝島〟であり――――アニエス・クローデルという少女の身柄が、彼らの手の内に在る、という意味を指す。


「はっ、ふぅ、あぅ……つ、着きまし、た……♥」

「おう。ご苦労さん」


 荒い息を吐き、膝に手を当てて濃い疲労の色を見せる制服姿のアニエス。彼女を見下ろす背の高い筋肉質な男は、路地の一角にあるとは思えない高価な椅子に座り、その顔にニヤニヤと笑みを張り付けていた。


「学校はどうした」

「……た、体調不良で、届けを出しました……」

「はは、すっかり不良生徒の仲間入りだなぁ? 優等生が聞いて呆れるぜ」

「だっ、誰のせいで……はぅぅぅぅっ♥♥」


 だが、何気ない応答でアニエスが僅かに反抗の意思を見せた途端、男は手に持った最新鋭の戦術オーブメントXipha(ザイファ)を操作した。その瞬間、アニエスはスカートを抑えて膝を折り蹲ってしまう。


「ひゅー。たまんねぇなぁおい」

「いい反応するようになったじゃねぇの」


 直前に発した甲高い嬌声に取り巻きの半グレたちが口笛を吹き、色艶のある反応を示したアニエスを揶揄する。アニエスは辛うじて視線を返したものの、睨みつけるほどの気力はないようで、そのまま悔しげに目を伏せた。


「はっ、いつから俺に逆らえる立場になったつもりでいた? テメェは俺の言いなり……そのことを忘れるようなら、〝アレ〟を導力ネットにばらまいてもいいんだぜ?」

「ッ! や、やめてください、それだけは……どうか……!!」


 男が高圧的な態度を見せると、アニエスは怯え切った様子で首を横に振って〝アレ〟と呼ばれる何かがばら撒かれることを拒否する。

 今や当たり前となった導力ネットワーク。もし仮に情報の海へ無差別にデータがばら撒かれれば、回収することはまず不可能だ。アニエスが映る何かであれば、尚更。


「わかってんなら余計な手間をかけさせるな。俺はおまえの器量が良くて意外に気が強いところも気に入ってるが……そろそろ素直なところを見てみたいんだぜ、アニエス」

「……はい。逆らってしまい、申し訳ありませんでした、エキサスさん」


 言って、アニエスは彼ら……エキサスと呼ばれた男とその取り巻きの前で立ち上がると、ブレザーを脱いでシャツを捲り、口に咥えて固定する。露になったのは高校生とは思えない育ち切った玉の果実が如き爆乳と、その先頭に括り付けられたピンクの振動物。

 続けてアニエスは震える両足をガバッと思いっきり開き、スカートをたくし上げた。胸同様に下着のない恥部が露になると、もっさりと生い茂った金色の陰毛とウィンウィンと陰裂の膣内で動き回る大きな振動物が男たちの目に映った。

 乳房と女性器に取り付けられた振動する玩具。ここに来るまでにアニエスが見せた身悶え、喘ぎ、そして男のザイファ操作で一変したその様子。悔しげに涙を流しながらガニ股を開いたアニエスは、名門の新入生とは思えない卑猥なポーズのまま声を発した。


「め、雌奴隷22番のアニエス……ご主人様のご要望に応じ、ガニ股おまんこ大開脚……参上、しましたっ♥」


 その卑猥なガニ股ポーズにある意味では相応しい名乗り。最後に上擦った声を発し、真っ赤な顔を羞恥で伏せたアニエスに、半グレたちが一斉に笑い声を上げた。


「ハンッ、やっと素直に言えるようになってきたか。最初の頃は〝アレ〟を一々チラつかせなきゃなんなかったのになぁ? 懐かしいぜ、アレを再生した時のおまえの声がな」

「も、もう……お願い、します……許して……」

「どうしたどうした。あの時はもっと元気だったぜぇ――――まあ、輪姦してやった頃が一番だったがな」


 ――――事は4月末日まで遡る。

 アニエスが入学して間もなく、彼女は祖父の手記から見つけてしまったメッセージを叶えるため、とある情報屋に依頼をした。それが事の発端となった。

 何の因果の巡り合わせか、その情報屋はアニエスの依頼を叶えるどころか、その容姿に目をつけて半グレグループに彼女を売り飛ばしてしまった。つまりアニエスが持つ情報から依頼を叶えるより、彼女自身という情報を〝売り飛ばす〟ことで、利益を得ようとしたのだ。

 そこで白羽の矢が立てられたのが、彼が率いる半グレグループだ。彼らははみ出しものの半グレグループの中でも指折りの凶悪犯。マフィアほど派手な動きはないが、その分なすことが狡猾で、ともすればマフィア以上に裏社会に噂が知れ渡りながら、破滅に繋がるモノを何一つ残さないことで有名だった。

 特にリーダーのエキサスはアニエスにとっては天敵のような人間なのだ。それを知っていたからこそ、情報屋はアニエスの情報を彼に高額で売りつけた。彼も相当な値段を吹っかけられながら、唯一と言っていい趣味のために資産を注ぎ込むことを躊躇わなかった。

 そうして裏で契約は成立し、当然ながら何も知らないアニエス・クローデルは情報屋の罠に嵌められ、誰の助けも期待できない場所で彼らに襲われて、撮影されたハメ撮り画像を盾に調教を受けざるを得なくなった。


(自業自得……ですよね。もっと周りの人たちの声を、しっかり聞いていれば、こんなことには)


 アニエスは聡明で心の芯も強い少女だった。が、圧倒的に〝経験〟と〝関係〟が足りていなかった。もし手記を読み込むのが遅ければ。もし信用ならない情報屋ではなく、信用に足る解決屋に出会っていれば。そこに行きたどり着く鍵を持つ頼れる上級生から、適切な助言を得られていたならば。

 全てはもしもの話だ。結果としてアニエスは情報屋に騙され、半グレグループに輪姦されて純潔を失い、このような恥ずかしい調教を受けている。祖父の遺産を探すどころか、半グレたちの手で年に見合わぬ豊満な身体を調教される日々は、彼女の正常な心を確実にすり減らしていた。

 勝手なことをした自分の過失。立場上、こんなことで〝父〟に迷惑をかけるわけにはいかない。寮住まいということも相まって、半グレたちに脅し調教を受けるアニエスの変化を誰も悟ることができない不幸。輪姦に至るまでのことだけではなく、輪姦後の調教でさえアニエスは経験と運が足りていなかったのだ。


「よーし。それじゃあこのサボり不良娘を良いところに連れてくとすっか」

「っ……?」


 もう何度目かの後悔がアニエスの頭を過ぎり、意識が悔恨の海に呑まれる。しかし、時を巻き戻す力など持たない彼女は、男の声で悪夢のような現実に引き戻されて顔を上げた。


「えー、そりゃねぇってエキサス! 今日もこいつを輪姦(まわ)せると思ったのによぉ!」

「ばーか。全部を全部テメェらに任せてたら、こんな良い女でもすぐダメにしちまうだろうが」

「けどよぉ……」


 男の決定に周りの半グレたちが不満の声を上げる。それが強い抗議に繋がらないのは、自分たちのグループが彼の手腕一本で成り立っていることを自覚しているからだろう。


「仕方ねぇなぁ……代わりに10番と17番呼びつけてやっから、あいつらで我慢しとけや」


 そして、こういう方面でゴネていればエキサスが悪いようにはしない、ということも知っていたのだろう。アニエスが名乗るように言われたものより若い番号をザイファで呼び出したリーダーに、半グレたちが活きのいい声を上げた。


「さっすが話がわかるぜー! へへっ、あの新人記者ちゃん思いっきりヤッてみたかったんだ」

「俺は断然あの女だな。巷じゃ《剣の乙女》とか言われてる癖に、口を伸ばしてチンポをしゃぶる変態女がよぉ。今日こそ素っ裸で土下座させてやるぜ!」


 女を番号で管理し、呼びつける。女性を単なる性処理の対象としか思っていない彼らにアニエスは憤りを覚える。が、同時に底知れない恐怖も感じていた。

 《剣の乙女》。それは、ギルド協会のA級遊撃士の渾名だったはず。彼女がもし、自分と同じ調教される立場にあったとしたら、この半グレグループは一体どれほどの規模だというのか。半グレとは名ばかりで、マフィアなどより余程恐ろしい――――――


「さぁて、行くぞアニエス」

「ひゃんっ♥♥」


 自分が踏み入り、引きずり込まれた共和国の闇に戦慄していたアニエスの肩を抱き、その手で生乳を揉みしだく。突然の愛撫にアニエスが愛らしい嬌声を上げながら、学習して抵抗はせずに抱かれたまま言葉を返した。


