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 魔術師霧乃は、ある異空間の中に拘束されていた。

そこは畳が敷かれた十畳ほどある木造の小屋であり、夕陽が差し込んでいる。

開かれたふすまから外を見れば周囲には背の高い木々が立ち並び、遠くの様子は見えない。


 どれくらい時間が経っただろうか。

救援を求める魔法に応じて紫苑村へ来て、一族の標的たる猫の亜人へ襲い掛かり、そして近くにいた狐の神によってここへと引きずり込まれてから。

入ってくる日差しはどれだけ経とうとも茜色のままで変化せず、時間の経過を感じさせない。

さらに何か鎖のような姿をした力で腕がバンザイに固定され、壁へ背中が押し付けられた無理な姿勢だというのに、身体の疲労も感じなかった。


「はぁ……どうしようかしら」


 おっとりした垂れ目をより垂れ下げつつ、やや低く色気のある声で彼女は独り言を呟く。

それは単純に先の見えない状況、全く変わらない景色から来る不安によるものであり、加えて何よりこの後、場合によっては自害を選ぶ必要があるからだった。

霧乃の一族が持つ、秘密裏に開発された強力無比な魔術を、外部、ましてや敵である猫の亜人へ漏らさないために。


「っとだめだめ……。前向きにならないと……」


 とはいえ希望が無いわけではなかった。

この場所から自ら脱出することは叶わないものの、利己的になるよう性格を調整された亜人が、利用価値のある自分を放っておくはずが無い。

天敵たる魔術師の持つ危険な魔術を暴き、我が物として無力化するため、いずれはここを訪れるはずだ。

今まで何度か捕まったことはあるが、彼女らがそうしなかったことは一度たりともなく、その時にこそチャンスがやってくる。

どんな状況であれ利用できるよう開発された対亜人専用の魔法を使い、勝利を収めるのだ。

希望は残っているし、一族の子供たちのためにも、そして何より自分のためにも死にたくはない。


「っ!」


 そうして万全を期すため頭の中で再び予測、計画を行っていると、視線の先にある空間が揺らぎ始めた。

恐らく、元居た空間との扉が開こうとしているのだろう。

なるべく先手を取られないよう深く集中する。


「むぐっ」


 だが、僅かに開いた裂け目から飛び出す触手のようなものに、精神的疲労のある身体は反応できなかった。

ぱっくりと開いた先端が鼻から顎までを忍び頭巾みたく広く覆い尽くし、厚めの唇をこじ開けて口内へはぬめったものが侵入する。

そのまま舌が絡め取られれば、魔法の詠唱が出来なくなってしまう。


「んーっ!」


 不覚をとった後悔に茶色い垂れ目を細めつつ、なんとか口内の異物を噛み千切ろうとする。


「っ♡♡」


 だがその瞬間内部へ何らかの瘴気が吐き出され、呼吸する度鼻腔を甘ったるい香りが満たした。

亜人のフェロモンへ抵抗する魔術は多少反応するものの、少し違うものなのか完全には遮断しきれておらず、少しずつ全身が熱くなっていくのを感じる。

すぐさま迸る不快な疼きに気を取られ、力が入りにくい。

着ているローブの中が、少しずつじっとりした湿り気を持っていく。


「ふ~っ♡」


 咄嗟の判断に失敗したのを悔やむ前に、この後有利を取るため状況を整理する。

まず触手のようだと思ったものは、切りそろえられた白銀の毛を纏う狐らしき尻尾だった。

ただうっすら見えた口元を覆っている内側は真っ赤な肉色で、顔面へぴったり吸い付いている。

猫の亜人と同じ色の体毛から、あの神は自分が拘束されている間に堕とされてしまったのだろうと予測できた。

無詠唱でも使える奴隷となった者に対する拘束魔法を、頭の中で密かに練っていく。


「ひひっ♡♡♡」


 するとやがて人が一人通れるくらいになった「扉」から、やや下品な笑みを浮かべた狐の神が入ってくる。

予想通り、あの時自分を異空間へ放り込んだ彼だったが、表情が、そして容姿が記憶とかなり違っていた。


 腰から伸びる尻尾や髪などの体毛は銀色になっており、差し込む夕日を反射して美しく煌めき、やや赤らんでいる。

特に長い髪はよほど細く、毛たちが絡んでいることもないのか歩くたび揺れ、滑らかに波打つ。


 同様に肌の色が病的だった白さから血色良く変化し、柔らかそうな印象が増し色気が香り立っていた。

全体的に肉づきも良くむっちりしており、だが首やくびれなどは折れてしまいそうなほど華奢だ。

さらに胸にあるやたら巨大な、巨大すぎてやや垂れてしまっている乳房があると、女性にしか見えない。

それも、男好きするいやらしい女性に。

薄桃色と清楚でありながら乳肌より少し膨らんだ乳輪や、指先のように太く淫靡になり、先端からは濃厚な乳汁を滲ませる乳首があれば猶更だった。


 しかしそんな中で、強烈に男を、オスを感じさせる器官がある。

股間から生える、成人男性を優に超える大きさの勃起しきった男性器だ。

包皮の色味は肌とそれほど変わらず使われた様子が殆ど無い。

また、先端の大部分が包皮に包まれており、部分的に見れば子供の逸物とさえ感じられる。

だが肉棒全体はそんな印象を補って余りある長太さを持っており、小さな肉体に付いているのもあってかなり禍々しかった。


 本人の持つ神ゆえといった威圧感も相まって、相対しているだけでも少し気圧される。

しかもかなり変化した身体つきに、そうして人の身体を変化させられる亜人の強い力を悟ってしまう。

世界に干渉できる神性を吸収したということで薄々想像はしていたが、状況は相当良くないようだった。


「ふむ。死んではおらぬようじゃな。それに……わしの香りもしっかり効いておるようじゃ♡♡♡」


「っ」


「であればもっと濃いものを嗅がせてやるぞ?♡♡♡」


「ふぁ♡♡♡」


 希望が徐々に断たれていくのを感じていると、吐き出される瘴気が濃度を増す。

どうにか発情を出すまいとしていたものの、彼に肉体の生理的な反応は隠せないようだった。

ただ息をしているだけで、血色のいい肌はより赤らみ、蒸れやすい胸元や股間にはじっとりした汗が浮かび、下着が愛液で濡れていくのが分かる。

邪魔にならないよう短く切り揃えられた黒髪を振り乱し、どうにか口元の拘束を外そうとするが、首筋まで回って固定する柔軟な触手には意味を為さない。


「それと、その邪魔そうな服も脱がしてやろう♡♡♡」


「ひっ」


 すると狐の神の腰から先端が鎌のようになった尻尾が新しく伸びてきて、服をなぞっていく。

よほど切れ味が鋭いのか撫でられたところからローブは断たれ、単なる布となったものが次々にはらりと落ちていった。

肌を傷つけられそうで軽く全身が引き攣るが、そんな霧乃を尻目に中で着ていた短めのインナーや下着までもが順序良く解体される。


「ほう……♡♡♡中々よい身体をしておるのぅ♡♡♡」


「っ♡♡♡」


「それなら旦那様も悦んでくれそうじゃぞ?♡♡♡」


 やがて外気と下卑た、だがどこか冷たい視線に晒される、これまで何度も猫の亜人を惹きつけてきた肢体。


 霧乃の肉体は揶揄する声の主とはまた違った、肉づきが良くとも日々の鍛錬によって引き締まったものだ。

まずその姿勢故、きっちりと毛の処理された滑らかな腋が両方とも露わになっている。

性欲の昂りによって汗が滲み、仄かな湿り気と艶を獲得したそこからは、濃厚なメスの甘酸っぱい香りが漂う。

しかもやや洞窟みたく窪んでいることで、男性器を持つ者には突っ込み擦りつけるための「穴」であると認識させるだろう。


 胸はその周辺の筋肉によってしっかりと支えられ、狐の神より少し小さいほどの体積でありながらも、気高い品を保っていた。

胸板にまさしく大きなお椀をかぶせたようであり、垂れているということも殆ど無い。

だが、頂点では桜色の乳頭が硬く屹立している。

やや大きめで、広めの乳輪と相まって全体的にはいやらしい印象がかえって強かった。


 さらに女性器から広がる疼きで擦り合わされている、くびれより太い横幅を持つ両脚も同様だ。

特に股間の近くは溢れ始めている愛汁によって濡れ、夕陽を眩しいほどに照り返す。

結果陰部は、視線を釘付けにする淫らな箇所となっている。


「んーっ!」


「ひひひっ♡♡♡」


 恥じらいと嫌悪感を表すように睨みを返すが、これほど厳重に拘束された状態で恐れさせることなど出来るはずもなく、余裕そうな表情は崩れなかった。


「のぅ?お前様?♡♡♡♡」


 そして彼は左後ろにある入ってきた「扉」を見て、愛おし気に語りかける。


「ひひっ♡♡♡うん♡♡♡そうだね、太白♡♡♡」


「っ♡♡」


 するとそこから、霧乃たち一族の宿敵たる猫の亜人が悠々と姿を現した。

白銀の体毛に包まれた頭部の猫耳はぴょこぴょこと可愛らしく揺れ、同じ色の三本ある尻尾もゆらめく。

だが相対しているだけでやたら威圧感があり、根源的な恐怖を誘う禍々しい、邪悪な神と思しき気配が漂ってきていた。


 彼女は太白と呼ばれた狐の神の言葉通り興奮している様子で、股間にそそり立つモノは黒ずんだ紫の先端が既に濡れている。

また、新しい汁が次々と補充されてもおり、まるで花さながらに蜜蜂を誘うみたく、だがそれにしては青臭すぎる匂いを放っていた。

嗅がされている濃密な媚香すら貫通して漂ってくるオス臭に、思わず気を取られ、下腹部がより熱を持っていく。


「ふあっ♡♡」


 どうにかすぐ正気を取り戻すと、フェロモンが自分へ効いている事に気づいた。

本来であれば無意識で発動しているはずの防護術が、弱まっているのだ。

相当危険な状態であることを感じ、少しでも時間を無駄にしないよう頭で練る魔術を拘束から滅するためのものに切り替える。


「ありがと太白♡♡♡おかげであの魔術師の事、い~っぱい愉しめるね♡♡♡」


「んぅ……♡♡♡当然じゃ♡♡♡夫の事を助けるのは妻の務めじゃからな♡♡♡――じゃが……♡♡♡」


 対して視線の先では、「天敵」を無力化した事を褒めるように、亜人が神の頭を優しく撫でていた。

二人は身長差がありながらも向き合って目線を交差させ、互いに強い愛と思わしき感情をぶつけている。


 正直な所霧乃は驚いた。

