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 あなたが通う大学の同級生に、鷺沢文香という美少女がいる。 

 艶やかな黒髪を伸ばして、透き通る大海のような碧色の瞳を前髪で隠している、読書が大好きな美少女だ。普段は身体のラインを隠しているので、彼女のことを「地味な女」「俺でもイけそう」と思って、見くびっている男は大勢居るだろう。だが――書物の世界に没頭している彼女は、男達に声を掛けられても、反応すら示すことがない。それでいて意外と危機意識が高いようで、図書館や食堂、とにかく「人通りが多くて、大声で助けを求めれば誰かが助けに来る場所」で本を読んでいて―― 

 だからあなたも、彼女のことを頻繁に目にしたのだ。

 鷺沢文香は、彼女の価値を知らない男達にとっては「ああいう根暗で地味な女の方が、意外といい声で鳴くんだよw」程度の存在であるが――

 あなたは、彼女の魅力を一目で見た瞬間に理解が出来た。

 彼女の地味な、身体のラインが隠れる服の内側には――豊満な肢体が隠れている。おそらくは、上品な環境で育ったのだろう。「清楚風メイク」とは遥かに異なる――余計な化粧品も何も必要としない、彼女の美しさ。化粧というのは、すっぴんをより良質な代物にするために施すのであって――彼女のように、アイドルとしてデビューしていれば、顔の良さだけでシンデレラガールになりかねない存在にとっては、不要もいいところなのだ。

 髪の毛から漂う牛乳石鹸の香り。貧困に喘いでいる女が、容姿に頓着を持たないのではなく――既に完成されきっているので、余計な手間を掛けなくてもいいのが鷺沢文香の美しさだろう。あなたという男の周りに存在する、ケバケバしく、派手で、谷間を露出すれば男が猿のようになると思っている――そういった女とは圧倒的に違う存在。

 だから、鷺沢文香のことを目で追うことも多々あったし――

 それ以上に、何かを望むこともなかった。

 元より、住む世界が違う存在だ。彼女のことを強引に口説き落とすことは、何よりも彼女のためにならないと知っていた。自分のような人間とは正反対の世界に住んでいるわけで――そもそも、別に女に困っていたわけでもない。何か一つ、大きなきっかけがあれば、あなたは鷺沢文香に惚れて、口説き、彼女を生涯の伴侶にしたのだろうが――

 読書家で、書物の世界に没頭することを何よりも幸せだと思っているインドア派の美少女を相手に――

 そんな”きっかけ”が訪れないことを、あなたは理解していた。



――



 その日は、新月の夜だった。

 空を見上げても月が浮かばない――どころか、曇天が夜空を真っ黒に覆っている帰り道。

 街灯の明かりだけが、あなたの行く夜道を照らしている。

 あなたは男であり――同時に、暴漢に襲われても対処する術を心得ている。「誰でも良かったから」という通り魔ですら、あなたを目にすれば避けて通ることだろう。だからこそ、油断――というわけでもないが、何か一つとして心配することもなく、ジムからの帰路を歩いていたのだが――


”きん、きん”


 と――

 遠い道から、規則的な金属音が響いてくるのだ。

 あるいは銃声であれば、テレビドラマや映画の中で幾度も耳にしているのだ。反射的に背筋がピンと伸びて「ああ、これはまずい」と直感的に理解が出来るかもしれないが――

 その、間の抜けたような金属音に――


”…………っ”


 あなたは、思わず駆けだしていた。

 職業柄、その金属音――

 ナイフの音を耳にすることが多いというのも、理由であったのかもしれない。

 あるいは、その金属音を持った相手がどんな手練れであっても――「大陸四千年の歴史を背負った、国家直属の殺し屋の末裔」程度には肩書きを盛られなければ、負けないという自信もあった。実際、リング上で傭兵上がりのナイフ使いを相手にしても――彼らの動きは、あなたには鈍すぎた。「ナイフを使った攻撃」しか出来ないのならば、初動の段階から続く攻撃はパターン化されるし――余裕で倒すことが出来たのだが――

 その場には――


「きゃっ!……あ、あなたは……?」


 大学の同級生――

 鷺沢文香が、尻餅をついて座り込んでいた。

 自分がまるで、世界の主人公にでもなった気分に浸るのだが――すぐに正気を取り戻す。相手が鷺沢文香を襲っている暴漢であれば、確かにあなたは主人公だ。地味で、根暗で、「僕でもいけるんじゃないか」と大勢の男達を勘違いさせて、そのくせ告白をしても簡単に断って男達を狂わせる、天性のサキュバス美少女をピンチから守って、惚れられるのならば、あなたは主人公なのだが――

 目の前には――


「に、逃げてください……!あなたの敵う相手ではありません!」


 同じく、黒髪の美女が――

 巨人の怪物に、頭部を鷲掴みにされて持ち上げられていた。

 黒装束に身を纏い、顔には不気味な仮面を被った怪物だ。

 職業柄、大きな人間を目にすることはあるし――コスプレをしながら「俺は人造人間だ」と主張をする相手とも戦ったことがある。2メーターを超えようが、体重が200キロあろうが、あなたが苦戦することはなかったが――

 故に――

 目の前の巨大な怪物が、人知の及ばない存在であると直感的に理解をするのだ。

 本来ならば、あなたはそこで踵を返して全力で逃走すべきだ。 

 どれほど強くなったところで、人間が核兵器には勝てないように――「人間と人間が、一対一の素手で戦う」というルールを無視した相手に、あなたは不覚を取るかもしれないと思っていた。目の前の3メーターほどありそうな怪物は、身体が分厚く、腕も太い。人体科学の通用しないそれは、腕をぶんぶんと振り回すだけで、コンクリートを破壊するかもしれない。巨人の弱点である四肢は、金属製のカバーで保護されているらしい。先ほど聞いた金属音に、あなたは合点がいく。腕を掴んでへし折ることも出来なければ、一気にダメージを与える手段は減ってしまうのだ。

 だから、素直に逃げようかとも思ったのだが――


「……ふぇっ?あ、あの……こんなときに何を……!?」


 あなたは――

 座り込んでいる鷺沢文香の前で、膝を曲げて、彼女に尋ねる。


”本当に――俺が、敵わないと思ったか――”と。


 逆の立場だったら──

「あ、こいつ頭おかしいな?」と思っただろう。

 だが――これは、自分の中に存在するちっぽけなプライドなのだ。

 鷺沢文香が一言『あなたの方が強いと思いますが、あなたは無関係なので引っ込んでいてください』と言えば、あなたは大人しく従ったが――

 彼女は、『あなたの敵う相手ではありません!』と、あなたに堂々と宣言したのだ。

 どうしようもなく、腹が立った。

 眼前にいる巨体の怪物が「ただ、心優しいのに、醜悪な容姿というだけで怪物扱いされている」という可能性もあった。だが目の前の彼は──鷺沢文香ではないとは言え、しかし、同レベルに美しい黒髪の美女の頭蓋を鷲掴みにして持ち上げているのだ。首の骨が心配になるそれは、中身が善人の悪役レスラーであれば絶対に出来ないもの。然らば、ぶん殴ってぶち倒しても問題は無い――ああ、か弱い美少女共に、容赦なく卑劣な暴力を振るう怪物が地に伏す姿は、どれほどまでに興奮するだろうかと思い――

 あなたは、全力で地面を蹴り――


 一歩で、怪物との距離を縮めた。


 単純に愚鈍であると思っていたのだが――後に聞いた話では「アサシンはその場にいなかったので、遠隔自動操作であり、だから鈍かったのかもしれない」と説明をされた。それでも――その瞬間のあなたが感じたのは「見かけ倒し」の一言だけだ。

 怪物の腹へと、全力で肘鉄をぶち込んでやった。

 分厚く、巨大な3メートル大の怪物。通常であれば当然、敵うはずもない。張りぼてのスカスカではなく、中身には筋肉がぎっしりと詰まっているのだ。局部鍛錬をしたあなたの肘ですら”うわ、痛ってぇ”と思うほどの硬さであり――

 同時に――

 その程度のびっくり人間は、今まで何人も相手にしてきたのだ。

 人間の肉体は水であり、それを揺らしたり貫通したり云々かんぬん――という、中国拳法師範の説明はよくわからなかった。だが、「人間の身体の奥に震動を与えればいい」というのは本能的に理解が出来た。怪物の身体がどれだけ分厚く、強靱であっても――人間の形をして、人間のような動きをするならば、概ねは人間のはずだ。そう思ってのあなたの肘鉄。身体の奥にまで衝撃を与えるそれは――


”ぐぉぉぉ…………おおっ!”


