【支援者限定】何らかの世界改編の被害の話 (Pixiv Fanbox)
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何らかの世界改編に遭い小学4年生の女の子になった男の話です。
なんかこう改編系なので説明しにくいので読んで下さい。解釈はおまかせします。
以下、本編です。
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朝、陽の光で目を覚ます。9月は日の出も早く、ピンクの目覚まし時計は6時半を指しており、起きなければ会社に遅れる時間だ。俺はぐーっと伸びをしてから、ベッドを下りる。
「……ん?」
すっかり明るい室内を見回す。
真っ白い学習机にチェスト類、淡い紫色のランドセル、遊園地のような柄のカーテン。シーツなども似たようなものだ。
それどころか姿を覗くと――いちご柄のキャミソールとお子様ぱんつを身に纏う少女の姿が映し出された。
「……いや、いいのか」
何か一瞬、ものすごい違和感が押し寄せてきた気がする。しかし小学4年生の女の子である俺らしい、無垢で華奢な体つきだ。
俺はあくびをひとつ漏らしてから、どうやら眠っている間に脱いでしまっていたらしいマスコット柄のロングTシャツをかぶり、部屋を出た。
「おはよう、美沙」
「おはよ、桜ちゃん」
ダイニングに行くと、俺の妻である美沙が朝食の支度をしてくれていた。ジャンパースカートの上にエプロンをかけている様はとても美しく、毎朝見とれてしまう。
俺は自分の席につくと、かりかりに焼いたトーストとベーコンエッグ、冷たいココアミルクを並べてくれた。けど、うちの朝食は基本的に和食だったような。
「はい、桜ちゃん。あと、いっつも言ってるけどお姉ちゃんを呼び捨てにしちゃだめよ」
「? ああ、そっか……ごめんなさい、お姉ちゃん」
「ふふ、よろしい」
なんで俺はお姉ちゃんを妻だなんて思ったんだろう。小学4年生と中学2年生じゃ結婚できない。そもそも実の姉妹だ。
「なんか朝から微妙に変なんだよなぁ……」
「変な夢でも見たんじゃない?」
釈然としなかったが、卓上に並んだバターとマーマレードを見つけると、ボタンを掛け違えていたような気持ち悪さはたちどころに消え去った。そう、いつも俺はトーストにこれらを塗って食べるのが好きなんだ。
やがてご飯を済ませた俺は、学校に行く支度を始める。洗面所で黄色い歯ブラシに歯磨き粉をつけて――
「うえ……辛い……」
どうやら間違えてパパやママ、お姉ちゃんが使っている大人用の方を使ってしまったみたいで、口の中が痛いほどに辛い。慌ててうがいをした後、家族でも俺しか使っていない子ども用のメロン味歯磨き粉でやり直した。
顔も洗って肩甲骨まである髪を丁寧に梳かした後、自分の部屋に戻る。昨日宿題をしてから机に出しっぱなしとなっていた文房具やノート、教科書をランドセルに詰め込んだ。
「えっと……今日の業務タスクは……」
時間割表を指で追うと、体育の授業があることを思い出した。そうだ、プールもある。後で水着の用意を忘れないようにしなければ。
しかし先に着替えだ。俺はシャツを脱いで、チェストから今日の服を選ぶ。
「んー……体育はあるけどプールだし、別にスカートでいっか……あーでも最近男子がやらしい目で見てくるんだよなぁ」
俺も男なので気持ちはわかる。別に見てどうするわけでもないし、見られてもどうということはない。しかし俺も思春期に差し掛かってきたので、やはり恥ずかしさというものが芽生えてきてしまっていた。
ジーンズと赤いフレアスカートを取り出し、少し悩んでからスカートを選ぶ。こっちの方が可愛いのだから仕方ない。下着が見られるのは必要経費だ。
白いフリルブラウスも取り出して――
「あ……これ」
チェストの開閉をしていると、ぽろりとブラジャーがこぼれ落ちる。ブラと言ってもワイヤーもカップもないジュニアブラというタイプで、お姉ちゃんのお下がり。クラスでも着けている女子は何人かいるので、俺もそろそろ付ける必要があるのかも。
「まあ今日はいいか」
ブラをチェストに戻した後、俺はブラウスとスカートを着てしまう。ランドセルも持ち出し、物置となっている座敷でプール道具をビニールバッグへ入れていった。
「おっと」
ぱちん、とバッグのスナップボタンを締めた後、透けている水着がパパの物だと気がついた。俺はそれと小さなスクール水着を取り替える。
