Home Artists Posts Import Register

Content

もう時間が経ちすぎて、ファイルが。ファイルがどこにあるかわからん

「異邦」の表紙絵 天地逆さまにレイアウトしてもらえたのが良かったです(デザイナーの草野さんは大量にパターン出ししてくれるタイプの方で表紙にしても本文にしても僕は選び放題でした)

表紙案 真ん中のやつを最初に仕上げたあとこれを表紙にするか悩んだ挙げ句上の絵を描いて表紙にしました 下はボツ

白状すると、この女の子は作中世界での合理的説明がまったくなくただ配色のためだけの赤髪なんですが、そういうある意味レガシーならき☆すた的思考停止(らきすたが思考停止しているわけでもらきすたから発祥したわけでもないけど、なぜからきすたを思い浮かべてしまう)はそれだけでゼロ年代当時の空気を醸します。それが好きだし、hykaという話に対して果たす機能でもある


1月くらいにこういう記事を作るって言っておきながらもう5月も終わりで申し訳ないんですが、半年経ったからこそ見えるものがあると信じてすこし振り返ってみると、れおえんがこの作品集で一番やりたかったのは「臭い」だったのかもしれない 

俺は臭いものが普通に嫌い(ネタでも嗅ぎたくない)ですが、ハードSFやホラーで臭いは重要なモチーフとして、ときには記号的にも扱われているのを文脈として取り入れたかった それにたとえ「臭いらしい」と文章で説明するだけでも、あるいは絵では描写しないからこそ、一冊の本という単位から得られる情報に立体的な空気感を足すことができる 俺が信奉するポストアポカリプスは埃ばかり煙って血の臭いがしないんです。普段はその信仰に背かず創作しているけど、今回は1点の絵ではなく絵と文章が同居できるパッケージだったからこそ、ここぞとばかりに血の臭気という禁忌を犯したのでした。だから俺はこの本を作るのが楽しかったんだな〜

正確に言うと絵としての血らしきものの描写は相変わらずほとんど無く、描き下ろしイラストのどこかに一箇所だけあるので探してみてください(ミミの絵は違いますよ)


逆に言えばエヴァのLCLは(調べてみたら設定的には臭いらしいけど)見た目のインパクトの割には臭うという描写がほとんどなくて、それが人間の生気、生理的生々しさから作品を引き離していることが結果としてあの独特の空気感につながっているし、上で言ったハードSFと逆の態度を取ることでエヴァという作品をサブカルからエンターテイメントに寄せている

そう考えると、俺はエンターテイメントをやりたいと考えながらも結局まだ思うようにできてないんだなと思います


この作品集はすべてが満足行くまで突き詰められたわけではないけど、本という形でやりたかったことはかなり出来たはず。協力してくださった編集さんデザイナーさんマネージャーさんに感謝。そして買ってくれた方改めてありがとうございました

Files

Comments

No comments found for this post.