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「あっ!」

「えっ……うわっ!」


 ぼーっとしながら家へと帰る道を歩いていると、突然冷たいものが上半身を中心に降りかかった。突然のことに反応もできずに突っ立っていると、横から慌てた声が飛び込んできた。


「ごめんね! 大丈夫かい!?」

「っ……でか……」


 声のする方に顔を向けるとそこには見上げるほど背の高い男がいた。俺が154センチしかないチビだということを差し引いても、大きい。2メートルは超えていそうだ。その上Tシャツハーパンじゃ隠しきれない筋肉で全身が盛り上がっている。縦にも横にもでかいその人に気圧されていると、向こうもそれに気付いたようだ。


「あっ、ごめん驚かせたかな……とにかく濡れちゃったし、俺の店来て!」


 力強く腕を引っ張られ、こんなとこに店なんかあったっけと思う間もなく中に連れ込まれる。その店とはどうやら服屋だった。俺の店と言うからには店長なのだろう。きょろきょろと回りを見ていると、奥に引っ込んだ店長がすごい勢いで戻ってくる。


「とりあえずこれタオルと……あとうちの商品だけど着替えっ!」

「あ、タオルだけで全然……」

「お金とったりしないから! 裏で着替えてきて!」


 話を聞かない店長にほぼ無理やり(抵抗しようにも力が違いすぎるのだ)バックヤードに押し込まれ扉を閉められる。閉じた扉を見ながら小さくため息をついた。


「もうこれ着替えたほうが早いな……」


 タオルでいいとは言ったが、どれだけの水を被ったのかもうパンツまでぐしょぐしょなのだ。振り向くと壁に全身鏡があったので、その前に立ってタオルで頭を拭く。濡れて張り付いただぼだぼの半袖カッターシャツを脱ぐ。鏡に映った上半身裸の自分を見て、小さくため息をついた。


「情けな……」


 鏡に映っているのは、貧相な体をしたチビの自分。濡れてびしょびしょなのなのでより一層みすぼらしく見える。もう高二なのにいまだに小学生と間違われる低い身長、細い腕に起伏のない体。額に張り付く髪をかき上げる。切れ長の目に通った鼻筋、形の良い唇がバランスよく配置された顔は父と母のいいとこを取ったとよく言われるが、この身長には荷が重く女子には「風真くんかわいー!」と言われる始末。そしてそれが気に食わない奴もいるわけで、薄い腹には大きな青あざがまだ色濃く残っている。多分、夏休みも毎日のように呼びつけられると思うと気が重くなる。


「はあ……」


 ぽた、と顎から水滴が落ちたのに気付いてタオルで顔を拭く。スラックスも脱いで身体を拭き、押し付けられた服を広げた。英語のロゴが入ったTシャツにハーパン、新品のボクサーパンツもある。が、これはちょっと困った。


「……あの~~」

「おっ、着替えたかい?」

「いや、着替えたんですけど……」


 バックヤードから出た俺は、Tシャツとハーパンを手で抑えていた。そう、もらったTシャツもハーパンもパンツも、でかすぎるのだ。Tシャツは普通に着たら袖は八分で丈は膝まであるし、ハーフパンツもほぼくるぶしまである。パンツは伸縮性があるからか穿けたものの、ボクサーなのにまるでトランクスみたいにだぼだぼで、立体成型のフロント部分は全く使われず垂れ下がった。まるで幼児が大人の服を着ているみたいだ。


「これでかすぎないですか?」


 そういうと店長は「うちは大きい服専門店でね~」と頭をかく。いやそれにしてもでかすぎだろう。


「まあお詫びにそれあげるからとりあえず着て帰りなよ!Tシャツは裾結んでハーフパンツは紐をこうして……」


 店長がしゃがんで服をあれよあれよという間にまとめていく。不格好なのは変わらないものの、とりあえず手を放しても服がずり下がらないようにはなった。よし、と店長が立ち上がると首を上に曲げないと店長の顔が見えなくなる。