……こんなの、本当に俺が着ていたんだっけ? こんな子どもじみた水着で人前に出るの、変態的のような。パパの海パンのほうがしっくり来るような気もする一方、まだちょっとしか膨らんできていないとはいえお胸が丸出しはもっと恥ずかしいか。
「……うーん」
どうも俺は自分をパパくらいの年齢、パパみたいな男の人だと思い込んでいるらしい。けど、俺のおまたにあんなもじゃもじゃな象さんがくっついていたはずもない。ちょっと嫌かも。
「いっか」
お姉ちゃんの言う通り、変な夢を見ていたんだろう。まあここでそれが自覚できたのは収穫だ。俺は女子小学生。うん、大丈夫だ。
「いってきまーす」
学校に到着すると、まばらに同僚たちが出勤していた。始業10分前なので元気な男子どもはサッカーやら鬼ごっこやらをしている……はずなのだが、みんな一様に席についていた。しかもやけに静か。女の子みたいに脚をぴったり閉じているのも滑稽だ。
「おはよー」
「おはよ、桜ちゃん」
自分の席についた俺は、同期の中でも一番仲がいい結ちゃんに挨拶をした。少しの間他愛のないおしゃべりをしていたが、やはり男子たちの様子が気になるので声をひそめて尋ねてみた。
「結ちゃん、男子連中になんかあったの? おとなしいっていうか……上司に怒られた?」
「うーん……聞いても教えてくれないんだけど、男子同士で『おちんちんが落ち着かないわね』とか言ってたよ」
何を今更。ポジションとかが気になるのはわかるけど、男子だったらずっとそれだろう。何を今更。
「変なの」
「けど、私もなんだか……ううん、なんでもない」
結ちゃんは黄色いワンピースの裾をきゅっと掴んで、何かを言い掛ける。けど、ちょっぴり顔を赤くして口をつぐんだ。
秘密にしたいなら良いんだが、仕事のミスを隠しているとかだったら困る。結ちゃんを疑うわけではないが、自分から言うのが難しいのはそうだ。
まあ結ちゃんは元々こういう人物。やや引っ込み思案だからあまり気にする必要はないだろう。
「何かあったら言ってね」
「うん……」
やがて始業時刻になりチャイムが鳴る。その頃にはクラスメイトたちも揃っており、まもなく岩を削り出して造形したような部長が――
「はーいみなさんおはようございます」
そんな気がしていたのだが、教室へと入ってきて教壇に立ったのはまだ二十代も前半だろう若くて美人な女の先生だった。
ここでも違和感が頭を出したがその正体はすぐにわかった。いつもはジャージなのに、今日は珍しくレディススーツ姿だからだ。すらりとしたシルエットとパンツルックがビシッと決まっており、男女問わず『かっこいい』と児童たちの声があがる。
「せんせー、なんでスーツなんですか?」
「え? 私にもわかりませんが気分ですよ、気分」
先生は自分の胸元をチラチラ覗いてすぐ上を向く。なにやら照れているようだが、それならいつものジャージでよかったんじゃないかと思ってしまう。
簡単に朝の会を済ませた後、授業に入る。一時間目は算数だったのだが、いやに簡単だった。まるでずっと前にも習ったことがあるような錯覚だ。二時間目の理科も似たようなもので、むしろ担任の先生がいまいちピンと来ていないようだった。習ったのなんてもう40年以上前だ、なんて言っていたけど先生は新卒だったような。
もっとも授業自体は問題なく終わる。次は体育、プール授業を控え尿意を催した俺はトイレに向かった。
「?」
なぜか男子トイレは外にまで列ができていた。男子で個室を使っても笑われないのはいいのだが……開いた扉から見えた中では、小便器がひとつも使われていなかった。
俺はたまらず、列の一員となっている隣の席の男子に声をかけた。
「……なあ颯太さん、立ちションしないの?」
「た、立ちション? あれは男の子が……いや、私も男の子なんだけど」
「いいじゃん、楽で」
「そうだけど……」
颯太くんは俯く。何が嫌なんだろうか。
さっぱりわからないが、俺は授業に遅れるなよとだけ言い残して女子トイレへ踏み込み、個室へ入る。
スカートをたくしあげぱんつを脱ぐと、堂々とした一本すじが顔を出す。毛はおろかちんこもない、正真正銘のお子様おまんこだ。
「……んっ」
力を抜くと、割れ目からちょろちょろとおしっこが流れ出てくる。このシーンを真上から見ているとき、いつも犯罪的だなと思う。娘にしたって、この歳になったら見ることはなくなるだろうに。紙で拭うのだって後ろめたい。いや、自分のおまんこであり綺麗にしないと痒くなったりシミになったりするので、仕方のないことなのだが。
「……」
そうだよな。おしっこする度にこんなことを考えていたはずはない。第一俺は初めから女児、この身体を生まれ持っている。
