【冒頭】狙われた魔法少女 奏遥香 (Pixiv Fanbox)
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Skeb依頼で書きました。
タイトル:魔法少女すずね☆マギカ、マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝
キャラ名:奏遥香
内容:中学生離れしたプロポーションのハルカは街でチンピラ男に目をつけられる。男はハルカを誘拐してレイプしようとするが、魔法少女の能力を目の当たりにして正攻法では無理だと考え直す。
どうしたものかと考えていた彼の元に、何者かから魔法少女対策セットが送られてくる。縄を操って魔法少女を拘束する能力と、魔法少女をただの女の子にしてしまう首輪を手に入れたチンピラは、ハルカを捕まえ仲間と一緒に卑猥な言葉を投げかけながら愛撫でイカせる。
約2万5000文字
Skeb
pixivリクエスト
プロローグ
すっかり昼間の気配が遠ざかり繁華街にはほろ酔い気分の人間も歩き始めた夜。まともな人間は近づかない路地裏の暗がりから、年若い女のくぐもった声が聞こえる。
「んっ! んぐっ! んぐっ! んぐっ! んぐうぅっ!」
ロケーションや声を出してる人間の属性、声音が怒りと抵抗に満ちてることから推察されることは一つ。売るほど正義感を持て余してる人間でもなければ、一般人は近づきたくない状況が想定された。
その想像は的中している。
いま、路地裏では縛られた少女が地面に転がされ、そのすぐ近くに男が座っている。
少女は中学生くらい。長い髪をツーサイドアップに結い、体のラインが出るピッチリしたスーツを着用、少し動いたら下着が見えてしまいそうな短いスカートから伸びた健康的な脚には、縞模様のオーバーニーソックス。
アニメに出てくる魔法少女のような出で立ち。ようなではなく、彼女は魔法少女である。
少女の名前は成見亜里紗。謎の生物に願いを叶えてもらう代わりに魔法少女となり、人々を脅かす魔女と戦っていた。
魔法少女になった女の子は魔女との戦闘に適した体へ強制的に造り変えられる。常人では太刀打ちできないはずなのだが、アリサは自分の両手首と両足首を繋がれた格好でM字開脚を披露し、男が股間に当ててくる電動マッサージ器の振動から逃れようと身をよじっていた。
ボールギャグを噛まされた口は意味ある言葉を吐けないが、漏れ出した声の艶っぽさでアリサが感じていることは十分伝わる。
「あ゛あ゛っっ♡ んぉぉおおおおおッ♡」
(あっ♡ あっ♡ き、気持ち……良い♡ すごく♡ 気持ちいい♡ いい♡ これ……すごく……キモチイイ♡)
ブブブっと無機質なモーター音が繰り返される。ミニスカートが捲くれ上がって露出したクリトリスや姫割れの肉を揉みほぐされる。望まない快楽にもアリサの体は反応する。
いくら行為を拒み、相手を嫌悪していようと、淫具で生殖器をマッサージされたら感じてしまう。アリサは十四歳にして女体の呪われた|性《さが》を知ってしまう。
(畜生…ちくしょ、う……ちっくしょー! 好き放題しやがって。こんなやつ、魔法少女の力が使えたら)
アリサは勝ち気な表情を浮かべ、視線だけで人間が射殺せそうな目を凌辱魔にぶつける。相手は男で年齢は二十代か最近やっと三十になったか。週末の夜には繁華街にたむろって遊び、吐瀉物を吐き残して始発で帰る類いの人間に見えた。
体つきはガッチリしていて筋肉質。喧嘩慣れもしていそうだが、街の平和を守るため秘密裏に魔女と戦ってきたアリサに言わせれば、見た目だけの虚仮威し。大した相手ではない。
そんな男に彼女が嬲られているのは、なぜか魔法少女の力が使えないためだ。
魔女から街を守るためのパトロール中に男と出くわしたアリサは、魔法少女の活動を知られるわけにいくまいと慌てて逃げようとした。踵を返した背中に男の声が投げかけられる。
「キミ、魔法少女だよね」
自分の正体を知っている男との遭遇にアリサは一瞬で警戒心をマックスにした。この姿を見られても大抵の人間はコスプレくらいにしか思わないだろう。しかしチンピラ男の声には確信がこもっていた。