「ま、すぐにぴったしになるって」

「んなバカな……でも、服ありがとうございます」


 着ていた制服をお店の袋にいれてもらって、その店をあとにした。でかい服は重い。よたよたと歩きながら家に帰る。築三十年のアパートの錆びついた階段を上り、奥の部屋の鍵を開ける。


「ただいまー」


 中は夏の日差しを存分に浴びてむあっとしていた。即座に居間として使っている八畳の和室のエアコンを入れる。古い2DK。父親と二人暮らしだが、漁師の父は遠洋に出て数ヶ月家を空けることもざらなのでほとんど俺の一人暮らしだ。濡れた制服はあとで洗おう。今日が終業式でよかった。冷蔵庫から麦茶を出して飲んでいると、火照った体が冷めていき、ゆっくりと眠気が襲ってくる。


(ちょっと……昼寝するか……)


 キッチンを抜けて居間へと戻り、ちゃぶ台の横にあったクッションを引き寄せて頭に敷いて仰向けになる。リモコンを使って照明を消す。トラブルがあって疲れていたのもあり、意識はあっという間に落ちていった。


***


(暑い……)


 クッションにじっとりとにじむ汗が不快で目が覚めた。エアコンは入れっぱなしだったはずなのに。切れてしまったのだろうか。どのぐらい寝たのかはわからないが、窓から光が入って来ないところを見ると夜にはなっているみたいだ。目を開けても視界が真っ暗だ。


「ん……っ、て」


 もぞもぞと体を動かしたら、脚が壁か何かに当たった。寝てる間にずれたのだろうか。それになんだか体が重い。といってもだるいといった感じではなく、単純に重量が増したような感覚。


「なんだ……?」


 手探りで照明のリモコンを探すが、なかなか探り当てられない。バン、バンと床に手が当たる音がいつもより大きい気がする。


「ん、これ……か?」


 手に当たったものを握り込む。質感からしてこれだろうが、妙に小さい気がする。暗闇のまま点灯ボタンを見つけて押すと、ピッという電子音と共に部屋が明るくなって、眩しさに目を細める。目が慣れて、リモコンの違和感を確かめようと自分の手を見たとき――一気に目が覚めた。


「――は!?」


 リモコンを持つ手、というより腕は、自分のものではなかった。一目見てそう思ってしまうほどにその腕は筋肉が隆々としていて、自分の腕の二倍、いや三倍ぐらいの太さがあり、手首から続く血管がビキビキと浮き上がっている。


「はっ? え、なにこれ?」


 腕を動かすと、その筋肉の塊みたいな腕も一緒に動き、手からリモコンが滑り落ちる。ぐっと手を握りこむと、そのリモコンが小さく見えるほど大きな手が拳を作り、前腕の筋肉がもりっと動く。


(お、俺の腕なのか……?)


 腕にばかり注目していたが、腕だけではなかった。仰向けのまま身体を見ようと首を曲げるのだが、盛り上がったTシャツの生地しか見えない。いまだ自分のものとは信じられない太い腕を上げ、呼吸の度上下するそれに手を触れると、自分の胸に触れる感触がしてそれが胸だとわかった。触れたまま手を左右に動かすと、手が胸の盛り上がりに沿って上下する。俺の胸、こんなでかいはずないんだけど。手を下にやると胸の終わりからすとんと落ちて、布越しでも分かる凹凸の感覚。これ、腹筋か?