「い、行くってどこへ……」

「外だ。ここまで歩いてきたんだ、余裕だろ? テメェもなかなか〝染まって〟きたなぁ」

「そ、そんなことありません! 私は、あなたの言う調教なんかに、屈しませんから!」


 輪姦の画像データを盾に迫られた調教。今のところはこのように玩具を付けて来るように呼び出されるか、半グレの男たちに強制的な奉仕を促されるかの二択だ。

 それが今日、なぜか明確に変化した。その理由はアニエスにはわからないが、男から見れば一目瞭然らしい。


「クハハ。そういうイキッた台詞はな、服を正してガニ股を閉じてから言うもんだぜ」

「え……ッッ!? 〜〜〜〜〜〜〜ッ♥♥」


 自分があの恥ずかしい挨拶の姿のままで固まっていた事実を見下ろし、アニエスは慌てて制服を直して姿勢を正した。

 この時アニエスは気づいていなかった、あるいは後悔が押し寄せたことで意識を逸らしていたと考えたのかもしれない。だが、男の眼には〝慣れ始めた〟アニエスがしっかりと映し出されている。


「へ……ここからだな」


 男は女の趣味にうるさい。ともすれば、女への特殊な執着や収集癖が彼の生き甲斐なのだ。そんな彼は手にした思わぬ大物に舌をなめずり、ここからが本番だと思い浮かべたアニエスの〝色〟に気を昂らせる。

 彼女はまだ何色にも染まっていない。いいや、僅かに変色した己の色に自覚を持っていないのだ。それをここから教えてやる――――女を調教することにかけては妥協や出し惜しみをしないことが、彼のポリシーなのだ。




「…………」


 エキサスの隣を歩きながら、アニエスは終始挙動不審な姿を晒す。発展が遅れた旧市街の外れ道とはいえ、人の気配は疎らにある。そこを一人で歩くならまだしも、目立つ巨漢と寄り添って歩くのはどうしても人目に付いてしまう。無論、アニエスが服の下にあられもない玩具を取り付けているという特殊な状況も、彼女の挙動不審を加速させる一因だった。


「何キョロキョロしてんだ。揺れるケツを見せつけてんのか?」

「え、きゃあぁぁぁ!?」


 そんなアニエスのスカートをエキサスが捲り上げる。その中身は下着を付けていない痴女のそれであり、肉付きの良い尻の全貌が露になって、アニエスは悲鳴を上げてスカートを引き下ろした。


「だ、誰かに見られたりしたら……!」

「ああ、心配ねぇよ。ここは俺の島、俺たちのテリトリーだ。誰に見られたところで問題ねぇし、おまえを勝手に触らせたりもしねぇよ」


 島、テリトリー。旧市街とはいえ、広い街の一角を丸ごと自分の領地だと言って憚らない彼に、アニエスは目を逸らした。恐ろしいだけでなく、彼の言葉の意図を理解したからだ。


「それは……必要なら、ここで」

「ああ、ヤらせる。その安産型のエロいケツを見せつけて、適当な奴を誘って金を恵んでもらえ、とかな」

「っ」


 最低な人間であることに変わりはない。もう何度目かの確信を得て、アニエスは唇を強く噛み、彼のような人間に決して屈せず耐え忍ぶことを改めて決意した。


「が、今はまだ……な。おまえはまだ〝その色〟じゃねぇ。せいぜい、自分に向けられる視線をしっかりと覚えるこったな」

「そんなの……」


 覚えたくもない。アニエスは人から向けられる視線に無頓着ではないが、特別意識をしたことはない。特に、自分の身体がどう見られているか、というのは今になってようやく察することができたくらいだ。


「ここだ、入るぞ」 


 周囲の視線を意識から何とか断ち切ることで難を逃れていたアニエスだったが、彼の手に引かれて旧市街のとある店に入店した。

 そこは破廉恥な服と見慣れないモノが無数に置かれた異様な空間。アニエスは一目でろくな店ではないことを察し、息を呑んだ。足を止めた彼女を尻目に、男は奥に立つ眼鏡を掛けた小太りの店員に手を上げて声をかけた。


「よおマスター、来てやったぜ」

「おお、この前の雌ぶりですねぇ。……ヒヒ、今回もかなりのモノを連れてきましたか」

「わかるか?」

「貴方が連れてくるような学生で、しかもアラミス生ともなればねぇ。ほほう……」


 脂ぎった店員は、どうやらこの店の店主のようだ。顔から胴体、尻までジロジロと眺められてアニエスは咄嗟に手で身体を隠す。抵抗は無駄だと理解しているが、己の身体をこんな視線に晒したいとは思えない。

 しかし、店主は身体を隠したアニエスに対して尚もジロジロといやらしい目を向けると、おもむろに声を発した。


「上から『90』『61』『85』ってところですねぇ。これでまだ学生とは……貴方の慧眼には恐れ入りますよ」

「…………!!?♥」


 店主が何を口走ったのかを理解し損ね、数秒間硬直したアニエス。その数字が何を示したのかを己の身体を眺めて理解するやいなや、耳まで赤く染めて口を魚のようにパクパクと開閉する。

 周りにはチラホラ客の姿が見えている。今アニエスは、自らの『スリーサイズ』を数字にして暴かれたのだ。高校生とは思えぬ豊満な乳房。くびれた素晴らしい腰周り。艶かしい肉付きのヒップライン。


「マスターこそ相変わらずの変態眼だな。見ただけでこいつの身体を見抜いちまうとはなぁ」

「いえいえ、この程度は。それに当店の道具を使っていただけているようで何よりですよ……胸にローター、女性器にバイブ。オーソドックスな良い組み合わせです」

「いや……っ!♥」


 全てが暴かれる。衣服を着ているのに、何も着ていないかのように思えて、アニエスはその場で蹲る――――裸を見られるのはもう何度も経験しているのに、以前とは違う身体の熱を覚えて。


「……ほう。手腕の方も流石ですねぇ。もう〝この段階〟ですか」

「ああ。そろそろ〝次〟に進めようと思ってな」

「ヒヒ、ご自分が愉しみたいのでしょうに」

「ま、そうとも言うがな。こいつに必要なもの、頼むぜマスター」


 アニエスが身体の熱に戸惑う間にも男と店主は二人にしかわからない言葉を交わし、何かの準備を進めていった。

 それは数分後、アニエスにハッキリとわかる形で光景が広がることになる。店の真ん中、見るからに晒し者にするためのスペースに設置された男性器を模した卑猥な玩具――――その上に立たされた裸のアニエス。


「……こ、ここでするん、ですか……?」

「ええ。ディルドのサイズ合わせに必要なことですから。ささ、御遠慮なく挿入してください」

「っ……」


 床に固定された肉棒型の道具は、バイブとは全く違う造りをしていた。ローションで濡れた黒い竿部分は、バイブと違い確実に奥まで〝穿つ〟ための造り込みが為されている。

 そんなものをこの場で、しかも自分から挿入する。拒否権がないことは理解している。店内で裸にさせられるという異常行動も受け入れざるを得なかった。けれど、これはいくら何でも……と、局部を手で隠して躊躇っていたアニエスの小耳に周囲の声が挟まれた。


「あれでまだ高等部らしいな……恥じらってる姿がたまんねぇよ」

「あの剛毛、ダンナの趣味だな。あの小さな手で隠せてるつもりでいる辺り、いつもは剃ってるんだろうなぁ。相変わらずニッチなところも突いていく人だぜ」

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!?♥♥」


 そう――――時間をかければかけるほど、アニエスの痴態を目撃する人間は増えていく。


「どうした、もっと観客がいる方が趣味か?」

「……や、やります。今やります、から♥」


 意図を察して男に目を向けたところで、仕掛け人である彼が救いの手を差し伸べるはずがない。むしろ、ザイファを煽るように手に持ってアニエスを見ている姿は、その伝で人を新たに呼ぶか、さもなくば輪姦画像をネットに流すという脅しだ。

 それをチラつかされて、これ以上事を先延ばしにするほどアニエスは愚かではない。そう、彼女は愚かではないからこそ、彼の調教という名の〝網〟から逃れることができなかった。

 股を広げ、ディルドに向かってしゃがむ。その一連の動作にさえ、この1ヶ月で男が授けた〝仕草〟が滲み出ている。大きなケツを突き出し、ずぶ濡れの股を見せつける扇情的な蹲踞のポーズであることに、アニエスは気づいているのだろうか。


