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 死後の世界は、暖かいらしい。  真っ暗な世界の中で、身体の奥にじんわりと熱が火照っている。  全身にまとわりつくそれが──お湯であると、気がついたのは直後。体温と同じ温度は、記憶にもないが──母親の腹の中で羊水に浸かっていたとき、きっと、こんな感じで──、一抹も不安の存在しない平和な時間だったのだろうな──と、考える。 「んっ……♡早く……起きて……っ♡……ねっ……おとーとくん……っ♡」  何か──声が、聞こえる。  ふわふわと甘く、蕩けるような──あなたの大好きな声。   ぼうと、声を聞いていると──少しずつ、何があったか思い出せる。  あのとき── 『な……なんで!?おとーとくん……お、起きて!おとーとくん!おとーとくん!』  校門前で倒れたあなたは、日菜子に助けられた。  当直室が校門から見える位置にあったのが、最大の幸運。あなたは意識が朦朧としていたが──受け答えを、した──記憶はある。会話の内容まではわからないが、確か、救急車を呼ぼうとした日菜子を止めようとしたことだけは、覚えている。  この命がどうなっても問題はない──  問題は、日菜子が責任を問われること。  彼女のいとこが、この大吹雪で学校まで来たことに──日菜子の責任が問われる可能性があると思うと──それだけは、絶対に避けたかったのだ。  なのであなたは今──  自分が、風呂に浸かっているのだと理解をする。  目が開けられないのは──意識が覚醒しても、身体が眠っているからだ。大吹雪で体温が極端に低下して、冬眠状態の動物のように身体だけは眠っている──と、適当な理屈をつけるが、そうでないことはわかる。しかし、スマホの電波が届かなければ、現状を説明する知識は得られないので──  だからあなたは、自分の背中に当たる柔らかな膨らみが──  あの日──泣いていた自分を抱きしめてくれた、日菜子の感触と同じことから──  今、自分が裸で──  日菜子と風呂場で密着していることだけを、理解するのだ。  身体が冷えた弟を暖めるには、お湯に浸す他にない。電気がなければ給湯器が使えないタイプならば、停電の後ではお湯が冷めるばかりであり──だから、生ぬるいそれだけでは足りないと思って──  日菜子はきっと、風呂上がりのぽかぽかの自分の身体を──  熱源として、湯船に投入しているのだろう。  とく、とくと──日菜子の心臓の鼓動が、背中越しに伝わる。鼓動の速度が人それぞれなことは知っていて、日菜子の平常時の鼓動の速度は知らないが──それでも、彼女の心臓の速度が、平常でないことは直感的にわかる。  日菜子もまた──  あなたと共に、裸で風呂に入って、平常ではないということだ。  同棲生活の最中、ことあるごとに日菜子はあなたと一緒にお風呂に入ろうとしてきた。勿論、あなたは絶対に拒んだが──彼女の頭の中のあなたは、初めて出会ったときと同じ、小学四年生だったのだろう。だが──高校生になるにつれて、身体は成長した。日菜子に気持ち悪いと思われないために、多少の筋トレもしていたおかげで、男子高校生としての平均的な身体つきは──  推定──男を知らない日菜子には、驚きであったらしい。 「……おちんちん……おっき……っ♡」  日菜子の言葉に──あなたの意識は反応するが──  肉体は、ぴくりとも反応してくれない。  一緒のお風呂で、日菜子に勃起ちんぽを見られたあげく──失望ではなく「おっき……っ♡」と、♡マークまで浮かべられたのだ。男にとってはこれ以上ない栄誉であり、あなたは──「日菜子にこんな汚い逸物を見せてはならない」と、必死に目を覚まさなければいけないのだが── 「んっ……♡これ、大きいのって……興奮してるからですよね~っ……♪……でも、眠っちゃってるし……おーいっ、おとーとくん……っ♡夢の中で……誰のことを考えてるんですかぁ~♪」  弄ぶように、つんっ♡つんっ♡と日菜子は、あなたの亀頭を指で突く。  あなたが目を覚ましていたら、絶対に出来ない芸当であり──あなたがそれで目を覚ましても危険なのだが──日菜子にとっては、経緯はどうであれ、目覚めてもらえるならばそれでもいいのだ。元アイドルの──大好きだったいとこの日菜子に、おちんちんを、学校の中で弄ばれる贅沢。 「んっ……♡まだ、ちょっと手足冷たいですねぇ~……ここに、血が溜まってるから……指先に血が行かないんですか……?」  