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 集団入れ替わりの話です。

 キラキラした双子JSアイドルになった兄弟がれずえっちするなどします。今回の集団入れ替わりはどちらかというと現象そのものというより『ステージ上のアイドルになる』というところのためのギミックという趣が強いです。

 毎回一応『実在の人物や作品とは一切関係ありません』って言いたくなります。


 それでは、以下本編どうぞ。


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 3月半ば。街ではちらちらと梅の花を見かけつつも、不意打ちに寒い日がやってくる時節。

 ある晴天の暖かい休日のこと、俺はコンサートホールの前に広がるアスファルトの広場、人混みに紛れてぼんやりとスマホを眺めていた。


 今日訪れているのは、――『ビートツイン』のソロライブである。

 は11歳の双子姉妹のアイドルユニット。実写ドラマや映画への出演、女児向けアニメの主題歌の担当、はたまたそのアニメの声優など、マルチな才能を発揮している……とのこと。

 これは俺のうんちくではないし、なんとなくロリアイドルに釣られてやってきたのでもない。俺の役目は、弟の付き添い係だった。

 そしてその弟は物販の列に参戦しており、今は俺一人。周囲で開場を待っている観客達は、女児アニメ経由であろう幼い女の子とその保護者、あるいは大きなお友達かで二極化しており、俺はおそらく後者に紛れていることになる。

 待ち時間中、俺はライブ振り付け指南の公式動画を鑑賞していた。チケットの倍率もそこそこ高く引率だからと手を抜くのもリスペクトに欠けるし、小さな女の子が頑張っているのだから盛り上げてやらねばという老爺心もある。観客席を構成する1ドットになるせめてもの礼儀、心構えだった。

「ただいまー」

 弟が――弟の湊《みなと》がホクホク顔で戻ってくる。両手に提げられた紙袋にはのロゴがデカデカと印刷されており、中にはTシャツやペンライトが入っているようだった。

「結構買ったな」

「こんなもんだよ。ペンライトとTシャツは最低限。それより、お兄ちゃん動画見てくれてたんだ。この曲、だいたいライブの最後にやるからチョイスも完璧」

「湊がこれだけは覚えろって言ってたんじゃねーか」

 俺のスマホを覗いてきて、にたりと笑う湊。

 純粋に二人の歌もダンスも上手で、可愛らしいのは確かで疑うべくもない。湊が惚れ込んでいるのも踊り……と主張しているが、彼女らを見る目は完全に恋する少年だ。小遣いのほとんどをのグッズにつぎ込んでおり、湊はまだ小学六年生だというのになんというか。いや他人の趣味に口出しをするつもりはないのだが、この年代の男の子としては比較的珍しい方ではないだろうか。

 そんな会話をしているうちにホールは開場する。控えめな音量での楽曲が流れる薄暗いホール、座席の間をすりぬけ俺と湊はチケットに記された番号に従い着席した。

 周囲を見回すと、やはりというか女の子が多かった。湊はまだしも、大学生の俺はいささかの場違い感がある。俺の真後ろの席も小学校低学年くらいの女の子なので、立つだけならまだしも下手に動くとステージは見えなくなってしまうに違いない。頭に叩き込んだ振り付けは、表に出ることなく終わりそうだ。

 対して隣に座る弟の後ろは、その女の子のお母さんらしき人物。振り返った拍子に目が合い、なんとなくお互いの境遇を察した……ような気がした。

 俺は前を向き直し、入場時に渡されたサイリウムに視線を落とす。使うタイミングはライブ中にが音頭を取る旨、包装に書かれていた。

「サイリウム、配られるんだな」

「では初めてだね。事前案内にも書かれてなかったし、このホール特有の仕掛けかも……おっと」

 やがて会場の灯りが消えていき、ざわめきも自然と収まる。諸注意がアナウンスされた後、数十秒の静寂を挟んでの声がホール全体に響く。

『みなさん、聞こえますかー?』

『はい、みんなが静かになるまで2分かかりました!』

『お姉ちゃん、校長先生みたーい!』

『けどお話よりお歌のほうが好きだから、今日の全校集会はお歌を歌います!』

 小芝居を挟んだ後、暗いステージ上に曖昧な輪郭が横切り――間もなく、二人の少女がスポットライトでくり抜かれる。最新曲の伴奏が流れ出し、爆発するような歓声が一瞬でホールを埋め尽くした。