「か、鏡……」


 とにかく自分がどうなっているか見ないといけない。起き上がろうと仰向けの身体を横にすると、自分の重量感にまた驚く。四つん這いになり、ここまで低くなかったはずのちゃぶ台に手をかけて立ち上がろうとするとちゃぶ台がぎしっと悲鳴を上げ、次の瞬間木の裂ける音と共に手が落ちる。


「うわっ!」


 とっさに力をいれて踏ん張るとちゃぶ台が低かったのもあって倒れずにすむ。が、ちゃぶ台は足が折れ、また踏ん張ったときに強く押し付けたせいか天板も無惨に割れてしまっていた。


「あー……なんだよもう……」


 ただ立ち上がろうと体重をかけただけなのに。いや、もしかしてそれだけとんでもない体重になっているのだろうか。とにかく鏡、と膝を引き寄せて腰を上げ、体を伸ばして立ち上がる。と、その視界にぽかんと口が開いてしまう。


(目線、たっけえ……)


 今までとは部屋の見え方が何もかも違う。前を向いたらエアコンが目線の先にあるってどう言うことだ。シーリングの照明も光が眩しいくらいに近くて、まるで椅子の上に立っているかのような高さ。だけど足を滑らせて感じるのはい草の感触で、畳の上に立っていることは間違いない。


「背も高くなってる……?」


 それも多分とんでもなく。洗面所にいこうとキッチンに続く引き戸を振り返れば、鴨居に頭が当たるどころではない。目線どころか顔が完全に鴨居の上にあり、立ってるだけで鴨居の縁に積もる埃を見下ろせる。鴨居に手をかけ、膝を曲げて大きく屈み、頭が当たらないようにゆっくりと鴨居を潜る。肩をぶつけながら鴨居を潜ると、キッチンも視界がおかしくて、冷蔵庫や食器棚の上に埃がびっしり積もっているのが見えて閉口する。逆に吊り戸棚の下についているはずのシンクのライトはこの角度からじゃまったく見えない。歩く度にギシギシと床がなるキッチンをモノにぶつからないようゆっくり進み、また洗面所への入り口を潜る。元々狭い洗面所がより狭く感じる。身体の向きを変えるだけで何かにぶつかってしまいそうだ。


「低いな……」


 洗面台も恐ろしく低く小さく、立ったままの角度では鏡に腹と太ももしか映らない。その太ももも自分のものとは思えないほどでかく、くるぶしまであったはずのハーフパンツが膝の上の高さになり、片足分に両足どころか腰が収まりそうだった膝回りは今や太すぎる太ももでほとんど余裕がなくなっている。


「ほんとになんなんだ……」


 限界まで洗面台から下がり、大きく膝を曲げてなんとか上半身を鏡に映す。鏡に映ったものを見て息を飲んだ。


「…………これ……俺なのか……?」


 鏡の向こうにいたのは、これでもかというほど筋肉のついた、とてつもなくでかい大男だった。まずなんといっても体の幅がおかしい。限界まで下がっているのに鏡ギリギリの肩幅。それから着ているTシャツの上からでもわかるほど発達した大胸筋。あまりのでかさにTシャツの胸の部分が張りつめて、横に大きくしわを作っているほどだ。腕もすごい。袖口に全く余裕がないほどの太さの腕は彫刻のように凸凹しており、照明の光でいたるところに影ができている。腰は肩や胸と比較すれば細く見えるが、それでも記憶の中の自分とは比べ物にならないぐらいでかい。信じられないぐらい巨大な体だが、その太い首の上についている顔は、多少大人っぽくなっているものの何千回とみてきた両親譲りの自分の顔そのものだ。腕を上げれば、鏡の中の男の太い腕も、筋肉をもりもりと躍動させながら上がる。


「……すっげえ……」


 Tシャツをめくると、ボコボコに割れた腹筋が姿を見せる。こぶの一つ一つが大きく盛り上がってその下に濃い影ができていた。鏡を見ながら腹筋に手を触れると、自分の指が隆起した腹筋の山を上下しながらなぞっていく感触が伝わる。自分のものとは思えない体。だが腹に場所も形も変わることなく残る青あざが、この体を自分のものだと示している。