日菜子が、あなたの耳にぽそっと囁いた言葉。  目を開けていれば「これはただの生理現象で、そんなことはない」と言えるのだが──思考がどれほど働いても、唇がたった一言、「違う」と紡げなければ──日菜子の妄想癖の強い頭の中では、それが正解になっていく。 「……日菜子、男の子と……こういうこと、したことないから……だから、間違っていたら……起きて、教えてくださいね……むふふっ♡」  ──”ちこっ♡”  日菜子は──  優しく、あなたの肉棒を手でシゴき始める。  自慰行為の際に、自分の限界を誰より知っている自分が、力強く握りしめてガシガシするものとは違う。台所に立ったエプロン姿の日菜子が「おにぎりを握るときは、ふんわり、優しく……お米を潰さないようにするんですよ~♪」と言っていたことを思い出す──  柔らかく、あなたの肉棒を掴む力強さ。  日菜子は、あなたの耳にたっぷりとキスを落としていく。吹雪の中を歩いてきて、内側はじんじんと焼けるように熱いのに──外側は冷たく凍っている、あなたの耳。それを──日菜子の唇、という体温でじっくり解凍をしてもらえるのだ。目を瞑り、意識がなくても──自分の手であなたの肉体が反応するのが楽しくて、しょうがないのだろう。彼女はあなたの全身をまさぐり──耳を舐めて、乳首をひっかき、肉棒をシゴきあげて──あなたの股間に溜まった血流を、四肢の末端へと供給させようとする。  自分のために、食料やカイロや着替えを用意して──、三時間近くの雪道を歩いた義弟への緊急避難による手つき。人口呼吸と同じだが──やってることは、日菜子と一緒にお風呂に入り、耳を舐められながら──淡雪のような手つきで、優しい手コキをされているだけ。  そこでようやく──あなたは、目を開けることが出来る。  身体が暖かなお湯によって、本来の機能を取り戻したのだろうか。口から発せられる声は、ひどく掠れているし、小さい。喉がずきずきと痛むので──日菜子が先ほどまで浸かっていたお湯ですら、飲みたいと思うのだが──  あなたが、か細い声と半目で彼女に訴えかけても── 「むふふ~っ……♪おとーとくんを、悪い男の子にしちゃう……この金玉さん……っ♡ここで、女の子を赤ちゃんにするせーし、どくどく~って作るんですよね……むふふっ♡」  どうやら日菜子は──  すっかりと、自分の世界に浸っている。  あなたの金玉を優しく揉みしだく日菜子。陰嚢の内側の睾丸を、指の谷間に挟んで──痛みを感じる寸前の力で、ぐにぐにとマッサージをしてくる日菜子。これから先──日菜子が、教壇に立ちどんな授業をしても──生徒達に感動的なスピーチをしても──卒業式の日に、涙を浮かべながら、自分を教師として成長させてくれた生徒達に逆に感謝の言葉を継げたとしても──  この、学校中の生徒を魅了する最高の女教師は──  自分の金玉を揉みしだいたのだ、と思うと──  あなたは同級生に対して、死ぬまで、一度も劣等感を抱えることがないのだろう。  日菜子の手の動きは、やがて、激しくなっていく。命の危機を感じたときに生存本能が働いて肉棒が屹立する──という理屈は、あまり、信じていなかった。だが──寒さで縮こまってしまった肉棒が、日菜子から与えられる熱と快楽で刺激されて、勃起していく一連の流れは──「膨張率」という面で、日菜子にとっては妄想よりも遥かに大きく、衝撃的だったのだろう。  あなたの肉棒が最大の硬度になって、天を穿つ角度で──  妄想中の彼女には珍しく、蠱惑的に「ごくりっ♡」と唾を飲み込むのだ。  彼女の妄想癖というものは、飽くまで自分の常識に培って出来ている。  人が空を飛ぶ世界があったときに「どうして、人が空を飛べるのか」「鳥の翼で人が飛ぶには力が足りず、重量が重すぎる」「つまりファンタジー的な魔法の力で重力を軽減させることで風に乗れる」「だから、その世界では人が空を飛べる」──と、筋道を立てて妄想をする必要がある。  妄想の為には知識が必要なわけで──  日菜子にとって、男の肉棒の膨張率も──多少の知識は存在していたはずだ。  ネットの体験談か、アイドル時代の友達か──それとも、あなたにこっそり隠れて購入したアダルトビデオか。どこで得た知識かは知らないが──過程は関係なく、大事なのは、得られた情報だけ。  日菜子は──おそらく、あなたの肉棒を規格外の代物だと思っているはずだ。  妄想が大好きであるが故に──「妄想ではあり得ない肉棒」というジレンマ。「はぁ……っ♡んふ……っ♡」と日菜子の吐息に、熱がこもるのはお湯にのぼせたからではない。