『みんなー! 校長先生だよー!』

『違うよ! えっと、とにかく今日は楽しんでいってねー!』

 照らされたステージ上でのふたりが駆け回り、歌を歌い始める。

 大きなツインテールを楽しげに舞い上げる、スカイブルーを基調とした女の子の方が姉の音羽はるかちゃん。そして小さくも大きく広がるポニーテールを踊るように揺らすピンクの子の方が、妹のかなでちゃん。

『♪線と点 つなぐ夜空のティンクルスター キミとボク 描く絆ののコンストレーション――』

 ふたりともシンプルながらもよく似合う可愛らしいワンピース姿で、早速歌とダンスを披露している。どうやら音の感じからすると生歌のようだが、激しくステップを踏みながらも息を切らさず歌い上げていた。

 正直斜に構えていたのだが、この目で観る彼女らのパフォーマンスに感動してしまった。まだ声変わりのしていない声を巧みに操り、美しくも芯のある声を響かせており、ひとかどのシンガーとして完成されている。踊りもはつらつとしていて、装飾控えめの衣装も動きを阻害せず、誤魔化しもなくダンスも見てくれという強い意思が伝わってきた。

 子供だましや年齢だけで売っているのではないというの誇り、そしてなによりも彼女らが心から楽しんでいること、観客に楽しんでほしいと気持ちが籠もっていた。

 湊や後ろの女の子は精一杯にペンライトを振っている。俺も湊から渡されたペンライトを取り、青く光らせて密かに手元でリズムを刻んでいたのだった。

 一曲目が終わると、再びひときわ大きな歓声。俺も声を張り上げた。

『――はい、ありがとうございました! 改めまして――世界を愛で包み込む! のピンクとダンス担当、妹のかなででーす! そして!』

『空にハートを描き出す! のスカイブルーとボーカル担当、校長先生のはるかだよ!』

『ちょっとお姉ちゃん、いつまで校長先生なの!?』

『いいじゃんいいじゃん、はるかが校長先生だと思うひと、手ぇー上げてっ!』

「はーい!」

 はるかちゃんが呼びかけると、意味がよくわかっていないだろう女児達、そしてその場のノリに身を任せる大きなお友達らが元気よく返事をした。それには、俺も含まれていた。

『うおっほん、わたしが校長先生! かなでは保健室の先生!』

『教頭先生じゃないんだ!?』

『うん。お仕事疲れたら保健室に行って、かなでと一緒に寝るんだ!』

 なんというか、心が浄化される気分だ。久しく湊以外の子どもと接する機会がなかった。今も直接触れ合っているわけではないが、二人の無邪気な会話を聞いていると笑みがこぼれてしまう。

「なあ湊、っていつもこんな感じなのか?」

「うん。はるかちゃんの方が自由で、かなでちゃんが軌道修正したりツッコミ役って感じかな。ところで」

 湊は俺の手元、消し忘れてピンク色に光るペンライトを見やる。

「お兄ちゃんははるかちゃん、お姉ちゃんの方が好きなんだ?」

「ん、まあ……とりあえずな。歌はお姉ちゃんの方がいいかなって」

「よかった。僕は妹のかなでちゃん推し。ダンスが得意だからね」

「はぁ……」

 いわゆる同担拒否というやつだろうか。あるいはグッズや諸々の配分まで気にしているのかもしれない。そこまでのめり込むつもりはないのだが。



『♪暗い空 散る星くず そのひとつとして たとえいつか燃え尽きる日が来ても 足跡は 誰かの道標になる――』

 その後もつつがなくライブは進行していき、姉であるはるかちゃんのスローテンポなソロ曲に会場は聴き入っていた。

『ありがとうございました。この曲は私達も……ううん、誰もいつかはいなくなる。けど、生まれてきたことは無駄じゃないって想いが込められているの。子どもも大人の人もそう。ここからみんな、見えてるよ』