彼女ら奪う事で強さを増していく猫の種族が、そうして自ら以外の生物へそんな思いを抱いたところなど一度も見たことが無い。

ペットのようにして多少の愛着を示すことなどはあっても、ああして夫婦に似た関係となる事は、過去を遡ったとしても存在しないだろう。


「あやつを弄ぶ前にご褒美が欲しいのぅ……♡♡♡♡少し激しく動いたからか、身体が昂ってしまっておるのじゃ……♡♡♡」


「ひひっ♡♡♡もちろん♡♡♡……しょっ♡♡♡」


「んっ♡♡♡」


 太白の求めに応じて、邪神は彼を抱き上げる。

すると彼はすぐ脚を腰へと絡め、その豊満な肉体を押し付けた。

間では爆乳が潰れ、縦長にひしゃげている。


 ああして奴隷となった者の希望に応じることなど、これまでに無かった。

猫の亜人と奴隷の間にあるのは一方的な支配と服従のはずで、欠片も対等さなど感じられないはずだ。


「太白……♡♡♡んっ♡♡♡」


「んむっ♡♡♡はぁっ♡♡♡おまえしゃまぁっ……♡♡♡♡」


 だが、彼らは名前を呼び合いながら、こちらに見えるような横向きで熱烈なキスを始めた。

まず優しく重ね合わされ、大きな水音を立てつつ何度も逢瀬が繰り返される。

そこには肉欲だけでなく、恋人や家族に対するような親愛の情もあるようだった。

見ているだけでも関係の甘さが伝わってくる。


「はむっ♡♡♡むふ~♡♡♡」


「あっ♡♡♡ん~っ♡♡♡」


 続けて片方が相手の唇を唇で食み、上下を互い違いに動かして揉み込んでいく。

一気に摩擦が強くなったためか、少しずつ息遣いは激しくなっていた。

呼応するように、口付けもより快楽を得るためか荒っぽさを増す。


「んぇ~っ♡♡♡んふっ♡♡♡はーっ♡♡♡」


「ひゃっ♡♡♡へっ♡♡♡へっ♡♡♡」


 やがてどちらともなくたっぷりとよだれを纏った長大な舌が出てきて、空中で絡み合う。

蠢きはやたら粘っこくも繊細だった。

まるで糸が縒り合わされるみたく双方がねじれ、その身を余すことの無いようぐるぐる巻きにしていく。

かなり濡れているだけあって、響き渡る音は耳を塞ぎたくなるほどにひどい。

しかも混ざり合った汁はやがてゆっくりと垂れ落ちていく。


「ふ~っ……♡♡♡♡」


 発情した状態でそんな情事を見せつけられれば、より肉体が昂るのは当然だ。

女陰がひくつき始め、健康的な肌にはさらなる汗が浮かぶ。

また、ただでさえ言葉がいらない魔術故時間がかかるというのに、集中が乱されて頭の中での詠唱も少しずつ遅れる。

深刻な状況に対する危機感すら、全身を襲う疼きによって薄められ、むしろむらつきの方が強くなりつつあった。

例え目を瞑ろうとも、奏でられる交尾の音色が茹りつつある頭の想像を掻き立ててしまい、逆効果になってしまう。


「っ!んっ♡♡♡」


 そんな霧乃へ、亜人の背後で上機嫌そうに揺れていた尻尾の一つが素早く伸びてくる。

またしても咄嗟に回避する事は叶わず、先端に開いた歯の無い口のようなものが、女性器とその少し上までを全て覆うように食らいついた。

中には柔らかく弾力のある肉が満ちているようで、待望の接触に強い快楽が広がっていく。

続けて責めが来ると直感し、四肢へ力を入れて耐える準備をする。


「えっ?」


 だが、身体へ密着して以降は何の動きも無かった。

視線を二人へ移しても、依然として互いだけを求めるように交わったままだ。

こちらの事など歯牙にもかけていない。

安堵し、むしろ驚かされた事で頭が冷静になったことを喜ぶ霧乃。


「っ♡♡♡あっ♡♡♡んむぅっ♡♡♡♡」


 そう思ったのも束の間、食らいつかれた股間から何か異様な感覚が伝わってくる。

それは肉が盛り上がっていくような、クリトリスの近くがむずむずし、劣情が隆起していくような。


 まさか、と悟る。

彼女ら亜人の種族は、奴隷となった女性へ男性器を生やし、自らの勢力を拡大するための尖兵へと変えてしまうのだ。

とはいえ変化させるためには、淫紋を描き心だけでなく肉体をも手中に収めなければならないはずで、さらに魔術師の一族はそうした力へ抵抗する魔術も身に着けている。


 だから、大丈夫なはず――。


「ああぁぁぁっ♡♡♡♡」


 霧乃が心の中でそう呟いた瞬間、尻尾は天井へ向かって持ち上がりながら、口内に収めたものを這い出させていく。

そして現れたのは、女性には似つかわしくない、また、一般的な人間の男性では持ちえない屈強な性器、チンポだった。

抜けて行く時の摩擦で強烈な快感が迸り、耐えられる気のしない激しいオスの劣情が全身を渦巻く。


 股間から新たに生えたモノは、まるで元から在ったみたく平然と鎮座していた。

根本はごく自然に健康的な肌と繋がって馴染み、真っすぐ上へとそそり立つ。


 視線を沿わせていけば、隆々と血管の浮き出すいくらか浅黒い幹があった。

脈動する管から砲身へ送られているのは明らかに自分の血液であり、貧血か興奮か、頭がくらくらする。

その分よほど敏感なようで、痙攣や身じろぎによって軽く揺れるだけでも甘い感覚が伝わってきた。

早く使い、射精したいというこれまで存在しえなかったはずの獣欲が、徐々に鎌首をもたげていく。

さらに先端との境目では包皮がズル剥けとなり、元々は亀頭を覆い保護するためだったのだろうピンク色の皮膚がややたるんでいる。


 そうして全てが露出している暗い紫の亀頭は、当然のようにやたら大きい。

加えて他のオスが中出しした精液を余さず掻き出しそうな、種付けに貪欲な形でもあった。

というのもカリ周辺が部分的にやたら出っ張っており、簡単に指で掴めるほどだ。

おまけに厚みも1センチはあり、竿との段差は2センチにすら及ぶかもしれない。

見た目は、まさしく傘といった具合だった。


 しかも急激に増加した性欲の滾りを裏付けるように、金玉まで出来ている。

長い袋が女性器を隠すように垂れ下がっているせいで霧乃から全貌は見えないが、彼女が味わっている重量感に比例したこれまた巨大なものだ。

鶏卵を二回りほど膨らませたようなサイズで、また、精力的に活動していることを表すみたく血管が浮き出ている。


「むふーっ♡♡♡むふーっ♡♡♡」


 二か所から既に漂い始めた性臭は、持ち主にさらなる発情を強いていた。

呼吸は荒く小刻みなものとなり、息もひどく熱い。

すると口元を包む尻尾からの淫靡な香りをより吸ってしまい、どんどんと状況は悪化していく。


「くっ♡♡♡」


 うっすらと残っていた理性が、最後の選択肢を示した。

それは魔術師たち一族が、禁術をも利用した彼らの魔法を今日まで世間に隠し通した手段、魔術師自身の消滅である。

脳内で唱え終われば最後、術者の身はまるで元々無かったかのように消え去るのだ。


 だが、そんな決意など簡単に出来ようはずもなかった。

本当に使うべきなのか、まだ希望は無いのかと逡巡してしまう。


「っ♡♡♡」


 そんな風に迷う霧乃へ向かってくる、新たな太白の尻尾。

目の前へ到達すると尖った先端が、花びらが開くみたく四つに分かたれて中身を見せつけてくる。

そこには粘液を滴らせながら蠢く濃い桃色の肉突起が無数に生え、さらに奥からは同じ色の巨大な舌が伸びていた。

加えて低俗に劣情をそそる甘臭い香りが吐き出されて、頭を痺れさせていく。


「んひっ♡♡♡んーっ♡♡♡♡」


 そして口のような触手は、自らをお披露目し終えると今度は獲物のチンポへ向かい、その大きなベロで裏面を包み込むように、一度みっとりと緩慢に舐りあげる。

生温かく濡れて怖気だつような、しかしあまりに柔らかくざらついた肉の感触に、下腹部からは強烈な快楽が迸った。

しかもよほどよだれ塗れなのか、あまりに粘っ濃すぎる音が耳までも犯し尽くす。

すると容易く思考は止められ、決断することも、さらに亜人を滅する術を詠唱することも出来なくなった。

女性器が、玉裏が、濃厚な愛液で汚れていくのが分かる。


「ふぅっ♡♡♡ふぅっ♡♡♡」


 快楽はやがて引いていき、少しずつ冷静さが戻っていく。


「んんんっ♡♡♡あぁっ♡♡♡」


 だがそうして考えられるようになった瞬間に、また頭をぐちゃぐちゃにする舐め上げが襲った。

肉棒の先端からは我慢汁が噴き出し、塗り付けられる唾液のような汁も相まって汚れていく。

再び理性は霧散していき、代わりに少しずつ射精欲が頭の中を占める。

股間から響いてくる甘美な感覚が、早くも病みつきになってしまいそうだった。


「あぁぁっ♡♡♡おっぱいっ……♡♡♡でるぅっ……♡♡♡♡――♡♡♡♡♡」


「ひひっ♡♡♡いいよ~太白♡♡♡も~っとおっぱい出しちゃおうね~♡♡♡♡」


 そんな霧乃を尻目に、オスとメスは先ほどから変わらずいちゃついている。

情事はかなり進んでおり、太白の巨乳が乳首を中心として亜人の尻尾に巻き付かれ、絞められて搾乳されているところだった。

突起からは当然のように黄白色の乳汁がたっぷり噴き出し、それがよほど気持ちいいのか甘ったるい嬌声が発される。

加えて撒き散らされた液体は抵抗魔法が殆ど機能しないミルク臭を放ち、さらに女魔術師を責めたてていく。


 快楽を素直に貪り、たいそう悦んでいる姿まで見せつけられると、自分も混ざりたくなってしまった。

というか目は積極的に行為の様子を収め、脳内では三人でまぐわっている様子がありありと浮かぶ。


「んぅっ♡♡♡♡ふーっ♡♡♡♡」


 また、そうやって持ち主が激しく喘いでいる間ですら、尻尾舌はモノを愛撫してきていた。

まるで無詠唱の魔法があると分かっているかのように、思考する時間を許さず、休む暇を与えず的確な時間を空けて。


 しかし都度快楽が引くまで待たれるため、射精へ至ることは決して出来なかった。

むしろ徐々にじれったさが溜まり、意識が男根へと集中していく。


「じゃあ、このままチンポでもイっちゃおっか♡♡♡一緒に乳首も可愛がってあげるね?♡♡♡」


「うむっ♡♡♡おまえさまぁっ♡♡♡っ♡♡♡♡」


 すると視線の先に居るオスは、尻尾で狐の神の身体を支え、自由になった左手で彼の乳頭を、右手で肉棒を扱き始める。

よっぽど好いのか女は恭しく「旦那様」の事を呼び、全身を垂れさせ、跳ねさせながらただただ愛撫を受け止めた。