まあいい。俺はトイレを出て、プールへと向かった。
プールのそば、女子更衣室ではクラスのみんなが着替えを始めていた。
けれども、ちょっぴりヘンな子がちらほら。なぜか服を脱ぐのをためらっていたり、逆に意気揚々と裸になっている子、それをじろじろと眺めている子も。
おまたのあたりで手をもぞもぞと動かしている子も居て、オナニーでもしているのかとも思ったが、小学4年生だから知っている可能性は低い。俺もよく知らない。
「さて」
俺も周りを気にしてばかりいても仕方ないな。着替えよう。ブラウスとスカートを脱いでいちご柄の下着姿となってから、タオルを巻く。女の子同士、別に見られるのが嫌というわけではないのだが、なんとなくこうしてしまう。
「よいしょっ……ひぁっ」
下着も脱いだ後、バッグから取り出しておいたスクール水着を着たのだが……なんともぴっちりした着心地が新鮮に感じてしまった。
障害物のないおまたに布地が張り付く感覚は奇妙だし、そもそもこういう形状の服を着ることも男では珍しいだろう。お胸も平坦とくれば、自分が幼い少女であることを強く自覚させられる。
俺はロリコンではないが、それでもやはり成人男子として女児たちに紛れているとのぞきをしている罪悪感があった。
「……ん」
何か思考にノイズが混じった気もするが……まあいいか。
「桜ちゃん」
「あ、結ちゃん。どうしたの?」
「ん……えっと……別に」
結ちゃんもスクール水着に着替えている。俺は俺が子どもの頃からあったようなレオタードのような形だが、結ちゃんはスカートやら袖がついていて露出が少ないタイプ。だがそれだけに造形は可愛らしく、結ちゃんはそこに戸惑っているようだった。
俺はくすりと笑いかける。
「いいじゃん。かわいくて」
「うー……」
結ちゃんの手を取ってプールサイドに出ると、担任も競泳水着に着替えていた。しかしそのプロポーションのよさにほれぼれしてるのか、鼻の下を伸ばしている。
また不思議なのが、男子以上に女子連中が食い入るように眺めていることだった。授業はほとんど遊びのようなもので、途中からは担任も加わったのだが、女子が群がり身体のあちこちを触られていたようだ。まんざらでもなく、ちょっと妖しい光景だったらしい。俺は軽い身体が楽しく、ずっと泳いでいたのだが。
さてそんな感じで学校を終え、家に帰ってきたのが15時。最近は残業が多く21時を回ることも珍しくなかったが、小学生だけあって定時前には終わってしまった。
「ただいまー」
とはいえ家には誰もいない。ママはパートだからもうすぐ帰ってくるだろうが、お姉ちゃんは夕方になるだろう。
「よっと」
洗濯機にプール道具を放り投げ、自室へ帰る。暑いのでさっさとエアコンをつけ、下着姿になってしまった。
「ふう」
真っ白い学習机に向かい、宿題をこなす。昔は嫌で嫌で仕方なかったものだが、今なら秒で終わる。先にやってしまうのが楽でルーチンと化していた。
それも終えたら……終えたら? 何をしていたっけ。
休日はよくPCゲームを遊んでいた記憶もあるのだが、この家にタブレットはあるもののPCはない。他にはあれこれとデジタルガジェットをいじっていたり、電気屋やらを巡る趣味もあったような気もするが、そんなはずはない。俺は小学生、まして女の子なのだから機械いじりに全く興味はないし、お小遣いでそんな金のかかることはしないだろう。
「あ、そうだ」
思い出した。リビングに降りて、家族共用のタブレットを持ち出して動画アプリを開く。最近はお姉ちゃんの影響もありおしゃれやお化粧に関心が出てきたので、そういう動画をよく観ているんだった。
メイクはまだ早い、と言われたけれども、スキンケアは大事だからと今度俺用のボディクリームを買ってもらう約束をしている。俺はそれが楽しみで仕方ないんだ。
「……?」
なんで、楽しみで仕方ないことを忘れて……なんか学校では収まったと思ったのに、家に居るとなんか変だな。
「ただいま!」
「あ、おかえりなさい」
「おっ、桜ちゃんいんじゃーん」
そうこうしている内に、弟が帰ってくる。弟は落ち着いたノースリーブのカットソーにロングスカート、まさに若奥様といった風貌だ。しかしその中身はハイテンションなチャラ男だった。インドア派な俺とは全く人種が違う。
「いいねいいね、けど俺っち小学生は守備範囲外だし、実の娘はちょっとごめんなさいなんだよねー。俺みたいなわるぅい男に捕まったらやだし、服ちゃんと着ろって」
「いいじゃん。ママだってそんなスカート仰いじゃって」
「たは! 言われちったぁ」