 ライブの冒頭では校長先生だのと天真爛漫さを見せつけていたはるかちゃんが、しんみりとした曲を見事に歌い上げ、みんなを元気づけるMCまでやってのける。

 見た目は完全に小さな女の子でしかないのだが、ちゃんとアイドルをしている。俺ははるかちゃんにすっかり魅了されてしまった。

「……湊。アイドルっていいな」

「でしょ」

 我ながらチョロい。が、別に悪いこともないだろう。

『じゃあ、続いて!』

『はーい、お姉ちゃん!』

 舞台袖からかなでちゃんが出てきて、ふたりがステージ上に佇む。

 しかし――一向に伴奏は始まらない。スタンバイしていたのふたりもポーズを崩した。アイコンタクトをしたあと、一歩前に出る。

『ちょっとトラブルみたいです! ごめんね! 機械もみんなの元気がすごくて、疲れちゃったみたいで』

 直後にハウリング、二人とも耳を抑え――

 ――かなでちゃんが、うつろな目で喋り始めた。

『あー……本日はのライブにお越し頂きありがとうございます。本日はサプライズイベントをご用意しております』

『サプライズ……?』

 アイドル仲間からのビデオメッセージなどだろうか。ここのコンサートホールは歴史があるので、の二人が憧れるアイドルなどからかも知れない。

 その可能性は十二分にあるのだが……これまでと違いすぎるかなでちゃんの様子から、呑気なはるかちゃんも不安がっている。観客たちもただごとでないと察しているようだった。

『えー、今回のテーマは"なりたい自分になろう!"です。これはのお二方……もとい私達が主演するアニメでもおなじみのフレーズですね』

『かなで、何か変だよ?』

 不穏な台詞。まるで、自分がかなでちゃん本人ではないなかのような言い回しだ。

『……前フリはいいですかね。お手元のサイリウムにご注目ください! それらは同じ色がふたつしかありません。そしてその同じペアを持っている人と……素敵なことが起きます! この通り、私もはるかちゃんも持っていて……ふふ、誰とペアなんでしょうねえ』

 かなでちゃんの言葉を受け、観客は一斉に下を向く。入場時に配られたサイリウムは、勝手に光っていた。はるかちゃんもまるで今気づいたかのように、左手に握っていたサイリウムを見て驚いていた。

『さあ! なりたい自分になれるかな? 楽しみにしましょう!』

『ね、ねえ。かなで?』

『――ん、あれ……お姉ちゃん? ごめん、ちょっとぼーっとしてたかも』

 ふっ、とかなでちゃんがバランスを崩し、はるかちゃんが支える。先程までの妙な雰囲気は消え去り、いつも通りのかなでちゃんに戻っていたが――

 サイリウムの、色?

 思わず立ち上がって周囲を見渡すと、確かに他の観客が握っているサイリウムは少しずつ色が違っている。些細な差であり、ほぼ同じ色も3本以上見受けられたが、目を凝らすとやはり別物のようだ。

「同じ色……?」

「お兄ちゃん、僕……はるかちゃんと一緒かも」

 湊のサイリウムの色は、澄み切ったスカイブルー。これははるかちゃんのイメージカラーそのもので、ステージ上のはるかちゃんが持っている色と同じ。

 かく言う俺は、柔らかいピンク色。やはりかなでちゃんのイメージカラーにして、彼女が手にしたサイリウムと全く同じ色に見える。

『お姉ちゃん、どうしたの?』

『もう、かなでこそどうしたの!? 急に変な事言って! そういうのは私の役目でしょ!』

『自分で変な事言ってるって自覚あるんじゃん! じゃなくて――』


 かなでちゃんが言いかけた瞬間、明かりが消えた。

 いや、五感が断ち切られたらしい。光も音も何もない世界で漂っているようだった。動くこともできなかったが、やがてピンク色の光だけが感じられる。俺は抗うこともできず、それに吸い寄せられていき――


