第一回アンケ結果とおまけ小説 (Pixiv Fanbox)
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4月ごろにFANBOXでアンケートを行ったんですが、その結果を感想と共に一部公開します!
Q1.巨大男と体格差、あえて選ぶならどちらが好きですか?
巨大男:68.8%
体格差:31.3%
3人に2人が巨大男の方が好き!という結果になりました。
実はpixivで一番ブクマ数が多いのが体格差の「服に見合う身体」なのでちょっと意外でもありました。pixivユーザーとFANBOXユーザーがちょっと違う可能性もあるのかな…?とかも思ってます。
Q2.好きな小説シリーズを教えてください(複数回答可)
[選択肢]
ワールドエンド
人間を飼うことにした
弱肉強食
小人収穫・駆除バイト
服に見合う身体
仕方ない、よな?
自分のでかいブツに自信を持…
練習試合
巨人サウナ
小人バイトの終業後
これは
「人間を飼うことにした」
「服に見合う身体」
「巨人サウナ」
の順で多かったです!「仕方ない、よな?」や「練習試合」はプレミアムプラン限定でそもそもの閲覧絶対数が少ないと思うのですが、「練習試合」はそれでも無料公開の作品より投票が多かったりして「野球部人気すごい・・・」ってなりました。
Q3.好きな体格差・巨大男のサイズを教えてください(複数回答可)
[選択肢]
180cm
190cm
2m
2m~2m50cm
2m50~3m
5m
10m
18m(約10倍)
36m(約20倍)
50m
90m(約50倍)
180m(約100倍)
360m(約200倍)
900m(約500倍)
1800m(約1000倍)
18km(約1万倍)
180km(約10万倍)
1800km(約100万倍)
18000km~(約1000万倍~)
これは体格差だと「2m~2m50cm」が一番多くて、巨大男になると「36m(約20倍)」「90m(約50倍)」「360m(約200倍)」あたりが多かったです。やっぱり人気のあるサイズですね。これ以上になるとだんだん得票率が下がってくるので、やっぱり私の作品を読んでくれる人はこのぐらいが好きなのかなーと思いました。
残りは作品とは直接関係ない部分なので省略します。
アンケートに答えてくださった方ありがとうございました!今後の活動に少しでも活かしていけるように頑張ります。
ここから下は、アンケートに答えていただいた方向けにprivatterで公開した短いお話です。体格差と巨大男どっちでも楽しめるように…と書いたものなのでそれ以外は割とシンプルです。
タイトルは当時は考えていなかったんですが「凸凹カップルのよくある話」です。
よろしければどうぞ!
凸凹カップルのよくある話
夜の繁華街の路地といえば、まあ暗くて狭くて汚くて、人なんか全然寄り付かない。そしてそんな場所だから都合がいい人間もいる。
「ちょ、離せ!」
「いやいやお兄さんさあ、人にぶつかっといてそれはないんじゃないの?」
派手なスーツを着崩した大柄な男が、小柄な青年を路地へと引きずり込んでいた。160センチ程しかない青年では20センチ以上背の高い男の力にはかなわず、必死に抵抗もかなわずずるずると路地の奥へと引きずられていく。
「うわっ!」
男が青年を突きとばした。突きとばされた青年は壁へと背中を打ち付ける。そこは袋小路になっていて、後ろはもちろん右も左も壁でふさがれている。そして青年の目の前では突きとばした男がニヤニヤと笑いを浮かべながら青年を見下ろしている。逃げ道を塞がれた青年は本能的に後ずさりしようとするが、背中にあたるコンクリの壁は一ミリたりとも動かない。
「な、なんだよ……」
「いや、オレもさあ、難癖付けてるわけじゃねえのよ」
大柄な男が青年に一歩近づく。身長差から青年が男の顔を見上げる角度が上がる。
「ぶ、ぶつかってきたのはそっちだろ」
「関係ねえんだよ」
男が青年のシャツの襟元をぐいと掴んだ。そして反対の手でこぶしを握る。
「ちょっと礼儀ってのを教えてやるよ」
「あっ……」
「おい」
今まさに青年を殴ろうとしていた男の背後から声が降りかかった。男はチッと舌打ちをする。邪魔が入らないようにわざわざ路地の奥まで引っ張ってきたのにこれでは台無しである。男が青年から手を放して振り返る。
「うっせえな! 邪魔すん……」