 まんまと、功を奏したらしい。

 苦しみに喘いで顔を上げると、顎が近づいてくる。

 後は簡単だ。試合では絶対にしてはならないと言われているが、相手が巨人の怪物であれば話は別。膝関節にカーフキックを数発喰らわせて、更に顔を近づけさせる。三メートルの巨体であろうが、蹲れば顔面は近づいてくる。ハイキックで顎を蹴り飛ばしてやると、巨人は地に伏して倒れ込む。追撃をするか一瞬悩んだが――どのみち、正当防衛は得られると確信はしていた。倒れ込んだ怪物の顔面に全力でサッカーボールキックを食らわせる。

 試合を止める鐘が鳴った後で――あるいはタオルが投げ込まれた後で、追撃を喰らわせれば団体はあなたを庇うことは出来ない。試合中に死ねば事故で処理されるが、試合が終わった後に殺せば過失致死傷罪だ。だからいつも、倒れ込む対戦相手を前にあなたは欲求不満を抱いていたのだが――

 目の前の巨人は”ぐぉ……ぐぁ……!”と悲鳴を上げながらも、闘争心は失っていないらしい。

「立ち上がって、この三メートルの巨体で腕を振り回して、顔面に当たれば一発で意識が飛ぶ。こいつは人差し指と親指でつまむだけで、俺の首の骨を折れるのだ」と――警察で堂々と反論をしても、あなたの罪は赦されるに違いない。そもそもが、自分の中の獣欲を抑えきれないから、今のあなたの”最強”は存在するのだ。”起き上がれるなら起き上がってみろよ、クソ野郎”と口が悪くなりながら、あなたは何度も何度も顔面に強烈な蹴りを叩き込んでいく。理性も社会常識もあるので、やってはいけないことはやらないが――これほどまでのお膳立てがされれば、据え膳は食わない方が失礼だ。何度も何度も、初めてサッカーボールをプレゼントされた子供が、日暮れまでそれを蹴り続けるように夢中になって顔面を蹴っていると――


”ぐぁぁぁああああ……!”


 と、巨人は最大の悲鳴をあげて――


”さらさらさらさら……っ”


 と――

 砂となって、消えていった。


 何が起きているのか、理解が出来るはずもない。


 獅子や羆や鮫の存在を知らずに大人になって、獅子や羆や鮫を目にすれば「正体のわからない、人間を殺戮するために生み出されたUMA」だと推測が出来るだろう。あなたも目の前の怪物を「どこかの名家の座敷牢か地下室で飼われていた人間」とか「漫画のような、筋肉を肥大させるミオスタチン異常を人為的に引き起こされた人間」とか、最悪は「アラスカの雪山に住んでいたUMAの雪男を日本に連れてきた」とか――

 様々な展開を、顔面を蹴り飛ばしながら推測していたのだが――


 さらさらさら、と。

 砂となって消えていくのは、想定もしていなかった。


 もしかして自分は、人類の記念すべき宇宙人との最初の接触を最悪な形で終えたのではないか――ある意味、殺人よりも罪が重たいのではないか――

 と、嫌な予感が湧き上がってくるのだが――


「……う、ううぅ……」


 巨人に襲われて、頭蓋を鷲掴みにされていた美女が――

 苦しみの唸り声をあげるので、冷静を取り戻すのだ。

 救急車を呼ぶべきか、警察を呼ぶべきか。判断に困ったが、とりあえず救急に電話して事情を説明すれば、勝手に警察も呼んでくれるだろうと判断して、スマホを手に取ると――


「あ、あの……いけません……それは……!」


 鷺沢文香が――

 小さいながらも、しかし、はっきりとあなたに告げてくるのだ。

「あ、漫画でよく見る光景だ!」と思いながらも、それを現実にされるとあなたの脳内はぐちゃぐちゃになる。目の前にいるのが暴漢であれば「復讐を恐れて」と、その判断はわからなくもない。「大丈夫だよ、日本の警察はメディアを通すと批判の対象になりがちだけど、警察を介さない方が面倒なことになるよ」と説得をしてやるのだが――

 砂となって、さらさらさら。

 最早、風に吹き飛ばされて体積を半分失っているUMAであれば、事態は一般人の手にはとっくに余っているわけで、思考停止していると――


「……巻き込むのは不本意ですし……助けて頂いた上で、命の恩人にこんなことを頼むのは……本当に図々しいとは思うのですが……


 あなたも……聖杯戦争の関係者なのですよね?


……どうか……私と式部さんをホテルまで……運んでいただけないでしょうか……?」


 鷺沢文香は――

 まっすぐに、あなたを見つめながら尋ねてくるのだ。

 何が何やら、全く意味はわからないのだが――

 鷺沢文香の碧色の瞳に見つめられて、彼女におねだりをされると、男として産まれて断ることは出来ないのだ。

 魔性の魅力に踊らされるのは、男の子として気持ちいいのも事実。よくわからないのならば、何かを知っていそうな彼女に従うべきだと考えて――黒髪の美女を抱きかかえる。ウエストは細くくびれていて――先ほどは気が付かなかったが、気が狂いそうなほどの圧倒的な爆乳と、豊満な臀部をしているゴシック服装の美女。一瞬で理性が崩壊して、ベロ肉の奥から唾液がどぼどぼと溢れてくるが――思い浮かべた蛮行は、やってはいけないので我慢をする。


「……あっ、い、いえ私は……自分の足で……ひゃっ!?」


 鷺沢文香は、話の流れ的に自分の足で歩くと思っていたのだが――

 どうやら、すっかりと腰が抜けてしまっているらしい。

 彼女の下半身で、魅力的な生足を隠すスカートが熱を帯びながら濡れているのは――

 先ほどの怪物を前に、腰が抜けて失禁をしてしまった証拠だ。

 腰が抜ければ、本当に一人で立ち上がることも出来ない――というのを、あなたは対戦相手の不様な態度で理解しているのだ。

 だから――

「式部さん」と呼ばれた黒髪の美女と共に、鷺沢文香の身体も持ち上げてやる。


「きゃっ♡……あっ、す、すみません……ですが、その……お姫様抱っこというのは……い、嫌というわけではなく、ですね!?……う、ううっ……


 は、はい……っ♡


 申し訳ありません……ご厚意に甘えます……っ」


 あなたは――

”式部さん”と鷺沢文香の身体を同時に持ち上げて、お姫様抱っこで運んでいく。

 彼女達は、その身体の内側に内臓が本当に詰まっているのかと、心配になるほどに軽いのだ。普段から鍛えているあなたにとっては、鍛錬にもならないほどに軽い。意識をほとんど失っている方の美女は、持ちづらさの分だけ重たいのだが――鷺沢文香は、あなたに負担をかけないようにと、首に両腕を回して体重を分散させているのだ。恋人同士よりも、もっと近い距離感。目の前で見る鷺沢文香の顔面は、あまりにも美しすぎて――しかも、彼女達の豊満な肢体があなたの身体に押しつけられているのだ。勃起をしてしまうのは、男の子として産まれて当然なこと。開き直ろうとするのだが――鷺沢文香の瞳に見つめられると、そこにどうしても罪悪感を抱いてしまう。”ごめんなさい”と、あなたは彼女に謝罪をする。文香は最初、それが理解出来なかったようだが――あなたの謝罪で、自身の臀部に押し当てられる硬さを理解したのだろう。一瞬、目を丸くして――頬を真っ赤に染めながら「い、いえ……嫌ではないので……あの、大丈夫です……♡」と彼女は、あなたの下半身にビンビンに響く謝罪を口にするのだ。肉棒を苛立たせてくるその態度に、更に下半身の逸物は隆起して、最早、股間で文香を持ち上げているのではないかと錯覚するほど。文香はそれが気まずかったのだろう。だが――自身の身体が、あなたへのタクシー代になるのならば仕方ないと思ったのか、抱きしめてくる力を更に強めてくるので――衣服の上からでもわかる、豊満な乳房を感じていると、勃起しない方が逆におかしいので、罪悪感が吹き飛んで消えてくれた。



――――



 格闘技団体【炎獄】は、元々、地下で小規模に開催されていたのだが――

 あなたがそこに参戦してから、何もかもが変わり始めた。

 自分の口から説明をすると、「めちゃくちゃイキってる痛い奴」みたいで嫌だったのだが――

 

 それでも事実として、あなたは最強過ぎたのだ。


 小規模なアングラ団体である為に、他の格闘技団体に炎上覚悟で殴り込みをしたり、あるいは武器ありや多対一、階級差無視の変則マッチも組まれたのだが――

 あなたという男は、どうしようもなく強すぎたのだ。

 子供の頃から、暴力を振るうのが好きで――しかし、実際に手を出してはいけないという理性も持っていた。折衷案として「じゃあ格闘技なら、合法的に人を殴れて蹴れるのでは?」と思いつき、様々な格闘技のジムに幼いころから通っていた。大人達は、「幼い子供のあなたがプロのライセンスを取る頃には、自分はとっくに引退しているからライバルにならない」「それどころか、彼が羽ばたけば自分が師匠面出来る」と熱心にあなたに指導をしてくれて――

 気が付けば――

 あなたは、どうしようもないほどに強くなっていたのだ。

 階級が何段階上の相手でも、ヘビー級の元チャンピオンでも――敗北ということを知らずに育ってきた。炎獄としても、もう少しあなたが負けてくれないと、試合が盛り上がらないらしい。今では「あなたが、何ラウンドで対戦相手をKO出来るか」でどうにか誤魔化しているが――それもいつまで持つのかわからない、というのが主催者の悩みだ。

 最近は、大手の総合格闘技やMMAの団体に誘われているが――何の実績も無いあなたを拾ってくれた炎獄への恩もある。今度、地上波ゴールデンの試合で、超人気の有名格闘家と対戦することになっている。相手側は自分を抹殺する気でいるけど――こっちも負けるつもりはないので、ボッコボコにしてやるつもりだ。