 ――急に体重が戻ってくる。今のは一体――そう考えるより早く、悲鳴が、絶叫が耳をつんざいた。

「うわああぁあん、なにこれ!? ママぁあっ!」

「ぼく、おばさんになっちゃった……?」

「すごーい! なな、おとなになってる!」

「よ、幼女……! なりたい自分に……ってそういうことなんだ!」

 顔を真赤にして泣き叫ぶオタクの男。血の気の引いた顔で自分の胸を揉む母親。無精ひげをじょりじょりと撫でて悦に入るお父さん。大喜びでスカートをめくりあげて、猫さん柄のお子様ぱんつを見せている幼稚園児くらいの幼女。

 観客席は、ひどい光景だった。

『なんっ……えっ、あれ、この声……え?』

 極まる困惑のあまり出た声にシンクロして、ホール中に響き渡るかなでちゃんの声。

 というか、なぜ俺が観客席を正面から一望できているのか。ふと見下げた視線の先には――淡いピンクのワンピースと、そこから白いタイツ。

 まるっきりかなでちゃんの格好であり、さっきかなでちゃんが立っていた場所。

『……まさか』

 先程からホールを埋め尽くす声と、先程かなでちゃんが言っていた内容。同じ色をサイリウムを持っている者同士で、素敵なことが起きると言っていたが――ひょっとしたら、そのペア間で身体が入れ替わったのだろうか。

『わ、わ! 本当にはるかちゃんになってる!』

 はるかちゃんの声がスピーカーから聞こえてくる。隣を見ると、スカートをたくし上げてドロワーズを丸出しにしていた。

 サイリウムの同色ペアで身体が入れ替わってしまったのだとしたら、はるかちゃんになっているのは弟の湊ということになりそうだが。

『まさか……湊か?』

『え? じゃあかなでちゃんは……お兄ちゃん?』

 間違いない、湊だ。マイクが入っていることも忘れて声をかけ合う。

『これは一体? こんなライブの演出は聞いたことがないぞ?』

『……っ』

 湊に――はるかちゃんの姿をした湊に近づいていき、肩を抱く。すると湊は、俯いて言葉を失った。

 平常心を保っていそうだからつい詰め寄ってしまったが、いきなりの出来事。まだ小学六年生の湊にとって、自分もそうだが兄が憧れていたアイドルになったならショックが大きいだろう。

『いやごめん。俺も落ち着きを失っていた』

『そうじゃなくて……かなでちゃんが目の前に居るって思うと……その』

 湊は顔を赤らめ、手をもじもじとさせた。その仕草ははるかちゃんの姿によく似合っていて可愛らしく、俺もどきりとしてしまう。

 くそ、入れ替わりの影響だろうが、頭が回らない。なんだか全身が熱っぽいというか、ぼんやりとしている気もする。

『ていうか、こんなことしてる場合じゃない。本当のかなでちゃんとはるかちゃんを見つけなきゃ……って』

 煩悩を振り切り、俺は立ち上がる。

 しかし――俺と湊が喋っている間にホールの惨状はひどいものとなっていた。

「おふっ、おぉっ、わたしの中気持ちいい!」

「えへへ……僕、おっぱい出しちゃってる……」

「んぁ、っぁぅっ、ロリまんこぉっ、感じるぅっ!」

「はぁ……あぁっ! ああっ、おちんちんいいっ!」

 異常な空気に当てられたのか、他人の身体になって本能を御しきれず理性が失われたのか、入れ替わり現象に催淫作用でも含まれていたのか。ホール全体はまるで乱交パーティの会場だった。

 オタクの男が小学生くらいの女の子を犯している。母親風の女性は上半身裸になりブラジャーを頭に巻いて母乳を噴き出して自分で飲んでいる。幼女はぷにぷにの指で自らのおまんこをつついて喘いでいる。小学生くらいの男の子も自慰に耽っている。

 そして――俺たちがいた座席を見て絶句する。

 俺たちがになっているということは、元のは俺たちになっているということ。しかし元の俺は園児くらいの女の子をオナホにしてよだれを垂らし、元の湊は大人の女性に跨がられて恍惚の表情を浮かべている。