巨大で柔らかそうな胸はいちいち波打つ。

しかも眉が下がり舌を出す蕩けきった表情が恥ずかしげもなく晒されており、強すぎる幸福が表されている。

おまけに垂れ下がった腕でわきわきと忙しなく蠢く手指が法悦の凄まじさを物語り、見る者を釘付けにした。


「イくぅっ♡♡♡めすせーし出すのじゃっ♡♡♡♡でるっ♡♡♡でるぅっ……♡♡♡」


「……♡♡♡♡うん♡♡♡私に思う存分ぶちまけて……?♡♡♡♡」


 やたら大きな上擦った声が響き渡り、甘ったるい密やかな声がうっすら耳に届く。


「っ♡♡♡♡すきっ♡♡♡すきじゃぁっ♡♡♡♡――♡♡♡♡♡」


「ん~♡♡♡くひひっ♡♡♡♡」


 そして次の瞬間、女狐は泣くような全く余裕のない言葉を発し、胸と肉棒双方から濃厚な液体を吐き出した。

背筋は仰け反り、猫亜人の尾に包まれながら胸元と腰が小刻みに突き上げられていく。

噴水のような勢いの精液と母乳から、絶頂の凄まじさがありありと伝わってくる。


 そんな「妻」の姿を慈愛に満ちた目で見つめつつ、ただぶちまけられるものを受け止める「夫」。

身体が体液塗れになっていくことなど全く気にせず、というかむしろ表情はただただ愉しげであり、好きな相手をイかせた幸福に浸っているようだった。


「はーっ♡♡♡♡はーっ♡♡♡♡ひひっ♡♡♡お前様からのご褒美、たっぷり味わわせてもらったぞ♡♡♡」


「私も♡♡♡太白の可愛い所、いっぱい見せて貰っちゃった♡♡♡んっ♡♡♡」


「んむっ♡♡♡」


 メスのアクメは数分間に及び、やがて終わると二人は昂った愛から、といった風に啄むようなキスを繰り返す。

あまりにも仲睦まじい様子だった。

顔と顔が離れると時折どちらかが照れるような笑みを浮かべ、された相手は素早く唇を奪う。

口付けの往復もまた、長い間及んだ。


 彼らの思考に霧乃の事は微塵も無いようで、先ほどまでチンポを舐ってきていた尻尾すらまるで動いていない。

あれだけ心地良さそうな様子を見せつけられたというのに、いちゃつきも見せられさらに快楽まで奪われてしまうと憤りすら覚えた。

オスの獣欲が猛り狂い、存在を主張するように肉棒がびくついては先端から我慢汁を撒き散らす。


「ん……♡♡♡これぐらいにしよっか♡♡♡あの魔術師の事、忘れないうちに堕としておかないと……♡♡♡」


「あ……♡♡♡うむ♡♡♡そうじゃな♡♡♡」


 するとようやく亜人はこちらへ気づいた。

狐の神は一瞬名残惜しそうな顔をしたが、すぐ主人の意図を汲む。

彼は床へ降ろされ、そして二人で揃って近づいてくる。

互いの身体にはべっとりと黄ばんだ精液が付着していて、濃厚なきのこに似た香りがひどい。


 欲望に支配されつつある思考の中で、聞こえてきた敵意のある言葉に多少理性が戻った。

これから何をされるのかと身構え、拘束されている中でも出来る限り抵抗できるよう気をしっかりと持つ。


「っ♡♡♡んーっ!♡♡♡♡」


 だが、口元を塞ぐ尻尾から吐き出される一際甘ったるい瘴気と、男性器への粘っこい一舐めだけでそれらは簡単に崩された。

無意識に、もしくは意識的に、もっと吸いたいとばかりに浅ましい呼吸が繰り返され、腰がへこへこと情けなく浮く。

容易く本能に忠実な獣となってしまう女の姿を見て、せせら笑う声が聞こえる。


「ほら魔術師さん♡♡♡私の目を見て?♡♡♡」


 そうして無防備になった霧乃と目を合わせてくる邪神。

琥珀色の瞳は潤んで光を反射し、まさしく琥珀のようで、思わず釘付けになる。


 彼女ら種族は瞳力による催眠や洗脳といった力に長けており、そんな行為は避けなければいけないはずだった。


「うぁ……?♡♡♡」


「くひひっ♡♡♡」


 瞬間目はけばけばしいピンク色に妖しく煌めき、頭の中に何かが流れ込んでくる。

それは抵抗魔法や防衛本能などの一切をすり抜け、取り去ることの難しい深い所へと侵食していく。


「っ!」


 人間としての危機感か、魔術師としての性か、正気を取り戻してなんとか顔を逸らした。

しかしすぐ、大幅に遅れつつもずっと唱え続けていた無詠唱の魔法が綺麗さっぱり消えていることに気づく。

さらに、再開しようとしても全くできない。


「んぇっ」


 続けて口内に入り込んでいた触手は、尻尾共々離れていく。

とはいえ自由になった舌で呪文を紡ごうにも、やはりできなかった。

攻撃用も防御用も、その一切が。


「ふぅっ♡♡」


 口元の解放感から息をつきながらも、立って見下ろしてくる猫の亜人を睨みつける。

傍らでは身長差のある狐の神がぴったりと寄り添い、主と同じように見下ろしてきていた。

並び立つ、それぞれ違う魅力を持つ二つの艶めかしい肢体が、蘇った理性を再び少しずつ削っていく。


「……♡♡♡その様子だと、ちゃんとかかったみたいだね♡♡♡」


「なぜ……貴女の力が私に……」


「ひひひ♡♡♡わしの旦那様、邪神鈴香の力を持ってすればその程度造作もないことじゃろう♡♡♡」


「なっ……」


「それにわしの瘴気をたっぷり嗅がせておったし……何よりお主はチンポの快楽に心を奪われておったしな♡♡♡」


「っ……」


「旦那様の天敵たる魔術師が恥ずかしいことじゃのぅ♡♡♡まぁ、それもこれもお前様があまりに強く、賢いからじゃろうな?♡♡♡」


「くひひっ♡♡♡」


 精神の弱さを揶揄する言葉に、冷静さを奪われそうになる。

だがここで挑発に乗っては思う壺だ。

手詰まりとなった状況を打破する策が無いか、必死に頭を巡らせていく。


「でも、まだ私たちと戦おうとしてるのはすごいかな~♡♡♡」


「そうして余裕でいられるのも今の内ですよ……」


「ほぉ♡♡♡」


「じゃあ本当にそうか、見せてもらおっか?♡♡♡」


 だが彼女らは嘲笑うように、しかし確実にとどめを刺すため次の行動を開始する。


「何をするつもりですか……?」


「ん~?♡♡♡私はただ、妻の太白といちゃいちゃしようとしてるだけだよ?♡♡♡」


 二人は霧乃を挟んで向かい合って立った。

そしてチンポの根本を持ち、先端をすぐ頭上まで下ろしてくる。

するとちょうど亀頭が、身長や長さの違いからややずれてはいるものの、向き合う形となった。


 こうして見比べると、先ほど鈴香と呼ばれた猫亜人の持つ男性器はまさしく規格外と言っていい。

漆黒に近いカリは厚ぼったく出っ張った霧乃のモノより一回りほどは大きく、何かの冗談みたいだ。

一度挿入したが最後、萎えて小さくならなければ抜くことが出来ないような、そんな印象を受ける。

最早他者の精液を掻き出すためというより、犯したメスを確実に孕ませるための器官に思えた。


 反面太白の亀頭は肌色の皮を被っており、かつうっすら覗く粘膜も可愛らしいピンク色だ。

大きさも霧乃より少し小さめで、三人の中ではやや幼いと言える。

とはいえ人間の男性器として考えれば逞しいことこの上なく、目と鼻の先で見せつけられれば威圧感もあった。

ひしひしと浴びせられる強烈な性的興奮に当てられ、下腹部がまた湿っていく。


 さらに双方我慢汁で煌々と濡れそぼり、小さい方には半透明な精液すら付着している。

栗の花を大量に煮詰めたような濃い香りが漂い、卑猥な性器が並ぶ光景から段々と目が離せなくなっていた。


「ね、太白?♡♡♡」


「うむ♡♡♡これは単なる夫婦の営みに過ぎぬ♡♡♡たまたまそれを見る、不埒な輩もいるようじゃがのぅ……♡♡♡」


「っ♡♡♡」


 堪え性なく容易く発情していることをからかわれる。


「そうじゃ♡♡♡であればその不埒な輩にも快楽を味わわせてやろうかの♡♡♡」


「なっ♡♡♡んんんっ♡♡♡」


 そして太白の尻尾がチンポへと伸びてきて、口を開くと先端から根本まで咥えこんでいく。

内部には平たい柔らかな肉が詰まっており、強い摩擦に思わず甘い声が出た。


 しかも全て収めきると、一分の隙間も無いほどに密着される。

尿道口からカリ首のかえし、浮き出た血管の麓に至るまで、本当にあらゆる部位が空気ではなく肉壁に当たっているのだ。

ただ身じろぎで微かに擦れるものの、かえってあまり快楽は無い。


「ひひっ♡♡♡ではお前様?♡♡♡」


「うん♡♡♡んっ♡♡♡」


「んぁっ♡♡♡」


 だがそう思ったのも束の間、視線の先で「夫婦」の亀頭同士がぶっちゅりと熱烈なキスをした瞬間、霧乃のモノにも鈴口周辺を広く強めに圧される感触が響いた。


「ふっ♡♡♡ふっ♡♡♡」


「くひひっ♡♡♡チンポキス好き?♡♡♡」


「うむっ♡♡♡おチンポ様との接吻に、わしのメスチンポもっ♡♡♡もちろんわしも悦んでおるのじゃ♡♡♡はぁっ♡♡♡」


「んひっ♡♡♡ひぅっ♡♡♡」


 続けて狐の神が何度も腰を引き、突き出すと、同じようにぬるついた熱い粘膜とぶつかる柔らかい心地が繰り返し襲い来る。

やたら現実味のある感覚に、まるで自分がしている兜合わせを下から眺めているような錯覚に陥った。

やがて離れると糸を引く、数本の太い先走りによる橋の存在すらも分かる。

どうやら肉棒へ食らいつく尻尾を通じて、太白の味わう感覚が伝わってきているようだった。


「あっ♡♡♡」


 さらに、自重で途切れた先走りは雫となって顔に垂れ落ちてくる。

香るのは強烈な青臭さで、おまけに生温い。

肌を滴っていくとむず痒くて、だがどこか背徳的な気持ちが湧く。


 きっと舐めとれば、興奮はさらに深まってしまうのだろう――。


 そんなはっきりとした予感があった。


「はぁ~♡♡♡お前様の我慢汁、あったかいのじゃ……♡♡♡それに触れていると下腹が熱くなってっ……♡♡♡ふーっ♡♡♡」


 霧乃を尻目に二人の肉棒交尾はやや激しさを増し、先端についたよだれを擦り付け混ぜるように円を描いて愛撫し合う。

粘度の高い汁は淫猥なぬちょぬちょ、にちにちという水音を鳴らしつつ次第に泡立ち、白濁し、重たくなっては零れていく。

そうして減ったとしても、すぐさま互いのチンポからは新しいものがそれ以上に補充されていた。

まぐわいによって細かな飛沫も飛び散ってくる。

すると当然顔面はどんどんと強い匂いを放っていく。