 自分が強い理由はわからないけど、強いから強いのだから仕方が無い――

 と――


「な、なるほど……わかりました……」


 あなたは、ホテルの一室で鷺沢文香に説明をした。

 事実を語っているだけなのに――

 それを口にしているだけで、どうしようもないほどの羞恥が湧き上がってくる。

 女に困ったことはないのだが――鷺沢文香という極上のメスを前に、あるいはあなたも昂揚しているのかもしれない。

 相手がもっと、水商売の女のように「へー、すごーい、わーきゃー」と乗ってくれればいいのだが――鷺沢文香は、あなたの対戦相手の格闘家の名前すら知らないのだ。自分を知らないのはともかく、相手の存在を知らないのは「いや、テレビ見ないアピールにしても痛々しすぎるだろ」と思ってしまうのだが――

 書物の世界に没頭している鷺沢文香にとって、仕方が無いことなのだろう。

 どうしたものかと考えながら――

 あなたは、ベッドの上で眠っている美女に目をやる。

 彼女の黒髪は――彼女自身の身長よりも長いのだ。

 海外の仰天動画で、産まれてから一度も髪を切ったことのない人間を見たことがあるが――彼女の髪の毛は、それに比類するに違いない。そのくせ――完璧なキューティクルは黒髪を艶々と美しく輝かせて、余分な枝毛もほつれも一切存在しないのだ。

 眠っている横顔ですらも美しく、「なるほど、眠り姫にキスをする王子様は正義感ではなく、寝てるからバレないだろという『性欲』だったのだ」と理解させられる代物だ。

 今は落ち着いているらしく、規則的な寝息だが――

 胸板が上下する度に、ゴシック服越しの乳房がふるふると揺れているのだ。

 日本人離れ――というよりは、人間離れした圧倒的な爆乳。腋の下を切開して、シリコンパックを挿入して、パッケージに記載するバストサイズだけで男の子を興奮させるAV女優とは――まるで違う存在。確かに人間離れしているが、あなたは目の前の爆乳にほんの僅かな不自然さも感じていない。それは当然だ。なぜなら彼女の爆乳は――天然で、自然に育っているのだから。

 あなたが話しているのが大学でも有名なヤリチン男子であれば、ベッドに極上の美女が寝ているこの状況にも説明は付くが――そこにいるのは、お淑やかで大人しい鷺沢文香なのだ。彼女と、この”式部さん”の繋がりはまるで想像もつかない。鷺沢文香がレズビアンであるのならば、それが一番納得の行くストーリーだなと考えていると――


「……聖杯戦争というのは、ご存じでしょうか?」


 鷺沢文香は――

 ポツリ、ポツリと言葉を呟いていく。


 元々鷺沢文香は、普通の大学生として生活をしていたらしいが――

 ある日、聖杯戦争という争いに巻き込まれたらしい。


 七クラスのサーヴァントが、最後の一人になるまで争うというそれに――どうして自分が巻き込まれたのかは、わからないらしい。ただ、おそらくは彼女の叔父が関係している、というのと――その古書店に、紫式部に関係のある聖偉物があったということは、わかっているらしい。

 文香の召喚に応じた彼女は――

 本物の、紫式部だ。

 キャスタークラスで現界したらしく、彼女はどちらかというと、バフやサポートを得意とするタイプであったらしい。肉弾戦においては不利であり、だから、先ほどアサシン陣営から送り込まれた刺客に手も足も出ることはなかった。本来であれば、魔術師のマスターが戦いを手助けすべきなのだが――鷺沢文香は、ほとんどの知識を持っていなかったのだ。まさしく巻き込まれた彼女は、目の前の光景に、恥ずかしながら失禁して腰を抜かすことしか出来なかったわけで――

 そこに偶然、あなたが通りかかったらしい。


「助けて頂いたこと、本当に感謝しています……なるほど、格闘家様だったのですね……それならば、アサシン陣営の脅威を撥ね除けられたのも納得……とは、行きませんが……


 あの……すっごく強いんですね……?」


 あなたは――

 文香の説明を聞いても、何がなんだか理解が出来ない。

 彼女がもう少し、髪の色をピンクに染めて、露出の多い格好をして、歯並びが悪くストロングゼロをストローで飲んでいれば説明にも納得は行った。だが――鷺沢文香というのは、どれほどに空想が好きでも、こういった真剣な場所で嘘を吐くような性質ではなく――

 あなたの知らない世界が、そこには広がっていたのだ。

 鷺沢文香は、キラキラと瞳を輝かせている。

 久々に、あなたは全力で身体を動かすことが出来たのだ。

 相手が人ならざるモノであれば、あなたがどれだけ暴力を振るっても法律的には許されるだろう。日本国の法律では、サーヴァントという存在が規定されていない。精々、器物損壊程度だと思うと胸は昂ぶるし――

 鷺沢文香も、あなたの協力が欲しいのだろう。

 彼女の発言通り、今横たわっているのが本物の紫式部であり、戦闘よりもサポートを得意とするのならば――あなたという人間にバフをかければ、効率が最大であることは容易に理解が出来る。素の状態で、三メートル越えの巨人と戦えるのならば――

 彼女のバフがあれば、あなたは巨大な竜でも倒せるのかもしれない。

 常識的に考えるのならば、現状は新手の詐欺だろう。

 あなたがテレビや週刊誌で、その手口すら見たことがないような詐欺だ。鷺沢文香はその片棒を担がされている。紫式部は歴史上の人物であり、魔術だ魔法だというものは存在せず――あなたは何らかの悪意に晒されてると感じて、即座にこのホテルから逃走しようとするのだが――


「あ……あの……一つ、お願いがあるのですが……」


 あなたは――

 据え膳に毒が盛られていても、味が極上ならば喰いたい性質だ。

 鷺沢文香を口説いて、心を開かせて、おそらくは処女であろうその身を貪って、ベッドのシーツに散った鮮血を眺めながら責任を取りたい――というほどではないが、文香とヤれるのならばヤりたいと、雄の本能が感じてしまうのだ。しかも場所はホテルで、目の前には黒髪の爆乳美女が眠り――鷺沢文香は、涙に潤んだ瞳であなたを見つめているのだ。下半身がギンギンに隆起している。文香の言葉に「じゃあ、ヤらせてくれるならいいよ」と脅迫をするのは不本意であるので――どうにか、自然に、文香自身も気が付かないように誘導して、彼女の方から股を開かせられないかなと考えていると――


「……わ、私の身体で……


 ……射精というものを、していただけないでしょうか……」


 彼女は――

 あまりにも、男に都合の良すぎる言葉を囁いてくるのだ。


「ち、違います!痴女というわけではなく、その……


 魔力供給には……殿方の、あの……ええと……


 ザーメン……スペルマ……精子が有効だと……式部さんが言っていたもので……」


 目の前に居るのが文香でなければ――

 あなたは、美人局であると断定できた。

 今はまだ小さな格闘技団体「炎獄」の絶対王者で、どちらかと言うと色物よりの存在。ネットでナイフ使いや、多対一の動画を公開しても、現場に来ていない人間にはやらせの八百長を疑われる(自分も逆の立場なら絶対に疑うので、文句はない)のだ。

 だが、あなたは自分が強いことを自覚している。

 どんな対戦相手と戦っても負けない、というのは――結局の所、相手の知名度にただ乗りすればいいだけだ。だからこそ大手団体の絶対王者とも、ゴールデンタイムの地上波で試合を組むことが出来たのだ。世間的にはきっと、あなたが生け贄ではあるのだが――試合が終わった後では、あなたの知名度もうなぎ登りであり――

 そうすれば、多少の銭金は手に入るわけで――

「それを嗅ぎつけて来やがったか美人局が」と、怒れればいいのだが――


「……申し訳ありません……助けて頂いた上に、重ね重ね無礼を……あの、今言ったことは忘れてください……


 誰か……別の男性を探してみますから……」


 鷺沢文香とヤれるとあらば――

 それが地雷であっても、男の子には前進しない選択肢はないのだ。

 ツインルームであり、片方のベッドでは爆乳の黒髪美女である紫式部が眠っていて――もう一つのベッドに、文香が腰掛けているのだ。先ほど、失禁をしたのでシャワーを浴びた彼女。着替えが用意されていなかったのだが、バスローブを着用するわけにもいかないのだろう。身体のラインが隠れた、地味で清楚な服装の下には――おしっこで濡れたショーツを履いているはずもない。普段の鷺沢文香がノーパンで、ベッドに腰掛けているという状況。しかも――あなたの精液が欲しいのだと懇願をしてくる状況において耐えられるはずもなく――


「あ……っ♡よろしいのですか……?」


 あなたは、鷺沢文香の隣に腰掛ける。

 肩と肩が触れ合う距離だと、彼女が美少女なのだと再確認させられる。

 頬を撫でても当然のことではあるが、指にファンデーションが乗ることはない。鷺沢文香という美少女は、常にすっぴんでその美しさを湛えているのだ。前髪をかき分けた先にある瞳は、思わず吸い込まれていきそうな代物。この状況で性欲に流されてはいけないと理解しながらも、あなたの下半身は文香の柔肌を堪能したくてしょうがないのだ。