 あんなに無垢で純情で、天真爛漫だったの少女達でさえ、この異変に飲み込まれてしまった。

 この現象を鑑みるに、かなでちゃんが話した説明もきっと本人の言葉ではない。何が起きたのか、何が目的なのかはさっぱり不明だが――

『あ……あはは』

 俺の中で、なにかが崩れ去る。

 このホールに居る誰も、瞳は野性そのもので年齢に関係なく発情している。俺が例外でいられる道理もなかった。

『……は、はるかちゃん……♡』

『ちょ、お兄ちゃん!?』

 俺はきゅーっとはるかちゃんに抱きつき、ほっぺにキスをする。

 かなでちゃんになった自分の身体にも興味はある。だがそれより、さっきまで綺麗で可愛らしい歌声を紡いでいたアイドルのはるかちゃんを感じたい欲求が上回った。

 そう、今の俺はでアイドルユニットを組み、はるかちゃんの実の妹であるかなでちゃん。スキンシップをして怒られることがあろうか。

『えへへ……はるかちゃん……じゃないか、お姉ちゃん大好き』

 言葉遣いもかなでちゃんのように、女の子のように変わっていく。演技ではあるものの、なぜかしっくりくる。

 当の湊はというと、あわあわとして身をこわばらせていた。

『ちょ、ちょっとお兄ちゃん? ダメだよ、こんなの』

『お兄ちゃん? わたしはかなでだよ、お姉ちゃん……』

『え……ちょっ、あっ……♡』

 困っているはるかちゃんも可愛い。俺はとうとう我慢しきれず、唇にちゅーをした。小学生とはいえアイドル、メイクをしているようには見えなかったが、リップの甘い味が舌に広がる。

『お兄ちゃん、マイク入ってるんだよ? 変な事したら……』

『いいじゃん。どうせみんなおかしくなってんだ、みんなに見てもらおうぜ』

 あえてマイクは切らない。その方が、アイドルになっている――かなでちゃんになっている実感が強いためだ。

 ふと、片隅に残った俺の正常が手を挙げる。それは罪悪感や倫理といった常識を纏っていた。だが、もう遅い。

 俺は湊に背後から抱きつき、脚を広げさせる。ダンスの得意なかなでちゃんの方が若干だがフィジカルが強いらしく、湊を簡単に絡め取ることができた。

『ドロワーズも脱がせて……タイツもずらして、ほら、みんなー! ロリイドルのおまんこだよー♡』

 容赦なくさらけ出された、はるかちゃんのおまんこ。アイドルといえば枕営業、という言葉もあるくらいだが、流石にこの歳にはないのか、はるかちゃんのおまんこはとても綺麗だ。

 ぷっくりとした土手に一筋の切れ目から覗く隙間も、ひくひくとしているお尻の穴もピンク色。一度もチンポが突っ込まれた形跡はなかった。

『ほら、触り心地もいい』

『ちょ……んっ! おにい……』

 触ってみると少しだけ汗をかいている。しかしびらびらとしたものが広がっているわけでもなく、真っ平らですべすべとした手触りだった。

 撫でるたび、湊はぴくぴくと身体を震わせ声をあげる。今の今まで声を張り上げ歌っていた可愛らしい声で喘ぎ、あまつさえホール中に聴かせていた。もっともほとんどの観客は自分の身体、もしくはセックスのパートナーに夢中であまり俺たちの方を見ていないようだが。

『なあ湊、湊くん、って呼んでほしい? 違うよな、なりきった方が楽しいよ。だってもう……お姉ちゃんはお姉ちゃんだし、かなではかなでだもん』

『そ、そうだね……かなでちゃん♡』

 まだ湊は迷っていたようだが、俺が耳元でささやいてやるとすぐに折れる。汚染が進んだというべきなのかもしれない。

『んっ……かなでちゃん、かなでちゃんっ』

『あっ……お姉ちゃん、わたしも大好きだよ』

 今度は湊の方から強く抱きしめてくる。俺たち――の姉妹は、華奢で小さな身体を押し付けあった。

『すごいや……かなでちゃんとくっついてる』

『姉妹なんだから、なにもおかしくないでしょ』

『それに……おまたが熱いの』

 お姉ちゃんのおまたに指を宛てると、ぺたりと粘性のある液体が付着した。これは……愛液だ。この幼さで反応するのか、とも思ったが、より年下だろうホール中の女の子もセックスやオナニーに興じている。深く考えるのをやめた。