「私も♡♡♡太白の可愛いおちんちんとこうしてるだけでも興奮するのに……♡♡♡我慢汁も塗り合ってたらす~っごくチンポも金玉重たくなってきちゃう♡♡♡」


「……♡♡♡嬉しいのじゃぁ……♡♡♡」


 上気した言葉通り太い男根は度々上下に跳ね、全体を激しく脈打たせていた。

やはり互いの体液は媚薬であるようで、情事が始まってから時間が経つごとに猛っていく。

太白のモノは血流が増す毎に敏感さも増していき、伝わってくる快楽も増える。

早くもチンポの根本で、何か濃厚なものが渦巻いている事に気づいた。

しかし同時に、それがこのままでは出せない事も何故だか直感出来てしまう。


「そう言われるとまたおっぱいが張ってきて苦しいのぅ……♡♡♡」


「くひひっ♡♡♡じゃあ搾り出してあげないとね~♡♡♡」


「うむ♡♡♡……んぉ゛ぉっ♡♡♡♡」


「んぁぁっ♡♡♡♡」


 猫撫で声へ応じるように、鈴香は爆乳の頂点でやや垂れ下がった勃起乳首二つを優しく摺り潰す。

結果低く濁った嬌声が聞こえ、甘ったるいミルク臭を放つ母乳が噴き出し下に居る者や肉棒へかかっていき、同時にじんじんした悦びが下腹部から伝わってきた。


 それは明らかに女の悦びだ。

女性器を弄られ、胸を責められた時に感じるもので間違いない。

しかも、実際味わった者の興奮によってか相当強かった。

霧乃の喉からもやや高い喘ぎが出る。

だが、男性器同様絶頂にまでは至らない。


「このままも~っと搾乳……♡♡♡しちゃおっか♡♡♡」


「あっ♡♡♡んんっ♡♡♡うむっ♡♡♡」


「あと一緒にチンポも……♡♡♡」


「お゛ひぃっ♡♡♡ちくびっ♡♡♡ひっぱりながらぁっ♡♡♡♡」


「あぁあっ♡♡♡これぇっ♡♡♡」


 そうして落胆を覚えていると、亜人はメスの大きな乳頭を強めに握りつつ搾乳し、逃げられないようにしながら腰を突き出して肉棒を亀頭以外でも絡め始めた。

根本を尻尾で押さえて向きを調整しつつ、長い竿をまるで交尾の時みたく器用に使って、性感帯を激しく扱きあう。

先ほどまでと違ったひどく硬い感触はまた違った心地好さであり、容赦の無い摩擦によって著しい快楽が襲ってくる。

およそ人の身であれば容易く射精してしまえるものであるが、しかし相変わらず放出は叶わない。

すると、絶頂が無くとも満足できる女性の身体でありながら、どこか物足りなさが募っていた。

肉棒内で何かが詰まっているような感覚はあまりにもどかしく、思考は「出したい」以外できなくなりつつある。


「おまえさまっ♡♡♡♡でそうっ♡♡♡でそうじゃぁっ♡♡♡はぁんっ♡♡♡あはぁっ♡♡♡♡」


「ひひっ♡♡♡私も段々せ~し昇ってきたよ~♡♡♡もうちょっとしたら一緒にイこっか♡♡♡♡」


「うむっ♡♡♡せーしっ♡♡♡ぶっかけあうのじゃぁっ♡♡♡♡んはぁっ♡♡♡♡」


 さらに、聞こえてくる上擦った媚び声は頭にへばりつき、劣情を際限なく煮立たせていく。

あられもないメスの響きはやたらチンポへ効き、金玉共々苛立たせてくる。

そうなれば頭は粘っこく下卑たオスの欲望に塗れていき、肉肉しい尻へ何度も繰り返し下腹部を打ち付け、たっぷりと種付けする想像を浮かばせた。


 身を包む衝動のまま、けだものとなってセックスに興じるのはどれほど愉しいだろうか。

自らの性器で女を、女陰を屈服させるのはどれほどの悦びだろうか。

女と股座を擦り付け合い、肉欲に浸るのはどれほど気持ちいいだろうか。


 助平親父さながらの厭らしい考えが、いくらでも脳裏をよぎっていく。


「あっ♡♡♡おまえさまのてっ♡♡♡すきぃっ♡♡♡」


「……♡♡♡ほら、太白も一緒に扱いて?♡♡♡」


「っ♡♡♡わかったのじゃっ♡♡♡おほぉっ♡♡♡♡」


 目つきをぎらつかせる霧乃の頭上で、二人は陰茎を上下に重ね、これまた重ねた手で自慰するみたく激しく撫で繰り回す。

特に鈴香のが痙攣し暴れまわるにも関わらず手つきは的確で、イくために効率よく敏感なカリや裏筋を責めていた。

それは絶頂できる彼らにとってはとにかく甘いものであり、できない者にとっては毒そのものだ。

どんどんと昂っていく姿も見せつけられると、不満と共により理性が薄まり、代わりに本能が高まっていく。


 さらに先ほどの扱き合いで全体に伸ばされ、塗りたくられていた我慢汁が飛び散ってきて、周囲は青臭い異臭で満ちる。

ふたなりフェロモンの混じった男の匂いで、チンポは羨ましいとばかりにもっと励起してしまう。


「お゛ひっ♡♡♡イくっ♡♡♡イくのじゃっ♡♡♡せーしっ♡♡♡♡」


「うん♡♡♡私もイくから、太白が可愛くイくとこ、い~っぱい見せて?♡♡♡」


「あぁっ♡♡♡♡みてっ♡♡♡おまえさまのつまのっ♡♡♡いやらしいところっ♡♡♡♡みてぇっ♡♡♡♡」


 やがて、夫婦の全身は怖気立つようにぶるりと震えた。

すると鈴香が腰を引いて、肉棒の先端をぶっちゅりくっつけ合う。

ひくつきも相まって、さながら亀頭がディープキスしているような光景だった。

持ち主たちの激しかった呼吸が引き、詰まる。


 呼応するように霧乃のモノも昇り詰めていく。


「っ♡♡♡♡でるぅっ♡♡♡♡――♡♡♡♡♡」


「ひひっ……♡♡♡ん~っ♡♡♡♡♡ふぅ~♡♡♡♡」


 そして二人が、二人だけが密着したチンポの先端から黄白色の濃厚な精液をぶちまけ始めた。

相手に当たって勢いを失った精液の大部分が、大量に落ちてくる。

ひどく熱くて、粘々し、強い匂いを放つ汁は、射精快楽の激しさを表すかのようだ。


 しかし、無慈悲にもそうしたオスの悦びは、除け者にされている一人には全く与えられない。

法悦が引いていくのはただただ不快の一言だ。

しかも、目の前からはとにかく気持ちよさそうな姿が見せつけられている。


 ずるい。羨ましい。私もそれを味わいたい。味わわせてもらえるのなら、なんだってする――。


 そうした邪な感情が、除け者を支配していった。





 視線の先で、下腹部に食らいついていた尻尾が引き上げていく。


「フーッ♡♡♡♡フーッ♡♡♡♡」


「ひひ♡♡♡」


「くひひっ♡♡♡」


 するとやがて姿を現す、少し前に生やされたばかりのやや黒ずんだチンポ。

長いお預けのせいで怒張は激しく、全体には太い血管が浮き上がっていた。

さらにそれぞれが爆発しそうな勢いで脈動しており、それによって絶えず縦横に揺れ動いている。

また、同時に重たげな我慢汁が低く噴き出し、全体はあまりにぬるつき、煌々といやらしく輝く。

まるで使われることを期待し、そして持ち主に「使え」と訴えているようだ。


「お前様、気持ちよかったかの?♡♡♡」


「うん♡♡♡太白見ながらだったから、いつも通りすごい量出ちゃった♡♡♡」


「んぅ……♡♡♡わしもじゃ♡♡♡金玉の中身が空になってしまうかとおもったぞ♡♡♡……まぁ、ふたなりチンポならそんな快楽を繰り返し味わえるわけじゃが……♡♡♡♡」


「っ♡♡♡♡」


 白々しいやり取りと、貪れる快楽の凄まじさを期待させる言葉に思わず息を呑んでしまう。

頭の中は既に、射精することでいっぱいだった。


 我慢や、魔術師としての矜持、一族の子供たちへの想いなどは、もはや意味を為さない。


「わ……私もっ……♡♡♡」


「む?♡♡♡」


「くひひっ♡♡♡」


 口が動き、泣くような震えた声が出た。


「私も射精させて……ください……♡♡♡」


「ほぅ?♡♡♡」


「もう無理なんです……♡♡♡こんなことをされて……耐えられません……♡♡♡♡」


「ひひ♡♡♡じゃがよいのか?♡♡♡」


「へっ……?♡♡♡」


 見上げればある四つの嗜虐的な瞳に、今度は間抜けな声が出る。


「射精させてあげる代わりに、私は貴女たちの秘密、ぜ~んぶ貰っちゃうけど♡♡♡」


「っ♡♡♡♡」


「それに、貴女たちが居る場所も教えて貰っちゃうよ?♡♡♡そしたらみ~んな私の奴隷になっちゃうね?♡♡♡それでもいいのかな?♡♡♡」


「あぁっ……♡♡♡♡」


 そして事実を突きつけられると、頭はぐるぐると回った。

本当に、家族たちが彼女に堕とされてしまうより、今自分が射精することの方が大事なのだろうか。

今まで里に居る幼気な子供たちにこの仕事をさせまいと頑張ってきたのに、全てが無駄になってしまうのだ。

ゆくゆくは、彼らまで鈴香の奴隷となってしまうことだろう。


「はい……♡♡♡それでも……いいですからっ……♡♡♡♡」


 だが、今の霧乃にとっては、それらよりも快楽の方がずっと大事だった。

むしろ激しい快楽を味わえるのだから、奴隷になった方が祖先や一族に縛られるよりもずっと幸せなのではないかとすら感じる。

心の中では、これは皆のためでもあるのだ、という大義名分が芽生えていた。


「わっ……♡♡♡私を射精させてっ♡♡♡貴女のものにッ♡♡♡奴隷にしてくださいッ♡♡♡♡」


 高らかに懇願すると、不思議な解放感に包まれる。

始めからこうしていれば、もっと早く射精できたのだとすら思う。


「くひひっ♡♡♡♡」


「ひひっ♡♡♡」


「あっ♡♡♡」


 すると二人は笑い、どこかから高級そうな椅子を出現させ、尻尾を使ってそこへ座らせてきた。

まるでおねだりできた事を褒めるみたく、座面と背もたれは柔らかい。


「んふ~♡♡♡」


「ふ~っ♡♡♡」


「ひあぁっ♡♡♡」


 そんな霧乃の、ぱんぱんに膨れ上がった亀頭の左右を挟むように、太白と鈴香の頭がすぐ近くへ来る。

左側から愉しげだがどこか冷たい目だけを向けてくる女狐は、やや媚びるように尖らせた唇から息を吹きかけてきた。

薄く口紅が引かれたような桃色は濡れて艶めいており、キス顔なのも相まって触れたくて仕方がない。

きっと蕩けるほど柔らかいのだろう。

実際弱い空気の流れですら誘惑するみたく震えている。


 反面向かいの猫亜人は満足げな笑みだ。

獲物を仕留めた悦びで無邪気に歪み、ともすれば幼子のように見え、しかし目つきはひどく色っぽい。

眉毛と共に外側が垂れ下がり、瞳は潤んで妖艶に見える。

それは邪神らしい欲望に忠実な表情だと言えた。


 二つのあまりに整った顔が並び立つと、それだけでチンポはより激しくいきり立ち、濃厚な汁を吐き出す。

上から見下ろすとまるで奉仕させているような感覚に陥るが、実際は全くの逆だ。