この男は魔法少女やそれにまつわる話を知っている。
アリサは共にパトロールしている仲間へ念話を飛ばそうか考えた。三人ならすぐに急行するだろう。それをしなかったのは男をナメていたためだ。
魔女相手ならともかく、一般人相手にSOSなんて格好悪いと考えてしまった。
「ちょっと痛い目に遭って、アンタがどこで魔法少女のことを知ったか吐いてもらう」
叩きのめそうとアリサは男に飛びかかった。しかし男が「Schiavitù」と唱えると何もない場所から縄が出現する。
闇から現れた縄に捉えられ、抵抗するまもなくアリサは拘束されてしまった。
ミニスカートの少女がしてはいけない大股開きで、男に縄の食い込んだ中学生おまんこを見せてしまう。まだ未熟なおまんこは肉付きも薄いが、股縄がキツく食い込むことで縦筋の溝が強調され、ショーツにくっきり形が浮かぶ。
口には虚空から出現したボールギャグ、首には大きな錠前の付いた首輪が巻き付けられた。
「その縄は腕力じゃ絶対に解けない。暴れれば暴れるだけ食い込むように魔法が掛かってる」
男の言うとおりだった。脱出しようと藻掻くほど縄はアリサの全身に食い込む。肉だけでなく骨まで軋む力で彼女を拘束した。
いまさらだが助けを呼ぼうと仲間へ念話を飛ばす。だが彼女たちとの接続が感じられない。自分だけ電波の圏外にいる気分だった。
「無駄だ。その首輪には魔法少女の力を|ロック《封印》する効果がある。いまのお前は無力なガキまんこでしかないんだよ!」
そう言って男がズボンのポケットから取り出したのは、小型の電動マッサージ器だった。あくまでリラクゼーション目的を謳う普通の電マと違って、それは女の脚の間に突っ込み、局部を刺激することに特化したサイズ感。
紛う方なき性玩具だった。
男はアリサに見せつけながら電マのスイッチを入れる。ぶぅぃぃぃいいいんんっと静かな路地に機械音が響く。
高速で回転するマッサージ機を、男はアリサの股間に押し当てた。
その日からアリサの姿が消えた。
狙われた魔法少女ハルカ
この街を拠点とする魔法少女はチンピラ男に敗北したアリサも含め四人いた。
彼女たちの拠点は市内にある茜ヶ咲中学校。四人ともこの学校の生徒だ。
メンバーはリーダー格で生徒会長も務める奏遥香のほかに、成見亜里紗、詩音千里、日向茉莉。学年はハルカが三年生でアリサとチサトは二年生、マツリは一年生とバラバラだが、真面目なチサトがハルカに敬語を使う以外は上下の別なくフレンドリーに接している。
生徒もあらかた下校し人気のなくなった校舎で彼女たちは屋上に集まった。アリサを除く三人。アリサがチンピラ男に敗れた夜から三日経っていた。彼女の身に起きたことをハルカたちは知らない。ただ、日常的に危険な魔女と戦う上で、自分や仲間の身に何かが起きることは覚悟していた。
最悪の事態を想定して茜ヶ咲中の魔法少女は一様に顔を曇らせる。
「アリサ、まだ家に帰ってないんだね」
マツリが沈黙を破って口を開く。ハルカ、チサトの顔がより険しくなった。
「ご両親の話では家に連絡もないそうよ。これまで無断外泊なんてしたことないから心配だと仰ってたわ」
友人として、生徒会長としてアリサのことを気にかけてる体でハルカは、彼女の両親に娘の行き先に心当たりないか探りを入れた。彼らも予期せぬことに混乱していた。
「アリサったら皆を心配させて。帰ってきたらお灸を据えなきゃいけませんね」
帰ってきたら、という部分をチサトは強調した。彼女は三人の仲で最もアリサと仲が良かった。魔法少女の力を持て余し、無軌道に暴れていた彼女をグループに誘ったのもチサトだ。
憔悴しきった顔の後輩にハルカが声をかける。「まだそうと決まったわけじゃないわ。魔女と遭遇したなら念話があったはず。そうじゃなくても戦った痕跡くらい残ってるはずだもの」
魔女と戦って敗れてしまったとは限らないとハルカは二人を励ます。気を強く持ってアリサの帰りを待とう、私たちも街をパトロールしながら彼女の手がかりを探そう。しかしハルカの言葉は何の慰めにもならない。それは彼女自身が一番よく知っていた。