『お兄ちゃん……?』

『……私はかなでだよ。けど……へえ、お姉ちゃんはこれがなにか知らないんだ』

『う、うん……』

 性教育は間違いなくあっただろうが、湊はアイドルに恋するような純粋なやつだし、夢精をそれと知らず相談してきたくらいなのでオナニーも知らない。今やっていることがエロいことだとは認識しているようだが、身体が発情し燃え上がるのも未知の感覚なのだろう。

 俺はにやにやと笑いながら、湊のおまんこをいじる。

『んっ、それ、変で……んっ!』

『お姉ちゃんなのに知らないの? ここはね……おまんこって言って、ここ触ると女ん子はとっても気持ちよくなって、おばかになっちゃうんだ』

『おばかになりたく……んぁっ!』

『ほんと~? すっごい気持ちよさそうだけど』

 湊は戸惑い及び腰だったが、俺が愛撫するたびにアイドルが聞かせてはいけないはしたない声をホールに響かせている。普通の女の子なら、もう表を歩けないだろう。

『お姉ちゃん……お姉ちゃん、かなでの指きもちい? 妹の指で女の子の大切なところ触られてあんあん言ってるの、楽しい?』

『かなで……ちゃんの……っ』

 俺の方を見た湊は、口を半開きにする。

 湊から見れば、今の俺はまさに憧れて恋い焦がれていたかなでちゃんその人。そんな想い人から甘い言葉をかけられ、身体を弄ばれていると意識したら――

『なんか、すごいのくるよぅ、おかしくなるっ!』

『いいよっ、かなでの手でイっちゃって! いっぱいおかしくなってっ♡』

『やっ――あぁ、変にっ、ああぁううううぁっ♡♡♡』

 湊は――身体をびくびくと震わせて、絶頂した。膣口がすぼまり、ナカに入れていた指がしゃぶられるように締め付けられる。噴出ではない、どろりと奥から溢れるように愛液が分泌されて、かなでの手をふやけさせる。

『はぁ……はぁ……しゅごいや……』

 湊はどろどろになったおまたを観客席に向けたまま、はあはあと息を切らしている。その姿は子どもとは思えない淫靡さ、アイドルとは思えない浅ましさだった。

『……かなでちゃんの身体も、ああなるんだろうな』

 お気に入りアイドルのはるかちゃんを鳴かせていたことで俺の身体も反応していた。股間がむずむずして、湿っている感じがする。

 なにせ、はるかちゃんと俺は実の双子。はるかちゃんがここまで気持ちよくなれるのなら、俺だって同じなはず。

『よい……しょっ』

 俺はためらいもなく、ドロワーズとタイツを脱ぐ。中には星柄のお子様ぱんつを穿いており、自分が幼い女の子になっていると実感させた。

『……あっ♡』

 ぱんつのクロッチにはごく小さな染みができていた。綿製でふんわりとしたシルエットの、いかにも子どもが穿くことを前提にしたデザインには似つかわしくない、いやらしい跡だ。

 もちろんそれに包まれていたおまんこも、はるかちゃんのものと変わらずつるつる。今日――ライブが始まるまではロリコンではなかったつもりだったが、すっかり未成熟な女の子が放つ魅力に取り憑かれていた。

『え、えへへ……かなでちゃんのおまんこも可愛い――ひぁっ♡』

『かなでちゃん。さっきはありがとうね、今度はお姉ちゃんの番っ!』

『あ、こら――ひぁっ♡』

 いつの間にか復活していた湊は、俺のスカートの中に潜り込んでおまたを超至近距離で観察していた。

『すご……女の子って、かなでちゃんのここって……こうなってるんだ。中もとっても熱い……♡』

『こらっ、おもちゃじゃないん……ふぁあっ!』

 はるかちゃんのフリをやめた湊は、初めて見る女の子のおまんこに興味津々だった。好奇心のまま土手をなぞり、すじを広げ、膣に指を入れてくる。

 そして俺も、はるかちゃんらしい無邪気さを行動原理に、俺の――妹のおまんこを弄り回しているというシチュエーションにひどく興奮する。快感も享受できるとなれば、本当に頭がどうにかなりそうだった。