 グチュッ、ズリュズリュ……ズリュリュリュ♥


「んん、あぁ……ん、ぁぁぁぁぁ♥♥」


 腰を落とし、膣内にディルドを収める。これも1ヶ月前、処女だったアニエスでは見られなかった順当すぎる挿入だろう。


「……は、入り、ましたっ♥」

「ふむ。これは低く見積もりすぎましたか。では、次を用意しましょう」


 ディルドを挿入れた傍から次のディルド。何をしているのかと言えば、アニエスの膣に〝ちょうど〟入るサイズのディルド探し、即ちサイズ合わせだ。

 普通ならば先んじて膣のサイズを測り、特注のモノを造るのだろうが、この店は違う。噛み合うサイズを〝実演〟で探させるのだ。

 無論、これも店主を贔屓にしている彼の調教の一環なのは言うまでもない。周囲に客がいる状態で、ディルドの抜き差しを繰り返す。アニエスの羞恥心は段々と麻痺し、恥ずかしさと気持ちよさを行き来する異様な感覚に苛まれる。

 多少の羞恥は脅されているため、仕方がない。けれどこれは流石に。ああ、でも身体は快感を覚えている。しかし、だから、どうして――――――


「あっ、あぁぁ……っ!♥♥ は、はいり、まし、た……っ♥」

「ほほう、これでもあっさりと……ふむ、これは想像以上ですねぇ」


 実に5回は実演をさせられる中、アニエスの思考はそうしてごちゃごちゃになっていた。

 見られて恥ずかしい。揶揄されて苦しい。ディルドの抜き差しが気持ちいい。挿入れて、抜く、挿入れて、抜く。その繰り返しが、まるで緩慢な自慰行為に思えてならない。


(早く、終わって……でないと、私……っ♥)


 何か良くないものが〝交わって〟しまう。交わってはならないものが、身体の中で綯い交ぜになりそうだ――――それこそが男の狙いだと気づく前に、アニエスが愛液をたらりたらりと垂れ流す股座へ、次のディルドが設置された。


「……へ?♥」


 それを見る前にしゃがみ、挿入しようとしたアニエスは、身体の動きに遅れる形で認識したそのディルドにマヌケな吐息を零した。

 えげつない形と大きさのフォルムに、無数の石が張り付いたようなイボ付きディルド。そのサイズは、今の今まで段階を踏んで挿入してきたものと一線を画す代物で、とても女性器に挿入するようなモノではない。

 アニエスはそう思った。けれど、アニエスの身体はそう思わなかったのかもしれない。早く終わらせたい。そんな気持ちで勇み足を踏み込んだアニエスの裸身は、えげつないイボディルドを膣口に迎え入れてしまっていた。


 ズボズボズボボォ!♥♥


「ん゛お゛ォ!?♥♥♥」


 およそディルドを挿入したとは思えない水音を奏でながら、喉奥から雌が出せる最大限品性のない嬌声をアニエスが張り上げた。

 まだフォルムの大半を残して動きを止めたアニエスが、無意識にディルドを引きずり出そうと腰に力を込める。が、イボは見た目ではわからない、挿入れるのは容易く引き抜くのは容易ではない〝返し〟が備わっている。加えて、羞恥ディルドオナニーで準備が出来てしまっていたアニエスの身体は、その返しに抗うことが出来ず、そのまま直下していった。


 ズリュリュリュリュリュリュッ、ドチュンッ!!♥♥


「お゛ォ゛ッ、〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ、ぅあ゛お゛ぉ゛!♥♥♥♥」


 ブシュッ♥ ブシャブシャッ、プジャァァァァァァァァァァッ!♥♥


 声を張り上げて悶え、耐え忍ぶように俯き、限界を迎えて仰け反って秘部から飛沫を上げる。典型的な激しい絶頂の姿を晒したアニエスは、イボディルドを根元まで咥え込みながら舌出し仰け反り上目になって、身体を襲うガクンガクンと怪しい痙攣に喘ぎ以外の言葉を失った。


「あ゛っ……ぅ゛、ッお゛♥♥♥」

「これでジャストサイズ……いやはや、本当に恐ろしい人ですねぇ、ヒヒヒ」

「ハッ、雌なんて一皮剥けばこんなもんだ――――次はケツ穴用だ、気張れよアニエス」


 人前でイク恥を晒し、頭が真っ白になったアニエスに絶望的な命令が下された。だが今は、突き刺さったディルドと視線という熱量に彼女は官能の呼吸を呆然と繰り返すことしかできなかった。







「良いイキっぷりだったぜ。雌番号を名乗るのに相応しくなってきたじゃねぇか……格好もなぁ」

「や、やめて、ください♥ 制服、返して……♥」


 アダルトショップを出た男は、恥じらうアニエスを連れて旧市街の駅前付近まで踊り出る。

 その行動はかなり大胆と言えるだろう。日も暮れ始めても人通りが疎らとはいえ、アニエスの格好は彼女が懇願した通りアラミスの制服ではない。


「酷いです……あんなモノを挿入れてるのに、こんな格好まで……う、うぅ♥♥」


 光沢感のあるドレス、と言えば聞こえはいい。

 身体のラインがクッキリと浮かび上がっている露出が激しい衣装、と言えば卑猥なものであると断言ができる。

 胸部は首に結んだ紐で引っ張り上げられるだけで、谷間が完全に見えている。臍は丸出し、腰や太股は切れ込みが肉にくい込んで隠すどころかいやらしい。紫色を基調としたそのボディコンミニスカドレスは、普段のアニエスからかけ離れたビッチの衣装だ。

 その上で、先ほど新調したばかりのイボディルドを二穴に挿入していると言えば、その変態性は確定的だ。光沢感のある単なるドレスで誤魔化せるものではなく、旧市街とはいえ駅前通りを練り歩くアニエスに人目は否が応にも集中する。

 こんなのは嫌だ。恥ずかしい。死にたい。誰か助けて。否定的な感情ばかりが浮かび、周囲の視線から瞼を閉じて身を守るアニエス。そんな彼女に男はニヤリと笑って言葉をかけた。


「言い訳はそれだけか? こんだけ股を濡らしといて、言い逃れが出来ると思ってるとはなぁ……周りをよく見てみろや」


 数多の雌を調教し、あらゆる〝色〟に染め上げてきた彼は、アニエスが想像通りの色合いに染まり始めていることが手に取るようにわかった。ならば後は、導いてやるだけでいい。


「あそこに座ってる爺さん。おまえの胸に夢中だぜ。乳首まではっきり浮かんでやがるからなぁ……見てることを隠そうともしてねぇ」

「っ♥」


 アニエス側は視線を返していないのに、彼に言われただけで老人の視線を感じてしまう。年に似合わず大きいと呼ばれる胸に、まだ枯れていない雄の欲情の眼が喰らいつく。


「あっちの若人は仕事帰りかもな……はは、爺さんほど厚かましくはなれないらしいぜ。さっきからうろちょろして関係ないって顔しながら、チラチラおまえを視界に入れてやがる。ありゃムッツリスケベだな。歩きながらマンコ濡らしてるおまえさんとは正反対だ」

「っ、ッ♥♥」


 見られている。豊満な肢体、歩く度にディルドのイボが膣に擦れて捩るいやらしい女体を。


「……後ろのガキはラッキーだな。下からマンコもケツ穴も丸見えだぜ。いじらしい姿をちゃんと見てやれよ。エグいの咥えた女の股を見て、股間を抑えてやがる。ありゃ、将来有望だなぁ」

「っ〜〜〜〜〜♥♥♥」


 恥ずかしいのに、気持ちいい。恥ずかしいけど、気持ちいい――――恥ずかしいから、気持ちいい。

 恥ずかしさと気持ちよさ。然るべき区分がされていた倫理観の境界線が、男が導く欲望の視線でドロドロと溶かされていく。下腹部の熱が昂り、身体中に行き渡る。


「さて……これでもまだ服を返して欲しいか、アニエス?」

「そ、それはぁ……♥」

「マンコがぐちゃぐちゃだぜ、おい」


 腰に回された手がアニエスの股間に伸び、スカートのギリギリに位置するディルドの出っ張りを掴み、僅かに引っ張る。


「ん゛ん゛ーーッ!?♥♥♥♥」


 プシャッ、とアニエスの膣口から水飛沫が溢れ、パタパタと地面に深い色を染み込ませる。当然、都合よく雨など降っていない。声は手を押えて塞いだが、股から滴る水は誤魔化し切れるものではない――――視線が集中する。


「〜〜〜〜〜〜ッ!♥♥♥」

「くく、いっそイッちまえば〝終わる〟のに、粘るじゃねぇか」


 イッたら駄目だ。彼の言う通り、全てが終わってしまう。完全に交わってしまったら、アニエスの中にある大事なものが崩れ去ってしまう。

 確信めいた感情でアニエスは瞬間的な絶頂を堪えるも、その姿は痙攣した身体をよがらせる淫猥なものだ。それがより鋭い視線をアニエスに集中させ、身体の熱が暴走していった。


