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制作ノート

 こちらは3月20日に引き受けたSkebリクエスト。依頼内容は、クライアントさんのオリキャラ(高校生くらい)を使って「悪ノリしたふたなりっ娘の友達に一方的にえっちされちゃう」というもの。その他の設定はおまかせで、とのこと。

 HAHAHA! 私の大好きなシチュエーションじゃないですか! いま描こうとしてるマンガもまさにそんな感じで、じゃれ合ってる間に本気モード→えっち突入の流れだからね! 思ったような絵が描けなくて完全に滞ってるけどねそのマンガ! 今はちゃんとした絵が描けるようになるための修業的な感じで色んな絵を描いているのです。


 ともあれ、私の大好きシチュエーションだしパパっと描けちゃいそ~! と思ったのも束の間、間髪入れずに問題点が2つ浮上しまして。


 まず1つ目。クライアントさんが参考にと送ってくれたオリキャラの絵がクオリティ高すぎて明らかに私以上の画力で半端ねえ!という点。その絵を言葉だけで説明するのは難しいけど、ほぼ写真レベルの自然な陰影表現をしてるにも関わらず、何の違和感もなく二次元の女の子の顔を乗っけてて、完全につよつよ絵師の貫禄がにじみ出てるという。

 えげつないプレッシャーだよ! 今の私には全力を出しても逆立ちしても描けない領域だってひと目でわかるからね! 私にリクエストしたからには、私の画力で大丈夫だと判断したんだろうけど、それはそれでプレッシャーだよ!


 そして2つ目の問題点。画力面で不安が残るものの、それなら私の好きなシチュエーションを最大限の熱量を持って描くことで不足を補おうと考えたわけですが、いざ描き始めようとすると、あることにはたと気づく。

 マンガでなら「悪ノリしてえっち」を表現するのは簡単で、ストーリーを作ってその流れを提示すればいいだけなんだけど、イラスト1枚で悪ノリしてえっちになだれこんでるって表現するの、難しくない……?

 一方的にふたなりっ娘にえっちされてるってことは、すでに挿入までされちゃってるってことが前提になってると考えられるんだけど、だとしたら、悪ノリ部分の名残を画面内に匂わせないといけないわけで。そうすると、キャラクターも大事だけど背景も重要になってくる感じ……! 場所の設定……どうする!?


 ではここで一旦整理しよう! 「高校生」「悪ノリ」「流れでえっち」という確定要素から私が思いつく場所はかなり限られてまして、「学校」「家」ぐらいのもんでした。外で「悪ノリ→えっち」をやるのはいくらなんでもリスキーすぎる。そもそも、クライアントさんのオリキャラがかなり上品そうな女の子だったので、そんな子がパブリックな場面でえっちにつながるような悪ノリをやってくる友達を作るかどうかっていう問題もある。

 カラオケぐらいのちょっとした密室ならOKかなとも思ったんだけど、その場合二人でカラオケという状況はなかなかに寂しいものがあるので、さらに数人の友人をセッティングするのがセオリーではあるけども、そうすると、やっぱりその空間はパブリックな状態に近づくわけで、えっちまでもつれこめるかというと微妙なラインになってきそう。


 以上のようなことをぐるぐる考えた結果、私が導き出した答えは「放課後、友達の家で勉強してるときに分からない箇所があって、教えてもらうときの接近時に『ちょっと近い近いw』みたいな微かな接触が少しずつエスカレートして、こらえきれなくなったふたなりっ娘が押し倒しちゃって~」というもの。よし、私はこれで満足です! それじゃあ早速描いていくよ!


 シチュエーションが決まれば早いもので、パパっと描いたラフがこちら。うん、悪くない。悪くない……んだけど、ちょっと違うんだよなぁ、と。

 何が違うのかと言うと「平面的すぎる」ということ。私はもっとババーンと迫力のある絵を描きたかったんだけど、絵巻物かな?ってぐらい平面的な構図になっちゃってるんですよねぇ……。これはこれでいいかもしれないけど、描こうと思ったものと実際に描けたものが乖離してるって結構問題だと思うので、ここは修正しておくべきだよね!