『んぁっ……っふぁっ! おねえっ!』

『そっか……さっきの僕みたいに、かなでちゃんも気持ちよくなってるんだ』

『そう、だからぁっ、もう少し優しく――あぁっ♡』

『――お姉ちゃん、すっごく気持ちよかったよ。だからかなでちゃんにも気持ちよくなってほしいな』

『やっ、あぁっ♡』

 湊の中に眠っていた男しての本能と衝動が目覚め、少女の身体に秘められていた母性と慈愛も芽吹いたのだろう。湊は満ち足りた表情で俺を愛撫し、そしてキスもしてくる。

 この最中も、俺たちが絡み合う声はホール中を席巻していて、俺達の耳にも届く。演技めいた口調や仕草は、徐々に俺たち兄弟の存在を取り除きの二人が、仲良し双子姉妹アイドルがレズ近親相姦に没頭していると錯覚させている。

 しかし同時、実際に抱いている相手はお互い好意を寄せていた相手。

 全ての倒錯感と背徳、歪んでしまった想いがねじれて――波濤となって、俺をさらっていった。

『――あぁっ、イくっ、かなでちゃんのっ、子どもの身体で――あぁぁっ、ふああぁああんっ♡♡♡』

 細い脚をひろげ、無毛のおまんこを見せつけながらイってしまう。音と光が遠くなり、断続的な快感だけが俺を受け止めている。身体が覚えている姉の愛も織り交ぜられ、俺はふにゃふにゃになってしまい、気を失っってしまったのだった。


 ――目を覚ましたとき、わたしはお姉ちゃんに膝枕をされていた。

『……ん、あれ?』

『あ、かなでちゃんが起きたよ!』

『あれ……そっか、私ライブ中に……ん?』

 わたしは今朝ホテルを出て、お姉ちゃんとご飯を食べたあとリハーサルをこなし、それからのライブ中をしていたんだけどなんだか眠くなって……それから――いや、違う。

 わたしは――観客の男として来ていた。そして……いきなり身体が入れ替えられ、かなでちゃんになってしまい同じくはるかちゃんになった湊とレズセックスを――

「っ!」

 起き上がると、俺はステージ上。観客は……まるで何事もなかったかのように着席している。あの狂宴は夢だったのだろうか。しかし濡れている白いタイツと、口に残る甘い味が、全て真実だと語りかけているようだった。

 それに、ライブ中に演者が倒れても中断せず、こうして見守られていたのが証拠だろう。

『……ごめんなさい! 今起きた!』

『じゃあ再開! あとちょっとだけど、みんな新しい身体でがんばれるかなー?』

「はーい!」

 俺は――わたしは体の隅々にまでエネルギーを行き渡らせる。

『じゃあ行っくよー! お姉ちゃんもついてきてね――』




 ――あれから一週間。

 あのライブでの集団入れ替わり現象はなんだったのか、今でもわからない。確実なのは、居合わせた全員が全く違う肉体になり、それからも別人として生きているらしいこと。そして、そのことに違和感や不平不満のないこと。

 何度かライブをこなしたが、のライブで毎回あのような現象が起きているわけではない。俺はかなでちゃんとして、湊ははるかちゃんとして、として活動を続けていた。彼女らの記憶も読めるので問題はない。

 しかしアイドル業はともかく、私生活はというと――

「んぁ……っふ、あぁっ♡」

「おねえ……あんっ♡」

 今は――寒いし一緒に寝る、と両親に言いながら、その実明かりを消して裸で抱き合っているのだった。

「んぁっ――あぁっ♡♡♡」

「や、ふ、イくっ♡♡♡」

 お互いが相手を好きだったことに加え、元々危うかった姉妹愛も合わさり完全に爛れた関係になってしまっていた。

 いつしか元の姿――俺と湊、兄弟だったことはおくびにも出さなくなる。

「ふーっ、ふーっ……ねえ、お姉ちゃん。私達、ずっと一緒だよね♡」

「……うん、かなでちゃん♡」

 そうして――わたしはお姉ちゃんのぬくもりの中、はだかんぼのまま抱き合って眠ったのだった。

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