肉棒を触る手は徐々に力強くなり──手淫の速度も激しくなる。あなたはもう、ほとんど目を開けて、日菜子の視界にも映っているはずなのだが──妄想に浸っている彼女には、目の前のあなたは見えていない。 「出して……出してください……っ♡日菜子の可愛いおとーとくんを……大切なおとーとくんを……大好きな、おとーとくんを、悪いお猿さんにしちゃう……金玉の中でことこと煮込んだ、悪者せーし……っ♡日菜子のお手手に、全部ぴゅっぴゅして……元のおとーとくんに戻ってください……っ♪」  日菜子には見えていないが──日菜子に見つめられながらの、愛情たっぷり囁き手コキ。あなたの我慢は限界を迎えて──そこでようやく、うあっ、と、うなり声を上げられるようになる。肩を強く掴んで、乱暴に揺さぶれば日菜子の妄想を中断させることは出来るので──いとこ同士のインモラルを、これ以上続行させてはならないと思うのだが──  あなたは──鼻息が触れる距離の日菜子に── ”ちゅっ♡”  と──顔を近づけて、キスをする。  好きだ──好きだ──日菜子──今まで、ずっと言えなかった──こんなときじゃないと、言えない──好きだ──もう、いとこのお義姉ちゃんとして見るのは無理だ──あの家からも、今の家からも追い出されたくないから我慢していただけ──日菜子に嫌われたくないから、性欲を隠していただけ──日菜子が好きだ──日菜子と結婚したい──お願いだ、日菜子──俺のものになれ──年の差なんて、関係ない──、二人とも大人になれば、七歳差なんて誤差みたいなもんだ──日菜子──俺の嫁になれ──俺と結婚しろ──日菜子の全部は──俺の物だ──誰にも譲ってやるもんか──  熱にうなされるように──  うわ言を口にしながら、あなたは日菜子に何度も口づけを交わしていく。  どうせ──日菜子は、聞いていないのだから。  どうせ──日菜子は、気がつかないのだから。  妄想に耽った彼女を元に戻すことが出来るのは──彼女が昔から追い求めている、王子様のキスだけ。どれだけイケメンの俳優でも、人気のアイドルでも──優秀なプロデューサーでも、王子様になれなかったのに──あなたがそれであるわけがない。眠った白雪姫に、どんないたずらをしてもバレなければいい、最低のレイプ魔の悪戯だが──日菜子に愛を囁き、日菜子の唇を貪れば──その思い出だけで、あなたの人生は完結を迎えたとしても後悔はない。  そのまま──何度も、何度も日菜子の唇にキスをしていく。  彼女の手は相変わらず規則的に動き、あなたの肉棒をシゴきあげて──下半身は決壊寸前。必死に力を緩めようとするのだが──胸板に触れる日菜子の豊満な乳房や、濡れた髪の官能的な外見。さらには、キスの度に「んっ♡」「んふっ♡」と漏れる鼻息に、力を込めていられるはずもなく──更には、日菜子は”にゅるる~っ♡”と、あなたの舌を口の中に受け入れて、根元をくるくると絡めて、でろでろの舌でディープキスを──  ディープキスを? ”はむ♡ちゅっ♡むちゅ……っ♡あむっ♡れろぉ……ちゅるるっ♡んみゅ……っ♡”  日菜子は── 「んっ……♡おとーとくん……学校の中では、お姉ちゃんじゃなくて先生だから……キス、してもいいんですよ……っ♪」  まっすぐな瞳で──あなたを、見つめている。  妄想にふけている最中の、何も映っていない瞳ではない。普段の日菜子の瞳。アイドル時代も含めて──何万時間も、日菜子に見惚れていたあなただから──そのくらいの違いは、簡単に理解が出来る。  あなたの経験上──日菜子が、妄想から覚めたことはなかった。  おっぱい大好きアイドルに背後から揉みしだかれて、一時間が経過しても、何の反応もなく──おっぱい大好きアイドルの心をへし折ったのが、妄想中の喜多日菜子だ。王子様のキスでもなければ目覚めない、というのは常日頃から豪語していて──それならば──彼女をキスで目覚めさせた自分は、と思っていると── 「お姫様が王子様のキスで目覚めるのなら……今の日菜子と、おとーとくんは……どっちが、どっちなんでしょうね……っ♪」  日菜子は──  自分から、あなたの唇にキスを落として──  それを契機として、あなたは全身の力が抜けて── ”びゅるるるる~~~っ♡どびゅどびゅっ♡びゅるるるっ♡びゅくんっ♡どぴゅどぴゅっ♡” 「んん……っ♡ん……びくびく……どくどく……っ♡日菜子のお手手……気持ちよかったですか……王子様っ♡」  あなたは──  日菜子の手の中に、射精をしてしまう、  自宅の寝室でもインモラルになる関係性なのに──学校の当直室の浴槽というのは──どんな言葉でも、言い繕うことが出来ない。