「ふーっ♥ ふ、んんん、はぁぅっ♥♥ お、お願い、しますっ♥ ここは、嫌、ダメなんです……♥♥」

「……クク、我が儘な雌奴隷だ」


 このまま行けば堕ちるだろう。しかし、その確信がありながら彼はアニエスの肩を抱き、進路を変更した。


「まあ、雌の我が儘に応えるのも男の度量だ。じっくり愉しむとしようや……アニエス」


 それは強者故の選択。捕食者故の余裕――――ここで喰らい尽くすには惜しいと感じる逸材だからこそ、彼は言葉通りじっくり愉しみたい。その舌は己の唇を舐めずりながら、アニエスを確実に絡め取る。

 若くてイキのいい雌奴隷を堕とすのに、時間はどれだけ掛けても惜しいものではない。




 男の調教は日に日にエスカレートしていった。アニエスを授業中に呼び出すなど序の口だ。


「あ、やぁ……んぉぉぉぉッ!♥♥♥ ……はぁ……はぁ……♥」

「ハン、ちゃんと挿入れっぱにしてるみてぇだな。学校でマンコに玩具を入れて、お友達とお話するのは気持ちいいか?」

「い、言わないで、ください♥」


 裸になって壁に手をついたアニエス。アラミス高等学校から僅かに離れた裏路地で、そんなことをしているだけでも恥ずかしいはずなのに、あまつさえ学校まで挿入れて持ち込んだディルドを引きずり出され、野太く喘いだ。アニエスの頬は隠し切れない紅潮の色を見せながら、もう以前のように否定をすることはできない。

 引き抜かれたディルドと共に口と膣から溢れた声と愛液が、責め立てる言葉を否定できない何よりの証明だった。


 7月上旬。アニエスが嵌められ、調教が始まってからおよそ2ヶ月強。彼女の口から鋭い反抗の意思が発せられることは、もうなくなっていた。


「否定はしねぇか。ま、当然だな……挿入れるぞ」

「えっ!?♥ ま、待ってください、こんな場所、で、え、あ、あぁぁぁ……んおおおおっ!?♥♥♥」


 その代わりに口から飛び出すのは、弱々しい制止と下品な喘ぎ声だ。野外露出に恥ずかしがりながら、ガニ股のチンハメポーズは癖のように固定化され、そのまま挿入まで持っていかれることが当たり前だった。

 朝、昼、晩。アニエスが心を休める時間はない。膣にイボディルドを挿入し、恥ずかしくて気持ちいい日常を過ごす。羞恥と快感という相反する物が結び付けられ、身体が熱を帯びていない時間がない。

 連絡に怯えているのに、連絡が来れば身体はより熱くなる。学校の近辺で、裸になってセックスをしている――――そのことに膣が濡れて、頭が興奮でいっぱいになっていた。


「あっあっあ♥♥ んん、はぅぅ、あぁっ♥♥」

「クハハ、今さら可愛こぶった声出してんじゃねぇ、よ!」

「ん゛お゛ッ♥♥♥」


 羞恥と快楽の結合。恥ずかしければ気持ちが良くて、気持ちよければ恥ずかしい。

 野外露出の激しいセックスはどちらも満たしている。アニエスにとって心が抉られるのは、彼から与えられる全てが〝気持ちいい〟ことだった。それはセックスでさえ同じ、否、セックスが何より気持ちいい。


「お゛っお゛っ♥♥♥ だ、だめです♥♥ そこっ♥ よわく、て……♥♥」

「馬鹿が。テメェの弱い部分なんざ、最初からわかりきってんだよ。テメェのマンコは、ここを穿られるとイくってこともなぁ」

「お゛ほおおおおおっ!♥♥♥♥」


 膣の下部をグリグリと擦られ、壁に向けていた顔を俯かせてアクメ声を上げるアニエス。その顔は酷く蕩けたもので、エキサスとのセックスでとてつもない快感を味わっていることが窺い知れた。

 初め、アニエスは彼のことを恐ろしい人間だと認識していた。女を雌と呼び、道具のように扱うことを厭わない最低な人間。マフィアの闇すら及ばない、半グレグループを超えた犯罪集団〈グリード〉のリーダー。初めは本当にその程度の認識、恐怖で縛られる対象でしかなかった。

 恐怖だけでアニエスは縛られはしない。だから、それだけの人間なら問題なかったのだ。


(気持ちいい……恥ずかしい、のに……なんで……なんでぇぇぇぇぇ♥♥♥♥)


 違った。エキサスという男に覚えた印象は、彼にとって必要ではあれど本質ではない。

 裏社会で積み上げた絶対的な地位。旧市街の一角を丸ごと島にする影響力。それだけなら、エキサスがアニエスの心を脅かすことはなかった。

 彼の本質。それは、雌と呼ぶ者に対する圧倒的な暴力だ。単に力が強いことを指しているのではない――――上手い。エキサスは雌を悦ばせる天才だった。


「お゛ぉん゛ッ!♥♥♥ ん゛ほぉぉぉぉぉ……!!♥♥♥♥」


 セックス一つ取ってもそうだ。アニエスは自分がこれほど下品に啼く雌だと知らなかった。けれど、彼は知っていたのだろう。アニエスの中に眠る女の本性が、如何にケダモノで淫猥なのかを。そして、羞恥と快感という相容れないものをアニエスが気付かぬ間に結び付け、無自覚な露出狂に仕上げる手腕も。

 それが天賦の才であるのか、数多くの雌を調教して培ってきたものなのか。それ自体は定かではなく重要でもない。肝心なのは、アニエス如き小娘が目をつけられて逃れられる男ではないということだ。

 心の隙間に捩じ込まれる快楽の紐付け。それをこなせる環境作りと圧倒的な調教技術。彼は雌で喰って生活をしながら、雌を喰って日々を過ごしている。


 まさに雌を味わうために生まれたモンスター。恐らく、女を従えることにかけてエキサスの右に出るものはいない。たった2ヶ月で、アニエスはそこまでの確信を得ていた。


「良い声だ……俺が育てるような雌は、こうでなきゃ始まらねぇ! それでこそモノが滾るってもんだ!」

「お゛っ♥♥ う゛ぉ゛ッ♥♥ お゛っ、お゛っ、オ゛ッ♥♥ はげしっ、やべッ……あ゛お……ッ♥♥♥」


 挿入されることに違和感を覚えなくなったのはいつ頃からだろう。彼の肉棒が、ディルドより遥かに気持ちいいと気づいたのはいつ頃からだろう。

 〈グリード〉の領地内で裸になることが当たり前になったのはいつ頃からだろう。躊躇いが薄れ始めた時、目敏いエキサスがこの場所を指定するようになったのは、つい最近のことだ。

 変質している。脳も身体も、彼の思い通りに生まれ変わっている。恥ずかしさの一線が自分でもわからなくなって、もっと恥ずかしいことを望んでいると思わせられる。


(誰か、助けて……っ!)


 堕ちる。確実に、このままではアニエスは確実に堕ちる。誰かに助けを求めないと。この悪魔のような男から、自分一人では絶対に逃れられない。

 だって、アニエスは知ってしまっているのだ。この男に抱かれて、弄ばれることの心地良さを。あと少し踏み出せば、アニエスの理性が芽生えた快感と完璧に溶け合うことも。誰かの手がなければ、このまま堕ちて。


「――――おい、そこで何してる!!」

「……え?♥」


 その懇願が届いたとでも言うのか。アニエスの鼓膜を聞き慣れた少年の声が震わせた。


「あぁ? 何してるって……セックスしてるに決まってんだろ。ガキはすっこんでな。それとも見学希望か?」

「な、な……こ、ここを何処だと思っているんだ! 外でそのような不埒な行為に及ぶなど、犯罪だ!」


 間違いない。きっと、授業を抜け出したアニエスを探しに来たのだ――――ここで希望が芽生えた。

 彼なら信じられる。彼がアニエスの現状を知り、警察やギルドに駆け込めば事態は動く。アニエスが勇気を出せなかった解決への一線を、友人の手に委ねることができれば、少なくともアニエスがこれ以上堕ちることはなくなる。


 グリッ♥


「ン゛ン゛ッ♥♥」


 ――――この捩じ込まれるチンポを身体で味わうことも、外で裸になるなんて恥ずかしいことも、しなくて済む。


「ん? ……は、ぇ? 君、は……」

「っっ!♥♥♥」


 アニエスの容姿は目立つ。後背位で、友人の視線からは彼女の顔は見えないだろう。が、その長い金髪は誤魔化し切れない。竿を捩じ込まれた時の声も、よく聞けばアニエスのものだと認識できるはずだ。