魔女絡み以外で中学生の女の子が失踪するとしたら家出か事件に巻き込まれたか。アリサの生活態度や家族仲からいって家出は考えにくい。だとすると予期せぬ事件に巻き込まれた可能性が浮上する。
アリサはかわいい。魔法少女の力を得てから性格が尊大になり、暴力的な傾向を示すようになったが、同時に内面の充実は自分を着飾って外にアピールすることを覚えさせた。いまの彼女は世間的に言って美少女で通用するだろう。
そんな彼女が巻き込まれる事件とは、まで考えてハルカが中学生離れした肢体を嫌悪で震わせる。
「先輩?」深刻な顔で黙ってしまったハルカをチサトが心配そうに見る。
「何でもないわ。今日の担当エリアをどうしようか考えていたの。いままで四人で回ってたエリアを三人でカバーすることになるでしょ」
夕暮れの屋上に風が吹く。少女たちのセーラー服がはためいた。突然の風で体に押し付けられたセーラー服が、少女たちの体のラインを浮き上がらせる。
まだ中学一年生のマツリは年齢相応のスッキリした体型……これはこれで需要ありそうなツルペタだが、二年生のチサトはたった一年違いと思えない見事な女体をしている。胸は男の手を楽しませるために育ったような巨乳で、大きく実りながらも若々しくプリッと上がった尻がチャームポイントだ。
もしアリサを連れ去った人物が若い少女を標的にしてるなら、彼女たちも悪い男に目をつけられる要素は十分にあった。
二人の体をいやらしくならない程度の目線で観察したハルカは、次に自分の体に目をやる。
二人のことを何のかんのと品評したが、アリサも含めた四人の中で突出してエッチな体をしているのは自分だ。中学に上がったころから急激に成長した胸はセーラー服を突き上げ、油断すると普段の生活でもへそチラをサービスしてしまう。同級生や下級生からは男女の別なく羨望の眼差しを向けられる。特に男子は、朝の挨拶活動で正門に立っていると、会釈するふりで視線を胸に落としてくる。
上半身が性的すぎるのでせめて下半身は隠さねばと黒タイツを常用するが、世の中には生足よりタイツ女子に興奮する性癖の持ち主もいるらしくお手上げ。
この体のせいでハルカは如何に世の男が女の子を性的な目で見ているか、彼らにかかれば年齢は関係ないのだと思い知らされながら育ってきた。むしろ年齢は|中学生《こども》なのに、|肉体《からだ》は成熟してるギャップが強い興奮を与えるようだ。
もしもハルカの危惧すること――アリサは魔女に敗れたのではなく、変態に捕まって慰み者になっている――が事実なら、こうしてる間にも生涯のトラウマになる悪夢のような体験をしてるだろう。
早く救い出してやらねば。そのためにも何かが潜んでる夜の街のパトロールは中止できなかった。
(こちらは異常ありません。次の区画に向かいます)
(こっちも大丈夫みたい。移動するね)
チサト、マツリから念話が飛んでくる。
「了解。こちらも次の区画に移動するわ。何が飛び出してくるか分からないから、二人ともいつも以上に用心してね」
「はい」
「わかったよー!」
後輩の元気な返事にハルカの顔が綻ぶ。魔女探しのパトロールも開始から二時間ほど経った。夜の闇はどんどん深くなり、繁華街の目抜き通りから外れて路地裏に入ると光も差さない暗がり。
「何が出てきても不思議じゃない気配ね」
心細さから独り言が漏れる。念話で二人と話せばいいのだが、意外と念話を繋ぎっぱなしにすると意識が会話のほうへ引きずられ、周囲の警戒が薄くなってしまう。人間の注意力というのは、あれもこれも都合よくカバーできない。
周囲を警戒しながらハルカは闇の中に目を凝らす。眉根を寄せて緊張した面持ちになるのは、ここが最後にアリサと念話で会話したポイントに近いため。もし彼女を襲った危険がいまも留まっているなら何かが飛び出してくる。
――と、後方から近づいてくる人の気配がした。
当たり、ということかしら。
相手はまだハルカが気づいたことに気づいてないのか、一定の歩幅で後ろをついてくる。この先は確かビルとビルの入り組んだ場所で外からは見えない袋小路になっている。そこまでついて来るつもりだろうか。
アリサを捕まえた相手と同じ人間だとしたら、魔法少女に対する何らかの対抗策を持っているはず。油断ならない。