あなたは、日菜子に言いたいことが沢山あったのだが──彼女の手で、どっぷりと精液をコキ出されたのだ。何も言えずに、ただ、日菜子にもたれかかって謝罪の言葉を口にするのだが──日菜子は何も言わず、優しく、あなたの頭を撫でてくれるばかりだった。 ──── 「あ、あのですね、おとーとくん……っ?日菜子と、おとーとくんは……そ、その……いとこだから法律上は結婚できますけど……お姉ちゃんと、弟の関係で……そ、それに……先生と、生徒ですし……だ、だから……さっきのは、忘れるということには……っ」  当直室の中は──薄暗い。  時刻としては昼間で、空の高いところに太陽が昇っているのだが──分厚い雲と大吹雪によって陽の光は遮られている。その上で──停電の時間は長い。いつまで経っても、電気が点く様子はなく──昼間なのに、既に、夕暮れの薄暮のように、彼女の身体も、輪郭がぼんやりと見えるばかり。  それでも──  喜多日菜子の美しさが、まさか、損なわれるわけもない。   妄想に耽ると身体が熱で火照り、自分の行動をコントロールできないのが日菜子の性格。彼女は先ほど──「あなたが日菜子に愛を囁きながら、キスをしたこと」も──「日菜子がそれを受け入れて、舌をねじ込んで──それどころか、あなたが唇を離した後で、自分からキスしたこと」も──全てを冗談、一時の過ちとして流そうとしているのだ。  だから──あなたは、埃っぽい布団に日菜子を押し倒した。  彼女の濡れた髪がはらりと広がって──あなたの目の前には、頬を真っ赤に染めた日菜子の顔。つい数時間前までは、死んでも出来なかったことだが──  一度、死にかけたからわかるのだ。  日菜子があなたの恋を、受け取らなくても構わない。  いや──むしろ、受け取らないことを前提にあなたは口を開く。喜多日菜子というのは──アイドルを辞めたとて、最上級の美少女であることに変わりはない。彼女に相応しい異性というものは、考えたところで結論が出ないが──しかし、あなたでないことだけは事実。  だから──やるべきことは簡単なのだ。  胸の中に抱えた感情を、日菜子にぶつけて、断られたら大人しく日菜子の前から、去る──と。  ただ──それだけのことなのだ。  両親を失った日の夜に、日菜子に抱きしめられたあの日から──自分はずっと日菜子のことを好きだった。初めての恋は日菜子で、多分、最後の恋も日菜子になる。日菜子とキスすることを憧れて、日菜子のぬくもりを忘れられず──初めての精通は、日菜子の夢を見た日の夢精だった。日菜子が自分のことを、ただの弟だと思っていることに耐えきれず──日菜子のことを孕ませる雄でありたいと、思ってしまったので──  だから、自分は、この感情を吐露する他にないのだ、と。  自分が気持ち悪いのならば、育ててくれた父と母に相談してもいい。元々──日菜子のことを、いやらしくも性的に見ている自分が、日菜子と同棲していた方がよっぽど不健全なのだ。高校を今すぐ辞めて、働いたっていい。日菜子が教壇の上から、席に座る自分を見て不愉快になるなら──  と──あなたがそこまで告げたところで── ”ぎゅ~~~~っ♡♡♡♡” 「……ごめんなさい……日菜子のせいで、そんなに、苦しませちゃったんですよね……っ?……お姉ちゃんとしても、せんせーとしても……日菜子、失格です……っ♡」  日菜子は──  あなたを、力強く抱きしめる。  華奢な身体の日菜子の力強さは、高校生男子のあなたの冗談にも及ばない代物だが──全裸の日菜子に抱きしめられて、まさか、抵抗が出来るはずもない。あなたの頭の中は「日菜子のおっぱいが柔らかい」にCPUを全て使って、どんな言葉も紡ぐことが出来なくなり──まさにそれは、日菜子の求めていたことなのだろう。日菜子はあなたの上に跨がり──それから、布団を被る。電気は消えても、灯油ストーブは使えるが──その熱は最低限。裸でいれば風邪を引くと、日菜子が思うのは当然だが──  一枚の布団に、二人で全裸で包まれているのだ。  日菜子は、あなたの肉棒を掴んで、自身の秘部に触れさせる。  くちゅっ♡とちん先で響く水音に、「んっ♡」と鳴らす甘い嬌声。日菜子の秘部というものは──彼女と共に風呂を入った子供の頃ですら「じろじろと見てはいけない」と思っていた代物。