 気づかれた。なら、このまま明かしてしまえばいい。この状況なら、無理やり襲われたと言い訳もできる。多少苦しいかもしれないが、後に繋がればそれでいい。

 友人の名前を呼び、助けを求める。それだけで良い――――それだけで良いはずなのに、アニエスの口は全く別の言葉を発していた。


「う゛っ、お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛っ♥♥♥♥」

「!!?」


 汚く濁った喘ぎ声を、途方のない快感と共に弾き出した。

 アニエスは達した。友人に救ってもらえる道が提示されたにも関わらず、その友人に〝見られた〟という羞恥の感情で、今までにない快感を覚えた。見られながらセックスしている。マンコでチンポを咥えている。イキ潮を地面と壁にぶちまけて、友人の前で野太い雌声を上げている。


「オ゛ォ゛ッ♥♥ ホッ、ン゛オ゛♥♥♥ ン゛ッホォ♥♥ ん゛ぉ゛ぉ゛っ、おほお゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!♥♥♥♥」

「な、な……っ!?」


 全てが恥ずかしい。全て見ないで欲しいのに、見て欲しい。全部全部、気持ちいい。ありえないほど気持ちいい。顔を知った友人たった一人に見られることが、こんなにも、果てしない。


「イクッ!♥♥ イグッイクッイクゥ……イグゥッ!!♥♥♥♥」

「っ、な、ぁ、は……と、とにかく! すぐにここから立ち去れよ! で、でないと警察やギルドに通報する! い、いいな!?」


 絶頂宣言をぶちまける。途端、茫然自失だった少年は慌てふためき要領を得ない警告を残して走って立ち去った。

 彼は何を思ったのだろうか、とアニエスは火照った頭で想像した。気づかれただろうか。それとも、ありえないと否定しているのだろうか。どの道、アニエスが思い描いた救いの手は、当人の汚らしい声で消え失せてしまったのだけれど。


「クク、ハハ、クハハハハハ! ああ、いい声だったぜぇアニエスぅ……今までで一番の声だ。初めてテメェを襲った時の悲鳴より、遥かに響いてきやがった。最高に気持ちよくなりやがってよぉ、俺まで上がってきちまうぜ」

「…………あ」


 その事実に笑い声で気づき、今度はアニエスが茫然自失になる番だった。

 自分が何をしてしまったのかを自覚し、蒼白の表情で吐息を零す。アニエスは今、唯一と言っても過言ではない他者から救いを、自らの汚声で払い除けたのだ。


「にしてもあのガキ、テメェに気があるぜ。ちょっとモノを口でしゃぶってやりゃ、腰をヘコヘコ振って簡単に言うこと聞いてくれるだろうさ」

「アルベールくんは、そんなことしません!」

「いいや、するね。男の大体はそれで済む……それに、そのアルベールくんを追い払った雌豚の言葉じゃねぇなぁ、えぇ?」

「あっ♥♥」


 心配して探しに来てくれた友人の目で気持ちよくなった挙句、あんなみっともない声で追い払った。それは幾度となくアニエスの心を傷つける。エキサスの手ではなく、自らの手で救いを跳ね除けた事実。それは同時に、アニエスが心のどこかで露出の快感を肯定したことに他ならない。


「しっかり視線の区別を覚えられたみたいで何よりだ。顔見知りに見られながらってのは、どうでもいい連中とは一味違う。しかも素っ裸でセックスとくりゃ、イッちまうのも無理はねぇ……クク、唯一の反抗手段を捨てるほど堕ちてるとは思わなかったがなぁ」

「……そ、それは♥」


 アニエスが何を考えていたのかを彼は読み取ってくる。アレが現状唯一の救いであったことを、彼は初めから知っていたのだ。

 しかし、唯一であっても無二ではない。一度してはならないことをやってしまったアニエスだからこそ、二度目はそうならないと歯止めを利かせられる。そう、今度こそは、勇気を出して彼女に――――――


「二度目があると思ってんのか? 大方、愛しの生徒会長殿に泣きつくつもりなんだろ」

「ぇ……」


 だから小娘だと言うのだ。一度してはならないこと。故に二度目はない。取り返しがつかないことだから、してはならない。当然のことだろうに。

 エキサスが愉悦に満ちた声色でザイファを取り出し、その画面をアニエスに見せる。振り返った肩口、見せつけられた画像にアニエスは言葉を失った。

 それは援交の写真だった。手で目元を隠し、使った後の避妊具(コンドーム)を口で咥える自撮り写真。自分が卑しい存在です、と公表できる人間ではなくては撮れない写真だった。

 顔は手で隠れてわからない。けれど、アニエス同様髪は隠し切れない――――その乱れたスミレ髪が映る画像は、アニエスに絶望を与えるには十分だった。


「まさか、いざって時に味方がいるとでも思ってたのか? そいつはお笑い種だ。頭は回るがまだまだ想像力が足りねぇガキってこった」

「い、いつか、ら、先輩、は……」

「初めからだ。大体、授業をあからさまにサボり倒してる不良堕ち生徒に先公共が気にかけないなんて……なんて、頭の回るおまえなら少しは考えたはずだよなぁ?」


 思っていた。でも、自分のことで精一杯だったアニエスは、声をかけられない方が都合が良くて、それ以上考えないようにしていた。

 信頼する先輩が彼の手の中にあるなんて、信じたくなかった。同時に、ありえないとは言えず、彼女について考えることを止めていたのかもしれない。

 恐らくは彼女が手を回していた。最悪の場合、教師陣すらエキサスの下僕。


「アイツは雌奴隷の中でも特に使える女でな。その癖、昔の〝痕〟をちょっと小突いてやったら、あっさり『パパ活女子』に早変わりしてくれたぜ。顔が良くて頭も口も回る……経済成長真っ只中の共和国のおっさん共は金を余らせてやがるからな。そういう客は、幾らでも入ってくるわけだ」

「う、嘘、です……先輩が、そんな……」

「嘘だと思うなら直接聞いてみればいいさ。自慢の生徒会長が、立派な《雌猫》をしてるところを見たいって言うならな……この裏サイトも、アイツが造ったモノなんだぜ?」


 よくよく見れば、その画像データはザイファに保存されているものではなく、掲示板に張り付けられた一枚だ。

 ハメ撮り画像はスミレ髪の生徒会長だけに留まらない。彼が示唆した新人記者やギルドのA級遊撃士、それ以外にも老舗の看板娘など、様々な雌たちがそれぞれ関係を持った相手との性交後を晒し上げていたのだ。


「裏の会員制でな。結構な額が必要だが、学生もホイホイきやがる。それでいて面倒なところにはチクらない。どいつもこいつも良い思いがしたいからな……よく出来てるだろ? 他に何か、テメェの知恵で否定の意見はあるか?」

「………………」

「あるわけねぇよなぁ。テメェなら、もうとっくに想像できてんだろ――――初めから、逃げ場なんてねぇよ」


 初めから――――文字通り、襲われる前から。

 アラミスの生徒会長を手駒にしていた時点で、アニエスに少なからず当たりを付けていた。アニエスが情報屋に嵌められたのは、あくまでもキッカケに過ぎなかった。

 初めから、この絶対的な男からは逃げられない。その唯一の抜け道を、アニエスは一時の悦楽のために手放したのだ。


「声だけじゃなく、顔も良くなってきたな……ああ、そうだ、思い出した。テメェを見た時から、雌番号を振ってやりたくて堪らなかったんだ。番号はな、マジで気に入ったやつにしか付けねぇことにしてる……数えるのも馬鹿らしいくらいの雌を抱いてきたが、テメェはその中でも指折りってわけだな」

「わ、私、はっ♥ 貴方の玩具じゃ、ない……っ♥♥」


 彼なりの言葉で最上級の賛辞を受け、心臓が音を掻き鳴らす。拒絶でなければならないのに、その鼓動は全く別の興奮だった。

 ザイファが操作され、掲示板の書き込み画面に切り替わる。添付される画像データは――――散々脅しの餌にされた、アニエスのレイプ画像だ。


「あ……♥」

「なぁ、こいつを貼り付けてやろうか?」

「……や、やめてくださいっ♥♥」


 見るだけで不快で嘔吐感さえ覚えていた画像に映る自分。それが、大衆の目に晒されることを止めさせたい。その声が、上擦る。


「良い絵だぜぇ……この絶望した虚ろな目、綺麗な顔にぶちまけられた汁。こいつで何人のガキがシコると思う? 何人が画面にしゃぶりつくと思う? 想像してみろよ、アニエス」

