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制作ノート

 こちらは3月22日に引き受けたSkebリクエスト。依頼内容は、クライアントさんのオリジナルキャラ2人を使って

 ・全裸&ふたなりで触手に絡みつかれている

 ・両腕を後ろに引っ張られての立ちバック体勢

 ・ふたなりペニスもしごかれて射精

 ・泣きトロ顔で

というもの。


 これはなんでしょうか。ふたなりは最高であり、触手も最高であるため、その掛け合わせはクリームチーズをたっぷり挟んだデニッシュパンにベリーソースで彩られたソフトクリームが鎮座するコメダ珈琲の新作シロノワール・フロマージュベリー(996kcal)を彷彿とさせる一粒で二度美味しい至高のリクエストですねありがとうございます! コメダ珈琲のクソデカカロリースイーツ大好き!


 触手といえば、以前に一度描いたことがあるんだけど、あの時は「わぁい触手大好き! なのでとりあえず描いてみたよ!」みたいなノリで、ほんとにただ描いてみたっていう感じだったので、今回はしっかり見栄えやらなんやら考えて描いていくよ!

 で、考えた構図がこちら。「両腕後ろの立ちバック」という指定から外れない程度の解釈で、ちゃんと空間を使った配置にしようと気を配った結果。

 立ちバック2人分というイメージをストレートに受け取ると、ただ単に横に並べてしまいがちだったりして、私も最初はそんなイメージになってしまってたんだけど、前回のSkeb絵を描いてたときに得た「私は奥行きが描けない!」という課題を思い出して、しっかり縦方向と奥行きを意識してみるとこんな感じに。

 よし、今回はこんなもんで進めようかな……と思ったもののちょっと待って! 2人もふたなりっ娘がいるのにどっちも女性器を見せてないとかエロ絵としてどうなの!? という私の内なる天使(悪魔)が囁きかけてきたので──


 後ろの子のポーズを変更! しっかり両腕後ろの立ちバックを遵守しながらも女の子部分をアッピール。それにやっぱり、前かがみよりもエビ反ってる方がより快感を伴っていると受け止められやすいように思えるし、全体の構図としても二人の体のラインが円形を描きつつ、男性器が直線上に配置されているという印象的なものになってる気がするので、修正して良かった!


 そんなわけで早速ペン入れ。

 ……ええと、なんだろう、この、下描きからなんか劣化したんじゃないか感は……! こういう、ペン入れ後に下描きの勢いがなくなってしまって残念なことになるってままあるんだけど、逆に、ペン入れをしたら画面が締まってかっこよく見えるっていう現象も存在するんですよねぇ……。

 私の場合、例えばデレマスの砂塚あきらちゃんをペン入れしたときなんか、めっちゃカッコよく描けた!って喜んでたんだけど、この差はどこからくるんだろうね? 書き込みの密度? それともペンの太さのメリハリか……? あ、多分それかな? ペンの太さのメリハリ! そういえばあきらちゃん描いてる時は、目を描くときだけちょっと細いペンを使ってたりとかしてたね!? ああ思い出した思い出した! そうだったそうだった! 今回のペン入れがなんとなく劣化して見えるのは、ペンの太さがほぼ均一だからかも!?


 ぐっ……この文章は絵の納品後に書いてるから今さらどうこうできるわけではないけど、今後マンガやイラストを描くときにはこのペンの太さのメリハリに気をつけていこう。


 ベースカラーを着彩。いや、もう、線に難があると分かっちゃった後なのでなんだけど、色を乗っけてもピンとこないこの感じ……! 私、描きながらすんごい不安になってたから! 特に目! 手前のツノの子の目が、この時点から「後でなんとかしないと……」ってうっすら感じながらも「でもちゃんと色を塗ればなんとかなるかも?」なんてダブルバインドが発生して泣きそうだったよ! うん、泣きそうっていうのは大袈裟だわ。あーあーどうしようどうしようやばいやばいみたいなことが頭の中でぐるぐる回ってました。


 で、影をラフ塗りして具合を確かめてもピンとこない。ので、背景にグラデーションを入れて情報量を増やしてみるなど。キャラクターに使われている赤~ピンクの補色にあたるエメラルドグリーンによって、キャラクターが引き立つかもと考えての配色だけど、この状態で引き立ったところでダメな感じがより際立つ結果になってさらに焦る。背景とキャラクターの色が離れすぎてると空間に溶け込んでない感じがして、それはそれでダメっぽいんだよねぇ……。


 とにかくなんとかするしかないので、影塗りを進めてみる。これまでのSkebリクエストをこなしていく中で「なめらかすぎる影色の変化は画面にごちゃついた印象を与える」というふうに感じたので、今回はアニメ塗りっぽい単純さに、うるさくない程度のちょっとしたグラデーションを挟むという、ハイブリッドな影塗りに挑戦! ……したのだけど、いや、今回ばっかりはもっと影に濃淡をつける方向でクオリティを上げたほうが良かったのでは……?などと悩んでる図。