あのときは、毛を剃った一本の筋のような子供まんこで──胸と尻は相応に大きく、グラビアの水着画像で男の子をシコらせるほどなのに──頭の中身だけは子供だから、秘部もガキ同然なのか──などと、考えながら自慰行為をしたこともあるが──  今の日菜子の秘部を──あなたは、見ることが出来ない。  本来ならば「残念」と嘆く内容も──日菜子が「まんこを見せたくはないが、えっちはしてあげたい」と思っているのならば──話は別。日菜子の肌はぴちぴちに若いが──しかし、そろそろお肌のお手入れに気を遣わなければ──天性の才能だけでは、どうにもならなくなる年齢(だと、川島瑞樹がテレビで言っていた)なので──あなたは、目の前で重力に従い、乳頭が下を向いている日菜子を見上げながら、されるがままに── ”にゅぷ──にゅぷぷぷぷ~~~~っ♡♡♡♡” 「あは……んっ……♡おとーとくん……おちんちん、おっき……っ♡」  日菜子に──肉棒を、挿入”してもらった”のだ。  彼女の身体を陵辱したいと思う男子は、大勢いるはずだ。日菜子の細身で華奢な身体を組み伏せて、無理矢理、肉棒を挿入したい。世界史教師の彼女は油断と迂闊が、あまりにも多すぎる。夏場は簡単に透けブラを晒して、冬場は黒タイツのむちむちな太腿を男子に見せつける。校内オナペットランキングがあれば、日菜子は間違いなく初年度にして一位であり──彼女の盗撮画像も、大勢の男子達が売買していることを知っているのだ。  あなたに日菜子の下着や衣服──秘密を手に入れられないかと声を掛ける男子生徒も、大勢いた。日菜子がうっかり口を滑らせたことで──あなたは一部の男子に、注目の的。幸いに、と言うべきか──あなたは社交性に欠けていたので、彼らのクソみたいな欲望にガン無視を決め込むことで──触れられなくなるが、いじめられることもなく、毎日を過ごしてきた。  だが──  彼らの中に、誰か一人として──日菜子に、騎乗位で童貞を卒業させてもらえる妄想をした奴はいないだろう。  一部の特殊な生徒の妄想ではあるいは「催眠アプリを使って」「常識改変するスイッチを使って」「世界を自分の思うがままに創造して」と──考えた人間もいるかもしれないが、それは結局のところ自分の意思だ。日菜子の意思ではなく──なので──  日菜子に、自分の意思で裸になってもらって、股を開いてもらって──  日菜子の膣に肉棒を埋める妄想は──  きっと、誰にだって出来ないはずだ。  童貞のオナニーの妄想でも出来ないような──、一枚の布団にくるまれて、日菜子に上で腰を振ってもらうという光景が、あなたの現実。日菜子は、あなたの胸板に両手をつく。すらっと長く、細い指。三つ指をつきながら──腰を、へこへこと上下に動かしていき──あなたはその度に、腰が抜けそうな快楽に襲われる。日菜子の膣ひだが、つぷぷ~っ♡とあなたの肉棒をなぞる度に──あなたは、歯を食いしばって耐えなければいけない。ぱちゅんっ……♡ぱん……っ♡……かくっ……♡……へこっ……♡──と、日菜子の腰使いは緩慢としているので──、一発で射精に導かれない分、あなたは、悶える他にないのだ。 「おとーとくん……っ♡……日菜子はお姉ちゃんなので……おとーとくんとえっちすることは出来ないですけど……  ……喜多せんせーは、せんせーなので……  生徒が苦しんでいたら……助けるのが、当然ですよね……っ♡」  日菜子が、あなたの耳元で囁いた言葉に──  そんなわけがないだろ──というのが、感想だ。  日菜子は日菜子だ。あなたの義姉を気取った従姉であり、あなたのクラスの担任であり──元アイドルの、喜多日菜子だ。様々なペルソナから「教師」を被って性行為をしているならば──あまり、男の子を馬鹿にするなよっ、と── ”どちゅんっ♡” 「ひゃんっ!♡♡♡」  あなたは──日菜子を、下から突き上げる。  初めてのセックス。「女体は繊細なガラス細工を触るような手つきで~」などと考える余裕が、あるはずもない。ただ、自身の欲情のままに──股間のムラムラを鎮めるために、あなたは、下から日菜子を突き上げる。アダルトビデオでは簡単に出来るような体位でも──実際にすると、かなりの疲労が襲ってくるのだなと──あなたは考えながら、それでも、腰を突き上げて日菜子が「んんっ♡」と嬌声を響かせる度に──肉体は歓喜に打ち震えて、無尽蔵の体力が湧いてくる。  日菜子の身体は──どこまでも、いやらしい。  アイドルだった頃の彼女は、身体つきよりも「顔の良さ」と「妄想癖」の二つを武器にして、戦っていた。