ママはそんなことを言いながら、ご飯の支度を始めた。キッチンでは『マジうめー! 大成功!』とか騒ぐ声が聞こえてくる。うるさい。
嫌いじゃないし、一人で寝るのが寂しい時はママのベッドに入ることもあるのだがうるさい。
やがてお姉ちゃんが帰ってくる。パパは今日泊まりの出張らしいので、先にご飯を食べちゃうことになった。
「~♪」
晩ご飯の後はお風呂。妻が――美沙が先に入っていたので、俺も後から入っていく。いつもなら逆なのでちょっと妙な気分だった。
「入るぞー……っと、お姉ちゃん」
「はーい」
名前ではなくお姉ちゃんと呼べと朝言われたばかりなのをすんでのところで思い出し、俺は浴室へ入る。美沙は髪を丁寧に洗っていたので、俺は脇で軽く身体を流してから湯船に浸かった。
「ふぃー……労働の疲れが流れるぜ」
「ふふっ、おつかれ」
俺は髪をまとめながら、ぼんやりと美沙の……もとい、お姉ちゃんの身体を見つめる。
ママのおっぱいは大きいとは言えないのに、お姉ちゃんは立派。俺がどうなるかちょっとした不安を抱えていた。
どうやって大きくしたのか。尋ねようとして、さすがに夫婦でもセクハラかと思いやめておく。ベッドの上ならともかく。
「……え、あっ」
ぼふんと頭が沸騰する。思い描いたのは、お姉ちゃんと俺が裸で抱き合っている場面。なんで実の姉妹なのに、あんなことを。お姉ちゃんは好き、好きだけどそういうのじゃない……はず。
「桜、髪洗ってあげる」
「う、うん」
「いきなりこんな長くなって大変でしょー?」
「まあそうだけど……」
湯船から出ると、背中側からお姉ちゃんがお世話してくれる。とても心地よく、こうしていると家族になったんだなと幸せになってきた。
お礼に俺も背中を流してやって――おっぱいに目を惹かれてしまったのだった。
夜。もう寝るつもりだった俺は、ベッドでうつらうつらとしていた。
(……なんか変な一日だったな)
自分が大人の男だったと勘違いしていたり、お姉ちゃんを妻と思ってしまったり。学校でもなんかみんな様子がおかしかった。
「さ、桜ちゃん……起きてる?」
寝入る直前、部屋の扉が開く。やってきたのはパジャマ姿のお姉ちゃんだった。
「ん、どうした?」
「ママ寝ちゃったし……最近してなかったじゃない? だから、と思って」
「ああ……」
お姉ちゃんは顔を赤らめ、もじもじとしている。妻から夫を誘う、というのはいささかはしたないと考えているらしく、いつもこんな感じだ。
「……愛してるよ、美沙」
「あたしも……」
俺は腕を広げてお姉ちゃんを迎え入れ、熱い抱擁、情熱的なキスを交わし――
「……!?」
な、なんで? なんで俺、お姉ちゃんとキスをしてるんだ? お姉ちゃんのおっぱいを触って、なんでこんな……エッチみたいなこと――
「あ……ご、ごめん桜ちゃん。えっと」
「……え、えへへ」
お姉ちゃんも何か変だと思ったのか、ぴょんと身体を離す。
「うー……おやすみ!」
「おやすみなさい」
お姉ちゃんはすぐ部屋から出ていった。
「……」
お姉ちゃんは好き……だけど。口元に残った甘さは、俺には刺激的すぎる。姉妹同士でそういう関係になる漫画は見たことがあるけど……もしかして、俺はそういうのを望んでいるのかもしれない。
「……うぅ」
きっと全部、明日の朝には忘れられる。俺はそう信じて、タオルケットをかぶったのだった。
「……おはよう、ママ」
「はい、おはよう桜ちゃん」
わたしは目覚ましなしで起きられた。ダイニングにいくと、ママがご飯を作ってくれている。お姉ちゃんはもう学校の準備ができているみたい。
「……うん、いつものわたしだ」
「あらあら、どうしたの?」
「なんかね、昨日変な感じだったの」
「どういう風に? 具合が悪いってこと?」
「ううん、えっと……あれ?」
なにか大変なことが起きていたような気がしたけど……なにがあったか忘れちゃっていた。私は頭をひねって、けれども何も思い出せなかった。
「わすれちゃった」
「ならいいじゃない」
「そうだね」
パンを食べた後、わたしは準備をして玄関にいく。お姉ちゃんも居たから、一緒に出ることになった。
「いってきまーす」
「行ってきます、ママ!」
「はい、行ってらっしゃい」
わたしは何か忘れ物をした気がするけど、たぶん朝のと一緒で気のせいってことにした。わたしは勢いよく玄関のドアを開いて外に出る。中学校と小学校の分かれ道まできて、お姉ちゃんと別れた。
「じゃあねー、桜ちゃん」
「うん、美沙も……あれ?」
何かが――俺の手元に蘇りかけて――すぐに忘れちゃった。
「もう、お姉ちゃんでしょ?」
「ごめんなさい、じゃあね、お姉ちゃん!」