 ただ、大学が同じだけという接点しかない美少女と――

 あなたは、これからセックスが出来るのだ。

 心臓がバクバクと弾む。どれほどの強敵と対戦カードを組まれようと、全く思うところはなかったのに――鷺沢文香の身体をこれから貪れるとあって、あなたは激しく動揺しているのだ。

 彼女――キャスター紫式部は今、文香を守るために魔力を消耗している。

 文香が精液をごっくんすることで、彼女の為の魔力になり、それがあれば体力も回復するという説明はほとんど耳に入ってこず――


「あ……あの……聞いていますか……?」


 あなたは――

 文香を膝の上にのせて、背後から乳を鷲掴みにする。


 鷺沢文香はあなたの想定通りで――

 どうやら、男性経験が全くとして存在していないらしい。


 彼女の美貌は本来であれば、男達が放っておかない存在であるのだが――読書に没頭して、男子から声をかけられても、書物の世界に閉じこもっているので無視をすることが多々あるのだ。勿論、文香には一切の悪意はない。肩を揺さぶられて声を掛けられると、ペコペコと平謝りするのだが――周囲から見れば「聞こえなかったってことにしてんだから、空気読んで声かけてくんなよカス」という悪女の類いであるらしい。絶対にヤらせてくれない電波的な美少女というのは、簡単にヤらせてくれるブスよりも価値が低いのだ。大学に入っても、人付き合いへの興味が希薄な彼女は、新歓コンパも無視して大学の図書館の書物に夢中であり――

 あなたにとって、鷺沢文香の処女は、全く望外の幸運であるのだ。


「あ……っ♪んっ♡……こ、こちらは、その……本当に射精に必要なことなのでしょうか……っ?……あっ、いえ♡疑っているわけでは……んんっ♡ないのですが……♡」


 文香はあなたに胸を揉まれて、困惑している様子。

 それでも、あなたへの不満を一切として漏らすことはないのだ。

 あなたの掌に広がるのは、衣服越しの硬い感触だ。

 豊満な乳房を、ブラジャーで窮屈に締め付けている美少女。あなたの肉棒はどうしようもないほどに暴発寸前であり、彼女が言う”魔力供給”とやらは一瞬で済ませる自信があるのだが――

 折角なので、もらえる物は全部もらっておきたいのだ。

 文香は衣服越しに乳房を揉まれて、困惑している様子だ。

 官能小説を多少は嗜んでいるだろうし――性行為の描写がある古典も、おそらくは沢山読んでいるはずだ。あるいはそれをオカズに、何度も自慰行為に耽っているかもしれない。

 だが――

 今、鷺沢文香は物語のそれと、自分自身を結びつけられないのだろう。

 衣服越しにぐにぐにと胸を揉まれるのは、文香にとっては一切の快楽が存在しない代物。時折声を漏らすのも、どちらかというと苦しさが近い代物であり――

 あなたの肉棒は、文香の態度にギンギンに隆起してしまう。

 彼女の尻肉に、あなたの肉棒がぐりぐりと押しつけられている状況。ズボンと下着越しではあるが、しっかりと硬さが存在するそれに――

「あ……っ♡」と文香は小さく声を漏らす。

 ギンギンに隆起した逸物は、今すぐ文香の膣内に入り込みたいのだ。

 彼女が”射精”をどこに置いているのか、あなたには理解が出来ない。目の前で眠っている紫式部を助けたいのは、本心であるらしい。その良心につけこむのは失礼かと思う反面で――初めての相手であるあなたが、善性に従って手ぬるくすれば「なんだ、男なんて簡単ではないか」と、文香が次の男に弄ばれる可能性もある。自分を正当化する言い訳だけは、無数に出てくるのだなと感じながら、あなたは文香の衣服の内側に手を伸ばす。


「あっ♪……んんっ♡そこは、少し……♡はいっ、くすぐったくて……きゃっ♡……んん……っ♡も、申し訳ありません……脇腹はくすぐったくて……はぅ♡んん……っ♡ふっ♡ふっ♡


 ……あ、あの……


 おっぱいが……お好きなのですか……?」


 文香は涙に潤んだ瞳で、照れながらあなたを向いて尋ねる。

”大好きです”とあなたは、文香の瞳を見つめてまっすぐに答える。

 彼女は自分の胸元に付いた、二つの肉饅頭の価値をさほど理解していなかったらしい。男の子の理性をグズグズに蕩かすそれも、性感帯として調教されなければ無用の長物。ましてや――小説の世界において「私はおっぱい星人です、大きなおっぱいがあれば視線が向くし、揉んでいいと言われれば絶対に揉みます」という主人公はほとんどいなかったのだろう。あなたが”おっぱい星人です”と言うと、文香はそれが愉快だったのだろう。”くすっ♪”と、リラックスしたのか、優しい笑みを浮かべる。


「あ……っ♡そう、ですね……


 ……それでは、脱がせて頂きます……っ♡」


 文香は一度立ち上がり――

 あなたに、正面から向き直る。


「あの……恥ずかしいので、可能であれば視線を逸らしていただけると……えっ?


 ……み、見たいのですか……?あまり、楽しいものではないと思いますが……


 ……煽情的に……ストリップショーのように、ですか……やってみますね……」


 鷺沢文香は、あなたのおねだり通りに衣服を脱いでいく。

 ストリップショーというものを、昭和の小説の中でしか読んだことがない彼女。当然のことではあるが、あなたを挑発するために焦らしたり、身体の曲線美を活かしたりすることは出来ないらしい。だが――あなたにとっては、「鷺沢文香が、目の前で服を脱いでくれる」というだけでたまらない興奮であり――

 やがて彼女は、スカートに手をかけた辺りで――


「……あっ♡……そ、その……


 下半身は……ご勘弁いただくわけには……


 いきませんか……そうですか……」


 自身の下着が――

 おしっこまみれで、脱いだことを思い出したのだろう。

 恥ずかしそうに頬を赤らめるが――どのみち、あなたを射精させるためには、それを使わなければならないと気が付いたのだろう。文香はあなたの前で衣服を脱ぎ――

 上半身はブラジャーに包まれた豊満な乳房――

 下半身は、丸出しの秘部を露わにする。

 先ほどシャワーを浴びて、身体を清めてきたので汚れはないのだが――「つい一時間前ほどに、おもらしをしたおまんこ」であるという事実が、あなたの脳味噌を刺激してくる。文香は流石に恥ずかしさが勝るのだろう。頬を赤らめながら、あなたから視線を逸らす。まるで自分が、彼女を脅迫して、卑劣にもその肢体を貪ろうとしている悪漢のようだが――

 あなたは、彼女に頭を下げられて「どうか、射精していただけないでしょうか」とお願いされている立場であり――

”じぃ~……っ”と、彼女の身体を視姦し続ける。


「……う、うう……あの……何か、変なところがあったのでしょうか……?そ、その……経験が少ないもので……自分の身体を他人と比較したこともなくて……ふぇっ?


 見惚れていたのですか?私の身体に……?


 そ、それなら……よかったです……はいっ♪


 射精するために……これが必要なら……いくらでも見てください……っ!」


 文香は両手を後ろに回して――

 恥ずかしそうに、ギュッと唇を噛みしめている。

 彼女自身は、自らの肢体の魅力に気が付いていないのかもしれない。恋人がいようが、妻子がいようが――鷺沢文香という極上のメスに誘惑をされれば、男に生まれて抵抗する術はないのだ。彼女の豊満な乳房を鷲掴みにして――熱を帯びて火照った秘部に指を挿入して――肉棒で膣肉をパコパコと貪ることが出来るとあらば、そこにほんの僅かな躊躇いすら存在しない。人間というのは、後天的に手に入れる知識と理性で社会生物を気取っているが――基本的には、猿から一歩ずれただけの存在に過ぎないのだと、鷺沢文香の魔性の色香を前にわからせられるだけなのだが――

 肝心の彼女は――


「……あっ♡


 勃起……していただけたのですね……?」


 自分のことを――

 さながら、40点くらいの存在だと思っているのだろう。

 途端に湧き上がるのは、興奮よりも腹立たしさだ。

 目の前には極上の美少女。読書に傾倒して、人付き合いや承認欲求が希薄で、極上の肢体を誇っている彼女に相応しい男はほんの一握りだけだ。美男美女のカップル。あるいはITベンチャーの社長や、投資家として多額の資産を保有している人間が、その立場の差を利用して美女を貪る分には、腹立たしくあっても正当な代物なのだが――

 鷺沢文香は――

 適当に誘われた新歓コンパで、適当な男に股を開きかねないのだ。

 酒に酔い潰された彼女はきっと、抵抗すら出来ずに男に貪られるに違いない。「世の中には、遵法意識を完全に無視してでも、美少女とセックスしたい男が大勢居る」と――文香はそれを、書物の世界の出来事としてしか捉えていないのだ。