勿論、身体つきは十分にえっちだし、歌も上手いし、ダンスのステップも街角のストリートダンサーとは比較にならないほどにキレがあるのだが──それは、アイドル事務所に所属するための最初の条件のようなもの。  一つの自治体で一番の美少女が──日本中から集まってしのぎを削り、シンデレラガールを目指すのだ。日菜子と同じ年齢で、日菜子よりもえっちな身体のアイドルが山ほどいる世界。他人を蹴落としてまで、自分が生き残ることを望まない彼女は──プロデューサーにも恵まれずに、早い段階でアイドルをドロップアウトしてしまった。  だが──今でも、あなたは想う。  日菜子の才能を真に輝かせられるプロデューサーが、彼女を担当していたら──だ。  喜多日菜子という存在は今もアイドルを続けていたのではないか。どこにでもあるような、そこそこの公立進学校の教師ではなく──今も、日本中の男性を夢中にしていたのでないか。少なくとも、日菜子のポテンシャル的には、現代のトップアイドルの彼女達とも遜色がないはずで──ああ──  あなたは、運命に翻弄されたというだけの──トップアイドルの媚肉を、貪っているのだ。 「んっ♡こらっ……だめ、ですよぉ……♡日菜子お姉ちゃんの……んっ♡おまんこ、いっぱい、下から、こつんっ♡こつんっ♡って、小突くの……んんっ♡らめ……れふぅ……っ♡」  日菜子は──力が抜けたのだろう。  倒れ込むようにあなたの上半身に覆い被さり──むにゅんっ♡と、柔らかな乳房が歪んで形を変える。  あなたは、日菜子の尻を鷲掴みにする。アイドルとして活動していたとき、当然、目立つのは上半身だが──日菜子の尻というのは極上の代物。日菜子の性格上、ふりふりの衣装が多く、尻が目立つことは多くなかったのだが──同じ家に過ごしていたあなたにとっては、違う。「弟の前だから」と油断をして、パンツ一枚で風呂上がりのリビングをうろうろしていた日菜子。あなただけが知っている──「日菜子は物持ちがいい上に、尻が大きくなったので──彼女が部屋着に履いているパンツは、布が伸びきっただるんだるん」というだらしなさに──洗濯した後で、それを干しているときに──どれだけ、日菜子の尻を揉みしだきたいと懸想したことか。  ゆるふわで、お姫様気質で──「彼女にだけ重力は存在せず、質量が0である」とまでファンに想われていた少女が──今、あなたの上に覆い被さっているのだ。  ずっしりとした肉塊の質量と──力を込めた指に反発する、生意気な尻肉。男を前にふりふりと、ウサギのように尻を振るだけではなく──しっかりと子供を産める肉が密に詰まった尻を揉みしだいて──あなたは、日菜子を抱き返す。  これが──  吹雪の中で倒れて、死に際に眺める走馬灯でないと、確信を持てるのは── 「……えっ?」  日菜子が──処女では、ないからだ。  処女膜を破っても流血するわけではない、とネットで見たことはあったが──今の日菜子のように、あなたのガッチガチに屹立した肉棒を、膣奥に埋め込まれて──あんあんっ♡と、雄に媚びる嬌声を上げていて──  まさか、処女なはずがないのだ。  最悪の妄想──大学時代の日菜子が、バカ男に簡単に抱かれていたのが現実になってしまった。新歓コンパでは、日菜子のような人の悪意に鈍感な人間は簡単に襲われてしまうだろう。「棟方愛海に一時間おっぱいを揉まれ続けても、妄想に浸っていたら気づかない彼女」だ。簡単に睡眠薬を飲まされてしまい、夢うつつの中で「あっ、王子様~♡」と、自分を陵辱している先輩男子に抱きついて、たっぷりとキスを懇願することだろう。強姦魔にとっては、眠っているマグロですら十分に楽しめるのだ。電波的な言動ですれ違いを繰り返しても──自分から積極的に腰を振ってくる日菜子を、悦ばないはずがない。しかも──何より嬉しいことに、彼女はその陵辱を「自分のハードコアな妄想が暴走した」と思い込んで──”なかったこと”にしてくれるのだ。その後──彼らが何度も、日菜子の酒に睡眠薬を盛ったか──それとも、彼女を脅迫して正気のままに犯したのかは知らないが──日菜子の身体は、汚されてしまったはずだ。  いや──大学時代には限らない。アイドルだった頃、日菜子は枕営業で太った脂ハゲだるまに、顔面をべろべろと舐め回されて──アイドル衣装で媚び媚びダンスをした後、裸に剥かれて、犯されて──自身の友人である”佐久間まゆをテレビに出すため”に、処女を捧げたのかもしれないし──教師になってから、あなたが知らないところで──他の生徒に強姦されたり、教職員から襲われた可能性もある。