「はっ♥ はっ♥♥ う、あっあっあっ♥♥♥」


 恥ずかしい、なんて物じゃない。生きているのが耐えられない恥辱だ。

 なのに地面へびちゃびちゃと音が鳴ったのは、何故だろうか。口から飛び出した舌が、画像の中にいる自分を羨ましがるように涎を垂らしているのは何故か。

 恥ずかしくて、気持ちいいからだ。アニエスは、大衆の目に晒される過去の自分が羨ましくて股を濡らしているのだ。


「やっぱりおまえは最高だ。おまえが満足するモノ、これから俺が見せてやる――――いや、連れてってやるぜ、アニエス」


 不愉快だったはずの声が、彼女の名を呼ぶ醜悪な声色が、今は胸がときめく特別な物に聞こえる――――アニエス・クローデルの快感はきっと、その声の先にあるのだと、彼女の心が呼んでいた。




「あ、あの、どこへ、向かってるんですか……?」

「いいから黙って着いて来な。天国を見せてやるぜ」


 アニエスが返事をすることはなかった。が、こくりと首肯はした。目隠しをされて手を引かれた無防備な状態で頷くということは、言葉はなくとも状況を少なからず許容しているということだ。


(心を許したわけじゃない。……でも、確かに私は、あの時……)


 あの時、助けを求めることはできたはずだ。快楽を優先したのはアニエスだ。

 あの瞬間の快感をよく覚えておけ。そう言って、エキサスはアニエスをどことも知れぬ場所へ連れてきた。目隠しをされたまま導力車に揺られ、目的地に着いたかと思えば、当たり前のように服を脱がされる。その時アニエスは、服を脱ぐことへの羞恥より、服を着ていたことへの違和感を僅かでも覚えたことに愕然とした。


(私……裸になって悦ぶ私。アルベールくんに見られて、イッてしまった私……私は、何色なんでしょう。私は何者なんでしょう……わからない)


 染め上げられている。それだけは理解できる。けれど、その先に果たして何があるのか想像もつかない。

 雌を辱めるエキサスが自分をお気に入りと表現した時、不思議と胸が高鳴ってしまった。わからない。自分が何色で、どうして悦んでしまったのか、理知的なアニエスには理解ができなかった。

 そのあと一歩、理解が及ぶかもしれない境界線を、きっと彼は知っているとアニエスは思った。もうどこにも逃げられないなら、自分の過ちでこうなってしまったのなら、せめて色の答えを知りたかった。


「着いたぜ」

「っ……どう、するん、ですか♥」


 視覚の情報を遮断されている。聴覚は彼の声を過敏なまでに聞き届け、アニエスの裸身を震わせている。彼女は何かへの期待でゴクリと生唾を呑んだ。

 快感への明確な期待だ。そして彼の手が己に触れてから、その期待感が裏切られたことが一度もないことをアニエスは知り尽くしていた。


「慌てんなよ。喉を鳴らして、股まで濡らしやがって……可愛いやつだ」

「ん、ふっ♥」


 思わず唇が吊り上がりかけた。いけない、イケナイ。心は許していない。


「……クク。さあアニエス、お愉しみの時間だ……俺に与えられたものを、噛み締めて口にしろ」

「エキサスさんに貰った……もの♥」


 それは、あまりに多すぎる。アニエス・クローデルという女の人生を根本から塗り替えるほど、この数ヶ月は濃厚だった。

 どういう意図があるのだろうか。考えたが、無駄だと思った。彼はアニエス如きの問いかけに動じたりしない。彼はここに来てアニエスが命令から逃げるなど、微塵も考えていないのだ。

 言ってはいけないと思った。同時に、言ってはいけない理由をアニエスは考えた――――その時、エキサスならば大丈夫だろうと、思ってしまった。


「わ、私はアニエス……アニエス・クローデル、です♥ 雌奴隷番号22番……挨拶は、ガニ股おまんこ開脚♥ マン毛は、未処理、です♥」


 だって彼はアニエスが〝お気に入り〟と言った。自らの所有物、指折りの雌奴隷だと陶酔していた。アニエスを自らの作品のように語ったのだ。

 ならばエキサスはアニエスを手放さない。手放す理由がない。そういう意味で、アニエスが秘密にしておきたいことと彼の安全保障は一致している。


「えっと……お、教えてもらったことは、色々ありますけど……こ、こんな風に、おまんこを広げるのが、見せつけるのが、気持ちよかったこと、とか♥ 本当に、たくさん、あります……♥♥」


 だから後は、アニエスが彼の外道な面を受け入れられるかどうかなのだ。自らを卑劣な手段で貶め、こんなスケベなガニ股ポージングの癖を付け、本当の恥ずかしさというものを教えて〝くれた〟エキサスを。


「すぅー、はぁー……♥」


 もう、答えは決まっていた。きっと彼は、途方もないモノをくれる人だ。


「私は!♥ 人に裸を見られて股を濡らす変態露出狂女です!♥ エッチでスケベな姿や、セックスしている所を見られて、恥ずかしいのに、興奮して仕方がない、変態メス奴隷です!♥」


 アニエスが想像できない。できるようになったとしても、一人では決して辿り着けない色欲の極地へと。

 彼女の色が極まる。塗り替えられた色が、本当の彼女のモノへと変わる時――――その視界が解き放たれた。


「へぁ……♥♥♥」


 声が零れた。淫猥な色が広がったアニエスの視界に、ありえないものが映り込んだ。

 淫猥な色というのは何の比喩でもなく、ライブハウスの照明が淡いピンクの光を放って輝いているのだ。その中心にアニエスはガニ股を開いて立っていて、眼前には自然とステージの下が映り込む。それがありえないもの――――数十人の観客たちだ。

 人の視線、視線、視線。好色の目、侮蔑の目、信じられない者を見た目。年齢は問わない。信じられない目をしている人間の中には、アラミスの制服を着た少年たちもいた。

 見られた、見られた、見られた見られたミラレタミラレタミラレタ――――ああ、それは間違いなく

天にも登る羞恥だ。


「お゛っ、ん゛ん゛、ッヘぇぇぇぇぇぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜♥♥♥♥♥」


 イッた。完璧にイッた。アニエスは脳に叩きつけられた羞恥を全て快楽に変換し、ガニ股をガクガクと前後に痙攣させてイキ潮をぶちまけて絶頂した。奇声を上げ、鼻の下を伸ばした顔を反らして全力のアクメをキメた。


「く、クローデルさん、マジかよ……清楚だって、信じてたのに!」

「噂は本当だったのか……し、失望したよ。は、ははは!」

「なんて声を出すんだ! 伝統あるアラミス生でありながら、なんて……!」

(み、見られちゃって……もう、言い訳できないっ♥♥ みんなに見られて♥ 知らない人たちにも、いやらしい目で見られて♥ 私、恥ずかしいだけで、イッちゃいましたぁ♥♥♥♥)


 セックスをしながらではない。アニエスは、あの宣言を聞かれていたこと、裸を晒したこと、その事実を自覚した衝撃で絶頂した。

 その破壊力は言うまでもなく心地いい――――そして後戻りができない変態露出を仕組んだエキサスは、やはり逆らえない存在だと理解をした。


「おいおい、憧れの女の子がちょっと変態趣味だったくらいで幻滅か? 甲斐性がねぇガキ共だな、おい」

「あっ♥♥」


 最高に気持ちがいいことを与えてくれる人。どんなに逆らっても無駄だと理解させてくる人。

 諦めは抵抗を喪失させ、快感は心を反転させる。アラミス生たちが大きなテントをズボンに張った姿で、束になってアニエスに侮蔑の言葉を投げかける中、エキサスという男はアニエスを抱き上げ、己の巨根を堂々と股間に添え、一気呵成に挿入した。


「ん゛お゛ッほぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!♥♥♥♥」


 アニエスも声を我慢する気が感じられない嬌声を吐き出し、大股開きの背面駅弁で肉棒を受け入れた。

 きっとあの少年たちとも、アルベールとも程度が違う。アニエスにはわかる。このチンポが一番気持ちいい。このチンポとセックスしながら、誰彼構わず視線で犯される。快感と羞恥が完全に溶け合い、新しい色(自分)になれる――――なんて、心地いい。


「おっおっおぉぉぉ〜〜〜〜♥♥♥ すごいっ♥♥ 今までで、一番気持ちいいですっ♥♥ えへっ、えへ、あへぇ……み、見られて、見られながら、おちんちん気持ちいいですぅぅぅぅぅぅ!♥♥♥♥」