――これから自分は、彼女らの奴隷へと徹底的に堕とされてしまう。


 既に快楽の虜となっているためか、その事実にただただ期待感のみが募った。


「しかしまっこと大きなチンポじゃのぅ♡♡♡カリの所もこんなに太いぞ?♡♡♡」


「あっ♡♡♡」


 太白が指先で、先端にある分厚めの出っ張りを何度かつついてくる。

弾き、からかう様な手つきはあまり摩擦刺激を生まない。

だが硬い竿は軽い衝撃をしっかりと吸収して、芯が痺れるような心地を与えてきた。

どこか射精直前にも似た感覚に、絶頂への求めが強く強く滾っていく。


「大きなチンポで射精するの、すっごく気持ちいいよ~♡♡♡それと、ふたなりチンポでメスを支配するのも……♡♡♡♡」


「っ♡♡♡♡」


「ひひひっ♡♡♡」


 さらに鈴香の、経験から来ているだろう噛み締めるような言葉はいくらでも想像を膨らませる。


 これまで彼女は、どれだけ妻を抱き、どのように使ったのだろうか。

しかも自らがしたいように、欲望が赴くままするのはどれほど気持ちいいのだろうか。


 今の状況みたく、手ずからモノにした「メス」二匹を見下ろし、チンポを求めさせる光景が脳裏に浮かんだ。

間近で匂いを嗅がせ、とろとろになった頭を両側から押し付けて顔コキし、やがてイきそうになったら口内へと押し込み精液を直接注ぐ。

そしてメス穴へと挿入して狂ったように喘がせ、大量の強い子種で体内を征服する。


「あはっ……♡♡♡♡ふーっ♡♡♡♡」


 考えただけでも、思わず笑みが零れた。

興奮を表すように肉棒は痙攣して暴れ、徐々に濃く重くなってきたよだれを撒き散らす。

金玉もやたら煮立って、最早中身が溢れ出しそうになっているのが分かる。

というかやたら汗をかいているようで、周囲にはやや酸っぱく青臭い香りが漂う。


「じゃが、強いオスに支配されるのもよいぞ?♡♡♡♡メスとして愛され、愛に応えるためご奉仕させて頂くのは格別の悦びじゃ♡♡♡♡」


「んぅっ♡♡♡♡」


 続く太白の言葉は、そうやって嗜虐心の昂った霧乃へまた違った様子を浮かび上がらせた。

今の反対、椅子へ座る「ご主人様」の脚の間に入り、上目遣いで見つめながら天高くそびえたつ肉柱へ縋り付く様子だ。


 猫亜人との戦いで若くして行方知れずとなる者が多く、これまで一族の中でも年長者として頼られてばかりだったからか、そうして甘える事にひどく心が惹かれた。

単なる愛玩動物兼性処理道具としてただただ受動的に日々を過ごすのは、どれほど楽だろうか。

もしくは徹底的に躾けられ、無意識でも主の望むまま行動する奴隷となるのもいい。

ご褒美の法悦でぐずぐずになった頭を撫でられ、たったそれだけで絶頂するよう調教されたあまりに被虐的な自分の姿が、頭の中で明確に再現された。


「はっ♡♡♡♡はっ♡♡♡♡」


 熱かった息遣いは自然と犬のようなものになっていく。

チンポは寵愛をねだるように先端から涙を流し、禍々しさが嘘のように可愛らしく震える。

焦らされるだけ焦らされていつまで経っても訪れない快楽に、最早我慢は限界となっていた。


「は、はやく……♡♡♡早くイかせてくださいっ……♡♡♡♡」


「……だそうじゃ、お前様?♡♡♡そろそろ射精の心地好さ、味わわせてやるかの?♡♡♡」


「うん♡♡♡そうだね♡♡♡」


「っ♡♡♡♡」


 耐えきれずおねだりをすれば、二人は目を見合わせた。

鈴香が頷くと視線はようやく鼻先にあるモノへ向く。

たったそれだけで肉棒は悦びを表すように脈打つ。


「あっ♡♡♡」


 暴れるのを固定するように、根本が持たれた。

同時にそこで渦巻いていたおびただしい量の精子たちがより激しく蠢き、やがてゆっくりと昇っていく。

早くも鼻をつくオスの性臭が漂い始める。

増していくチンポの熱、ひくついて開閉を繰り返す尿道口、膨らんでいく亀頭。


「ちゅっ♡♡♡」


「んむっ♡♡♡」


「あぁっ♡♡♡♡あああぁっ♡♡♡♡」


 両側からカリ首へ、堕落をいたく歓迎するような、柔らかく滑らかな唇を押し付けるキスがなされた。

するとあまり強い快楽でなかったにも関わらずそれが引き金となって、濃厚で重量感のある精液が尿道を駆け上がり、擦りたくっていく。


「でるっ♡♡♡でるぅっ♡♡♡♡――♡♡♡♡♡」


「はむっ♡♡♡」


 そして勢いのいい放出が始まる瞬間、太白が先端を咥えこんだ。

温かくぬめった気持ちいい穴の中へ、溜まりに溜まった欲望を思う存分ぶちまける。


 その行為は、筆舌に尽くしがたいものだ。

霧乃の中にあったあらゆる価値観が書き換えられ、射精を味わう事が最も優先すべきことになっていく。

種汁をごくごくと飲まれているのもたまらない。

征服感と被支配感が入り混じった感覚で、より吐精の勢いは増す。


「くひひっ♡♡♡」


「お゛ほぉぉっ♡♡♡♡♡」


 そんな彼女の下腹部へ鈴香の尻尾が伸びてきて、やたら発色のいい桃色をした紋様を描く。

描かれたそばからいやらしく発光する、猫をモチーフにした印によって、与えられる法悦は際限なく増していった。

清く気高かった魂までも、どす黒く濁ったものへと変色させてしまうほどに。







「ふっ♡♡♡ふっ♡♡♡ふッ♡♡♡」


「お゛っ♡♡♡お゛っ……♡♡♡♡あ゛っ……♡♡♡♡」


「……♡♡♡♡」


 邪神鈴香が、先ほど堕とした魔術師霧乃の支配を完璧なものとするため、ひどく力強い腰つきで台に乗せた彼女の膣穴を抉り、耕し、物のように穿ち続けていた。

その豊満な尻たぶの間で、膝立ちになった太白は肛門内へと肉舌を入れ、脈動する前立腺をねっとりと舐り回している。


 「旦那様」が持つ凄まじい精力の一端たるそこを愛撫する行為は、奴隷妻にとっては悦び以外の何物でもない。

ただ責めているだけだというのに、先ほどから下では愛液や我慢汁が、胸では母乳が溢れっぱなしだ。

しかも密着した状態でオスらしさに満ちたピストンを感じさせられれば、メスとしての愛されたいという本能が疼く。

何ならこれまで何度かあった射精の度括約筋が強烈に引き締まり、結果ベロが揉み込まれて絶頂してしまっている。

最近彼女の腸内からも出るようになった甘ったるい媚薬愛液も相まって、脚の間や畳へ着いた膝は既にびしょ濡れだった。

それらのせいで刺激的な匂いが周囲へ漂っているのだろうが、今感じているのは尻の間から強烈に漂う甘臭いふたなりフェロモンの香りだけだ。


「ふ~っ♡♡♡♡」


「お゛~っ……♡♡♡♡ん゛っ……♡♡♡♡んぉ゛っ……♡♡♡♡」


 やがて喘ぎが消え、全く言葉になっていない濁った音が聞こえるようになると、激しかった嬲り交尾は止まる。


「太白♡♡♡」


「んぇ……♡♡♡」


 そして名前を呼ばれた意図を理解し、最後に前立腺を一舐めしてから舌を抜いた。


「うむ♡♡♡……♡♡♡♡」


 応じながら立ち上がり、隣へ並べば見える、主がぐちゃぐちゃにしたあられもない霧乃の姿。

無骨な木製のように見える台の上で、彼女は「溶けて」いた。

その手足から頭、胴体に至るまで一切の力が入っていない。

また、そうした全身には下腹部に描かれた淫紋から猫の尻尾のような模様が伸び、まるで支配を表すみたく絡みついている。


 だがそんな中でも、いくつか力が入っている場所があった。

胸の頂点で小さいながらも精いっぱい屹立する乳首と、やや寝そべりながらも斜め上を向いたチンポだ。

それぞれ奴隷となったものの貪欲さを表すみたく元気で、汗や我慢汁、精液などで濡れそぼって淫猥な艶を持っている。


 さらに、大量に中出しされたからか膨らんでいる腹も目立っていた。

ともすれば妊娠してからかなり月日が経ったと想えるほどに大きい。

だというのに、オスの優秀さを表すように結合部ではまだまだおびただしい量の精液が溢れ出す。

加えて台の下、床に敷かれた畳では、白濁液がこんもりと小高い山を作り、湯気すら立ち昇らせていた。


「……しょっ♡♡♡」


「ぉ゛っ……♡♡♡♡」


 鈴香は腰を引き、魔術師だった霧乃をメスにした元凶を抜いていく。

すると、表面を黄白色の液体で塗りたくったようなふたなりチンポが出てくる。

それは完全に抜けきるとまるで戒めから解かれたみたく反り返り、自身を縦に振るい、纏ったものを撒き散らしながら天井どころか持ち主の方を向いた。


「ひひっ♡♡♡」


 尋常ではない回数射精したはずだが、肉棒はまるで萎える気配を見せていない。

先端は相変わらず鈴香の胸元近く、太白の頭上までそびえ立ち、高く広いカリ裏を見せつけてくる。

そこには膣穴から這い出す時掻き出してしまったのだろう汁が、大きな雫となり、長く糸を引きながら今にも垂れ落ちようとしていた。

しかし汁自体の粘度が相当高いせいか、中々落ちてはこない。


 床を向いたカリ裏ですらそんな様子なのだから、当然幹にはへばりついたままだった。

普段であれば見えるはずの血管や浅黒い表面は、殆ど覆い隠されて見えない。

ただ、両手で回りきるかどうかという太さは健在であり、まだまだ性欲はたっぷり残っていると分かる。


 希望を尋ねるため、もっと視線を上げて愛おしい顔を見つめた。

返ってくるのは、さっきまで奴隷をハメ潰していたからかぎらぎらした目だ。

細められた鋭い眼光は射殺すようで、全身が粟立ち背筋へ官能が迸っていく。

そうなれば自分も、「あんな風」になるまで犯しぬいて欲しいと思ってしまう。


「……♡♡♡」


「うむ……♡♡♡」


 また、彼女の求めるものまで容易く理解できると、元々そうするつもりだったらしき人二人が横に並べる長さの台へ寝そべる。

そして陰部を見せつけ、迎え入れるように脚を持ち上げた。


「お前様?♡♡♡わしの尻穴とこやつの膣穴で『食べ比べ』をしてみるのはどうかのぅ?♡♡♡まぁきっと、お前様専用の穴じゃからこちらの方がずっと気持ちいいと思うがの♡♡♡」


「ふ~ん?♡♡♡」


「んっ♡♡♡というか本当は、先ほどと同じようにわしを抱き潰して欲しいのじゃ……♡♡♡♡旦那様の立派な腰振りを間近で見せつけられて、奴隷妻太白は同じものが欲しくてたまらなくてのぅ……♡♡♡」