わかっている──喜多日菜子という雌が、どれほどに極上の美女であり、男はその身体を貪れたら命を落としても満足──本望だと、思えるような──最高の逸材だと──  頭では、理解しているのだ。  だが──日菜子が非処女であったのは、あなたにとっては最悪の妄想であり──  だから、その痛みが── 「これは都合の良い走馬灯ではなく──どうしようもないほどに現実なのだ」  ──とあなたに教えてくれるのだが── 「おとーとくん……なんで、泣いてるんですかぁ……?」  日菜子に言われて──  あなたは、自分が涙を流していたことに気がつく。  大好きだった日菜子で、童貞を喪失することが出来て──悲しくて泣くのは自分が世界で唯一だろう。そんなことを考えながら──あなたは、誤魔化そうとするが── 「……?」  日菜子の瞳に耐えられずに──  だから、正直に話した。  日菜子が処女じゃなくて──死ぬほど辛い。  日菜子が誰かとセックスをしていた事実に──耐えられない。  あなたの言葉は童貞丸出しで──女性を「人」ではなく「モノ」として見ている、最低の発言。百年の恋も一瞬で冷めるような内容ではあるが──自分の中の醜い劣等感は隠さないと、決めたのだ。  だが── 「ふぇっ……!?ちょ、ちょっと!違いますよ!ひ、日菜子は……そ、その……そういうことは……まだ、と言いますか……っ♡」  あなたの──想定外の反応が返ってくる。 「……バ、バイブで……自分で、開発してただけで……  ……だから……  日菜子の初めての男は……おとーとくんですからね……っ♡」  彼女が──ぽそっと、耳元で囁いた言葉に──あなたは限界。  暴れ馬のように激しく、腰を高く突き上げる。アクロバティックに弾むことへの、体力の消耗も今は気にならない。日菜子の全てを自分のものにする──彼女の初めてに相応しい男になる──と、あなたが独占欲を露わにして、彼女の媚肉を貪ると──それは日菜子もまた、同じだったのだろう。逆の立場で考えれば「日菜子があなたを非童貞だと勘違いして、どうして童貞じゃなかったのか──どうしておとーとくんの初めての女は日菜子じゃなかったのか」と泣きじゃくるようなもので──その興奮にも、合点がいく。  日菜子は激しく、腰を打ち付けてくる。  床や壁に吸盤で固定したディルドやバイブに、激しく腰を打ち付けてピストン運動をしていた女の──本気の搾精腰振り。膣の浅いところでへこへこと、揺さぶるような動きではなく──肉棒の先端から根元までを、膣肉でシゴきあげる抽送であり──あなたは、すぐに射精をしてしまいそうになる。  日菜子は、確かに──、大学で一人暮らしをしたら、えっぐいオナニーをしていそうだな──とは、下衆なファンと同程度には考えていた。一日十回くらいの自慰行為は簡単に行い──「ごめんなさいっ♪今日は、大事な用事があるので」と友達の誘いを断って──通販で届いた新型バイブを愛して──マスクで素顔を隠しながら、オナニー配信くらいはしていてもおかしくない──とは、考えていたのだが──  そんな日菜子が──あなたと同棲をしてから、ほとんど──オナニーをしていないのだ。  勿論、多少はしていないとおかしいのだが──繰り返すが、あなたと同じだ。あなたが「臭いや物音で日菜子にバレて、幻滅されたくない」と想うのと同程度に──彼女が自慰行為を我慢していたならば。教職員と学生の立場では、あなたの方が家にいる時間が長いので──日菜子には、あなたの五分の一も自慰行為の時間がなかったことだろう。  だから──  これからは──オナニーを我慢しなくていいのだ──  あなたは日菜子の身体を使って──  日菜子はあなたの身体を使って──  義姉と義妹の背徳インモラルセックスで──互いの性欲を処理が出来ると想うと──耐えきれず──あなたは、日菜子の腰をぐっと抱き寄せる。互いに密着した状態で──どちらからか、わからないが──唇を重ねる。眠れる森の美女を覚醒させる為の、王子様のキス──とはまるで異なる──森の中の野犬同士の交尾のように、互いの唇を貪り合うディープキス。舌を根元でくるくると絡めて、互いの唾液を飲ませあい、ぴちゃぴちゃと下品で淫靡な水音を響かせ合いながら──ピュアとは正反対の極地にある、どすけべディープキスを行いながら── 「んんっ……あっ……イ……くっ……んん~~~っ♡♡♡」  やがて──  日菜子が絶頂して、膣をきゅうきゅうと締め付けると同時に──あなたは、腰を引き寄せて──亀頭を彼女の膣の最奥にねじ込み、子宮口にこつんっ♡とぶつけてから──零距離で── ”びゅるるるる~~~っ♡びゅるるるるっ♡どぴゅどぴゅっ♡びゅるるっ♡びゅくんっ♡” ”ぶびゅるるるるっ♡どくどくっ♡びゅるるる~っ♡びゅっくんっ♡どぴゅっ♡” ”びゅくんっ♡どぴゅっ♡びゅる……びゅ~っ……♡どくんっ♡……びゅっくっ♡”  あなたは──日菜子の膣奥に、射精をした。  