 だからこそ、あなたを前に勃起してもらえるか不安になるわけで――

 これほどまでに極上のメスが――

 どこぞの馬の骨に喰われてしまうのは、想像ですら不快な代物だ。

 あなたは立ち上がり、鷺沢文香に正面から向き合ってやる。

 目の前の美少女は、とてつもなく小さい。

 身長は目測で162センチだが――そういう意味ではない。

 目の前にいるのが同じ人間である事実が、あなたには信じられないのだ。

 生命力の欠片も感じられない、彼女の浮いた肋骨。おそらくは食事の時間も忘れるほど、書物に没頭して――更には「一日中何も食べていなかったけれど、まあいいか」と食への欲求も薄いに違いない。腕は細く、あなたが掴んでしまえば、力を込めずとも折れてしまいそうなのに――

 乳房と臀部は、あなたが見てきたどの女よりも大きいのだ。

 あなたはその手を、彼女の乳房に伸ばす。


「あ……っ♡んん……っ♡は、はい……っ♡私は、その……こうした経験も無く、何もわからないですし……あなたにお願いしている立場ですので……


 ……あなたのお好きなように……してください……っ♡」


 ぽそぽそと囁かれる言葉は、男の子の夢のような代物だ。

 一瞬「あれ?自分はもしかして、あの怪物に対峙して、あっさり殺されて、今のこれは死に際に見る都合の良い夢なのでは?」と思いかけるが――夢ではないので、鷺沢文香の乳房はブラジャー越しにしっかりと硬さを感じるのだ。

 大きすぎる乳房は、彼女の肩凝りの原因にもなるのだろう。

 読書をして前傾姿勢になれば、あるいはページを隠してしまうかもしれないサイズ感。ブラジャーがギチギチに乳房を締め付けているのは、激しい運動をするからではなく「大きすぎるので、放置していればクーパー靱帯が切れてしまうから」という切実な悩みであり――

 だからあなたは、彼女の乳房を優しく愛撫してやる。

 一メーターは軽く超えていそうな、鷺沢文香の爆乳を締め付ける窮屈なデカブラ。

 その上から、あなたは彼女の乳房に触れてやる。デカブラは当然のように布地も大きく、分厚い。セックス用に準備されている下着ではないので、目の前のメスが普段から着用している実感がある。あなたは、激しい興奮を引き起こす。鷺沢文香が汗をかく度に、このデカブラはパッドの内側でその汗を吸収しているのだ。極上のメスのフェロモンがたっぷりと詰まったデカブラというのは、その情報だけでも肉棒が期待と興奮で簡単に隆起する代物。あなたはブラジャー越しに、乳房を愛撫するだけで楽しくてしょうがないのだが――


「あの……こちらは、その……楽しいのでしょうか……?


 ……い、いえ!いやという意味ではなく……あの……私は、あなたにお願いをしている立場ですから……


 もう少し……激しくても……構いませんよ?」


 鷺沢文香は――

 あなたの行動の意図が、理解できないのだ。

 官能小説でも、更に深いところまで掘り下げなければ「男の子はデッカいブラジャーで興奮する」という価値観は顕在化しないのだ。文香が知らないのも納得の話。あるいは彼女に、今までに恋人がいれば「脱ぎ捨てたデカブラの内側を嗅ぎながら、シコシコと肉棒をシゴく恋人の姿」で自然に理解をしたのかもしれないが――

 それがいなかったというのは、あなたにとってたまらない幸いだ。

”さわさわ……っ♡”と、あなたはようやく文香の生乳を愛撫してやる。

 触れるか触れないか――の位置で、指先をゆっくりと動かすフェザータッチ。鷺沢文香の少ない性経験では「くすぐったいのは気持ちいい」ということまで理解出来ないのかもしれない。唇を噛み、目をぎゅっと瞑り――「んっ、ふぅ……♡」と熱の帯びた声を奏でてくる。

 巨乳は感度が悪い――という説は、勿論個人差があるに違いない。

 巨乳でも敏感な人間はいるし、貧乳でも不感症な人間はいる。だが――鷺沢文香が、その細い身体には不釣り合いなほどの爆乳で、胸を愛撫されるだけで声を漏らしてしまうというのは紛れもない事実だ。文香はそれが恥ずかしいのだろう。口に手を重ねて、声を我慢しようとするが――

”腕は後ろに”とあなたが命令をすると、大人しく、背中で腕を組んでくる。

 これほどまでに極上の美少女が、あなたの思うがままであるのだ。

 格闘家として暴力をちらつかせて、強引にレイプすれば同じことが出来るのかもしれないが――あなたは合法的に暴力を振るいたいだけで、犯罪行為がしたいわけではないのだ。文香が「精液が必要だから、あちらのトイレで、この紙コップに吐精してくれませんか?」と提案をしてくれば、少し悩むが、献血程度の人助けだと思って実行はしただろう。文香が「私の身体を使っていいですから」と提案をしてきたので――そうなれば、別に拒むほどの正義感でもないので受け入れたというだけの話であり――

 目の前の鷺沢文香が、無抵抗であなたの愛撫を受け入れて――


「うぅん……っ♡ふっ♡んん……っ♡あっ♡はぁ……っ♡」


 乳房の表皮をくすぐられるだけで、気持ち良くなっている姿にたまらない欲情を抱くのだ。

 目の前に存在する雌は、極上の肢体をしている。人間がまだ四足歩行だった時代は、顔の前に存在する臀部に興奮して――人間が二足歩行になり、視線の位置が高くなれば乳房に興奮をするように出来ているのだ。一方で――鷺沢文香というのは、その臀部も乳房もたっぷりの媚肉が詰まっている。本来であれば、あばらが浮かび上がるほどに痩せている文香は、全身も等しくガリガリでなければいけないのだが――そこは流石、極上の美少女であるのだ。普通の人間が無防備にしていれば「太りやすい」や「体臭がきつくなりやすい」と悩みを抱えるのと同様に――鷺沢文香の身体は「美しくなりやすい」という個性を抱えているのだろう。気を抜いて、ただ好きな読書に没頭しているだけで、乳と臀部が発達して、ウエストがくびれて、雄を誘惑する極上のフェロモンを放つ美少女。全く男を馬鹿にしているような、そのあまりの極上に耐えきれず――


「……あっ♡……せ、接吻ですか……?」


 あなたは鷺沢文香の顎を、クイと持ち上げて――

 彼女の、碧色の瞳を見つめてやる。

 どこまでも透き通った青空や大海原ですら――ここまで美しくはないだろう、と思う彼女の瞳。ホラー映画や猟奇作品において「人間の瞳を集める」という描写に、あなたは理解が出来なかったし――「理解が出来ないからこそ、サイコパス的なキャラクターになるのだろう」という解釈をしていたのだが、鷺沢文香の瞳は違う。彼女の瞳の輝きを永遠に出来るのならば──あるいは、そうした凶行に走る異常者もいるのかもしれない。 

 極上の美少女の真っ青な瞳を、あなたの顔で埋めて――

 あなたは、文香の唇を奪ってやろうとする。

 彼女が頑なに――と、までは言わずとも、ほんの少し体重を背後に逸らして、否定をするのならばあなたも止める気でいた。鷺沢文香が嫌がることをしない、というのは、この状況における大前提。彼女が冷静を取り戻して、あなたの肉棒を手で軽くシゴいて終わりにするのであれば、それはそれでいいとも思っていたのだが――

 文香は、案の定――

 というよりは、想像以上に力を込めて、上体をのけぞらせる。 

 良い雰囲気で、強引にいけると思っていたのは――どうやら、あなただけであるらしい。

 眼前の僥倖は、文香の不興を買ってまで続ける必要はないのだ。

 大人しく引き下がろうとするのだが――


「い、いえ!……嫌、ではないんです……本当に、その……」


 文香は眉を下げながら、申し訳なさそうな表情。

 極上の美少女にこの顔をさせるというのは――国と時代が違えば、即座に打ち首になっても仕方が無いのだ。あなたの反省は深くなり、調子をこかずに今すぐトイレに逃げ込むべきかと考えるのだが――


「……あなたは……その……格闘家で、有名で……つまり、異性からの人気がある……モテモテ、の人……なのですよね……?


 なのに、その……


 私なんかの唇で……汚していいのかと――ひゃあっ!?あっ……あ、あの……どうしたんですか?力、強くて……ひゃっ♡んっ♡だ、だめ、だめですっ♡私なんかと、キスしたら……ひゃあ……んん……っ♡


 ……んっ♡


 ……ちゅっ♡……ちゅ~……っ♡ちゅっ♡ちゅっ♡……はふぅ……んちゅ……っ♡


 ベロ……?あっ、舌を出せばいいんですね……んべ……っ♡……んれぇ……っ♡ちゅっ♡るるる……っ♡


 涎……ですか?……あっ、飲ませたいのではなく……あなたが飲みたいのですね……?……ふふっ、古い小説の官能描写では……読んだことがありますが……


 ……んっ♡


 もごもご……っ♡んんっ♡んれぇ……んん……ぐぶぐぶ……っ♡ぶぐ……じゅる……っ♡


 あまり……見らいれいたらけると……んん……っ♡


 はいっ♡お口……開けてください……♡


 ……んれぇ~……っ♡


 ん……っ♡れぇ~……っ♡いかがでしょうか……


 ……私の唾液は……甘露でしょうか……?


 ……えっ?