「くひひっ♡♡♡♡」


 嗜虐心を昂らせている主人へ応じるように、へりくだった態度で媚びる。

同時に尻尾を揺らめかせ、身体から出ているメスフェロモンを周囲へ撒き散らす。

すると刺すように尖りつつ、絡みつくように粘っこい目つきがメス穴の入口へと注がれた。

激しい欲望を感じてそこは、無意識半分、誘惑半分といった具合でひくつく。

ひどく愛液で塗れているため、たったそれだけでまるで口淫している時さながらの水音が響いている。


「じゃあちょうど物足りない所だったし、太白のことたっぷり使うね?♡♡♡」


「っ♡♡♡」


「私が満足するまで、どれだけイっても気絶しちゃっても止めないけど大丈夫?♡♡♡」


「うむっ……♡♡♡」


 答えを聞きながらも鈴香の手は両足首を掴んで軽く広げ、伸びてきた尻尾が両肩を拘束していた。

しっかりと肉体が固定され、決して逃げられず、またろくに快楽を逃がすこともできなくなる。


 端から許可を取るつもりなどないのだ。

彼女の捕食者としてのスイッチが入った今、自分は単なる肉穴として身体を明け渡すだけ。

言葉はむしろ、この後する自慰行為の凄まじさを想起させるためのものだった。


 実際太白はより期待感を炙られ、肛門の痙攣を激しくしていく。

おまけに濃いよだれを垂らし、滑りが良くて腰が振りやすい、気持ちいい穴であることを言外に表す。


「あっ♡♡♡」


 蕩けた目を向けていれば、やがてやたらに濡れている亀頭が腸内へ仄かにめり込んだ。

焦げそうなほど粘膜は熱く、よほど血液を大量に送っているのか絶えず振動している。


「ふっ♡♡♡」


「ん゛ぉ゛ぉっ♡♡♡♡」


 そしてそれは間髪入れずに、一息で根本まで余すことなく挿入された。

肌同士打ち合う乾いた音が鳴り響き、思わず濁った声が出て、メスは疼ききっていた膣を擦りたくられて容易く絶頂する。


 かなり乱暴な突き込みでイくと、自分がどれほど快楽に弱いのかを教え込まれるようだ。


 道具のように扱われてもヨがるはしたない女――。

強姦されても喘ぐ浅ましい肉便器――。


 そんな自覚を強制的にさせられてしまう。

だが他でもない「旦那様」にされるのは悦びしかなかった。


「ふ~っ♡♡♡」


「ほお゛ぉ゛ぉ゛♡♡♡♡」


 やがてアクメ中の引き締まったナカを、巨根があちこちある出っ張りで引き摺り、纏った精液を塗り付けながらゆっくり抜けていく。

扱いているのはこちらのはずなのに、まるで扱かれているかのようだ。

しかも巨根はただ出て行っているだけ。

だが容赦のないケツマンコ嬲りに、けだもののような低い声が溢れ出す。


 加えて鳴る音はぐじゅぐじゅとあまりにもひどい。

熱烈なフェラチオですらこんな音は鳴らないのではないかというほどに、水分が弾ける音色が常に大きく響く。

きっとそれだけ、尻穴の吸い付きは凄まじいのだろう。


「ん~♡♡♡」


「お゛っ♡♡♡♡お゛ひっ♡♡♡♡おま゛えさまぁっ♡♡♡♡」


 そうした中で特にきついだろう括約筋を使って、鈴香は敏感なカリを出し入れして繰り返し愛撫する。

本来であれば開きっぱなしになってしまうだろう動きにもイき膣は都度開閉していた。

抜ける時はたっぷりとカリ首やカリ裏を舐り回し、侵入してくる時は張り出した部分をいたく歓迎していく。


 当然摩擦は著しくて、排出による甘い解放感も相まってアクメにアクメが重ねられようとしていた。

さらに弱点たる前立腺へ先端が当たってもおり、いちいち強めに潰されているのだ。


「ああぁぁっ♡♡♡♡――っ♡♡♡♡♡」


 やがて法悦は再び許容量を超え、女狐を温かく幸福な奈落へと突き落とす。

身体は底なし沼へと深く沈み込んでいき、早くも力が入らなくなっていく。

一気に突き上げられたため、緩やかに辿り着く絶頂よりは快楽が弱いものの、それが連続するとなれば話は別だった。

しかも淫らに変化した肉体は、複数回に及ぶ絶頂での辛さや疲労感などは一切無い。

ただただ気持ちよさのみを貪ることが出来る。


「あ~やば♡♡♡太白のケツマンコ、気持ちよすぎてすぐ出ちゃいそう……♡♡♡」


「っ♡♡♡♡」


 そこへ聞こえる、鈴香の思わずと言った風に呟いた言葉。

裏付けるみたく早くも痙攣が増えつつあるデカチンポ。


「ひひっ♡♡♡絡みつきすごくなったよ?♡♡♡お望み通り、たっぷり中出ししてあげる……♡♡♡」


「んほぉ゛っ♡♡♡♡だしてっ……♡♡♡だしてくれぇっ♡♡♡♡」


 メス穴は旦那様の様子を素早く察知すると、精液をねだるように、何よりなるべく良い射精をしてもらおうと蠢き抱きしめた。

応じるみたくピストンは素早く小刻みになり、結合部付近から響く音はより卑猥になっていく。

泡立てられる愛汁と我慢汁の混合液も相まって、ぐぷぐぷ、ぬぱぬぱと普通では聞かない粘音だ。

放たれる匂いまで同様に下品であり、甘いのに青臭いやたら刺激的なものが漂っている。


「あっ♡♡♡♡」


 するとやがて両肩を拘束する尻尾は再び締まって、足首を握る手にも力が入ることで絶頂が秒読みであることを悟った。

恐らく、たっぷりと奥へ中出しするための予備動作だろう。


 メス腸壁の最も深い場所は湧き立って、突き込みを歓迎し、愛おしい相手の精子を歓迎するため蠕動し始める。

奴隷妻となってから一週間と経っていないが、一日に何十回と連続した交尾でそこは肉棒の形に再度成形されていた。

亀頭を愛すため、子宮や子宮口さながらに他の場所とは違う舐めるような感触をあげられるようになっている。


「ふぅ~♡♡♡」


 視線の先で、やや集中した表情が見える。

口を軽く開けて息を吐き出し、虚空を見つめる真面目とも思える顔に、胸と淫穴がときめいた。

そしてその瞬間、侵入物は大きく膨張する。


「ふっ♡♡♡♡ん~っ♡♡♡♡♡」


「お゛ほぉ゛っ♡♡♡♡♡――♡♡♡♡♡」


 続けて一気に、腰と腰が密着するほど突き込まれ、押し付けられた先端から熱いものが吐き出されだした。

内側から拡げられている感覚が分かるほどの量が勢いよく叩きつけられ、数秒もしないうちに腸内全てが満たされる。

未だメスアクメに浸っていた中でされれば、凄まじく強烈な法悦で小刻みかつ素早い痙攣が起こり、触れられずとも母乳が噴き上がっていく。


 与えられる多幸感は射精されていることも相まってひどく深い。

しかもずっしりとしており、肉体から精神、果ては魂にまで伝わってぐちゃぐちゃと蕩かす。

オス様に身体を捧げ、征服されている実感。

それは常日頃から繰り返し味わっているものだが、やはりあまりにも甘ったるかった。


「お゛゛っ♡♡♡♡♡お゛ほぉ゛っ♡♡♡♡♡」


 さらに、鈴香はより心地好く精液をコキ出そうとばかりにやがてピストンを再開し、膣穴でチンポを扱く。

動作はやたら重たく、衝撃で全身の肉が震えてしまうほどだ。

二人の間では結合部から溢れ出した粘液が潰れて弾けたり、太い糸を引いていく。

ただでさえ性臭を放っていた周囲はより匂い立つようになる。


「ん゛ぅ゛ぅ゛ぅぅ♡♡♡♡♡」


 かと思えば今度は全てをまた入れ直し、円や8の字を描くように動かしてきた。

最奥は挿入すると気持ちいい場所であると同時に、挿入「される」と気持ちいい相当敏感な場所だ。

放出による脈動もあって、やや予測のつかない刺激が浴びせられる。

耳へ纏わりつくような音を立てながら尻たぶへオス汁が塗り広げられ、摺り込まれていくのもたまらない。

抽送とはまた違った延々と続く快楽に、呻くような濁った喘ぎ声がずっと出てしまう。


「ふ~っ♡♡♡♡」


「はぁっ♡♡♡♡はぁっ♡♡♡♡」


 そうした尻穴での自慰を入れ替わり立ち代わりで行っていると、しばらくしてようやく彼女の絶頂は終わりを告げた。


「あっ……♡♡♡♡」


「くひひっ♡♡♡」


 だがよほど妻の性器が好かったからか、心なしか絶頂前よりチンポの勃起が激しい。

亀頭や竿は膨張し、よだれを垂れ流しにして、全体を細かく振動させていた。

その振動はケツマンコへと伝わり、ただ挿入されているだけだというのに少しずつ確実にアクメが近づいてくる。


「ふっ♡♡♡ふっ♡♡♡」


「ん゛っ♡♡♡♡ん゛ひぃっ♡♡♡♡はげしっ♡♡♡♡」


 すると鈴香は間髪入れずに、素早いピストンを繰り返し始めた。

大量の潤滑剤を注ぎ込まれ滑りが増した腸内に、何度も何度もデカマラを出し入れする。