「すげえ……こんなにでかくて……マッチョで……!! これ、俺なんだ……!!」


 興奮で自然と鼻息が荒くなる。太い腕で自分の身体を確かめるようになで回していく。腕、肩、胸、腹、太もも……どこもかしこも恐ろしくでかい。


「……」


 曲げていた膝を伸ばして直立する。鏡から頭や肩がはみ出していき、腹筋から太ももまでしか見えない角度になる。だが今目に入るのはその真ん中……ハーフパンツをいびつに盛り上げている股間部分だ。


「ここも……でかくねえ……?」


 見た目はもちろん、動く度にモノが重量感たっぷりに揺れるのを先ほどからずっと感じていた。チンコが重いと感じるなんて、今までの自分では到底考えられないまったく初めての感覚だった。鏡に一歩にじり寄りより近くで股間を映す。

 ゆっくりと手を股間にやって、ハーフパンツの上からその盛り上がりに手を触れる。でかい。普通の人よりはるかにでかくなっただろう自分の手でも覆うのがやっとと言うレベルの膨らみ。ゆっくりと揉んでみると他の部分より高い熱を感じ、ゴムがみっちりと詰まっているかのような弾力が押し返してくる。これだけでかくてもまだ勃っていないのだ。


「すげえ……」


 ドクドクとチンコに血液が送られていき、ムグムグとボクサーのなかでチンコがうごめいているのを感じる。もう少しこのまま楽しみたい気持ちもあったが、早くその全貌をみたいという欲望が勝った。ハーフパンツの裾に手をかけてゆっくりと下ろしていく。


「うわ……」


 身に着けていたボクサーパンツは前の部分が垂れ下がるほどぶかぶかに隙間があったのに、今はその空間がこれが本来の使い方であるとでも言わんばかりにもっこりと膨らんでいる。もちろんその膨らみを作り出しているのは、大蛇のように収納されているチンコだ。腰を揺らすとその膨らみ部分がゆっさと揺れる。興奮も相まって少しずつ巨大化しているそれは、今もパンツの中で少しずつ容積を増しながら生地を引き延ばしている。


「……」


 ボクサーのゴムに手をかけて、ゆっくりと引き下げていく。記憶よりずっと濃い陰毛が姿を表し、太いチンコの根本が見えてくる。屈みながらパンツを下げていくが、チンコが長くてなかなか先端部分にたどり着かない。太く長い竿部分が全部現れ、鬼頭の前のカリにゴムが引っ掛かる。それを無理矢理押し下げると、その勢いでパンツからぶるん、とチンコが飛び出す。


「でっけえ……」


 少し芯が入りゆさゆさと重々しく揺れるそのチンコは、今まで自分についていたモノとはまるで別物だった。下から手を添えて持ち上げてみると、焼けるような熱さとずっしりとした重量が手に伝わる。まだ勃っていないのに半分近くが手からはみ出していて、鬼頭を含む前部分がだらりと垂れ下がっている。


「これがチンコかよ……」


 軽く握ってみるとただでさえでかい手がなんとか回るほどの太さ。ぎゅむぎゅむと肉がみっちり詰まっているかのような弾力があり、外に浮き出る血管がドクドクと血液を送り込んでいる拍動が手に伝わってくる。何度か手で握ったり前後に滑らせたりしていると血がどんどんめぐっていき、元々でかいチンコがさらに膨らんでいく。回っていた手が回らなくなり、手に伝わる熱量が増す。手が支える重さはだんだんと軽くなっていくが、それはチンコが軽くなったわけではなく、チンコが自ら立ち上がり手から離れていく動きにすぎない。チンコそのものは血液を送られまくって体積も重さもずんずんと増していく。

 ついにビン、とチンコが完全に勃起した。ビキビキと血管を浮き上がらせながら直立するそれは、Tシャツの上からだが確実にヘソまで届いている。


「でかすぎだろ……」


 下から裏筋を撫でるようにさわるが、拳二握り以上は確実にある。洗面台にあったでデオドラントスプレーを横に添えてみたが長さも太さも俺のチンコの方が上だ。ペットボトルよりでかいんじゃないだろうか。