 なお、キャラの目を少し小さくしたりなんかして、なんとか自分の中にある違和感を緩和しようともがいてたりもする。後ろの子の目はこれぐらいで大丈夫かなぁと思う反面、やっぱり手前の子の目にはまだ違和感があってモヤる。


 さらにクオリティを上げたいのなら背景を描きこむのが手っ取り早いよね!ということで、私がラフ時に考えていたすべての背景要素を画面上にぶちこんでみる。

……うん、イメージしてたものから程遠いスッカスカな印象にしかならなかったね!? いや、これは本当にまずい! ここまでは「どうせ全体の描き込みを増やせばいやでもクオリティは上がるだろうからなんとかなるでしょ」とタカをくくってたんだけど、要素を全部放り込んで描き込んでもこの有り様!! こっからはもうノープランなのにどうすんのこれ!?

 いったん深呼吸を挟みつつ冷静になって見直すと、触手の本数が足りてないよねっていう至極当然なことに気付いて何本かうにょうにょ追加して生やしたりしてみたんだけど、そうすると今度は画面がガチャガチャしすぎて見づらい絵になってくるという。そこでようやく思い至ったのが「この触手たち細すぎたのでは?」なんていうこの絵の根本を揺るがすような発見、そして絶望。

 ああー、そうかー、もっと触手を太く描いていればその分画面が埋まってにぎやかになるし、一本一本が広い面積を持ってるからごちゃつくこともなかったのかー。などと放心状態の頭で考えながら、それでもここからなんとか少しでもいい絵にするための策を探り始める。


 そうして思いついたのが、一本一本ハッキリと触手を描いていくのではなくて、背景全体が所狭しと触手に覆われた空間になっているという表現。これならうるさいコントラスト比で画面の和を乱すこともないし、なにより全体が埋まってる感を演出することができるよね!  よし、よし、これでなんとかなる、なんとかなる! 多分! きっと! おそらく! perhaps!


 ほんと毎回思うことだけど、毎度毎度ちゃんとした絵にできるかどうか綱渡りすぎるでしょ! この現状、いつか改善されたりするんですかねぇ。ラフの時点から最後の詰めまで余すところなくアイディア出しできるようになったらこんな綱渡り状態を解消できるんだろうけどねぇ……。そうするために何が必要かと言うと、ネタの仕入れ……でいいのかなぁ? どういう要素を入れれば絵として成立するかを、普段から意識して見ておくと良いのかも?


 で、後はもう、こまごまと描き込んでいくぐらいしかやることがないので、とにかくコツコツと描き進めていって──


完成!

 汁を描き込んだり、背景色の照り返しをキャラクターに入れてみたりして完成!

 ちなみに、手前の子の目は位置を少しだけ下にずらすことで違和感を減らすことに成功! どうやらちょっと上の方に配置しちゃってたせいで、顔が間延びしていたらしい。修正前よりはずいぶんカワイイ印象になってくれた気がする。とはいえ、まだまだやりようはあっただろうけど、今回はひとまずここまで!


 個人的にうまくいったと思うのが、後ろの子の髪の塗り。それなりに立体感と情報量もあるのに、描き込みすぎてうるさいみたいなこともないし、スッキリ見れる丁度いい塩梅な気がする。逆に、手前の子の髪は、まだちょっと「概念に頼った塗り」をしてるような感じになってる……かも? この差はなんなの……?


 なお、2人とも同じような表情だと面白くないから、手前の子はもう快楽に身を委ねちゃってされるがままになってて、後ろの子はまだ理性が残ってて抵抗してるっていう描き分けをしてみようと考えてこんな感じになってるんだけど、そういえば! リクエストの依頼内容で「(2人とも)泣きトロ顔で」っていうのがあったね!? すっかり失念して手前の子に涙描くの忘れちゃってたよ! 幸いクライアントさんはこの絵を喜んでくれてたみたいだけど、ちゃんと依頼内容に沿った上でどんな絵を描けるのか考えるのがSkebの醍醐味なんだから、こちらの勝手な解釈で依頼内容から逸脱するっていうのはどうなの!?  これはちょっと、今後のリクエストではちゃんと注意しておかないとですねぇ……。


では、今回のまとめ!

 ・ペン入れは強弱を意識してメリハリをつけること

 ・見栄えの良くなる絵の要素とは何か? 普段から意識しておくこと。

 ・依頼内容はちゃんと確認しようねぇ?

以上! リクエストありがとうございましたァッ!


 アヤナキトリのSkebはコチラ → https://skeb.jp/@ayanakitori

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