 あっ、はい……そうですね……


 ファーストキス、というやつです……」


 鷺沢文香は――

 あなたのおねだりを、従順に受け止めてくるのだ。

 まず、鷺沢文香が「自分とのキスを嫌がる男がいる」と考えている時点で――あなたはとっくに、我慢の限界を迎えていた。文香が「あなたと接吻はしたくないです」と意思表示をして抵抗をしたところで、世の中の男の大勢は、腕力に任せて強引に彼女の細腕を掴み、頭を抱き寄せて唇を貪るのだ。それなのに――文香は「あなたが、キスを嫌がるのではないかと思って……」と消極的な態度を見せつけてくる。自分の価値を理解していないそれは、ぶりっこ女がやっても腹立たしいのに――鷺沢文香は天然で、悪意が一切存在せずにそれを行っているのだ。ここで文香に、自身の本当の魅力を信じ込ませるために、多少手荒い真似を取ったとしてもいいのではないか――

 と、あなたは自身の行動を正当化してしまうほどだ。

 あなたは文香を壁際に押しつけて、彼女に唇を重ねた。

 鷺沢文香の唇は――


 ぷにぷにで、すっごく柔らかかった。


 小学生男子の日記でも、もう少し語彙力が豊富で、頭の良い表現をするのかもしれないが――実際に、文香と唇を重ねた瞬間に感じたのはそれなのだ。リップクリームを使わずに、大した保湿ケアも行わず――好き勝手に生きているだけの彼女。それでも、唇は今までキスをしてきたどの女よりも柔らかく――あなたは夢中になって、唇を重ねてしまった。

 互いの唇が触れ合って、離れるだけのバードキス。

 あなたにとっては大した感傷はなくても――

 鷺沢文香にとって、それは人生で一度きりの喪失のはずなのだ。

 彼女はあなたの首に両腕を重ねてくる。豊満な乳房をぐにっと、あなたの胸板に押しつけながらだ。勿論、ブラジャーで硬くなっている乳房ではあるのだが――文香のシルエットは、まさしく文字どおりの”ぼんきゅっぼん”であるのだ。乳肉が押しつけられる圧迫感でも勃起するほど、男の子というのは頭が悪く、単純に出来ているのだ。

”ベロを出せ”と命令をしても、文香は従順にあなたの命令を受け入れる。

 何度も何度も繰り返すが――ここにあるのは、脅迫や催眠アプリによる一方的な関係ではなく、文香自身の明確な意思なのだ。「あなたの下半身を隆起させて、精液を搾り取るために」という――さながらサキュバスのような態度。あなたの口にも簡単に舌をねじ込んできて――ぐぶぐぶと、いやらしく唾液を口の中で泡立てる。普段の彼女が絶対に行わないようなそれは、あなたの脳味噌をトロトロにするほど甘露で、絶品であり――

 

”じゅるるるる……っ♡れろれろれろ♡はむっ♡むちゅ~っ♡ちゅ♡ちゅぱっ♡”


”むちゅ~……んちゅっ♡ちゅっ♡ちゅっ♡ふぅ、ん……っ♡れぇ~……っ♡”


”ちゅるるるる……はむっ♡むちゅ~……んっ……もっとよだれ……んれぇ……っ♡”


 文香は――

 あなたとの濃厚なディープキスに、うっとりと目尻を下げる。 

 極上の雌は、顔面と肢体の魅力で大勢の雄を誘惑しているのだ。それはひとえに――生物学的には、より優秀な遺伝子を選別するための代物であり――

 そんな彼女の身体がまさか、セックス嫌いであるはずもない。

 男と初めてのキスをして、一分も経過していないのに――

 文香のベロ肉は濃厚に艶めかしく、あなたの口内を這いずり回ってくるのだ。

 文香はあなたのことを、キスで掌握できることがたまらなく嬉しいのだろう。

 自身の雌としての魅力を過小評価している文香にとって「ベロキスのテク」というのは、今までに判断基準が存在していなかった。目の前の、おそらくは経験豊富であろうあなたが、自身のキスでたじたじになっていることは――文香にとっては喜ばしいこと。幼子が芸を披露して、親が喜べば――何度も何度も、馬鹿の一つ覚えに繰り返すのと同じことだ。

 鷺沢文香にとって、今信じられるのは、自身のベロキスのテクニックだけであるようで――


”はむっ♡むちゅ~……っ♡れるれるれる……ちゅっ♡……ぷはぁ……っ♡”


「あの……気持ちいいのでしょうか……?


 ……こちらが……勃起、しているようですが……?」


 彼女はあなたにしがみついて、濃厚に舌肉を重ね合わせながら――

 あなたの下半身を”すりすり……っ♡”と撫でてくるのだ。

 その一手がなければ――

 あるいは、あなたは一線を踏み越えずに済んだのかもしれない。

 目の前に存在するのは、産まれてからずっと家の中で育ち、飼い主の愛情を受けている大型犬の鷺沢文香であるのだ。自身の才能に気が付かず、小型犬のように臆病に育っている彼女。最後まで「あなたにされるがまま」の態度を続けて、飽くまで、精子を提供してもらうだけで終わらせる気ならば――あなたも挿入直前に日和って、彼女のパイズリ程度で我慢したかもしれないが――

 ホテルで、濃密に抱き合いながらディープキスに耽り――

 股間の勃起をズボン越しにすりすりと撫でるのは、つまり、そういう意味なのだ。


「…………ふぇっ?」


 あなたは文香とキスをしながら――

”ぷちっ”と、彼女の背中でブラジャーのホックを外す。

 豊満なデカブラを抑えつけるブラ紐は、それに見合う強靱性を求められるので――、三段ホックで留められている。知識としては持っていたが――実際に、そんなブラジャーをしている女を見るのは初めてなのだ。あなたのそれに、文香は一瞬”ビクッ”と身体を弾ませるが――今までの異常性に比べれば「キスの最中にブラホックを外される」というのは、数多の書物で出てくる展開であるのだ。目を瞑り、うっとりとキスに浸りながらも、文香は抵抗を見せることはなく――


「……あ、あの……恥ずかしいので……

 

 あまり……見ないでいただければ……」


 鷺沢文香は――


 ”どたぷん……っ♡”


 あなたの前に、生乳を露わにするのだ。

 真っ先に浮かんだ感情は――


”谷間に顔を埋めたい”という欲求だった。


 直後、その欲求を追いかけるように”揉みしだきたい””鷲掴みにしたい””舐めしゃぶって、吸い付いて、唾液まみれにしてやりたい”という感情が追いかけてきて――

 鷺沢文香という女は――


「小学生のときに、男子にからかわれて以来……あまり、人には見せないようにしてきました……っ


 猫背になって……身体のシルエットを隠して……ですが……あなたが……これをお好きならば……


 どうか……お好きなようにしてください……っ♡」


 最上級の、超特盛りの爆乳をしていたのだ。

 ブラジャーに窮屈に締め付けられている――というのは想像していたが、あなたはまだ、鷺沢文香という”極上”を過小評価していたらしい。

 自身の魅力を過小評価している、彼女のことを笑えないなと思いながら――

 あなたは、目の前の圧倒的体積と質量の乳饅頭を見下ろす。

 彼女の身体は、繰り返すが肋骨が浮かび上がりそうなほどに、痩せていて細いのだ。身長は162センチあっても、全体的な細さが小ささを煽っている。ちょっと力を込めて抱きしめるだけでも、簡単に壊れてしまいそうなサイズ感であり――

 一方で、目の前の肉饅頭は、彼女の頭蓋骨よりも大きいのだ。 

 しかも両乳合わせてではなく――片乳ずつ、でそれだ。鷺沢文香は元々、アイドルやモデル級の小顔ではあるのだが――それでもあなたの常識では、乳房というのは頭部よりも大きくなることはない。身体のラインをシルエットで映し出せば――胸元にメロンやスイカ――どころか、バスケットボールやサッカーボールを抱えていると思われるに違いない。

 化け物――と言う表現は不適切かもしれないが、少なくとも、鷺沢文香と男を取り合う立場の女にとっては「化け物」と呼んでも差し支えがないだろう。男子が性の芽生えを迎えるよりも前から、胸元が突っ張るような痛みを抱えて、膨らんできた極上の美少女。そこで男子達が文香をからかってくれたのは、彼女には最大の不幸だが、あなたには最大の幸運。目の前の乳房に、初めて指を埋める異性が自分であるという事実。あなたはこれから、目の前のこの特盛りの爆乳に何をしても――全てが文香の”合意の上”であるという事実にたまらなくなり――


”――どさっ♡”


「……あっ♡」


 あなたは――

 文香を、ベッドの上に押し倒した。

 勿論――


 我慢が出来ずに、挿入をするつもりだった。


 鷺沢文香の膣肉に、自身のギンギンに隆起した逸物を挿入するのだ。彼女が処女であって、痛みを訴えるかもしれないが――それは穴っぽこを使う男側には、何一つとして関係はない。それに――これほどまでに雄を誘蛾する極上の雌が、まさか、破瓜に際して痛みに訴えてまともな性行為が出来ない――なんてことありえないと、あなたは確信をしているのだ。雄の子を孕む才能に特化した極上の美少女。あるいは、処女膜を破られるだけでも絶頂するかもしれないとまで考えていたのだが――


「……んっ♡……は、はい……っ♡知ってます……っ♡


 パイズリ……と、言うのですよね……?」


”ぬちゅっ♡どちゅっ♡ばちゅんっ♡にゅっぷ~っ♡ぶちゅっ♡ぐぶっ♡じゅぶぶっ♡”


 あなたは――

 鷺沢文香の爆乳を前に、理性を浸食されているのだ。

 彼女の身体に馬乗りになって、あなたは肉棒を叩きつけていく。


「……んっ♡ふぅ……あっ……これ……気持ちいいのですね……?……んっ♡い、いえ……嫌ではないので……続けてください……っ♡……ふぅ……んん……っ♡あっ……はぁ……


 ……えっ?