「はは……すげえや……」


 ギンギンに勃ちあがっているチンコがビクンと揺れ、先端から透明な汁がどぷどぷと溢れ出してくる。指先でその汁に触れるとつーっと糸を引いて竿に糸が垂れる。亀頭に手のひらで触れ、汁を塗りたくるように竿の根元から大きく張り出したカリへと手を動かしていく。拳二つ分でも余りある長さなので、一回のストロークがとても長い。徐々にスピードを上げていくと、ぐちゅぐちゅという音が大きくなる。亀頭から溢れる我慢汁がぼたぼたと洗面ボウルに飛び散っていく。


「ふっ……くっ……」


 握る力を強めてもガチガチに固くなったチンコはものともしない。腕の筋肉がぼごっと浮き上がっているのを見ると相当な力だと思うのだが、まるでチンコそのものが筋肉の塊かのようだ。そのチンコも亀頭を真っ赤にさせながら大量に我慢汁を吐き散らす。


「はっ……はっ……」


 いつの間にか身体には汗が噴き出ていた。胸や腕に浮き出た雫が重力に従って流れ落ち、オナニーの動きで吹き飛んでいく。いつの間にか息も荒くなってきている。こんな豪快なオナニーは初めてだ。ただただ自分の本能に従って一心不乱にチンコを扱く。我慢汁が泡立ち、手から伝わる我慢汁がチンコどころか陰毛までべたべたと濡らしていき、腕に一層力がこもる。次の瞬間、チンコの中を熱いものが駆け巡る感覚とともに亀頭がぶわっと膨らむ。


「いっ……イクッ!!!!」


 どぶしゃっ、と白い水柱が勢いよく噴き出す。その勢いは俺の目線を軽く越え、天井に直撃する音が聞こえるほどにすごい。続けて二発目は鏡にぶち当たりべっとりと精液が鏡を白く覆っていく。量も勢いもまったく衰えるとこを見せない俺の射精。たっぷり一分ぐらい吐き出してようやく勢いが落ち着き、洗面ボウルに精液の水溜まりが出来た頃ようやく止まった。


「うわ……」


 チンコを軽く扱いて尿道に残った精液を絞り出す。ぼとりと落ちた精液が洗面ボウルの水溜まりに粘りけのある波紋を作った。ボウルの排水溝は粘性の強い精液を流しきれずごぽ、と情けなく空気の泡を吐いている。自分でも驚くほど凄まじい射精は、洗面台を真っ白くコーティングしていた。鏡はほぼ全面が精液に覆われて、横においてあるスプレー缶やボトルは精液がぶち当たった衝撃で倒れている。白い滴を垂らす歯ブラシはもう使えないだろう。


「……こっちもベタベタじゃん……」


 もちろん被害は洗面台だけではなく、俺の身体も精液でぐちょぐちょだった。着ていたTシャツは白く濡れて身体に張り付くし、天井からは張り付いた精液がぼたぼたと落ちてくるし、大惨事である。ただ、そんな中でも俺の心は喜びと興奮で満ち溢れていた。


「すげえな……俺……」


 精液で濡れたシャツが上半身の輪郭を浮き上がらせ、濡れた腕や脚は光を反射してその筋肉を艶かしく引き立てている。並外れたでっけえ身体、溢れんばかりの筋肉、人の腕程もありそうなチンコに、洗面所を覆ってしまうほどの大量射精……これが全部「俺」なのだ。



「最高じゃん……」


 小さい身体が嫌だった俺はもういない。この身体ならもう可愛いなんて言わせないし、あいつらに目を付けられることもない。なんならこの青あざの分、やり返すことだって楽勝なはずだ。どうせ向こうは夏休み中、俺をこき使う気満々だろうし……