 ……と、描き直し始めたものの、ぜんっぜん描きたい構図が描けないの! 描けども描けども平面的なイメージのままで、迫力のある絵になってくんないの!

 そこで初めて認識したのは、私は「奥行き」が描けないのだ!という衝撃の事実!

 いや、ほんと衝撃だよ! さすがにめっちゃ凹んだよ! 最近ちょっとそれなりに絵を描けるようになってきたかな?って思ってたのに、奥行きが描けないとか!! マリオカート得意って言ってるのにドリフト知らないみたいなもんでしょ!?


 でも確かに、今まで描いてきた私の絵を思い返してみると、ちゃんと奥行きを描いた絵ってひとつもないんですよねぇ……。というか、なんとなく完成まで描くのをやめちゃった絵というのが100枚以上あるんだけど、その大半が実は奥行きを描こうとしていたものだったりするんですよ! だから完成させられずに「なんかうまく描けないなぁ……まぁいいや次描こ!」みたいに問題を先送りにしていたんですねぇ……! ショッキン!

 今回はSkebのリクエストだったからこそ、必ず完成させないとっていう意識があってなんとか踏みとどまれたわけですね。これが普段のラクガキ的な絵だったらとっくに破棄して次行っちゃってたな……。これ、ヘタしたらずっと気づかないままだった可能性もあったわけで、いま気づいて超絶ラッキーだったよ!


 私は奥行きが描けないのだと認識を改めてラフ作業を再開。どうやったら奥行きを表現できるのか、写真を見たりパース(遠近法)をおさらいしてみたりといろいろ試行錯誤の末、一日かけてラフを修正したものがこちら。

 一日かけてこれか~……!! でも、まぁ、まぁ、平面的な構図からは多少脱却できたはず! これ以上は、いまはちょっと無理! いやほんと、奥行きの描けなさ、笑っちゃうぐらい壊滅的ですよ!

 ともあれ、奥行きは今後の課題にするとして、今はこれを仕上げることに集中集中!


 ペン入れ。「今回ばかりはSkebでも最後まで描けないかも……」なんて考えが頭をよぎったりしてどうなることかと思ったけど、流石にペン入れを終えるとちゃんと描けそうだなと一安心。

 ちなみに、

 このようにペン入れをレイヤー分けしてます。実は互いの身体で隠れてしまってる部分も描いてたりとかなり慎重な様子。


 ベースカラーの彩色と背景のペン入れ。ここまでちゃんと背景を描こうとしたの、初めてでは? だからやっぱり、それっていままでちゃんとした奥行きを描いてこなかったってことにつながってくるんだよねぇ……。背景大事!


 キャラに影をつけながら、背景にもベースカラーを彩色。小物は後から描き込もうと思っているんだけど、この殺風景な感じ、完成イメージに不安を残すなぁ。


 そんな不安を払拭するために、まずは背景のクオリティを上げて気分を上げていこうという作戦。キャラクターの影を背景に落とすと、ちゃんとそこにいる感じが出て安心する……! パースが合ってるかどうかは不問にしておこう。


 後は小物を添えて、描き込み、描き込み! 今回の床やテーブルの木目は、全部「滑らか水彩」という筆ツールでちまちま手描きしてみたのだけど、一応それらしく見えてくれてるので、今後もこの手法は使えるかも。

 そんなこんなで……


完成!

さらに細かい描き込みを施して完成!

 いやー……なんというか、完成したのは良かったけど、残った課題がでかすぎて! 奥行きかぁー……! 完全に盲点だったよ!!

 あと、やっぱり塗りが今どきっぽくないので、そのあたりもなんとかしていきたいところ。パッと見た印象で、ちょっとごちゃついてる感じがあるので、もっとスッキリ見せる工夫が必要なのかも。特に銀髪の描き込み密度高すぎた感がすごい。


 というわけで、次だ次! ガンガン課題を潰してってもっとちゃんとした絵を描けるようになるといいなぁ……!


 アヤナキトリのSkebはコチラ → https://skeb.jp/@ayanakitori

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