(チサト、マツリ)ハルカは念話で二人に呼びかける。
(何でしょう)
(なんですか)
二人はすぐ返事をする。どうやら向こうは異常なさそうだ。
(後をつけられてる。正体は分からないけどアリサの失踪と何らかの関係があるかもしれないわ)
ただの酔っ払いなら軽くいなすなり逃げるなりすれば良い。大人の男相手でも魔法少女の身体能力なら可能だ。それはアリサも可能だったはず。それなのに単独では敵わなかったのだとしたら。
(向こうは魔法少女への対策があるのかもしれない。至急こちらへ来てくれないかしら)
後輩たちを巻き込むことになるが一対一より三対一で確実に臨むべきと判断する。逆に捕まえてアリサの居所を吐かせなければ。
(分かりました。すぐに向かいます)
(マツリも急行するよ)
これでよし。あとは二人が到着するまで時間稼ぎを。
「あんた、魔法少女なんだって」
不意に背後から声をかけられた。男の声。魔法少女などという世界の裏側を知っていなければ突飛に思える単語を、彼は少しも笑わず口にした。魔法少女の存在を確信してる者の口ぶりだった。
無視できない相手にハルカは足を止める。振り返って彼と正対した。
男は二十代後半から三十歳前後。半袖から伸びた腕はハルカの太もも並に太い。右のこめかみ当たりに刃物で切られたような傷。拳には殴打でできた擦り傷や拳ダコが目立った。日常的に暴力に晒されてる人間の気配を全身から漂わせる。
箱入りのお嬢様で殴り合いの喧嘩とは無縁なハルカにとって、初めて至近距離で接するタイプの人間だった。言ってしまえば映画やドラマに出てくる分かりやすい武闘派チンピラ役。道理を拳と筋肉で押しやって自分の意見を通してくるタイプの人間だ。
「あなたがアリサを」
瞬時にハルカは察した。
男は少女が向ける精一杯の眼光をじゃれつく子猫のように鼻息だけで払う。
「初めは嫌がって抵抗したり泣いたり大変だったが、しっかり躾けてやったら男に媚びること覚えていまじゃ、どハマりよ」
男が肉食獣を思わせる獰猛な笑みを浮かべた。闇の中に歯の白さだけが浮かんでいる。
「こいつが分かるか」と男は自分の股間に手をやる。
ひっとハルカは悲鳴が漏れそうになるのを堪えた。男のチンポは勃起していた。こんもりとズボンの前側を盛り上げている。その大きさがハルカの度肝を抜く。私の腕と同じくらい……いいえ、もっと大きいかも。
男性のおちんちんが性的に興奮すると大きくなることは知っていた。だけど目の前の巨根は想定の範囲外。前に教室で男子が「日本人の平均は十三センチ」と話してる声が聞こえ、ハルカは赤面してしまった。男の子の股間には、そんな秘密が隠されてるのかと興味が芽生え、家に帰ってから物差しで十三センチを測り、下腹部に当ててみた。
ここまで入ってくるのね、と想像した直後に自分の行為が酷く淫乱な行いに思え、慌てて物差しを投げ捨てた。
男から向けられる卑猥な視線に、いずれは自分もそういうことをするんだと早いうちから意識付けられてきたハルカは、清楚な言動に反して性的な事柄への関心が強い。
だから十三センチが自分のナカに入ってくることを想像したことは何度かある。しかし、目の前で自信満々に勃起を見せつける男のチンポは、ハルカがイメージトレーニングしてきたモノの倍はありそうだ。
あんなものをアリサに挿れたの? 私でもお腹が裂けてしまいそうな大きさなのに、私より体が小さいアリサに、あんな凶悪なモノを……。
「あんまり熱心に見つめられても照れるぜ」勃起から目を離せないハルカを男は嘲笑う。「アリサちゃんも最初は死ぬ、死ぬ、壊れる叫んで感じるどころじゃなかったがよ、一晩中おまんこズボズボしてやったら最後には堕ちたぜ。あの生意気なじゃじゃ馬が甘ったるい媚び媚びボイスで、かわいらしくおちんぽください、おちんぽくださいって言うのは金玉が活気づいた」
「アリサに酷いことをして……許さない!」
「酷いことなんかあるかよ。女なら誰だって俺みたいなデカチンにヤラれて天国見せてもらうほうが幸せに決まってるだろ。すぐハルカにも女の体は天井知らずに気持ちよくなれること教えてやるよ」
そう言って男の気配が変わった。直前までの軽薄で如何にもチンピラ然とした態度から、すっと厳かな雰囲気に切り替わる。