 上下に揺さぶられながら、アニエスは己へ注がれる視線を一つ一つ確実に快楽へと変えていった。膣穴をピストンする圧倒的な雄の塊と、それで蕩けたアヘ顔を晒す自分を見つめる雄の視線。二重の快感がアニエスを襲い、彼女の新しい姿を確固たるモノへと固めていく。


「気持ち良いだろう、アニエス。もっと気持ちいいモノを見せてやるよ……俺のザイファを見てみな」

「あへっ?♥♥」


 ――――その画面には大量のコメントが流れてきていた。


「裏掲示板のLIVE映像だ。何が流れてんのかは、このコメントを見れば一目瞭然ってな」


『この金髪女エロすぎだろww』『露出狂とか性癖終わってるな。俺の目の前でやって欲しいわw』『嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ』『加工だろ!? そうじゃなきゃあり得ない!』『俺もヤラせてほしいわー』『アラミス1年のアニエス・クローデルだな。特定した』『ふざけんな! 真面目そうな面してやがった癖に! この――――変態!』


「あっあっあ――――くひぃぃぃぃぃぃぃぃぃッ!!♥♥♥♥」


 一人に見られた時より、数十人に見られた時。その数十人に見られた時より、ネットの数百は下らない顔も知らぬ人間に見られた瞬間の絶頂が、堪らなくて瞼の裏の火花が止まらない。

 もうこれ以上のモノはないんじゃないか。ふと過ぎる一抹の不安感。しかし、彼はそれすら見抜いていた。


「安心しな。俺と来たら、もっとヤバいことをしてやるよ。生の視線を、このLIVE映像の連中と同じくらい集めてやる。俺のモノになるだろ、アニエス・クローデル。いいや――――アニエス・グラムハート」


 ――――最後の秘密はとっくに知られていたのだ。ならもう、躊躇う理由がないじゃないか。

 彼は自分の全てを知った。それを知った上で、こんな変態の女が欲しいと言った。モノになれではなく、なるだろうという男らしい堂々とした態度でた。


「なり、ますぅ!♥ 私はっ、エキサスさんの、雌奴隷22番、アニエスです!♥ 貴方のためならどんな事でもします♥ だから私に、もっと恥ずかしいことを――――恥ずかしくて気持ちいいことをしてください!!♥」


 アニエスは頷いた。彼に抱かれながら、一心不乱に頷いた。こんなに気持ちいいこと、二度と巡り会えない。

 快楽に堕ちた。アニエスという少女の心は、エキサスから与えられる素晴らしい快感に射止められた。


「ハンッ、どっちも欲しいってか? そういう欲張りな雌は嫌いじゃねぇぞ!」

「あっ♥♥ 嬉しいですっ♥♥ ん゛お゛ぉぉぉ、イグッ!♥♥ 好きです、エキサスさん!♥♥ ん゛ッほぉ゛、イグゥッ!♥♥♥♥」


 愛おしい者への告白と、与えられる快感への答え。美しい声色と汚らしいアクメ声をアヘ顔のまま切り替える。アニエスは、堕ちた自分を徹底的に受け入れていた。


「良いねぇ、手塩をかけた雌奴隷のデレは何度味わっても堪んねぇ。折角だ、お集まりの皆様にも分けてやんねぇとな。雌どもぉ! 先輩の威厳ってやつを見せつけてやれ!!」


 堕ちたアニエスの姿にエキサスが激励を飛ばす。彼は何もアニエスを見せつけるためだけに、観客たちを呼びつけたのではない。

 労働力の返礼には快楽を。お気に入りの雌奴隷が完成した披露会に女たちが立つ。先輩の威厳とは名ばかりで、紐のようなVストリングを身につけた痴女たちがステージの上にズラリと並び立った。


「全員、観客の皆さんに挨拶してやれ!」


 雌奴隷たちはアニエスに負けず劣らずの美女揃いだ。そんな美女たちがエキサス一人の命令に従い、羞恥の大小差はあれど順々に名乗りを上げる。


「雌奴隷10番!♥ マリエル・エーメです!♥」

「雌奴隷17番……エレイン・オークレールよ♥」

「ん、雌奴隷1番♥ フィー・クラウゼル♥」

「うふふ、雌奴隷21番、レン・ブライト♥ ま、私のことを知ってる人は、多いかもしれないけど♥」


 マリエル、エレイン、フィー、レン。知っている名前、知らない名前、顔。だが、誰であれエキサスの心酔者だとわかる。特にレンはアニエスたちの前に立ちながら、彼女に悠々とウィンクを送ってさえいる。


「今日は無礼講だ。招待されたやつだろうと、運良く来れたやつだろうと、雄なら誰でも構いやしねぇ。俺が育てた雌奴隷を存分に味わいなぁ!!」


 無礼講。その許しが出た瞬間ライブハウスに響き渡った怒声は、どんなアーティストのライブにも勝る声量でありながら、官能の熱が全てであった。


「ぐふふ! こんなところで会えるなんて奇遇だねぇマリエルちゃん! また特ダネ売ってあげるから、今日は夜まで付き合ってくれるよねぇ?」

「んんっ、あぁぁんっ♥♥♥ は、はい♥ よろしく、お願いします……♥♥ どんなネタでも、私のおまんこで良かったら、お貸しさせてもらいます♥♥」

「おいおい、独占はないぜおっさん。今は俺らにも使わせろって!」

「あっ、大丈夫です♥ ちゃんと口も手も、何ならお尻の穴も使えますから♥」


 ライブハウスは乱交会場と化した。マリエルはお得意様なのだろう業界の中年に正常位で挿入されながら、他の男たちのチンポを笑顔で扱いている。


「この野郎! この前はよくも俺らのグループを! 俺の顔を見てるなら見逃せってんだよ!!」

「あ、あれは♥ 他の人たちも見ていたから、し、仕方なく……後で書類に手を加えて、全員無罪で逃がしてあげたじゃない♥」

「それとこれとは話が別だ! ケツ穴の乙女がよぉ!!」

「あっ、そこだめ♥♥♥ お、おほっ、んほおぉおぉぉぉぉぉぉ!!♥♥♥♥」


 エレインは半グレグループと表向きの因縁があったのか、半分以上一方的な難癖を付けられ、アナルを掘られて寄り目不細工なイキ顔を晒していた。


「ふう……まさかレンが堕ちてたなんて、初耳♥」

「ふふ、それは私の台詞よ、《妖精》さん♥ ま、今は同じ御主人様を持つ者同士、今まで以上に仲良くしましょ……さしあたっては、アニエスに振られた童貞さんたちの筆下ろしとか♥」

「ん……悪くなさそう♥ たまには初心な子たちも悪くない♥」

「そ、そんな……会長に、帝国の有名な……あぁっ!」


 レンとフィーは旧知の仲であったのか、仲睦まじく迷い込んだアラミス生の口封じ、もとい童貞喰いに勤しんでいた。これからは旧知の仲ではなく、同じ御主人様を持つ者同士――――それはステージの真ん中で、彼女たちに負けじとよがり狂うアニエスも同じだった。


「おっ、おっ!?♥♥ おふっ、ほぉぉ!♥♥♥ チンポ、チンポいい!♥ ガニ股開きのマンコにぃ、ご主人様のチンポぶっ刺さってますぅぅぅぅ!♥♥♥ あひ、あはは!♥ 見て、もっろ見てぇぇ!♥♥ まん毛だらけの変態まんこを見て、興奮させてぇぇぇ!♥♥♥♥」


 ガニ股中腰のデカケツでエキサスのチンポを受け入れ、腋の下まで晒し上げてアヘ顔オホ声大絶叫。

 視線が気持ちいいと知った今、アニエスに躊躇いはない。お淑やかなアラミス生の顔は失われ、露出狂に目覚めた変態ビッチの顔が顕になっていた。


「クハハハ!! やる気満々じゃねぇか! 先輩連中に負けじと、ってかぁ?」

「お゛っ♥♥ ほぉぉぉ!♥♥♥ だって、見てもらえないと♥♥ 気持ちよさが、減っちゃいます、から♥♥」

「なら心配ねぇなぁ。全員ヤりながら見るところは見てやがるぜ……クク、それとも早くあの〝点呼〟に混ざりたいか?」

「……はい♥」


 素直でいじらしい。自分の価値を理解して、まだまだ染まる部分があることを知っている雌の顔付きだ。多くの雌を色責めだけで変えてきたエキサスも、その変容に情欲が唆られる。故に雌番号、お気に入りを授けたのだ。

 彼の目に狂いはなかった。彼女は必ずこれ以上のモノになる。その確信は彼女を調教する度に強まって、今も留まることを知らない。アニエスの器はこんなもので溢れたりはしない――――エキサスの快楽はまだまだ飽きることを知らないと言っていた。