突かれる奥やカリ、血管によって嬲られる膣壁からは、どれほど激しかろうととにかく甘みだけが伝わってきた。


「激しいのっ♡♡♡嫌いっ?♡♡♡」


「んぉ゛っ♡♡♡そんなわけっ♡♡♡♡ないのじゃぁっ♡♡♡すきっ♡♡♡すきぃっ♡♡♡」


「……♡♡♡ふッ♡♡♡ふッ♡♡♡」


「あ゛ぁっ♡♡♡♡もっとぉっ♡♡♡♡」


 訊ねられれば本心からの言葉が出て、気をよくしたのか動きはより熱を増す。

ただ突くというより、肉を絡め取って擦りたくるねちっこさもある抽送だ。

挿入時には背中側が、抜ける時は腹側が特に強く刺激されていく。

しかも毎回カリと括約筋が当たるほどの長すぎるストロークであり、長チンポを熟知し活かすたっぷりした快楽が与えられていた。

そのせいで結合部から多くの精液が掻き出され、早くも次が欲しくなってしまうほどだ。


「ひひっ♡♡♡太白のおまんこっ♡♡♡せま~いっ♡♡♡また精液欲しくなっちゃったっ?♡♡♡♡」


「うむっ♡♡♡めすぎつねたいはくはっ♡♡♡おまえさまのせーえきがおなかにないとっ♡♡♡お゛っ♡♡♡さびしくなってしまうのじゃっ♡♡♡♡」


「ふ~ん♡♡♡……はッ♡♡♡」


「んあ゛ぁっ♡♡♡♡」


 媚びた嬌声へ応じるみたく、決して止まることなく交尾を続ける鈴香。

彼女は激しい劣情と征服欲でぎらつきつつも、疲労が全く見えない。

確かに肉体は火照り、汗をかいて赤らんではいるものの、その表情は余裕そのものだった。

広角の吊り上がった笑みを見せ、細めた目で妻のことを舐めるように視姦してくる。


「ひひひ……♡♡♡」


「あっ……♡♡♡」


 そしてそうしたいやらしい視線が、先ほどからピストンの衝撃でたゆみ続けていた爆乳を捉えた。


 開かれっぱなしだった左右の両足が重ねられ、足首が右手で持たれる。

結果空いた左手が、下卑た欲望を隠しもせず伸びていく。


「じゃあっ♡♡♡寂しそうなここもっ♡♡♡触ってあげるねっ♡♡♡♡」


「あっ♡♡♡おっぱいぃっ♡♡♡さわってっ♡♡♡ぐにゅぐにゅしてぇっ♡♡♡♡」


 右乳房が捕まえられた。

親指大の乳頭を手のひらで覆い、あまつさえ押し込むような力強さだ。

指が鉤爪みたく食い込んでくる。

ただでさえみちみちに詰まっている乳腺が刺激される持ち方だった。


「ふッ♡♡♡ふ~ッ♡♡♡♡」


「んひぃ゛っ♡♡♡♡おっぱいぃっ♡♡♡♡でるぅっ♡♡♡♡」


 そこへさらに、乱暴且つ繊細に揉んでくる。

軽く潰さんばかりに掴んで弾力を愉しむように、手首をひねって乳肌の滑らかさを味わうように。

本来であれば痛むのかもしれないが、「旦那様」専用となっている胸はいたく悦んでいた。

感じている快楽を表すように乳首からは母乳が多く滲み出し、愛撫に粘っこい音を足す。


加えて身体がやや左側へ傾いたことで、出し入れされる肉棒の当たり方も変化している。

いつも擦れる場所とは少しずれた所を強く摩擦していく、あまり慣れていない新鮮な当たり方だ。

打ち付けられる腰の角度も違う。

また、少し右半身が浮くことで落ち着かず、それがかえって背筋をぞわつかせる浮遊感をもたらす。


「ひひっ♡♡♡乳首もしこしこしてあげる♡♡♡」


「んぁ゛っ♡♡♡♡それっ♡♡♡すきぃっ♡♡♡♡――♡♡♡♡」


 鈴香はそうして乳肉を堪能すると、今度は大きな突起を三本指で摘まみ、上下に扱いてきた。

指先が硬く芯のある乳首へ食い込むほどの手つきで、肉棒への手コキも想起されて発情が強まり、アクメが押し寄せる。


 胸から熱っぽい多幸感が襲い、また先端からは重たくねばねばした液体が噴き上がっていく。

乳を出すという女の悦びと、まんこにチンポを入れられるというメスの悦びが重なってあまりに気持ちいい。

呼応するように結合部からも重たくねばねばした本気汁が溢れ出し、周囲へ甘酸っぱい淫臭を振りまく。

おまけにイき潮まで吹きだしており、ひどく分かりやすいヨがり方をしてオス様を無意識に愉しませてしまう。

その姿はまさしく性処理用の穴そのものだった。


「……♡♡♡♡」


「お゛っ♡♡♡♡かりかりだめぇっ♡♡♡♡」


 続けて親指と中指はそのままに人差し指が離れたかと思えば、先端を引っ掻いてくる。

指の腹でされると感触は柔らかいものの、刺激はむしろ刺すようで殊更に射乳を誘う。

引っ掻きの度面白いように母乳が上がって、周囲をよりどろどろに濡らした。


「んぃ゛ぃっ♡♡♡♡つめっ♡♡♡♡たてちゃぁっ♡♡♡♡――♡♡♡♡♡」


 しかも時折爪が立てられ、鋭い尖りによって撫でられていく。

動き自体はやはり優しいが、決して快楽は生易しいものではない。

背筋が震え、熱を持っていた箇所が一気に冷えるような強い感覚で、再びイく。


 そしてその途中追い打ちをかけるように、爪先は乳首にある放出用の穴へと少しずつめり込んだ。


「ぉ゛っっ♡♡♡♡♡ん゛あ゛ぁぁぁっ♡♡♡♡♡――♡♡♡♡♡」


「くひひっ♡♡♡♡あーやば……♡♡♡イきまんこ締まる~……♡♡♡♡」


 普段、液体が通るだけでも気持ちいい場所がそうして硬いもので摩擦されると、破滅的な心地好さの沼へと堕とされる。

敏感な突起物の内側はより敏感すぎ、微かな身じろぎで振動するだけでもアクメに見舞われていく。

だが、鈴香は同時に相変わらずの激しいピストンを行っており、振動は「微かな身じろぎ」程度ではない。

前立腺じみた感度の性感帯が、その前立腺共々滅茶苦茶にされる。


 だがそうした中で唯一、塞き止められた大量の乳汁が「外へ出たい」と強く訴え、不快感を生んでいた。

その分望み通り吐き出された時の報酬を溜め込んでいる事も分かってしまう。

少し恐ろしいと思うほどの、しかしそれ以上に期待を持ってしまうナニかが、近づいている。


「んふ~♡♡♡♡」


「あ゛っ……♡♡♡♡♡っっ♡♡♡♡♡」


 明らかにそのことへ気づいている、いたずらっぽい笑みを浮かべているオス。

ただ目つきは劣情と支配欲で濁りきっており、妻で遊ぶ愉悦が表れていた。

メスを己の欲望のまま「使う」ことに一切罪悪感を抱いていない雄々しい姿で、全身はときめいて止まらない。

オス様に壊してもらう悦びが、太白という存在の全てを覆い尽くしていく。


 やがて、ナニかは訪れた。


「――♡♡♡♡♡っ――♡♡♡♡♡ぁ――♡♡♡♡♡♡」


「んっ♡♡♡♡ふぅ~♡♡♡♡♡」


 一気に爪が乳首から引き抜かれることで深い絶頂が押し付けられ、溜まりに溜まっていた汁を高く噴き出すことでイく。

加えて尻穴も最奥まで一気に突き込まれ、いくつもの深アクメが重なる。


 それは、全てを塗り潰すような快楽だった。

あらゆるものが壮絶に幸福な白で染まっていく。

思考や感覚は存在することが一切許されていないかのように消え去り、ただ気持ちよくなるために使われる。

その中で、唯一鈴香の事は考えることができ、すると絶頂はより深さを増していった。


「あむっ♡♡♡……くひひっ♡♡♡私もこのままっ♡♡♡出しちゃおっかなっ♡♡♡♡」


「あっ――♡♡♡♡♡くれっ♡♡♡♡たくさんくれぇっ♡♡♡♡んぃっ――♡♡♡♡」


 白飛びした意識に、響く吸い付く音と上気した声。

ナカにあるチンポはさらに肥大化していく。

身体が上手く動かないながらも応じれば、再び足首が両手で持たれ、腰を打ち付けやすい恰好にされる。


「ふッ♡♡♡ふッ♡♡♡ふッ♡♡♡」


「ひぁっ――♡♡♡♡♡」


 続けざまに小刻みな抽送が襲いきて、全身を襲う多幸感が全く引かなくなっていった。

やたら甘ったるく、だが飽きる気配もない感覚から、降りていくことができない。

むしろ底なし沼へと沈んでいくような心地だ。


「あぁぁっ――♡♡♡♡♡おまえさまっ♡♡♡♡おまえさまぁっ――♡♡♡♡♡」


「んぅっ♡♡♡♡はーっ……♡♡♡♡あー♡♡♡♡すっごく濃いの出そうっ♡♡♡♡」


 悦びを共有したいと思うと、まるで言う事を聞かないはずの肉体で自然と尻尾だけが動いていた。

一つは尻穴へと入って前立腺を捏ね、二つは金玉を一個ずつさすって、最後の一つは柔らかな毛で様々な所を愛撫していく。

するとオスの欲は殊更に昂り、行為の早さや肉棒の勃起、震えはまた強くなる。

最早彼女専用である太白にしか受け止めきれないだろう、凶悪な腰つき、モノで、結合部から響く音色は小屋どころかこの異空間中を響いていた。

撒き散らされる香りも一嗅ぎで処女を絶頂させるほどであり、青臭さ、イカ臭さ、栗の花の匂いが混ざった相当濃いものとなっている。