両親を亡くしたあなたを引き取って──本当の息子のように育ててくれた、愛情深い義理の両親を裏切って──彼らの娘を、学校の当直室で犯すという背徳感に背筋が震えるが──「両親を亡くして、愛情に飢えていた年下の義弟を学校の当直室で襲い、騎乗位セックスをした日菜子」の方が──背徳感は強く、深いのだろう。彼女は絶頂を迎えた後で──「膣奥に精液をびゅーびゅーとぶっかけられる感触」で──更に、追加の絶頂を迎えたらしい。全身をびくびくと痙攣させながら──やがて、あなたの身体の上でくたっと倒れ込むが──「ひゃんっ!?」──と、可愛らしく喘いで、あなたの身体にしがみつく。憧れの──大好きな──世界の滅亡を天秤の片方にかけても、あまりにも軽すぎる喜多日菜子と繋がりあって──まさか、たった一回の射精で弾倉が空になるはずもない。日菜子が一言でも、いやだと言えば、やめるつもりではいたのだが──子宮口に近いポルチオをぐりぐりと押し潰すことで、彼女の口から反射的にこぼれる「や……ぁ……んっ♡」は、否定ではないと判断したので──だから、何度も、何度も──日菜子が拒まないのをいいことに、あなたは、彼女と肉体を交わらせた。 ──── 「すっごい積もってますね~……♪……むふふっ♪」  あなたは日菜子と共に──家路に着いている。  大吹雪がようやく止んだのは、夜のこと。  大雪で車は埋もれているので、学校の長靴を借りながらの下校。あなたですら、足を一歩一歩、高く突き上げねば前に進めないのだ。背の低い日菜子には更に困難であり──しかも、彼女は先ほど──初めての性行為をしたばかり。   処女膜をバイブで貫通していても、実際の性行為は違うものがあるのだろう。「おとーとくん……はぐれないように、日菜子お姉ちゃんと手を繋ぎましょうねぇ……むふふっ♡」と冗談めかしてあなたに告げるが──それが、足腰の疲れから、あなたにエスコートしてほしいのだとわかるので──あなたは、数年ぶりに日菜子と手を繋ぐ。  停電は、まだ、解消されないらしい。  街頭の明かりもなければ、交通網も麻痺しているわけで──まるで、世界の全てが寝静まったよう。互いに無言になると──しんっ、と、耳が痛くなるほどの無音が広がり── 「ひぎゃ!?」  日菜子が──  今日、何度目かの転倒をする。  深い雪に足を取られて、長靴が埋もれる。あなたが掘り出してやり、日菜子に履かせるのだが──シンデレラにジャストサイズのガラスの靴とは、まるで大違いの──彼女にはぶかぶか過ぎる、男用の長靴。元々非常用だから仕方がないのだが──ただでさえ遠い道が、今は、大降雪のおかげで更に遠いのだ。  なので── ”ひょいっ♡” 「きゃ──っ♡」  あなたは──日菜子の身体を、持ち上げる。  おんぶをするには背中のリュックサックが邪魔であり──日菜子の身体は、本当に内臓が詰まっているのかと想うほどに軽い。騎乗位のときは、あなたが全力を出しても撥ね除けることが出来ないと想ったのに──女体は不思議だな、と考えながら、あなたは日菜子の背中と太腿を支えて──雪道を歩いて行く。  学校に行くときよりも、遥かに難易度が高いはずだが──腕の中に日菜子がいると想うだけで、無限の体力が湧いてくる。「わぁ……♡」と日菜子は空を見上げて──普段の街中では見ることの出来ない──暗闇の世界の、透き通るような夜空の星を見上げているのだろう。疲れているあなたの顎は、上を向かないが──日菜子の瞳に反射する、月明かりだけでも十分すぎる。 「ねっ、おとーとくん……この抱っこ、なんて言うか知ってますか?  ……お姫様抱っこって言うんですよ……王子様っ♡」  日菜子の言葉の直後に──”ぴかっ”と──街中に、光が灯る。  停電が解消されたというだけのことだが──それでも、街灯に照らされた日菜子は──ステージの上、スポットライトを浴びたアイドルのときよりも輝いているように見えて──なので、見惚れて、転んで、顔面から雪中にダイブした。

Comments

谷澤晴夫

こういうIF最高ですよ。アイドルだったっていう設定と処女じゃないのかっていう妄想が、そそられましたね。