「へへ、楽しみだな……」


 俺の最高の夏休みは、まだ始まったばかりだ。












 このあとの話を「服に見合う身体2」としてFANBOXに支援プラン以上限定で投稿しています。でかい身体に苦労しながら風呂に入ったりチビの頃の小さいパンツを無理やり穿いてみて破ったり自分を呼び出したいじめっ子のとこに行ってビビられたり物陰に引きずっていったり腹殴らせても全然痛くなかったり仕返しになぐってやったり……って感じです。

以下一部抜粋




「それはともかくとして……」


 自分の身体にうかれていたものの、洗面所は俺の精液で大惨事である。一度これを掃除なければならない。身体からもかかった精液がぽたぽた垂れているので、まずは身体を拭こうと精液に濡れたTシャツを脱ぐ。


「ははっ……すご……」


 そういえば上半身を裸では見ていなかった。シャツの上からでもわかった肩や胸の筋肉が脱ぐことでより一層その隆起を見せつけている。手のひらで確かめるように胸を撫でると、指が乗るほど発達した鎖骨部からカーブを描くように大胸筋が大きく張り出しており、指先がしっかり落ち込んでしまうほどの谷間が感じ取れる。手を下に滑らせると下を向く乳首とみぞおちに続く深い段差……下から手で掬えそうなほどだ。


「っとと……」


 乳首に触れたからか、さっき出したばかりのチンコがまた血液が集まってきたので慌てて手を離す。これ以上洗面所を汚したくは



…………



「っと……天井低いな?」


 部屋や洗面所はまだ直立できたが、浴室はダメだった。首と背中をまげてやっと頭がつかない高さだ。シャワーヘッドも胸の高さでこれじゃあ頭が洗えない。


「……でかいって大変なんだな……」


 チビの時はコンプレックスで悩んでいたが、でっかくなったらなったで大変そうだ。ともかく立って体は洗えなさそうなので座ろうと、足で風呂椅子の位置を調整してゆっくり腰を下ろしていく。


…………



着替えをしまっている押し入れに向かい、随分低い位置になった取っ手に手をかけふすまを開ける。プラスチック製の引き出しを開けて、中から自分のボクサーパンツを引っ張り出した。


「ぜってえ小さいよな……」


 手に持ったパンツはまるで幼児用の様に小さかった。昨日、というか今日の昼まで自分が身に着けていた物のはずなのに、もう絶対に入る気がしない。それでも試しにと両足をパンツに通し、ゆっくりと引き上げていく。ふくらはぎの時点でもう余裕がなかったが、膝を越えて太腿の中ほどに差し掛かった時に伸びきったゴム部分がブチブチと音を立てだした。



…………




 シャツをぺろっとめくってぼこぼこの腹筋を見せつけてやる。宮前はそこにある青あざを見て、信じられない、といった面持ちで俺の顔を見上げる。はは、小さいな。ニヤニヤと笑う俺を見てこれから自分がどうなるか悟ったのだろう。はじけるように逃げようとする宮前の腕を掴む。


「逃げんなよ」

「はっ、なせよ!」


 宮前は俺の手を振り払おうと必死でもがいているが、全然片手で抑えられる。本気出しているのだろうか。逆にこっちが掴んだ手を振り回すと、宮前が体ごと振り回される。マジかよ、全然力入れてないのに。


「ここ狭いから外出ようぜ」



…………



 宮前の声が震えている。それはそうだ。さんざんいじめて便利に使ってきたチビが、自分より遥かにでかくなって目の前に立ちはだかっている。これで「これからは仲よくしような!」みたいな展開が待っているわけがない。


「そうだな……ま、とりあえず、殴られた分のお返しはしておかなきゃだよな?」

「ざ……ざけんなっ!」


 ヤケになったのか、宮前が肩を掴まれてない方の腕を振りかぶって俺の腹を殴ってきた。さすがにこの状況で攻撃が来るとは思わなくて、宮前の拳は俺の腹に直撃する。


「…………それ、本気で殴ってんの?」



…………



「服に見合う身体2」はこちら!!

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