「ふぅっ♡♡♡チンポっ♡♡♡すごく敏感になってるっ♡♡♡太白っ♡♡♡すぐ出すねっ♡♡♡♡」


「っ――♡♡♡♡うむっ♡♡♡♡いくらでもっ♡♡♡♡なんどでもだしてくれっ♡♡♡♡ふあっ――♡♡♡♡♡」


 ただそうして妻をひどく情熱的に愛す邪神は感度も相応に上がっている様で、脈動回数や激しさが増え、先端からは我慢汁を駄々洩れにしていた。

おまけに亀頭もぷっくらと膨らませ、勢いのいい大量放出に備えている。


 また真っ赤に染まった肩や腹筋を痙攣させており、濡れて纏まった白銀の髪から覗く額は汗みずくだ。

頭上からは湯気すら上がる。

表情は今までより仄かに余裕が消え、やや真顔になり射精へ集中していることが分かった。

自分との情事、自分の性器による気持ちよさそうな姿を見るだけでナカがひくつき、ただでさえメスアクメで締まっているのにより精液をねだってしまう。


「ふーッ♡♡♡ふーッ♡♡♡♡」


「あ゛ぁぁっ――♡♡♡♡すきぃ゛っ♡♡♡♡すき゛ぃぃっ――♡♡♡♡♡」


 そして、その時は刻一刻と近づいていた。

けだものじみた荒々しい呼吸と、低く濁ったメスのいななきが世界に響く。

繋がる二人の間を膨大な快楽が駆け巡る。


「んぅっ♡♡♡♡出すっ……♡♡♡♡出すねっ♡♡♡♡太白っ♡♡♡♡私も好きだよっ♡♡♡♡んっ♡♡♡♡♡」


「っ……♡♡♡♡♡わしもっ♡♡♡♡♡――♡♡♡♡♡♡」


 やがて、鈴香は太白の腰へ腰を衝突させ、肉同士をぴったり密着させ合うと、淫穴の奥へ熱い子種汁を注ぎ込み始めた。


 中出しされている者へもたらされるのは、至上の幸福だ。

愛する者と交尾し、好意や愛情、欲望の証を身体の弱く敏感な場所で受け止め、達する悦びが訪れる。

純粋な快感だけではない満たされるような心地が溢れていく。

濃密で重たいトロけは全てを温かく包む。


 この世で最も優れたオスの妻である幸せに、メスはこれからも彼女へ付き従い、彼女のため全てを捧げると改めて魂深くへ刻み付けた。

たとえどんなことがあったとしても忘れることなどないように。

ただ当然、そんなことなど一切起きないと確信していた。

なぜならば自分の夫以上の存在など、どこにも存在はしないのだから。









「ここか……」


「おう。この雰囲気と音、間違いねぇだろうな」


 ある男魔術師、蓮司が、サクラリア地方の辺境にある、背の高い木々や山に囲まれた村を相方である真琴とともに訪れていた。


 曰くこの場所は昔、彼ら魔術師の一族が持つ長い歴史の中でも、特に力をつけた「宿敵」と戦った場所だという。

その時は多数の犠牲を出しつつ辛くも勝利したらしいが、今、この時においては別だったらしい。

周囲には対策無く吸えば容易く理性を奪う桃色の瘴気が蔓延しており、さらにどこからか喘ぎ声が響いてくる。


 彼らがここに来たのは、同胞の行方不明がきっかけだ。

一か月前、「彼女」はこの村から発された救援を求める魔法に応じ、そしてそれから連絡が取れなくなっていた。


「それで親玉の居る場所が……」


「あぁ」


 二人は遠くにある山へ作られた石段、昇った先にある大きな鳥居を見つめる。

探知魔法など使わなくとも、そこからは禍々しい雰囲気が漂う。

これまで戦ってきた相手の持つものとは多少違ったが、一族の目的たる猫の亜人が出す魔力で間違いなかった。


 村の人々に気づかれないよう、そこへと進んでいく。




「なげぇな……」


「あぁ……」


 十分ほど気配を殺して歩けば、石段の麓へと辿り着いた。

近づいてみると首を傾けなければ終わりが見えないほどで、二人は多少面倒に感じつつ呟く。


「だが……」


「おう。霧乃を助けるためだもんな」


 しかし、それだけでは止まる理由にならない。

当然一族の目的を達成するためもあるが、何より行方知れずになったのが恩人たる霧乃だからだ。

これまで何度も命を救われているし、住処たる「隠れ里」には彼女の存在が欠かせない。

この一か月、彼女不在で不安がる子供たちを落ち着かせることがどれほど困難だったことか。


「さっさと行くか」


「あぁ」


 そして二人は足を踏み出し、長く続く階段を昇ろうとした。


「待って、二人とも♡♡♡」


「なっ!?」


「っ!」


 だがその瞬間、後ろから聞き覚えのある、ただあまりにも艶っぽい声が聞こえる。

驚き、瞬時に振り返る蓮司。


「霧乃……」


「まぁ、そうだよな……」


「ふふ♡♡♡」


 背後には、彼らの同胞たる魔術師、霧乃の変わり果てた姿があった。

目は欲望に濁り、下着ほどしか生地のない服で胸を包み、腰には足元まで伸びる前垂れのみを履いている。

さらに股間から生えているだろう巨大なモノが、それを高く押し上げ、先端の卑猥な形を浮かび上がらせていた。

下腹部には猫の亜人の奴隷となったことを表す紋様が刻まれ、しかもそこから伸びた発光する桃色の尻尾は、触手が全身へ絡みつくように伸びる。


 正直な所、長い間連絡が取れなかった時点で堕とされている事は半ば確信していたが、実際目の当たりにすると精神が削り取られた。

また、今まで魔力を一切感知できなかったことにも驚愕する。

探知魔術を阻害する何らかの原因があったと言えるからだ。


 もし、自分達の魔術が解析されつくし、最早亜人へ意味を為さないものとなっていたら。

相当に複雑で難解なものであるため、その可能性は無いはずだ、今までそんなことは無かったと思い直すが、嫌な想像は拭い去れない。


「――」


 だが、それが何もしない理由になるわけではなかった。

二人は拘束するための魔術を使う。


「……♡♡♡」


 霧乃は、そうした真剣な姿をにやついた顔で見つめるだけ。


「はぁっ!」


「ふっ!」


 やがて数秒と経たないうちに詠唱が終わり、そのまま発動する。


「あはっ♡♡♡それで終わり?♡♡♡二人とも♡♡♡」


「なっ……」


「くそっ……」


 しかし、魔術が効いている様子は無かった。

いつもであれば対象は手足の自由を失い、地面へと倒れ伏すはずだが、彼女は依然として立ったまま。

さらに微塵も意味をなしていないのか、表情も至極余裕そうだった。


「じゃあ、今度は私から行くからね?♡♡♡」


「っ!」


「蓮司っ!むぐっ」


 そして呆気に取られていると飛びかかられ、地面へと押し倒される。

一瞬真琴の方を見るが彼も同時に何かで拘束されており、動けないでいた。

助けは期待できない。


「ほら、こっちに集中して?♡♡♡」


「なっ……」


 聞こえた蠱惑的な声で相対する霧乃へ視線を戻すと、前垂れがずらされ、隠されていたチンポが目の前に突きつけられている。

猫亜人の奴隷となった女性が生やされる、男性よりもずっと逞しいモノだ。

すぐそこにある亀頭はたっぷりとえらを張り、よほど使われたのか濃厚な紫色をしている。

加えて堪え性なく鈴口からよだれを垂らし、どんどんと濡れそぼっていく。


 ただ、ふたなりチンポから放たれるフェロモンが魔術師へ効かないことは、彼女も分かっているはずだ。

これまで何度も、身をもって証明してきている。

なぜ無意味なことをしているのだろうか、と思う。


「うぁ……?♡♡♡」


「ふふふ♡♡♡」


 だが、そう考える蓮司の頭は既に蕩かされていた。

身体は熱くなり、下半身には血が巡っていく。

となれば本来は男性器が疼くはずだが、今強烈に疼くのは尻穴だ。

満たしてくれそうな棒の事を、自然と見つめてしまう。


 明らかにまずい状況だった。

ろくに働かない思考が、今まで漏れてこなかった魔術が暴かれてしまったことを悟る。


「むぐっ♡♡♡」


「んっ♡♡♡」


 しかし、デカチンが口をこじ開けて入ってくると、全ては一気に消え去っていく。

先ほどまであった戦う意志が、性欲へと捻じ曲げられていくのが分かる。


「あむっ♡♡♡んちゅっ♡♡♡」


 数秒後、そこに魔術師蓮司の姿は無く、居るのはただメス奴隷となった男だけだった。




 そうして邪神鈴香は、新たな手駒を手に入れた。

そして天敵への完全な対抗手段を持ったと確信した彼女は、やがて彼ら一族全てまでも自らの奴隷にしてしまったという。



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