 ……と、吐息が漏れてしまうだけです……んんっ♡あの、あまり……んっ♡運動は……あっ、はぁん♡得意では……んんっ♡なくて……っ♡なので、この程度でも……んんっ♡少し、ふぅ……んきゅ……っ♡声が、出てしまって……ああ……っ♡」


 あなたの馬乗りパイズリに、文香は一々反応を示してくる。

 彼女の豊満な乳房は、貧相な女の臀部よりも遥かに大きな代物。

「パイズリが気持ち良くない」というのは、乳房が小さいからだ。小さな胸では、手コキよりも圧力が弱く――更には、肉幹を撫でるだけになる。強い圧力でシゴきあげることで射精が出来るというのを、男の子は初めて自慰行為を覚えた日から直感的に理解しているのだ。最愛の恋人の為に、自らを献身するのではなく――金銭を対価に初対面の男に、乳房の形が歪んでしまうほど力を込める風俗嬢がいるはずもなく――だからこそ、パイズリは気持ち良くないという定説が広がるのだが――


「ん……っ♡くふぅ……んふっ♡んんっ♡あっ♡い、いえ……その……♡私の乳房に……夢中になって……腰を振っている姿が……その、なんだか……


 とても……愛おしく思えてしまって……っ♡」


 鷺沢文香に馬乗りで行うパイズリは――

 男の子が産まれてきた意味を、感じさせてくれる代物だ。

 あなたは文香の乳房に、激しく腰を振って打ち付けていく。まるで本物の膣に挿入して、腰を振るように――”ばちゅんっ♡どちゅっ♡”と、股間と乳肉がぶつかり合う音が響くのだ。人体の六割は水であるのだと、再認識させてくれる文香の乳肉。あなたは夢中になって、そこに腰を打ち付ける。女に不自由したことはないが――

 鷺沢文香のような最上級の極上美女には、いつだって不自由していたのだ。

 パイズリが気持ち良くない理由の「圧力が弱くて、肉幹がシゴけない」という欠点は――鷺沢文香の爆乳を前にすると、完全に解消されるのだ。圧倒的な体積と質量の文香の乳房を、あなたは両側から”ぎゅ~っ♡”と締めて腰を打ち付けるのだ。彼女はアイドルでもモデルでもないので、自身の乳房が形崩れることを僅かとして恐れない。あなたという雄が抱いた下衆な欲望こそが、世界の真実であると思っているかのように――

 献身的に、自身も両側から乳房を押しつけてくれるのだ。


 鷺沢文香は、そのパイズリにおいて快楽を抱いていない。


 敏感な感度である彼女は、あるいは「谷間で擦れる肉棒の熱や、水音や、感触だけ」で興奮して発情するかもしれないが――それで絶頂に至ることはないはずだ。文香はじいっと、あなたの表情を見つめている。仮にも格闘家であり、殴り合いの喧嘩をすれば、あなたは一秒で文香を絶命させることが出来る。勿論するはずもないが――「しようと思えば、いつでも出来る」ということは、あなたも文香も理解しているのだ。雄と雌の間に存在する、圧倒的な体格差。マンモスを狩っていた古代から受け継がれている、一個人の身では決して覆すことの出来ないそれを――

 鷺沢文香は、パイズリご奉仕で実現さえているのだ。

 馬乗りになってパイズリしているのはあなただが――この場において、あなたの生殺与奪の権利を持っているのは文香だ。彼女がスマートフォンを手に取り「ホテルに無理やり連れ込まれて、強姦されました」と告げれば――司法はあなたの味方をしないだろう。勿論、文香はそんなことはしない。この状況は彼女自身が望んだものである――のだが――

「しようと思えば、いつでも出来る」ということは互いに理解しているのだ。

 文香はここまで、あなたにリードされっぱなしであったのに――今はそのあなたが、自身に跨がりながら乳房を使って、興奮に喘いでいることがたまらないのだろう。内腿をもじもじと擦りつけながら、あなたを見つめている。「規格外の特盛り爆乳で、肉棒をシゴきあげる快楽」というのは――きっと、文香が好む書物の世界には載っていないのだろう。

 あなたが激しく腰を打ち付ける度に、彼女は慈愛に満ちた瞳を浮かべてきて――


「あの……


 もっと……気持ち良くするには……どうすればいいでしょうか……っ♡」


 瞳を潤わせて、あなたに尋ねてくるのだ。


「え……っ?……淫語ですか……?


 い、いえ!知っています……その、官能小説も……たまには、読むので……


 ……あ、あの……


 そうすれば……射精、していただけるのですか……?


 ……こ、こほんっ


 ……え、ええと……


 ……私のおっぱいは……気持ちいいでしょうか……っ♡


 同じ大学……ですよね?構内で何度か、目にしたことはあります……っ♡他の男子は……話しているとき、私の胸を見てきて……口説いてくるときも……飲み会に誘ってくるときも……下心剥き出し……っ♡私のことを、一人の女ではなく……一匹の雌として見てくる……下衆な視線だったのですが……


 あなたは、珍しくそうではなく……だから、覚えていたのですが……


 ……ふふっ♪


 ……パイズリオナホは……気持ちいいでしょうか……っ♡


 んっ♡私も……気持ちいいですよ?胸が擦れる刺激が……んんっ♡……もう既に、ご存じの通り……私は快楽に弱いのです……っ♡あなたに、んんっ♡こうして……馬乗りになられて……パイズリをされて……っ♡


 乳首が……勃起してしまいました……っ♡


 あっ♡乳首は触らないでくださいね……っ♡


 私……普段の自慰行為の際は……そこを弄るので……っ♡


 はいっ♡ムラムラすれば、官能小説を読み……子宮に熱を滾らせて……っ♡自慰行為をしますよ……?私も、女ですので……っ♡


 乳房を触り……陰核を撫でて……っ♪指の挿入……は、まだ苦手ですけど……っ♡


 代わりに……乳首は……た~っぷりとこねこね……こねこね……弄んでいます……っ♡


 ふふっ♪ですから……っ♡今、跨がられて……乳首をひねられながらパイズリされてしまうと……♡骨抜きにされて……抵抗できなくなって……も~っと気持ち良くなってしまいますが……


 ……絶対に……しないでくださいね……っ♡」


 鷺沢文香は――

 経験豊富のAV女優よりも、濃密な淫語を吹きかけてくるのだ。

「あ、あの……これで間違っていませんか……?」と直後に、不安そうにあなたを見つめて、首を傾げてくるのだが――あなたの想像と推定よりも遥かに、彼女は官能小説にどっぷりと浸かっていたらしい。思えば、講義中以外で「書物を読んでいない姿」というものを、ほとんど見たことがない少女だ。彼女が自慰行為の歳に、アダルトビデオや妄想で処理をする姿というものは――付き合いが浅いあなたでも、似合わないことを知っている。

 男にとって都合の良すぎる、極上の媚体を持って生まれた彼女。官能小説を読みながら、秘部に手を伸ばす姿はあまりにも想像に易く――彼女が何度も何度も、官能小説のヒロインに自身を重ねて自慰行為に耽っていたのならば――


「あ……っ♡触ってしまうのですか……っ?19年間……一度も、殿方に触られたことがない……っ♡汚されたことのない……っ♡鷺沢文香の……ふかふか、デカデカ……


 104センチKカップの……乳首……っ♡


 こねこねして……くにくにして……♡乳輪もカリカリ、引っ掻いて……っ♡私の一番の性感帯、虐めながら……パイズリパンパンをしてしまうのですか……?私のおっぱいを……♡104センチKカップを……パイズリオナホにして、ぱんぱん♡ぱ~んぱん♡へこへこ♡へこへこ♡男の子のかっこいいお射精で……っ♡私のおっぱいを犯してはいけませんよ……あっ♡」


 あなたは――

 文香の挑発通り、彼女の乳首を”ぐにっ♡”とひねってやる。

 官能小説の一文を丸々コピペしているのではなく――それは、文香の豊富な語彙力から吐き出される誘惑であったらしく「んん……っ♡くふぅ……んきゅっ♡はぁ……んん……っ♡」と、あなたの下腹部に響く本気の嬌声を彼女は奏でる。状況による興奮もあるのだろうが――それでも、元々の感度がとてつもなく敏感であるらしい。文香は乳首を愛撫されながら、本気の快楽を感じているらしく――下半身を弾ませている。