振り返った男が吐いた文句は、途中で霞のように消えていった。男の目の前に、その声の主の顔はなかった。あるのは、濃い青の布地に覆われたぼこぼことした壁である。人間がいると思っていたところに人間がいなくて男の思考が止まる。
「どこ見てんだよ」
先ほどと同じ声が上から降ってきて、男が顔を上げる。濃い青の布地がずっと続く。そしてはるか上にあったのが、人間の顔である。男は五秒ほどして、それが自分よりはるかにでかい大男だとようやく認識する。
「修司!」
「おう、弘樹。自販機の前で待っとけって言ったろ」
男の頭越しに、修司と呼ばれた大男と、弘樹という青年が言葉を交わす。
「この人に、なんか因縁つけられて……」
「だろうな」
修司が目の前の男を見下ろすと、男は蛇に睨まれた蛙のように硬直する。なにせその大男はとてつもなく背が高いだけでなく、今にも着ている服がはじけそうなほどの筋肉をまとっていたのだ。樽のような大胸筋に、目の前にはボッコボコに膨れ上がった腹筋。ぶっとい腕は男の腿どころか胴体ほどもありそうな太さで、それ以上に太い脚は男の肩に位置するほど長い。男によぎったのは勝てるか勝てないかではなく、明確な死だった。硬直している男に向けて修司がぬっと手を伸ばす。
「うわっ、はな……」
「お前、俺の弘樹に手を出そうとかいい度胸だな」
修司は少し屈んで男のスーツの襟をつかむと、まるでビニール袋か何かのように軽く持ち上げる。掴み上げられた男はとっさに暴れるも、修司の筋肉がみっしりついた腕はびくともしない。なんなら襟をつかむ指の一本でさえ微動だにしないのだ。まるで大人と子供のような体格差である。
「ちょっとどいとけ」
「あ、うん」
弘樹は宙に浮いた男の足元を潜り、狭い路地をほぼ占領する修司の横をすり抜けるようにして修司の背後に移動する。それを確認すると、修司はぶっとい腕を動かして男を壁に押し付けた。押し付けたといっても、その勢いで男の肺から空気が全部吐き出されるほどの威力である。
「かはっ……」
「……ったく、せっかくのデートなのに、邪魔すんじゃねえよ」
ぎりぎりと襟を締め上げられている男はろくに息もできない。が、そのうち襟の方が修司の握力に耐え切れず引き裂かれ、手を離れた男は1メートル近い高さから地面へと叩きつけられる。
「がはっ、ひゅっ……」
「さっさとおわらせっか」
地べたに座り込む男の前に修司がしゃがみ込む。しゃがみこんでも修司はとてつもないでかさを誇り、男の視界の全ては巨大な修司の体で埋まっている。が、次の瞬間、男には修司がさらに一回りでかく見えた。そして次第にそれが気のせいではないことに気づく。どんどんと修司の体が大きくなっていく。
「え……あ……なんで…でかく……?」
「バカ、お前が小さくなってんだよ」
修司の言う通り男の体は着ているスーツごと、とてつもないスピードで小さくなっていた。180センチあった体はあっという間に半分ほどになり、座り込んだ状態ではもう修司のすねにも届かない。たった一分ほどで男の体は5センチ程のサイズに縮んでしまった。
「ああ、ああ……」
男がぼろぼろと涙をこぼす。男の目の前にしゃがみこむ修司は、男にとってビルをはるかに超えるでかさになっていた。ぬう、と修司が小さくなった男に伸ばした手は、空から飛行機が墜落してくるかのような威圧感。怯えて泣き叫ぶ男を、修司はひょいと摘まみ上げる。男からすれば修司の指は5メートルほどもある筋肉の塊で、ほんのちょっと修司が力を入れれば男はくちゃりと潰れてしまう。だが男はそのまま修司の目の前まで持ち上げられる。修司の顔も大仏など比較にならない大きさで、もう男はこれが現実なのか夢なのかすらわからなくなっていた。「じゃあな」という言葉と共に生臭い息が男の体をぶわりと包む。そのあと、修司の口が大きくあいた。それで男は修司が何をするのか察した。
「え、ま、食わ、やめ」
男は必死に、それこそ自分の腕や足がちぎれるほど抵抗したが、それでも修司の指の腹をへこますことすらできなかった。修司は男をぽいと口に入れ、口を閉じると共に男の悲鳴が聞こえなくなる。数回の咀嚼の後、ごくりと修司がのどを鳴らした。ふう、と小さく息を吐いて修司が立ち上がる。振り返った先には、弘樹が修司を見上げている。
「まったく、弘樹は絡まれてばっかだな」
「それはほんとにごめん……」
「いいよ、こんなの。それよりデート楽しもうぜ」
背丈も歩幅も違う二人が、同じ速度で歩いていく。そしてその時にはもう路地にいた派手なスーツの男のことなど、二人とも頭の中から忘れ去っていた。