「時間稼ぎに付き合ってやるほど優しくないぞ。Schiavitù」
男が呪文を唱えると何もなかったはずの空間から縄が飛び出してくる。不意を突かれながらもハルカは空中にジャンプして避けた。
いったいどこから? まさか彼も魔法を使うの。敵の正体が分からないと不利だわ。
こちらへ向かってるはずのチサト、マツリに念話を飛ばす。
(お願い急いで! 敵は強力よ)
だが助けを呼ぶことに気を取られたのがまずかった。空中に逃げたハルカを縄は蛇のように追いかけ、足首に巻き付く。
「あぁー!」
悲鳴を残してハルカの体は急降下。地面に叩きつけられると四方八方から縄が体にまとわりついてきた。
「いや! やだ、やめなさい!」
縄は持ち主の意に沿って動くのか、ただでさえエッチなハルカのスタイルを強調するように縛り上げる。胸は乳房の外縁や谷間に縄が食い込みキリリと締め上げられ、乳袋が強調される。腕を後ろ手に組まされているため余計におっぱいが前面に押し出された。
下半身は両脚を揃えて縛り上げ立つことも困難。黒タイツの光沢に無骨な縄の荒々しさが加わり、清潔な物を汚す楽しみに満ちている。下腹部もおまんこを通るように縄が回され、縛られた手首と連結されている。脱出しようと腕を動かすとおまんこに食い込む縄が締まった。敏感な部分を刺激するよう結び目が作られた縄は、硬いコブがクリトリスや割れ目を刺激する。
「こいつで仕上げだ」
男が言うとハルカの口に突然ボールギャグが噛まされる。
「むむー! むっ、むふぅ、んん~~~~」
あまりな扱いに抗議する彼女の首に大きな錠前の付いた首輪が出現する。
(助けてチサト、マツリ。捕まってしまったわ)
念話で危機を知らせる。だが、いつもなら感じられる彼女たちとの繋がりがなく、何もない場所へ一方通行に話しかける感覚だった。
「慌てて助けを呼んだって遅いぜ。その首輪には魔法少女の力を封じる効果があるんだ」
男はトントンと自分の首を指差す。「つまり、その首輪が付いてる限り、ハルカはコスプレセックスに最適な衣装のまま、無力な雌穴に戻っちまったってこと」
ハルカの魔法少女衣装は修道女を模している。しかし煩悩を払い、神に操を捧げるべき修道女としてはエロチック過ぎる、体にピッタリ貼り付いた形状は男が言うように怪しい店で貸し出すコスプレセックス用の道具にしか見えない。
普通にしていても雌の色香を放ってしまうハルカの凹凸激しいボディラインが押し出されたうえ、上着には胸の谷間を見せつける窓が開いている。十五歳にして爆乳ちゃんの称号を冠されるべきおっぱい見せつけながら歩く姿の、どこが敬虔な修道女なんだとツッコミも入ろうが、この衣装はハルカの願いを反映した形と言っても良い。
ハルカが魔法少女になる代償として叶えてもらった願いは、姉を消し去ること。何でも完璧にできて両親ご自慢の娘だった姉は、幼いハルカにとって自分から全てを奪う存在に見えた。
姉がいる限り両親は自分を見てくれない、愛情を受けられない、もっと私を見てほしい、そのためには姉が邪魔だ。
幼いハルカは短絡的な願いで肉親をこの世から葬り去った。奏可奈多という存在はハルカの記憶以外から跡形もなく消えた。
ハルカが品行方正で完璧な生徒会長を演じるのは、完璧な姉に嫉妬して彼女を消滅させてしまったことへの贖罪にほかならない。もし姉が生きていたらこんな人間になっていたはず、もし姉が生きていたら善行を積み、周囲から好かれ、人々から注目される人間になっていたに違いない。
全ての根底にあるハルカの願い――もっと私を見てほしい――に反応して物事は作られていく。
男女問わずすれ違った者が振り返ってしまう見事なスタイルも、それを強調するスケベ衣装も全ては「もっと私を見て、注目して、愛して欲しい」彼女の願望の具現化と言えよう。修道女という本来は清楚であるべき存在を道具に使ってまで淫猥さを鮮明にする。
ハルカの願いは叶えられた。
いま、彼女は目の前の男から熱い視線を注がれている。
ただし、それは幼いハルカが切望した両親からの愛情のような庇護の感情ではなく、獣欲に支配された雄の昂ぶりによるものだった。