 全身を痙攣させたいのだろうが、あなたの馬乗りになられている状況。文香の脆弱な身体は、あなたとの体重差を無視出来ないらしい。下半身を愛液で濡らしながら、彼女は「んん……っ♡あっ♡い、いかがですか……パイズリ、オナホは……っ♡」とあなたに挑発の言葉をなおも続けてくる。勿論、彼女が囁く言葉自体も激しい興奮を煽るが――何よりも、そういったことには不慣れそうな鷺沢文香が、あなたを挑発しているという光景があるのだ。体格の圧倒的な差は論ずるに及ばず、あなたがその気になれば文香は簡単に陵辱されるのだ。あなたがそれを犯さないのは、自身に理性があるからで――文香は自らの挑発で、あなたの理性を破壊しようとしているのだ。トロトロの嬌声が脳味噌に囁かれて、抵抗が出来るはずもない。普段は地味な服装と窮屈なデカブラで隠している、バスケットボールやサッカーボール級に大きな104センチKカップを馬乗りになって、パイズリで犯している状況の男を相手に挑発をする、その生意気な態度に限界が訪れる。


「んっ♡あっ♡射精……しそうなのですね……っ♡は、はいっ♡それは、わかります……っ♡絶頂の寸前に、殿方のペニスは……っ♡ビクビク、するのだと……っ♡わぁ……♡亀頭が、本当に膨らんで……っ♡小説の中と……同じ、ですね……っ♡


 ああ……ちなみに……っ♡


 私が一番、その……自慰行為に使っていたのは……っ♡


 こうして……乳房を弄ばれる場面ですよ……?」


 文香のとどめの一撃に――

 ドクドクと、尿道の根元に激しい熱が灯る。

 精液が尿道を駆け上がり、目の前のデカパイを孕ませたいとあなたの雄の本能が叫んでいるのだ。文香の乳房による”乳圧”は激しく、あなたの肉棒と尿道を同時に締め付けている。だが――それを超えて、あなたの射精欲は昂ぶり――やがて限界が訪れる。最後に一度”どちゅんっ♡”と、あなたは文香の乳房に肉棒を叩きつける。根元まで肉棒を埋めても、先端が露出することのない極上の長乳に”ぐりぐりぐり~っ♡”と股間を押しつける。未だに体験したことがない、危険日に、本気で膣内射精をするそれに似ているが――目の前に居るのは三流のブスではなく、超一流の極上の美少女であるのだ。文香は息を荒げて、うっとりとあなたを見つめている。その表情だけでも、あなたの興奮は更に膨らんで、前立腺を刺激してくるのだ。最大硬度に膨張したあなたの肉棒は――どうやら、文香の柔らかな乳を押しのけて、亀頭の先端を彼女の顔面に見せつけるらしい。後から聞いた話だが――文香は、あなたの亀頭の先端の鈴口が、射精のためにぱっくりと開いた瞬間に軽く絶頂したらしい。あなたの尿道から文香は目を逸らさずに「…………っ♡」と笑みを浮かべるだけ。あなたは舌をだらんと突き出しながら、下半身が跳ね上がりそうなほどの快楽に身を任せて――そのまま――


”びゅるるるるる~~~っ♡♡♡びゅるるるっ♡どびゅどびゅ♡びゅ~っ♡”


”びゅくびゅく……っ♡びゅ~っ♡びゅっくんっ♡どびゅどびゅ~っ♡”


”びゅ~っ♡……びゅるるるるっ♡びゅ~……っ♡びゅっくんっ♡”


”…………っ♡”


「んっ……♡あっ、はぁ……♡はぁ……んふ……っ♡


 沢山……射精しましたね……っ♡」


 馬乗りパイズリで、鷺沢文香に射精した。

 乳房の谷間から亀頭がはみ出して、彼女の顔面に”びゅるるるる~っ♡”と激しい射精がぶちまけられていく。鷺沢文香という絶世の美少女は、例えばその顔面だけでも圧倒的なアイドルになれる存在。駅前の大看板に、彼女の顔面が一大アップになっていれば――絶対に虜になるに違いない。顔と身体だけでも、あるいは、シンデレラガール総選挙で上位になれるやもしれぬ極上の美少女であり――普段は前髪で目線を隠しているのだが、今はそれも仰向けになっているので――

”びゅるるる~っ♡”と、彼女の顔面にあなたの精液がぶちまけられていくのだ。

「しまった、顔射は、多分ダメだ」という感情がわき上がってくるのだが――それ以上に、鷺沢文香の顔面に、自身の射精をぶちまけられることが気持ち良くてたまらないのだ。股間の先端から、精液がビュルビュルと吐き出されていき、彼女の顔面を白濁で染める。鷺沢文香の、烏の濡れ羽色とでも呼ぶような、艶やかな黒髪にもあなたの精液が降りかかるのだ。

 普通の女ならば、不機嫌になると知っている。

 顔面にたっぷりとメイクを施した上で、髪の毛も常にキューティクルを保持するようなケアを行っている女性に――どろどろで、へばりつくような濃厚な精液を顔射&髪射する行為。男にとってはたまらない征服感を満たす一方で、女性が激怒するのは当然だと知っているのだ。だからあなたも、普段は絶対にしないように気をつけていたのだが――

 文香の乳房の気持ちよさに、我慢が出来なかったのと――


「あっ……いえ、私は顔射されても……別に、不快というわけではなく……♡……んっ♡ご安心ください……っ♡


 あなたが……私の顔にかけて、興奮するのでしたら……


 いつでも……かけていただいて、構いませんので……っ♡」


 鷺沢文香が――

 メイクも髪のケアも、何一つとして行っていない存在だからだ。

 顔面はすっぴんであり、髪を守る意識の欠片もない少女。それはやはり、彼女が「気を抜くと、美しくなりやすい存在だから」という――どこまで往けども、男性器に都合のいい存在だからに違いない。神様が自らのオナホールとして、オーダーメイドで創りあげた鷺沢文香という極上美少女の顔面に――

 あなたの精液が、ぶっかけられている光景。

 睾丸の中で”あっ、精液が製造されている”という感触は存在する。文香は指であなたの精液を拭う。吐き出したあなたですら、一度金玉の中から飛び出したそれは、ティッシュペーパー越しでないと触りたくないのに――


”んれぇ……っ♡んちゅ……れろれろれろ……っ♡”


 と――

 文香は、あなたの精子を口に含んでいくのだ。

 そこでようやく――「これは鷺沢文香が、眠りこけている紫式部を回復させるための魔力供給として、あなたの精液を体内に摂取する必要があるのだ」ということを――あなたは思い出す。途中からは、鷺沢文香の肢体を無茶苦茶に貪れるという興奮に、何もかも忘れていたのだが――「そういえば、そういう建前だったのだ」と気が付いてしまえば、もう遅い。勢いと流れのままに、鷺沢文香の膣肉を貪るタイミングをあなたは失ったのだ。

 勿論――それに対する後悔も存在するが「鷺沢文香の、あなた以外がまだ触れたこともない、新雪のようにプレミアな104センチKカップでズリこいてもらえた」という興奮に、それらは上塗りされていく。文香がまだ、この設定に固執するようならばチャンスはあると自身を慰めていると――


”ぽわ……っ”


 と――

 文香の身体が、穏やかな発光をしていくのだ。

 漫画やドラマの中ではよくある描写だが――どうやら人間は、実際にあり得ない光景を目の前にすると「なんかのCGとかだろ?」と思ってしまうらしい。あなたの感情も、そっくりそのまま。文香の言葉を疑っていたわけではないのだが――いや、全力で疑ってはいたのだが――

 目の前の光景に、あなたは圧倒されるばかりであり――


「うっ……うう……っ?」


 彼女は――

”紫式部”は傷口がみるみる内になくなり、そうして、意識を取り戻したのだ。

Comments

yuha

クソ強主人公が自分の容姿に無頓着でそう言う経験も一切ない、ここまで誰にも食べられなかったことが奇跡でしかない爆乳ドスケベ美少女を自分の好きなように仕込んでいく話… そんなメーター超えKカップ美少女があなたの好きにしてくださいと処女差し出してくる… 事実を連ねていくだけで強すぎる… こんなカロリー激高な話をかけるのはもう流石としか言えません… しかも次は同じく爆乳美女とするのが確定してるし…来週が楽しみ過ぎます!

カツ

強い雄に女が惹かれる、太古からの理。そんな雄が爆乳ドスケベ美少女を仕込めるのは自明の理。

wws2jsh7

ありがとうございます!脳味噌をとろかすパワー第一主義……! 捧げてくるのいいですよね……捧げるって響き……

潜天降下

マイクOさんの作品、ヒロインの可愛さが天元突破しているのはいつものことながら、主人公も格好良いからホント大好き。 書いてくれてありがとうございます!

谷澤晴夫

今回の文香を強い雄が貪る感じが最高にエロくて良かったです。文香の対する描写も最高なのに、紫式部の描写もこの後を期待してしまいます。 文香の淫語を言う所が、性格の対比でよりエロポテンシャルが高く感じて興奮しました。

wws2jsh7

ありがとうございます!ドスケベムチムチエロボディのくせに官能小説読み込んで性感帯をぐにぃって押し込んでるエロいメス好き