「オラッ、射精すぞアニエス! 可愛いこといいやがる雌奴隷には、奥にしっかりご褒美くれてやるぜぇ!!」

「お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛っ!♥♥♥ はびぃ♥♥ ご褒美♥ ザーメン♥ くらひゃい♥ アニエスの、雌奴隷22番のおまんこしきゅーに、浴びせてくださいぃぃぃぃぃぃぃ!!♥♥♥♥」


 ドピュルッ♥ ドプッドプッドプッドプッ♥ ドビブビュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!♥♥♥♥


「んッほ、うほほおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ♥♥♥♥ イグッ、イグイグ、イグゥ゛ゥゥ゛ゥゥゥ゛ゥゥ゛ゥ゛ゥッ゛!!♥♥♥♥」







「それで、例のアルベールくんの様子はどうだ?」


 首都イーディス某所の公園。エキサスがニヤニヤと笑い、拘束具を取り付ける。アニエスは〝男子小便器〟の中に押し込まれながら、両手と両足の自由を封じられていた。その上で、彼からの問いかけにニコリと笑って声を発する。


「はい、エキサスさんの言う通り、ちょっと誘惑して、おちんちんを口で気持ちよくしてあげたら、あっさり言うことを聞いてくれるようになりました♥」


 なんてことのない風に語るアニエスだが、要するにそれは身体を同級生に売り渡し、淫靡な首輪をかけたも同義。そこに至るまでアルベールには葛藤があり、勇気を出して件の邂逅をアニエスに問いかけたはずだ。その隙を彼女が狙ったのは言うまでもない。


「クク、悪い女になっちまってなぁ。さぞ同情を誘う言い方をしたんだろ?」

「ふふ、それは秘密です♥ でも、アルベールくんのおちんちんは可愛かったですし、ちょっとだけサービスしてあげても良かったかもしれないです♥ 緊張ですぐに射精しちゃいましたし♥」

「テメェの舌テクに童貞が耐えろってのも無理難題ってもんだ。同情しちまうぜ」


 肩を竦めるエキサスに、小便器にまんぐり返しで入れられたアニエスがクスクスと笑う。その笑み、その姿は数ヶ月前まで見られたアニエスのモノではなくなっていた。


「しかもちゃっかり隠し撮りしやがったな?」

「はい♥ 凄くいい反応を貰えました。アルベールくんには感謝しなきゃですね……夜の学校で自撮りをした時よりは薄めでしたけど♥ 目隠しをしていたら、警備員さんに見つかっちゃいそうで、思い出しただけで……はぁぁぁ、気持ちよかったです♥♥」

「すっかり染まりやがったな。ま、ガキ共はおまえとレンに任せる。教師も何人か潜り込ませてるから、好きに〝染めて〟俺たち《グリード》の島にしろ」

「了解です♥」


 アニエスの快楽と、エキサスの策略。断片的に語られるだけでも、彼らの関係と未来は良好そのものだ。

 それは、アニエスの首にカチャリと嵌められた首輪のリードが、小便器の上段に結び付けられ、彼女を完全に拘束したことからも伺える。エキサスに躊躇いはなく、アニエスに抵抗はない。


「さて、これで画像を送り出せば準備完了だ……おいおい、もう想像してマン汁吹き出してんのかよ」


 エキサスがザイファを起動して構える間に、まんぐり返しの全裸で小便器と同化したアニエスは唇を尖らせた品性の感じられない顔で荒い息を吐き、金髪が生い茂るマンコから愛液を『ブシュッ♥』と力強く噴射していた。彼女はこれから先を想像しただけで軽イキしている。


「クク、この姿を掲示板に貼り付けたら、性欲盛んな雄共が血眼になってテメェを探しに来るだろうな。最初に着いた奴は何をすると思う? 意気揚々とマンコにチンポをぶち込むか、小便器の代わりに小便をぶちまけるか……カカ、順序が違うだけでどっちもやるかもしれねぇな。マンコに中出しキメて、口に小便をキメる――――イッちまいそうだな、えぇ、俺の可愛い雌奴隷ちゃんよ」


 シャッターを切る。恍惚とした笑みを浮かべ、マンコを濡らす変態美少女。エキサスの可愛らしい雌奴隷の門出に、彼は芸術品を映すように丁寧に、完璧に、アニエス・クローデルの恥姿を収めた。


 カシャッ♥


「あっ、あっ、あへっ、撮られて、見られて――――い、イクぅぅぅぅ!♥♥♥♥ あへぇぇぇぇぇ〜〜〜〜〜〜〜〜!!♥♥♥♥」


 シャッターの音だけで己の恥辱を想起し、アヘ顔でイッた少女の便器姿。それがどれほどの反響を得たのかは、アニエスの笑みが既に物語っていた――――――


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



ちなみにフィーの1号は貰ったネタから前日譚を書こうとした名残です。ちなみに導入だけで頓挫しました。エキサスをこういうタイプにしちゃったから調教方向もしっかり決めなきゃいけないんだけど、まあしっくりくるの私の中で確立できなかった。我ながら情けない……なのでそのうちしれっと番号は変わってるかもしれん。

ガッツリ台詞のあるエキサスですがそんな感じで今後出番があるかはわかりません。何せ筆者はキャラ付けして書き続ける予定だったはずなのに一定の竿役になかなか入れ込めない困った性格してるので。そういう意味でクヨウ様は理想ののじゃエロ狐なので竿役とはまた違ったり。


誰か続編か前日譚のプロット書いて欲しい。キャラは好きにしてもらっていいので。最近好きなの書く時はビビッと来たのに食らいついて書いてんなこいつ……。

募集箱の方もお気軽にどうぞ。アニエス、ロゼおばあちゃんは書く気になりそう。思いついたものがあったら複数個投稿でも大丈夫です。何せ書くのは私の気分なので。今月もモチベが決めるままに頑張っていきます。

Comments

たこ足八寸

アニエスの転落っぷり最、高でした! 序盤の調教を受けながらも反抗の意思を示していた姿と、終盤の見事な変態への堕ちっぷりのギャップが素晴らしい!! アニエスのような優等生タイプのキャラクターのオホ声アヘ声の女を捨てたような嬌声が本当に生えますね。  下品な格好を自然にとってしまいその上誰に命じられるでもなく自然とそんな無様姿勢を維持してしまう身体、腹の底から零れ落ちる無様なイキ声が雌へと調教されていく過程を感じさせてとてもエロかったです!!

ゆっけ

徐々に堕ちてゆく過程がとてもエロくて良かったです! 美少女が出すオホ声はやはり良い

いかじゅん

ありがとうございます!気合いをめちゃくちゃ入れたのもありますが、清純で芯の強いアニエスが落ちぶれてド変態になるのが本当に楽しくて……優等生タイプの変態化やお下品声で得られるエロスがマジでたまらんですね。 衝動の赴くままに書き上げましたが、こうして多分な賞賛の言葉をいただけると有難い気持ちでいっぱいです。エロいアニエスが過程込みでたくさん書けて良かった……

いかじゅん

ありがとうございます!調教物は気分が乗った時しか書きませんが、その分じっくりやれた時は苦労が楽しくなっちゃいます。 美少女のオホ声は身体に染み渡りますねぇ……

エンダー

アニエス嬢の落差が悲惨すぎてこれは…いけるな!! 生真面目美少女が汚い声出して喜ぶ淫乱女に堕ちる結末はやはり至高。竿役のエキサスのキャラも良かったですし、アルベール君も短い出番ながらもいいスパイスになってて良かったと思います(作中でのあまりの言われようはともかく) それとフィー採用してくださりありがとうございます。 普段と変わらない口調で下品なこと言うフィーちゃんも推せますわぁ

いかじゅん

やっぱり清楚ヒロインは汚声の喘ぎ枠に堕とすのが良い!アルベールくんは片思い枠に作中でもいるのが悪いね、仕方ないね(軌跡主人公はその枠できるのロイドくんくらいしか思い浮かばねぇ) フィーちゃんは続編起用する予定でしたが一旦断念してしまいました……いつか日の目を見たらいい、なぁ。フィーちゃんクール淫語がとても似合うわかる

ムマ・N

脅され調教も……良いよね! 半グレで本来アニエスには箸にも棒にもかからない相手だけど、女の扱いや外道な方面では圧倒的に上手なのも好き。無能も良いけどね! じっくりじっくり堕とされて、希望も奪われて、そして……うん、エロい!

いかじゅん

もはや本編の導入から脅してくれと言っているメインヒロインはヤルしかないですねぇ! 半グレは半グレでも強キャラ系半グレだった……やはり快楽堕ち。快楽堕ちは全てを解決する……!